JP2016038516A - 撮影装置、料金自動収受機、撮影方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
通常、車両の車体形状及び停車位置に応じて車両における撮影対象物の位置が異なる。しかし、上記構成を有する撮影装置によれば、車線上に停止した車両における撮影対象物がいずれの位置にあるかを、撮影対象物の位置に関連する情報に基づいて把握し、当該撮影対象物が撮影可能となるように、撮影部の撮影条件を変更する。そうすると、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置を通じて利用者の顔などを視認しやすくなり、車両における撮影対象物の確認を要する料金収受の手続きを円滑化することができる。
このような構成によれば、撮影条件変更部は、撮影対象物の位置に関連する情報として、車両の高さ方向における窓の位置に基づいて、当該窓の位置が撮影範囲に含まれるように、撮影部の撮影条件の一つである撮影範囲をチルト方向に変更する。一般に、車両の窓の位置と、撮影対象物の一つである利用者の顔の位置とは対応する。したがって、撮影対象物が撮影部の撮影範囲に含まれやすくなる。
このような構成によれば、高さ方向における窓の位置に対する撮影対象物の位置を、車両の車種情報に基づいて推定する。そして、特定された車種別に、推定された撮影対象物の位置を撮影範囲に含むように、撮影範囲をチルト方向に変更する。これにより、車両の車種別に推定される、窓の位置と撮影対象物の位置との相対的な位置関係に応じて撮影範囲がチルト方向に変更されるので、撮影対象物が撮影部の撮影範囲に一層含まれやすくなる。
このような構成によれば、車両の車線方向における停止位置がいずれであっても、車両における撮影対象物が撮影範囲に含まれるように、撮影部の撮影範囲がパン方向に変更される。したがって、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置を通じて利用者の顔等を視認しやすくなり、車両における撮影対象物の確認を要する料金収受の手続きを円滑化することができる。
このような構成によれば、車両の車軸と窓の位置との相対距離を車両別に判別し、車軸に基づいて車両の停止位置を推定した後、更に、その停止位置における車軸の位置を基準とした窓の位置を相対距離情報に基づいて算出することで、より正確に撮影対象物の車線方向における位置を推定することができる。これにより、撮影範囲のパン方向への調整の精度が向上し、撮影対象物が撮影範囲に一層含まれやすくなる。
このような構成によれば、車両が撮影部の撮影範囲に含まれない時間帯においては、常に、オートフォーカス調整が開始されないため、撮影条件変更部が無限遠方にフォーカスを合わせようとすることが無くなる。そうすると、車両が進入してきた際に、当該車両にフォーカスが合うまでの時間が短縮される。したがって、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置を通じて利用者の顔を鮮明に視認可能となるまでの時間が短縮される。
このような構成によれば、画像データ解析部が、画像データのコントラストを把握するとともに、画像データ保持部が、コントラストが所定の判定閾位置以上と判定した画像データを保持(ホールド)する。これにより、収受員等が監視する監視盤には、コントラストが高く、証明書の内容を判読可能な画像データが静止画像として映し出される。したがって、収受員等は、当該静止画像を視認するだけで証明書の内容を把握することができ、身体障害者用の割引を適用可能か否かの判断を迅速に行うことができる。これにより、撮影装置100を通じて証明書の内容を把握するまでの時間が短縮される。
このような構成によれば、ある時間内に取得された範囲内で最大のコントラストを有する画像データが静止画像として映し出される。したがって、収受員等に対し証明書の内容を判別しやすい静止画像を提供することができ、更に、当該静止画像を提供するまでの時間を短縮することができる。
このような構成によれば、撮影装置は、料金自動収受機と一体に構成される。これにより、利用者は、料金収受処理を行う装置を通じて撮影対象物の提示を行うことができるので、料金自動収受機の利便性を向上させることができる。
通常、車両の車体形状及び停車位置に応じて車両における撮影対象物の位置が異なる。しかし、上記撮影方法によれば、車線上に停止した車両における撮影対象物がいずれの位置にあるかを、撮影対象物の位置に関連する情報に基づいて把握し、当該撮影対象物が撮影可能となるように、撮影部の撮影条件を変更する。そうすると、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置を通じて利用者の顔等を視認しやすくなり、車両における撮影対象物の確認を要する料金収受の手続きを円滑化することができる。
通常、車両の車体形状及び停車位置に応じて車両における撮影対象物の位置が異なる。しかし、上記プログラムによれば、車線上に停止した車両における撮影対象物がいずれの位置にあるかを、撮影対象物の位置に関連する情報に基づいて把握し、当該撮影対象物が撮影可能となるように、撮影部の撮影条件を変更する。そうすると、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置を通じて利用者の顔等を視認しやすくなり、車両における撮影対象物の確認を要する料金収受の手続きを円滑化することができる。
(全体構成)
以下、第1の実施形態に係る料金収受施設について、図面を参照ながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る料金収受施設の全体構成を示す図である。
図1に示すように、料金収受施設1は、料金自動収受機10、車種判別装置20、発進制御機30、発進検知器40を備えている。
料金収受施設1は、有料道路の出口料金所に設けられ、当該有料道路の利用者から料金を収受するための施設である。
料金自動収受機10は、車線Lの側部のアイランドI上に設けられ、車線L上に停止した車両との間で料金収受処理を行う。具体的には、料金自動収受機10は、有料道路の利用者(車両Aの運転者)から料金(紙幣、硬貨、クレジットカード等)を受け付けて、車両Aの車種や有料道路の走行距離等に応じた課金処理を行う。料金自動収受機10は、内部に料金収受処理部を有しており、例えば、利用者から投入された紙幣や硬貨の投入金額を算出するとともに、排出すべき釣銭の額を計算し、紙幣や硬貨を専用の排出口から排出する制御を行う。
また、料金自動収受機10は、通話用・身体障害者用カメラである撮影装置100を搭載している。
車種判別装置20は、複数の検出用装置(図4に示す車両検知器201、踏板202、車高検知器203、車長検知器204、ナンバープレート認識装置205)を通じて得られる種々の検出信号に基づいて、主に、通行する車両Aの車種を特定する。料金自動収受機10は、車種判別装置20により取得された車種情報を取得して、利用者が運転する車両Aの車種に応じた料金を課金することができる。
発進制御機30は、料金自動収受機10よりも車線Lの下流側(車両Aの走行方向における奥手側、+X方向側)に設けられ、ゲートの開放動作及び閉塞動作を実施する。発進制御機30は、例えば、利用者の運転する車両Aを、料金の収受処理が完了するまで発進させないようにする等の目的で設けられている。発進制御機30は、料金自動収受機10が搭載する制御装置から開司令、閉指令を受け付けて、ゲートの開放動作、閉塞動作を実施する。例えば、料金自動収受機10による料金収受処理が完了した際には、発進制御機30は、料金自動収受機10の上記制御装置から開司令を受け付けてゲートの開放動作を実施する。
発進検知器40は、車線Lの最下流に設けられ、利用者の車両Aが車線Lから退出したか否かを検出する。発進検知器40の検出信号は、料金自動収受機10の上記制御装置に出力される。当該制御装置は、発進検知器40から検出信号の入力を受け付けると、後続車両の有無などを判断して、発進制御機30に閉指令を出力するか、そのまま開とするか等の制御を行う。
図2は、第1の実施形態に係る料金自動収受機の構造を示す図である。
図2に示すように、料金自動収受機10は、筐体11と、上段操作部12aと、下段操作部12bと、を備えている。なお、以下の説明では、料金自動収受機10の筐体11が、車線Lが配される側を向く車線幅方向(+Y方向)を「料金自動収受機10の前方」とも記載する。
表示部15は、車両Aに搭乗する利用者に対して、料金収受に関する情報(課金額や車種情報等)を表示して通知する。表示部15は、筐体11の前面11aにおいて、上段操作部12aの高さ方向上方、及び、下段操作部12bの高さ方向の上方に並んで配置されている。
報知部17は、車両Aに搭乗する利用者に対して、料金収受に関する情報を音声で報知する。報知部17は、筐体11の前面11aにおける上段操作部12aに対応して配置されている。本実施形態において報知部17は、表示部15に隣接して設けられているスピーカーである。
なお、上述した料金自動収受機10の構成は、一例であって、上述の内容に限定されるものではない。他の実施形態に係る料金自動収受機10は、有料道路別に採用される課金方式や設置される料金所の環境等に応じて、上述した各構成の一部を搭載しないものであってもよいし、上述した各構成以外の構成を更に搭載するものであってもよい。
撮影装置100は、料金自動収受機10と一体に設けられ、料金自動収受機10の前方における所定の撮影範囲を撮影する。撮影装置100は、主に、身体障害者に対する割引が適用される資格を有することを示す証明書である身体障害者手帳を、遠隔地に常駐する監視員や収受員等に提示するために備えられている。具体的には、撮影装置100は、車両Aにおける撮影対象物である利用者(車両Aの運転者)自身の顔や証明書を、カメラ(後述する撮影部101)を通じて画像データとして取り込み、当該取り込んだ画像データを有線又は無線通信を介して上記遠隔地に配された監視盤(図2には図示せず)に送信する。収受員等は、監視盤のモニタに映しだされる画像データを視認することで、利用者に対し、身体障害者への割引が適用可能か否かを確認する。これにより、収受員等が利用者のもとに赴いて直接確認する必要がなくなるので、料金収受業務の負担が軽減される。
なお、上段撮影部101a及び下段撮影部101bは、利用者が収受員呼び出しボタン129を押した場合において、インターホン用のカメラとしても用いられる。
図3は、第1の実施形態に係る撮影部の構造を示す図である。
図3に示すように、撮影部101の上段撮影部101aは、集光レンズ102と、チルト駆動部103aと、パン駆動部103bと、フォーカス調整駆動部103cと、を備えている。なお、下段撮影部101bの構造は、上段撮影部101aと同一であるため、説明を省略する。
上段撮影部101aは、集光レンズ102を介して入射した外光に基づいて画像データを生成する。上段撮影部101aの撮影範囲(画像データとして取り込まれる範囲)は、集光レンズ102の光軸Rが向く方位を中心とした範囲となる。後述するチルト駆動部103a、パン駆動部103bの駆動により集光レンズ102の光軸Rが向く方位が変化した場合は、その変化に伴って撮影範囲も変化する。
図4は、第1の実施形態に係る車種判別装置の構造を示す図である。
図4に示すように、車種判別装置20は、車両検知器201と、踏板202と、車高検知器203と、車長検知器204と、ナンバープレート認識装置205と、を備えている。また、車種判別装置20は、車両検知器201、踏板202、車高検知器203、車長検知器204、ナンバープレート認識装置205の各々が検出した検出信号を取得して、通行した車両Aの車種を特定する車判制御部200を備えている。
車両検知器201は、高さ方向(±Z方向)に配列された受光センサ(図4には図示せず)により、車両Aの車線Lへの進入に応じた検出信号を出力する。車両検知器201は、車線Lに進入した車両Aが受光センサに投光される光を遮ることで、車両A一台ごとの通過を検出可能な検出信号を出力する。
踏板202は、車線Lに進入してきた車両Aの車軸数、タイヤ幅、トレッド(左右のタイヤの中心間距離)、及びタイヤの幅方向の位置に応じた検出信号を出力する。踏板202は、車線方向(±X方向)において車両検知器201が設置されている位置と同じ位置の車線L路面上に設けられる。踏板202は、内部に電気接点を利用した踏圧センサ(図4には図示せず)を有し、当該踏圧センサを通じて車線Lに進入した車両Aによる踏圧の、車線幅方向における踏圧位置及び踏圧幅に応じた検出信号を出力する。
また、上記踏圧センサは、車線方向にも複数配列される。これにより、踏板202は、車両Aの前後進を判別可能な検出信号を出力する。
車高検知器203は、進入してきた車両Aの車高に応じた検出信号を出力する。車高検知器203は、車両検知器201の上方に設けられている。車高検知器203は、車両検知器201と同様に、受光センサに投光される光が遮光されるか否かに基づいて、車両Aの車高を検出可能な検出信号を出力する。
車長検知器204は、車線Lに進入した車両Aの車長に応じた検出信号を出力する。車長検知器204は、車線Lにおける車両検知器201の下流側に設けられる。車長検知器204による車長に応じた検出信号は、主に、車判制御部200が、車両Aが軽自動車かそれ以外の車種(普通車、中型車、大型車、特大車)かを判別するために用いられる。
ナンバープレート認識装置205は、車両検知器201による車両Aの進入検知に応じて、車両Aのナンバープレートを含む車両Aの前面画像を撮影し、車両Aの車両番号情報を取得する。
図5は、第1の実施形態に係る撮影装置等の機能構成を示す図である。
図5に示すように、撮影装置100は、撮影部101(上段撮影部101a、下段撮影部101b)と、撮影制御部104と、記憶部107と、を備えている。
上段撮影部101a、下段撮影部101bは、上述したように、内部に駆動機構(チルト駆動部103a、パン駆動部103b、フォーカス調整駆動部103c、図3を参照)を備え、撮影範囲の変更機能、オートフォーカス機能を有する。
撮影制御部104は、撮影装置100の動作全体を司る。本実施形態において、撮影制御部104は、CPU(Central Processing Unit)であって、所定の記憶領域に読み込まれたプログラムに基づいて動作することで、情報取得部105、撮影条件変更部106としての機能を発揮する。
窓位置情報取得部105aは、車種判別装置20の検出結果に基づいて特定される車両Aの窓の位置を示す窓位置情報を取得する。具体的には、窓位置情報取得部105aは、車種判別装置20の車両検知器201より取得される検出信号を入力して、通行する車両Aについての窓の位置を特定することで窓位置情報を取得する。
具体的には、撮影条件変更部106は、撮影部101のチルト駆動部103a、パン駆動部103bの駆動を制御することで、撮影部101の撮影条件の一つである撮影範囲を変更する。
なお、撮影条件変更部106は、更に、チルト制御部106aと、パン制御部106bと、オートフォーカス制御部106cと、を備えている。チルト制御部106aは、撮影部101のチルト駆動部103aの駆動を制御し、パン制御部106bは、撮影部101のパン駆動部103bの駆動を制御する。また、オートフォーカス制御部106cは、撮影部101のフォーカス調整駆動部103cの駆動を制御して、撮影条件の一つであるフォーカス条件を変更することでオートフォーカス機能を実現する。なお、オートフォーカス制御部106cによる具体的な制御手段は、既知の方式で実現される。例えば、オートフォーカス制御部106cは、取得される画像データのコントラストが最も高くなるように集光レンズ102の位置を決定するコントラスト検出方式に基づいてフォーカス調整駆動部103cの駆動を制御する。
図6は、第1の実施形態に係る車両検知器の構造を示す図である。
図7は、第1の実施形態に係る窓位置情報取得部の機能を説明する図である。
図6、図7を参照しながら、第1の実施形態に係る撮影装置100の窓位置情報取得部105aの動作について詳細に説明する。
図6に示すように、車両検知器201は、投光塔201aと、受光塔201bと、を有している。
投光塔201a、受光塔201bは、車線方向の同じ位置であって、車線Lの両側部(+Y方向側の側部又は−Y方向側の側部)の互いに異なる側に設置される。投光塔201a、受光塔201bは、高さ方向に伸びる直方状に形成され、互いに対向する面を有している。投光塔201aのうち受光塔201bに対向する面には、受光塔201bに向けて所定波長の光線P(例えば、赤外光線)を投光する投光器S1が、高さ方向に等間隔で複数配置されている。一方、受光塔201bのうち投光塔201aに対向する面には、投光器S1が投光する光線Pの受光を検出する受光センサS2が、高さ方向に等間隔で複数配置されている。各受光センサS2は、各投光器S1に、一対一に対応するように設けられる。各受光センサS2は、それぞれ対応する投光器S1から光線Pを受光しているか否かを示す検出信号を常時出力している。
上記構成を有する車両検知器201によれば、車両Aが、投光塔201a及び受光塔201bと車線方向の同じ位置に存在した場合、車両Aの車体により、高さ方向の所定範囲に渡って投光器S1から受光センサS2への光線Pが遮光される(図6参照)。
図7には、車両Aの車体形状(側面形状)と、光軸Pの遮光状態との対応関係を示している。図7に示すように、車両検知器201には、車両Aの通過に伴い、遮光状態を示す情報PLを出力する受光センサS2と、遮光されていない状態(非遮光状態)を示す情報PHを出力する受光センサS2と、が存在する。図7に示すように、車両Aの車体の一部が存在する領域であっても、光軸Rが透過可能な窓の位置に対応する受光センサS2は、非遮光状態となっている。
窓位置情報取得部105aは、車両Aの通過時間の経過に伴って変化する遮光の情報PL及び非遮光の情報PHを所定の記憶領域(例えば、記憶部107)に逐次記憶する。これにより、窓位置情報取得部105aは、車両Aの側面形状をシルエットのように捉えることができる。
本実施形態に係る窓位置情報取得部105aは、以上のようにして、通行する各車両Aの窓の位置を示す窓位置情報(中心位置Lwc)を取得する。
図8は、第1の実施形態に係る撮影条件変更部の機能を説明する図である。
図8(a)は、「普通車」である車両Aが料金自動収受機10の前方に停止した場合を、図8(b)は、「大型車」(大型トラック)である車両Aが料金自動収受機10の前方に停止した場合を示している。
撮影条件変更部106は、図8(a)に示すように、窓位置情報取得部105aが取得した窓位置情報に基づいて、撮影部101の撮影範囲をチルト方向に変更する(光軸Rを上下どちらかに動かす)。具体的には、チルト制御部106aは、予め記憶部107等に記録された上段撮影部101a、下段撮影部101bそれぞれの、車線Lの路面からの高さを示す情報(高さLma、Lmb)と、窓位置情報取得部105aが取得した車両Aの窓位置情報(中心位置Lwc)と、を比較する。上段撮影部101a、下段撮影部101bの高さLma、Lmbよりも中心位置Lwcの高さの方が高い場合には、チルト制御部106aは、各々のチルト駆動部103a(図3)を駆動させて、撮影範囲(集光レンズ102の光軸Rの向き)を上方(+Z方向側)に移動させる。チルト制御部106aは、上段撮影部101a、下段撮影部101bの高さLma、Lmbよりも中心位置Lwcの高さの方が低い場合には、各々のチルト駆動部103aを駆動させて、撮影範囲を下方(−Z方向側)に移動させる。
また、チルト制御部106aが上段撮影部101aの撮影範囲を上方又は下方に移動させる量(チルト角θa)は、高さ方向の差(Lma−Lwc)に応じた量にしてもよい。即ち、チルト制御部106aは、車両Aの窓の位置と、上段撮影部101aの位置と、の高さ方向の差(Lma−Lwc)が大きいほど、チルト角θaを大きく設定し、高さ方向の差が小さいほど、チルト角θaを小さく設定して撮影範囲を変更する。下段撮影部101bの撮影範囲を移動させる量(チルト角θb)についても同様の制御を行う。
なお、図8(a)、(b)に示す例では、チルト制御部106aは、tanθa=(Lma−Lwc)/W、tanθb=(Lmb−Lwc)/Wを満たすようなチルト角θa、θbをそれぞれ算出し、算出されたチルト角θa、θbに基づいて、上段撮影部101a、下段撮影部101b各々のチルト駆動部103aを駆動させる。ここで、所定幅Wは、料金収受処理を行う利用者(車両Aの運転者)と料金自動収受機10との距離の一般的な値(例えば、50cm)である。
図8(a)、(b)に示すように、車両Aが「普通車」の場合と「大型車」の場合とでは、高さ方向における窓の位置(窓領域Lw)が異なる。しかし、第1の実施形態に係る撮影条件変更部106によれば、いずれの場合であっても、車両Aの窓の位置(窓領域Lw)が撮影範囲に含まれるように、撮影部101の撮影範囲がチルト方向に変更される。一般に、車両Aの窓の位置と、利用者(車両Aの運転者)の顔の位置とは対応するので、これにより、利用者の顔が撮影部101の撮影範囲に含まれやすくなる。そうすると、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置100を通じて利用者の顔を視認しやすくなり、車両における撮影対象物(利用者の顔)の確認を要する料金収受の手続き、即ち、身体障害者用の割引適用のための手続きを円滑化することができる。このような手続きの円滑化は、サービスタイム(車両一台当たりが料金収受施設1を通過するのに要する平均時間)を短縮させることになり、渋滞の緩和に資する。
第1の実施形態に係る撮影装置100は、更に、以下の機能を備えていてもよい。
図9に示すように、本変形例に係る撮影装置100の情報取得部105は、更に、車種情報取得部105bを備えている。車種判別装置20の検出結果に基づいて特定される車両Aの車種を示す車種情報を取得する。なお、本変形例における「車種情報」も、「利用者の顔の位置に関連する情報」に含まれる。
車種情報取得部105bは、車種判別装置20の検出結果に基づいて特定される車両Aの車種を示す車種情報を取得する。具体的には、窓位置情報取得部105aは、車判制御部200による車種の判別結果をそのまま入力することで車両Aについての車種情報を取得する。
図10(a)は、「普通車」である車両Aの窓の位置(窓領域Lw)と、車両Aを運転する運転者αの顔の位置と、の位置関係を示している。また、図10(b)は、大型バス(「特大車」)である車両Aの窓の位置(窓領域Lw)と、車両Aを運転する運転者αの顔の位置と、の位置関係を示している。
また、チルト制御部106aは、車種情報取得部105bが取得した車種情報が、図10(b)に示すような大型バスが該当する「特大車」であった場合には、窓領域Lwの中心位置Lwcよりも下方側(例えば、中心位置Lwcと窓領域Lwの下端との中間点)が撮影範囲の中心に映されるようにチルト角θa、θbを設定する。このようにすることで、車両Aが大型バスであっても、当該大型バスを運転する運転者αの顔の位置が撮影範囲の中心に映りやすくなる。
一方、本変形例に係るチルト制御部106aは、運転者の顔の位置が、高さ方向における窓領域Lwに対していずれの範囲に位置するか(例えば、窓領域Lwの上端近傍か、下端近傍か)を、車両Aの車種情報に基づいて推定する。そして、チルト制御部106aは、特定された車種ごとに、運転者の顔が位置すると推定される範囲(窓領域Lwの上端近傍又は下端近傍)を撮影範囲の中心付近に含むようにチルト角θa、θbを設定する。
これにより、車両Aの車種別に推定される、窓の位置(窓領域Lw)と利用者の顔の位置との相対的な位置関係に応じてチルト角θa、θbが設定されるので、利用者の顔が撮影部101の撮影範囲に一層含まれやすくなる。
図11に示すように、料金収受施設1は、収受員等が撮影装置100を通じて撮影された映像の確認に用いる監視盤50を有している。監視盤50は、料金自動収受機10から離れた遠隔地に設けられる。
監視盤50は、手動調整部501と、映像切替部502と、を備えている。
手動調整部501は、収受員等が所定の入力インターフェイス(マウスやキーボード等、図示せず)を介して入力した撮影条件(例えば、撮影範囲に対応するチルト角θ、パン角φの設定値等)を、撮影装置100の撮影条件変更部106に出力する。
これにより、収受員等は、監視盤50のモニタを視認しながら、撮影範囲をチルト方向及びパン方向に所望に変更することができる。これにより、例えば、窓位置情報や車種情報に基づいて撮影範囲の調整がなされたにもかかわらず、利用者の顔を視認しにくい状態であった場合には、収受員等は、利用者の顔や証明書等を鮮明に視認できるように、収受員自身が手動で撮影範囲を変更することができる。
これにより、収受員等は、互いに異なる位置から撮影された2つの映像のうち、利用者の顔や証明書等を確認しやすい方の映像を選択して、確認することができる。
(全体構成)
図12は、第2の実施形態に係る料金収受施設の全体構成を示す図である。
図12に示すように、第2の実施形態に係る料金収受施設1は、第1の実施形態に係る料金収受施設1(図1)に加え、更に、第2踏板206を備えている。
第2踏板206は、車種判別装置20の踏板202と同等の機能構成を有している。第2踏板206は、車種判別装置20よりも下流側で、料金自動収受機10の上流側に設置される。なお、車種判別装置20の踏板202から第2踏板206までの車線方向の距離を距離D1とする。
図13は、第2の実施形態に係る撮影装置等の機能構成を示す図である。
図13に示すように、第2の実施形態に係る撮影装置100の情報取得部105は、停止位置情報取得部105cと、相対距離情報取得部105dと、を備えている。
停止位置情報取得部105cは、車種判別装置20の検出結果に基づいて算出される車両Aの停止位置の推定結果を示す停止位置情報を取得する。
相対距離情報取得部105dは、車種判別装置20の検出結果に基づいて算出される車両Aの車軸(例えば、前輪車軸)と窓との車線方向における相対距離を示す相対距離情報を取得する。
なお、本実施形態における「停止位置情報」及び「相対距離情報」も、「利用者の顔の位置に関連する情報」に含まれる。
図14は、第2の実施形態に係る停止位置情報取得部の機能を説明する図である。
図14(a)は、踏板202の構造を模式的に示している。図14(a)に示すように、踏板202は、電気接点を利用した踏圧センサT1〜T4を内部に有している。踏圧センサT1〜T4は、車線Lに進入した車両Aのタイヤにより踏まれたか否かに応じた検出信号を出力する。踏圧センサT1〜T4は、車線方向における上流側(−X方向側)から下流側(+X方向側)にかけて順に配置されている。したがって、車両Aが踏板202上を通過した場合、各踏圧センサT1〜T4は、車両進行方向に移動する車両Aのタイヤの移動に合わせて、踏圧センサT1、T2、T3、T4の順に踏まれる。なお、踏圧センサT1と踏圧センサT4との車線方向の間隔を間隔ΔMとする。
同様に、停止位置情報取得部105cは、第2踏板206の踏圧センサT1が踏まれて出力される踏圧信号TH1と、第2踏板206の踏圧センサT4が踏まれて出力される踏圧信号TH4と、の入力の時間差Δt2を取得し、間隔ΔMを参照して、第2踏板206上を通過した車両Aの速度v2を算出する(v2=ΔM/Δt2)。
図14(b)に示すグラフの横軸は、車線方向の位置を示している。横軸に示す位置O1は、車種判別装置20の踏板202の車線方向における位置に相当し、位置O2は、第2踏板206の車線方向における位置に相当する。位置O1から位置O2までの距離は距離D1である。また、図14(b)に示すグラフの縦軸は、車線方向の各位置における車両Aの速度を示している。
このようにして、停止位置情報取得部105cは、車線L上における車両Aの停止位置(位置O3)を示す停止位置情報を取得する。この位置O3は、踏板202及び第2踏板206からの検出信号に基づいて算出されたものであるから、車両Aが停止したときの第一軸(前輪車軸)の位置に相当する。
図15は、第2の実施形態に係る相対距離情報取得部の機能を説明する図である。
図15(a)は、「普通車」である車両Aの前輪車軸の位置G1と、車両Aの窓の位置G2との車線方向における相対距離ΔGを示している。また、図15(b)は、大型バス(「特大車」)である車両Aの前輪車軸の位置G1と、車両Aの窓の位置G2との車線方向における相対距離ΔGを示している。
相対距離情報取得部105dは、窓位置情報(窓領域Lwの中心位置Lwc)の取得元となった、車両検知器201からの検出信号の入力を受け付けたタイミングと、踏板202からの検出信号(踏圧信号)の入力を受け付けたタイミングとの時間差Δtを取得する。この時間差Δtは、車両Aの窓の位置が車両検知器201に到達した時間と、車両Aの前輪車軸が踏板202に到達した時間と、の時間差を示している。ここで、図4に示した通り、車両検知器201と踏板202とは、車線方向において同じ位置に配置されている。したがって、車両Aが時間差Δtの間に移動した距離が、車両A固有の前輪車軸の位置G1と、窓の位置G2との相対距離ΔGとなる。
具体的には、相対距離情報取得部105dは、踏板202からの踏圧信号TH1と、踏圧信号TH4と、の入力の時間差Δt1を取得して、車両Aの速度v1を算出する(v1=ΔM/Δt1)。更に、相対距離情報取得部105dは、時間差Δtと速度v1とに基づいて、車両Aの前輪車軸の位置G1と窓の位置G2との相対距離ΔGを算出する(ΔG=Δt・v1)。
図16に示すように、撮影条件変更部106は、停止位置情報取得部105cが取得した停止位置情報、及び、相対距離情報取得部105dが取得した相対距離情報に基づいて、撮影部101の撮影範囲をパン方向に変更する(光軸Rを左右どちらかに動かす)。具体的には、パン制御部106bは、予め記憶部107等に記録された上段撮影部101a、下段撮影部101bの車線方向における位置を示す情報(基準位置Q)と、停止した車両Aの車線方向における窓の位置O3’と、を比較する。ここで、停止した車両Aの車線方向における窓の位置は、車両Aの前輪の車軸の位置O3から相対距離ΔGだけ上流側(車種、車体形状によっては下流側)にずれた位置(O3’=O3+ΔG)にある。なお、相対距離ΔGは、車両Aにおいて前輪車軸に対し窓の位置が下流側へずれていた場合に正の値を、上流側へずれていた場合に負の値を取るものとする。
なお、図16に示す例では、パン制御部106bは、tanφ=(Q−O3’)/Wを満たすようなパン角φを算出し、算出されたパン角φに基づいて、上段撮影部101a、下段撮影部101b各々のパン駆動部103bを駆動させる。
通常、車両Aは、料金収受処理を行うために、料金自動収受機10の前方付近で停止する。しかし、料金自動収受機10に対する車両Aの車線方向の停止位置は、車両によって少しずつ異なる。したがって、撮影部101の撮影範囲が固定の場合、車両の停止位置によっては利用者の顔が撮影範囲に含まれない、又は、収受員等が利用者の顔を識別し辛い状態になる場合が想定される。
しかしながら、第2の実施形態に係る撮影条件変更部106によれば、車両Aの停止位置がいずれであっても、車両Aの窓の位置が撮影範囲に含まれるように、撮影部101の撮影範囲がパン方向に変更される。なお、上述したように、撮影条件変更部106は、車両Aごとの停止位置を予測結果(停止位置情報)と、車軸と窓との相対距離(相対距離情報)と、に基づいてパン角度φの設定値を決定する。これにより、車線方向における車両Aの窓の位置が撮影部101の撮影範囲に含まれるようにパン角度φが調整される。したがって、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置100を通じて利用者の顔を鮮明に視認しやすくなり、身体障害者用の割引適用のための手続きを円滑化することができる。
当該他の実施形態に係る音声ガイド部は、踏板202及び第2踏板206より入力される検出信号(踏圧信号T1、T4)に基づいて、車両Aの停止時における窓の位置O3’を推定する(パン制御部106bと同等の処理)。そして、音声ガイド部は、推定された窓の位置O3’が、基準位置Qよりも上流側であった場合には、報知部17(図2)を通じて、車両Aに対し速度を維持する旨の指示(例えば、「徐行を続けてください」等)の音声を出力し、車両Aの停止位置がより下流側にくるように案内する。
同様に、音声ガイド部は、推定された窓の位置O3’が、基準位置Qよりも下流側であった場合には、報知部17(図2)を通じて、車両Aに対し速度を早めに落とす旨の指示(例えば、「スピードを落としてください」等)の音声を出力し、車両Aの停止位置がより上流側にくるように案内する。
このように、音声ガイド部は、停止しようとする車両Aに対し、撮影対象物(利用者の顔)が撮影部101の撮影範囲内となる位置で停止するように、音声で案内する。これにより、パン制御部106bによる撮影部101のパン角φの調整を要さずとも、収受員等が利用者の顔を鮮明に視認しやすくなる。
その他、第1の実施形態で説明した変形例(収受員等による手動操作等)は、全て第2の実施形態にも適用可能である。
(撮影装置等の機能構成)
次に、第3の実施形態に係る撮影装置について説明する。
図17は、第3の実施形態に係る撮影装置等の機能構成を示す図である。
第3の実施形態に係る撮影装置100は、オートフォーカス制御部106cが、オートフォーカス機能を「有効」にするか「無効」にするかを、情報取得部105が取得した情報等に基づいて自動的に決定する点で他の実施形態と異なる。
第3の実施形態に係るオートフォーカス制御部106cは、車両Aが撮影部101の撮影範囲に含まれたと判断された後に、撮影部101のオートフォーカス機能を「無効」から「有効」に変更し、フォーカス調整を開始する。また、オートフォーカス制御部106cは、車両Aが撮影部101の撮影範囲から退出する前に、オートフォーカス機能を「有効」から「無効」に変更し、フォーカス調整を終了する。
図18は、第3の実施形態に係るオートフォーカス制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、オートフォーカス制御部106cは、車両Aの推定停止時刻を取得する(ステップS01)。ここで、「推定停止時刻」とは、車両Aが車線L上の位置O3に停止する時刻tO3である。本実施形態に係る停止位置情報取得部105cは、車両Aの停止位置(位置O3)の推定とともに、車両Aが位置O3に停止する時刻tO3を推定する。停止位置情報取得部105cは、推定した停止時刻(時刻tO3)を停止時刻情報としてオートフォーカス制御部106cに出力する。なお、この「停止時刻情報」も、「利用者の顔の位置に関連する情報」に含まれる。時刻tO3は、位置O2から位置O3までの距離ΔOを、初速v2から速度ゼロになるまで等加速度運動で走行するものと見なすと(図14(b)参照)、tO3=2×ΔO/v2+tO2により算出可能である。ここで、位置O2に到達した時刻を時刻tO2としている。これにより、オートフォーカス制御部106cは、車両Aの推定停止時刻(時刻tO3)を取得する。
以上により、オートフォーカス制御部106cは、車両Aに対する一連の処理を終了する。上記オートフォーカス制御部106cの処理フロー(ステップS01〜ステップS06)は、新たな車両Aの進入が検出される度に実行される。
一般に、オートフォーカス機能は、撮影部101と撮影対象物との間隔に応じて集光レンズ102(図3)の位置を光軸方向に調整することで実現される。しかし、撮影対象物が撮影部101の撮影範囲に存在しない場合においてオートフォーカス機能が「有効」のままであると、オートフォーカス制御部106cは、近くに撮影対象物が存在しないため、“無限遠方”にフォーカスを合わせようとしてしまう。その結果、集光レンズ102の光軸方向の位置が、本来撮影しようとする撮影対象物にフォーカスが合う位置から大幅に変更されてしまう。このような状態にあると、撮影範囲に入った撮影対象物に再度フォーカスを合わせる際に、再び、大幅に集光レンズ102の位置を変更させなければならなくなり、撮影対象物にフォーカスが合うまでに時間がかかってしまう。
このようにすることで、車両Aが撮影範囲に含まれない時間帯においては、常に、オートフォーカス機能が「無効」とされているため、オートフォーカス制御部106cが“無限遠方”にフォーカスを合わせようとすることが無くなる。そうすると、車両Aが進入してきた際に、オートフォーカス機能により当該車両Aにフォーカスが合うまでの時間が短縮される。したがって、遠隔地に常駐する収受員等が、撮影装置100を通じて利用者の顔を鮮明に視認可能となるまでの時間が短縮され、身体障害者用の割引適用のための手続きを円滑化することができる。
例えば、第3の実施形態の変形例に係る料金収受処理部18は、利用者から操作を受け付けた際に料金収受開始通知信号をオートフォーカス制御部106cに出力する。オートフォーカス制御部106cは、料金収受開始通知信号の入力を受け付けた直後に、オートフォーカス機能を「無効」から「有効」に切り替えてもよい。このようにしても、車両Aが撮影部101の撮影範囲に含まれた後にフォーカス調整が開始される。
なお、「現画像データUと基準画像データUrefとの相違度」を求める手法は、例えば、現画像データU、基準画像データUref各々を構成する各画素の画素データ(一般に、赤、緑、青の色の度合いを示す色データの組み合わせからなる)を比較し、画素データごとの差の総和と、所定の判定閾値と、を比較することで判断してもよい。その他、上記画像データ解析部の処理には、2つの画像データの相違度を算出する種々の手段が適用され得る。
(撮影装置等の機能構成)
図19は、第4の実施形態に係る撮影装置等の機能構成を示す図である。
図19に示すように、第4の実施形態に係る撮影装置100は、更に、画像データ解析部108と、画像データ保持部109と、を備えている。
画像データ解析部108は、撮影部101を通じて取得した画像データのコントラストを解析して取得する。また、画像データ解析部108による解析の結果、取得された画像データのコントラストが所定の判定閾値以上となった場合に、当該画像データを保持する。
図20は、第4の実施形態に係る画像データ保持部の機能を説明する図である。
図20(a)、(b)に示すグラフは、利用者が証明書(身体障害者手帳など)を提示した際に、撮影部101を通じて取得された画像データを構成する各画素の濃度のヒストグラムを示している。
具体的に説明すると、証明書は、一般に、白地の紙に黒字で印字されている態様とされている。したがって、証明書が撮影部101の撮影範囲全体に含まれるよう提示された際に取得される画像データは、主として、「白色」に対応する画素データと、「黒色」に対応する画素データと、により構成される。したがって、利用者が証明書を提示している際に取得される画像データの濃度のヒストグラムは、「黒色」に対応する画素データの群Ebと、「白色」に対応する画素データの群Ewと、を有している。このとき、群Ebに属する画素のヒストグラムのピーク値を与える濃度Bbと、群Ewに属する画素のヒストグラムのピーク値を与える濃度Bwと、の濃度差が、当該画像データのコントラストとなる。
画像データ解析部108は、取得される画像データに対し、図20(a)、(b)に示すようなコントラストC1、C2を取得する。
一方、図20(b)に示すように、ある画像データU2のコントラストC2が所定の判定閾値Cth以上のとき、画像データ保持部109は、画像データU2が収受員等の視認により証明書の内容を判読可能と判定し、画像データ保持部109は、画像データU2を保持(ホールド)する。この場合、撮影部101は、画像データ保持部109が保持した画像データU2を監視盤に出力する。これにより、監視盤には、当該画像データU2が静止画像として映し出される。
なお、判定閾値Cthは、例えば、経験的に求められる数値であって、画像データを視認する人(収受員等)が、当該画像データに映された内容を判読可能となるコントラストの下限値に設定される。
利用者が証明書を撮影部101の前に提示する際、通常、撮影部101は、常に取得される画像データを監視盤に出力している。したがって、収受員等は、監視盤にて常に更新される画像データ(映像)をもって割引適用の対象か否かを判断しなければならない。そうすると、証明書を提示する利用者の手の動き(手振れ)や環境状態(“風”等)によって映し出される画像データがなかなか安定しない場合等には、証明書の内容の把握に時間がかかる場合がある。
しかし、第4の実施形態に係る撮影装置100によれば、画像データ解析部108が、画像データのコントラストを把握するとともに、画像データ保持部109が、コントラストが所定の判定閾位置以上と判定した画像データを保持(ホールド)する。これにより、収受員等が監視する監視盤には、コントラストが高く、証明書の内容を判読可能な画像データが静止画像として映し出される。したがって、収受員等は、当該静止画像を視認するだけで証明書の内容を把握することができ、身体障害者用の割引を適用可能か否かの判断を迅速に行うことができる。これにより、撮影装置100を通じて証明書の内容を把握するまでの時間が短縮され、身体障害者用の割引適用のための手続きを円滑化することができる。
第4の実施形態に係る撮影装置100は、撮影対象物として「証明書」が提示された場合に、当該証明書が映された画像データのコントラストに基づいて画像データを保持する処理を行うものとして説明したが、他の実施形態によってはこの態様に限られない。例えば、他の実施形態に係る画像データ保持部109は、撮影対象物として「利用者の顔」が映されている場合に、当該「利用者の顔」が映されている部分のコントラストに基づいて画像データを保持するようにしてもよい。これにより、利用者の顔が鮮明に映された静止画像に基づいて、利用者の顔を識別することができるので、収受員等は、証明書の内容ばかりでなく、利用者の顔をも判別しやすくなる。
例えば、他の実施形態に係る画像データ保持部109は、利用者により証明書が提示されたと判断されたタイミング(即ち、濃度のヒストグラムが2つのピークを有することを検出したタイミング)から予め規定された所定時間だけ画像データを連続して取得する。画像データ保持部109は、当該所定時間の経過後、同時間内に取得した各画像データの濃度のヒストグラムを参照して、その中から最大のコントラストを有する画像データを保持する。これにより、収受員等が監視する監視盤には、所定時間内に取得された画像データのうちコントラストが最大の画像データが静止画像として映し出される。
このようにすることで、例えば、証明書の提示中において取得される画像データのコントラストがなかなか判定閾値Cth以上とならないような場合であっても、ある時間内に取得された範囲内で最大のコントラストを有する画像データを静止画像として映し出す。したがって、収受員等に対し証明書の内容を判別しやすい静止画像を提供することができ、更に、当該静止画像を提供するまでの時間を短縮することができる。
また、他の実施形態に係る画像データ保持部109は、画像データ解析部108の解析結果に基づくコントラストが判定閾値Cth以上となってから次に判定閾値Cthを下回るまでの間の画像データを全て取得し、その中からコントラストが最大となった画像データを保持するようにしてもよい。
上述の各実施形態及びその変形例では、撮影装置100の撮影部101は、チルト駆動部103aと、パン駆動部103bと、備え、機械的にパン・チルト制御がなされるものとして説明した(図3参照)。しかし、他の実施形態においてはこのような態様に限定されない。例えば、他の実施形態に係る撮影部101は、車線L上の広範囲(例えば、車線Lのうち車種判別装置20が配される位置から発進検知器40が配される位置まで)を撮影範囲として一度に取得可能なパノラマ撮影レンズを有するものとし、更に、このパノラマ撮影レンズは、前面11aにおいて機械的に固定設置されているものとしてもよい。
また、当該他の実施形態に係る撮影条件変更部106は、パノラマ撮影レンズを通じて広範囲の領域が撮影された画像データの一部分をデジタル処理によって切り出し、当該切り出した一部分に相当する画像データのみを監視盤に出力するものとしてもよい。この場合、監視盤には、当該切り出された一部分のみが表示される。また、この場合、チルト制御部106aは、パノラマ撮影レンズを通じて取得された画像データから切り出す一部分の領域を、高さ方向(チルト方向)に変更する。更に、パン制御部106bは、パノラマ撮影レンズを通じて取得された画像データから切り出す一部分の領域を、車線方向(パン方向)に変更する。これにより、チルト制御部106a、パン制御部106bにより、撮影条件変更部106は、パノラマ撮影レンズを通じて取得された画像データのうち、所望の一部分の領域を切り出して、監視盤に出力することができる。
なお、この場合において、撮影部101が取得した画像データのうち監視盤に表示させる一部分の領域を変更する動作も、「撮影部101の撮影条件を変更する」ことに含むものとする。
10 料金自動収受機
100 撮影装置
101 撮影部
101a 上段撮影部
101b 下段撮影部
102 集光レンズ
103a チルト駆動部
103b パン駆動部
103c フォーカス調整駆動部
104 撮影制御部
105 情報取得部
105a 窓位置情報取得部
105b 車種情報取得部
105c 停止位置情報取得部
105d 相対距離情報取得部
106 撮影条件変更部
106a チルト制御部
106b パン制御部
106c オートフォーカス制御部
107 記憶部
108 画像データ解析部
109 画像データ保持部
11 筐体
11a 前面
12a 上段操作部
12b 下段操作部
121 紙幣挿入口
123 硬貨投入口
124 釣銭返却口
125 通行券挿入口
126 カード挿入口
127 領収書発行ボタン
128 領収書発行口
129 収受員呼び出しボタン
15 表示部
17 報知部
18 料金収受処理部
20 車種判別装置(特性検出装置)
200 車判制御部
201 車両検知器
201a 投光塔
201b 受光塔
202 踏板
203 車高検知器
204 車長検知器
205 ナンバープレート認識装置
206 第2踏板
30 発進制御機
40 発進検知器
50 監視盤
501 手動調整部
502 映像切替部
Claims (11)
- 車線上に停止した車両における撮影対象物を撮影する撮影装置であって、
前記撮影対象物を撮影する撮影部と、
前記撮影部よりも前記車線の上流側に設けられ当該車線に進入する車両の特性を検出可能な特性検出装置の検出結果に基づいて、前記撮影対象物の位置に関連する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記情報に基づいて、前記撮影対象物が撮影可能となるように前記撮影部の撮影条件を変更する撮影条件変更部と、
を備える撮影装置。 - 前記情報取得部は、
前記情報として、前記特性検出装置の検出結果に基づいて特定される前記車両の窓の位置を示す窓位置情報を取得し、
前記撮影条件変更部は、
前記情報取得部が取得した前記窓位置情報に基づいて前記撮影部の撮影範囲をチルト方向に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。 - 前記情報取得部は、
前記情報として、前記特性検出装置の検出結果に基づいて特定される前記車両の車種情報を取得し、
前記撮影条件変更部は、
前記情報取得部が取得した前記車種情報に基づいて前記撮影部の撮影範囲をチルト方向に変更する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮影装置。 - 前記情報取得部は、
前記情報として、前記特性検出装置の検出結果に基づいて算出される前記車両の停止位置を示す停止位置情報を取得し、
前記撮影条件変更部は、
前記情報取得部が取得した前記停止位置情報に基づいて前記撮影部の撮影範囲をパン方向に変更する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の撮影装置。 - 前記情報取得部は、
前記特性検出装置の検出結果に基づいて算出される前記車両の車軸と窓との車線方向における相対距離を示す相対距離情報を取得し、
前記撮影条件変更部は、
前記情報取得部が取得した前記停止位置情報と、前記情報取得部が取得した前記相対距離情報と、に基づいて前記撮影範囲をパン方向に変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の撮影装置。 - 前記撮影部は、フォーカス調整可能であり、
前記撮影条件変更部は、
前記車両が前記撮影部の撮影範囲に含まれたと判断された後に、前記撮影部のフォーカス調整を開始する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の撮影装置。 - 前記撮影部に取得された画像データを解析する画像データ解析部と、
前記画像データ解析部による解析の結果、取得された前記画像データのコントラストが判定閾値以上となった場合に、当該画像データを保持する画像データ保持部と、
を備える請求項1から請求項6の何れか一項に記載の撮影装置。 - 前記撮影部に取得された画像データを解析する画像データ解析部と、
前記画像データ解析部による解析の結果、取得された複数の前記画像データのうちコントラストが最大の画像データを選択して保持する画像データ保持部と、
を備える請求項1から請求項6の何れか一項に記載の撮影装置。 - 車線の側部に設けられ、車線上に停止した車両との間で料金収受を行う料金自動収受機であって、
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の撮影装置を備える料金自動収受機。 - 撮影装置を用いて、車線上に停止した車両における撮影対象物を撮影する撮影方法であって、
前記撮影装置よりも前記車線の上流側に設けられ、当該車線に進入する車両の特性を検出可能な特性検出装置の検出結果に基づいて、前記車両の撮影対象物の位置に関連する情報を取得するステップと、
前記情報に基づいて、前記撮影対象物が撮影可能となるように前記撮影装置の撮影条件を変更するステップと、
前記撮影条件に従って、前記撮影装置を用いて前記撮影対象物を撮影するステップと、
を有する撮影方法。 - 車線上に停止した車両における撮影対象物を撮影する撮影装置のコンピュータを、
前記撮影装置よりも前記車線の上流側に設けられ、当該車線に進入する車両の特性を検出可能な特性検出装置の検出結果に基づいて、前記撮影対象物の位置に関連する情報を取得する情報取得手段、
前記情報取得手段が取得した前記情報に基づいて、前記撮影対象物が撮影可能となるように前記撮影装置の撮影条件を変更する撮影条件変更手段、
として機能させるプログラム。
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