JP2000025844A - 遮光性の食品用容器 - Google Patents

遮光性の食品用容器

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JP2000025844A JP10200866A JP20086698A JP2000025844A JP 2000025844 A JP2000025844 A JP 2000025844A JP 10200866 A JP10200866 A JP 10200866A JP 20086698 A JP20086698 A JP 20086698A JP 2000025844 A JP2000025844 A JP 2000025844A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光性を保持しつつ、外観が良好であり、製
造を容易にして製造コストの低減を図ることができると
ともに、廃棄における処理を容易にすることができる遮
光性の食品用容器を提供する。 【解決手段】 遮光性の食品用容器の容器本体11は、
合成樹脂により有底円筒状に形成されている。容器本体
11の外周面上には、容器本体11の外周面全体を被覆
するように、遮光フィルム13が貼着されている。遮光
フィルム13は、フィルム状の基材と、その表面に形成
された遮光層と、遮光層の表面に設けられる装飾層とか
ら形成されている。さらに、基材はその裏面に接着層を
有している。この遮光層は、内部に含有されるフレーク
状のアルミニウムによって、外部から入り込む紫外線領
域又は近紫外線領域の光を反射するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばヨーグル
ト、プリン、ゼリー等の容器として用いられる遮光性の
食品用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ヨーグルト、プリン、ゼリー等の
容器としては、有底円筒状に形成された合成樹脂よりな
る容器が使用され、容器の外周面には遮光性を有するラ
ベルが貼着されている。ラベルを構成する基材は、合成
樹脂によってフィルム状に形成されるとともに、紫外線
領域又は近紫外線領域の光によって容器の内容物が変質
するのを防止するため、その表面には遮光層が形成され
ている。
【0003】この遮光層は、黒色の塗料より形成され、
遮光層表面には白色の塗料が塗工されている。そして、
商品を示すための文字、絵等は白色の塗料よりなる装飾
層の表面に描画又は印刷され、その商品を視認すること
ができるようになっている。このようなラベルは、基材
裏面に設けられた接着剤等よりなる接着層によって容器
の外周面に貼着されている。また、黒色の塗料に代えて
アルミニウムを蒸着したり、アルミニウム箔を圧着した
りすることによって遮光層を形成する方法も採用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の黒色
の塗料よりなる遮光層においては、表面に文字、絵等を
印刷する際、その色調が変化し、外観が低下してしまう
という問題があった。また、アルミニウム薄膜よりなる
遮光層は、蒸着や圧着という手段を必要とし、製造が容
易ではなく、製造コストの低減を図りにくいことに加
え、容器を焼却処理して廃棄する際、塊となって回収に
手間がかかるという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、遮光性を保持しつつ、外観が良好であ
り、製造を容易にして製造コストの低減を図ることがで
きるとともに、廃棄における処理を容易にすることがで
きる遮光性の食品用容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の遮光性の食品用容器の発明は、
合成樹脂からなるフィルム状の基材上にフレーク状のア
ルミニウムを含有する遮光塗料より形成される遮光層を
有する遮光フィルムを合成樹脂製の容器本体の外周面に
貼着したものである。
【0007】請求項2に記載の遮光性の食品用容器の発
明は、請求項1に記載の発明において、前記遮光層の厚
みを0.5〜2.0μm の範囲に設定したものである。
請求項2に記載の遮光性の食品用容器の発明は、請求項
1又は請求項2に記載の発明において、前記フレーク状
のアルミニウムの長さを10〜15μm の範囲に設定し
たものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
1〜図3に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示
すように、容器本体11は合成樹脂により有底円筒状に
形成されるとともに、上部開口の外周縁には、円環状を
なすリブ12が折り曲げ形成されている。この容器本体
11を形成する合成樹脂としては、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト等が用いられる。本実施形態の容器本体11には、食
品用容器の材料として一般的に使用されるポリスチレン
が用いられている。そして、容器本体11の外周面上に
は、容器本体11の外周面全体を被覆するように、遮光
フィルム13が貼着されている。
【0009】図3に示すように、遮光フィルム13は、
フィルム状の基材14と、その表面に形成された遮光層
15と、遮光層15の表面に設けられる装飾層16とか
ら形成されている。さらに、基材14はその裏面に接着
層17を有している。
【0010】基材14は、曲げた状態で使用するために
曲面状に変形可能な柔軟性を有する合成樹脂によって形
成される。このような性質を有する合成樹脂として、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル
系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等が用いられる。この基
材14の厚さは、20〜100μm の範囲内となるよう
に設定されている。厚さが20μm 未満の場合には、基
材14の耐久性が低下し、100μm より厚い場合に
は、柔軟性が低下し、曲面をなす容器本体11の外周面
に貼着する際、剥離するおそれがある。本実施形態の基
材14は、延伸することによって厚さ60μm に形成さ
れたOPP製フィルムが用いられている。
【0011】遮光層15は、遮光塗料を基材14表面に
スプレー、ローラ、ブラシ等の手段で塗工することによ
って形成される。この遮光塗料としては、ビヒクル樹脂
としてのポリウレタン樹脂と、フレーク状のアルミニウ
ム18と、有機溶剤とから構成されたものが使用され
る。そして、図3に矢印で示すように、内部に含有され
るフレーク状のアルミニウム18によって、外部から入
り込む紫外線領域又は近紫外線領域の光を反射するよう
になっている。
【0012】この遮光層15は、その厚さが0.5〜
2.0μm の範囲内となるように形成されることが好ま
しい。遮光層15の厚さが0.5μm 未満の場合には、
遮光層15としての機能を十分発揮することができず、
2.0μm よりも厚い場合には、遮光層15が硬化し、
遮光フィルム13の柔軟性が損なわれる。
【0013】フレーク状のアルミニウム18は薄片状に
形成されたアルミニウムの細片よりなり、その長さが1
0〜15μm の範囲内に設定されていることが好まし
い。この長さが10μm 未満の場合には、アルミニウム
細片間の隙間が大きくなり、遮光層15としての機能を
十分発揮することができない。また、15μm よりも長
くした場合、遮光層15の効果は向上せず、かえって製
造コストの上昇を招くとともに、食品用容器を焼却処理
して廃棄する際、フレーク状のアルミニウム18が互い
に溶融し、塊となる。
【0014】さらに、フレーク状のアルミニウム18
は、その幅が上記長さよりも小さくなるように設定され
ていることが好ましく、その厚さが遮光層15よりも薄
くなるように設定されていることが好ましい。
【0015】装飾層16は、白色の塗料を遮光層15表
面に塗工することによって形成される。このとき、遮光
層15が白銀色で、装飾層16が白色であり、遮光層1
5の色調が装飾層16を介して透過する場合においても
その色調は鮮明なものとなっている。商品を示すための
文字、記号、絵等は、装飾層16の表面に印刷され、そ
の商品を視認することができるようになっている。この
装飾層16は、その厚さが0.5〜1.0μm の範囲内
となるように設定されている。
【0016】接着層17は、接着剤が硬化した後でも柔
軟性を有する接着剤により形成されるのが好ましく、容
器本体11を形成する材料に合わせて適宜選択すること
が好ましい。本実施形態の接着層17を形成する接着剤
としては、ポリスチレン系エマルジョンが使用されてい
る。また、この接着層17は、その厚さが1〜2μmの
範囲内となるように設定されている。
【0017】図1に示すように、遮光性の食品用容器
は、容器本体11と、その外周面に接着層17によって
貼着された遮光フィルム13とから構成されている。こ
の遮光性の食品用容器は、例えば、ヨーグルト、プリ
ン、ゼリー等の容器として使用され、容器本体11のリ
ブ12に図示されないアルミニウムの薄膜等よりなる蓋
が貼着されるようになっている。そして、遮光層15に
含有されるフレーク状のアルミニウム18によって紫外
線領域又は近紫外線領域の光を反射し、容器の内容物が
変質するのを防止するようになっている。
【0018】さて、実施形態の遮光性の食品用容器を形
成する際には、まず、厚さ60μmのOPP製フィルム
よりなる基材14表面に遮光塗料が塗工され、遮光層1
5が形成される。この遮光層15を乾燥し、硬化させた
後、その表面に装飾層16が形成される。装飾層16表
面には、食品用容器として必要な文字、記号、絵等が印
刷される。このとき、装飾層16は、遮光層15が白銀
色であることから、遮光層15の色調が装飾層16を通
して透過した場合においても色調が鮮明なものとされ
る。さらに、遮光フィルム13は、その裏面にポリスチ
レン系エマルジョンよりなる接着剤が均一に塗布され
る。
【0019】次に、遮光フィルム13は予め射出成形
法、インモールド成形法等によってほぼ有底円筒形状に
形成された容器本体11の外周面に貼着され、加熱され
ることにより、容器本体11に接着される。このように
して形成された遮光性の食品用容器は、その内部にヨー
グルト、プリン、ゼリー等の食品が納められた後、容器
本体11のリブ12に図示されない蓋が貼着され、商品
として出荷される。このとき、外部から容器本体11の
内部へと透過しようとする紫外線領域又は近紫外線領域
の光は、遮光フィルム13内に含有されるフレーク状の
アルミニウム18により反射され、容器内の食品の変質
が防止される。
【0020】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 実施形態の遮光性の食品用容器によれば、容器本体
11を被覆する遮光性フィルムにフレーク状のアルミニ
ウム18が含有されている。このアルミニウムが紫外線
領域又は近紫外線領域の光を反射するため遮光性を保持
しつつ、さらに遮光層15が白銀色であることから、従
来の黒色の塗料よりなる遮光層15と比較して外観を良
好なものとすることができる。また、フレーク状のアル
ミニウム18を含有する遮光塗料を塗工するだけで遮光
層15が形成されることから、従来の蒸着や圧着による
アルミニウム薄膜よりなる遮光層15と比較して、製造
を容易にして製造コストの低減を図ることができる。加
えて、容器を焼却処理して廃棄する際、大きな塊となる
ことがないことから、廃棄における処理を容易にするこ
とができる。
【0021】・ 実施形態の遮光性の食品用容器によれ
ば、フレーク状のアルミニウム18の大きさは10〜1
5μm の範囲内に設定されている。このため、遮光性を
効果的に保持しつつ、製造コストの低減を図りながら、
廃棄における処理をさらに容易にすることができる。
【0022】・ 実施形態の遮光性の食品用容器によれ
ば、遮光層15の厚みを0.5〜2.0μm の範囲内に
設定したことから、遮光性をより効果的に保持しつつ、
遮光フィルム13の柔軟性を保持することができる。
【0023】・ 実施形態の遮光性の食品用容器によれ
ば、装飾層16を白色の塗料により形成したことから、
その表面に印刷される文字、記号、絵等を鮮明なものと
し、外観をより良好なものとすることができる。
【0024】・ 実施形態の遮光性の食品用容器によれ
ば、遮光層15は遮光塗料を塗工するだけで形成される
ことから、製造時間の短縮化を図り、短時間で大量の商
品を提供することができるなお、本実施形態は、次のよ
うに変更して具体化することも可能である。
【0025】・ 本実施形態の遮光性の食品用容器にお
いて、遮光層15を形成する遮光塗料と、装飾層16を
形成する白色塗料とをほぼ等量で混合し、遮光層15と
装飾層16とを一層で形成すること。
【0026】このように構成した場合、遮光フィルム1
3の構成を簡単なものとし、各層15,16を形成する
塗料の調製を容易なものとすることができる。 ・ 本実施形態の遮光性の食品用容器において、装飾層
16を例えば、透明塗料、蛍光塗料等の他の色調の塗料
によって形成すること、又はこの装飾層16を省略する
こと。
【0027】このように構成した場合、遮光フィルム1
3に様々な色調を与えることができるとともに、透明塗
料、蛍光塗料で形成した場合には、遮光層15が白銀色
であることから装飾層16に光沢と虹彩色又は金属光沢
感を与えることができる。なお、このとき遮光層15の
ビヒクル樹脂には、無色透明のものを使用することが望
ましい。
【0028】・ 本実施形態の遮光性の食品用容器にお
いて、容器本体11を、例えばポリエチレンによって形
成する等他の合成樹脂により形成すること。このとき、
接着層17を形成する接着剤としては、ポリエチレン系
エマルジョンを用いること。
【0029】このように構成した場合においても、本質
的に本実施形態と同様の遮光効果を得ることができると
ともに、内包される食品に合わせた遮光性の食品用容器
を提供することができる。
【0030】・ 本実施形態の遮光性の食品用容器にお
いて、基材14上の裏面側に遮光層15を形成し、この
遮光層15の裏面に接着層17を形成すること。そし
て、基材14の表面には装飾層16のみを形成するこ
と。
【0031】このように構成した場合においても、本質
的に本実施形態と同様の遮光効果を得ることができると
ともに、装飾層16に深みを与え外観をさらに良好なも
のとすることができる。
【0032】・ 本実施形態の遮光性の食品用容器にお
いて、装飾層16を白色の塗料又は文字、記号、絵等の
どちらか一方のみで形成すること。このように構成した
場合においても、本質的に本実施形態と同様の遮光効果
を得ることができる。
【0033】・ 本実施形態の遮光性の食品用容器にお
いて、例えば、装飾層16上に第2の装飾層を形成する
等、少なくとも4層よりなる遮光フィルム13とするこ
と。このように構成した場合においても、本質的に本実
施形態と同様の遮光効果を得ることができるとともに、
第2の装飾層を形成した場合には、その外観をさらに良
好なものとすることができる。
【0034】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記遮光層上に色調又は模様を表現するための装飾
層を形成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遮
光性の食品用容器。
【0035】このように構成した場合、外観をより良好
なものとすることができる。 ・ 前記遮光フィルムは、容器本体に貼着するための接
着層を有するとともに、その厚さを1〜2μm の範囲に
設定した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遮光性
の食品用容器。
【0036】このように構成した場合、遮光フィルムの
柔軟性を保持しつつ、遮光フィルムを容器本体に容易に
貼着することができる。 ・ 合成樹脂からなるフィルム状の基材と、その基材上
に形成されフレーク状のアルミニウムを含有する遮光塗
料よりなる遮光層とを有し、その内部に食品を保存する
ための合成樹脂製の食品用容器の外周面に貼着する遮光
フィルム。
【0037】このように構成した場合、貼着された食品
用容器の内部を遮光し、外観を良好にするとともに、製
造が容易であり、製造コストの低減を図ることができる
とともに、廃棄における処理を容易にすることができ
る。
【0038】・ 前記遮光層を、遮光塗料に白色塗料を
ほぼ等量で混合することによって形成した請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の遮光性の食品用容器。このよ
うに構成した場合、遮光フィルムの構成を簡単なものと
し、塗料の調製を容易に行うことができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
遮光性の食品用容器によれば、遮光性を保持しつつ、外
観が良好であり、製造を容易にして製造コストの低減を
図ることができるとともに、廃棄における処理を容易に
することができる。
【0040】請求項2に記載の発明の遮光性の食品用容
器によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、遮
光性を効果的に保持しつつ、製造コストの低減を図りな
がら、廃棄における処理をさらに容易にすることができ
る。
【0041】請求項3に記載の発明の遮光性の食品用容
器によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果
に加えて、遮光性をより効果的に保持しつつ、遮光フィ
ルムの柔軟性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の遮光性の食品用容器の製造過程を
示す斜視図。
【図2】 遮光性の食品用容器を示す断面図。
【図3】 遮光フィルムを示す一部を拡大した断面図。
【符号の説明】
11…容器本体、13…遮光フィルム、14…基材、1
5…遮光層、18…フレーク状のアルミニウム。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AA04 AB01 BA02A BA07A BB11A BB12A BB14A BB15A BB16A BB24A BB25A BB26A BC07A CA12 CA13 CA24 EA04 EA06 EA29 EB27 EE02 EE04 GD10 4F100 AB10B AK01A AK01C AK04C AK04G BA03 BA07 BA10A BA10C CB00 CC00B DE02B GB16C GB23 JL02 JM01G JN30B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなるフィルム状の基材上に
    フレーク状のアルミニウムを含有する遮光塗料より形成
    される遮光層を有する遮光フィルムを合成樹脂製の容器
    本体の外周面に貼着した遮光性の食品用容器。
  2. 【請求項2】 前記遮光層の厚みを0.5〜2.0μm
    の範囲に設定した請求項1に記載の遮光性の食品用容
    器。
  3. 【請求項3】 前記フレーク状のアルミニウムの長さを
    10〜15μm の範囲に設定した請求項1又は請求項2
    に記載の遮光性の食品用容器。
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