JP2016037292A - 収納トレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて繊細な取り扱いが要求される部品の、加工及び組み立て工程で共通して使用できると共に、保管時及び運搬時に優れた保護機能を有する収納トレイ。
【解決手段】板状部品を収納するための収納トレイであって、前記板状部品の外縁部に沿った形状の収納用凹部と、前記収納用凹部の底面の少なくとも一部に設けられた第1の支持部材と、前記底面の裏面側であって前記第1の支持部材と対応する位置に設けられた第2の支持部材と、を有することを特徴とする収納トレイ。
【選択図】図1

Description

本発明は、部品を保管、運搬するための収納トレイに関する。
従来から、電子部品などの半完成品の保管、運搬や完成品の出荷においては、電子部品の表面に傷などの損傷を与えないように、専用のトレイが使用されることがあった(例えば、特許文献1〜3等を参照)。
近年では、電子部品に限らず、機械加工された金属部品においても、最終製品の小型化に伴う使用する部品の超精密化により、極めて繊細な取り扱いが要求される超精密金属部品が増加している。このような超精密金属部品を保管、運搬するための収納トレイが要望されている。
実開平05−84680号公報 実開平05−00683号公報 登録実用新案第3055609号公報
ところで、特許文献1〜3に開示されている従来技術においては、超精密金属部品などを保管、運搬するための収納トレイに必要な機能を充分に備えていない。
例えば、特許文献1に開示されているトレイは、トレイの凹部の隙間に収納部品を押し込んで保持させることにより、垂直方向、及び水平方向への位置ずれを防止するものである。しかし、超精密金属部品の場合、外部応力により塑性変形することが懸念され、トレイの凹部の隙間に収納部品を押し込むことができないことから、特許文献1のような構造を採用できない。
また、特許文献2に開示されているトレイは、複数のトレイを積層し、上下2つのトレイの間に収納部品を挟み込むものである。しかし、この場合、蓋となる上側のトレイを取り除いた状態では、収納部品の支持が不安定になる。また、上下2つのトレイの構造部材に直接に収納部品が接触するため、構造部材との摩擦による損傷が生じる恐れがあり、超精密金属部品用の収納トレイとしては適さないものであった。
また、特許文献3に開示されているトレイは、トレイの凹部に収納部品を載置し、水平方向への位置ずれを防止し、複数のトレイを積層することにより、塵埃の侵入を防止できるものである。しかし、この場合、単にトレイの凹部に収納部品を載置しているのみであることから、車両による運搬時などの垂直方向の振動による位置ずれ、及び振動による衝撃力の発生を防止できない。また、トレイの構造部材に直接に収納部品が接触するため、構造部材との摩擦による損傷が生じる恐れがあり、超精密金属部品用の収納トレイとしては適さないものであった。
一方、剥離し易い特殊な表面処理が施された部品や、保管及び運搬中において表面への異物付着を避ける必要がある部品などを収納する収納トレイは、単に収納するのみならず、特定の部位を覆い保護すると共に、収納している部品に、局所的に応力が加わることを防ぐ優れた保護機能を有するものであることが望ましい。また、収納トレイは、部品の加工及び組み立て工程で共通して、保管用及び運搬用として使用できることが望ましい。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、極めて繊細な取り扱いが要求される部品の、加工及び組み立て工程で共通して使用できると共に、保管時及び運搬時に優れた保護機能を有する収納トレイの提供を課題とする。
前記課題を達成するため、本発明の収納トレイは、板状部品を収納するための収納トレイであって、前記板状部品の外縁部に沿った形状の収納用凹部と、前記収納用凹部の底面の少なくとも一部に設けられた第1の支持部材と、前記底面の裏面側であって前記第1の支持部材と対応する位置に設けられた第2の支持部材と、を有することを特徴とする。
上記の収納トレイにおいて、2つ以上の前記収納トレイが垂直方向に積み重ねられ、上下に隣接する2つの前記収納トレイの間に、前記板状部品を1つずつ挟んで積み重ねることにより、下方の前記収納トレイの前記第1の支持部材と、隣接する上方の前記収納トレイの前記第2の支持部材との間で前記板状部品の両面を支持しても良い。
上記の収納トレイにおいて、前記第1の支持部材と、前記第2の支持部材とが、板状のクッション材からなっても良い。
上記の収納トレイにおいて、前記第1の支持部材と、前記第2の支持部材とが、前記収納用凹部の底面の周縁に隙間を設けて配置され、前記板状部品を前記2つの収納トレイで挟んで積み重ねることで、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との間で、周縁部を浮かせた状態で前記板状部品の両面を支持しても良い。
上記の収納トレイにおいて、前記収納用凹部の外周部に、前記板状部品の少なくとも1箇所を掴んで取り出すための掴み代が設けられていても良い。
上記の板状部品が、超精密金属薄板であることが好ましい。
上記の板状部品が、燃料電池用金属セパレータであることが好ましい。
本発明の収納トレイは、収納用凹部の底面の表側と、裏側に、それぞれ第1の支持部材と、第2の支持部材が設けられている。2つ以上の本発明の収納トレイを垂直方向に積み重ねた場合、上下に隣接する2つの収納トレイのうち、下方の収納トレイの収納用凹部に板状部品を収納し、上方の収納トレイを被せることで、下方の収納トレイの第1の支持部材と、上方の収納トレイの第2の支持部材とにより、板状部品が挟み込まれた状態で支持される。即ち、板状部品が、厚さ方向(垂直方向)に振動することを防ぐことにより、板状部品の固定位置がずれることを防止できる。
また、収納トレイの収納用凹部は、板状部品の外形に沿った形状となっているため、板状部品が面方向(水平方向)にずれることを防止できる。このように、板状部品は、収納トレイに収納された状態において、姿勢が一定に保持されていて、車両による運搬などにより収納トレイに振動が加わっても、板状部品に対して振動の衝撃が伝わりにくい。
加えて、板状部品の表面において、第1の支持部材、又は第2の支持部材と当接し覆われている部分は、埃等の異物が付着することがなく、異物の付着による性能の低下、損傷の発生などの不具合を抑制できる。
また、本発明の収納トレイを積み重ねた状態において、上下に隣接する2つの収納トレイの第1の支持部材と、第2の支持部材とで挟み込むように板状部品を支持する。そのため、板状部品の第1の支持部材と、第2の支持部材とにより支持される部分以外の領域は、直接には収納トレイの構造部材に当接しない。これによって板状部品の一部に、収納トレイの構造部材と直接に接触させることで、構造部材との摩擦による傷が生じることがある極めて繊細な部位がある場合には、このような領域を避けて板状部品を支持することができる。
加えて、板状部品の、第1の支持部材及び第2の支持部材により支持される部分以外の領域は、上下に重ねられた2つの収納トレイの間に、隙間をあけて支持された状態となる。したがって、板状部品の面上及び/又は下面に、他の部品を組み付けた半組品に対しても、本発明の収納トレイを共通して使用できる。
さらに、本発明の収納トレイは、板状部品と交互に積み重ねることで板状部品の収納と共に、保管時及び運搬時に優れた保護機能を有することが可能となる。即ち、上方に積み重ねられた収納トレイが蓋の役割を果たし、板状部品に埃等の異物が付着することを抑制できる。また、別途、蓋部材を設ける場合と比較して、蓋部材の開閉を行うことなく収納トレイから板状部品を取り出すことができる。したがって、板状部品の製造工程、及び加工工程において、ロボットアームによる、収納トレイからの板状部品の自動取り出しが容易に実現可能である。
収納トレイ及び板状部品の一実施形態を示し、板状部品が2つの収納トレイに挟み込まれて収納された状態を示す斜視図である。 収納トレイの一実施形態の平面図である。 図2の収納トレイの平面図において、A−A方向の矢視断面図である。 収納トレイ及び板状部品の一実施形態を示し、上下にする隣接2つの収納トレイの間に挟み込まれた板状部品を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の2つの収納トレイ1(1A、1B)と、この2つの収納トレイ1(1A、1B)を積み重ねた間に収納される、板状部品2を示す斜視図である。図1に示すように、板状部品2は、2つの収納トレイ1(1A、1B)を積み重ねる場合において、上下2つの収納トレイ1(1A、1B)の間に挟まれるようにして収納される。
<板状部品>
図1に示した形状の板状部品2は、本実施形態の収納トレイ1に収納される対象物としての一例である。板状部品2は、例えば、厚みが500μm以下の超精密加工された金属製の薄板からなる超精密金属部品である。本発明に係わる収納トレイ1は、このような超精密金属薄板用の収納トレイとして好適に用いることができる。本発明に係わる収納トレイ1は、特に、超精密金属部品である燃料電池用金属セパレータ用の収納トレイとして好適に用いることができる。板状部品2は、主面部2aと、その中央部の特殊鍍金などの表面加工処理が施された部分(特殊鍍金部2b)と、周縁部2cとを有する。板状部品2の形状及び寸法は、特に限定されないが、外部応力による塑性変形を防ぐ必要のある、極めて繊細な取扱いが必要とされる主に超精密金属部品であって、厚みが3μm〜500μm、縦横の長辺の長さが50mm〜1200mm程度であることが好ましい。
また、本発明の収納トレイ1は、複数の収納トレイ1を積み重ねて、上下に隣接する2つの収納トレイ1の間に板状部品2を挟み込むことを基本としているので、縦横の長辺の長さが1200mmよりも大きい板状部品2は、取り扱いが困難となることから適していない。
特殊鍍金などの表面加工処理が施された部分(特殊鍍金部2b)には、剥離しやすい特殊鍍金膜が形成されており、局所的な付加応力や摩擦力が加わることを避けることが好ましい。
板状部品2の周縁部2cは、超精密金属部品の最終製品の組み立て製造手順において、他の部材が組み付けられていく(一例としてシール材が積層される)。また、周縁部2cには、カール加工や、プレス加工による段差、打ち抜き加工の孔が形成されていても良い。いずれの場合であっても、周縁部2cは、主面部2aに比較して、厚みが増す場合がある。
<収納トレイ>
本発明に係わる収納トレイ1は、合成樹脂材料からなり、真空成型法又は圧空成型法により一体成型加工されている。したがって、収納トレイ1は、略均一な厚さの一枚の合成樹脂板に凹凸が形成された形状を有している。
また、収納トレイ1を構成する合成樹脂材料としては、透明性の高いものを用いることができる。この場合、複数の収納トレイ1を積み重ねた状態において、収納された板状部品2を、外部から直接に観察することが可能に構成できる。
また、収納トレイ1を構成する合成樹脂材料として、有彩色又は無彩色の様々な色に着色されたものを用いても良い。この場合、板状部品2の製造ロットごとに異なる色の収納トレイ1を使用するなどして、製造ロットの管理を行うことができる。
図2は、収納トレイ1の一実施形態を示す平面図である。図2に示すように、収納トレイ1は、平坦に形成された主面50と、主面50に対し裏側に向かって凹む収納用凹部10、嵌合用凹部20、並びに補強用凹部30と、主面50の最外周縁において表側から裏側に向かって延びる縁部40と、を有している。
また、図3は、図2の収納トレイ1の平面図において、A−A方向の矢視断面図を示したものである。図3に示すように、本発明の収納トレイ1は、収納用凹部10の底面11の表側に第1の支持部材60が配設され、裏側に第2の支持部材70が配設されている。
また、図2、及び図3に示すように、本実施形態の収納トレイ1において、主面50は矩形状に形成されており、長手方向の中央に収納用凹部10が形成されている。長手方向の両側の端部近傍には、それぞれ、一つの嵌合用凹部20と、2つの補強用凹部30が形成されている。
また、収納用凹部10、嵌合用凹部20、補強用凹部30は、その側壁が下方向に窄まるテーパ形状となっている。また、縁部40は、下方向に広がるテーパ形状となっている。このようなテーパ形状を有することにより、収納用凹部10、嵌合用凹部20、補強用凹部30、並びに縁部40は、収納トレイ1を重ねた時に表面側と裏面側とで嵌合可能となる嵌合構造を形成している。
したがって、本発明に係わる収納トレイ1は、このような嵌合構造が形成されていることから、複数の収納トレイ1をコンパクトに積み重ねることができる。また、このようなテーパ形状を有することによって、本発明に係わる収納トレイ1を、真空成型法で成型加工する時に、金型から成型品を取り外すことが容易になる。
また、図2、及び図3において、収納トレイ1の嵌合用凹部20は、主面50の短手方向の中央であって、長手方向の両端部近傍にそれぞれ円形に窪んで形成されている。嵌合用凹部20は、板状部品2を挟んで収納トレイ1を重ねた場合に、互いの嵌合用凹部20同士が重なりあって、重なり合った収納トレイ1同士がずれることを防ぐために十分な深さとなっている。嵌合用凹部20の形状は円形に限らず、四辺形や溝形状としても良い。
また、収納トレイ1の補強用凹部30は、主面50の四隅に形成されている。補強用凹部30は、主面50の強度を確保するために設けられている。本実施形態の補強用凹部30は、円形に窪んだ形状を有しているが、細長い溝形状にする等して特定の方向に対して強度を高める形状としても良い。
また、収納トレイ1の補強用凹部30は、溝を深くすることで、嵌合用凹部20の役割を兼用して果たすことができる。この場合は、嵌合用凹部20を略しても良い。
また、収納トレイ1の縁部40は、主面50の最外周縁に形成されており、その下方先端部には耳部41が形成されている。収納トレイ1の強度を高めると共に、平坦な面に安定して載置する為に設けられている。また、縁部40を十分な高さに形成することで、板状部品2を挟んで収納トレイ1を積み重ねた際に横ずれを防ぎ安定性を高めることができる。
また、収納トレイ1の収納用凹部10は、四辺形の板状部品2の外形に沿った形状を有している。収納用凹部10は、四辺形の底面11と、底面11の各辺から主面50に向かって上方に延びる壁部12とを有している。
また、壁部12の一部には、外側に湾曲して広がった掴み代13が形成されている。掴み代13が形成されている部分では、収納用凹部10に収納された板状部品2の外形と壁部12との距離が広くなる。したがって、掴み代13に指を入れることで、板状部品2の縁に指を掛けることができ、作業者は収納用凹部10から容易に板状部品2を取り出すことができる。なお、掴み代13の位置は、壁部12の一部であれば何れであってもよく、例えば平面視における収納用凹部10の四隅に配されていても良い。
また、壁部12は、掴み代13が形成された部分を除いて板状部品2の外形に沿っているため、板状部品2が収納用凹部10に収納された状態で、面方向に板状部品2が移動することを抑制する。
また、図2、及び図3に示すように、収納用凹部10の底面11の中央部の近傍には、第1の支持部材60が固着されている。また、底面11の裏側であって、第1の支持部材60と対向する位置に第1の支持部材60と同形状を有する第2の支持部材70が固着されている。
また、本発明に係わる収納トレイ1に配設されている、第1の支持部材60と、第2の支持部材70は、一定の厚みを有する板状に形成されている。第1の支持部材60と、第2の支持部材70は、クッション材からなることが好ましい。本発明に係わる収納トレイ1の、第1の支持部材60、及び第2の支持部材70に使用されるクッション材としては、特に限定されないが、例えばポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂を発泡成形して作られるポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、アクリルフォーム、ポリイミドフォームなどからなるクッション性を有するスポンジを好適に用いることができる。
また、第1の支持部材60、及び第2の支持部材70に使用されるクッション材としては、内部に空気を封入した1つ又は複数のエアバッグからなるクッション性を有する緩衝材を用いても良い。
これらのクッション材の中でも、本発明の収納トレイ1に係わる第1の支持部材60、及び第2の支持部材70に使用されるクッション材としては、優れた可撓性とクッション性を有するポリウレタンフォームからなるスポンジを使用するのが特に好ましい。
また、第1の支持部材60と、第2の支持部材70は、収納用凹部10の底面11の表側と裏側とに、それぞれ固着部材により固着されている。固着部材としては、両面接着テープ、両面粘着テープ、接着剤、粘着剤、ホットメルトからなる部材群から選択された1種以上の部材を使用しても良い。接着剤、粘着剤やホットメルトの塗布は、第1の支持部材60と、第2の支持部材70の面全体に行っても良く、また、第1の支持部材60と、第2の支持部材70の四隅などに局所的に行っても良い。
収納用凹部10の底面11には、第1の支持部材60と、第2の支持部材70を固着する際に、作業者が第1の支持部材60と、第2の支持部材70の位置決めを行い易いようにマーキングとしての凸部、凹部、又は溝などが形成されていても良い。
また、第1の支持部材60と、第2の支持部材70は、その四方と収納用凹部10の壁部12の間に隙間3を設けて配置されている。これにより、第1の支持部材60と、第2の支持部材70は、板状部品2の周縁部2cを避けるように、周縁部2cより内側を支持できる。板状部品2の周縁部2cには、他部材が組み付けられて、主面部2aに対して厚みが大きくなる。周縁部2cを避けるように、第1の支持部材60と、第2の支持部材70を配置することで、周縁部2cを浮かせた状態で板状部品2を支持できる。
また、第1の支持部材60と、第2の支持部材70は、板状部品2の特殊鍍金部2bに対応する形状とすることが好ましい。これによって、上下から収納トレイ1に挟まれて収納された板状部品2の特殊鍍金部2bは、第1の支持部材60と、第2の支持部材70によって完全に覆われることになる。したがって、保管時や移動時に板状部品2の特殊鍍金部2bに傷が生じたり、埃等が付着したりすることを防止できる。
図4に、2つ以上の収納トレイが垂直方向に積み重ねられ、上下に隣接する2つの収納トレイ1の間に挟み込まれた板状部品2の状態を説明する断面図を示す。図4は、収納トレイ1の2つの嵌合用凹部20を横切る直線に沿って断面を取っている。
図4においては、分かり易さのために、上下に隣接する2つの収納トレイのうち、上方の収納トレイ1とその構成要素の符号の末尾にAを付す。即ち、上方の収納トレイ1Aの収納用凹部10Aには、第1の支持部材60Aと第2の支持部材70Aが設けられている。同様に、上下に隣接する2つの収納トレイのうち、下方の収納トレイ1と構成要素の符号の末尾にBを付す。即ち、下方の収納トレイ1Bの収納用凹部10Bには、第1の支持部材60Bと第2の支持部材70Bが設けられている。以下、これらの符号を使用して説明を行う。
また、本発明において、板状部品2は、2つ以上の収納トレイが垂直方向に積み重ねられ、上下に隣接する2つの収納トレイ1A、1Bのうち、下方の収納トレイ1Bの第1の支持部材60Bと、隣接する上方の収納トレイ1Aの第2の支持部材70Aとによって挟み込まれて支持されている。また、第1の支持部材60B及び第2の支持部材70Aは、共にクッション材からなる。したがって、板状部品2は、収納トレイ1A、1Bに収納された状態で姿勢が保持され、車両による運搬などにより振動が加わっても、板状部品2に衝撃が伝わりにくく、振動による位置ずれや、振動摩擦による損傷が生じにくい。
さらに、本発明に係わる収納トレイに配設されている、第1の支持部材60B及び第2の支持部材70Aは、クッション材であるために、板状部品2に押し当てられることで板状部品2の表面形状に沿って変形する。これによって、第1の支持部材60B及び第2の支持部材70Aと板状部品2は滑りにくくなり、挟み込まれた状態の板状部品2は振動などを受けても位置ズレしにくい。したがって、車両による運搬時などの垂直方向の振動を受けた場合であっても、板状部品2が収納用凹部10の壁部12に衝突することを抑制し、板状部品2が外部応力により塑性変形することから保護できる。
図4に示すように、板状部品2は、その中央部の近傍(より具体的には、図1に示す特殊鍍金部2b)が、上下に隣接する2つの収納トレイ(1A、1B)の第1の支持部材60Bと第2の支持部材70Aとによって挟まれ支持されている。したがって、板状部品2の周縁部2cは、収納トレイ1A、1Bに接触することなく中空に浮いた状態となっており、収納トレイ1A、1Bに当接しない。周縁部2cが、収納トレイ1A、1Bと接触させることで傷が生じる虞がある繊細な部位である場合に、周縁部2cに傷が生じることを防止できる。
加えて、周縁部2cは、上下に隣接する2つの収納トレイ1A、1Bと、厚さ方向の一定の隙間をあけて支持された状態となる。したがって、板状部品2の周縁部2cに他の部品(周縁部品2d)を積層した半組品に対しても、上下に隣接する2つの収納トレイ1A、1Bを共通して使用できる。
図4に示した、上下に隣接する2つの収納トレイ1A、1Bにおいて、収納トレイ1Bの第1の支持部材60Bと、収納トレイ1Aの第2の支持部材70Aとは、いずれもクッション材からなるため、板状部品2や上方の収納トレイ1Aの重みによって圧縮されている。第1の支持部材60及び第2の支持部材70は、さらに板状部品2や収納トレイ1を積み重ねた場合であっても、周縁部2cが中空に浮いた状態となるように、最も圧縮された状態であっても、周縁部2cと収納トレイ1A、1Bの構造部材との間に、十分な隙間が形成されるような厚みとすることが好ましい。
なお、第1の支持部材60Aの厚みと、第2の支持部材70Aの厚みとは、必ずしも同じでなくても良い。板状部品2の、周縁部2cに積層する周縁部品2dの厚さ及び積層する方向に応じて、一方の支持部材の厚みを厚くして、周縁部品2dが収納トレイ1Aの構造部材、及び収納トレイ1Bの構造部材に、接触しないように構成することが好ましい。
図4に示した、上下に隣接する2つの収納トレイの間に挟み込まれた板状部品2は、下方の収納トレイ1Bの収納用凹部10Bにおいて、第1の支持部材60B上に載置され、さらに別の収納トレイ1Aを上方から被せることで、2つの収納トレイ1A、1Bに収納される。さらに、上方の収納トレイ1Aの収納用凹部10Aに、さらに別の板状部品2を搭載し、さらに別の収納トレイ1を積層してくことを繰り返して、複数の板状部品2を次々と収納できる。
上下に隣接する2つの収納トレイ1A、1Bにおいて、上方に積み重ねられた収納トレイ1Aは蓋の役割を果たす。したがって、板状部品2に埃等の異物が付着することを抑制できる。また、別途、蓋部材を設ける場合と比較して、蓋部材の開閉を行うことなく収納トレイ1A、1Bから板状部品2を取り出すことができる。したがって、板状部品2の製造工程、及び加工工程において、ロボットアームによる収納トレイ1からの、板状部品2の自動取り出しが容易に実現できる。
以上のとおり、本発明の一実施形態を説明したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
1、1A、1B…収納トレイ、2…板状部品、2a…主面部、2b…特殊鍍金部、2c…周縁部、2d…周縁部品、3…隙間、10、10A、10B…収納用凹部、11…底面、12…壁部、13…掴み代、20…嵌合用凹部、30…補強用凹部、40…縁部、41…耳部、50…主面、60、60A、60B…第1の支持部材、70、70A、70B…第2の支持部材

Claims (7)

  1. 板状部品を収納するための収納トレイであって、
    前記板状部品の外縁部に沿った形状の収納用凹部と、
    前記収納用凹部の底面の少なくとも一部に設けられた第1の支持部材と、
    前記底面の裏面側であって前記第1の支持部材と対応する位置に設けられた第2の支持部材と、を有することを特徴とする収納トレイ。
  2. 2つ以上の前記収納トレイが垂直方向に積み重ねられ、上下に隣接する2つの前記収納トレイの間に、前記板状部品を1つずつ挟んで積み重ねることにより、下方の前記収納トレイの前記第1の支持部材と、隣接する上方の前記収納トレイの前記第2の支持部材との間で前記板状部品の両面を支持することを特徴とする請求項1に記載の収納トレイ。
  3. 前記第1の支持部材と、前記第2の支持部材とが、板状のクッション材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納トレイ。
  4. 前記第1の支持部材と、前記第2の支持部材とが、前記収納用凹部の底面の周縁に隙間を設けて配置され、前記板状部品を前記2つの収納トレイで挟んで積み重ねることで、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との間で、周縁部を浮かせた状態で前記板状部品の両面を支持することを特徴とする請求項2、又は請求項3に記載の収納トレイ。
  5. 前記収納用凹部の外周部に、前記板状部品の少なくとも1箇所を掴んで取り出すための掴み代が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の収納トレイ。
  6. 前記板状部品が、超精密金属薄板であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の収納トレイ。
  7. 前記板状部品が、燃料電池用金属セパレータであることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の収納トレイ。
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