JP2016037318A - ベビーフード用または高齢者食用の容器並びにその容器に詰められたベビーフード及び高齢者食 - Google Patents

ベビーフード用または高齢者食用の容器並びにその容器に詰められたベビーフード及び高齢者食 Download PDF

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Abstract

【課題】 内容物への紫外線の影響を抑えることができるベビーフード用または高齢者食用の容器を提供する。
【解決手段】 ベビーフード用または高齢者食用の容器1である。容器1は、エチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する積層シートを真空成型またはプレス成型して得られる透明カップ3と、キャップ4の側面42及び透明カップ3の胴部34の側面35を被覆するシュリンクフィルム2と、を有する。エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、エチレン成分含有量20〜30モル%である。フランジ部30におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体層は、厚さが110μm〜174μmである。シュリンクフィルム2は、波長253.7nmの紫外線の透過率が0.1%以下であり、開封時に全て取はずせるようにミシン目20,22を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベビーフード用または高齢者食用の容器並びにその容器に詰められたベビーフード及び高齢者食に関する。
従来からベビーフード用または高齢者食用の容器として、缶、レトルトパウチ、スタンディングパウチ等の密封容器が知られている(特許文献1)。
特開2011−10580号公報
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、内容物への紫外線の影響を抑えることができるベビーフード用または高齢者食用の容器を提供することにある。また、本発明は、このような容器に詰められたベビーフードまたは高齢者食を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる容器は、
ベビーフード用または高齢者食用の容器であって、
少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層の間に設けられたエチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する積層シートを真空成型またはプレス成型して得られる透明カップと、
前記透明カップの上面を密封するトップシールフィルムと、
前記トップシールフィルムを覆うキャップと、
少なくとも前記キャップの側面及び前記透明カップの胴部の側面を被覆するシュリンクフィルムと、
を有し、
前記エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、エチレン成分含有量20〜30モル%であり、
前記透明カップは、環状のフランジ部と、前記容器の下端を閉塞する底部と、該フランジ部の下方から該底部へ向かって延びる筒状の胴部と、を有し、
前記フランジ部における前記エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、厚さが110μm〜174μmであり、
前記トップシールフィルムは、波長253.7nmの紫外線の透過率が0%であり、
前記シュリンクフィルムは、前記胴部の側面を被覆する部分のうち前記底部からの高さが10mm以上の領域における波長253.7nmの紫外線の透過率が0.1%以下であり、開封時に前記キャップ及び前記透明カップから全て取はずせるようにミシン目を有することを特徴とする。
本発明にかかる容器において、
前記透明カップは、真空成型して得られ、
真空成型前の前記フランジ部の内側の面積を100としたとき、真空成型後の前記透明カップの前記フランジ部を除く外面側表面積は、360を超えることができる。
本発明にかかる容器において、
前記容器は100℃以上のレトルト処理が可能なことができる。
本発明にかかる容器において、
前記胴部は、横断面の端面形状が円形であって、かつ、縦断面の端面形状が前記底部へ向かって互いに近づく2つの直線であり、
前記胴部は、その上端から10mmの位置とその下端から10mmの位置との間に中央領域を有し、
前記中央領域の肉厚は、0.29mm以上であることができる。
本発明にかかる容器において、
前記積層シートは2層のエチレン−ビニルアルコール共重合体層を有し、前記フランジ部における2層のエチレン−ビニルアルコール共重合体層の合計厚さが110μm以上であることができる。
本発明にかかるベビーフードは、前記容器に詰められたことを特徴とする。
本発明にかかる高齢者食は、前記容器に詰められたことを特徴とする。
本発明にかかる容器によれば、透明カップを用いることで利用者が内容物を容易に視認することができると共に、ポリオレフィン系樹脂を採用することで軽量性を確保することができる。特に、本発明にかかる容器によれば、トップシールフィルムによって容器の上方からの紫外線の透過を防止し、かつ、シュリンクフィルムによって容器の胴部における所定領域への紫外線の透過を防止することにより、内容物の劣化を抑えることができる。
また、本発明にかかるベビーフード及び高齢者食によれば、容器に詰められていても、内容物を容易に視認することができると共に、軽量性も確保することができ、また、紫外線の透過を防止することで内容物の劣化を抑えることができる。
実施形態に係る容器の一部を縦断面にした正面図である。 実施形態に係る容器の平面図である。 透明カップの正面図である。 透明カップの平面図である。 フランジ部の積層構造を示す縦断面図である。 他のフランジ部の積層構造を示す縦断面図である。 実施形態に係る容器の製造工程を説明するための図である。 実施例及び比較例の第1〜第4測定箇所a〜dにおける最低肉厚を表すグラフである。 実施例及び比較例の減圧による変形を開始したときの空気引抜量を表すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨
を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本発明の一実施形態に係るベビーフード用または高齢者食用の容器であって、少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層の間に設けられたエチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する積層シートを真空成型またはプレス成型して得られる透明カップと、前記透明カップの上面を密封するトップシールフィルムと、前記トップシールフィルムを覆うキャップと、少なくとも前記キャップの側面及び前記透明カップの胴部の側面を被覆するシュリンクフィルムと、を有し、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、エチレン成分含有量20〜30モル%であり、前記透明カップは、環状のフランジ部と、前記容器の下端を閉塞する底部と、該フランジ部の下方から該底部へ向かって延びる筒状の胴部と、を有し、前記フランジ部における前記エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、厚さが110μm〜174μmであり、前記トップシールフィルムは、波長253.7nmの紫外線の透過率が0%であり、前記シュリンクフィルムは、前記胴部の側面を被覆する部分のうち前記底部からの高さが10mm以上の領域における波長253.7nmの紫外線の透過率が0.1%以下であり、開封時に前記キャップ及び前記透明カップから全て取はずせるようにミシン目を有することを特徴とする。
1.容器
図1及び図2を用いて、本実施形態の容器1について説明する。図1は、実施形態に係る容器1の一部を断面にした正面図である。図2は、実施形態に係る容器1の平面図である。なお、図1における右半分は図2におけるA−A線で切り取られた縦断面を示す。
容器1は、ベビーフード用または高齢者食用の容器である。ベビーフードまたは高齢者食については、後述する。
図1及び図2に示すように、容器1は、ポリオレフィン系樹脂製の透明カップ3と、透明カップ3の上面を密封するトップシールフィルム5と、トップシールフィルム5を覆うキャップ4と、少なくともキャップ4の側面42及び透明カップ3の胴部34の側面35を被覆するシュリンクフィルム2と、を有する。
透明カップ3は、環状のフランジ部30と、容器1の下端を閉塞する底部38と、フランジ部30の下方から底部38へ向かって延びる筒状の胴部34と、を有する。
フランジ部30は、透明カップ3の開口の周囲から水平方向へ突出する円板状の部分であり、その略平坦な上面にはトップシールフィルム5が貼り付けられる。
透明カップ3は、フランジ部30と胴部34との間に肩部32を有する。肩部32は、フランジ部30の内周端部から胴部34へとわずかに外へ広がるように拡径し、その下端のスタック部33を介して胴部34の上端に接続する。スタック部33は、肩部32の下端において透明カップ3の内側へ縮径する段部であって、その外周径は透明カップ3の開口の内周径よりも大きい。そのため、透明カップ3又は容器1の製造過程において、透明カップ3を複数積み重ねる際に、透明カップ3を1つずつ抜き取りやすいため、ハンドリングしやすい。肩部32は無くてもよく、肩部32が無い場合にはフランジ部30の内周端部に胴部34の上端が接続する。
胴部34は、筒状である。胴部34は、スタック部33の内周端部から底部38に向かって窄まる逆円錐台形状の側面35である。したがって、胴部34は、横断面の端面形状が円形であって、かつ、縦断面の端面形状が底部38へ向かって互いに近づく2つの直線である。胴部34は、このように、実質的に凹凸の無い滑らかな表面を有することが好ま
しく、例えば減圧吸収用のパネルが存在しないことが好ましい。そのようにすることで、透明カップ3における内容物の視認性を向上することができる。また、透明カップ3の胴部34に巻きつけられるシュリンクフィルム2の印刷が読みやすくなる。
透明カップ3は、胴部34と底部38との間にヒール部36を有する。ヒール部36は、胴部34の下端から接地面を含む底部38の外周端までの領域であり、縦断面において半径Rで胴部34の下端から底部38へと滑らかに接続する。
底部38は、容器1の接地部であり、環状の接地面と、接地面の内側に上方へ湾曲するドーム状の上底部と、を有する。
トップシールフィルム5は、波長253.7nmの紫外線の透過率が0%である。トップシールフィルム5の材質は、紫外線をほとんど通さないもの、例えば、アルミニウム層を有するフィルムなどを採用することができる。透明カップ3の内容物の紫外線による劣化を防止するためである。トップシールフィルム5は、透明カップ3の内容物の酸化などを防止するため、ガスバリア性に優れることが好ましい。
キャップ4は、透明カップ3のフランジ部30に嵌めあわされてトップシールフィルム5の上面を保護する。キャップ4は、透明カップ3の開口部分の上方を覆うように配置された天面40と、天面40から下方に延びて下端で開口する略円筒状の側面42と、を有する。キャップ4の側面42は、透明カップ3のフランジ部30と嵌め合わされる固定部43と、固定部43の下端から末広がりに延びる裾部44とを有する。キャップ4を透明カップ3から取り外す際には、裾部44を上方へ持ち上げて、固定部43をフランジ部30から抜き取ることによって行う。キャップ4の材質は、例えばレトルト処理における耐熱性を有する熱可塑性樹脂製であることができ、透明カップ3の基材と同じポリオレフィン系樹脂を採用することができる。
シュリンクフィルム2は、その上端である第1フィルム端部24がキャップ4の天面40の外周縁よりも内側にあって天面40の一部を覆い、その下端である第2フィルム端部26が胴部34の下端と同じ位置にある。
シュリンクフィルム2は、胴部34の側面35を被覆する部分のうち底部38からの高さHが10mm以上の領域における波長253.7nmの紫外線の透過率が0.1%以下である。紫外線透過率が0.1%以下の領域は、図1におけるハッチングを施した部分である。このようにすることで、容器1の側方からの紫外線による内容物の劣化を防止することができる。また、この領域における紫外線の透過率は、0.001%以上0.1%以下であることができる。シュリンクフィルム2は、紫外線の透過率を下げるために、このハッチングを施した領域に印刷を施している。印刷は、シュリンクフィルム2の表面(裏面でもよい)に1色以上(例えば白色だけでもよい)で全面を塗りつぶすようにしてもよい。
容器1における高さHは、ヒール部36の上端をわずかに超えた位置であり、シュリンクフィルム2の第2フィルム端部26から1mm〜2mm上の位置である。
また、シュリンクフィルム2における底部38からの高さHが10mm未満の領域は、紫外線の透過率が0.1%を超えてもよく、透明であってもよい。商品の販売時の陳列棚においては、容器1の底部38付近には店内照明の光も直接当たりにくく、保存性に影響が小さいためである。また、消費者にとっては内容物を視認することができるためである。
シュリンクフィルム2は、開封時にキャップ4及び透明カップ3から全て取り外せるようにミシン目20,22を有する。ミシン目20,22は、シュリンクフィルム2の第1フィルム端部24から第2フィルム端部26まで延びる。このミシン目20,22に沿ってシュリンクフィルム2の一部を取り除くことで、シュリンクフィルム2の全部をキャップ4及び透明カップ3から取り除くことができる。このようにすることで、容器1へのいたずら防止と共に、シュリンクフィルム2を取り除いた後は内容物の視認性の向上という効果が得られる。
シュリンクフィルム2の材質としては、公知のシュリンク包装容器に使用されている熱収縮性のポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の熱可塑性樹脂を使用することができる。また、シュリンクフィルム2は、その表面に、文字、図柄等が印刷されているものを使用することができる。
このような容器1は、100℃以上のレトルト処理が可能である。100℃以上のレトルト処理が可能であることで、特に、ベビーフードまたは高齢者食を詰めるための容器1として好ましい。また、容器1は、120℃以上のレトルト処理が可能であることができる。容器1に用いる透明カップ3の減圧変形テストにおける空気引き抜き量は、20cc以上でも変形しないことが好ましく、さらに23cc未満まで変形しないことが好ましい。減圧変形テストについては実施例で詳述する。
2.透明カップ
次に、図3〜図6を用いて、透明カップ3について説明する。図3は、透明カップ3の正面図である。図4は、透明カップ3の平面図である。図5は、図3の円で囲った部分におけるフランジ部30の積層構造を示す縦断面図である。図6は、他のフランジ部30の積層構造を示す縦断面図である。なお、透明カップ3の概要については、図1を用いて上述したので、重複する部分についての説明は省略する。また、図4の透明カップ3の平面図ではトップシールフィルム5は省略して示す。
透明カップ3は、少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層の間に設けられたエチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する積層シートを真空成型またはプレス成型して得られる。
真空成型は、熱可塑性樹脂製の積層シートに熱をかけることで軟化させ、それを凸または凹型に押さえつけて積層シートと金型との間の空気を抜き、大気圧で積層シートを金型に密着させ成形する方法である。また、プレス成型は、熱可塑性樹脂製の積層シートに熱をかけることで軟化させ、それを凹凸型で加圧し、所定の形状を得る方法である。ポリオレフィン系樹脂層及びエチレン−ビニルアルコール共重合体層については後述する。
透明カップ3は、真空成型して得られ、真空成型前のフランジ部30の内側の面積を100としたとき、真空成型後の透明カップ3のフランジ部30を除く外面側表面積は、360を超えることができる。このように、透明カップ3の前記表面積が元の面積の3.6倍を超えるということは、積層シートを大きく延伸することになり、胴部34が薄肉になりやすく、レトルト処理等の減圧によって変形しやすくなる。一方で、このように大きく延伸することにより、透明カップ3の容量が増えることで利用者の要望に応えることができ、しかも喫食時にスプーンで内容物を取り出しやすくなることでベビーフードまたは高齢者食の利用者にとって取り扱いやすいものとなる。
図3に示すように、透明カップ3は、胴部34の接地面に対する傾斜角度αが80度以上であることができ、特に85度以上であることができる。このように傾斜角度αが大きいと、透明カップ3の開口径と接地径との差が小さくなるため、自立安定性が高く倒れに
くい透明カップ3になる。このような形状を有することで、透明カップ3は、ベビーフードまたは高齢者食用の容器1の利用者には取り扱いやすくなり好ましい。
フランジ部30は、真空成型等に用いられた積層シートの形態をほぼそのまま留めている。フランジ部30の上面にはトップシールフィルム5が貼り付けられており、内容物を取り出す際に、利用者がトップシールフィルム5を矢印Mの方向にめくり上げて容易に剥がすことができる。
胴部34は、縦断面の端面形状が直線の中間位置、より具体的には、胴部34の上端(スタック部33との接続部分)から10mmの位置(a)と胴部34の下端(d)(ヒール部36との接続部分)から10mmの位置(c)との間に、中央領域37を有する。図1では、中央領域37をドットのハッチングで示した。そして、この中央領域37の厚さは、0.29mm以上であることができる。中央領域37は、胴部34の長い直線の中間部分であるため薄肉になりやすい。また、容器1をレトルト処理する際には、この中央領域37に透明カップ3内の減圧による変形が生じやすい。そのため、中央領域37の厚さを0.29mm以上に設定することにより、100℃以上のレトルト処理を施した場合にも胴部34の変形を防止できる。また、中央領域37の厚さは、0.29mm以上0.6mm以下であることができる。中央領域37の厚さが0.6mm以下であれば、ベビーフードまたは高齢者食用の容器1としてのコスト上の要求にも応えることができる。
透明カップ3は、少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層の間に設けられたエチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する積層シートを真空成型またはプレス成型して得られる。
ポリオレフィン系樹脂層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等を挙げることができる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、エチレン成分含有量20〜30モル%である。このような樹脂を用いた積層シートを真空成型等して得られた透明カップ3は、軽量で持ちやすく、落としても割れないため、特に、ベビーフードまたは高齢者食用の容器1の利用者には取り扱いやすく好ましい。また、このような樹脂を用いた積層シートを真空成型等して得られた透明カップ3は、透明性が高く、内容物の視認性に優れるため、特に、ベビーフードまたは高齢者食用の容器1の利用者には内容物を確認することができ好ましい。
図5に示すように、フランジ部30は、2つのPP(ポリプロピレン)層30aに挟まれたEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)層30bを有する。したがって、透明カップ3の全体がPP/EVOH/PPの積層構造を有する。なお、図示しないが、PP層30aとEVOH層30bとの間には接着層を有する。
透明カップ3は、その透明性を表す指標としてヘイズ(Haze)値で表すことができ、少なくともヒール部36及び底部38におけるヘイズ値が60%以下であることが好ましい。ヘイズ値は、JIS K 7136に準拠して、日本電色株式会社製ヘイズメータで3回測定した平均値である。
フランジ部30におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体層は、厚さが110μm〜174μmである。このようなエチレン−ビニルアルコール共重合体層を用いることにより、透明カップ3の上記表面積の延伸倍率が3.6を超えても、高いガスバリア性を有するため、内容物の長期保存が可能である。
他の積層構造を有する透明カップ3について図6を用いて説明する。透明カップ3は、図6に示すようなPP/EVOH/PP/EVOH/PPの5層構造を有していてもよい。具体的には、フランジ部30は、表面層である2つのPP層30aの間に2つのEVO
H層30bと、これらEVOH層30bに挟まれたPP層30aを有する。中間層としてPP層30aを2つのEVOH層30bで挟むことによって、ガスバリア性を向上するためにEVOH層30bの厚さを厚くしても透明カップ3の成形性を低下させない。なお、図示しないが、PP層30aとEVOH層30bとの間には接着層を有する。
このように積層シートは2層のエチレン−ビニルアルコール共重合体層30bを有することができ、フランジ部30における2層のエチレン−ビニルアルコール共重合体層30bの合計厚さが110μm以上であることができる。このようにすることで、透明カップ3は高いガスバリア性を有することができる。
3.容器の製造工程
次に、図7を用いて、容器1の製造工程について説明する。図7は、実施形態に係る容器1の製造工程を説明するための図である。
透明カップ3には内容物が充填され、トップシールフィルム5がフランジ部30に貼られた後、例えば100℃以上のレトルト処理が施される。透明カップ3の胴部34には減圧による変形は見られない。
その透明カップ3に、矢印で示すように、上方からキャップ4が嵌めこまれる。
さらに、キャップ4が嵌められた透明カップ3に、矢印で示すように、上方から筒状のシュリンクフィルム2が被せられ、シュリンクフィルム2が熱収縮する温度以上に加熱する炉の中を通して、所定位置にシュリンクフィルム2を固定する。
図1では明確に示せていなかったが、シュリンクフィルム2のミシン目20,22は、上端から下端まで延びており、ミシン目20,22に沿ってシュリンクフィルム2を破り取ることによって、容器1からシュリンクフィルム2を完全に取り去ることができる。これによって利用者による内容物の視認性を向上させることができる。
4.ベビーフードまたは高齢者食
実施形態に係るベビーフードは、上述のような容器1に詰められたことを特徴とする。ベビーフードは、乳児および幼児の発育に伴い、栄養補給を行うとともに、順次一般食品に適応させることを目的として製造された食品である。
また、実施形態に係る高齢者食は、上述のような容器1に詰められたことを特徴とする。高齢者食は、摂食機能の低下や咀嚼・嚥下機能の低下した高齢者にとって適度な粘度や硬さをもつように製造された食品である。
このようなベビーフードまたは高齢者食は、容器1に詰められた状態で利用者にとって軽量で持ちやすく視認性に優れるため、利用しやすい。また、このようなベビーフードまたは高齢者食は、容器1の高いガスバリア性及び低い紫外線透過率によって長期間の保存が可能である。
透明カップ3として、図3及び図4に示すようなフランジ部30の外径が75mm、内径が61mm、底部38の接地径が38mm、底部38の接地面からフランジ部30の上面までの透明カップ3の高さが57mm、スタック部33からフランジ部30の下面までの肩部32の高さが8mm、胴部34の長さが42mm、胴部34の傾斜角度αが85度、シュリンクフィルム2の紫外線の透過率が0.1%以下の領域の下端の高さHが10mm、底部38の接地面からシュリンクフィルム2の第2フィルム端部26までの高さが7
mmのものを用いて、胴部34の肉厚測定と減圧変形テストを行った。
カップ成形条件を種々変更し、肉厚分布の異なるカップを成形し、実施例1、2及び比較例1の測定に供した。
(1)肉厚測定
透明カップ3のスタック部33から下へ10mmごとに、第1測定箇所a、第2測定箇所b、第3測定箇所c、第4測定箇所dとして、透明カップ3の胴部34の全周の8カ所(胴部34を8等分した位置)で肉厚を測定記録した。実施例1,2及び比較例1の透明カップ3を42個ずつ肉厚を測定し、そのうちの各測定箇所a〜dにおける最低肉厚を表1及び図8に表した。なお、表1において10mm〜40mmはスタック部33から下へ胴部34に沿った距離であり、底円周は底部38の接地部分である。また、図8において、符号E1が実施例1、符号E2が実施例2、符号E3が実施例3、符号C1が比較例1である。
Figure 2016037318
実施例1〜3の透明カップ3は、中央領域37(第1〜第3測定箇所a〜cの間)における最低肉厚が0.29mm以上であったのに対し、比較例1の透明カップ3の中央領域37における最低肉厚は0.29mmを下回っていた。
(2)減圧変形テスト
透明カップ3の上面を穴のあいたゴム板で封をし、その穴から注射器で透明カップ3内の空気を抜いて透明カップ3の胴部34が変形したときの注射器の示す容積(cc)を記録した。実施例1,2及び比較例1の透明カップ3を42個ずつ注射器の示す容積(空気の引き抜き量)を計測して記録した。空気の引き抜き量はレトルト処理後の透明カップ3に生じる減圧に見立てたものであり、その量が20ccで透明カップ3における100℃のレトルト処理後の減圧分に相当する。そして、その計測結果の最低空気量(cc)と最高空気量(cc)を表2に表し、その計測結果から空気引抜量(cc)の分布を図9に示した。図9において、符号E1が実施例1、符号E2が実施例2、符号C1が比較例1である。
Figure 2016037318
実施例1及び実施例2の透明カップ3は、空気の引き抜き量が23ccから変形を始めたのに対し、比較例1の透明カップは空気の引き抜き量が20ccから変形を始めた。従って、実施例1及び実施例2の透明カップ3は100℃のレトルト処理に対する評価としては良品であり、比較例1の透明カップ3は同評価で不良であった。また、実施例3の透明カップ3においても、100℃のレトルト処理に対する評価としては良品であった。なお、いずれの透明カップ3も変形は胴部34の中央領域37から始まった。
1…容器、2…シュリンクフィルム、3…透明カップ、4…キャップ、5…トップシールフィルム、20…第1ミシン目、22…第2ミシン目、24…第1フィルム端部、26…第2フィルム端部、30…フランジ部、30a…PP層、30b…EVOH層、32…肩部、33…スタック部、34…胴部、35…胴部の側面、36…ヒール部、37…中央領域、38…底部、40…天面、42…キャップの側面、43…固定部、44…裾部、a,b,c,d…第1〜第4測定箇所、α…傾斜角度、H…高さ、M…矢印、R…半径、E1…実施例1、E2…実施例2、E3…実施例3、C1…比較例1

Claims (7)

  1. ベビーフード用または高齢者食用の容器であって、
    少なくとも2つのポリオレフィン系樹脂層の間に設けられたエチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する積層シートを真空成型またはプレス成型して得られる透明カップと、
    前記透明カップの上面を密封するトップシールフィルムと、
    前記トップシールフィルムを覆うキャップと、
    少なくとも前記キャップの側面及び前記透明カップの胴部の側面を被覆するシュリンクフィルムと、
    を有し、
    前記エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、エチレン成分含有量20〜30モル%であり、
    前記透明カップは、環状のフランジ部と、前記容器の下端を閉塞する底部と、該フランジ部の下方から該底部へ向かって延びる筒状の胴部と、を有し、
    前記フランジ部における前記エチレン−ビニルアルコール共重合体層は、厚さが110μm〜174μmであり、
    前記トップシールフィルムは、波長253.7nmの紫外線の透過率が0%であり、
    前記シュリンクフィルムは、前記胴部の側面を被覆する部分のうち前記底部からの高さが10mm以上の領域における波長253.7nmの紫外線の透過率が0.1%以下であり、開封時に前記キャップ及び前記透明カップから全て取はずせるようにミシン目を有することを特徴とする、容器。
  2. 請求項1において、
    前記透明カップは、真空成型して得られ、
    真空成型前の前記フランジ部の内側の面積を100としたとき、真空成型後の前記透明カップの前記フランジ部を除く外面側表面積は、360を超えることを特徴とする、容器。
  3. 請求項1または2において、
    前記容器は100℃以上のレトルト処理が可能なことを特徴とする、容器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記胴部は、横断面の端面形状が円形であって、かつ、縦断面の端面形状が前記底部へ向かって互いに近づく2つの直線であり、
    前記胴部は、その上端から10mmの位置とその下端から10mmの位置との間に中央領域を有し、
    前記中央領域の肉厚は、0.29mm以上であることを特徴とする、容器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記積層シートは2層のエチレン−ビニルアルコール共重合体層を有し、前記フランジ部における2層のエチレン−ビニルアルコール共重合体層の合計厚さが110μm以上であることを特徴とする、容器。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器に詰められたことを特徴とする、ベビーフード。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器に詰められたことを特徴とする、高齢者食。
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