JP2016034259A - 耐熱性微生物の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温において増殖能力が向上した微生物、又は生育限界温度が上昇した微生物の作製方法を提供すること。
【解決手段】活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を微生物に導入し、前記遺伝子を前記微生物内で発現させて耐熱性微生物を作製する。活性酸素消去酵素をコードする遺伝子が、スーパーオキシドディスムターゼ、細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、チトクロムcペルオキシダーゼ、アルキルヒドロペルオキシダーゼ、鉄依存性ペルオキシダーゼ、アルキルヒドロペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、チオレドキシンからなる群から選択される少なくとも1つの酵素をコードする遺伝子であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性微生物の作製方法に関し、より詳しくは、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を微生物に導入し、前記遺伝子を前記微生物内で発現させることを特徴とする耐熱性微生物の作製方法に関する。
人類は、古来より、お酒、酢、醤油など、近年ではクエン酸やアミノ酸の工業的な発酵生産などにおいて、身近に存在する非常に多くの常温生育微生物を利用してきた。かかる微生物を培養して発酵を行った場合には発酵熱により培地の温度が上昇し、発酵生産能が損なわれる。そのため、工業的な発酵生産においては発酵槽の温度を30℃以下に維持することが必要となるが、そのために多大な水道代や光熱費、冷却のための設備などの冷却コストが必要となる。
そこで、高温適応能力を有する変異株の開発が進められている。発明者らは、タイで耐熱性発酵微生物を分離し、段階的に培養温度を繰り返し培養することにより39〜41℃での適応能力が付与された、酢酸発酵能力を有する酢酸菌(特許文献1、非特許文献1参照)や、FAD−グルコン酸脱水素酵素遺伝子を破壊し、30〜38℃で5−ケト−D−グルコン酸生産能を有するグルコノバクター属の変異株(特許文献2参照)やmarR遺伝子又はpermease遺伝子を破壊し、高温下での生育能力や酢酸発酵能力を備えた、酢酸生産能が向上した酢酸菌の育種方法(特許文献3参照)を提案した。
これらの高温適用能力を有する変異株により、高温下又は非温度制御条件で発酵生産を行うことが可能となるが、特定の株における変異株であり、かかる技術を他の発酵微生物において適用できるか明らかでなく、応用面で満足のいくものではなかった。
特開2010−110298号公報 特開2012−044868号公報 特開2014−064477号公報
Matsutani M et. al., J Biotechnol. 165(2):109-119 (2013)
本発明の課題は、高温において増殖能力が向上した微生物、又は生育限界温度が上昇した微生物の作製方法を提供することにある。
古くより、新しい機能を持つ微生物を自然界に探索する研究は微生物学の基本であり、特に最近は、深海や地底などの極限の世界からこれまでに人類が遭遇していない微生物の探索が盛んである。発明者らは、こうした探索とは全く違う視点で、古来より利用してきた有用微生物の中に、まだ知られていない耐熱性に関わる因子を探索することで、耐熱性微生物の作製を試みた。そのなかで、微生物の高温下での生育に酸化ストレスが重要な役割を果たしていることを発明者ら自らの研究によって明らかにした。そこで、複数の発酵微生物において、それぞれの菌における酸化ストレス抑制に係る遺伝子の発現を試みたところ、高温での増殖能力を向上させることや、菌株の生育限界温度を上昇させることが可能であることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に開示されるとおりのものである。
(1)活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を微生物に導入し、前記遺伝子を前記微生物内で発現させることを特徴とする耐熱性微生物の作製方法。
(2)活性酸素消去酵素をコードする遺伝子が、スーパーオキシドディスムターゼ、細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、チトクロムcペルオキシダーゼ、アルキルヒドロペルオキシダーゼ、鉄依存性ペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、チオレドキシンからなる群から選択される少なくとも1つの酵素をコードする遺伝子であることを特徴とする上記(1)記載の方法。
(3)活性酸素消去酵素をコードする遺伝子が、次の(a)〜(e)に示される酵素から選択される少なくとも1つの酵素をコードする遺伝子であることを特徴とする上記(2)記載の方法。
(a)コリネ型細菌由来のスーパーオキシドディスムターゼ;
(b)酵母由来の細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、又はチトクロムcペルオキシダーゼ;
(c)ザイモモナス属細菌由来のアルキルヒドロペルオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、又は鉄依存性ペルオキシダーゼ;
(d)大腸菌由来のカタラーゼ、又はスーパーオキシドディスムターゼ;
(e)酢酸菌由来のアルキルヒドロペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、又はチオレドキシン;
(4)活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を、前記遺伝子の由来源となる微生物に導入することを特徴とする上記(3)記載の方法。
(5)活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を含む発現ベクターを微生物に導入することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の方法。
本発明により、高温において増殖能力が向上した微生物、又は生育限界温度が上昇した微生物を作製することが可能となる。かかる微生物を用いれば、工業的な発酵生産において、多大な水道代や光熱費、冷却のための設備などの冷却コストを低減することが可能となる。
染色体sodA遺伝子破壊株、及び、染色体sodA遺伝子発現株の作製方法の概略を示す図である。 SOD活性染色アッセイにおけるnative−PAGE法による電気泳動の結果を示す図である。 KY9002株のsodA遺伝子破壊株(−▲−)、sodA発現株(−●−)、野生株((−○−):vector control)の生育を調べた結果を示す図である。 プラスミドp[KmCDC19p-yEmRFP-ADE2c-KmCenD-ARS7-URA3]のマップを示す図である。 CTT1遺伝子、CCP1遺伝子、CTA1遺伝子を発現する形質転換体RAK11257株(−◆−)、RAK11258株(−▲−)、RAK11259株(−■−)の生育を調べた結果を示す図である。 CTT1遺伝子のみ、CTT1遺伝子及びCCP1遺伝子、CTT1遺伝子及びCTA1遺伝子を発現する形質転換体RAK11985株、RAK11988株、RAK11989株の生育を調べた結果を示す図である。 活性酸素消去酵素をコードする遺伝子が導入されたベクター(pZA-ahpC、pZA-sod、pZA-ZMO1573)の作製概要を示す図である。 ザイモモナス・モビリスにおいて、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を発現させた場合の細胞濁度(上段:Cell growth))と培養液中のエタノール濃度(下段:Ethanol production))の測定結果を示す図である。 大腸菌において、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を発現させた場合のLB寒天培地上のコロニー数の測定結果を示す図である。 アルキルヒドロペルオキシダーゼをコードする遺伝子を含む領域の配列を示す図である。 ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼをコードする遺伝子を含む領域の配列を示す図である。 スーパーオキシドディスムターゼをコードする遺伝子を含む領域の配列を示す図である。 チオレドキシンをコードする遺伝子を含む領域の配列を示す図である。 酢酸菌において、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を発現させた場合のLB寒天培地上の生育結果を示す図である。
本発明の耐熱性微生物の作製方法としては、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を微生物に導入し、前記遺伝子を前記微生物内で発現させることを特徴とする耐熱性微生物の作製方法であれば特に制限されず、活性酸素消去酵素とは、生体中に発生する活性酸素を除去しうる酵素を意味する。なお、活性酸素としては、スーパーオキシドアニオンラジカル(スーパーオキシドともいう)、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素などが挙げられる。
上記活性酸素消去酵素としては、活性酸素消去に関わる酵素であれば特に制限されず、スーパーオキシドディスムターゼ、細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、チトクロムcペルオキシダーゼ、アルキルヒドロペルオキシダーゼ、鉄依存性ペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、チオレドキシン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン還元酵素、グルタチオンS基転移酵素、ミトコンドリアペルオキシレドキシンを挙げることができ、スーパーオキシドディスムターゼ、細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、チトクロムcペルオキシダーゼ、アルキルヒドロペルオキシダーゼ、鉄依存性ペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、チオレドキシンを好適に挙げることができ、(a)コリネ型細菌由来のスーパーオキシドディスムターゼ;(b)酵母由来の細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、又はチトクロムcペルオキシダーゼ;(c)ザイモモナス属細菌由来のアルキルヒドロペルオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、又は鉄依存性ペルオキシダーゼ;(d)大腸菌由来のカタラーゼ、又はスーパーオキシドディスムターゼ;(e)酢酸菌由来のアルキルヒドロペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、又はチオレドキシン;の(a)〜(e)に示される酵素をより好適に挙げることができる。
上記コリネ型細菌としては特に制限されないが、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、アースロバクター属、に属する細菌を挙げることができ、コリネバクテリウム属に属する細菌を好適に挙げることができ、コリネバクテリウム・グルタミクムをより好適に挙げることができる。
上記酵母としては特に制限されないが、クルイベロマイセス属、サッカロマイセス属、ピキア属、カンジダ属、デバリオマイセス属、ハンゼヌラ属、メチニコウィア属、ネマトスポラ属、サッカロマイコデス属、シゾサッカロマイセス属、シュワニオマイセス属、トリコスポロン属、トルロプシス属、ロドトルラ属、ヤローウィア属に属する酵母を挙げることができ、クルイベロマイセス属に属する酵母を好適に挙げることができ、クルイベロマイセス・マルシアヌスをより好適に挙げることができる。
上記ザイモモナス属細菌としてはザイモモナス属に属する細菌である限り特に制限されないが、ザイモモナス・モビリスを挙げることができる。
上記酢酸菌としては特に制限されないが、グルコンアセトバクター属、グルコノバクター属、タンチカロエニア属、アセトバクター属、アサイア属、アシドモナス属、グラニュリバクター属に属する細菌を挙げることができ、グルコンアセトバクター・ユーロピアス、グルコノバクター・オキシダンス、グルコンアセトバクター・キシリナス、タンチカロエニア・サカエラテンシス、アセトバクター・パスツリアナスを好適に挙げることができ、グルコンアセトバクター・ユーロピアス、グルコノバクター・オキシダンス、グルコンアセトバクター・キシリナスをより好適に挙げることができる。
本発明において、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を微生物に導入し、前記遺伝子を前記微生物内で発現させる方法としては特に制限されないが、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を含む発現ベクターを微生物に導入することにより、前記遺伝子を前記微生物内で発現させる方法を好適に挙げることができる。また、複数の活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を微生物で発現させてもよく、たとえば、酵母由来の細胞質カタラーゼ及びペルオキシゾームカタラーゼや、酵母由来の細胞質カタラーゼ及びチトクロムcペルオキシダーゼを酵母で発現させる方法を挙げることができる。
上記遺伝子を微生物に導入する方法としては、エレクトロポレーション法、酢酸リチウム法、リポフェクション法、リン酸カルシウムトランスフェクション法、マイクロインジェクション法などの一般的な遺伝子導入手法を用いることができる。
上記活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を含む発現ベクターとしては上記活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を含む限り特に制限されないが、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を発現できる位置にプロモーター、エンハンサー、ターミネーターなどの制御配列を含有している発現ベクターを好適に挙げることができる。また、上記発現ベクターとしては、宿主細胞において自立複製可能であるものや、宿主細胞の染色体中へ組込み可能であるものが好ましい。
本発明においては、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を、前記遺伝子の由来源となる微生物に導入することが好ましく、前記遺伝子の由来となった微生物としては、前記遺伝子の由来となった微生物と同じ門、好ましくは同じ科、より好ましくは同じ属、さらに好ましくは同じ種に属する微生物を挙げることができる。たとえば、酢酸菌アセトバクター パスツリアヌス由来の活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を、酢酸菌グルコノバクター・オキシダンス、グルコンアセトバクター・ユーロピアス、グルコンアセトバクター・キシリナスに導入することができる。
本発明において、耐熱性微生物としては、野生株(活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を導入していない株)と比較して33℃〜47℃の範囲のいずれかの温度において培養した場合に増殖能力が高い微生物や、生育限界温度が上昇した微生物を挙げることができる。
上記増殖能力は、例えば、微生物を一般的な微生物の培地で18〜40時間培養して培地の濁度を測定し、その濁度を指標として評価でき、具体的には、上記条件で培養した場合に、野生株と比較して培地の濁度が1.1倍、好ましくは1.2倍、より好ましくは1.5倍、さらに好ましくは1.8倍である微生物は、増殖能力が高い微生物と評価することができる。培地の濁度は、例えばクレットサマーソン光電光度計(ベルアート社製)を用いて測定することができる。
また、上記生育限界温度は、例えば、微生物を一般的な微生物の培地で、生育限界温度及び段階的に生育限界温度から温度を上昇させて18〜40時間培養した場合の微生物の生育で評価することができ、具体的には、生育限界温度より1℃以上、好ましくは2℃以上、より好ましくは3℃以上、さらに好ましくは4℃以上の高温の培地で生育可能な微生物は、生育限界温度が上昇した微生物と評価することができる。上記高温での微生物の生育については、高温の培地で培養し、培地の濁度をクレットサマーソン光電光度計や分光光度計で測定することや、高温の培地で継代培養を複数回行い、安定して増殖するか否かを調べることによって確認することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の発現によるコリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)の耐熱化]
(コリネバクテリウム・グルタミクムの染色体sodA遺伝子破壊株の作製)
プライマーSodA-L(配列番号1:5’-CAACTTCGCCGTCTGGATTGTAG-3’)とプライマーSodA-R(配列番号2:5’-CCTTGCTATCTATTGCTTGGCTCAT-3’)を用い、コリネバクテリウム・グルタミクムKY9714株(Hirasawa T. et al., J Bacteriol. 182(10):2696-701(2000):以下、単に「KY9714株」ともいう)のゲノムDNAをテンプレートとしてPCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),95℃ 30sec,45℃ 30sec,75℃ 1.5min,35サイクル)を行い、3.7kbのKY9714株sodA遺伝子断片を増幅した。増幅した断片をpGEM(登録商標)-Teasyベクター(プロメガ社製)に連結して組換えプラスミドpT-3.7SodAを作製した。pTKm(Yoshida et al., Microbiology 149:431-444(2003))プラスミドのEcoRV部位から分離したカナマイシン耐性遺伝子カセットをpT-3.7SodAに連結し、AatIで処理した。得られたプラスミドpT-3.7SodA-Kmを用い、エレクトロポレーション法によりコリネバクテリウム・グルタミクムKY9002株(Kinoshita et al.,(1958)、以下、単に「KY9002株」ともいう)を形質転換し、カナマイシン耐性クローンを選択してKY9002-sodA遺伝子破壊株を得た。カナマイシンカセットがこれらのクローンのsodA遺伝子に連結していることはPCRによって確認した。
コリネバクテリウム・グルタミクムにおける染色体sodA遺伝子破壊株の作製方法、及び、後述する染色体sodA遺伝子発現株の作製方法の概略を図1に示す。
(コリネバクテリウム・グルタミクムにおける染色体sodA遺伝子の発現株の作製)
自己のプロモーターを含む全sodA遺伝子をPCRによって増幅することによって、コリネバクテリウム・グルタミクムのsodA遺伝子の発現プラスミドを作製した。
まず、KY9714株のゲノムDNAからsodA遺伝子を増幅するために、プライマーSod-1.4-BamL(配列番号3:5’-TTCTTTCCACGGATCCGTCA-3’)とプライマーSod-1.4-BamR(配列番号4:5’-GGTTGGTGTGGATCCTGGAGG-3’)を用いて上述と同様の条件でPCRを行った。得られた約1.4kbのDNA断片をpGEM-Teasyベクターにクローニングし、組換えプラスミドpT-1.4SodAを作製した。
次に、pT-1.4SodAをBamHIで処理した。なお、プライマーSod-1.4-BamLとプライマーSod-1.4-BamRにはBamHIで消化される「GGATCC」配列を含んでいる。BamHIで処理した断片をpCS299Pベクター(国際公開第2000/63388号パンフレット)にサブクローニングし、組換えプラスミドpCS-1.4SodAを作製した。得られたプラスミドpCS-1.4SodAを用い、エレクトロポレーション法によりKY9002株を形質転換した。カナマイシン耐性クローンを選択し、KY9002-sodA発現株を得た。プラスミドの存在は上記sodA発現株からのプラスミドDNAの単離、消化によって確認した。なお、コントロールとして空pCS299Pベクターを用い、KY9002株を形質転換して野生株(vector control)を得た。
(SOD活性染色アッセイ)
5mLのLB培地で18時間培養して調製した前培養液1mLを、0.01%の酵母エキスを添加した100mLのグルコース最少培地を入れた500mLの三角フラスコに移して、上記で作製した各菌体を30℃にて、200rpmで振とう培養した。グルコース最少培地の組成は、1L中に10gのグルコース又は20mLの乳酸ナトリウム、1gのKH2PO4、3gのK2HPO4、3gのNH4Cl、2gの尿素、0.5gのMgSO4−7H2O、10mgのFeSO4−7H2O、1mgのMnSO−7H2O、30μgのビオチン、1mgのthiamin‐HCl、20mgのcystein−HCl、0.5gのカザミノ酸、1mLの金属混合液とした。金属混合液の組成は、1L中に990mgのFeSO4−7H2O、880mgのZnSO4−7H2O、393mgのCuSO4−5H2O、72mgのMnCl2−4H2O、88mgのNa247−10H2O、37mgの(NH6Mo724−4H2Oとした。
上記で培養した培地を遠心により回収し、20mMのpotassium phosphate buffer(KPB、pH7.5)で2回洗浄した。洗浄した菌体を、0.5mg/mLのリゾチームの存在下、上記KPBを菌体1湿重量(g)あたり2.5mLとなるように加えて再懸濁した。懸濁した菌体は80rpmで1時間、30℃でインキュベートした。その後、リゾチームで処理した菌体はフレンチプレス(16、000psi)で2回破砕し、菌体の破壊片を6,000rpm、5分、4℃で遠心して除いた。上澄みを40,000rpm、30分、4℃で超遠心し、可溶性画分と沈殿に分離した。可溶性細胞質画分を菌体のSOD活性の測定に用いた。細胞質画分をnative−PAGE法(10%、4℃)で電気泳動した。ゲルは最初に2.45mMのNitroblue tetrazolium(NBT)液中、暗所でインキュベートし、その後20μMのリボフラビン溶液中、室温で20分インキューベートした。さらに、白色光照射下で28mMのtetramethylethylenediamine(TEMED)に浸した。照射中、光はリボフラビンのスーパーオキシドアニオン(O2 -)への還元を誘導し、かかるO2 -がNBTを還元し、青色を呈するフォルマザン顆粒を生成する。ゲル中のSODはO2 -を除去し、NBTからフォルマザンへの還元を妨げ、その結果、SOD活性を有する領域が無彩色バンドとして現れる。
native−PAGE法による電気泳動結果を図2に示す。図2に示すように、KY9002株のsodA遺伝子破壊株はSOD活性が見られず、一方、sodA発現株は野生株と比較して過剰にSODが発現していることが確認された。
(菌体の生育)
5mLのLB培地で18時間培養して調製した前培養液1mLを、0.01%の酵母エキスを添加した100mLのグルコース最少培地を入れた500mLの三角フラスコに移して、上記で作製したKY9002株のsodA遺伝子破壊株、sodA発現株及び野生株(vector control)を30℃、37℃、39℃、40℃にて、200rpmで振とう培養した。グルコース最少培地の組成は、上述と同様である。菌体の生育はクレットサマーソン光電光度計によって濁度を測定することによって調べた。
KY9002株のsodA遺伝子破壊株、sodA発現株、野生株(vector control)の生育を調べた結果を図3に示す。図中、横軸は時間(hour)、縦軸は濁度(クレットユニット)である。図3に示すように、耐熱性を示すKY9002株において、sodA遺伝子の破壊によって耐熱性、すなわち37℃、39℃、40℃の高温下における増殖能力が野生株と比較して低下し、逆にsodA遺伝子を発現させることによって耐熱性が野生株と比較して向上していた。
[活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の発現によるクルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)の耐熱化]
(クルイベロマイセス・マルシアヌスにおけるカタラーゼ(CTT1)遺伝子の発現株とチトクロムcペルオキシダーゼ(CCP1)遺伝子の発現株とペルオキシゾーム・カタラーゼ(CTA1)遺伝子の発現株の作製)
図4に示すプラスミドp[KmCDC19p-yEmRFP-ADE2c-KmCenD-ARS7-URA3]をテンプレートとして、プライマーにURA3+771c(配列番号5)とADE2+1716c(配列番号6)を用いて、PCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,60℃ 15sec,68℃ 6.0min,35サイクル)により、ベクターとなるDNA断片(URA3+771)c-KmCenD-KmARS7-ADE2を増幅した。実施例2で用いる上記配列番号5、6及び後述する配列番号7〜22の配列を表1に示す。
発現プロモーターであるクルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)のCDC19プロモーターと、コントロールとなる赤色蛍光タンパク質yEmRFP遺伝子を次のように増幅した。テンプレートDNAはp[KmCDC19p-yEmRFP-ADE2c-KmCenD-ARS7-URA3]、プライマーにKmCDC19-970(配列番号7)と3CG9-yEmRFP+711c(配列番号8)を用い、PCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,60℃ 15sec,68℃ 6.0min,35サイクル)によりKmCDC19p-yEmRFP-3CG9 断片を増幅した。かかる断片をテンプレートとし、プライマーにKmCDC19-970(配列番号7)とURA3771786taa-3CG9(配列番号9)を用いて、PCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,60℃ 15sec,68℃ 6.0min,35サイクル)により、yEmRFP遺伝子の下流にURA3マーカー機能相補配列を持つDNA断片KmCDC19p-yEmRFP-3CG9-(URA3+772786)cを増幅した。
上記で作製した2つのDNA断片、(URA3+771)c-KmCenD-KmARS7-ADE2とKmCDC19p-yEmRFP-3CG9-(URA3+772786)を混合し、K. marxianus ura3-株(RAK3605株)(Yarimizu T et al., Yeast 30:485-500(2013))に導入した。導入方法は次のとおりである。
YPD培地(2%ペプトン,1%酵母エキス,2%グルコース)2mLで酵母を培養した。その培養液1.5mLを1.5mLチューブに取り出し、1分間遠心し、上清を捨てた。形質転換液(40%ポリエチレングリコール,200mM酢酸リチウム,100mMジチオスレイトール)200μLを加え、細胞を懸濁した後再び遠心し、上清を捨てた。形質転換液50μLを加え、DNA断片各2μLを加えて十分に混合し、47℃の温浴槽で15分インキュベートした。インキュベート後、滅菌水150μLを加え、細胞を含む形質転換液をSD−Ura寒天培地(0.17% Yeast Nitrogen Base,0.5%硫酸アンモニウム,2%グルコース,0.0024% adenine sulfate,0.1% L-Histidine HCl,0.2% L-Leucine,0.1% L-Lysine HCl,0.1% L-Methionene,0.1% L-Tryptphan,2%寒天末)に広げ30℃のインキュベータで培養し、形質転換体(RAK11256株)を得た。
次に、クルイベロマイセス・マルシアヌスの活性酸素消去酵素をコードする遺伝子であるCTT1遺伝子(細胞質カタラーゼ遺伝子:KmCTT1)、CTA1遺伝子(ペルオキシゾームカタラーゼ遺伝子:KmCTA1)、CCP1遺伝子(チトクロムcペルオキシダーゼ遺伝子:KmCCP1)の3つの遺伝子をそれぞれ発現させるために、上記で作製したRAK11256株が持つプラスミドp[KmCDC19p-yEmRFP-URA3c-KmCenD-KmARS7-ADE2]のyEmRFPを、以下に示すように、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子のコーディング配列と置換した。
上記で作製したRAK11256株が持つプラスミドp[KmCDC19p-yEmRFP-URA3c-KmCenD-KmARS7-ADE2]をテンプレートとして、プライマーに KmCDC19-1c(配列番号10)とURA3+771c(配列番号5)を用いて、PCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製) 98℃ 10sec,65℃ 15sec,68℃ 6.0min,30サイクル)によりDNA断片(URA3+771)c-KmCenD-KmARS7-ADE2-KmCDC19pを増幅した。活性酸素消去酵素をコードする遺伝子はK. marxianusの染色体DNAをテンプレートとし、プライマーには、KmCTT1遺伝子用に10CA-KmCTT1+1(配列番号12)と3CG9-KmCTT1+1647c(配列番号13)、KmCCP1遺伝子用に10CA-KmCCP1+1(配列番号14)と3CG9-KmCCP1+1140c(配列番号15)、KmCTA1遺伝子用に10CA-KmCTA1+1(配列番号16)と3CG9-KmCTA1+1683c(配列番号17)を用いて、PCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,65℃ 15sec,68℃ 2.0min,30サイクル)により増幅した。増幅した活性酸素消去酵素をコードする遺伝子は、それぞれのDNA断片をテンプレートとして10CA-KmCTT1+1(配列番号12)、10CA-KmCCP1+1(配列番号14)、又は10CA-KmCTA1+1(配列番号16)とURA3771786taa-3CG9(配列番号9)をプライマーとしてPCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,65℃ 15sec,68℃ 2.0min,30サイクル)を行い、10CA-KmCTT1-3CG9-URA3+772786、10CA-KmCCP1-3CG9-URA3+772786又は10CA-KmCTA1-3CG9-URA3+772786断片を増幅した。
(URA3+771)c-KmCenD-KmARS7-ADE2-KmCDC19pと10CA-KmCTT1-3CG9-URA3+772786、10CA-KmCCP1-3CG9-URA3+772786、又は10CA-KmCTA1-3CG9-URA3+772786とを混合し、K. marxianus ura3-株(RAK10063株)に上記の方法で遺伝子導入し、クルイベロマイセス・マルシアヌスのCTT1遺伝子、CCP1遺伝子、CTA1遺伝子を発現するそれぞれの形質転換体(RAK11257株、RAK11258株、RAK11259株)を得た。
上記RAK10063株は以下の方法で得た。K.marxianus DMKU3-1042株にUVを用いて変異処理を行い、5−フルオロオロチン酸を含む培地で増殖できる株を取得した。ウラシル欠損培地での増殖欠損とウラシルだけを添加した最少培地での増殖から、ウラシル要求性株(RAK3606株; ura3-2)と決定した。次に、RAK4152株(ura3-1 ade2-2 [ScURA3],Yarimizu T et al., Yeast 30:485-500(2013))とRAK3606株を2%グルコース培地で交配させ、最少培地で増殖する株(2倍体)を得て、1コロニーを選択した(RAK10054株)。選択したRAK10054株を胞子形成させ、5−フルオロオロチン酸を含む培地で増殖できる株を選択した。これらの株のウラシル欠損培地での増殖欠損とウラシルだけを添加した最少培地での増殖から、ウラシル要求性株を選択し、その1つとしてRAK10063株を得た。
さらに、コントロールとして、上記のp[KmCDC19p-yEmRFP-URA3c-KmCenD-KmARS7-ADE2]をテンプレートとして、プライマーにKmCDC19-1c(配列番号10)とURA3+771c(配列番号5)、yEmRFP+1(配列番号7)とURA3772786taa-3CG9(配列番号9)をそれぞれ用いて、(URA3+771)c-KmCenD-KmARS7-ADE2-KmCDC19pとyEmRFP-URA3+772786 の2つのDNA断片を合成し、K. marxianus ura3-株(RAK10063株)に上記の方法で遺伝子導入し、形質転換体(RAK11653株)を得た。
なお、上記それぞれの形質転換体において、それぞれの遺伝子が導入されていることはPCRを行い増幅したDNAの長さを電気泳動することによって確認した。
得られた形質転換体RAK11257株、RAK11258株、RAK11259株、及びRAK11653株をそれぞれSD−Ura液体培地で1晩培養した前培養液を用いて、細胞濃度がOD600=0.01となるように新しいSD−Ura液体培地5mLに植菌した。これを、30℃、37℃、40℃の各温度にて、70rpmで振とう培養したときの660nmの濁度の変化を経時的に測定した。
結果を図5に示す。図5において、横軸は培養時間(h)、縦軸はOD660の値である。図5に示すようにCTT1遺伝子、CCP1遺伝子、CTA1遺伝子を発現させたRAK11257株、RAK11258株、RAK11259株(図中、それぞれ+KmCTT1、+KmCCP1、+KmCTA1)においては、いずれの温度においてもコントロールとなる赤色蛍光タンパク質yEmRFP遺伝子を発現させたRAK11653株(図中、Vector control)と比較して増殖しており、特に37℃、40℃において、ベクターコントロールは増殖能力が劣っているが、RAK11257株、RAK11258株、RAK11259株は、若干増殖開始時間が遅れるものの、30℃とほぼ同様の増殖能力を有していた。したがって、クルイベロマイセス・マルシアヌスの活性酸素消去酵素をコードする遺伝子であるCTT1遺伝子、CCP1遺伝子、CTA1遺伝子をそれぞれ発現させることによって、クルイベロマイセス・マルシアヌスの耐熱性を向上させることが可能であることが明らかとなった。
(クルイベロマイセス・マルシアヌスにおけるCTT1遺伝子及びCTA1遺伝子の発現株とCTT1遺伝子及びCCP1遺伝子の発現株の作製)
宿主に K. marxianus ade2- ura3-株(RAK10330株)を用いて,複数の活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を発現させた。
上記で作製したRAK11256株が持つプラスミドp[KmCDC19p-yEmRFP-URA3c-KmCenD-KmARS7-ADE2]をテンプレートとして、KmCDC19-850(配列番号18)とpKM100-URA3-229(配列番号19)をプライマーに用いてPCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,65℃ 30sec,68℃ 6min,30サイクル)によりKmCDC19p-yEmRFP-URA3cを増幅した。KmCDC19p-yEmRFP-URA3cをK. marxianus ade2- ura3-株(RAK10330株)に上記の方法で導入し、SD−Ura寒天培地で形質転換体(RAK11984株)を得た。
次に、上記で作製したRAK11257株が持つプラスミドp[KmCDC19p-KmCTT1-URA3c-KmCenD-KmARS7-ADE2]をテンプレートとして、KmCDC19-850(配列番号18)とpKM100-URA3-229(配列番号19)をプライマーに用いてPCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,65℃ 30sec,68℃ 5min,30サイクル)によりKmCDC19p-KmCTT1-URA3cを増幅した。かかるKmCDC19p-KmCTT1-URA3cをK. marxianus ade2- ura3-株(RAK10330株)に上記の方法で導入し、SD−Ura寒天培地で形質転換体(RAK11985株)を得た。
上記RAK10330株は以下の方法で得た。RAK10063株とRAK4152株を2%グルコース培地で交配させ、最小培地で増殖する株(2倍体)を得て、1コロニーを選択した(RAK10287株)。次に、RAK10287株を胞子形成させ、YPD培地でコロニーを形成させた。コロニーをいくつか選択し、それらの株のアデニン要求性及びウラシル要求性を調べ、アデニン要求性だけを示す株の1つをRAK10298株(ade2-2)とした。さらに、RAK10063株とRAK10298株を2%グルコース培地で交配させ、最小培地で増殖する株(2倍体)を得て、1コロニー(2倍体)を選択した。この株を胞子形成させ、5−フルオロオロチン酸を含む培地で増殖できる株を選択した。これらの株のアデニン要求性及びウラシル要求性を調べ、アデニン要求性とウラシル要求性の両方の要求性を示す株の1つとしてRAK10330株(ade2-2 ura3-2)を得た。
さらに、このRAK11985株に対して、KmCCP1遺伝子又はKmCTA1遺伝子を次のように導入した。テンプレートにKanMX遺伝子を用いて、KanMX-334(配列番号20)とKanMX+801c(配列番号21)をプライマーに、PCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,60℃ 30sec,68℃ 3min,30サイクル)により、KanMX遺伝子のC末端アミノ酸残基をコードする配列の一部を欠損したKanMXマーカー遺伝子、KanMX+801を増幅した。テンプレートに上記のp[KmCDC19p-KmCCP1-URA3c-KmCenD-KmARS7-ADE2]、プライマーにKanMX+802807TGA-KmCDC19-850(配列番号22)と3CG9-KmCCP1+1140c(配列番号15)、又は、テンプレートにp[KmCDC19p-KmCTA1-URA3c-KmCenD-KmARS7-ADE2]、プライマーに KanMX+802807TGA-KmCDC19-850(配列番号22)と3CG9-KmCTA1+1683c(配列番号17)を用いて、PCR(PrimeSTAR GXL(Takara-bio社製),98℃ 10sec,55℃ 30sec,68℃ 4min,30サイクル)により、それぞれ、KanMX+802807TGA-KmCDC19p-KmCCP1又はKanMX+802807TGA-KmCDC19p-KmCTA1を増幅した。KanMX+802807TGA-KmCDC19p-KmCCP1とKanMX+801、又はKanMX+802807TGA-KmCDC19p-KmCTA1とKanMX+801をそれぞれ混合して上記RAK11985株に導入しYPD+G418培地(YPD+200μg/mL G418)で選択して、クルイベロマイセス・マルシアヌスのCTT1遺伝子及びCCP1遺伝子、又は、CTT1遺伝子及びCTA1遺伝子をそれぞれ発現するそれぞれの形質転換体(RAK11988株、RAK11989株)を得た。
また、上記のRAK11984株に対して、KanMX遺伝子を導入し、YPD+G418培地で選択して形質転換体(RAK11986株)を得た。
なお、上記それぞれの形質転換体において、それぞれの遺伝子が導入されていることはPCRを行い増幅したDNAの長さを電気泳動することによって確認した。
96−マルチウェルプレートの各ウェルに100μLの−U液体培地をいれ、それぞれクルイベロマイセス・マルシアヌスのCTT1遺伝子のみを発現するRAK11985株とCTT1遺伝子及びCCP1遺伝子を発現するRAK11988株とCTT1遺伝子及びCTA1遺伝子を発現するRAK11989株とCTT1遺伝子、CTA1遺伝子、CCP1遺伝子のいずれも発現しないコントロールのRAK11986株を植菌し30℃で1日培養した。撹拌後OD600を測定し、細胞濃度がOD600=1,0.1,0.01,0.001となるように滅菌水で希釈した。これら希釈液各8μLをSD−Ura培地にスポットし、30℃、40℃の各温度で培養した。
結果を図6に示す。図中、30℃、40℃におけるそれぞれのスポットは左から順に細胞濃度がOD=1,0.1,0.01,0.001となるように滅菌水で希釈してスポットしたものである。図6に示すように、クルイベロマイセス・マルシアヌスのCTT1遺伝子及びCCP1遺伝子を発現するRAK11988株や、CTT1遺伝子及びCTA1遺伝子を発現するRAK11989株(図中、それぞれ「+KmCTT1,KmCCP1」、「+KmCTT1,KmCTA1」)においては、CTT1遺伝子のみを発現するRAK11985株(図中、+KmCTT1)と比較して40℃においても増殖能力が高く、CCP1遺伝子又はCTA1遺伝子をCTT1遺伝子と共発現させることにより、CTT1遺伝子、CTA1遺伝子、CCP1遺伝子のいずれも発現しないコントロールのRAK11986株(図中、marker only)と比較して、相乗的にクルイベロマイセス・マルシアヌスの耐熱性を向上させることが可能であることが明らかとなった。
[活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の発現によるザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の耐熱化]
(ザイモモナス・モビリスにおけるアルキルヒドロペルオキシダーゼ遺伝子の発現株とスーパーオキシドディスムターゼ遺伝子の発現株と鉄依存性ペルオキシダーゼ遺伝子の発現株の作製)
ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)において、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の高発現による耐熱化を試みるため、Z. mobilisTISTR548株のゲノムを鋳型として、活性酸素消去酵素をコードする遺伝子であるアルキルヒドロペルオキシダーゼ(alkyl hydroperoxidase:AhpC)、スーパーオキシドディスムターゼ(superoxide dismutase:Sod)及び鉄依存性ペルオキシダーゼ(iron-dependent peroxidase:ZMO1573)遺伝子を、プライマーにそれぞれzmahpc-pdc-p-5’(配列番号23)とzmahpc-3’(配列番号24)(AhpC遺伝子増幅用)、sod-pdc-p-5’(配列番号25)とzmsod-3’(配列番号26)(Sod遺伝子増幅用)、zmo1573-pdc-p-5’(配列番号27)とzmo1573-3’(配列番号28)(ZMO1573遺伝子増幅用)を用いてPCR(PrimeSTAR HS(Takara-bio社製),98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 2min,30サイクル)により増幅した(図7)。これらの活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を恒常的に発現させるためにZ. mobilisTISTR548株のゲノムを鋳型として、pyruvate decarboxylase(Pdc)遺伝子のプロモーター領域を、プライマーにpdc-p-SalI-5’(配列番号29)とpdc-p-zmahpc-3’(配列番号30)(AhpC遺伝子との融合用)、pdc-p-EcoRV-5’(配列番号31)とpdc-p-zmosod-3’(配列番号32)(Sod遺伝子との融合用)、pdc-p-BamHI-5'(配列番号33)とpdc-p-zmo1573-3’(配列番号34)(ZMO1573との融合用)を用いてPCR(PrimeSTAR HS(Takara-bio社製),98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 50sec,30サイクル)により増幅した。得られたそれぞれの遺伝子の増幅産物とプロモーター領域の増幅産物とをテンプレートとして、プライマーにpdc-p-SalI-5’(配列番号29)とzmahpc-3’(配列番号24)、pdc-p-EcoRV-5’(配列番号31)とzmsod-3’(配列番号26)、pdc-p-BamHI-5'(配列番号33)とzmo1573-3’(配列番号28)を用いてFusionPCR(PrimeSTAR HS(Takara-bio社製),98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 3min,30サイクル)により、pdcプロモーターとそれぞれの活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を融合したDNA断片(Ppdc-ahpC、Ppdc-sod、Ppdc-zmo1573)を得た。上記配列番号23〜34の配列を表2に示す。
上記で作製したpdcプロモーターと活性酸素消去酵素をコードする遺伝子との融合断片、及び大腸菌とZ. mobilisのシャトルベクターであるpZA22を図7に示す制限酵素(Takara-bio社製) SalI (Ppdc-ahpC)、EcoRV/BamHI (Ppdc-sod)、BamHI/SalI(Ppdc-ZMO1573)で処理した後、ライゲーション(DNA Ligation Kit Ver.2.1(Takara-bio社製))により連結し、大腸菌DH5α株を形質転換して終濃度15μg/mLのクロラムフェニコール添加LB寒天培地に播いて37℃で一晩、静置培養した。出現したコロニーの中からテトラサイクリン感受性株を選出した後、プラスミドを回収し、これを鋳型にしてプライマーにpdc-p-SalI-5’(配列番号29)とzmahpc-3’(配列番号24)、pdc-p-EcoRV-5’(配列番号31)とzmsod-3’(配列番号26)、pdc-p-BamHI-5’(配列番号33)とzmo1573-3’(配列番号28)を用いてPCR(PrimeSTAR HS(Takara-bio社製),98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 3min,30サイクル)によりpZA22への各活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の導入を確認した。これらの活性酸素消化酵素をコードする遺伝子が導入されたプラスミド(pZA-ahpC、pZA-sod、pZA-ZMO1573)とpZA22をそれぞれZ. mobilis TISTR548株にエレクトロポレーション法により遺伝子導入し、それぞれの形質転換体{TISTR548 (pZA-ahpC)、TISTR548 (pZA-sod)、TISTR548 (pZA-ZMO1573)、TISTR548 (pZA22)}を得た。なお、上記それぞれの形質転換体において、それぞれの遺伝子が導入されていることは、形質転換体からプラスミドを抽出しpZA22への活性酸素消去酵素導入時と同様にプライマーにpdc-p-SalI-5’(配列番号29)とzmahpc-3’(配列番号24)、pdc-p-EcoRV-5’(配列番号31)とzmsod-3’(配列番号26)、pdc-p-BamHI-5’(配列番号33)とzmo1573-3’(配列番号28)を用いてPCR(PrimeSTAR HS(Takara-bio社製),98℃ 10sec,55℃ 5sec,72℃ 3min,30サイクル)を行った後、電気泳動によって確認した。
上記活性酸素消去酵素をコードする遺伝子発現による耐熱性効果を確認する為に、得られた形質転換体を2mLの終濃度15μg/mLのクロラムフェニコール添加3%YPD培地で一晩培養した前培養液を用いて、細胞濁度がOD550=0.01になるように30mLの3%YPD培地に植菌した。これを30℃と41℃で静置培養して本培養とした時の吸光度550nmの細胞濁度の変化とHPLCによる培養液中のエタノール濃度測定を経時的に測定した。
結果を図8に示す。図8の上段(Cell growth)において、横軸は本培養の培養時間、縦軸は吸光度550nmの細胞濁度を示す。また、図8の下段(Ethanol production)において、横軸は本培養の培養時間、縦軸はエタノール生産量を示す。図8に示すように、pZA-ahpC、pZA-sod、pZA-ZMO1573による形質転換株は、pZA22による形質転換株に比べて、41℃の高温下での生育(増殖)能力とエタノール生産能力が高いことが明らかとなった。
[活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の発現による大腸菌(Escherichia coli)の耐熱化]
(大腸菌におけるカタラーゼ遺伝子の発現株とスーパーオキシドディスムターゼ遺伝子の発現株の作製)
Mobile Plasmidコレクション(Saka K. et al., DNA Res. 12:63-68(2005))のうち、大腸菌のカタラーゼ(KatEとKatG)をコードしているpNTRKATE、pNTRKATGと、大腸菌のスーパーオキシドディスムターゼ(SodA)をコードしているpNTRSODAと、コントロールとして空ベクターpNTR-SDとを大腸菌W3110にエレクトロポレーション法により導入し形質転換を行った。得られた形質転換体を2mLの終濃度50μg/mLのアンピシリン添加LB培地に植菌して一晩前培養を行った。前培養液の細胞濃度がOD600=0.01になるようにLB培地で希釈した後、30mLの終濃度50μg/mLのアンピシリン添加LB培地にOD600で濁度が0.001になるように植菌して、37℃、100rpmの条件で本培養を行った。本培養開始6時間後に終濃度が0.1mMのIPTG(イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド)を本培養液に加えて上記活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の発現を誘導し、その影響をLB寒天培地上のコロニー数で測定することで検討した。なお、pNTRKATE、pNTRKATG、pNTRSODA、pNTR-SDの遺伝子型を表3に示す。
結果を図9に示す。図9の横軸は本培養の培養時間、縦軸は1mLあたりのコロニー数を示す。図9に示すように、カタラーゼやスーパーオキシドディスムターゼ遺伝子をクローン化して大腸菌に導入した株は、コントロールのpNTR-SDベクターを導入した株と比較して47℃の高温下で増殖能力が高く、また、より長時間生存できることが明らかとなった。
[活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の発現による酢酸菌の耐熱化]
(酢酸菌の活性酸素消去酵素をコードする遺伝子の同定)
一般的な酢酸菌の生育限界温度は33℃程度であるが、日本の食酢醸造に使用されてきた酢酸菌アセトバクター パスツリアヌス(Acetobacter pasteurianus)の生育限界温度は38℃であり、この高い生育限界温度が日本の温暖な地域でさえも食酢醸造が可能であった1つの理由といえる。その準耐熱性酢酸菌であるAcetobacter pasteurianus(IFO3283-01:Ap01株)を元株として、42℃まで生育が可能となった耐熱性酢酸菌Acetobacter pasteurianus IFO3283-01/42C(Ap01/42C株)を育種し、そのゲノムDNA配列を文献(Azuma Y. et al, Nucleic Acid Research 37(17):5768-83 (2009))に記載の方法に従い、次世代DNAシークエンサーであるIllumia社HiSeqを用いて決定し、サンガー法によりその変異部位を同定した。
一方で、30℃で培養した時に菌体内で蓄積するタンパク質プロファイルを2次元電気泳動により可視化した。元株であるAp01株のタンパク質プロファイルと比較し、Ap01/42C株で蓄積が著しい耐熱性関連タンパク質のアミノ酸配列を質量分析装置(AXIMA(登録商標) Resonance:島津製作所社製)によって同定した。同定した耐熱性関連タンパク質には活性酸素消去酵素が多数含まれていた。その活性酸素消去酵素のうち、配列番号35〜39に示すアミノ酸配列からなる5つの活性酸素消去酵素(アルキルヒドロペルオキシダーゼ(Alkylhydroperoxidase)、ペルオキシレドキシン(Peroxiredoxin)、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、スーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase)、チオレドキシン(Thioredoxin)をコードする遺伝子(配列番号40〜44)をクローニングするために、各遺伝子に特異的なプライマー(表4)を作製した。
また、各活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を含む領域の配列を図10〜13に示す。図10〜13において、大文字が活性酸素消去酵素をコードする遺伝子であり、小文字がノンコーディング領域である。
(酢酸菌における活性酸素消去酵素遺伝子の発現株の作製)
Ap01/42C株のゲノムDNAと表4に示すプライマーを用いてPCR法により標的遺伝子を増幅し、それぞれの遺伝子を、発明者らが自ら作製した複数のアンピシリン耐性遺伝子を含む大腸菌−酢酸菌シャトルベクターpAp01に導入した。得られたA. pasteurianusの活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を含む4つの大腸菌−酢酸菌シャトルベクター、及び大腸菌−酢酸菌シャトルベクターコントロールを使って、表5に示す各酢酸菌を形質転換した。
各酢酸菌の形質転換体をアンピシリン含有YPGD寒天培地上で、3日ごとに継代培養し、2週間安定して増殖する株を分離した。30℃及び34℃から1℃刻みで41℃までの温度環境下での培養を実施し、各形質転換体の熱耐性を検討した。形質転換に使用した元株の生育限界温度よりも形質転換体の生育限界温度が1℃以上高くなったGluconacetobacter oxydans、Gluconacetobacter europaeus、Gluconacetobacter xylinusの形質転換株については、更にアンピシリン含有YPGD寒天培地上で耐熱性を再確認するとともに、アンピシリン含有YPGD液体培地でも耐熱性を確認した。同時に、各菌体内に含まれる導入遺伝子が、正しい大きさで維持されていることをPCRにより確認した。
結果を図14に示す。図14(a)には、それぞれの位置で培養した形質転換体が発現する遺伝子を示す。図14(b)上段の結果から、Gluconacetobacter xylinusにThioredoxin(T)、PeroxiredoxinとPeroxiredoxin reductaseのオペロン(P)、Alkylhydroperoxidase(A)を導入した株では、1℃程度の生育限界温度の上昇が確認された。図14(b)中段の結果から、Gluconacetobacter europaeusにAlkylhydroperoxidase(A)を導入した株では、3℃程度の生育限界温度の上昇が確認された。図14(b)下段の結果から、Gluconacetobacter oxydansにThioredoxin(T)、PeroxiredoxinとPeroxiredoxin reductaseのオペロン(P)、Superoxide dismutase(SOD)を導入した株では、4℃程度の生育限界温度の上昇が確認され、Alkylhydroperoxidase(A)を導入した株でも3℃程度の生育限界温度の上昇が確認された。なお、Gluconacetobacter xylinus、Gluconacetobacter europaeus、Gluconacetobacter oxydansの生育限界温度は33℃である。
本発明により、高温における増殖能力が向上した微生物を作製することが可能となることから、工業的な発酵生産分野において利用可能である。

Claims (5)

  1. 活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を微生物に導入し、前記遺伝子を前記微生物内で発現させることを特徴とする耐熱性微生物の作製方法。
  2. 活性酸素消去酵素をコードする遺伝子が、スーパーオキシドディスムターゼ、細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、チトクロムcペルオキシダーゼ、アルキルヒドロペルオキシダーゼ、鉄依存性ペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、チオレドキシンからなる群から選択される少なくとも1つの酵素をコードする遺伝子であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 活性酸素消去酵素をコードする遺伝子が、次の(a)〜(e)に示される酵素から選択される少なくとも1つの酵素をコードする遺伝子であることを特徴とする請求項2記載の方法。
    (a)コリネ型細菌由来のスーパーオキシドディスムターゼ;
    (b)酵母由来の細胞質カタラーゼ、ペルオキシゾームカタラーゼ、又はチトクロムcペルオキシダーゼ;
    (c)ザイモモナス属細菌由来のアルキルヒドロペルオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、又は鉄依存性ペルオキシダーゼ;
    (d)大腸菌由来のカタラーゼ、又はスーパーオキシドディスムターゼ;
    (e)酢酸菌由来のアルキルヒドロペルオキシダーゼ、ペルオキシレドキシン、ペルオキシレドキシン レダクターゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、又はチオレドキシン;
  4. 活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を、前記遺伝子の由来源となる微生物に導入することを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 活性酸素消去酵素をコードする遺伝子を含む発現ベクターを微生物に導入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の方法。
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