JP2016035120A - コンクリートとの接合固定性が優れたシート体 - Google Patents
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例えば、セメントペーストを不織布に浸透させながら、固化させる接合技術(特許文献1)があるが、これは不織布が固まる前のコンクリートを保持する作用を利用したものである。
更にまた、シートである織布の表面から固定用の多数のループを突出させ、コンクリートに埋め込ませ、接合強度を上げる技術がある(特許文献3)。
コンクリートブロックマットは、現場で施工する際に、クレーン等で吊り上げて使用することからブロックがその重みでマットから剥離することがある。
このようにブロックが落下する危険は是非とも回避しなければならない。
すなわち、本発明は、コンクリートとの接合固定性(添着性)が優れたシート体を提供するものである。
そのため不織布1自体の強度が向上すると共に不織布1を構成する短繊維1Aが引き抜き抵抗力を発揮し、コンクリートに埋め込まれた状態においても優れた接合固定性(添着性)が得られることとなる。
また不織布1の繊維が補強糸2の周囲に絡まり易く接合固定(添着性)がより高まる。
図1は、本発明のシート体Aの表側を概略的に示した斜視図であり、図2は、本発明のシート体Aの裏側を概略的に示した斜視図である。
このようなシート体Aはコンクリートとの接合固定性(添着性)が極めて優れたものと
なっている。
この補強糸2は、不織布1の片面(裏側の面)に沿ってのみ設けられており、縦補強糸2Yと横補強糸2Xとよりなる。
図で示すように、縦補強糸2Yと横補強糸2Xとの交差部Kとの交差角度は90度である。
ループ糸3はこれらの補強糸2を不織布1の表面に取り付けるためのもので、具体的には補強糸2の周囲を巻回しながら不織布1に編み込まれている。
ここで不織布1は多くの短繊維1A(図8の短繊維1A参照)が絡み合ってできているが、この短繊維1Aは補強糸2とループ糸3の間に挟まれている(把持作用)。
これは、経編機を使って補強糸2をループ糸3により不織布1に編み込む際、短繊維1Aが絡まることを利用したものである。
この把持作用によりコンクリートに対するシート体の引き抜き抵抗力が発揮されることとなるのである。
縦補強糸2Yがループ糸3により巻回されて不織布1に編み込まれていることが理解できる。
このようにループ糸3が巻回されることで不織布1の短繊維1Aはループ糸3と縦補強糸2Yとの間に挟み込まれる。
ここで縦補強糸2Yと横補強糸2Xとの交差部においては、縦補強糸2Yと横補強糸2Xとがループ糸3により連結されているので、縦補強糸2Yと横補強糸2Xとが相互に離脱することはなく配置状態が安定する。
これらのシート体Aの特性を利用することにより他の部材と組み合わせた種々の製品が可能となる。
その一つとして、コンクリートブロックシートに適用する例がある。
このコンクリートブロックシートは、コンクリートブロックBの底面にシート体Aを接合固定してなるものである。
不織布1よりなるシート体Aは、補強糸2がループ糸3により固定されており、このループ糸3は、補強糸2の周囲を巻回しながら不織布1に編み込まれている。
便宜的に短繊維1Aの一本のみを破線で示した。
不織布1を構成する短繊維1AはコンクリートブロックBの中に埋まった状態にあり、コンクリートとの接合強度を担っている。
そのため短繊維1Aが引き抜きにくい程、接合強度も大きくなる。
短繊維1Aは同じ不織布1を構成する短繊維1Aにも絡まっているが、更に一部はループ糸3と補強糸2(2Y)の間で強く挟み込まれているので、その挟み込まれた短繊維1Aは引き抜き抵抗力を更に発揮する。
この場合のコンクリートブロックシートのシート体Aは、ループ糸3が縦補強糸2Yに沿って巻回されているが、横補強糸2Xに沿っては巻回されていない例である。
なお、ここでは各補強糸及び不織布1の材質はポリエステルが採用されている。
縦補強糸2Yとループ糸3に挟まれた不織布1の短繊維1Aは、縦補強糸2Yに沿って短繊維1Aが残っているのが視認される。
これは、先述した把持作用によるものである。
以上説明したコンクリートブロックシートを製造するには、用意した型枠に生コンを投入する生コン投入工程と、型枠に投入した生コンの表面を水平に均す均し工程と、型枠に投入した生コンの上に上述したシート体Aを敷くシート敷設工程と、型枠に投入した生コンを養生させる養生工程とを経ることにより製造される。
すなわち生コンの養生が完了するまでの間、シート体Aは生コンに常に圧着した状態で維持されるため、強固にコンクリートブロックと結合される。
また、ループ糸3はフィラメント糸の他、紡績糸も採用可能である。
また補強糸は不織布1を補強するものであることから、モノフィラメント糸やマルチフィラメント糸以外のものも採用可能である。
そのためコンクリートブロックシートの他にもコンクリートとの接合面を有するものであれば適用可能であり、その用途範囲は広い。
1A…短繊維
2…補強糸
2X…縦補強糸
2Y…横補強糸
3…ループ糸
A…シート体
B…コンクリートブロック
K…交差部
Claims (5)
- コンクリートとの接合固定が優れたシート体であって、該シート体が、不織布よりなり、該不織布に補強糸がループ糸により固定されていることを特徴とするシート体。
- 上記ループ糸は、補強糸に沿ってその周囲を巻回しながら不織布に編み込まれていることを特徴とする請求項1記載のシート体。
- 上記補強糸が縦補強糸と横補強糸よりなることを特徴とする請求項1記載のシート体。
- 上記縦補強糸と横補強糸の交差部がループ糸により結合されていることを特徴とする請求項3記載のシート体。
- コンクリートブロックに接合固定されていることを特徴とする請求項1記載のシート体。
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