JP2016036986A - 素子基板、液体吐出ヘッド、及び記録装置 - Google Patents

素子基板、液体吐出ヘッド、及び記録装置 Download PDF

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亮治 大橋
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好一 小俣
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秀男 田村
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卓 谷口
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Yuji Tamaru
勇治 田丸
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Abstract

【課題】封止材で切断面に露出した配線部をカバーしていても、長時間記録を行った場合には、そのカバーの絶縁が破れ、電位差を有する配線間でショートが発生することを防止することができる素子基板を提供する。【解決手段】シリコンウェハに半導体製造工程によって形成され、その形成後、シリコンウェハを切断することにより得られる矩形の素子基板100を、素子基板に含まれる回路を動作させるために電圧を印加する複数の第1の電極パッド103a、103b、103cと、素子基板の外部にあって回路の検査のために電圧を印加する複数の第2の電極パッドの一部に接続される第1の配線111aとその残りに接続される第2の配線111b、111cとを備える。第1の配線は素子基板の長辺の側から外部に露出するように配置し、第2の配線は素子基板の短辺の側から外部に露出するように配置する。【選択図】図3

Description

本発明は素子基板、液体吐出ヘッド、及び記録装置に関し、特に、複数の素子とその駆動回路を実装した素子基板、液体吐出ヘッド、及び、その液体吐出ヘッドをインクジェット記録ヘッドとして用い記録媒体に画像を記録する記録装置に関する。
従来、インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドのヒータ(記録素子)とヒータを選択的に駆動するためのトランジスタ等の半導体素子からなる駆動素子とを含む駆動回路とその配線は、半導体プロセス技術を用いて同一基板上に形成されている。この基板は素子基板と呼ばれている。
図8はシリコンウェハと素子基板との関係を示す図である。
図8に示すように、半導体プロセス技術を用いて、1枚のシリコン(Si)ウェハ200上に、インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドの複数個分に相当する素子基板が形成される。その素子基板は、Siウェハ200上に基板の切断領域201、202と共に形成される。図8に示すSiウェハ200の領域Aからは4枚の素子基板が切り取られる。
図9は6枚の素子基板100が形成されている様子を示すSi基板の一部の拡大図である。
図9(a)から分かるように、各素子基板100の中央部には複数のヒータ(記録素子)101が2列形成される。一方、各素子基板100の上下両辺それぞれには複数の電極パッド102が形成される。これらの電極により素子基板は基板外部と電気的に接続される。これに加えて、各素子基板100の左右両辺それぞれの一部には、複数の電極パッド102とは別に、検査用の複数の電極パッド103が形成される。複数の電極パッド103は、Siウェハに素子基板が形成された際に各種回路素子の検査のために用いられる。
図9(b)は、素子基板にインク吐出口H1101やインク流路を形成するノズル部材H1100を接合して、ヘッド基板H1000が形成される様子を示している。次に、Siウェハから切断領域201、202をそれぞれ切断分離する工程を経ることで、1つのヘッド基板H1000は形成される。
図10はヘッド基板の構成を示す部分破断斜視図である。
図10に示すように、ヘッド基板H1000は素子基板100の上にノズル部材H1100を接合することにより作成される。複数のヒータ101は、素子基板100の主平面上を貫通するインク供給口120を挟んだ両側に配列される。
図11は記録ヘッドの底面図である。
図8〜図10に示す過程を経て作成されたヘッド基板H1000は、図11に示すように、電極パッド102とヘッド基板外部に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板H1200の電極リードH1201とが電気接合される。その後、封止樹脂H1300によって、電極リードH1201の周辺部を覆う工程を経て、記録素子ユニットH2000が形成される。そして、インク供給ユニット(不図示)と接合されることで、記録ヘッドが作成される。
近年のインクジェット記録装置では、高画質の画像を高速に得るため、記録ヘッドに複数のヒータを高密度で集積した素子基板を用いるのが主流である。そのため、素子基板上のヒータやその駆動回路、電極パッド数の増加により、素子基板のサイズが大型化するので、1枚のSiウェハから取り出すことができる素子基板の個数が減少する。これは、製造コストの増加に繋がる。
製造コストを抑えるために、特許文献1は、基板の切断分離工程後に不要となる電極パッドを基板外部の切断領域に設け、切断面に露出した配線部を封止することで基板サイズの拡大を抑えつつ、大気中の水分による配線の腐食を防止する構成を開示している。
また、基板サイズを小型化した際のキャッピング信頼性確保と更なる製造コスト削減の為、特許文献2は、電極パッドの周囲にのみ封止樹脂を充填した構成を開示している。また、特許文献3は、基板内の電極パッド側の切断領域に、同領域内に設けられた回路を検査する為の電極パッドを配列させ、切断分離工程後の基板断面に残る金属層の残渣による腐食を防止する構成を開示している。
特開平9−252034号公報 特開2009−000904号公報 特開2006−224527号公報
特許文献1〜3に開示する従来技術をそれぞれ用いて形成されたようなヘッド基板において、素子基板のサイズの更なる小型化のために基板内部の電極パッドや配線等の高密度化を図った場合、配線の一部も次のようになる。即ち、Siウェハからの切断分離後のヘッド基板の断面に残る配線(配線端面部)も高密度に配列される。このようなヘッド基板を用いた記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置において、長期間にわたって記録を行った際、封止樹脂で配線端面部を完全に封止しているにも関わらず、配線端面部間で回路がショートするという問題が生じている。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、サイズの増大や製造工程の追加を招くことなく、長期使用後においても回路が短絡しない高信頼性の素子基板、液体吐出ヘッド、及び、そのヘッドを記録ヘッドとして用いる記録装置とを提供すること目的とする。
上記目的を達成するために本発明の素子基板は次のような構成からなる。
即ち、シリコンウェハに半導体製造工程によって形成され、該形成の後、前記シリコンウェハを切断することにより得られる矩形の素子基板であって、前記素子基板に含まれる回路を動作させるために電圧を印加する複数の第1の電極パッドと、前記回路の検査のために電圧を印加する前記素子基板の外部に設けられる複数の第2の電極パッドの一部に接続される第1の配線と、前記複数の第2の電極パッドの残りの一部に接続される第2の配線とを有し、前記第1の配線は前記素子基板の長辺の側から外部に露出するように配置し、前記第2の配線は前記素子基板の短辺の側から外部に露出するように配置することを特徴とする。
また本発明を別の側面から見れば、上記構成の素子基板と、複数のヒータと、外部から供給される液体の供給路と、前記複数のヒータそれぞれに対応した液体を吐出する複数の吐出口とを有することを特徴とする液体吐出ヘッドを備える。
さらに本発明を別の側面から見れば、上記の液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして用い、インクジェット方式に従って、前記記録ヘッドからインクを記録媒体に吐出して記録を行う記録装置を備える。
従って本発明によれば、回路の検査に用いる外部の電極パッドに接続する複数の配線を互いに離間して配置することができるので、素子基板の長時間使用による部材の劣化に伴って各配線に印加される電圧の電位差によって配線間の短絡することが抑止される。
このために、特別な構成や製造工程が必要ではないので、素子基板のサイズが大きくなったり、製造工程が複雑になることもないという利点がある。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。 図1に示したインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に従う6枚の素子基板が形成されている様子を示すSi基板の一部の拡大図である。 実施例1に従うヘッド基板の構成を示す部分破断斜視図である。 素子基板100に形成される駆動回路や論理回路を示す図である。 比較例の記録ヘッドに用いられる素子基板の一部の領域の拡大図である。 本発明の実施例2に従う素子基板の一部の領域の拡大図である。 シリコンウェハと素子基板との関係を示す図である。 従来構成の6枚の素子基板が形成されている様子を示すSi基板の一部の拡大図である。 従来のヘッド基板の構成を示す部分破断斜視図である。 記録ヘッドの底面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
またさらに、「記録素子(又はノズル)」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
以下に用いる記録ヘッド用基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(built-in)」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<記録装置の概要説明(図1〜図2)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を用いて記録を行なう記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すようにインクジェット記録装置(以下、記録装置)1はインクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)3をキャリッジ2に搭載し、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させて記録を行う。記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクタンク6を装着する。インクタンク6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、電気熱変換体を備えている。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。なお、記録装置は、上述したシリアルタイプの記録装置に限定するものではなく、記録媒体の幅方向に吐出口を配列した記録ヘッド(ラインヘッド)を記録媒体の搬送方向に配置するいわゆるフルラインタイプの記録装置にも適用できる。
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、ROM602、特殊用途集積回路(ASIC)603、RAM604、システムバス605、A/D変換器606などで構成される。ここで、ROM602は後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納する。ASIC603は、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する。RAM604は、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等として用いられる。システムバス605は、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行う。A/D変換器606は以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給する。
また、図2において、610は画像データの供給源となる図1に示したホストやMFPに対応するホスト装置である。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス等をパケット通信により送受信する。なお、インタフェース611としてUSBインタフェースをネットワークインタフェースとは別にさらに備え、ホストからシリアル転送されるビットデータやラスタデータを受信できるようにしても良い。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリントスイッチ622、回復スイッチ623などから構成される。
630は装置状態を検出するためのセンサ群であり、位置センサ631、温度センサ632等から構成される。この実施例では、この他にもインク残量を検出するフォトセンサが設けられる。このフォトセンサの詳細について後述する。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM604の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出用のヒータ)を駆動するためのデータを転送する。加えて、この記録装置には、ユーザインタフェースとしてLCDやLEDで構成される表示部が備えられている。
次に、以上の構成の記録装置に記録ヘッドとして用いられる液体吐出ヘッドを構成するヘッド基板の実施例について説明する。
図3は実施例1に従う半導体製造工程により6枚の素子基板100が形成されている様子を示すSi基板の一部の拡大図である。なお、図9において既に説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。図3において、(a)はSiウェハ上に形成された素子基板の平面図であり、(b)は素子基板の右下隅の領域Bの拡大図である。図3〜図4から分かるように、各素子基板は矩形状の形状をしており、各素子基板の短辺(上辺とした下辺)には複数の電極パッドが設けられる。また、その長辺(右辺と左辺)の方向には、記録ヘッドに実装した際にインク供給口120として用いられる矩形領域が形成される。
また、図4は実施例1に従うヘッド基板の構成を示す部分破断斜視図である。なお、図10において既に説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。図4に示すヘッド基板は、ノズルやインク流路を形成するノズル部材H1100を接合し後にSiウェアの切断領域201、202を切断分離した後の様子を示したものである。
図3(a)に示されるように、この実施例では、各素子基板100の上下辺それぞれの複数の電極パッド102が形成される領域のさらに外側の領域の切断領域202に検査用の複数の電極パッド103が形成される。
また、図3(b)には、検査用の3つの電極パッド103a、103b、103bが切断領域202に形成される例が示されている。また、配線111a、111b、111cが素子基板100にはパターニングされ、電極パッド103a、103b、103bにそれぞれ接続されている。
さらに、図3(b)に示すように、最端部(最右端)の電極パッド102eから切断領域201までの距離Lで示した素子基板100の右端までの領域には、配線111aのみがパターニングされる。そして、配線111bと配線111cは配線間隔を一律5μmとし、上記領域より素子基板の内側でかつ、封止樹脂が塗布される封止領域102aで、素子基板100の右側面の切断領域201を通り電極パッド103b、103cまでパターニングしている。
なお、素子基板100上にパターニングされる配線111a、111b、111cや、電極パッド102、電極パッド103の材質はAlとCuの合金で作成され、電極パッド103の表面は金メッキが施されている。
上記構成において、素子基板100の小型化のため、素子基板の上下辺にそれぞれ配列された、一辺が140μmの正方形の電極パッドの配列ピッチXが150μmとなるように高密度で配置している。また、その配列方向の素子基板の幅に対して余分なスペースを極力排するよう、最外の電極パッドから素子基板の側端までのパッド配列方向の最短距離Lが35μmとなるように形成されている。
次に、インク吐出口H1101やインク流路(不図示)を形成するノズル部材H1100を接合し、その後、切断領域201と202を切断して、ヘッド基板H1000を分離する。これにより、図3(b)に示すように、配線111aは円の領域131で、配線111b〜111cは楕円の領域132で切断される。
そして、従来技術で説明したように、ヘッド基板H1000上の電極パッド102とヘッド基板外部に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板の電極リードとを電気接合する。
この工程後、図4の領域131、領域132に示されるように、素子基板100の切断面に露出した配線111a、111b、111cがインクに晒されないよう、封止領域102aに、エポキシ樹脂による封止樹脂を塗布する。このようにして、図11に示したような記録素子ユニットH2000が形成される。その後、インク供給ユニット(不図示)と接合し、記録ヘッドが完成する。
なお、この実施例では、電極パッド102の端から封止領域102aの端までの素子基板100の内側方向の距離が50μmとなるように、封止樹脂を塗布している。
図5は素子基板100に形成される駆動回路や論理回路を示す図である。
図5に示されるように、インクを吐出するための熱を発生するヒータ(電気熱変換素子)101には、ヒータ駆動用電源端子VHと駆動回路140とが接続されている。駆動回路140は、ヒータ101に所望の電流を供給するための駆動素子(パワートランジスタ)140aと、パワートランジスタ140aにゲート電圧を印加するレベルコンバータ140bからなる。レベルコンバータ140bには、パワートランジスタ駆動用電源端子VHTから駆動電圧発生回路144を介して降圧された第2の駆動電圧が供給される。この実施例では液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子としてヒータを用いる例を示すが、その他圧電素子等の手段を適用することもできる。
また、論理回路は、インク吐出口H1101からインクを吐出するか否かを決定する画像データ信号を一時的に格納するシフトレジスタ143と画像データ信号を各ヒータ毎に保持するためのラッチ回路142とAND回路141とを含む。シフトレジスタ143には、転送クロック信号CLKの入力端子と、画像データ信号をシリアルに入力する画像データ信号DATAの入力端子とが設けられている。ラッチ回路142にはシフトレジスタ143から出力される信号を入力し、ラッチタイミングを制御するためのラッチ信号(LT)を入力する入力端子が設けられている。AND回路141は、ラッチ回路142から出力される信号と、ヒータ101に電流を供給するタイミングを決定するヒートイネーブル信号(HE)とを入力してAND演算を実行する。AND回路141から出力される駆動信号はレベルコンバータ140bを介して昇圧された後、パワートランジスタ140aのゲートに入力される。
なお、ヒータ駆動用電源端子VHやラッチ信号LTの入力端子や転送クロック信号CLKの入力端子は電極パッド102に配置されている。
さて、検査用の電極パッド103aは、駆動回路140と検査用の配線111aを介して電気的に接続されている。検査用の電極パッド103bは、ヒータ101のGND端子(GNDH)に接続されるGND配線と検査用の配線111bを介して電気的に接続されている。検査用の電極パッド103cはシフトレジスタ143に検査用の配線111cを介して電気的に接続されている。
これら検査用の電極パッドは、各回路素子と電気的に接続されている為、ヒータ101を駆動した際、電極パッド103aにはパワートランジスタの駆動電圧12.5Vが印加される。また、電極パッド103cにはシフトレジスタ143から出力される論理電圧3.3Vが印加される。
次に、この実施例の効果を確認するために、比較例としての記録ヘッドとこの実施例に従う記録ヘッドとを長時間動作させて、これらの電気特性を評価する。
図6は比較例の記録ヘッドに用いられる素子基板の一部の領域の拡大図である。
図6と図3(b)とを比較すると分かるように、図6に示す領域は図3(b)に示す領域、即ち、図3(a)の素子基板100の領域Bと同じ領域であり、電極パッド102の最外部近傍の領域である。
比較例では、一律5μmの幅で、配線111a〜111cが最端部の電極パッド102eの横から素子基板の側端面までの領域に並列して配置され、切断領域202を跨いで電極パッド103a、103b、103cまでそれぞれパターニングされている。従って、比較例の素子基板では切断領域202の切断面に配線部130が露出することになる。配線部130は、図6から分かるように、5μmの間隔で配線111a、111b、111cの切断面が露出することになる。
この比較例の素子基板を実装した記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を用いて記録を行った際、時間換算で1000時間相当の時点で、切断面に露出した配線部130の配線111aと111bの間でショート(短絡)が発生した。
この原因を解析した結果、電極パッドと配線の切断面を被覆している封止樹脂への水分透過が確認された。更に、比較例の構成では、素子基板の切断面に露出した電極パッド103への配線部130に、記録の際に駆動回路に供給される駆動電圧12.5Vの電圧が印加されていた。このため、この電圧とGNDに接続される配線111bとの電位差により2つの配線の切断面の間でのショートが発生していることが分かった。この原因は、封止樹脂によって被覆保護されている配線の切断面の間に発生した電位差により、配線の切断面の金属がイオンとして溶出して封止樹脂内を移動してショートに至ったと推定される(いわゆるイオンマイグレーション)。この現象は、従来の半導体集積回路では想定されていなかったが、素子基板がインクに接しながら使用される記録ヘッドに実装されるというインクジェット記録装置固有の動作環境が要因となって発生したものと考えられる。
また、比較例の構成において、配線部130で電位差が発生する配線同士が、5μmという極めて短い間隔で、素子基板の端部で隣接して配置されていたことも要因と考えられる。
これに対し、この実施例では、時間換算で1000時間相当の時点でも、切断面に露出した素子基板100の側断面の領域131と領域132、及び、領域132の内部での2つの配線の切断面の間でのショートは発生しなかった。
この原因には次のことが考えられる。即ち、図3(b)に示すように封止領域下で配線111aが素子基板の切断面に露出する領域131と配線111bと111cが露出する領域132との間には一辺が140μmの正方形の電極パッド102eが配設されている。そのため、領域131と領域132との間が物理的に必然的に大きく離間され、結果として、領域131と領域132との間の距離を約200μm離間させられている。従って、素子基板のサイズや封止領域を変更せずに、切断面において電位差が大きい配線111aと配線111bとの間に、イオンマイグレーションが発生しない、十分なギャップを設けることが可能になる。
一方、領域132には、配線111bと111cが5μm間隔と短い距離で隣接されて配置されるが、論理回路に接続される配線111cに印加される電圧が3.3Vである。このため、GND配線と接続された配線111bと配線111cとの電位差も小さく、これらの配線間では時間換算で1000時間相当の間、記録を行ってもショートは発生しない。このように電位差の無いか、非常に小さい部分に関しては、配線を束ねて配置することで、電極パッド102より素子基板の内側の封止領域内に領域131を配置することができる。
このように、この実施例では比較例に対して素子基板のサイズを変更したり、封止領域の拡大、封止工程の追加などを行うことなく、1000時間にわたって記録を行っても、配線間のショートの発生を抑えることができる。
従って以上説明した実施例に従えば、シリコンウェハの切断後に形成される配線(第1の配線)の切断面が露出する領域と、別の配線(第2の配線)の切断面が露出する領域が素子基板の異なる面に形成されるよう、これらの配線をパターニング形成する。これにより、素子基板のサイズを押さえつつ、複数の配線の切断面が露出する領域間の距離を大きくすることができ、これらの配線間のショートの発生を抑えることができる。
なお、この実施例に従う素子基板の場合、配線111b、111cをシリコンウェハ200の切断領域201に形成しているため、比較例に対して素子基板のサイズに影響する電極パッド横の距離Lで示した領域に配置する配線数を少なくすることができる。これにより、更なる素子基板の小型化が可能となる。
また、この実施例に従う素子基板では、配線111aを素子基板の下辺から電極パッド103aに、配線111b、111cを素子基板の右辺から電極パッド103b、103cに接続する構成としたが、この位置関係を逆転した構成にしても良い。さらに、この実施例に従う素子基板では3本の配線111a〜cを備えるとしたが、配線が2本であってもよい。
図7はこの実施例に従う素子基板の一部の領域の拡大図である。
図7と図3(b)とを比較すると分かるように、図7に示す領域は図3(b)に示す領域、即ち、図3(a)の素子基板100の領域Bと同じ領域であり、電極パッド102の最外部近傍の領域である。
図7と図3(b)との比較から分かるように、実施例1と異なる点は、ヒータ数や駆動電圧発生回路の増加等により、駆動回路に接続された配線が配線111aと111a’の2本に増加した点にある。従って、図7において、既に図3(b)で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
この実施例では、図7に示すように、最端部の電極パッド102e横の距離Lで示される領域に、配線111aと配線111a’を5μm間隔でパターニング配線し、素子基板100の下辺から電極パッド103a、103a’に切断領域202を通り接続した。一方、配線111bと配線111cも互いに5μm間隔でパターニング配線し、封止樹脂が塗布される領域102a内において、素子基板の長手になる右辺から切断領域201を通り電極パッド103b、103cまで配線した。
このような構成の素子基板を実装した記録ヘッドを用いて実施例1と同様に長時間記録動作を行い、電気特性評価を行った。その結果、実施例1と同様に配線の切断面に露出した領域131’と領域132との間、及び、各領域の配線群内で、1000時間相当にわたって記録を行っても、ショートは発生しない。この原因には次のことが考えられる。即ち、配線111aと111a’はそれぞれ12.5Vの高電圧が印加されているが、同電位のため、これらの配線間で電位差が発生せず、ショートの発生が抑制される。
従って、高電圧が印加される配線が増加した場合でも、同電位の配線を束ねて配置し、電位差の大きい配線群と離間させることで、素子基板のサイズの拡大を抑えつつ、実施例1と同様にイオンマイグレーションによるショートを抑制することができる。
なお、この実施例では、配線111aと111a’を、図7に示す電極パッド102e横の距離Lで示した領域に配置しているが、配線111bと配線111cと位置関係を入れ替えた構成にすることでも、同様の効果が得られる。
また、いずれの実施例でも、電極パッド102が基板短辺側に沿って配列された構成を示したが、基板長辺側に沿って上記電極パッド102配列した構成で、基板サイズを小さくする場合にも、同様の効果が得られる。また上述した各実施例において、素子基板は矩形形状である例について示したが本発明これに限られない。例えば、ひし形や平行四辺形といった形状の素子基板にも本発明を適用可能である。
100 素子基板、101 ヒータ、102 電極パッド、102a 塗布領域、
103a、103b、103c 電極パッド(検査用)
111a、111a’、111b、111c 配線
120 インク供給口、130、131、131’、132 配線露出領域
140 駆動回路、140a 駆動素子(パワートランジスタ)、
140b レベルコンバータ、141 AND回路、142 ラッチ回路、
143 シフトレジスタ、144 駆動電圧発生回路、
200 シリコンウェハ(Siウェハ)、201〜202 基板切断領域、
H1000 ヘッド基板、H2000 記録素子ユニット

Claims (15)

  1. シリコンウェハに半導体製造工程によって形成され、該形成の後、前記シリコンウェハを切断することにより得られる矩形の素子基板であって、
    前記素子基板に含まれる回路を動作させるために電圧を印加する複数の第1の電極パッドと、
    前記回路の検査のために電圧を印加する前記素子基板の外部に設けられる複数の第2の電極パッドの一部に接続される第1の配線と、
    前記複数の第2の電極パッドの残りの一部に接続される第2の配線とを有し、
    前記第1の配線は前記素子基板の長辺の側から外部に露出するように配置し、
    前記第2の配線は前記素子基板の短辺の側から外部に露出するように配置することを特徴とする素子基板。
  2. 前記複数の第1電極パッドは、前記短辺に沿って配置され、
    前記複数の第1の電極パッドの内の最端部に配置される電極パッドの近傍の前記短辺の側と前記長辺の側とに、前記第1の配線が外部に露出する第1の領域と前記第2の配線が外部の領域に露出する第2の領域とが設けられることを特徴とする請求項1に記載の素子基板。
  3. 前記第1の配線と前記第2の配線との内の少なくともいずれかは複数の配線を含み、
    前記第1の配線に印加される電圧と前記第2の配線に印加される電圧との電位差は、前記複数の配線の間の電位差よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の素子基板。
  4. 前記第1の領域と前記第2の領域と前記複数の第1の電極パッドが配置される領域とは樹脂によって封止されることを特徴とする請求項2又は3に記載の素子基板。
  5. 複数のヒータと、
    前記複数のヒータを駆動する複数の駆動素子とをさらに有し、
    前記回路は、
    前記複数の駆動素子を駆動させる駆動回路と、
    前記駆動回路の駆動を制御する論理回路とを含み、
    前記駆動回路を駆動するために前記複数の第1の電極パッドの一部から第1の電圧が印加され、
    前記論理回路を駆動するために前記複数の第1の電極パッドの別の一部から第2の電圧が印加され、
    前記第1の電圧は前記第2の電圧より高いことを特徴を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の素子基板。
  6. 前記検査のために、前記第1の配線には、前記第1の電圧が印加され、前記第2の配線には前記第2の電圧が印加されることを特徴とする請求項5に記載の素子基板。
  7. 前記論理回路は、
    外部からデータ信号を入力して一時的に格納するシフトレジスタと、
    前記シフトレジスタに格納されたデータ信号をラッチするラッチ回路と、
    前記ヒータに電流を供給するタイミングを決定するヒートイネーブル信号を外部から入力して、前記ラッチ回路によりラッチされたデータ信号とのAND演算を行うAND回路とを含むことを特徴とする請求項6に記載の素子基板。
  8. 前記駆動回路は、
    前記第2の電圧で出力される前記AND回路からの信号を昇圧するレベルコンバータと、
    前記レベルコンバータからの信号により駆動される前記駆動素子として動作するトランジスタとを含むことを特徴とする請求項7に記載の素子基板。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の素子基板と、
    外部から供給される液体の供給口と、
    前記複数のヒータそれぞれに対応した液体を吐出する複数の吐出口とを有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 請求項9に記載の液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして用い、インクジェット方式に従って、前記記録ヘッドからインクを記録媒体に吐出して記録を行う記録装置。
  11. 液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子を駆動するための回路と、前記回路の検査に用いられる第1の配線及び第2の配線とを備える素子基板であって、
    前記第1の配線の1つの端は前記素子基板の第1の側面に面するように配されており、前記第2の配線の1つの端は前記素子基板の第2の側面に面するように配されていることを特徴とする素子基板。
  12. 前記エネルギー発生素子は前記素子基板の平面に備えられており、前記平面の前記第1の側面の側には、外部から前記回路を駆動する電圧を印加するための複数の電極パッドが備えられている請求項11に記載の素子基板。
  13. 前記回路の検査に用いられる第3の配線を備え、
    前記第3の配線の1つの端は前記第2の側面に面するように配されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の素子基板。
  14. 前記第1の配線の1つの端、前記第2の配線の1つの端、及び、前記第3の配線の1つの端は樹脂により封止されていることを特徴とする請求項13に記載の素子基板。
  15. 前記第1の配線と前記第2の配線とに印加される電圧の電位差は、前記第2の配線と前記第3の配線とに印加される電圧の電位差よりも大きいことを特徴とする請求項13又は14に記載の素子基板。
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