JP2016034931A - 外用剤組成物 - Google Patents

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麻衣 大柿
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Abstract

【課題】保形性を有し、使用感に優れる外用剤組成物を提供する。【解決手段】イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を用いて調製された、マイクロゲルを用いて、外用剤組成物を調製する。【選択図】なし

Description

本発明は、外用剤組成物に関する。
従来、ゲルを破砕して得られるマイクロゲルを外用剤組成物(例えば、化粧料)に利用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ゲル化能を有する親水性化合物を、水または水性成分に溶解した後、放置冷却してゲルを形成し、次いで該ゲルを破砕して平均粒径0.1〜1000μmのミクロゲルとした増粘剤を含有する化粧料が記載されている。ゲル化能を有する親水性化合物としては、寒天、カラギーナン、カードラン、ゼラチン、ジェランガム及びアルギン酸等が示され、これらゲル化能を有する親水性化合物と任意に併用できる素材として、キサンタンガム、サクシノグリカン、グァーガム及びローカストビーンガム等が示されている。
特許文献2には、水溶性増粘剤と、崩壊性ゲルを形成する多糖類を併用した、フルイドゲル組成物を含有する化粧料が記載されており、実施例に、寒天とキサンタンガム、ジェランガムとキサンタンガム、並びに寒天とネイティブ型ジェランガム等の組合せが示されている。特許文献3には水溶性増粘剤と、崩壊性ゲルを形成する多糖類を併用した粒状ゲルを含有する化粧料が記載されており、実施例に、寒天とネイティブ型ジェランガム、並びに寒天とグァーガム等の組合せが示されている。
また、口腔用の外用剤組成物に関する技術として、特許文献4には、カチオン性殺菌剤及び0.3〜3質量%の寒天を含有する口腔用ミクロゲルが開示されている。
特開2001−342451号公報 特開2000−119166号公報 特開2000−239147号公報 特開2011−74030号公報
しかしながら、従来技術を用いて調製された外用剤組成物は数々の問題を有する。例えば、特許文献1〜3に開示された化粧料は保形性が十分でないか、又は一定の保形性を有するものの、離水が生じる、使用感に劣る(例えば、べたつきが生じる、塗布時の伸びが悪い、指取れが悪い(少量しか指で掬えない)、ゲルの滓(かす)やよれが生じる)等の問題を有している。例えば、寒天を用いたマイクロゲルは、寒天含量が少ないとゾル状を呈し、保形性を有する化粧料を提供することが難しい。この点について特許文献1では、保形性を有する外用剤組成物を提供することについて、何ら言及がない。一方、マイクロゲルにおける寒天含量を増加させることで、マイクロゲルに一定の保形性を付与することが可能であるが、当該マイクロゲルを化粧料に用いると、使用感が悪化するという問題を有している。例えば、化粧料にべたつきが生じる、塗布した際に、ゲルの滓(かす)やよれが生じる等の問題を有している。
特許文献2及び3には、寒天とキサンタンガム、寒天とグァーガム、ジェランガムとキサンタンガム、又は寒天とネイティブ型ジェランガムを併用したマイクロゲルが開示されているが、寒天とキサンタンガム、寒天とグァーガム、又はジェランガムとキサンタンガムを用いたマイクロゲルは、ゾル状に近い形状を呈し、化粧料に十分な保形性を付与することができない、または一定の保形性を有するものの、触感がべたつくという問題を有している。同様に、寒天とネイティブ型ジェランガムを併用したマイクロゲルは、ネイティブ型ジェランガムの添加量を増加させることで、保形性を付与できるものの、マイクロゲル粒子の均一性に欠け、外観が滑らかでないことや、べたつきが生じるという問題を有している。
また、特許文献1〜3には、ゲル化能を有する親水性化合物、又は崩壊性の水溶性ゲル化剤としてカラギーナンが開示されているが、通常、マイクロゲルの形成に用いられるカラギーナンは、カッパ(κ)型カラギーナンである。しかし、カッパ型カラギーナンを用いて調製されたマイクロゲルは、離水やべたつきが生じやすいことや、皮膚や毛髪等に塗布した際の伸びが不十分であるという問題点を有している。
特許文献4に開示された口腔用の外用剤組成物も、特許文献1〜3と同様に寒天を含有するマイクロゲルを用いる技術であるため、保形性が不十分であり、例えば、口腔内に外用剤組成物を塗布した際に、組成物が垂れ落ちやすいという問題を有する。又は、一定の保形性を有するものの、使用感が悪化する(例えば、べたつきが生じる、塗布時の伸びが悪い、指取れが悪い、ゲルの滓やよれが生じる等)という問題を有する。
上記従来技術に鑑み、本発明では、従来技術では達成できなかった、保形性を有する外用剤組成物を提供することを目的とする。具体的には、保形性を有し、更に、使用感に優れる外用剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物を用いて調製したマイクロゲルを、外用剤組成物に用いることで、保形性を有し、また、使用感に優れる外用剤組成物を提供できることを見出して本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を有する外用剤組成物に関する;
項1.イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を用いて調製された、マイクロゲルを含む外用剤組成物。
項2.前記外用剤組成物におけるイオタ型カラギーナンの含量が、0.01〜5質量%である、項1に記載の外用剤組成物。
項3.前記ゲル化能を有する親水性化合物が、カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、寒天、ローメトキシルペクチン、アルギン酸、アルギン酸塩、グルコマンナン、ゼラチン、コラーゲン及びカードランからなる群から選択される1種以上である、項1又は2に記載の外用剤組成物。
本発明はまた、以下の態様を有する外用剤組成物の製造方法にも関する;
項4.
以下の工程;
(工程A1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
(工程A2)工程A1で得られた溶解液を撹拌しながら、溶解液の温度をゲル化温度以下まで冷却する工程、
を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
項5.
以下の工程;
(工程B1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
(工程B2)工程B1で得られた溶解液を撹拌しながら、ゲル形成促進剤を添加する工程、
を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
項6.
以下の工程;
(工程C1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を含有するゲルを調製する工程、及び
(工程C2)工程C1で得られたゲルを破砕する工程、
を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
本発明によれば、保形性を有し、また、使用感に優れる外用剤組成物を提供できる。
1.外用剤組成物
本発明の外用剤組成物は、イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物を用いて調製したマイクロゲルを含むことを特徴とする。
本発明で用いるカラギーナンは、紅藻類海藻から抽出、精製される天然高分子である。
カラギーナンの主鎖はガラクトースで構成されており、結合している硫酸基の位置及び数の相違や、アンヒドロ構造の有無により、カッパ型カラギーナン、イオタ型カラギーナン及びラムダ型カラギーナンに大別される。この硫酸基の位置及び数の相違や、アンヒドロ構造の有無は、カラギーナンの水への溶解性やゲル化能に影響を与え、結果として、カッパ型カラギーナン、イオタ型カラギーナン及びラムダ型カラギーナンはそれぞれ異なった性質を有する。
本発明では、前記カラギーナンとして、イオタ型カラギーナンを必須成分として用いることを特徴とする。本発明のマイクロゲルにおけるイオタ型カラギーナンの含量は特に制限されないが、好ましい含量は0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.05〜3質量%、更に好ましくは0.1〜1.5質量%、更により好ましくは0.1〜1.2質量%である。
イオタ型カラギーナンを用いることなく、カッパ型カラギーナン又はラムダ型カラギーナンを用いた場合は、本発明が目的とする外用剤組成物を提供することができない。例えば、カッパ型カラギーナンを用いてマイクロゲルを調製した場合は、ゾル状を呈するか、又は一定の保形性を有するものの、粒子の均一性に欠ける、離水が生じる等の問題を有する。同様に、ラムダ型カラギーナンを用いた場合は、マイクロゲルを調製することができない。
本発明で用いるゲル化能を有する親水性化合物は、ゲル化能を有する水溶性化合物であれば特に制限されず、使用できる。例えば、カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、寒天、ローメトキシル(LM)ペクチン、アルギン酸、アルギン酸塩(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム等)、グルコマンナン、ゼラチン、コラーゲン、カードラン等が挙げられる。好ましい親水性化合物は、カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、寒天及びローメトキシルペクチンからなる群から選択される1種以上であり、更に好ましい親水性化合物は、カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム及び寒天からなる群から選択される1種以上である。
本発明のマイクロゲルにおける、ゲル化能を有する親水性化合物の含量は特に制限されないが、好ましい含量は0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%、更により好ましくは0.2〜2質量%である。
また、本発明によれば、イオタ型カラギーナンを用いることで、ゲル化能を有する親水性化合物の含量が1質量%以下であっても、保形性を有するマイクロゲルを提供できるという利点を有する。従来技術では、ゲル化能を有する親水性化合物の含量が1質量%以下では、マイクロゲルがゾル状を呈するため、外用剤組成物に保形性を付与することができなかったが、本発明では、ゲル化能を有する親水性化合物の含量が1質量%以下であっても、保形性を有するマイクロゲルを提供できる。かくして得られるマイクロゲルは、親水性化合物の含量が低減されているため、使用感に優れるという利点を有する。例えば、利点として、外皮(皮膚)、毛髪や口腔内などに塗布した際にべたつきが生じにくいこと、優れた伸びを有すること、よれが生じにくいこと、ゲルの滓が生じにくいことなどが挙げられる。
また、外用剤組成物における親水性化合物含量を低減することで、外用剤組成物の物性のコントロールがしやすくなり(触感のバリエーションをつけやすく)、また、得られる外用剤組成物の透明性が高まるという利点も有する。更には、本発明の外用剤組成物は、親水性化合物含量が低いにもかかわらず、不溶性固形分の分散性に優れるという利点を有する。
イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物の配合比率は特に制限されないが、イオタ型カラギーナン100質量部に対し、ゲル化能を有する親水性化合物が25〜1000質量部となるように併用することが好ましく、35〜800質量部となるように併用することがより好ましい。
本発明のマイクロゲルは、前記イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物を使用する以外は常法に従って調製できる。本発明のマイクロゲルの製造方法は特に制限されないが、例えば、下記に示す製法Aに従って、本発明のマイクロゲルを調製することができる;
(製法A)
(工程A1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
(工程A2)工程A1で得られた溶解液を撹拌しながら、溶解液の温度をゲル化温度以下まで冷却する工程、
を含有する、マイクロゲルの製造方法。
(工程A1)の、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程は、イオタ型カラギーナン、ゲル化能を有する親水性化合物及び溶媒の混合液を調製し、当該混合液の温度を、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解温度以上にすることで実施できる。溶媒としては、例えば、水、水に低級アルコールを添加したもの、又は水に多価アルコールを添加したものなどが挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば、炭素数7以下、好ましくは炭素数5以下、より好ましくは炭素数3以下のアルコール(例えば、エタノール、プロパノール等)が挙げられる。
また、多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。なお、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物をゲル化させ、保形性を有するマイクロゲルを調製する観点からは、溶媒の50質量%以上が水であることが好ましく、溶媒の70質量%以上が水であることがより好ましい。
本発明では、溶解液を調製する際の温度は特に制限されないが、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を十分に溶媒に溶解させる観点からは、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を含有する混合液を、60℃以上に加熱することが好ましい。加熱条件の上限は特に制限されず、例えば、100℃を例示できる。
本発明のゲル化能を有する親水性化合物として、単独でゲルを形成しない化合物を用いる場合は、ゲル形成促進剤を併用する。例えば、寒天は加熱溶解後、冷却することでゲルを形成するが、カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、ローメトキシルペクチン、アルギン酸又はアルギン酸塩は、ゲルを形成する際に、塩類又は酸の添加が必要となる場合がある。よって、ゲル化能を有する親水性化合物として、カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、ローメトキシルペクチン、アルギン酸又はアルギン酸塩を用いる場合は、ゲル形成促進剤として、塩類又は酸を併用することが好ましい。例えば、溶解液の温度をゲル化温度以下まで冷却する前に、ゲル形成促進剤として、塩類又は酸を添加しておくことが好ましい。
本発明で用いる塩類は、ゲル化能を有する親水性化合物のゲル形成を促進する塩類であれば特に制限されない。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、銅塩、アルミニウム塩等が挙げられ、好ましい塩類はカリウム塩及び/又はカルシウム塩である。カリウム塩は、溶媒に溶解可能なものであれば、特に制限されず使用できる。例えば、塩化カリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、乳酸カリウム、炭酸カリウム、グルコン酸カリウム、硫酸カリウム、水酸化カリウム、ソルビン酸カリウム、グルタミン酸カリウムなどが挙げられ、好ましいカリウム塩は、塩化カリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム及びリン酸カリウムからなる群から選択される1種以上である。
同様に、カルシウム塩は、溶媒に溶解可能なものであれば、特に制限されず使用できる。例えば、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、焼成カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウムなどが挙げられ、好ましいカルシウム塩は、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム及びピロリン酸カルシウムからなる群から選択される1種以上である。
同様に、本発明における酸としては、ゲル化能を有する親水性化合物のゲル形成を促進する酸であれば、特に制限されずに使用できる。例えば、有機酸、無機酸などが挙げられる。
ゲル化能を有する親水性化合物に対する、ゲル形成促進剤の添加量は特に制限されないが、ゲル化能を有する親水性化合物1質量部に対し、0.001〜50質量部のゲル形成促進剤を添加することが好ましく、0.01〜20質量部のゲル形成促進剤を添加することがより好ましい。
(工程A2)は、工程A1で得られた溶解液を撹拌しながら、溶解液の温度をゲル化温度以下まで冷却する工程である。そして、本工程により、マイクロゲルを調製することができる。本発明において「ゲル化温度」とは、前記溶解液がゲルを形成する温度をいい、用いる多糖類の種類によって温度は異なる。本発明では特に制限されないが、工程A2において、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下に冷却することが望ましい。冷却温度の下限は、マイクロゲルが凍結しない温度であれば特に制限されない。
撹拌の条件は、平均粒子径が1000μm以下であるゲルが調製できる程度の撹拌であれば、特に制限されない。例えば、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ホモディスパー、パドルミキサー等を用いた撹拌などが挙げられる。
本発明は、また、下記製法Bに従ってマイクロゲルを調製することも可能である;
(製法B)
(工程B1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
(工程B2)工程B1で得られた溶解液を撹拌しながら、ゲル形成促進剤を添加する工程、を含有する、マイクロゲルの製造方法。
(工程B1)の、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程は、工程A1に記載の方法と同様に、イオタ型カラギーナン、ゲル化能を有する親水性化合物及び溶媒の混合液を調製し、当該混合液の温度を、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解温度以上にすることで実施できる。
(工程B2)では、工程B1で得られた溶解液を撹拌しながら、ゲル形成促進剤を添加する。
ゲル化能を有する親水性化合物の中で、例えば、ローメトキシルペクチン、アルギン酸又はアルギン酸塩等は、前記したゲル形成促進剤を添加することで、ゲルを形成する。つまり、これらは、前記の製法Aにおける工程A2のような冷却工程を必須工程とせずに、ゲルを形成する。よって、ゲル化能を有する親水性化合物として、ローメトキシルペクチン、アルギン酸又はアルギン酸塩等を用いる場合は、工程B1で得られた溶解液を撹拌しながら、ゲル形成促進剤を添加することで、本発明のマイクロゲルを調製することができる。なお、マイクロゲルを均一に形成させる観点からは、攪拌しながら、溶解液の温度を60℃以下に冷却することが好ましく、50℃以下に冷却することがより好ましい。
また、ゲル化能を有する親水性化合物の中で、例えば、カッパ型カラギーナン等は、ゲル形成促進剤が共存する状態で、溶解液の温度をゲル化温度以下に冷却することで、ゲルを形成する。従って、ゲル化能を有する親水性化合物として、カッパ型カラギーナン等を用いる場合は、イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を冷却後、当該溶解液を撹拌しながらゲル形成促進剤を添加することで、本発明のマイクロゲルを調製できる。冷却温度は特に制限されないが、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。
本発明は、また、下記製法Cに従って、マイクロゲルを調製することも可能である;
(製法C)
(工程C1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を含有するゲルを調製する工程、及び
(工程C2)工程C1で得られたゲルを破砕する工程、
を含有する、マイクロゲルの製造方法。
(工程C1)の、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を含有するゲルを調製する工程は、イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を併用する以外は、常法(ゲルを調製する方法)に従って実施できる。
例えば、(C1−1)溶媒にイオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する水性化合物を溶解後、ゲル化温度以下まで冷却して、ゲルを調製する方法、(C1−2)溶媒にイオタ型カラギーナン、ゲル化能を有する水性化合物、及びゲル形成促進剤を溶解後、ゲル化温度以下まで冷却して、ゲルを調製する方法、並びに(C1−3)溶媒にイオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する水性化合物を溶解後、ゲル形成促進剤を添加してゲルを調製する方法などが挙げられる。
(工程C2)の、工程C1で得られたゲルを破砕する工程は、工程C1で調製したゲルを平均粒子径1000μm以下に破砕することで実施できる。破砕手段は特に制限されず、例えば、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ホモディスパー、パドルミキサー等を用いて破砕することができる。
本発明において、マイクロゲルの粒子径は特に制限されないが、好ましい平均粒子径は0.1〜1000μmであり、より好ましくは1〜800μmである。マイクロゲルの平均粒子径が1000μmを大きく超えると、外用剤組成物の外観が不均一となったり、塗布性が悪くなったりする場合がある。一方で、マイクロゲルの平均粒子径が0.1μmを下回ると、外用剤組成物に十分な保形性を付与できない場合がある。
マイクロゲルの平均粒子径は、例えば、光学顕微鏡を用いて測定できる。この場合、光学顕微鏡を用いて観察したマイクロゲル粒子の中から無作為に選択した100個のマイクロゲル粒子の粒子径を測定し、その平均値を算出することで、マイクロゲルの平均粒子径を求めることができる。
本発明ではまた、目開き1000μmのメッシュに外用剤組成物を篩過することで、外用剤組成物に含まれるマイクロゲルの粒子径が1000μm以下であるか否かを、簡易に確認することができる。
本発明は、マイクロゲルを外用剤組成物に用いることを特徴とし、通常のゲル(破砕前のゲル)を外用剤組成物に用いた場合は、イオタ型カラギーナン及びゲル化能を有する親水性化合物を併用した場合であっても、本発明の効果を得ることができない。例えば、通常のゲルを用いる場合は、使用時に必要量をゲルから切り取る必要があり、指で適量をすくい難いという問題や、外皮、毛髪や口腔内などに塗布する際に、塊状であるゲルを潰す必要があり、組成物を均一に塗布するために時間を要し、使い勝手が悪いという問題、また、潰したゲルの伸びが悪く、優れた使用感が得られ難い等の問題を有している。
一方で、ゲルは破砕すると、保形性が格段に低下することが知られている。しかし、本発明の外用剤組成物は、イオタ型カラギーナンとゲル化能を有する親水性化合物を併用することで、ゲルを破砕したマイクロゲルを用いているにも関わらず保形性を有し、また、使用感にも優れる外用剤組成物を提供できるという、従来技術から予期し得ない効果を有する。
本発明の外用剤組成物は、前記マイクロゲルを含有することを特徴とするが、本発明の効果を損なわない範囲で、前記マイクロゲルに、必要に応じて外用剤組成物に用いられる他の成分を配合することができる。
例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品等に配合される他の成分、例えば、薬剤、効能成分、油剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、収れん剤、美白剤、pH調整剤、水、アルコール類、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、光沢剤、色素、香料、不溶性固形分等を必要に応じて適宜配合することができる。例えば、本発明の外用剤組成物に、更なる保形性を付与したり、触感を調整したりするために、増粘剤として、ハイメトキシルペクチン、ラムダ型カラギーナン、グァーガム、タマリンドシードガム、タラガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、サクシノグリカン、ガティガム、アラビアガム、カラヤガム、サイリウムシードガム、クインスシードガム、プルラン、ラムザンガム、マクロホモプシスガム、ヒアルロン酸、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミドコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、発酵セルロース、微結晶セルロースの多糖類や、澱粉、ラポナイト、ベントナイト、スメクタイト等の粘性物質を添加することができる。これらは、外用剤組成物の保形性の程度や、使用感(触感、塗布した際の伸び等)又は外観等に応じて、使用の有無や、使用量を適宜調整することができる。
本発明では、前記増粘剤の中でも、特に、ラムダ型カラギーナン、発酵セルロース、グァーガム、及びタマリンドシードガムからなる群から選択される1種以上を併用することが望ましい。通常、保形性付与を目的として増粘剤を添加すると、外用剤組成物がべたつきやすい。しかし、本発明では、イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物に加えて、更に、ラムダ型カラギーナン、発酵セルロース、グァーガム、及びタマリンドシードガムからなる群から選択される1種以上を併用することで、べたつきが少ない触感を維持しつつ、外用剤組成物の触感にバリエーションを付与することができる。
本発明が対象とする外用剤組成物は、外皮(皮膚)、毛髪、口腔内粘膜又は鼻腔内粘膜などに塗布して利用される組成物をいい、使用目的は特に制限されず、各種用途に使用できる。例えば、医薬品、医薬部外品又は化粧料(化粧品)等に使用でき、特に好ましい用途は化粧料である。また、組成物の種類も特に制限されず、本発明の外用剤組成物は、例えば、外用製剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、洗口液、口腔内湿潤剤、歯磨、口中清涼剤、制汗剤、染毛料、洗顔料、クレンジング、化粧水、乳液、美容液、パック、日焼け止め、化粧下地、ファンデーション、口紅、リップクリーム、アイメークアップ、ボディソープ、ボディクリーム、マッサージクリーム、ハンドクリーム、シャンプー、コンディショナー、ヘアケア剤、ヘアスタイリング剤、香水、スクラブ剤等として使用することができる。
本発明の外用剤組成物は、マイクロゲルを含有するため、良好な保形性と優れた使用感に加え、配合成分の分散安定性に優れるという利点も有する。
例えば、外用剤組成物に配合される配合成分が疎水性物質である場合や、外用剤組成物が、カプセル、ゲル状粒子、ラメ、パール、不溶性金属、スクラブ剤、ナイロンパウダーなどの不溶性固形物を含有する場合などにおいて、これら成分の分散安定性に優れ、均一な分散状態を保持できるという利点を有する。通常、疎水性物質や不溶性固形物を外用剤組成物に分散させる場合には、増粘剤を用いる必要があり、結果として、外用剤組成物にべたつきが生じるという問題を抱えている。しかし、本発明によれば、疎水性物質や不溶性固形物の分散安定性に優れつつも、べたつきがなく、優れた使用感を有する外用剤組成物を提供することができる。
本発明の外用剤組成物はまた、耐塩性に優れるという利点を有する。
例えば、外用剤組成物に配合される成分として、乳酸塩(例えば、保湿剤等として)、アスコルビン酸塩(例えば、美白剤等として)、グリチルリチン酸塩(例えば、抗炎症剤等として)、サリチル酸塩(例えば、鎮痛剤、抗炎症剤等として)、ピリドキシン塩酸塩(例えば、皮膚コンディショニング剤として)等の塩類を添加する場合がある。また、外用剤組成物に長期安定性を付与するため、pH緩衝能を有する塩類を添加することがあるが、従来の外用剤組成物は、塩類の添加によって保形性が低下する場合がある。例えば、増粘剤として、外用剤組成物に多用されている、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーなどを含有する外用剤組成物に塩類を添加すると、外用剤組成物の粘度が大幅に低下するという問題を有する。しかし、本発明の外用剤組成物は耐塩性に優れるため、処方に制限を受けることなく、塩類を添加することができる。また、本発明の外用剤組成物は、耐塩性に優れるため、例えば皮膚上の汗等に含まれる塩の影響によって、塗布時に粘度が急激に低下し、外用剤組成物が垂れ落ちることがないという利点も有する。
2.マイクロゲルを含む、外用剤組成物の製造方法
本発明はまた、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法にも関する。
本発明の外用剤組成物の製造方法は、下記製造方法A〜Cに記載のいずれかの方法に従って実施できる。いずれの製造方法を選択するかは、マイクロゲルの製造に用いる、ゲル化能を有する親水性化合物の種類や、使用設備に応じて、適宜選択することができる。
また、製造方法A〜Cに記載の、各々の製造工程は、上記「1.外用剤組成物」の記載に従って実施することができる。
(製法A)以下の工程;
(工程A1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
(工程A2)工程A1で得られた溶解液を撹拌しながら、溶解液の温度をゲル化温度以下まで冷却する工程、を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
(製法B)以下の工程;
(工程B1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
(工程B2)工程B1で得られた溶解液を撹拌しながら、ゲル形成促進剤を添加する工程、を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
(製法C)以下の工程;
(工程C1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を含有するゲルを調製する工程、及び
(工程C2)工程C1で得られたゲルを破砕する工程、を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」を意味し、文中の「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を、また、文中の「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1 マイクロゲルを含有する外用剤組成物(製法A)
表1に示す処方に従い、外用剤組成物(ジェル状化粧料)を製造した。
(I相の調製)
表1に示す(I相)の原料を混合し、50℃にて溶解した。
(II相の調製)
水に、イオタ型カラギーナン、ゲル化能を有する親水性化合物、及びその他多糖類を添加し、80℃に加熱、撹拌し、溶解液を調製した。次いで、塩類及びピロリドンカルボン酸ナトリウムを添加し、II相を調製した。
(外用剤組成物の調製)
前記で調製したI相とII相を容器に添加し、混合した。次いで、混合液をホモディスパーで撹拌(5000rpm)しながら、冷却(容器の外側から冷水で冷却)し、マイクロゲルを調製した。調製したマイクロゲルを、遠心機(3000rpm、5分)を用いて脱気し、外用剤組成物を得た。
(外用剤組成物の製造)
製造したマイクロゲルは、いずれも目開き800μmのメッシュを篩過し、その粒子径が800μm以下であることが確認された。また、実施例1−1の外用剤組成物について、光学顕微鏡で観察したマイクロゲル粒子の中から、無作為に選択した100個のマイクロゲル粒子の粒子径を測定し、その平均値を算出した。結果、実施例1−1の外用剤組成物に含まれるマイクロゲルの平均粒子径は6μmであった。
(マイクロゲルを含有する外用剤組成物(ジェル状化粧料)の評価)
表4に示す基準に従って、調製したジェル状化粧料を評価した。結果を表5に示した。
イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物(カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム又は寒天)を併用した外用剤組成物(実施例1−1〜1−10)は、いずれも離水が発生せず、保形性と優れた使用感(表面の均一性、べたつき感のなさ、伸びやすさ、指取れのよさ)を兼ね備えていた。また、イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物に加え、更に、ラムダ型カラギーナン、発酵セルロース、グァーガム又はタマリンドシードガムのいずれかを併用した外用剤組成物は、十分な保形性を有しつつも、べたつきがなかった(実施例1−7〜1−10)。更に、実施例1−1〜1−10の外用剤組成物は、ゲルの滓やよれが生じることもなかった。
一方、イオタ型カラギーナンを単独で用いた外用剤組成物(比較例1−1)は保形性を有するものの、表面が凹凸状であり、ゲル化能を有する親水性化合物として、カッパ型カラギーナンを単独で用いた外用剤組成物(比較例1−2、1−3)は、離水が発生し、共に商品価値が著しく低かった。カッパ型カラギーナンと併用する多糖類として、イオタ型カラギーナンのかわりに、ラムダ型カラギーナンを用いた外用剤組成物(比較例1−4)は、容器を傾けるのみで、外用剤組成物が容易に流れ落ち、保形性がなかった。カッパ型カラギーナンと併用する多糖類として、イオタ型カラギーナンのかわりに、キサンタンガムを用いた外用剤組成物(比較例1−5)は保形性が十分でなく、また、べたつきが生じ、使用感が悪かった。イオタ型カラギーナンに代えて、カッパ型カラギーナンと、ローカストビーンガム又はローカストビーンガムとキサンタンガムを用いた外用剤組成物(比較例1−6、1−7)は、保形性を有するものの、離水が発生し、商品価値が著しく低かった。
ゲル化能を有する親水性化合物として、寒天を単独使用した外用剤組成物(比較例1−8)は、離水が発生し、また、保形性を付与するために寒天含量が増加した結果、べたつく触感であった。また、比較例1−8の外用剤組成物を手に塗布したところ、滓が生じた。
寒天の含量を低減し、多糖類としてキサンタンガム又はグァーガムを併用した外用剤組成物(比較例1−9、1−10)は、容器を傾けるのみで、外用剤組成物が容易に流れ落ち、また、べたつきを有する、指取れが悪いなど、使用感が十分でなかった。寒天とネイティブ型ジェランガムを併用した比較例1−11は、保形性を有するものの、べたつきを有していた。
以上のように、比較例に開示された組合せ(従来技術)では、良好な保形性と優れた使用感を有する外用剤組成物を提供することができなかった。
実施例2 マイクロゲルを含有する外用剤組成物(製法B)
表6に示す処方に従い、外用剤組成物(ジェル状化粧料)を製造した。
(I相の調製)
水、アルコール類、防腐剤及び保湿剤を混合した。これに、別途、70℃に加温しておいた可溶化剤を添加、混合し、I相を得た。
(II相の調製)
水にイオタ型カラギーナン及びローメトキシルペクチンを添加し、80℃に加熱し、溶解液を調製した。別途、水及び保湿剤を混合しておいたものを、前記溶解液に添加し、II相を得た。
(外用剤組成物の調製)
前記で調製したI相とII相を70℃で撹拌して混合後、ホモディスパーで撹拌(5000rpm)しながら塩類を添加した。引き続き撹拌しながら、冷水にて冷却し、マイクロゲルを調製した。調製したマイクロゲルを、遠心機(3000rpm、5分)を用いて脱気し、外用剤組成物を得た。
なお、製造したマイクロゲルは、目開き800μmのメッシュを篩過し、その粒子径が800μm以下であることが確認された。
(外用剤組成物の製造)
得られた外用剤組成物は、保型性に優れ、外用剤組成物を容器に充填後、容器を傾けても外用剤組成物が流動しなかった。また、得られた外用剤組成物は、表面が均一であり、優れた使用感(伸びやすさ、べたつき感のなさ、指取れのよさ)を兼ね備えており、ゲルの滓やよれが生じなかった。更には、25℃で1週間保存後の離水も確認されなかった。
実施例3 マイクロゲルを含有する外用剤組成物(製法C)
表7に示す処方に従い、外用剤組成物(ジェル状化粧料)を製造した。
(I相の調製)
アルコール類、防腐剤、抗酸化剤及び香料を混合した。これに、別途、70℃に加温しておいた可溶化剤を添加、混合し、I相を得た。
(II相の調製)
水にイオタ型カラギーナン及び寒天を添加し、80℃に加熱し、溶解液を調製した。別途、アルコール類、緩衝剤及び水を混合しておいたものを、前記溶解液に添加し、II相を得た。
(外用剤組成物の調製)
前記で調製したI相とII相を容器に添加し、混合した。次いで、混合液を冷却(容器の外側から冷水で冷却)し、固化(ゲル化)させた。固化後のゲルをホモディスパーで破砕(5000rpm)し、マイクロゲルを調製した。調製したマイクロゲルを、遠心機(3000rpm、5分)を用いて脱気し、外用剤組成物を得た。なお、製造したマイクロゲルは、目開き800μmのメッシュを篩過し、その粒子径が800μm以下であることが確認された。
得られた外用剤組成物は、保型性に優れ、外用剤組成物を容器に充填後、容器を傾けても外用剤組成物が流動しなかった。また、得られた外用剤組成物は、表面が均一であり、優れた使用感(伸びやすさ、べたつき感のなさ、指取れのよさ)を兼ね備えており、ゲルの滓やよれが生じなかった。更には、25℃で1週間保存後の離水も確認されなかった。
実験例4 マイクロゲルを含有する外用剤組成物(製法A)
表8に示す処方に従い、外用剤組成物(口腔用組成物)を製造した。
具体的には、水及びグリセリンを撹拌しながら、イオタ型カラギーナン、ゲル化能を有する親水性化合物、キシリトール、ソルビトール及びクエン酸三ナトリウムを添加し、80℃で10分間加熱し、そこへ、塩類、L−アスコルビン酸、クエン酸、甘味料、保存料、色素及び香料を添加、混合して溶解液を調製した。なお、塩類及びクエン酸は予め少量の湯に溶かしておいたものを添加した。
(実施例4−1〜4−2)
前記溶解液をホモディスパーで撹拌(5000rpm)しながら冷却(容器の外側から冷水で冷却)し、マイクロゲルを調製した。調製したマイクロゲルを、遠心機(2000rpm、5分)を用いて脱気し、外用剤組成物を得た。
なお、製造したマイクロゲルは、目開き800μmのメッシュを篩過し、その粒子径が800μm以下であることが確認された。
(比較例4−1〜4−2)
前記溶解液を容器に充填し、撹拌することなく冷却(容器の外側から冷水で冷却)することで、ゲル状の外用剤組成物を調製した。
(マイクロゲルを含有する外用剤組成物(口腔用組成物)の評価)
表4に示す基準に従って、調製した口腔用組成物を評価した。なお、「伸びやすさ」及び「べたつき感」に関しては、「ティースプーンで1杯分、手の甲に乗せ、塗布」するかわりに、「ティースプーン1杯分を口腔内粘膜(頬の内側)に塗布」することで評価した。結果を表9に示す。
イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物(カッパ型カラギーナン、又は脱アシル型ジェランガム)を併用して調製したマイクロゲルを含有する外用剤組成物(実施例4−1及び4−2)は、いずれも離水が発生せず、保形性と、優れた使用感(表面の均一性、伸びやすさ、べたつき感のなさ、指取れのよさ)を兼ね備えていた。
一方、イオタ型カラギーナンと、ゲル化能を有する親水性化合物(カッパ型カラギーナン、又は脱アシル型ジェランガム)を併用しつつも、マイクロゲル化させることなく、単にゲル化させた比較例4−1及び4−2の外用剤組成物は、均一なゲルであり、表面の均一性に優れていたものの、指で外用剤組成物をすくい難いものであり、また、伸びが悪く、口腔内に均一に塗布し難かった。


Claims (7)

  1. イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を用いて調製された、マイクロゲルを含む外用剤組成物。
  2. 前記外用剤組成物におけるイオタ型カラギーナンの含量が、0.01〜5質量%である、請求項1に記載の外用剤組成物。
  3. 前記ゲル化能を有する親水性化合物が、カッパ型カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、寒天、ローメトキシルペクチン、アルギン酸、アルギン酸塩、グルコマンナン、ゼラチン、コラーゲン及びカードランからなる群から選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の外用剤組成物。
  4. 前記外用剤組成物が、外皮用、毛髪用、口腔内粘膜用又は鼻腔内粘膜用の外用剤組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
  5. 以下の工程;
    (工程A1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
    (工程A2)工程A1で得られた溶解液を撹拌しながら、溶解液の温度をゲル化温度以下まで冷却する工程、
    を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
  6. 以下の工程;
    (工程B1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物の溶解液を調製する工程、及び
    (工程B2)工程B1で得られた溶解液を撹拌しながら、ゲル形成促進剤を添加する工程、
    を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。
  7. 以下の工程;
    (工程C1)イオタ型カラギーナン、及びゲル化能を有する親水性化合物を含有するゲルを調製する工程、及び
    (工程C2)工程C1で得られたゲルを破砕する工程、
    を含有する、マイクロゲルを含む外用剤組成物の製造方法。

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