JP2016034915A - 不飽和炭化水素の水和反応方法 - Google Patents

不飽和炭化水素の水和反応方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転化率及び収率が高い不飽和炭化水素の水和反応方法の提供。
【解決手段】不飽和炭化水素、水、及び触媒を含む混合物を、マイクロ波を用いて加熱して、不飽和炭化水素の水和物を得る加熱工程を有する、不飽和炭化水素の水和反応方法。好ましくは、前記触媒が、酸性固体物質である、不飽和炭化水素の水和反応方法。より好ましくは、前記酸性固体物質が、結晶性シリカアルミナである、不飽和炭化水素の水和反応方法。更に好ましくは、前記シリカアルミナが、ZSM−5型ゼオライトである不飽和炭化水素の水和反応方法。また、前記触媒がヘテロポリ酸水溶液である、不飽和炭化水素の水和反応方法。前記不飽和炭化水素が環状不飽和炭化水素を含む、不飽和炭化水素の水和反応方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和炭化水素の水和反応方法に関する。
不飽和炭化水素の水和反応には鉱酸などの均一系触媒や固体酸触媒が用いられる。例えばイソブテンの水和反応には固体酸触媒として、ヘテロポリ酸の水溶液(特許文献1)が用いられる。ヘテロポリ酸としては、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンタングステン酸などが用いられる。シクロヘキセンの水和反応には固体酸触媒として、強酸性のイオン交換樹脂(特許文献2,3)やゼオライトなどの固体酸触媒(特許文献4)が用いられる。エチレンの水和反応には、シリカ担体に担持したリン酸(特許文献5)やヘテロポリ酸(特許文献6)が用いられる。固体酸触媒は均一系触媒に比べ、製品と触媒の分離が比較的容易である点で優れている。一方、転化率が低く、収率が低いという問題点がある。
特公昭54−160309号公報 特公昭38−15619号公報 特公昭44−26656号公報 特開昭60−104028号公報 特開平10−101601号公報 特開2000−26343号公報
不飽和炭化水素の水和反応は生成物である不飽和炭化水素水和物の脱水反応との平衡反応であるため、転化率が低く、収率が低いという問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、転化率及び収率が高い不飽和炭化水素の水和反応方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討した結果、不飽和炭化水素及び触媒を加熱する際にマイクロ波を用いることにより、転化率が向上し、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次に示すとおりである。
〔1〕
不飽和炭化水素、水、及び触媒を含む混合物を、マイクロ波を用いて加熱して、不飽和炭化水素の水和物を得る加熱工程を有する、不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔2〕
前記触媒が、酸性固体物質を含む、前項〔1〕に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔3〕
前記酸性固体物質が、結晶性シリカアルミナを含む、前項〔2〕に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔4〕
前記結晶性シリカアルミナが、ZSM−5型ゼオライトを含む、前項〔3〕に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔5〕
前記不飽和炭化水素が、環状不飽和炭化水素を含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔6〕
前記不飽和炭化水素が、シクロヘキセンを含む、前項〔5〕に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔7〕
前記触媒が、ヘテロポリ酸水溶液を含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔8〕
前記不飽和炭化水素が、イソブテンを含む、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
〔9〕
前記水和物が、アルコールを含む、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
本発明によれば、不飽和炭化水素の水和反応において、転化率及び収率が高い不飽和炭化水素の水和反応方法を提供することができる。
本実施形態において用い得る回分式マイクロ波反応装置を示す模式図である。 本実施形態において用い得る連続槽型マイクロ波反応装置を示す模式図である。 本実施形態において用い得る固定床式マイクロ波反応装置を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔不飽和炭化水素の水和反応方法〕
本実施形態の不飽和炭化水素の水和反応方法は、不飽和炭化水素、水、及び触媒を含む混合物を、マイクロ波を用いて加熱して、不飽和炭化水素の水和物を得る加熱工程を有する。
〔加熱工程〕
加熱工程は、不飽和炭化水素、水、及び触媒の混合物を、マイクロ波を用いて加熱して、不飽和炭化水素の水和物を得る工程である。
(不飽和炭化水素)
不飽和炭化水素としては、特に限定されないが、例えば、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロオクテン、シクロドデセン、ノルボルネンのような環状不飽和炭化水素;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1,3−ブタジエン、1−ペンテン、1−ヘキセンのような直鎖状又は分岐状不飽和炭化水素等が挙げられる。不飽和炭化水素は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(水)
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。
(有機溶媒)
混合物は、有機溶媒を含んでもよい。有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、フェネチルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、αイソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、βイソホロン(3,5,5−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−オン)、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノンなどが挙げられる。有機溶媒を用いることにより、転化率がより向上する傾向にある。有機溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
不飽和炭化水素としてシクロヘキセンを用いる場合の有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、フェネチルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、αイソホロン(3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、βイソホロン(3,5,5−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−オン)、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノン等が挙げられる。このなかでも、好ましいのはエチレングリコールモノフェニルエーテル、αイソホロン、βイソホロン、αイソホロンとβイソホロンの混合物であり、より好ましいのはαイソホロン、βイソホロン、αイソホロンとβイソホロンの混合物である。なお、これらの組み合わせに限らず、任意の溶媒を混合物して用いてよい。
有機溶媒の含有量は、反応器内の原料、生成物(不飽和炭化水素の水和物)、及び溶媒の総量に対して、好ましくは5mol%以上50mol%以下であり、より好ましくは10mol%以上40mol%以下であり、さらに好ましくは15mol%以上40mol%以下である。有機溶媒の含有量が上記範囲内であることにより、転化率がより向上する傾向にある。
(触媒)
触媒としては、特に限定されないが、例えば、酸性水溶液、酸性固体物質が挙げられる。このなかでも、生成物と触媒の分離の容易さの観点から、酸性固体物質が好ましい。触媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
酸性水溶液としては、特に限定されないが、例えば、硫酸水溶液、塩酸水溶液、ヘテロポリ酸水溶液などが挙げられる。このなかでも、2量体などの副生成物が少ないことから、ヘテロポリ酸水溶液が好ましい。
ヘテロポリ酸としては、特に限定されないが、例えば、リンモリブデン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングステン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸などが挙げられる。
酸性水溶液の含有量は、水の重量に対して、好ましくは20質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上85質量%以下であり、さらに好ましくは35質量%以上80質量%以下である。酸性水溶液の含有量が35質量%以上であることにより、転化率がより向上する傾向にある。また、酸性水溶液の含有量が80質量%以下であることにより、選択率がより向上する傾向にある。
酸性固体物質としては、特に限定されないが、例えば、結晶性シリカアルミナ、酸性イオン交換樹脂、二酸化ジルコニウム、二酸化錫、二酸化チタンなどのような実質的に水に不溶の酸性酸化物が挙げられる。このなかでも、活性および選択率の観点から、結晶性シリカアルミナが好ましい。
酸性固体物質としては、酸性物質を担持した触媒が挙げられる。担体としては、シリカゲルや珪藻土などが挙げられる。担持する酸としては、リン酸、ヘテロポリ酸を担持したなどが挙げられる。
結晶性シリカアルミナとしては、特に限定されないが、例えば、A型ゼオライト、X型フォージャサイト、Y型フォージャサイト、L型ゼオライト、モルデナイト、オフレタイト、エリオナイト、フェリエライト、β型ゼオライト、ZSM−4型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト、ZSM−8型ゼオライト、ZSM−11型ゼオライト、ZSM−12型ゼオライト、ZSM−35型ゼオライト、ZSM−48型ゼオライト等が挙げられる。このなかでも、高い活性が得られることから、ZSM−5型ゼオライトが好ましい。
結晶性シリカアルミナは、イオン交換によって酸型にして用いることが好ましい。交換導入されるカチオン種としては酸性を発現できれば特に制限はなく、例えば、プロトン、アルカリ土類金属、チタン族、鉄鏃、白金族、希土類金属などが挙げられる。このなかでも、最も好ましいのはプロトンである。
酸性固体物質は水中おいて、スラリー状となる。酸性固体物質の含有量は、水の重量に対して、好ましくは5.0質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは6.0質量%以上45質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以上40質量%以下である。酸性固体物質の含有量が5.0質量%以上であることにより、転化率がより向上する傾向にある。また、酸性固体物質の含有量が50質量%以下であることにより、スラリーの粘度が低下し、送液性などの取り扱い性がより向上する傾向にある。
加熱工程における反応温度は、転化率を高め、且つ、副生物の生成や触媒劣化を抑制する観点から、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは55〜240℃であり、さらに好ましくは、60〜220℃である。
また、加熱工程における反応圧力は、上記反応温度において炭素数4以上の不飽和炭化水素が液相を保つ圧力であれば特に制限されず、好ましくは0.10〜8.0MPaであり、より好ましくは0.2〜7.5MPaであり、さらに好ましくは0.3〜7.0MPaである。炭素数3以下の不飽和炭化水素の場合は、気相であってもよく、圧力は特に制限されないが、好ましくは0.5〜10.0MPaであり、より好ましくは0.5〜8MPaであり、さらに好ましくは0.5〜7.0MPaである。
さらに、加熱工程における反応雰囲気としては、特に限定されないが、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素などの不活性気体雰囲気が挙げられる。このなかでも、反応の安定性の観点から、窒素雰囲気がより好ましい。反応雰囲気における酸素濃度は、低いことが好ましく、より好ましくは1.0vol%以下であり、さらに好ましくは0.2vol%以下である。
加熱工程における水と不飽和炭化水素のモル比(水/不飽和炭化水素)は、平衡の観点から、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは2.0以上であり、さらに好ましくは2.5以上である。
(不飽和炭化水素の水和物)
不飽和炭化水素の水和物としては、特に限定されず、例えば、上記不飽和炭化水素の不飽和結合基に、HないしOHが付加した水和物が挙げられる。不飽和炭化水素の水和物は、アルコールであることが好ましい。不飽和炭化水素の水和物がアルコールである場合、本実施形態の不飽和炭化水素の水和反応方法は、アルコールの製造方法となる。
(マイクロ波照射)
加熱工程における加熱はマイクロ波照射によって行われる。加熱にマイクロ波を用いることにより、不飽和炭化水素の水和反応の転化率が向上する。このメカニズムについては、明確ではないが、不飽和炭化水素及び生成する水和物よりも水の方が、マイクロ波吸収効率が高く、選択的に加熱される。そのため、生成した水和物の脱水反応よりも、不飽和炭化水素と水の平衡反応である、活性化される水分子による水和反応が、より活発になる。その結果、水和反応の転化率が上がるものと発明者は推測している。
マイクロ波の周波数は特に限定されず、好ましくは300MHz〜3THzであり、より好ましくは0.3GHz〜5GHzであり、さらに好ましくは0.4MHz〜3GHzである。マイクロ波の周波数が上記範囲内であることにより、水の加熱効率がより向上する傾向にある。
マイクロ波の出力は特に限定されず、反応温度まで昇温し、反応温度を維持できる出力であればよい。
〔マイクロ波反応装置〕
加熱工程において用い得るマイクロ波反応装置について、以下例を挙げて説明するが、マイクロ波反応装置はこれらに限定されない。
図1は、本実施形態において用い得る回分式マイクロ波反応装置を示す模式図である。回分式マイクロ波反応装置1は、反応器2と、反応器にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射装置3と、マイクロ波照射装置3に導波管で接続された高周波電源4と、反応器2内の混合物を攪拌するための攪拌機5と、を備える。
反応器2の材質としては、特に限定されないが、マイクロ波を透過する材料が好ましく、石英がより好ましい。マイクロ波照射装置3の構造及び材質は特に限定されないが、マイクロ波遮蔽のため、金属製の箱に反応器が覆われていることが好ましい。
図2は、本実施形態において用い得る連続槽型マイクロ波反応装置を示す模式図である。連続槽型マイクロ波反応装置10は、連続槽型反応器11と、連続槽型反応器11にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射装置12と、連続槽型反応器11に接続された原料タンク13と、連続槽型反応器11に接続された触媒スラリータンク14と、連続槽型反応器11に原料を送液するための送液ポンプ15と、連続槽型反応器11に触媒スラリーを送液するための送液ポンプ16と、連続槽型反応器11内の混合物を攪拌するための攪拌機17と、連続槽型反応器11に接続された製品タンク18と、マイクロ波照射装置12に導波管で接続された高周波電源19と、を備える。
原料タンク13には、不飽和炭化水素、並びに、必要に応じて水及び/又は有機溶媒が充填されている。また、触媒スラリータンク14には、触媒、並びに、必要に応じて水及び/又は有機溶媒が充填されている。原料タンク13及び触媒スラリータンク14から、原料及び触媒スラリーが、送液ポンプ15、16を介して、連続槽型反応器11に連続的に送液され、連続槽型反応器11で生じた生成物が、連続的に製品タンク18に排出されることで、連続運転が可能となる。
図3は、本実施形態において用い得る固定床式マイクロ波反応装置を示す模式図である。固定床式マイクロ波反応装置20は、固定床式反応器21と、固定床式反応器21にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射装置22と、固定床式反応器21に接続された原料タンク23と、固定床式反応器21に接続された水タンク24と、固定床式反応器21に原料を送液するための送液ポンプ25と、固定床式反応器21に水を送液するための送液ポンプ26と、固定床式反応器21に接続された製品タンク27と、マイクロ波照射装置22に導波管で接続された高周波電源28と、を備える。気相反応を行う場合は送液ポンプ25を原料ガス流量制御用のマスフローに置き換え、水を送液するポンプ26の後に水の気化器と水蒸気流量制御用のマスフローを増設する。
固定床式反応器21の材質としては、特に限定されないが、マイクロ波を透過する材料であることが好ましく、石英がより好ましい。
〔その他の工程〕
本実施形態の不飽和炭化水素の水和反応方法は、その他の工程を含むことができる。その他の工程としては、特に限定されないが、例えば、水−触媒スラリー撹拌工程、原料−水−触媒スラリー予備加熱工程、油層−水−触媒分離工程、蒸留工程などが挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔実施例1〕
SiO2/Al23比が28であるH型のZSM−5ゼオライト(日揮触媒化成社製)を触媒として、図1に示した回分式マイクロ波反応装置を用いて、シクロヘキセンの水和反応を行った。反応器としては100mLの石英製円筒型耐圧容器1を用いた。
反応器内を窒素ガス置換した後、シクロヘキセン29.5gと、水と触媒を重量比9:1で混合した触媒スラリー36gと、を入れた。反応器をマイクロ波照射装置の中に入れ、周波数2.45GHzのマイクロ波照射を行った。反応温度は120℃であり、マイクロ波の出力を制御することで温度調整を行った。攪拌機4を用いて反応器内の液体を2000rpmで撹拌しながら1時間反応を行った。
反応後、反応液を静置することでシクロヘキセンの水和物と未反応シクロヘキセンを含む油層と、触媒と未反応水を含む水層と、を分離し、油層からサンプリングしてガスクロマトグラフィー(島津製作所社製;GC−2010plus)を用いて、油層中のシクロヘキサノールの濃度を測定し、選択率、シクロヘキセンの転化率を求めた。測定条件を以下に示す。
[測定条件]
カラム :Agilent Technologies社製の「HP−INNOWAX」(商品名)[内径0.32mm、長さ60m]
サンプリングラインの温度:250℃に保持
サンプル液量:1μL
キャリアガス:He
カラム流量 :0.29mL/分
スプリット比:400
カラムの昇温プログラム:分析開始から5分間は80℃に保持、その後10℃/分で220℃まで昇温した後、220℃で10分保持した。
組成分析を行った結果、シクロヘキセンの転化率は8.9%、シクロヘキサノールの選択率は99.8%であった。
〔比較例1〕
回分式マイクロ波反応装置を用いずに実施例1の反応器をオイルバスに入れ加熱した以外は、実施例1と同じ条件でシクロヘキセンの水和反応を行った。その結果、シクロヘキセンの転化率は8.2%、シクロヘキサノールの選択率は99.8%であった。
〔実施例2〕
実施例1の回分式マイクロ波反応装置を用い、イソブテンの水和反応を行った。反応器にイソブテン20gと、リンとモリブデンのモル比1:12のリンモリブデン酸50gを水100gに溶解したヘテロポリ酸水溶液150gと、を入れ、反応温度を80℃とした以外は実施例1と同じ条件で反応させた。油層の組成分析を行った結果、イソブテンの転化率は8.2%、ターシャリーブチルアルコールの選択率は99.9%であった。
〔比較例2〕
回分式マイクロ波反応装置を用いずに実施例2の反応器をオイルバスに入れ加熱した以外は、実施例2と同じ条件でイソブテンの水和反応を行った。その結果、イソブテンの転化率は7.4%、ターシャリーブチルアルコールの選択率は99.9%であった。
〔実施例3〕
図2に示した連続槽型マイクロ波反応装置を用いて水和反応を行った。反応器は1Lの石英製円筒型耐圧容器を用いた。反応器下部には原料供給配管及び触媒スラリー供給配管が接続されており、原料のシクロヘキセンと、水と触媒を混合したスラリーと、を供給し、反応器上部から生成物、未反応物、触媒等を抜出しながら反応させる連続槽型マイクロ波反応装置とした。
原料であるシクロヘキセンを貯蔵した原料タンクと、水と触媒を重量比9:1で混合した触媒スラリーを貯蔵した触媒スラリータンクには送液ポンプがそれぞれ接続されており、シクロヘキセンを7.38g/分、触媒水スラリー9g/分で反応器に送液した。反応器内は予め窒素置換してから送液を開始した。反応器をマイクロ波照射装置の中に入れ、周波数2.45GHzのマイクロ波照射を行った。反応温度は120℃であり、マイクロ波の出力を制御することで温度調整を行った。攪拌機を用いて反応器内の液体を2000rpmで撹拌しながら3時間連続反応を行った。
反応後の生成物、未反応物、及び触媒は上部より送液速度と同じ速度で連続して抜き出し、製品タンクに一時保管した。製品タンクで静置することで生成物と未反応シクロヘキセンを含む油層と、触媒と未反応水を含む水層と、を分離し、油層からサンプリングして実施例1と同じ条件で分析した。その結果、シクロヘキセンの転化率は8.7%、シクロヘキサノールの選択率は99.8%であった。
〔比較例3〕
図2に示した連続槽型マイクロ波反応装置の石英製円筒型耐圧容器の周りにシースヒーターを設置し、マイクロ波は使用せずにヒーターのみで加熱した以外は実施例1と同じ条件でシクロヘキセンの水和反応を行った。その結果、シクロヘキセンの転化率は8.2%、シクロヘキサノールの選択率は99.8%であった。
〔実施例4〕
SiO2/Al23比が30であるH型のZSM−5ゼオライト(日揮触媒化成社製)に20質量%のγアルミナ(和光純薬工業社製)をバインダーとして混合したものを圧縮成形し、平均粒子径1mm以上3mm以下の粒子を触媒として得た。得られた触媒を用いて、図3に示した固定床式マイクロ波反応装置により、シクロヘキセンの水和反応を行った。
反応器は内径2.5cm、長さ30cmの石英製耐圧管で作製した固定床型反応管を用いた。反応管には上記の粒子状触媒を85g充填した。原料のシクロヘキセンを貯蔵した原料タンクと、水を貯蔵した水タンクには送液ポンプがそれぞれ接続されており、シクロヘキセンを24g/時間、触水を12g/時間で反応管に送液した。反応器内は予め窒素置換してから送液を開始した。反応器をマイクロ波照射器の中に入れ、周波数2.45GHzのマイクロ波照射を行った。反応温度は120℃であり、マイクロ波の出力を制御することで温度調整を行った。この状態で3時間連続反応を行った。
反応後の生成物、未反応物、及び触媒は製品タンクに一時保管した。製品タンクで静置することで生成物と未反応シクロヘキセンを含む油層と、触媒と未反応水を含む水層と、を分離し、油層からサンプリングして実施例1と同じ条件で分析した。その結果、シクロヘキセンの転化率は7.2%、シクロヘキサノールの選択率は99.9%であった。
〔比較例4〕
図3に示した固定床式マイクロ波反応装置の反応管の周りにシースヒーターを設置し、マイクロ波は使用せずにヒーターのみで加熱した以外は実施例3と同じ条件でシクロヘキセンの水和反応を行った。その結果、シクロヘキセンの転化率は6.8%、シクロヘキサノールの選択率は99.9%であった。
本発明は、不飽和炭化水素の水和反応を行う方法として、産業上の利用可能性を有する。
1:回分式マイクロ波反応装置
2:回分型反応器
3:マイクロ波照射装置
4:高周波電源
5:攪拌機
10:連続槽型マイクロ波反応装置
11:連続槽型反応器
12:マイクロ波照射装置
13:原料タンク
14:触媒スラリータンク
15:送液ポンプ
16:送液ポンプ
17:攪拌機
18:製品タンク
19:高周波電源
20:固定床式マイクロ波反応装置
21:固定床型反応管
22:マイクロ波照射装置
23:原料タンク
24:水タンク
25:送液ポンプ
26:送液ポンプ
27:製品タンク
28:高周波電源

Claims (9)

  1. 不飽和炭化水素、水、及び触媒を含む混合物を、マイクロ波を用いて加熱して、不飽和炭化水素の水和物を得る加熱工程を有する、不飽和炭化水素の水和反応方法。
  2. 前記触媒が、酸性固体物質を含む、請求項1に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
  3. 前記酸性固体物質が、結晶性シリカアルミナを含む、請求項2に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
  4. 前記結晶性シリカアルミナが、ZSM−5型ゼオライトを含む、請求項3に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
  5. 前記不飽和炭化水素が、環状不飽和炭化水素を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
  6. 前記不飽和炭化水素が、シクロヘキセンを含む、請求項5に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
  7. 前記触媒が、ヘテロポリ酸水溶液を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
  8. 前記不飽和炭化水素が、イソブテンを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
  9. 前記水和物が、アルコールを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の不飽和炭化水素の水和反応方法。
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