JP2016035528A - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Yusuke Yagisawa
勇介 八木沢
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敦 植松
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Abstract

【課題】高温高湿度下で繰り返し使用した場合であっても誘電特性が低下せずモヤ画像の発生が抑制できる帯電部材、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。【解決手段】導電性基体と、該導電性基体上に設けられた表面層とを有する帯電部材であって、該表面層は、バインダーとしての有機ポリマーと、明細書中に定義される式(1)に示すユニットを有する有機無機複合ポリマーからなる架橋粒子と、導電性微粒子と、を含んでいる帯電部材。該帯電部材を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置。【選択図】図1

Description

本発明は、被帯電体を所定の電位に帯電するための帯電部材、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真方式を採用した電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」と称する)は、主に、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置及び定着装置で構成されている。帯電装置は、通常、電子写真感光体の表面に接触又は近接配置された帯電部材に電圧(直流電圧のみの電圧又は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)を印加することによって電子写真感光体の表面を帯電する方式が採用されている。
帯電部材は、オゾンの発生を低減するという観点から、接触式の帯電方式が好んで用いられている。接触式の帯電方式の場合、ローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」と称する)が好んで用いられている。
電子写真感光体と帯電ローラとの接触を安定化するため、帯電ローラには、有機高分子化合物からなる柔軟性のある材料を使用し、さらに、この材料中に導電剤を添加して使用することが多い。電子写真装置が使用される温度や湿度等の環境により、有機高分子化合物からなる材料(有機高分子材料)には吸湿や熱による体積変化が起こることがある。このため、導電剤としてカーボンブラック等の電子導電剤や、四級アンモニウム塩等のイオン導電剤を添加した場合でも導電性が変化する場合があった。
電子写真装置が低温低湿環境下で使用された場合では、ハーフトーン上に帯電ムラによる黒ポチ状の斑点画像が発生する場合があった。
特許文献1には、金属酸化物や複合金属酸化物の誘電性粉末を有機高分子材料中に含有させた帯電ローラが開示されている。これは、金属酸化物や複合金属酸化物を有機高分子材料中に添加することで帯電ローラの誘電特性を向上させて、低温低湿下での帯電性を安定化させ、帯電不良を抑制することを目的としている。
また、特許文献2には、N置換(メタ)アクリルアミド誘導体をモノマーの少なくとも1種として用いた樹脂材料で被覆された帯電付与部材が開示されている。
特許第3284626号公報 特開平10−213924号公報
しかしながら、特許文献1記載の帯電ローラであっても、高温高湿度下において、金属酸化物等を含む有機高分子材料が吸湿や熱により膨張することがあった。有機高分子材料が膨張した場合、帯電ローラの誘電特性が低下することがあり、これによって帯電性が低下して、画像上に濃度ムラによるモヤ状の画像(以下、モヤ画像と称する)が発生する場合があった。
また、特許文献2には、帯電部材の誘電特性によってモヤ画像を抑制する効果は記載されていない。
また、近年、電子写真装置に対して、より一層の高速化、高画質化が要望されている。これらの要望に伴い、以前には発生しなかった帯電ムラが、顕在化してくる場合があり、帯電ムラによる画像の発生を抑制することは、より安定した電子写真性能を得るために解決すべき課題であると、本願発明者らは認識した。本発明の目的は、高温高湿度下で繰り返し使用した場合であっても、誘電特性が低下せず、モヤ画像の発生が抑制できる帯電部材、この帯電部材を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた表面層とを有する帯電部材であって、該表面層は、バインダーとしての有機ポリマーと、下記式(1)に示すユニットを有する有機無機複合ポリマーからなる架橋粒子と、導電性微粒子と、を含んでいることを特徴とする帯電部材である。
Figure 2016035528
(MおよびMは、各々独立にケイ素、チタン、ジルコニウムまたは、ハフニウムを表し、RおよびRは、各々独立に下記式(2)に示す構造を表し、RおよびRは、各々独立に下記式(3)に示す構造を表し、xおよびyは、各々独立に1以上の整数を表す。)
Figure 2016035528
(Rは、水素原子またはメチル基を表し、Zは、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または下記式(4)に示す構造を表し、*1は、式(1)中のRまたはRとの結合部位を表し、*2は、式(1)中のMまたはMとの結合部位を表す。)
Figure 2016035528
(RおよびRは、各々独立に水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数3または4のアルキル基を表し、*3は、式(1)中のRまたはRとの結合部位を表す。)
Figure 2016035528
(E1は、下記式(5)、式(6)、式(7)または式(8)で示される基、あるいはメチレン基を表し、R21およびR22は、各々独立に炭素数1以上3以下のアルキレン基を表し、bおよびcは、各々独立に0または1を表し、*2は、式(1)中のMまたはMとの結合部位を表す。)
Figure 2016035528
また、本発明は、上記帯電部材が被帯電体と少なくとも一体化され、電子写真装置に着脱自在に構成されていることを特徴とするロセスカートリッジである。さらに、本発明は、少なくとも、上記プロセスカートリッジ、露光装置及び現像装置を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、高温高湿度下で繰り返し使用した場合であっても、誘電特性が低下せず、モヤ画像の発生が抑制できる帯電部材、この帯電部材を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
本発明の帯電ローラ(ローラ形状の帯電部材)の4つの例の断面図である。 本発明の帯電ローラの電気抵抗測定に用いる機器を説明するための概略図である。 本発明の電子写真装置の一例の概略断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例の概略断面図である。 本発明の帯電ローラと電子写真感光体との当接状態を説明するための概略図である。 本発明の帯電ローラの静電容量測定に用いる機器を説明するための概略図である。
<帯電部材>
本発明の帯電部材は、少なくとも導電性基体と、この導電性基体上に設けられた表面層とを有するものである。この帯電部材は、被帯電体(例えば、電子写真感光体)を帯電するのに用いられ、帯電部材に電圧を印加することによって、被帯電体表面を所定の電位に帯電することができる。
図1に、本発明の帯電ローラの4つの例の断面図(導電性基体の軸方向に対して垂直に切断した際の断面図)を示す。図1(a)は、導電性基体1と、その外周に設けられた表面層3とを有する帯電ローラである。図1(b)は、導電性基体1と表面層3との間に、導電性弾性層2を有する帯電ローラである。図1(c)は、図1(b)の帯電ローラの導電性弾性層2と表面層3との間に、さらに中間層21を有する帯電ローラである。図1(d)は、図1(b)の帯電ローラの導電性弾性層2と表面層3との間に、第1の中間層21及び第2の中間層22を有する帯電ローラである。
このように、本発明の帯電部材は、導電性基体と表面層との間に他の層を有することができる。なお、帯電部材は、通常、電子写真感光体と接触して用いられるので、導電性基体と表面層との間に導電性弾性層を有していることが好ましい。特に耐久性が要望される場合は、図1(b)、(c)及び(d)のように、導電性弾性層2を設けて、導電性基体1上に2層以上の層を有することが好ましい。
また、導電性基体1とその外周面に形成される層(例えば、導電性弾性層2や表面層3)との間や、導電性基体1上に順次積層される層の間(例えば、図1(b)に示す導電性弾性層2と表面層3との間)は、接着剤を介して接着されていても良い。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。なお、接着剤を導電性にするための導電剤には、電子写真装置の分野で公知の導電剤を用いることができる。
本発明の帯電部材は、電子写真装置に用いる帯電部材(電子写真装置用帯電部材)として使用することができる。また、本発明の帯電部材の形状は適宜選択することができ、例えば、ローラ形状やベルト形状とすることができる。以下、ローラ形状の帯電部材、すなわち帯電ローラに特に着目して説明を行う。
まず、本発明の帯電部材を構成する基体及び層について詳しく説明する。
〔導電性基体〕
本発明の帯電部材に用いられる導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる表面層等を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やそれらの合金を挙げることができる。また、導電性基体は、表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等を施しても良い。さらに、導電性基体として、樹脂製の基材の表面を金属等で被覆して表面導電性を付与したものや、導電性樹脂組成物から製造されたものも使用可能である。なお、導電性基体の形状は、作製する帯電部材の形状に応じて選択することができ、例えば、中空円筒状や、中実円柱状、ベルト形状とすることができる。
〔表面層〕
本発明に用いる表面層は、バインダーとしての有機ポリマーと、導電性微粒子と、架橋粒子とを含む。この架橋粒子は、上記式(1)に示すユニットを有する有機無機複合ポリマーを含む。なお、導電性微粒子及び架橋粒子は、いずれも上記有機ポリマー中に分散されている。
なお、本発明に係る帯電部材において、上記有機ポリマー及び有機無機複合ポリマーはそれぞれ架橋された状態で表面層に含まれている。
また、表面層中の架橋粒子は、バインダーに支持された状態で表面に露出していても、露出していなくても良い。即ち、表面層は架橋粒子に由来する凸部を表面に有し、それによって、帯電部材の表面が粗面化されていても良いし、粗面化されていなくても良い。しかしながら、モヤ画像、及び後述するスジ状画像の抑制の観点から、帯電部材は、架橋粒子に由来する凸部を表面に有することが好ましい。また、本発明に用いる表面層は、導電性の表面層であることができる。
本発明に用いる表面層は、導電性微粒子をバインダー中に分散させ、架橋粒子の内部に導電性微粒子を含有しない構成とすることができるため、たとえ架橋粒子の体積が収縮しても帯電ローラの導電性に与える影響を少なくすることができる。そのため使用環境によらず安定した導電性を得ることができる。
・バインダー(有機ポリマー)
表面層に用いる有機ポリマーは、電子写真装置の分野でバインダーとして用いられている公知の有機ポリマーから適宜採用することができる。この有機ポリマーとしては、例えば、樹脂、天然ゴムやこれを加硫処理したもの、合成ゴムなどのゴム、熱可塑性エラストマー等のエラストマー等を挙げることができる。
上記樹脂としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)及びオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等を挙げることができる。
上記合成ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム等を挙げることができる。
上記熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
これらは、単独で用いてもよいし、混合又は共重合体として2種以上用いてもよい。これらの中で、感光体やその他の部材への汚染の観点から、表面層に用いるバインダーとしては、樹脂を用いることが好ましい。
なお、表面層中の有機ポリマーの含有量は、表面層の機械的強度の観点から5質量%以上、表面層の静電容量制御の観点から95質量%以下であることが好ましい。
・導電性微粒子
導電性微粒子は、表面層の導電性を制御するために表面層に含有させることが好ましく、具体的には、表面層中に3質量%以上、80質量%以下含有させることが好ましい。
なお、導電性微粒子としては、電子写真装置の分野で公知のものを使用することができ、例えば、以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀等の金属系の微粒子や繊維。酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物。前記記載の金属系の微粒子、繊維及び金属酸化物表面に、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面処理した複合粒子。カーボンブラック、及び、カーボン系微粒子。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックを例示することができる。ファーネスブラックとしては、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、ECF、FEF−HSを例示することができる。サーマルブラックとしては、FT、MTを例示することができる。カーボン系微粒子としては、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン粒子、ピッチ系カーボン粒子を例示することができる。
また、これらの導電性微粒子を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上述したように、導電性微粒子は、その表面を表面処理してもよい。表面処理剤としては、例えば、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物が使用可能である。これらは一種で使用しても、二種以上を用いても良い。有機ポリマーへの分散の観点から、表面処理剤として好ましくは、アルコキシシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系又はジルコネート系の各種カップリング剤であり、表面処理の製造安定性の観点から、更に好ましくは、有機ケイ素化合物である。
導電性微粒子の体積平均粒径は、表面層の導電性の観点から、0.01μm以上0.9μm以下が好ましく、0.01μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。
・架橋粒子
本発明に用いる架橋粒子は、先に述べたように、下記式(1)に示すユニットを有する有機無機複合ポリマーからなる。
Figure 2016035528
式(1)中、MおよびMは、各々独立にケイ素、チタン、ジルコニウムまたは、ハフニウムを表す。この中でも、後述する無機構造部の結合の安定性の観点から、MおよびMはいずれもケイ素を表すことが好ましい。
また、RおよびRは、各々独立に下記式(2)に示す構造を表す。さらに、RおよびRは、各々独立に、特定のN置換(メタ)アクリルアミドユニット(構造)(下記式(3)に示す構造)を表す。なお、(メタ)アクリルアミドとは、メタクリルアミドおよびアクリルアミドのいずれか一方または両方を指す。また、xおよびyは、各々独立に1以上の整数を表す。なお、架橋粒子の体積変化の制御を容易にする観点から、xおよびyは、各々独立に20以下の整数を表すことが好ましい。
Figure 2016035528
式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Zは、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または下記式(4)に示す構造を表し、*1は、式(1)中のRまたはRとの結合部位を表し、*2は、式(1)中のMまたはMとの結合部位を表す。
Figure 2016035528
式(3)中のRおよびRは、各々独立に水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数3または4のアルキル基を示す。また、*3は、式(1)中のRまたはRとの結合部位を表す。
Figure 2016035528
式(4)中、E1は、下記式(5)、式(6)、式(7)または式(8)で示される基、あるいはメチレン基を表す。また、R21およびR22は、各々独立に炭素数1以上3以下のアルキレン基を表す。さらに、bおよびcは、各々独立に0または1を表す。*2は、式(1)中のMまたはMとの結合部位を表す。
Figure 2016035528
なお、架橋粒子を構成する有機無機複合ポリマーは、式(1)に示すユニットの他に、例えば、以下のユニットを有することができる。即ち、スチレンユニット、アクリル酸ユニット、およびメタクリル酸ユニット等のビニルユニット。
有機無機複合ポリマーが、分子構造中にこれらのユニットを有することは、熱分解質量分析装置等により確認することができる。また、有機無機複合ポリマー中の式(1)に示すユニットの含有割合は、架橋粒子の体積変化の観点から3質量%以上、体積変化を繰り返した場合でも架橋構造を安定に保つ観点から98質量%以下とすることが好ましい。
本発明に用いる架橋粒子は、2つの有機構造部が、無機構造部を介して架橋した構造を有する。この2つの有機構造部はそれぞれ、式(2)に示す構造と式(3)に示す構造とから構成され、2つの有機構造部は、具体的には、R及びRからなる有機構造部と、R及びRからなる有機構造部とを指す。また、上記無機構造部は、ケイ素、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから選ばれる金属(M及びM)を含有し、これらから選ばれる金属と、酸素原子とから構成される。
上記有機構造部は、特定のN置換(メタ)アクリルアミドユニット(式(3)の構造)を含むため、帯電部材の使用環境が低温低湿から高温高湿に変更された場合に、架橋粒子中から水を除去する、即ち脱水させる性質を有する。また、帯電部材の使用環境が高温高湿から低温低湿に変更された場合には、架橋粒子中に水を吸収(吸水)させる性質を有する。
即ち、上記有機構造部が無機構造部を介して架橋した構造を有する架橋粒子は、低温低湿から高温高湿へ移動させた際に脱水され、それに伴い体積が減少する。また、高温高湿から低温低湿へ移動された場合には、架橋粒子は、吸水し、それに伴い体積が増加する。
この性質によって、本発明に用いる架橋粒子は、従来課題とされていた使用環境による帯電部材の吸湿や熱による体積変化(例えば、高温高湿度下での帯電部材の吸湿や熱による膨張)を抑制し、帯電部材の誘電特性の低下を防ぐことができる。
さらに、本発明では、高温高湿下において架橋粒子の体積が収縮するため、架橋粒子中では無機構造部の存在が密になる。無機構造部が密に存在することにより、高温高湿環境下での帯電部材の誘電特性は更に向上する。そのため、帯電能力が向上し、高温高湿下においてもモヤ画像の発生を抑制できる。このように、本発明の帯電部材は高温高湿環境においても均一な帯電を行うことができる。
また、本発明に用いる架橋粒子は、2つの有機構造部が無機構造部を介して架橋構造を形成しているため、低温低湿と高温高湿間の移動を繰り返し行っても、無機構造部によって機械的強度が増加し、架橋構造の劣化を抑制することができる。そのため長期使用においても誘電特性の劣化が抑制されるためモヤ画像の発生を抑制できる。
有機構造部中の式(3)に示す構造と無機構造部とは、式(2)で示す構造により架橋されている。このため、式(2)で示す構造のイオン的性質によって、N置換(メタ)アクリルアミドユニットに由来する架橋粒子の体積の変化量と、変化する温度とが影響を受ける。
なお、架橋粒子中の式(4)に示す構造は、式(7)または式(8)に示す基を有することが好ましい。この式(4)に示す構造は、例えば、式(7)または式(8)に示す基からなること、即ち式(4)中のb及びcがいずれも0であり、E1が式(7)又は式(8)の基であることができる。架橋粒子が、式(7)または式(8)に示す基を有することで、使用環境の変化に伴う(特に電子写真装置の一般的な使用温度範囲、特には15℃から30℃の範囲での)架橋粒子の体積変化を容易に大きくすることができる。これは、式(7)や式(8)の構造が、式(3)に示すN置換(メタ)アクリルアミドユニットとイオン的性質が近いことによるものと推察される。これにより、低温低湿度下では架橋粒子の体積が膨張することで架橋粒子の硬度を容易に低下させることができ、高温高湿度下では体積が収縮することで架橋粒子の硬度を容易に増加させることができる。
なお、電子写真装置の高速化に伴い、装置の駆動により帯電部材が振動して、画像ムラを発生する場合があった。また、帯電部材の振動により電子写真感光体への帯電部材の接触状態が変化することで帯電が不均一になり画像上にスジ状の画像が発生する場合があった。帯電部材表面が粗面化されている場合や、使用環境が低温低湿度下ではスジ状画像の発生は顕著になる傾向にあった。このため、架橋粒子等に由来する凸部によって帯電部材表面が粗面化されている場合は、低温低湿度下でこれら凸部の変形が容易、即ち凸部の硬度が低いことが望まれる。この点からも、架橋粒子は、式(7)または式(8)に示す基を有することが好ましい。
以上より、本発明の帯電部材は、式(7)または式(8)に示す基を有する架橋粒子に由来する凸部を有することが好ましい。
帯電部材の表面に、式(7)または式(8)に示す基を有する架橋粒子に由来する凸部を形成した場合、低温低湿度下で架橋粒子の硬度を容易に低下させることができるため、帯電部材表面の凸部では変形が容易になる。そして、この凸部の変形により電子写真感光体との接触面積を容易に大きくすることができ、電子写真感光体と帯電部材との接触を容易に安定化することができる。このためモヤ画像と共に更にスジ状画像を容易に抑制できる。
また、表面層が、架橋粒子に由来する凸部を有する場合、表面の十点平均粗さRzjis(μm)は3μm以上30μm以下であることが好ましく、表面の凹凸平均間隔Sm(μm)は15μm以上150μm以下であることが好ましい。帯電ローラの表面の十点平均粗さRzjis、及び凹凸平均間隔Smをこの範囲とすることにより、電子写真感光体に対する帯電が容易に安定化することができるため、使用環境の変化に応じた架橋粒子の硬度の変化をより高めることができる。
帯電ローラの表面の十点平均粗さRzjis及び表面の凹凸平均間隔Smは、以下の測定法によって特定することができる。
具体的には、JIS B0601−2001による表面粗さの規格に準じて、表面粗さ測定器「SE−3500」(商品名、株式会社小坂研究所製)を用いて測定を行う。十点平均粗さRzjisは、帯電部材を無作為に6箇所測定した値の平均値である。また、凹凸平均間隔Smは、以下のように特定できる。まず、帯電部材の測定箇所を無作為に6箇所選び、各測定箇所において10点の凹凸の間隔を測定し、その10点の測定値から各測定箇所における平均値を算出する。その後、この平均値から、全測定箇所(合計6箇所)における平均値を算出し、Smとする。
なお、架橋粒子における、ケイ素、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから選ばれる金属元素を有する無機構造部も、架橋粒子の体積変化に寄与することができ、さらに帯電部材の誘電性を向上させることができる。
架橋粒子の含有量は、バインダー(有機ポリマー)100質量部に対して、0.5質量部以上80質量部以下が好ましい。0.5質量部以上であれば、架橋粒子の添加による帯電の安定化効果を容易に得ることができ、80質量部以下であれば、表面層塗料の粘度制御を容易に短時間で行うことができる。
架橋粒子の体積平均粒径は、架橋粒子の凝集を抑制する観点から、0.1μm以上30μm以下であることが好ましい。また、帯電部材表面に、架橋粒子に由来する凸部を形成する観点からは、体積平均粒径が1μm以上、30μm以下であることがより好ましい。
架橋粒子の体積平均粒径としては、粉体状の架橋粒子を、コールターカウンターマルチサイザー等を用いて測定した測定値を採用することができる。
また、既に表面層に含有された状態での架橋粒子の粒径の測定方法は、表面層の断面を顕微鏡等で観察することにより簡易的に求めることができる。具体的には、まず、表面層の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)にて観察し、架橋粒子の断面画像データから、架橋粒子の投影面積を求め、次に、この面積と等しい面積を持つ円の直径を架橋粒子の粒径とする。同様に別の架橋粒子の断面投影面積から、この面積と等しい面積を持つ円の直径をこの架橋粒子の粒径として求める。
(架橋粒子の製造方法)
次に、本発明に用いる架橋粒子の製造方法を、具体的に2つの例を挙げて説明する。いずれの例(方法)においても、4つの工程を経ることで架橋粒子を製造することができる。
・架橋粒子の第1の製造方法
工程1;N置換(メタ)アクリルアミドユニット(式(3)に示す構造)、及び、後述する加水分解性金属アルコキシドモノマーの反応性基(官能基)との反応性を有する反応性官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基)を有する共重合体Aを製造する。
工程2;この共重合体A中の反応性官能基との反応性を有する反応性基を有し、かつ中心金属がケイ素、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される加水分解性金属アルコキシドモノマーを、水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物Aを得る。
工程3;工程1より得られる共重合体Aと、工程2より得られる加水分解性縮合物Aとを混合し、必要に応じて加熱等を行うことで、共重合体Aと縮合物Aとの反応生成物を製造する。
工程4;得られた反応生成物を粉砕処理し、架橋粒子を形成する。
工程1について
上記共重合体Aの製造法としては、例えばラジカル重合法やイオン重合法を使用することができる。この中でも、ラジカル重合法が好ましく、ラジカル重合法の中でも、溶液重合法がより好ましい。
溶液重合法は、例えば、溶媒中で、特定のN置換(メタ)アクリルアミドモノマー、及び、特定のビニルモノマーを、ラジカル開始剤の存在下、50℃から150℃の温度条件下で反応させることにより行うことができる。なお、このN置換(メタ)アクリルアミドモノマーは、式(3)に示す構造に対応する構造を有するものであり、このビニルモノマーは、上記加水分解性金属アルコキシドモノマーの官能基との反応性を有する反応性官能基を有する。
本発明に使用できる上記N置換(メタ)アクリルアミドモノマーとしては、例えば、以下のものから選択することができる。
N−n−プロピルアクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−iso−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−n−ブチルアクリルアミド、N−メチル−N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチル−N−iso−ブチルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−iso−プロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−iso−ブチルメタクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−iso−プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−n−ブチルメタクリルアミド、N−メチル−N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−メチル−N−iso−ブチルメタクリルアミド。これらは単独または2種以上の組合せで使用することができる。
架橋粒子を構成するのに使用する全有機モノマー中の上記N置換(メタ)アクリルアミドモノマーの含有率は、10モル%以上95モル%以下であることが好ましい。10モル%以上であると、脱水または吸水による架橋粒子の体積変化の減少を容易に抑制することができ、帯電ローラの静電容量を容易に制御することができる。また、95モル%以下であると、無機構造部との適度な架橋形成を容易に得ることができ、長期使用した場合での静電容量の低下を容易に抑制することができる。
上記加水分解性金属アルコキシドモノマーの官能基との反応性を有する反応性官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基)を有するビニルモノマー(ビニル化合物)は、例えば以下のものから選択することができる。アクリル酸、メタクリル酸、アリルアルコール等。また、その他のビニルモノマーを併用することもできる。併用可能なその他のビニルモノマーとしては例えば、以下のものを挙げることができる。
スチレン、イソプレン、酢酸ビニル、プロピレン、ブテン−1、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、イソブチルビニルエーテル。
溶液重合法に用いる溶媒としては、以下の溶媒を例示できる。
ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等のオルガノシロキサンオリゴマー等。
ラジカル開始剤としては、一般にラジカル重合法に使用される従来公知の化合物を用いることができる。具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物等を例示できる。
このラジカル開始剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種類以上を混合して使用してもよい。ラジカル開始剤の使用量は、重合する化合物(N置換(メタ)アクリルアミドモノマーやビニルモノマー)の合計を100質量部とした時、重合反応の安定性の観点から0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
また、重合に際しては連鎖移動剤を添加することができる。この連鎖移動剤として具体的には、2−メルカプトエタノール、ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピル基を有するポリジメチルシロキサン等のメルカプト化合物、塩化メチレン、クロロホルム、臭化ブチル、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化物等が例示できる。連鎖移動の安定性の観点から、好ましくは、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランである。
このような連鎖移動剤の配合量は、重合する化合物の合計を100質量部とした時、好ましくは、0.001質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは、0.01質量部以上10質量部以下である。
なお、上記共重合体Aを製造する場合、重合後、加熱下、減圧処理して、残存する未反応のビニル系化合物(上記N置換(メタ)アクリルアミドモノマーや上記ビニルモノマー)を除去することが好ましい。
共重合体Aの重量平均分子量は、架橋粒子の体積変化を制御する観点から300以上、架橋構造の安定性の観点から50000以下とすることが好ましい。
この工程1によって、式(1)中のR及びR、即ち式(3)に示す構造に対応するユニットを形成することができる。
工程2について
上記加水分解性金属アルコキシドモノマーが有する反応性基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、イソシアネート基及びアミノ基を挙げることができる。なお、上述したように、架橋粒子は式(7)または式(8)の構造を有することで、電子写真装置の一般的な使用温度範囲で大きな体積変化を容易に起こすことができる。このため、無機構造部及び式(2)に示す構造部分は、アミノ基またはイソシアネート基を反応性基として有する加水分解性金属アルコキシドモノマーによる縮合反応により製造されることが好ましい。また、加水分解反応の制御の観点から、加水分解性金属アルコキシドモノマーの中心金属は、ケイ素であることが好ましい。
以下に、中心金属としてケイ素、反応性基としてアミノ基またはイソシアネート基を有する加水分解性金属アルコキシドモノマーの具体例を挙げる。
アミノ基を有するアルコキシシランとしては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(6−アミノエチル)−アミノエチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシランを挙げることができる。
イソシアネート基を有するアルコキシシランとしては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシランを挙げることができる。
また、これらの加水分解性金属アルコキシドモノマーと、他の加水分解性金属アルコキシドモノマーを併用することもでき、以下にこの他の加水分解性金属アルコキシドモノマーの一例を式(9)に示す。
Figure 2016035528
式(9)中、R30は、炭素数1以上4以下のアルキル基と、ビニル基と、アリル基と、メチル基またはエチル基で置換してもよいフェニル基とからなる群から選ばれる基を示す。R31は、水素原子と、炭素数1以上6以下のアルキル基と、メチル基またはエチル基で置換してもよいフェニル基とからなる群から選ばれる基を示す。尚、この炭素数1以上6以下のアルキル基は、水酸基で置換されていても良いし、置換されていなくても良い。Jは、0以上3以下の整数を示す。M5は、ケイ素、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムを表す。
式(9)に示す加水分解性金属アルコキシドモノマーの具体例としては、以下のものを挙げることができる。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、及び、ジアルコキシシランが例示できる。
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が例示できる。
トリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及び、フェニルトリエトキシシラン等が例示できる。
ジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、及び、ジエチルジエトキシシラン等が例示できる。
アルコキシチタンとしては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ(n−プロポキシ)チタン、テトラ(i−プロポキシ)チタン、テトラ(n−ブトキシ)チタン、テトラ(t−ブトキシ)チタン、テトラペントキシチタン、テトラヘキソキシチタン、等が例示できる。
アルコキシジルコニウムとしては、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、等が例示できる。
アルコシキハフニウムとしては、テトラエトキシハフニウム、テトラ−i−プロポキシハフニウム、テトラ−n−ブトキシシハフニウム、テトラ−t−ブトキシハフニウム、等が例示できる。
なお、本発明に用いる加水分解性金属アルコキシドモノマーの加水分解及び縮合反応をより促進するため、これらの反応系に、触媒を添加することが可能である。
触媒としては、有機酸、無機酸、アミン、アルカリ触媒等が例示できる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸、及び、メタンスルホン酸等が、無機酸としては、ホウ酸及びリン酸等が例示できる。アミンしては、アンモニア、トリエチルアミン、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、及び、ジメチルジエタノールアミン等が例示できる。アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が例示できる。
これらの中でも、上記アミンのうち3級アミン、及び有機酸がより好ましい。有機酸及び3級アミンを使用して、金属アルコキシドの加水分解反応を促進することにより、金属アルコキシドの加水分解反応により生成する水酸基が、前記ポリマー(共重合体A)のNH構造部あるいはOH構造部と相互作用しやすくなる。これにより、前記式(1)で示す有機構造部と無機構造部との架橋構造の形成を制御しやすくなる。
好ましい有機酸としては、ギ酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸が、好ましい。3級アミンとしては、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が例示できる。
触媒の添加量は、加水分解及び縮合反応の制御の観点から、使用する全ての金属アルコキシドモノマーに対し、モル比率で、0.001モル%以上50モル%以下が好ましい。より具体的には、例えば、パラトルエンスルホン酸及び3級アミン等の触媒効果の高い触媒の場合は、0.001モル%以上5モル%以下が好ましく、ギ酸及び酢酸等の触媒効果の低い触媒の場合は、0.01モル%以上50モル%以下が好ましい。
架橋粒子中の加水分解性金属アルコキシドモノマー由来のユニット(加水分解性金属アルコキシドユニット)の合計含有量は、架橋粒子(100質量%)に対して、2質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。これにより架橋粒子中の無機構造部の凝集を抑制しやすくなる。
工程2で用いる、共重合体A中の反応性官能基との反応性を有する反応性基を有しかつ特定の中心金属を有する加水分解性金属アルコキシドモノマーの配合量は、全ての加水分解性金属アルコキシドモノマーに対して1モル%以上70モル%以下が好ましい。より好ましくは10モル%以上30モル%以下である。1モル%以上70モル%以下とすることにより、以下のことが可能となる。即ち、共重合体Aとの架橋反応が容易に安定すると共に、上記反応性基を有しかつ特定の中心金属を有する加水分解性金属アルコキシドモノマー中のこの反応性基間の自己縮合が非常に多く発生することを容易に抑制することができる。
なお、帯電部材は、長期間にわたって電子写真感光体に当接した状態で放置された場合、電子写真感光体との当接部で半永久的に変形する歪み、いわゆる圧縮永久歪み(以下、「Cセット」と称す)が生じることがある。その際、このCセット部に対応した位置において、長手方向の白または黒の横線画像といった画像濃度ムラ(以下、「Cセット画像」と呼ぶ)が発生する場合がある。高温高湿環境下では通常の有機高分子材料は柔軟化するため、Cセット画像の発生が顕著になる傾向にある。
このCセット画像の発生を抑制する観点から、架橋粒子は、アミド変性シリコーンオイルを含有することが好ましい。即ち、上記工程2において、上記加水分解性金属アルコキシドモノマーと共にアミド変性シリコーンオイルを用いて加水分解性縮合物Aを形成することが好ましい。
アミド変性シリコーンオイルにおけるアミド構造部は、N置換(メタ)アクリルアミドユニットとの相溶性がよく、さらにN置換(メタ)アクリルアミドユニットによる体積変化の温度、変化量には影響が少ない。またシリコーン構造部は無機構造部との相溶性がよい。このため、アミド変性シリコーンオイルを含有することで、金属アルコキシドからなる縮合部とN置換(メタ)アクリルアミド共重合部の親和性が向上することで、架橋粒子の機械強度の低下を容易に抑制することができる。また上記のシリコーンオイルは、高温高湿環境下での架橋粒子の体積収縮を阻害することなく、電子写真感光体に対する帯電ローラの帯電能力を容易に向上させ、Cセットによる横線画像の発生を容易に抑制できる。
工程3及び4について
共重合体Aと、縮合物Aとの反応においては、必要に応じて熱を加えることができ、その加熱条件としては、例えば、40℃から80℃の温度を、5時間から24時間維持する条件とすることができる。なお、得られた反応生成物は、例えば、ピンミル粉砕機を用いて粉砕し、架橋粒子を得ることができる。
・架橋粒子の第2の製造方法
工程I;ビニル基を有する加水分解性金属アルコキシドモノマー由来のユニット、およびN置換(メタ)アクリルアミドモノマー由来のユニットを有する共重合体Bを製造する。
工程II;上記共重合体Bと、中心金属がケイ素、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選択される加水分解性金属アルコキシドモノマーならびに加水分解性金属アルコキシドの縮合物のいずれか一方または両方と、を混合し、混合物を製造する。
工程III;この混合物を、水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物Bを製造する。
工程IV;得られた加水分解性縮合物Bを粉砕処理し、架橋粒子を形成する。
工程Iについて
共重合体Bの製造方法としては、架橋粒子の第1の製造方法における工程1による共重合体Aの製造方法と同様に、例えばラジカル重合法やイオン重合法を使用することができる。
上記ビニル基を有する加水分解性金属アルコキシドモノマーは、例えば、以下のものから選択することができる。アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン。これらは単独または2種以上の組合せで使用することができる。
上記第2の製造方法において、N置換(メタ)アクリルアミドモノマー、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)等も、共重合体Aの製造方法と同様なものを使用することができる。
工程II、工程III及びIVについて
縮合物Bは、共重合体B中のビニル基を有する加水分解性金属アルコキシドユニット由来の加水分解性基と、特定の中心金属を有する加水分解性金属アルコキシドモノマーとの加水分解及び縮合反応によって得ることができる。そして、これらの反応は、上述した架橋粒子の第1の製造方法における工程2と同様にして行うことができる。なお、この特定の中心金属を有する加水分解性金属アルコキシドモノマーとしては、例えば、上記式(9)に示す加水分解性金属アルコキシドモノマーを用いることができる。
また、工程IIにおいて、加水分解性金属アルコキシドの縮合物を使用する場合は、例えば、架橋粒子の第1の製造方法における縮合物Aを使用することも可能である。
なお、得られた縮合物Bは、例えば、ピンミル粉砕機を用いて粉砕し、架橋粒子を得ることができる。
〔導電性弾性層〕
本発明に用いる帯電部材は、上述したように、導電性基体と表面層との間に、導電性弾性層を形成することができる。導電性弾性層は、以下のバインダーを用いて形成することができ、必要に応じてバインダーの他に導電性微粒子やイオン導電剤を用いることができる。
導電性弾性層に用いるバインダーとしては、電子写真装置の分野でバインダーとして用いられる公知のゴムや樹脂を使用することができる。この中でも、帯電部材と感光体との間で十分なニップを確保するという観点から、比較的低い弾性を有することが好ましく、ゴムを使用することがより好ましい。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫処理したものや、合成ゴムを挙げることができる。
合成ゴムとしては、例えば、以下のものが使用できる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。
導電性弾性層の体積抵抗率は、温度23℃、湿度50%RH(相対湿度)の環境下で、1.0×10Ωcm以上、9.9×1010Ωcm以下であることが好ましい。導電性弾性層の体積抵抗率は、導電性弾性層の体積抵抗率測定試料を用いて測定できる。この測定試料は、まず、導電性弾性層を形成するための材料(バインダー等)を厚さ1mmのシートに成型し、次いで、そのシートの両面に金属を蒸着して電極とガード電極を形成することにより作製することができる。
また、導電性弾性層の体積抵抗率は、バインダー中に、導電性微粒子やイオン導電剤を適宜添加することで調整できる。なお、導電性微粒子としては、表面層に用いることができる上述の導電性微粒子を同様に使用することができる。
イオン導電剤としては、例えば、以下のものを使用することができる。過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム等の無機イオン物質。ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等の陽イオン性界面活性剤。ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ジメチルアルキルラウリルベタイン等の両性イオン界面活性剤。過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩、及び、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩。これらのイオン導電剤は、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。なお、バインダーとして極性ゴムを用いた場合は、導電性弾性層からのブリード防止の観点から、特にアンモニウム塩を用いることが好ましい。
また、導電性弾性層には、これらの他に硬度等を調整するために、軟化油、可塑剤等の添加剤や、絶縁性粒子を含有させてもよい。上述したように、導電性弾性層と導電性基体との間や、導電性弾性層と導電性樹脂層(例えば、表面層や中間層)との間は、接着剤を用いて接着させることもできる。接着剤としては、導電性のものを用いることが好ましい。
〔第1および第2の中間層〕
本発明に用いる帯電部材は、導電性弾性層と表面層の間に、第1の中間層を形成することができ、この第1の中間層と表面層の間に、第2の中間層を形成することができる。これらの中間層に用いるバインダーとしては、導電性弾性層に用いるバインダーと同様なものを使用することができる。また体積抵抗率や硬度等は、導電性弾性層に用いる方法を同様に用いて調節することができる。
〔表面層の静電容量〕
帯電ローラの誘電特性の指標として静電容量を用いることが広く知られている。帯電ローラは、静電容量が大きいほど、電子写真感光体を帯電する帯電能力は大きくなる傾向にあるが、部分的な帯電ムラを抑制する観点から、帯電ローラの表面層の静電容量は、5.00×10−9[F]以上5.00×10−6[F]以下が好ましい。
なお、本発明に用いる架橋粒子は、先に述べたように使用温度により体積が変化することで、架橋粒子の誘電性を制御できる。これにより低温低湿環境から高温高湿環境、さらに長期使用においても、静電容量を上記範囲(5.00×10−9[F]以上5.00×10−6[F]以下)に制御することが容易となる。そのためモヤ状画像の発生を容易に抑制できる。
<電子写真装置>
本発明の帯電部材を備える電子写真装置の一例の概略構成を図3に示す。
この電子写真装置は、以下の装置等から構成されている。電子写真感光体、電子写真感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、電子写真感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置。
電子写真感光体4は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
帯電装置は、電子写真感光体4に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ5を有する。帯電ローラ5は、電子写真感光体の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源13から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体を所定の電位に帯電する。
電子写真感光体4に静電潜像を形成する潜像形成装置(不図示)は、例えばレーザービームスキャナー等の露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体に、例えばレーザー光11を用いて画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。
現像装置は、電子写真感光体4に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ6を有する。電子写真感光体の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像により、静電潜像を現像してトナー像を形成する。
転写装置は、接触式の転写ローラ8を有する。電子写真感光体からトナー像を普通紙等の転写材7(転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。)に転写する。
クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材10、回収容器14を有し、転写した後、電子写真感光体上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。
ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。
定着装置9は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材7に定着し、機外に排出する。
<プロセスカートリッジ>
電子写真装置には、少なくとも電子写真感光体と、帯電部材を有する帯電装置とを一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計されたプロセスカートリッジを用いることもできる。すなわち、本発明のプロセスカートリッジは、帯電部材が被帯電体と少なくとも一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されているプロセスカートリッジであり、この帯電部材として、上述した本発明の帯電部材を用いる。なお、プロセスカートリッジには、図4に示すように、現像装置やクリーニング装置等を含むこともできる。
また、本発明の電子写真装置は、少なくとも、プロセスカートリッジ、露光装置及び現像装置を有し、このプロセスカートリッジとして本発明のプロセスカートリッジを用いる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
(共重合体1の作製)
攪拌機、冷却器および温度計を備えたガラス製の1リットルフラスコに、溶媒として、イソプロピルアルコール300質量部を投入した。ついで、このフラスコに、N置換(メタ)アクリルアミドモノマーとしてN−メチル−N−iso−プロピルアクリルアミド64質量部と、共重合モノマー(ビニルモノマー)としてメタクリル酸35質量部及びスチレン10質量部とを添加した。攪拌下、温度を80℃に保ち、窒素ガスを通しながら、ラジカル重合開始剤(α,α’−アゾビスイソブチロニトリル)0.3質量部を1時間かけて滴下した。さらに、80℃で6時間重合反応を行った。そして、イソプロピルアルコールの一部を減圧除去した後、残った溶液を多量のメタノール中に投入して、攪拌、静置し、沈殿物を減圧乾燥し、N置換メタクリルアミドユニットおよび反応性官能基(カルボキシル基)を有する共重合体1を得た(工程1)。
(共重合体2〜58の作製)
N置換(メタ)アクリルアミドモノマー及びこのアミドモノマーと共重合させる共重合モノマーの種類と、添加量とを、表1及び表2に示すように変更した以外は共重合体1の作製と同様に行い、共重合体2〜58を作製した。
なお、表1及び2中のモノマーA〜H、J〜N及びP〜Tは、それぞれ以下の化合物を表す。
モノマーA:N−メチル−N−tert−ブチルメタクリルアミド、
モノマーB:N−メチル−N−n−プロピルメタクリルアミド、
モノマーC:N−メチル−N−n−ブチルメタクリルアミド、
モノマーD:N−メチル−N−iso−プロピルメタクリルアミド、
モノマーE:N−n−プロピルメタクリルアミド、
モノマーF:N−iso−プロピルメタクリルアミド、
モノマーG:N−tert−ブチルアクリルアミド、
モノマーH:N−n−プロピルアクリルアミド、
モノマーJ:N−n−ブチルアクリルアミド、
モノマーK:N−iso−プロピルアクリルアミド、
モノマーL:N−メチル−N−tert−ブチルアクリルアミド、
モノマーM:N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、
モノマーN:N−メチル−N−n−ブチルアクリルアミド、
モノマーP:N−メチル−N−iso−プロピルアクリルアミド、
モノマーQ:N−メチル−N−n−ヘプチルメタクリルアミド、
モノマーR:N−メチル−N−n−ヘキシルメタクリルアミド、
モノマーS:N−メチルアクリルアミド、
モノマーT:N、N−ジメチルアクリルアミド。
Figure 2016035528
Figure 2016035528
(縮合物1の作製)
1リットルの反応容器中で、エタノール50質量部と、水150質量部と、金属アルコキシドモノマーと、アミド変性シリコーンオイル(東レダウコーニン社製、商品名:BY16−891)3質量部とを混合した。なお、金属アルコキシドモノマーとしては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン72質量部、ヘキシルトリエトキシシラン31質量部及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン61質量部を用いた。ついで室温で30分攪拌した後、120℃に設定したオイルバス上で20時間加熱還流を行い、縮合物1を得た(工程2)。
(縮合物2〜41の作製)
添加する金属アルコキシドモノマー及びシリコーンオイルの種類と、添加量とを表3及び表4に示すように変更した以外は縮合物1の作製と同様に行い、縮合物2〜41を作製した。
なお、表3及び4中のシランA〜G及びJ、チタンA、ジルコニウムA、ハフニウムA並びにオイルAはそれぞれ、以下の化合物を表す。
シランA:3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、
シランB:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
シランC:ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、
シランD:ビニルトリメトキシシラン、
シランE:n−ヘキシルトリエトキシシラン、
シランF:フェニルトリメトキシシラン、
シランG:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
シランJ:ジメチルジメトキシシラン、
チタンA:テトライソプロポキシチタン、
ジルコニウムA:テトラエトキシジルコニウム、
ハフニウムA:テトラエトキシハフニウム
オイルA:東レダウコーニン社製、商品名:BY16−891。
Figure 2016035528
Figure 2016035528
(架橋粒子1の作製)
メチルエチルケトン250質量部及びイソプロピルアルコール20質量部に先の共重合体1を65質量部添加した溶液Aを作製した。
先の縮合物1、16質量部に、メチルエチルケトン30質量部及びトルエン270質量部を添加した溶液Bを作製した。
2リットルの反応容器で、溶液A及び溶液Bを混合し、窒素ガスを通しながら60℃で6時間反応させた。反応終了後、反応溶液にジエチルエーテルを滴下し、沈殿物を作製した。この沈殿物を減圧乾燥し、反応生成物1を作製した(工程3)。
反応生成物1をピンミルにて機械粉砕し、更に液体窒素温度下にて冷凍粉砕を行い、その後分級を行って架橋粒子1を得た(工程4)。
15℃10%RHに24時間放置した後、架橋粒子の体積平均粒子径を測定した。ついで、35℃90%RHに24時間放置した後、架橋粒子の体積平均粒子径を測定した。15℃10%RH放置後の体積平均粒子径は18μm、35℃90%RH放置後の体積平均粒子径は6μmであった。
架橋粒子の体積平均粒子径は、以下の方法で測定した。まず、電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定する架橋粒子を20mg添加した。得られた試料を懸濁した電解質液を超音波分散器で1分間分散処理して、コールターカウンターマルチサイザーにより計測した。
(架橋粒子2〜56の作製)
架橋粒子の作製に用いる、共重合体の種類及び添加量、並びに、縮合物の種類及び添加量を表5及び表6に示すように変更した以外は架橋粒子1の作製と同様に行い、架橋粒子2〜56を作製した。
架橋粒子2〜56の体積平均粒子径を表7に示す。
Figure 2016035528
Figure 2016035528
(架橋粒子57の作製)
2リットルの反応容器に、メチルエチルケトン250質量部、イソプロピルアルコール20質量部及び先の共重合体57、50質量部を添加し、溶液を作製した。窒素ガスを通し攪拌しながら、この溶液に、メチルエチルケトン50質量部に1,2,3―プロパントリオール9.2質量部を混合した液を滴下した。その後、得られた混合液を60℃まで加温したのち60℃で6時間反応させた。反応終了後、反応溶液にジエチルエーテルを滴下し、沈殿物を作製した。沈殿物を減圧乾燥し、反応生成物57を作製した。
この反応生成物57をピンミルにて機械粉砕し、更に液体窒素温度下にて冷凍粉砕を行い、その後分級を行って架橋粒子57を得た。架橋粒子57の体積平均粒子径を表7に示す。
(架橋粒子58の作製)
架橋粒子の作製に用いる共重合体を、共重合体58に変更した以外は架橋粒子57の作製と同様に行い、架橋粒子58を得た。架橋粒子58の体積平均粒子径を表7に示す。
Figure 2016035528
(複合導電性微粒子1の作製)
シリカ粒子(体積平均粒子径15nm、体積抵抗率1.8×1012Ω・cm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながら添加し、588N/cm(60kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。この時の攪拌速度は22rpm(min-1)であった。
その中に、カーボンブラック粒子(体積平均粒子径20nm、体積抵抗率1.0×10Ω・cm、pH6.0)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行った。このようにしてメチルハイドロジェンポリシロキサンが被覆されたシリカ粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、導電性微粒子1を得た。この時の攪拌速度は22rpmであった。なお、得られた導電性微粒子1は、体積平均粒径が15nmであり、体積抵抗率は1.1×10Ω・cmであった。
(表面処理酸化チタン粒子1の作製)
針状ルチル型酸化チタン粒子(体積平均粒径15nm、縦:横=3:1、体積抵抗率2.3×1010Ω・cm)1000gに、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシラン110g及び溶媒としてトルエン3000gを配合してスラリーを調製した。
このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。
湿式解砕処理して得たスラリーを、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr(約13.3kPa))によりトルエンを除去し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理した粒子を室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕して、表面処理酸化チタン粒子1を得た。
(導電性弾性層を有するローラ1の作製)
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤「メタロックU−20」(商品名、株式会社東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥したものを導電性基体として使用した。
エピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、以下の表8に示す材料を加えて、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。なお、このエピクロルヒドリンゴムは、EO(エチレンオキサイド)−EP(エピクロルヒドリン)−AGC(アリルグリシジルエーテル)三元共化合物であり、各成分の配合(EO/EP/AGE)は、73mol%/23mol%/4mol%であった。
Figure 2016035528
この原料コンパウンドに、表9に示す材料を添加した。次いで20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練して、導電性弾性層用コンパウンド1を得た。
Figure 2016035528
上記導電性基体とともに、導電性弾性層用コンパウンド1をクロスヘッド付き押出成型機にて押し出し、外径が約9mmのローラ形状になるように成型し、次いで、電気オーブンの中、160℃で1時間、加硫及び接着剤の硬化を行った。ゴムの両端部を切断し、ゴムの基体の軸方向における長さを228mmとした後、外径が8.5mmのローラ形状になるように表面の研磨加工を行って、導電性基体上に導電性弾性層を形成して、導電性弾性層を有するローラ1(弾性ローラ1)を得た。なお、このローラのクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は120μmであった。
(導電性弾性層を有するローラ2の作製)
導電性弾性層用コンパウンド2を作製するため、80℃に調節した密閉型ミキサーに、以下の表10に示す材料を15分間混練した。
Figure 2016035528
次に、20℃に調整した二本ロール機で、上述の混合物と、以下の表11に示す材料とを5分間混合して導電性弾性層用コンパウンド2を作製した。
Figure 2016035528
そして、導電性弾性層用コンパウンド2を使用した以外は、導電性弾性層を有するローラ1の作製と同様に行い、導電性弾性層を有するローラ2(弾性ローラ2)を作製した。
〔実施例1〕
(表面層用塗布液の調製)
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業(株)製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が17質量%となるようにポリオール溶液を調整した。この溶液588.24質量部に、上記複合導電性微粒子1 45質量部、上記表面処理酸化チタン粒子1 20質量部、変性ジメチルシリコーンオイル(商品名;SH28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)0.08質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3(イソシアネート基のモル比)の混合物80.14質量部を混合し、混合液を調製した。このとき、ブロックイソシアネート混合物は、イソシアネート量としては「NCO/OH=1.0」となる量であった。
内容積450mLのガラス瓶にこの混合溶液210gを、平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて24時間分散した。分散した後、上記架橋粒子1を2.72質量部添加した。その後、1時間分散し、ガラスビーズを除去して表面層用塗布溶液1を得た。
[帯電ローラの作製]
上記弾性ローラ1に、表面層用塗布溶液1を1回ディッピング塗布した。常温で30分間以上風乾した後、熱風循環乾燥機にて80℃で1時間、更に160℃で1時間乾燥して、導電性弾性層上に表面層を形成した帯電ローラA1を得た。
ここで、ディッピング塗布条件は以下の通りである。浸漬時間9秒、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度20mm/s、最終速度2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させて行った。
[帯電ローラの抵抗測定]
図2に示す電気抵抗測定用の機器を用いて帯電ローラの抵抗を測定した。
具体的には、導電性基体1の両端を、荷重のかかった軸受け33により、感光体と同じ曲率の円柱形金属32に対して平行になるように当接させた。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属32を回転させて、当接した帯電ローラ5(帯電ローラA1に対応)を従動回転させながら安定化電源34から帯電ローラ5に直流電圧−200Vを印加した。このときに流れる電流を電流計31で測定し、帯電ローラ5の抵抗を計算した。その際、導電性基体の一端にかかる荷重は各4.9Nとし、金属製の円柱形金属32の直径(φ)は30mm、回転速度は周速45mm/secとした。
帯電ローラA1の電気抵抗値は、NN(常温常湿:23℃/55%RH)環境に24時間放置した後に測定し、2.0×10Ωであった。
[帯電ローラの静電容量の測定]
本発明では、帯電ローラの誘電特性の指標として静電容量を測定した。
帯電ローラA1を15℃10%RH下に24時間放置した。次に、図6に示す構成の静電容量測定装置に帯電ローラA1(帯電ローラ5)を装着した。帯電ローラの導電性基体の一端にかかる荷重は各4.9Nとし、円柱形金属32に当接させた。印加電圧3V、測定周波数0.1Hz以上1MHz以下の条件で誘電率測定システム100を使用して静電容量を測定した。誘電率測定システムは英国ソーフトロン社製1296型誘電率測定インターフェイス、1260型インピーダンスアナライザーを使用した。
静電容量の算出は次のように行った。まず、前記帯電ローラを、導電性弾性層と、表面層と、表面層及び円筒電極の界面とにおけるRC並列の等価回路と想定した。導電性弾性層の抵抗をR1、導電性弾性層の静電容量をC1とし、表面層の抵抗をR2、表面層の静電容量をC2とし、表面層と円筒電極との界面の抵抗をR3、表面層と円筒電極との界面の静電容量をC3として、C2の値を算出した。
この方法に従って算出した、帯電ローラA1の表面層の、15℃10%RH下での静電容量は21×10−9Fであった。
次に帯電ローラA1を35℃90%RH下に24時間放置した。次に上記測定と同様に操作し、帯電ローラA1の表面層の、35℃90%RH下での静電容量を算出した。静電容量は1350×10−9Fであった。
次に後述するモヤ画像の評価を行った後、再び、35℃90%RH下での静電容量を測定した。その結果、帯電ローラA1の静電容量は1290×10−9Fであり、帯電ローラA1の静電容量は耐久評価後も同程度を維持した。
[帯電ローラの表面粗さ]
表面の十点平均粗さRzjisは、JIS B 0601−1994表面粗さの規格に基づき測定した。測定は、表面粗さ測定器(商品名:SE−3500、株式会社小坂研究所製)を用いて行った。Rzjisは、帯電部材の表面から無作為に6箇所測定しその平均値を採用した。また、Smは、無作為に6箇所選択し、各箇所について10点の凹凸間隔を測定してその10点における平均値を算出し、その後、全箇所(6箇所)の平均値を算出し、Smとして採用した。このとき、カットオフ値は0.8mm、評価長さは8mm、カットオフフィルタをガウシアンとした。結果を表12に示す。
[架橋粒子の硬度測定]
架橋粒子の硬度は、以下の測定方法による測定値を採用した。測定器は、NanoIndenter(MTS社製)を用いた。測定条件は、押し込み試験使用ヘッド;DCM、試験モード;CSN(Continuous Stiffness Measureement)、使用圧子;バーコヴィッチ方ダイヤモンド圧子とした。また測定パラメータは以下のとおりとした。
Allowable Drift Rate:0.05nm/s
Frequency Target:45.0Hz
Harmonic Displacement Target:1.0nm
Strain Rate Target:0.05 1/S
Depth Limit:2000nm。
まず、帯電ローラA1を15℃10%RH下に24時間放置した。次に、表面層をかみそり等で切り出して架橋粒子の断面を切断し、顕微鏡で架橋粒子を観察し硬度を測定した。なお、その際、架橋粒子の断面積から円相当径を計算し、その直径が、架橋粒子の平均粒径の90%〜110%の範囲に入るものを硬度測定の対象とした。この計測を100個の架橋粒子に対して行い、その算術平均を算出した。
15℃10%RH下における架橋粒子の硬度は、40×10−4Nであった。
次に帯電ローラA1を35℃90%RH下に24時間放置した。次に上記測定と同様に操作し、35℃90%RH下での架橋粒子の硬度を測定した。硬度は61×10−4Nであった。
[モヤ画像の評価]
(使用環境加速試験)
温湿度をプログラムできる環境試験室に帯電ローラA1を放置した。環境試験室は、評価環境を15℃10%RHで12時間保持した後、35℃80%RHで12時間保持させた。次いで、15℃10%RHで12時間保持と35℃80%RHで12時間保持とを50回繰り返した。
(モヤ画像促進試験)
図3に示す電子写真装置として、電子写真装置(LBP5400(商品名)、キヤノン株式会社製)を改造することにより、プロセススピードを200mm/sに設定し、高速化を図った装置を使用した。なお、図4に示す構成を有するプロセスカートリッジとして、上記プリンター用のプロセスカートリッジ(ブラック用)を用いた。
上記プロセスカートリッジから付属の帯電ローラを取り外し、使用環境加速試験を行った帯電ローラA1をセットした。また、図5に示すように帯電ローラは、感光体に対し、一端で4.9N、両端で合計9.8Nのバネによる押し圧力で当接させた。
ついで帯電ローラに直流電圧−1000Vを印加した状態で、感光体を回転駆動させ、20時間連続で回転させ、電圧を印可し続けた。
その後、1枚画像を出力して電子写真装置の回転を停止させた後、また画像形成動作を再開するという動作を繰り返し(印字率1%で間欠耐久)、10000枚の画像出力耐久試験を行った。
上記の試験を、20℃80%RHで行った。耐久試験中、2000枚目及び10000枚目の時点でハーフトーン画像を出力し、その画像からモヤ画像の発生状態を評価した。上記の発生状態の評価は、以下に示す評価基準にて行った。
<モヤ画像の評価基準>
ランク1:モヤ画像が未発生。
ランク2:ごく軽微なモヤ画像の発生のみで、ほとんど確認できないレベルである。
ランク3:画像の一部にモヤ画像の発生が認められるが、実用上問題ない。
ランク4:画像全体にモヤ画像が発生し、著しく画像の品質が低下。
評価結果を表14に示す。帯電ローラA1のモヤ画像は、耐久評価中は未発生であり、良好な画像を維持することができた。
[振動起因のスジ状画像の評価]
電子写真装置(LBP5400(商品名)、キヤノン株式会社製)のプロセスカートリッジから付属の帯電ローラ、および感光ドラムに対する帯電ローラの押し圧力を付与しているバネを取り外した。バネにより感光体ドラムに対する押し圧力を一端で2.5N、両端で5.0Nに変更した。そして帯電ローラA1をセットした。
前記電子写真装置に、15℃10%RH環境で、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力して、ハーフトーン画像上に存在する振動起因のスジ状画像の評価を行った。評価の基準は以下の通りである。
<スジ状画像の評価基準>
ランク1:スジ状画像が発生しない。
ランク2:スジ状画像が軽微に発生するのみ。
ランク3:一部にスジ状画像が帯電ローラのピッチで確認できるが、実用上問題の無い画質である。
ランク4:スジ状画像が目立ち、画質の低下が認められる。
評価結果を表14に示す。帯電ローラA1は、スジ状画像が発生しなかった。
[Cセット起因の横線画像の評価]
電子写真装置(LBP5400(商品名)、キヤノン株式会社製)のプロセスカートリッジから付属の帯電ローラを取り外し、帯電ローラA1をセットした。プロセスカートリッジを40℃、95%RHの環境に1ヶ月間放置した。次に、プロセスカートリッジをN/N(常温常湿:23℃/55%RH)環境で6時間放置した後に、前記電子写真装置に装着し、同様の環境にて画像を出力した。出力した画像についてCセット起因の横線画像の評価を行った。評価の基準は以下の通りである。
<横線画像の評価基準>
ランク1:横線画像が発生しない。
ランク2:軽微な横線画像が認められるのみであり、帯電ローラのピッチでは確認できない。
ランク3:軽微な横線画像が認められるが、使用上問題のないレベルである。
ランク4:横線画像が目立ち、画質の低下が認められる。
評価結果を表14に示す。帯電ローラA1は、横線画像が発生しなかった。
〔実施例2〜42〕
表面層中に添加する架橋粒子を、表12及び表13に示すように変更した以外は実施例1と同様にして帯電ローラA2〜A42を作製した。
帯電ローラの抵抗、表面層の静電容量、表面粗さ、架橋粒子の硬度、およびモヤ画像、スジ状画像、横線画像の評価は実施例1と同様に行った。結果を表12〜15に示す。
[実施例43]
バインダー樹脂として水系ウレタン樹脂であるアデカボンタイターHUX401(商品名、旭電化工業(株)製、固形分38%)の固形分100質量部に対して複合導電性微粒子1が30質量部になるように複合導電性微粒子1を添加し混合溶液を調整した。
内容積450mLのガラス瓶に上記混合溶液200gを、メディアとしての平均粒径0.5mmのガラスビーズ200gと共に入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて5時間分散した。
その後、バインダー樹脂固形分100質量部に対して50質量部になるように架橋粒子43を添加し、20分間分散した。ガラスビーズを除去して表面層用塗布溶液2を得た。
上記で作製した弾性ローラ2に上記表面層用塗布溶液2を1回ディッピング塗布した後、熱風循環乾燥機にて80℃で5分間硬化させ、表面層を形成した帯電ローラA43を得た。
帯電ローラA43の抵抗、表面層の静電容量、表面粗さ、架橋粒子の硬度、およびモヤ画像、スジ状画像、横線画像の評価は実施例1と同様に行った。結果を表13及び表15に示す。
実施例43の帯電ローラA43において、評価の一部でモヤ画像等が発生したが、実使用上問題ない範囲であった。
[実施例44〜52、比較例1〜6]
添加する架橋粒子を、表13に示すように変更した以外は実施例43と同様にして帯電ローラA44〜A58を作製した。
帯電ローラの抵抗、表面層の静電容量、表面粗さ、架橋粒子の硬度、およびモヤ画像、スジ状画像、横線画像の評価は実施例1と同様に行った。結果を表13、表15に示す。
Figure 2016035528
Figure 2016035528
Figure 2016035528
Figure 2016035528
1 導電性基体
2 導電性弾性層
3 表面層
4 電子写真感光体
5 帯電部材(帯電ローラ)
6 現像ローラ
7 転写材
8 転写ローラ
9 定着装置
10 クリーニング部材
11 レーザー光
13 帯電用電源
14 回収容器
21 中間層(第1の中間層)
22 第2の中間層
31 電流計
32 円柱形金属
33 軸受け
34 安定化電源
100 誘電率測定システム

Claims (3)

  1. 導電性基体と、該導電性基体上に設けられた表面層とを有する帯電部材であって、
    該表面層は、
    バインダーとしての有機ポリマーと、
    下記式(1)に示すユニットを有する有機無機複合ポリマーからなる架橋粒子と、
    導電性微粒子と、
    を含んでいることを特徴とする帯電部材。
    Figure 2016035528
    (MおよびMは、各々独立にケイ素、チタン、ジルコニウムまたは、ハフニウムを表し、RおよびRは、各々独立に下記式(2)に示す構造を表し、RおよびRは、各々独立に下記式(3)に示す構造を表し、xおよびyは、各々独立に1以上の整数を表す。)
    Figure 2016035528
    (Rは、水素原子またはメチル基を表し、Zは、炭素数1以上10以下のアルキレン基、または下記式(4)に示す構造を表し、*1は、式(1)中のRまたはRとの結合部位を表し、*2は、式(1)中のMまたはMとの結合部位を表す。)
    Figure 2016035528
    (RおよびRは、各々独立に水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数3または4のアルキル基を表し、*3は、式(1)中のRまたはRとの結合部位を表す。)
    Figure 2016035528
    (E1は、下記式(5)、式(6)、式(7)または式(8)で示される基、あるいはメチレン基を表し、R21およびR22は、各々独立に炭素数1以上3以下のアルキレン基を表し、bおよびcは、各々独立に0または1を表し、*2は、式(1)中のMまたはMとの結合部位を表す。)
    Figure 2016035528
  2. 請求項1に記載の帯電部材が被帯電体と少なくとも一体化され、電子写真装置に着脱自在に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  3. 少なくとも、請求項2に記載のプロセスカートリッジ、露光装置及び現像装置を有することを特徴とする電子写真装置。
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