JP2016035385A - レーザガス分析装置 - Google Patents

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康彦 光本
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力 矢田部
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Abstract

【課題】レーザ光源として広い波長可変幅の波長可変レーザを用い、濃度検出にあたってはメタンの鋭いピーク部分を外した統計的手法を用いてスペクトルの特徴が大きい炭化水素と同時にスペクトルの特徴が小さい炭化水素も高精度で測定できるレーザガス分析装置を実現すること。【解決手段】広い波長可変幅を有する波長可変レーザと、前記波長可変レーザの出力光を測定光として被測定ガスに照射する光照射手段と、前記被測定ガスを透過した前記測定光に関連した吸収信号に基づいて前記被測定ガスの吸収スペクトルを求め、統計的手法に基づき各成分の濃度を求めるデータ処理部とで構成されたレーザガス分析装置において、前記データ処理部は、鋭い吸収ピークを持たないガスの成分濃度を求めるのにあたり、比較的広い波長範囲を掃引することにより得られる吸収スペクトルのうち、他のガス成分の鋭い吸収ピークが存在しない波長領域の吸収スペクトルを用いることを特徴とするもの。【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザガス分析装置に関し、詳しくは、炭化水素多成分混合ガスの測定が効率よく行えるレーザガス分析装置に関する。
TDLAS(Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy;波長可変半導体レーザ吸収分光)法を用いたレーザガス分析計は、測定対象に波長可変半導体レーザからの光を照射するだけで、高温や腐食性ガスなどの測定対象成分の濃度でも、他の成分の干渉を受けることなく成分選択性が高く、非接触で、高速にリアルタイムで測定できるという利点がある。
図7はTDLAS法を用いた従来のレーザガス分析装置の一例を示すブロック図であって、測定ガス雰囲気中に向けて測定用レーザ光を照射する半導体レーザを含む光源ユニットと、測定ガス雰囲気の測定空間を透過した測定用レーザ光を検出する受光素子およびこの受光素子の出力信号を処理する演算処理部を含む検出ユニットとで構成されている。
図7に示すレーザガス分析装置は、赤外から近赤外領域に存在する測定対象成分分子の振動・回転エネルギー遷移による分子固有の光吸収スペクトルを、極めて発振波長スペクトル線幅の狭い半導体レーザを用いて測定する。O2、NH3、H2O、CO、CO2など大半の分子の分子特有の吸収スペクトルは赤外〜近赤外領域にあり、特定波長における光吸収量(吸光度)を測定することで対象成分の濃度を算出できる。
図7において、光源ユニット10に設けられている半導体レーザ11は、測定用レーザ光を測定ガス20の雰囲気中に照射出力する。この半導体レーザ11が出力するレーザ光は、発振波長スペクトル線幅が極めて狭く、レーザ温度や駆動電流を変えることで発振波長を変更できるので、吸収スペクトルの各吸収ピークの1本のみを測定できる。
したがって、干渉ガスの影響を受けない吸収ピークを選定することができ、波長選択性が高く、他干渉成分の影響を受けることがないため、測定の前段階における干渉ガスを除去することなくプロセスガスを直接測定できる。
半導体レーザ11の発振波長を測定成分の1本の吸収線の近傍でスキャンすることにより、干渉成分と重ならない正確なスペクトルの測定が行えるが、そのスペクトル形状は、測定ガス温度、測定ガス圧力、共存ガス成分などによるスペクトルのブロードニング(Broadening)現象により変化する。このため、これらの環境変動を伴う実プロセス測定では、その補正が必要になる。
そこで、図7の装置では、半導体レーザ11の発振波長をスキャンして吸収スペクトルを測定することによりスペクトル面積を求め、そのスペクトル面積から成分濃度に変換するスペクトル面積法を用いている。
他のレーザガス分析装置では、吸収スペクトルのピーク高さから測定成分を求めるピーク高さ法や波長スキャン信号を変調してその周波数の2倍周波数変調波形のP−P(ピーク・ツー・ピーク)値から測定成分の濃度を求める2f法が使われているが、これらは、温度、圧力、共存ガス成分の変動などにより大きな影響を受けやすい。
これに対し、スペクトル面積は原理的に共存ガス成分の違いによる変化の影響を受けることはなく(スペクトルの面積は共存ガス成分によらずほとんど一定)、圧力変動に対してもスペクトル面積は原理的に線形変化を示す。
ピーク高さ法や2f法では、上記3変動要因(温度、圧力、共存ガス成分)が全て非線形に影響し、これら変動要因が共存する場合は補正が困難であるが、スペクトル面積法によれば、ガス圧力変動に対する線形補正とガス温度変動に対する非線形補正を行うことができ、正確な補正を実現できる。
測定ガス20の雰囲気中を通過した測定用レーザ光は検出ユニット30に設けられている受光素子31で受光され、電気信号に変換される。
受光素子31の出力信号はゲイン可変のアンプ32を介して適切な振幅レベルに調整されてA/D変換器33に入力され、デジタル信号に変換される。
A/D変換器33の出力データについて、半導体レーザ11の波長のスキャンに同期して、積算器34とメモリ35との間で所定回数(たとえば数百〜数千回)の積算とメモリ35への格納が繰り返されて測定信号に含まれるノイズが除去されてデータが平滑化された後、CPU36に入力される。
CPU36は、ノイズが除去された測定信号に基づき測定ガスの濃度解析などの演算処理を行うとともに、受光素子31の出力信号の振幅レベルがA/D変換器33の入力レベルとして適切でない場合にアンプ32のゲイン調整を行う。
非特許文献1には、波長可変半導体レーザ分光を応用したレーザガス分析計の測定原理とその特長および具体的な測定事例について記載されている。
田村 一人、外3名、「レーザガス分析計TDLS200とその産業プロセスへの応用」、横河技報、横河電機株式会社、2010年、Vol.53 No.2(2010) p.51−54
しかし、図7に示すような構成のレーザガス分析装置では、半導体レーザ11の波長可変範囲が狭いことから、単一成分の測定に限られている。
たとえば炭化水素多成分混合ガスを測定する場合、CH4以外の炭化水素では分子構造が複雑で多数の吸収線が重なり合うことから、鋭い吸収線以外にブロードな吸収がベースに存在するため、吸収が無い波長は存在しない。このため、ガスセル自体の透過率の変化などによるベースライン変動を補正することができない。
また、炭化水素多成分混合ガスを測定する場合には、CH4以外の炭化水素のブロードな吸収が重なり合った吸収スペクトルから各炭化水素の濃度(ガス分圧)を求める手法が必要となる。
このような手法として、従来から統計的手法(ケモメトリクス)が知られている。
ところが、炭素数が大きい芳香族炭化水素種やアルキルベンゼンなどのスペクトル幅は数10nm以上であるのに対し、炭素数が小さいメタンはスペクトル幅が0.1nm程度と狭い。そのため、メタンのようなスペクトル幅が狭いガスと芳香族炭化水素種やアルキルベンゼンなどのスペクトル幅が広いガスとの混合炭化水素の濃度分析を従来技術の統計的方法で行うと、スペクトルのブロードニング効果あるいはわずかな波長誤差によりスペクトル幅が狭いガスのスペクトル誤差により、吸収ピークを持たないガスの濃度誤差が大きくなる。
本発明は、これらの課題を解決するものであって、その目的は、レーザ光源として広い波長可変幅の波長可変レーザを用い、濃度検出にあたっては混合ガス(たとえばメタン)の鋭いピーク部分を外した統計的手法を用いてスペクトルの特徴が大きい炭化水素と同時にスペクトルの特徴が小さい炭化水素も高精度に測定できるレーザガス分析装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
広い波長可変幅を有する波長可変レーザと、前記波長可変レーザの出力光を測定光と参照光に分岐し前記測定光を被測定ガスに照射する光分岐手段と、前記参照光に関連した参照信号と前記被測定ガスを透過した前記測定光に関連した吸収信号に基づいて前記被測定ガスの吸収スペクトルを求め、統計的手法に基づき各成分の濃度を求めるデータ処理部とで構成されたレーザガス分析装置において、
前記データ処理部は、鋭い吸収ピークを持たないガスの成分濃度を求めるのにあたり、比較的広い波長範囲を掃引することにより得られる吸収スペクトルのうち、他のガス成分の鋭い吸収ピークが存在しない波長領域の吸収スペクトルを用いることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、
広い波長可変幅を有する波長可変レーザと、前記波長可変レーザの出力光を測定光と参照光に分岐し前記測定光を被測定ガスに照射する光分岐手段と、前記参照光に関連した参照信号と前記被測定ガスを透過した前記測定光に関連した吸収信号に基づいて前記被測定ガスの吸収スペクトルを求め、統計的手法に基づき各成分の濃度を求めるデータ処理部とで構成されたレーザガス分析装置において、
前記データ処理部は、鋭い吸収ピークを持たないガスの成分濃度を求めるのにあたり、比較的広い波長範囲を掃引することにより得られる吸収スペクトルのうち、他のガス成分の鋭い吸収ピークが存在しない波長領域の吸収スペクトルを用いることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のレーザガス分析装置において、
前記データ処理部は、
前記被測定ガスの吸収線波長データを保存する吸収線波長データ格納部と、
前記参照信号および吸収信号が入力されるとともに前記吸収線波長データ格納部が接続され、これら吸収線波長データと参照信号および吸収信号に基づき吸収スペクトルの波長を校正する波長校正手段と、
前記被測定ガスの濃度測定に用いる光信号の波長領域を選択する波長領域選択手段と、
事前に構築された統計モデルに基づき前記被測定ガスの濃度を求める濃度検出手段、
とで構成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載のレーザガス分析装置において、
前記波長校正手段は、校正用ガスの吸収線と既知の吸収線とを比較することを特徴とする。
これらにより、多成分混合ガスに含まれる各ガスの濃度を統計的手法を用いて比較的簡単に測定できる。
本発明の一実施例を示すブロック図である。 本発明に基づくレーザガス分析装置の具体例を示すブロック図である。 本発明に基づく装置が測定対象としている鎖状飽和炭化水素のスペクトル例図である。 本発明に基づく装置による濃度測定動作の流れを説明するフローチャートである。 1%のnC4H10スペクトルと、濃度80%のCH4の微分スペクトル図である。 本願発明の他の実施例を示すブロック図である。 従来のレーザガス分析装置の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に基づくレーザガス分析装置の一実施例を示すブロック図である。図1において、波長可変レーザ101は、被測定ガスの吸収スペクトルの測定光を発生するものであり、その発振波長を制御する発振波長制御回路102に接続されている。発振波長制御回路102は、波長可変レーザ101の発振波長を、たとえば1.67〜1.72μmの範囲内で掃引する。
波長可変レーザ101の出射光はレンズ103で平行光となり、アイソレータ104を通り、ビームスプリッタ105により測定光と参照光の2つの平行光に分けられる。
ビームスプリッタ105で2つに分けられた一方の平行光は測定光として被測定ガスが導入されているガスセル106に入射されてレンズ107により集光され、フォトダイオード108に入射されて電気信号に変換され、波長校正手段111の一方の入力端子に入力される。
他方の平行光はレンズ109で集光されて参照光としてフォトダイオード110に入射され、電気信号に変換されて波長校正手段111の他方の入力端子に入力される。これらガスの測定光に基づく測定信号と出力強度の参照光に基づく参照信号から被測定ガス(炭化水素)の吸収スペクトルが求められる。
波長校正手段111には波長領域選択手段112が接続され、波長領域選択手段112には濃度検出手段113が接続されている。
図2は炭化水素多成分を測定する本発明に基づくレーザガス分析装置の具体例を示すブロック図であり、図1と共通する部分には同一の符号を付けている。図2において、波長校正手段111には吸収線波長データ格納部114が接続され、波長領域選択手段112には使用波長データ格納部115が接続され、濃度検出手段113には統計モデル格納部116が接続されている。
図2の図1からの変更点は、波長可変光源101としてMEMS-VCSELを用いている点と、波長可変光源101から出力されるレーザ光がアイソレータ104の後にビームスプリッタ117により3本の系統に分岐され、3本目の光が減圧されたCH4が封入されている波長校正セル118およびレンズ119を通ってフォトダイオード120に入射されている点である。なお、フォトダイオード120の出力信号も波長校正手段111に入力されている。
図3は本実施例が測定対象としている鎖状飽和炭化水素のスペクトル例図であり、(A)はCH4(メタン)、(B)はC2H6(エタン)、(C)はC3H8(プロパン)、(D)はiC4H10(イソブタン)、(E)はnC4H10(ノルマルブタン)、(F)はiC5H12(イソペンタン)、(G)はnC5H12(ノルマルペンタン)である。
図3から明らかなように、CH4, C2H6, C3H8, iC4H10は鋭いピークを持っているが、他のガススペクトルには鋭いピークは存在しておらず、特徴が小さい。これらの特徴の小さいガススペクトルから精度の高い濃度検出を行うためには、広く波長を掃引して得られた吸収スペクトルを用いて統計的に処理することが有効である。
既存の半導体レーザは数nm程度しか掃引できないため、統計的手法を用いても十分な効果はない。ところが、MEMS-VCSELは半導体レーザでありながら50nm程度の比較的広い波長範囲で掃引できるため十分な吸収スペクトル情報を取得することができ、統計的手法によって精度の高い濃度検出が可能となる。
図4は、本発明に基づく装置による濃度測定動作の流れを説明するフローチャートである。一連の信号処理では、まずフォトダイオードの出力データとデータベースのデータを読み込む(ステップS1)。
波長校正手段111は、校正信号のCH4の吸収線の位置と吸収線波長データ114に基づき被測定ガスの吸収スペクトルの波長を校正する(ステップS2)。
次に、濃度と比例する吸光度に変換する(ステップS3)。一般に波長λの吸光度は以下の方法で計算する。
吸光度=log10[I0(λ)/I(λ)] (1)
ここでI0は測定ガスセルへの入射強度、Iは測定ガスセルからの透過光強度である。
吸光度は、以下の式で求められる。
吸光度=log10[S1(λ)/S2(λ)・T(λ)]+ Constant (2)
ここでS1は参照用信号, S2は測定用信号、T(λ)は装置関数(測定対象ガスセル106の透過率、ビームスプリッタ117の分岐比の波長依存性)である。なお、定数項にはビームスプリッタの分岐比に対応した項が入る。
本発明では、
吸光度=log10[S1(λ)/S2(λ)] (3)
として計算しているが、これは定数項を除去するアルゴリズムが導入されているためである。またT(λ)の波長依存性についても、測定用ガスセル106に吸収ガスを封入しないときの信号を差し引くことによって補正を行っている。
濃度検出手段113として多変量解析などの統計的手法を用いる(ステップS4)。ここで、統計的手法とは、濃度既知のガススペクトルに基づいてスペクトルと濃度の関係の統計モデルをあらかじめ構築しておき、被測定用ガスのスペクトルを取得したときは事前に構築した統計モデルに基づいて各ガスの濃度を求めるものであり、例えばPLS回帰法がよく知られている。事前に統計モデルを構築するのにあたり、測定目標濃度のレンジ内を可能な限り満遍なく測定することで、高い精度の濃度検出が可能となる。
次に、波長領域選択手段112について説明する。ガススペクトルから濃度検出を行う場合、ピークのようにスペクトルの特徴が大きい波長帯を使うことが一般的である。しかし、各ガスによる吸収度が大幅に異なる場合は、吸収ピークを使わない方がよい場合がある。
例としてCH4が80%を占め、nC4H10が1%のガスを測定することを考える。光源のレーザはスペクトル幅を持っていることや、波長校正に用いるCH4ピークも幅を持っていることなどから、波長校正を行っても波長誤差は残る。
図5に1%のnC4H10スペクトルと、濃度80%のCH4の微分スペクトルを示す。ここで微分スペクトルとは波長が1pm異なるスペクトルとの差を示しており、1pmの波長誤差によって生じるスペクトル誤差の大きさを示している。図5から明らかなように、CH4の波長誤差による影響は大きく、1pmの波長誤差が生じるとCH4のピークがある波長帯ではnC4H10スペクトルよりも大きいスペクトル誤差が生じてしまう。
したがって、想定される波長誤差によるスペクトル誤差が被測定ガスに比べて大きくなるような吸収ピークを用いないで統計モデルを作成すれば、吸収強度の小さいガスについて精度の高い濃度検出ができる。
このように、機械的な可動部のないMEMS可動ミラーと光通信で高信頼性が実証されている半導体レーザを組み合わせた工業計器としての十分な信頼性を備えかつ波長可変範囲の広いMEMS-VCSEL波長可変レーザを用いて、種々の炭化水素の吸収線が存在する波長1.67〜1.72μmの範囲内で波長掃引することにより、炭化水素多成分混合ガスの吸収スペクトルが測定できる。
CH4の吸収線と波長のテーブルを用いて得られた炭化水素多成分混合ガスの吸収スペクトルの波長校正を行うことにより、正確な吸収スペクトルが得られる。
統計的手法を用いることにより、スペクトルの特徴が大きいガスと同時にスペクトルの特徴の小さいガスの濃度も求めることができる。
スペクトルのピーク部分を用いないで統計モデルを作成することにより、吸収スペクトルに特徴が小さい炭化水素ガスも高い精度で検出できる。
これまで炭化水素多成分系の分析は、その成分分離能力の高さから主にガスクロが用いられてきたが、測定時間が長く測定値を直接制御に用いることはできなかった。一方、リアルタイムで測定可能なTDLASは、光源の波長可変幅が狭く、主に単成分の測定に限られていた。
これらに対し、機械的な可動部が無くて工業計器として要求される高い信頼性を持ち、かつ広い波長範囲で波長変更可能なMEMS-VCSELを光源に用いることにより、多成分混合ガスの吸収スペクトルを測定可能な工業用TDLASを実現できる。
1.67〜1.72μmの波長範囲で発振するMEMS-VCSELを光源として用いることにより、炭化水素多成分混合ガスの分析が可能なTDLASを実現できる。
さらに、TDLASを用いることにより、リアルタイム計測が実現できる。
ところで、1700nm(1.7μm)帯では、空気中の水分のスペクトルが濃度検出の障害となることがあるが、図6に示すように各部の光路長L1〜L3を適切に選定することで、空気中の水分の影響を排除できる。
図6は本願発明の他の実施例を示すブロック図であり、図1と共通する部分には同一の符号を付けている。図6において、ビームスプリッタ105の中心からガスセル106の入射端面までの距離をL1とし、ガスセル106の出射端面からフォトダイオード108の入射面までの距離をL2とし、ビームスプリッタ105の中心からフォトダイオード110の入射面までの距離をL3とすると、各距離の関係は、L3=L1+L2になるように設定されている。
さらに、空気中の水分の影響を小さくするためには、図6のような光学系を筐体内に収めるとともに、窒素のような赤外波長領域において吸収を持たないガスでパージすればよい。
また、光源をファイバ出力にすることによって、光源である波長可変レーザ101の取り付けや取り換えによる光軸アラインメントのずれを防止できる。
また、CH4の濃度はCH4ピークを用いて検出するが、この際の濃度検出方法は統計的方法に限らず、面積法を用いてもよい。
なお、CH4のピークは鋭いため、波長校正精度が悪いとスペクトル誤差が大きくなり、濃度誤差となる。この対策としては、スペクトル全体を平滑化によって鈍らせればよい。
また、測定濃度の精度を高める方法としては、以下のような方法を組み合わせるようにしてもよい。
a)圧力を測定して圧力に起因する誤差を補償する
b)所望の測定精度が得られる状態が維持できるように圧力を制御する
c)ガスセル106の温度を制御する
また、統計モデル作成時に外気温、ガス温度、圧力などのガス濃度以外をパラメータとしてモデルに導入することで、ガス濃度以外の要因によるスペクトル変化に対応できる。たとえばフォトダイオードや半導体レーザの窓による光干渉は外気温に依存するので、外気温をパラメータにすることで濃度誤差を小さくする効果が期待できる。
また、上記実施例では、波長可変レーザの出力光を測定光と参照光に分岐し測定光を被測定ガスに照射する光分岐手段を設け、データ処理部が参照光に関連した参照信号と被測定ガスを透過した測定光に関連した吸収信号に基づいて被測定ガスの吸収スペクトルを求め、統計的手法に基づき各成分の濃度を求める例について説明したが、参照信号を用いない構成であっても簡易的な測定は行える。
以上説明したように、本発明によれば、レーザ光源として広い波長可変幅の波長可変レーザを用い、濃度検出にあたってはメタンなどのスペクトル幅が狭いガスの鋭いピーク部分を外した統計的手法を用いてスペクトルの特徴が大きい炭化水素と同時にスペクトルの特徴が小さい炭化水素も高精度に測定できるレーザガス分析装置を実現でき、各種プロセスガスの直接測定に有効である。
101 波長可変レーザ
102 発振波長制御回路
103、107、109 レンズ
104 アイソレータ
105 ビームスプリッタ
106 ガスセル
108、110 フォトダイオード
111 波長校正手段
112 波長領域選択手段
113 濃度検出手段
114 吸収線波長データ格納部
115 使用波長データ格納部
116 統計モデル格納部

Claims (4)

  1. 広い波長可変幅を有する波長可変レーザと、前記波長可変レーザの出力光を測定光として被測定ガスに照射する光照射手段と、前記被測定ガスを透過した前記測定光に関連した吸収信号に基づいて前記被測定ガスの吸収スペクトルを求め、統計的手法に基づき各成分の濃度を求めるデータ処理部とで構成されたレーザガス分析装置において、
    前記データ処理部は、鋭い吸収ピークを持たないガスの成分濃度を求めるのにあたり、比較的広い波長範囲を掃引することにより得られる吸収スペクトルのうち、他のガス成分の鋭い吸収ピークが存在しない波長領域の吸収スペクトルを用いることを特徴とするレーザガス分析装置。
  2. 広い波長可変幅を有する波長可変レーザと、前記波長可変レーザの出力光を測定光と参照光に分岐し前記測定光を被測定ガスに照射する光分岐手段と、前記参照光に関連した参照信号と前記被測定ガスを透過した前記測定光に関連した吸収信号に基づいて前記被測定ガスの吸収スペクトルを求め、統計的手法に基づき各成分の濃度を求めるデータ処理部とで構成されたレーザガス分析装置において、
    前記データ処理部は、鋭い吸収ピークを持たないガスの成分濃度を求めるのにあたり、比較的広い波長範囲を掃引することにより得られる吸収スペクトルのうち、他のガス成分の鋭い吸収ピークが存在しない波長領域の吸収スペクトルを用いることを特徴とするレーザガス分析装置。
  3. 前記データ処理部は、
    前記被測定ガスの吸収線波長データを保存する吸収線波長データ格納部と、
    前記参照信号および吸収信号が入力されるとともに前記吸収線波長データ格納部が接続され、これら吸収線波長データと参照信号および吸収信号に基づき吸収スペクトルの波長を校正する波長校正手段と、
    前記被測定ガスの濃度測定に用いる光信号の波長領域を選択する波長領域選択手段と、
    事前に構築された統計モデルに基づき前記被測定ガスの濃度を求める濃度検出手段、
    とで構成されていることを特徴とする請求項2記載のレーザガス分析装置。
  4. 前記波長校正手段は、校正用ガスの吸収線と既知の吸収線とを比較することを特徴とする請求項2または請求項3記載のレーザガス分析装置。
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