JP2016033453A - 検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストダウンすることが可能な検査装置を提供する。【解決手段】検査装置は、主軸モータ、ステッピングモータ、及びホルダ61を備えている。ホルダ61は、ホルダ部60、開閉部79、及び錘部900を備えている。ホルダ部60には、ホルダ開口部を介して検査チップ2を着脱可能な装着部が設けられている。主軸モータは、第一軸心を中心にホルダ部60を回転させ、ホルダ部60に遠心力を作用させる。ステッピングモータは、第一軸心に交差する第二軸心A2を中心にホルダ部60を回転させる。開閉部79は、ホルダ部60に設けられ、ホルダ開口部の少なくとも一部を開閉する。錘部900は、ホルダ部60において、第二軸心A2に対して開閉部79の反対側に設けられている。【選択図】図10
Description
本発明は、検査チップを支持するホルダを回転させ、遠心力によって液体の送液を行う検査装置に関する。
従来、検査チップを支持するホルダを回転させ、遠心力によって液体の送液を行う検査装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の検査装置は、検査チップを支持するチップホルダを備えている。検査チップは所定の厚みを有する合成樹脂の板材によって形成されている。検査装置は主軸モータを駆動し、主軸を回転させることで上下方向に沿う公転の軸心を中心にチップホルダ公転させ、検査チップに遠心力を作用させる。チップホルダは、水平方向に沿う自転の軸心を中心に回転可能である。検査装置は、ステッピングモータを駆動し、チップホルダを自転の軸心を中心に回転させてチップホルダを自転させる。これによって、検査チップに作用する遠心力の方向が変更され、検査チップの流路に配置された液体が送液される。
検査チップを装着する部位を開閉する開閉部をチップホルダに設ける構成が考えられる。この場合、開閉部が開かれて検査チップがチップホルダに装着された後、開閉部が閉じられ、検査チップがチップホルダに固定される。しかしながら、チップホルダに開閉部を設けると、開閉部もチップホルダと同様に自転されるので、開閉部が設けられていない場合に比べて、チップホルダの重心位置が自転の軸心から離れる場合がある。チップホルダの重心位置が自転の軸心から離れると、チップホルダを自転させるためのトルクが増大する。特に、チップホルダは公転により遠心力が作用された状態で自転するため、チップホルダに遠心力が作用されていない場合に比べて、チップホルダの重心位置が自転の軸心から離れることによってトルクが増大し易い。チップホルダを自転させるためのトルクが増大すると、チップホルダを自転させるステッピングモータ等の駆動部のトルクを大きくする必要があり、駆動部のコストが増大する可能性があった。
本発明の目的は、コストダウンすることが可能な検査装置を提供することである。
本発明に係る検査装置は、ホルダ開口部を介して検査チップを着脱可能な装着部を有するホルダ部と、第一軸心を中心に前記ホルダ部を回転させ、前記ホルダ部に遠心力を作用させる第一回転機構と、前記第一軸心が延びる方向に交差する方向を第二軸心として前記ホルダ部を回転させる第二回転機構と、前記ホルダ部に設けられ、前記ホルダ開口部の少なくとも一部を開閉する開閉部と、前記ホルダ部に設けられ、前記第二軸心に対して前記開閉部の反対側に位置する錘部とを備えている。
この場合、第二軸心に対して開閉部の反対側に錘部が設けられているので、錘部が設けられていない場合に比べて、開閉部と錘部とが設けられたホルダ部の重心位置が第二軸心に近づく。このため、錘部が設けられていない場合に比べて、ホルダ部を第二軸心を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなる。よって、錘部が設けられていない場合に比べて、トルクの小さい第二回転機構を使用することができ、第二回転機構をコストダウンすることができる。
前記検査装置において、前記錘部は、前記第二回転機構により回転される、前記ホルダ部を含む部材により定まる重心位置を前記第二軸心に近づける重量であってもよい。この場合、ホルダ部を第二軸心を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなる。故に、トルクの小さい第二回転機構を使用することができ、第二回転機構をコストダウンすることができる。
前記検査装置は、前記ホルダ部に設けられ、前記装着部に装着された前記検査チップを付勢可能な付勢部材を備え、前記錘部は、前記検査チップが前記装着部に装着され、前記開閉部と前記付勢部材とが設けられた前記ホルダ部の重心位置を前記第二軸心に近づける重量であってもよい。この場合、錘部が設けられていない場合に比べて、検査チップが装着部に装着され、開閉部及び付勢部材が設けられたホルダ部の重心位置が第二軸心に近づく。よって、ホルダ部を第二軸心を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなる。故に、トルクの小さい第二回転機構を使用することができ、第二回転機構をコストダウンすることができる。
前記検査装置において、前記錘部は、前記ホルダ部において前記開閉部より前記第一軸心に近い部位に設けられてもよい。この場合、開閉部が、ホルダ部において錘部より第一軸心から遠い部位に設けられているので、開閉部が錘部よりも第一軸心に近い部位に設けられている場合に比べて、ホルダ部を回転させるための部材と開閉部とが干渉する可能性を低減できる。
前記検査装置は、前記第一回転機構による前記ホルダ部の回転軌道の外側に配置された発光部と、前記回転軌道の外側に配置され、前記発光部に対向し、前記発光部からの光を受光する受光部と、前記ホルダ部において前記第二軸心より前記第一軸心から遠い側の部位に設けられ、前記発光部から前記受光部に向けて発光された光を前記検査チップに透過させる透過開口部とを備え、前記開閉部は、前記第二軸心より前記第一軸心から遠い側に設けられ、前記錘部は、前記第二軸心より前記第一軸心に近い側に設けられてもよい。この場合、透過開口部は、第二軸心より第一軸心から遠い側に設けられ、錘部は、ホルダ部において第二軸心より近い側に設けられている。このため、仮に錘部の位置がわずかに位置ずれした場合でも、錘部が透過開口部を通過する光の光路を妨げない。よって、錘部が透過開口部を通過する光の光路を妨げて検査精度が低下する可能性を低減できる。
前記検査装置において、前記錘部は、前記第二軸心から離れる程、前記第二軸心を中心とする円弧状に大きくなる放射形状であってもよい。この場合、錘部が第二軸心から離れる方向に沿った矩形状である場合に比べて、錘部を第二軸心から離れる方向において小型化することができる。よって、錘部を構成する材料が減り、コストダウンすることができる。
前記検査装置は、前記開閉部に設けられ、前記開閉部が前記ホルダ開口部を閉鎖する閉鎖位置にある場合に前記ホルダ部に係合する第一係合部と、前記ホルダ部に設けられ、前記第一係合部に係合する第二係合部とを備え、前記開閉部は、前記第二軸心に沿う方向の第三軸心を中心にして回転し、前記閉鎖位置から、前記ホルダ開口部を開放する開放位置に回転する場合に、前記第二軸心から離れる方向に回転し、前記第三軸心は、前記第二軸心より前記第一軸心から遠い側に設けられ、前記第二係合部は、前記第三軸心より前記第一軸心側、且つ前記第三軸心より前記第二軸心側に設けられてもよい。この場合、第二係合部が第三軸心より第二軸心側に設けられているので、遠心力が開閉部を閉鎖位置に保持する方向に作用する。故に、第二係合部が第三軸心より第二軸心から遠い側に設けられている場合に比べて、遠心力が作用している間に開閉部が開放位置に移動し難くなる。よって、開閉部が開放位置に移動して、ホルダ部の重心位置が第二軸心から遠くなり、トルクが増大する可能性を低減できる。よって、トルクの小さい第二回転機構を使用することができ、第二回転機構をコストダウンすることができる。
前記検査装置は、前記装着部における前記第一軸心から遠い側の端部において、前記第一軸心が延びる方向に延び、前記第二軸心が延びる方向に突出する突出部を備えてもよい。この場合、装着部に検査チップが装着された際に、突出部によって検査チップを位置決めできる。検査チップの流路を流れる液体は、遠心力が作用する方向に流れるので、検査チップにおいて測定が行われる測定部は、装着部における第一軸心から遠い側の端部に近い位置に配置される。突出部は、装着部において第一軸心から遠い側の端部に配置されている。このため、突出部が装着部における第一軸心に近い側の端部に設けられている場合に比べて、突出部が測定部の近くに配置され、測定部を位置決めできる。よって、測定部が位置ずれする可能性を低減でき、検査精度が向上する。また、突出部が第一軸心が延びる方向に延びている。このため、検査チップの取っ手部が第一軸心方向に検査チップ2から突出していたとしても、突出部が取っ手部に接触する可能性を低減でき、検査チップを位置決めする精度が向上する。
前記検査装置は、前記錘部を前記ホルダ部に固定する固定部を備え、前記固定部は、前記第二軸心に直交する方向において、前記装着部より外側に位置してもよい。この場合、固定部が第二軸心に直交する方向において装着部の内側に設けられている場合に比べて、固定部が装着部内に突出し難い。このため、固定部によって錘部をホルダ部に固定しつつ、より確実に装着部によって検査チップを保持できる。
前記検査装置において、前記錘部は、前記ホルダ部における前記錘部が装着される部位よりも比重が大きくてもよい。この場合、錘部の比重が、ホルダ部における錘部が装着される部位の比重よりも小さい場合に比べて、錘部を小型化することができる。よって、錘部と開閉部とが設けられたホルダ部を小型化することができる。
本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。尚、図3は、検査システム3を構成する検査装置1の平面図及び制御装置90の内部の機能ブロックを示している。
<1.検査システム3の概略構造>
図1〜図3を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査チップ2は、検査装置1のホルダ61に支持される。検査装置1がホルダ61と検査チップ2とから離間した垂直方向の第一軸心A1を中心としてホルダ61及び検査チップ2を回転させると、遠心力がホルダ61及び検査チップ2に作用する。検査装置1が第一軸心A1に直交する水平方向の第二軸心A2を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させると、ホルダ61及び検査チップ2に作用する遠心力の方向である遠心方向が検査チップ2に対して切り替えられる。
図1〜図3を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査チップ2は、検査装置1のホルダ61に支持される。検査装置1がホルダ61と検査チップ2とから離間した垂直方向の第一軸心A1を中心としてホルダ61及び検査チップ2を回転させると、遠心力がホルダ61及び検査チップ2に作用する。検査装置1が第一軸心A1に直交する水平方向の第二軸心A2を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させると、ホルダ61及び検査チップ2に作用する遠心力の方向である遠心方向が検査チップ2に対して切り替えられる。
<2.検査装置1の構造>
図1〜図3を参照して、検査装置1の構造について説明する。以下の説明では、図1及び図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査装置1の上方、下方、右方、左方、前方、及び後方とする。本実施形態では、第一軸心A1の方向は検査装置1の上下方向であり、第二軸心A2の方向は、ホルダ61及び検査チップ2が第一軸心A1を中心として回転される際の速度の方向である。なお、図3は検査装置1の上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1〜図3を参照して、検査装置1の構造について説明する。以下の説明では、図1及び図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査装置1の上方、下方、右方、左方、前方、及び後方とする。本実施形態では、第一軸心A1の方向は検査装置1の上下方向であり、第二軸心A2の方向は、ホルダ61及び検査チップ2が第一軸心A1を中心として回転される際の速度の方向である。なお、図3は検査装置1の上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1及び図2に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、上板32、ターンテーブル33、角度変更機構34、ホルダ61、及び制御装置90を備える。ターンテーブル33は、後述する上板32の上側に回転可能に設けられた円盤である。検査チップ2は、ターンテーブル33の上方に配置されたホルダ61に支持される。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた駆動機構である。この角度変更機構34は、第二軸心A2を中心にホルダ61を回転させることで検査チップ2を回転させる。上部筐体30は、後述する上板32に固定されており、検査チップ2に対して光学測定を行う図3に示す測定部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の各種処理を制御するコントローラである。
下部筐体31の概略構造を説明する。図1及び図2に示すように、下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、長方形の板材である上板32が設けられている。下部筐体31の内部には、第一軸心A1を中心にターンテーブル33を回転させる駆動機構が、次のように設けられている。
下部筐体31内の左方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、ターンテーブル33の中央部に接続されている。
主軸57は、上板32の直下に設けられた支持部材53により、回転自在に保持されている。支持部材53の下側では、主軸57にプーリ38が固定されている。プーリ37とプーリ38とに亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、及びプーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
下部筐体31内の右方寄りに、下部筐体31の内部において上下方向に延びるガイドレール56が設けられている。T型プレート48は、ガイドレール56に沿って下部筐体31内において上下方向に移動可能である。
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。内軸40は、主軸57の内部において上下方向に移動可能な軸である。図3に示すように、内軸40は、上方から見て四角形である。図1及び図2に示すように、内軸40の上端部は、主軸57内を貫通してターンテーブル33の上方に延び、後述する一対のラックギア43に接続されている。T型プレート48の左端部には、軸受41が設けられている。軸受41の内部では、内軸40の下端部が回転自在に保持される。
T型プレート48の前方には、T型プレート48を上下動させるためのステッピングモータ51が固定されている。ステッピングモータ51の軸58は後方に向けて突出している。軸58の先端には、円盤状のカム板59が固定されている。カム板59の後側の面には、円柱状の突起70が設けられている。突起70の先端部は、溝部83に挿入されている。突起70は、溝部83内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板59の回転に連動して突起70が上下動する。このとき、溝部83に挿入されている突起70に連動して、T型プレート48がガイドレール56に沿って上下動する。
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、一対のラックギア43を備えている。一対のラックギア43は、金属製の板状部材である。図3に示すように、一対のラックギア43は、夫々、内軸40における互いに対向する面の上端に固定される。一方のラックギア43は、上側から見て内軸40から一方向側に延び、他方のラックギア43は、一方向側とは反対側に延びる。図1に示すように、一対のラックギア43における内軸40側とは反対側の端部には、ギア431が上下方向に形成されている。ラックギア43は、内軸40の上下動に伴って上下動する。
図3に示すように、上側から見て各ラックギア43の反時計回り方向側には、夫々、支持部47が設けられている。支持部47は、ホルダ61を回転可能に支持する。より詳細には、図1及び図2に示すように、支持部47は、2つの円柱部471、延伸部472、及び支軸473を備えている。2つの円柱部471は、ラックギア43に沿って並べて配置され、上下方向に延びる。延伸部472は、円柱部471の上端から、ラックギア43に沿って内軸40から離れる方向に延び、その先端が支軸473を固定する。支軸473は、上側から見て時計回り方向側に延び、その先端が、ホルダ61に形成された後述するギア部76の内側に配置されている。支軸473とギア部76との間には、図9に示す軸受479が配置されている。ギア部76は、ラックギア43のギア431と噛み合っている。ラックギア43の上下動に伴ってギア部76が支軸473を中心に回転することで、ホルダ61が回転する。故に、ホルダ61に保持された検査チップ2が支軸473を中心に回転する。
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、ホルダ61及び検査チップ2が垂直軸である内軸40を中心に回転して、ホルダ61及び検査チップ2に遠心力が作用する。即ち、主軸モータ35は、第一軸心A1を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させ、遠心力を作用させる。ホルダ61及び検査チップ2の第一軸心A1を中心とした回転を、公転と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸40を上下動させるのに伴って、ホルダ61及び検査チップ2が水平軸である支軸473を中心に回転して、ホルダ61及び検査チップ2に作用する遠心力の遠心方向が相対変化する。即ち、ステッピングモータ51は、第二軸心A2を中心にホルダ61及び検査チップ2を回転させる。ホルダ61及び検査チップ2の第二軸心A2を中心とした回転を、自転と呼ぶ。
図1に示すように、T型プレート48が可動範囲の最上端まで上昇した状態では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上昇する。このとき、ホルダ61及び検査チップ2は、自転角度が0度の定常状態になる。また、図2に示すように、T型プレート48が可動範囲の最下端まで下降した状態では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、ホルダ61及び検査チップ2は、定常状態から第二軸心A2を中心に反時計回りに90度回転した状態になる。つまり、本実施形態ではホルダ61及び検査チップ2が自転可能な角度幅は、自転角度0度〜90度である。以下の説明では、自転角度0度を第一自転角度という場合があり、自転角度90度を第二自転角度という場合がある。
上部筐体30の詳細構造を説明する。図3に示すように、上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心にある主軸57からみて、ホルダ61及び検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。
上部筐体30の内部に設けられた測定部7は、測定光を発光する光源71と、光源71に対向し、光源71から発せられた測定光を検出する光センサ72とを有する。光源71及び光センサ72は、検査チップ2の回転軌道の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に測定光が照射される測定位置である。検査チップ2が測定位置にある場合、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光が、検査チップ2の前面及び後面に対して略垂直に交差する。
<3.制御装置90の電気的構成>
図3を参照して、制御装置90の電気的構成について説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、ユーザが制御装置90に対する指示を入力するための操作部94と、各種データ、及びプログラムを記憶するハードディスク装置95と、各種情報を表示するディスプレイ96とが接続されている。制御装置90としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、専用の制御装置を用いてもよい。また、制御装置90が検査装置1の筐体内に内蔵されていてもよい。
図3を参照して、制御装置90の電気的構成について説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、ユーザが制御装置90に対する指示を入力するための操作部94と、各種データ、及びプログラムを記憶するハードディスク装置95と、各種情報を表示するディスプレイ96とが接続されている。制御装置90としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、専用の制御装置を用いてもよい。また、制御装置90が検査装置1の筐体内に内蔵されていてもよい。
さらに、CPU91には、公転コントローラ97、自転コントローラ98、及び測定コントローラ99が接続されている。公転コントローラ97は、主軸モータ35を回転駆動させる制御信号を主軸モータ35に送信することによって、ホルダ61及び検査チップ2の公転を制御する。自転コントローラ98は、ステッピングモータ51を回転駆動させる制御信号をステッピングモータ51に送信することによって、ホルダ61及び検査チップ2の自転を制御する。測定コントローラ99は、測定部7を駆動することによって、検査チップ2の光学測定を実行する。詳細には、測定コントローラ99は、光源71の発光、及び光センサ72の光検出を実行させる制御信号を、光源71及び光センサ72に送信する。尚、CPU91が公転コントローラ97、自転コントローラ98及び測定コントローラ99を制御する。
<4.検査チップ2の構造>
図4を参照して、本実施形態に係る検査チップ2の詳細構造を説明する。以下の説明においては、図4の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、及び紙面奥側を、それぞれ、検査チップ2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。
図4を参照して、本実施形態に係る検査チップ2の詳細構造を説明する。以下の説明においては、図4の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、及び紙面奥側を、それぞれ、検査チップ2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。
図4に示すように、検査チップ2は一例として前方から見た場合に正方形状であり、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。板材20の前面は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート291によって封止されている。板材20とシート291との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。液体流路25は、板材20の前面側に所定深さに形成された凹部であり、板材20の厚み方向である前後方向と直交する方向に延びる。シート291は、板材20の流路形成面を封止する。シート291は、図4以外の図においては図示を省略している。液体流路25は板材20の後面に形成されてもよいし、前面と後面の両方に形成されてもよい。
検査チップ2の右上部には、取っ手部27が設けられている。取っ手部27は、第一軸心A1が延びる方向に沿った上方向に検査チップ2から突出する。取っ手部27は、折れがった板状の部材によって形成されており、シート291の表面と検査チップ2の後面とに貼り付けられている。このため、取っ手部27は、その厚み分、検査チップ2から前後方向に突出している。
液体流路25は、検体定量流路11、試薬定量流路13,15、及び測定部80等を含む。検体定量流路11は、検査チップ2の左上部に設けられている。試薬定量流路13は、検体定量流路11の右側に設けられている。試薬定量流路15は、試薬定量流路13の右側、且つ検査チップ2の右上部に設けられている。測定部80は、検査チップ2の右下部に設けられている。
図4においては、検体定量流路11及び試薬定量流路13,15に共通する構成の符号は検体定量流路11のみに記載し、試薬定量流路13,15における符号は省略する。検体定量流路11及び試薬定量流路13,15は、それぞれ、保持部111、供給部112、定量部114、第一案内部115、第二案内部117、及び余剰部116を含む。保持部111は、上方に開口する凹部である。保持部111は、検体17、第一試薬18、又は第二試薬19が注入及び貯留される部位である。検体17は、例えば、血液、血漿、血球、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、又は食料品などの成分を含む液体である。以下の説明においては、検体17、第一試薬18、及び第二試薬19を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、液体16という。
供給部112は、保持部111の右上部分から下方向に延びる流路である。供給部112の下方には、定量部114が設けられている。定量部114は、液体16が定量される部位であり、左下方に凹む凹部である。以下の説明においては、検体定量流路11、試薬定量流路13、及び試薬定量流路15に設けられた定量部114を、夫々、定量部114A,114B,114Cという場合がある。
定量部114の上部から、第一案内部115が右方向に延び、第二案内部117が左方向に延びる。第一案内部115は、定量部114の左下方に設けられた余剰部116に接続されている。余剰部116は、第二案内部117を移動した液体16が収容される部位であり、第二案内部117の下端部から右方向に設けられた凹部である。
第一案内部115は、定量部114において定量された液体16が移動する流路である。第一案内部115は、右方向に延びた後、下方に延びる。第一案内部115の下端は、検査チップ2の右下部に設けられた測定部80に繋がっている。測定部80は、下方に凹む凹部である。後述する光学測定が行われる際には、測定部80に測定光が透過される。
<5.検査チップ2のその他構造>
ホルダ61の支軸473を中心とする自転に伴って、検査チップ2が支軸473を中心に自転する。検査チップ2は図4に示す定常状態である場合、上辺部21及び下辺部24が重力Gの方向と直交し、右辺部22及び左辺部23が重力Gの方向と平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。定常状態の検査チップ2が測定位置に配置されている状態において、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光を測定部80に通過させることで、検査装置1は光学測定による検査を行う。
ホルダ61の支軸473を中心とする自転に伴って、検査チップ2が支軸473を中心に自転する。検査チップ2は図4に示す定常状態である場合、上辺部21及び下辺部24が重力Gの方向と直交し、右辺部22及び左辺部23が重力Gの方向と平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。定常状態の検査チップ2が測定位置に配置されている状態において、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光を測定部80に通過させることで、検査装置1は光学測定による検査を行う。
<6.ホルダ61の構造>
図5〜図10を参照して、ホルダ61について説明する。以下の説明においては、図5の左側、右側、上側、下側、紙面手前側、紙面奥側を、夫々、ホルダ61の左側、右側、上側、下側、前側、後側とする。また、図1に示す第一軸心A1は、ホルダ61の左側に位置する。図5及び図6に示すように、ホルダ61は、ホルダ部60、開閉部79、及び図9に示す錘部900を備えている。ホルダ部60は、ホルダ筐体62とアパーチャベース69とを備えている。アパーチャベース69は、ホルダ筐体62の前側に設けられている。ホルダ筐体62とアパーチャベース69とによって、装着部74と、ホルダ開口部75とが形成される。装着部74は、検査チップ2を着脱可能な部位である。ホルダ開口部75は、検査チップ2が装着部74に着脱される開口部である。
図5〜図10を参照して、ホルダ61について説明する。以下の説明においては、図5の左側、右側、上側、下側、紙面手前側、紙面奥側を、夫々、ホルダ61の左側、右側、上側、下側、前側、後側とする。また、図1に示す第一軸心A1は、ホルダ61の左側に位置する。図5及び図6に示すように、ホルダ61は、ホルダ部60、開閉部79、及び図9に示す錘部900を備えている。ホルダ部60は、ホルダ筐体62とアパーチャベース69とを備えている。アパーチャベース69は、ホルダ筐体62の前側に設けられている。ホルダ筐体62とアパーチャベース69とによって、装着部74と、ホルダ開口部75とが形成される。装着部74は、検査チップ2を着脱可能な部位である。ホルダ開口部75は、検査チップ2が装着部74に着脱される開口部である。
図5に示すように、アパーチャベース69は、ホルダ筐体62の前面に装着される板状部材である。アパーチャベース69の上端701は左右方向に延びる。アパーチャベース69の左右の端は、ホルダ筐体62の外周に沿っている。アパーチャベース69の下端702は、後述する下壁部64の前側を左右方向に延びる。アパーチャベース69の右下部には、アパーチャ694が設けられている。アパーチャ694は、第二軸心A2より第一軸心A1から遠い側である右側に設けられている。アパーチャ694は、図1に示す光源71から光センサ72に向けて発光された測定光を検査チップ2の測定部80に透過させる。
図6及び図7に示すように、アパーチャベース69の上右部には、前方に突出する壁部691が設けられている。壁部691は、一対の延伸壁部692と、係合壁部693とを備えている。一対の延伸壁部692は、互いに左右方向に離間し、上下方向に延びる。係合壁部693は、左右方向に延び、一対の延伸壁部692の上端に接続される。係合壁部693は、後述する開閉部79に設けられた爪部802と係合する。図6に示すように、壁部691は、後述する第三軸心A3より第一軸心A1側である左側、且つ、後述する第三軸心A3より第二軸心A2側である下側に設けられている。係合壁部693の下側には、前側から見て左右方向に長く、前後方向にアパーチャベース69を貫通する開口部695が設けられている。
図8に示すように、ホルダ筐体62は、後壁部63、下壁部64、第一左壁部651、第二左壁部652、右壁部66、及び図7に示す一対の保持部67を備えている。後壁部63は、ホルダ筐体62の後部を形成する。後壁部63は、前側から見て中央部に円形の孔部631を備えている。孔部631は、後壁部63を前後方向に貫通する。孔部631の内側には、軸受479を介して図1及び図8に示す支軸473が配置されている。前側から見た場合の支軸473の中心が、第二軸心A2である。後壁部63の左下面と右下面とは、第二軸心A2を中心とした円弧状に形成された円弧面632,633である。後壁部63の上面634と下面635とは、左右方向に延び、左面636と右面637とは、上下方向に延びる。上面634の中央やや右側には、上方に突出する突出部638が設けられている。図10に示すように、突出部638は、後述する開閉部79に当接する。図9及び図10に示すように、後壁部63の後部において孔部631の周囲には、ギア部76が設けられている。
図8及び図9に示すように、後壁部63の右下部には、後壁部63を前後方向に貫通する孔部639が設けられている。孔部639は、アパーチャ694と検査チップ2の測定部80とを透過した光が通過する部位である。
図8に示すように、後壁部63の左下部には、後壁部63を前後方向に貫通する前面視円形の孔部73が設けられている。孔部73の内側には、孔部73の内側に向かって突出するリブ731が複数設けられている。孔部73には、図9に示す後述する固定部920の軸部が圧入される。
下壁部64、第一左壁部651、第二左壁部652、及び右壁部66は、夫々、後壁部63の下部、左部、及び右部から前方に突出している。下壁部64は、前側から見て上面が下方に凹んだ凹状である。下壁部64の上端641は、後述する装着部74の下端を規定する。第一左壁部651と第二左壁部652とは、上下方向に互いに離間している。第二左壁部652は、第一左壁部651の下方に位置する。第一左壁部651の右端653と、第二左壁部652の右端654とは、後述する装着部74の左端を規定する。右壁部66は、上下方向に延びる。右壁部66は、上部に突出部661を備え、下部に突出部662を備えている。突出部661,662は、左方に突出している。突出部661,662は、後述する装着部74の右端を規定する。
図8に示すように、後壁部63の左部には、前方に突出する円柱部649が設けられている。円柱部649は、第一左壁部651と第二左壁部652の左側に位置する。後壁部63の右端部には、前方に突出する円柱部650が設けられている。円柱部650は、右壁部66の右側に位置する。円柱部649,650には、夫々、螺子851,852の軸部を締結する図示しない螺子穴が設けられている。
図5に示すように、アパーチャベース69の左部及び右部には、アパーチャベース69を前後方向に貫通する図示しない孔部が設けられている。アパーチャベース69がホルダ筐体62に装着される際には、螺子851及び螺子852の軸部が、夫々、アパーチャベース69の孔部を介して円柱部649,650の螺子穴に締結される。螺子851の頭部と円柱部649との間にアパーチャベース69が挟まれ、且つ、螺子852の頭部と円柱部650との間にアパーチャベース69が挟まれることで、アパーチャベース69がホルダ筐体62に装着される。
図6及び図8に示すように、ホルダ筐体62とアパーチャベース69とによって囲まれる直方体状の領域は、検査チップ2を着脱可能な装着部74である。より詳細には、アパーチャベース69の後面が装着部74の前面である。後壁部63の前面が装着部74の後面である。図8に示すように、下壁部64の上端641を左右方向に延ばした仮想的な面と、上端641とが、装着部74の下面である。第一左壁部651の右端653と第二左壁部652の右端654とを上下方向に延ばした仮想的な面と、右端653,654とが、装着部74の左面である。右壁部66の突出部661,662を上下方向に延ばした仮想的な面と、突出部661,662とが、装着部74の右面である。また、図6に示すように、アパーチャベース69の上端701と後壁部63とは、装着部74に検査チップ2を挿入可能なホルダ開口部75を形成する。図5及び図6に示すように、検査チップ2がホルダ61に保持された場合、検査チップ2が装着部74に配置され、検査チップ2の上部が装着部74より上方に露出する。
図8に示すように、装着部74における図1に示す第一軸心A1から遠い側の端部である右端部には、突出部961,962が設けられている。装着部74における図1に示す第一軸心A1に近い側の端部である左端部には、突出部963が設けられている。図8及び図11においては、突出部961〜963の範囲を斜線で示している。突出部961〜963は、第一軸心A1が延びる上下方向に延び、第二軸心A2が延びる方向である前方向に後壁部63の前面から突出する。図11(A)に示すように、検査チップ2が装着部74に装着された場合、突出部961〜963は、検査チップ2の後面に当接し、検査チップ2を位置決めする。
図8に示すように、ホルダ筐体62の左部には、板バネ698が設けられている。板バネ698は、第一左壁部651の左方に位置する基端部699から右斜め下方に延び、その下端部が左斜め下方に屈曲する。板バネ698の下端部は固定されていない。板バネ698の下端部は、上下方向において、第一左壁部651と第二左壁部652との間に位置する。
図11(A)及び図11(F)に示すように、遠心力Xがホルダ61に作用していない場合において、ホルダ61が第一回転角度に回転した場合、重力Gはホルダ61及び検査チップ2に対して下方向に作用する。板バネ698は、ホルダ61が第一自転角度に回転した状態において、装着部74に配置された検査チップ2を重力方向と直交する右方向に付勢する。また、図11(B)及び図11(D)に示すように、ホルダ61が第一自転角度に回転した状態においては、遠心力Xは、ホルダ61及び検査チップ2に対して右方向に作用する。板バネ698は、ホルダ61が第一自転角度に回転した状態において、装着部74に配置された検査チップ2を遠心方向である右方向に付勢する。検査チップ2が付勢されるので、検査チップ2は、板バネ698と右壁部66との間に位置決めされる。
図7に示すように、一対の保持部67は、ホルダ筐体62の右上部から上方に延びる。一対の保持部67は、互いに前後方向に離間している。一対の保持部67の上端の間には、軸797が架け渡されている。一対の保持部67は、軸797を介して開閉部79を回転可能に支持する。
軸797は、第二軸心A2に沿う前後方向に延びる。このため、図5及び図6に示すように、開閉部79は、第二軸心A2に沿う第三軸心A3を中心にして、図5に示す閉鎖位置と、図6に示す開放位置との間で回転可能である。第三軸心A3は、第二軸心A2より第一軸心A1から遠い側である右側に設けられている。開閉部79は、閉鎖位置から開放位置に回転する場合に、第二軸心A2から離れる方向に回転する。
図6に示すように、開閉部79が開放位置にある場合、ホルダ開口部75の上方に、開閉部79が位置しない。故に、開閉部79は、開放位置にあるとき、ホルダ開口部75を開放している。この開放位置において、検査チップ2はホルダ開口部75を介して装着部74に着脱される。開放位置にある開閉部79は、検査チップ2がホルダ開口部75を介して装着部74に着脱される場合に、検査チップ2から離間している。図5に示すように、開閉部79が閉鎖位置にある場合、ホルダ開口部75の右部の上方に、開閉部79が位置する。故に、開閉部79は、閉鎖位置にあるとき、検査チップ2を装着部74から抜き取り不能にホルダ開口部75の一部を閉鎖している。
開閉部79は、図7に示す一対の回転軸部794、アーム部795、係合板部796、及び図5に示す当接部800を備えている。図7に示すように、一対の回転軸部794は、開閉部79の回転中心となる部位である。一対の回転軸部794は、夫々、前後方向に延びる筒状部である。一対の回転軸部794は、互いに前後方向に離間している。一対の回転軸部794の内側の孔部には、軸797が配置されている。軸797を中心に回転軸部794が回転することで、開閉部79が回転する。
一対の回転軸部794のうち、後側の回転軸部794の前端には、上方に突出する板部805が設けられている。一対の回転軸部794相互間において、軸797の周囲には、バネ806が巻き付けられている。バネ806の一端は板部805に固定され、他端はホルダ部60に固定されている。バネ806は、開閉部79を閉鎖位置から開放位置に向かう方向に付勢する。
アーム部795は、開閉部79が閉鎖位置にある場合において、回転軸部794から左方に延びる板状部材である。図5に示すように、開閉部79が閉鎖位置にある場合におけるアーム部795の下面には、下方に突出して検査チップ2に当接する当接部800が設けられている。当接部800は、図8に示す下壁部64の上端641との間において検査チップ2を位置決めする。図7に示すように、アーム部795は、平面視矩形状に上下方向に貫通するアーム開口部798を備えている。開閉部79が閉鎖位置にあるとき、検査チップ2の取っ手部27は、アーム開口部798の内側に配置される。
アーム部795の後端部には、上方に突出する板状部である突出板部799が設けられている。係合板部796は、アーム部795の前端部に接続され、上下方向に延びる板部である。係合板部796の上端部801は、アーム部795より上側に位置し、突出板部799と前後方向に互いに対向している。係合板部796の上端部801と突出板部799とは、例えば、アーム部795が開閉されるときにユーザに把持される。
図5に示すように、係合板部796の後面の下部には、後方に突出する爪部802が設けられている。開閉部79が閉鎖位置にあるとき、爪部802は、係合壁部693の下面に係合する。
図9及び図10に示すように、後壁部63の後面における左下部には、錘部900が装着されている。図10に示すように、錘部900は、第二軸心A2に対して開閉部79の反対側に位置する。錘部900は、ホルダ部60において開閉部79より第一軸心A1に近い部位に装着されている。また、開閉部79は、第二軸心A2より第一軸心A1から遠い側である右側に設けられ、錘部900は、第二軸心A2より第一軸心A1に近い側である左側に設けられている。
錘部900は、第二軸心A2から離れる程、第二軸心A2を中心とする円弧状に大きくなる放射形状である。より詳細には、図10に示すように、錘部900は、面901〜906を備えている。面901は、錘部900における第二軸心A2側の部位を形成し、第二軸心A2を中心とする円弧状に湾曲している。面901の上端は、上下方向において第二軸心A2よりやや下側に位置する。面901の下端は、上下方向においてギア部76の下端と略同じ位置にある。面902は、面901の下端に接続され、下方に延びる。面902の下端は、壁部951の上側に位置する。壁部951は、後壁部63の左下部から後方に突出し、左右方向に延びる壁部である。面903は、面902の下端から壁部951に沿って右方向に延びる。
面904は、面903の右端に接続され、後壁部63の円弧面632に沿って円弧状に右上方に延びる。面905は、面904の右端に接続され、壁部952に沿って上方に延びる。壁部952は、後壁部63の左部から後方に突出し、上下方向に延びる壁部である。面901の上端と面905の上端との上下方向の位置は互いに同じである。面906は、左右方向に延び、面901の上端と面905の上端とに接続されている。
後側から見た錘部900の中央部には、前後方向に錘部900を貫通する孔部908が設けられている。固定部920の軸部が孔部908を介して図8に示す後壁部63の孔部73に圧入され、リブ731が潰れ、該軸部が固定される。固定部920の頭部と後壁部63の後面との間に錘部900が挟まれることで、錘部900がホルダ部60に固定される。固定部920は、第二軸心A2に直交する前後左右方向において、装着部74の内側に位置する。
錘部900は、ホルダ部60における錘部900が装着される部位よりも比重が大きい。錘部900が装着される部位を有する後壁部63は、例えば、合成樹脂で形成されている。錘部900は、例えば、金属で形成されている。
錘部900は、ステッピングモータ51により回転される、ホルダ部60を含む部材により定まる重心位置を第二軸心A2に近づける重量である。本実施形態では、錘部900は、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79と板バネ698とが設けられたホルダ部60の重心位置を第二軸心A2に近づける重量である。図8に示すように、より詳細には、例えば、錘部900がホルダ部60に装着されていない場合、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79と板バネ698とが設けられたホルダ部60の重心位置871は、孔部631の右上方に位置する。錘部900がホルダ部60に装着された場合、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79と板バネ698とが設けられたホルダ部60の重心位置は、重心位置871より第二軸心A2に近い重心位置872に位置する。重心位置872は、孔部631の内側に位置する。
ここで、遠心力が作用している場合にホルダ61を回転させるために必要なステッピングモータ51のトルクTは、例えば、以下の式(1)〜(7)によって算出される。
Fc=Mc×L×ω^2・・・(1)
Tc=Fc×y・・・(2)
Fs=Tc/Z・・・(3)
T1=Fs×Rs・・・(4)
T2=Ff×Rs・・・(5)
T3=Ft×Rs・・・(6)
T=T1+T2+T3・・・(7)
Fc=Mc×L×ω^2・・・(1)
Tc=Fc×y・・・(2)
Fs=Tc/Z・・・(3)
T1=Fs×Rs・・・(4)
T2=Ff×Rs・・・(5)
T3=Ft×Rs・・・(6)
T=T1+T2+T3・・・(7)
ここで、Fcは、ホルダ61に作用する遠心力である。Mcは、ホルダ61の全体重量である。Lは、左右方向における第一軸心A1と第二軸心A2との間の距離である。ωは、第一軸心A1を中心としたホルダ61の角速度である。yは、上下方向における第二軸心A2とホルダ61の重心との間の距離である。yは、錘部900の重さによって変動する。Tcは、ホルダ61の回転トルクである。Zは、第二軸心A2とギア部76との間の距離、すなわちギア部76のピッチ円の直径の半分の値である。Rsは、第一軸心A1とステッピングモータ51の軸58との間の距離である。Fsは、図1に示すギア部76を回転させる図1に示すラックギア43を動作させるために必要な力である。Ffは、主軸の回転による遠心力の軸受479と支軸473との間の動摩擦係数分の力である。Ftは、図1に示すギア部76を回転させる、ステッピングモータ51に連結される部材を動作させる力であって、Fs以外に必要な力である。Ftは、例えば、図1に示す軸58からラックギア43までにおいて連結される部材の重量を動かす力である。T1は、ホルダ61を回転させるための、重心位置のみを考慮したトルクである。T2は、ホルダ61を回転させるための、摩擦係数のみを考慮したトルクである。T3は、ラックギア43を上方に持ち上げるためのトルクである。
特に、上記式(1)〜(7)によって算出されるトルクTが「1」以下になるように錘部900の位置と重さを設定すれば、トルクTが「1」より大きい場合に比べて、使用できるステッピングモータ51の種類も多くなり、ステッピングモータ51をコストダウンすることができる。本実施形態においては、錘部900が装着されていない場合、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79と板バネ698とが設けられたホルダ部60の重心は、図8に示す重心位置871にあり、トルクTが「1」より大きい。錘部900が装着されている場合、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79と板バネ698とが設けられたホルダ部60の重心は、図8に示す重心位置872にあり、トルクTが「1」より小さい。なお、錘部900が装着された状態のトルクTが「1」以上であってもよい。
<7.検査方法の一例>
検査装置1及び検査チップ2を用いた検査方法について説明する。尚、図11においては、アパーチャベース69及び取っ手部27の図示を省略している。図4に示すように、検体定量流路11の保持部111に検体17が配置される。試薬定量流路13の保持部111に第一試薬18が配置される。試薬定量流路15の保持部111に第二試薬19が配置される。
検査装置1及び検査チップ2を用いた検査方法について説明する。尚、図11においては、アパーチャベース69及び取っ手部27の図示を省略している。図4に示すように、検体定量流路11の保持部111に検体17が配置される。試薬定量流路13の保持部111に第一試薬18が配置される。試薬定量流路15の保持部111に第二試薬19が配置される。
ユーザは、第一自転角度であり、開閉部79が開放位置にあるホルダ61の上側から、ホルダ開口部75を介して装着部74に検査チップ2を配置する。これによって、図6に示すように、検査チップ2がホルダ61によって支持される。ユーザは、開閉部79を図6に示す開放位置から図5及び図11(A)に示す閉鎖位置に回転させる。図11(A)に示すように、板バネ698の付勢力によって、検査チップ2が右方に押され、突出部661,662に当接して位置決めされる。また、開閉部79の当接部800が検査チップ2の上面に当接し、下壁部64の上端641との間において検査チップ2を位置決めする。突出部961,962,963が、検査チップ2の後面に当接し、図5に示すアパーチャベース69との間において検査チップ2を位置決めする。
ユーザは、操作部94から処理開始のコマンドを入力する。これによって、CPU91は、ROM93に記憶されている制御プログラムに基づいて、遠心処理を実行する。尚、検査装置1は二つの検査チップ2を同時に検査可能であるが、以下では説明の便宜のため、一つの検査チップ2を検査する手順を説明する。尚、以下の説明においてCPU91がホルダ61及び検査チップ2を第一自転角度から第二自転角度に回転させる場合、ホルダ61及び検査チップ2は、第二軸心A2を中心に、前方から見て反時計回りに90度回転する。また、CPU91がホルダ61及び検査チップ2を第二自転角度から第一自転角度に回転させる場合、ホルダ61及び検査チップ2は、第二軸心A2を中心に、前方から見て時計回りに90度回転する。また、第一軸心A1は、ホルダ61に対して遠心力Xが作用する方向の反対方向側に位置する。
CPU91は、HDD95に予め記憶されているモータの駆動情報を読み込み、公転コントローラ97に主軸モータ35の駆動情報をセットし、自転コントローラ98にステッピングモータ51の駆動情報をセットする。このとき、ホルダ61及び検査チップ2は図4に示すように、定常状態であり、第一自転角度である。次いで、図3に示すCPU91が公転コントローラ97を制御し、主軸モータ35の駆動を開始する。この結果、第一自転角度のホルダ61及び検査チップ2が公転する。主軸モータ35は、公転コントローラ97の指示に基づき、ターンテーブル33の回転速度を速度Vに上げる。速度Vは、例えば3000rpmである。CPU91は主軸モータ35の回転速度を速度Vに保持する。図11(B)に示すように、ホルダ61に対して右方向に遠心力Xが作用する。このため、左辺部23から右辺部22に向けて、検査チップ2に遠心力Xが作用する。遠心力Xの作用によって、液体16は、保持部111から供給部112に移動する。
CPU91は自転コントローラ98を制御し、ステッピングモータ51を駆動する。そして、CPU91は図11(C)に示す第二自転角度までホルダ61及び検査チップ2を回転させる。図11(C)に示すように、ホルダ61に対して下方向に遠心力Xが作用する。このため、上辺部21から下辺部24に向けて、検査チップ2に遠心力Xが作用する。遠心力Xの作用によって、液体16は供給部112から定量部114に流れる。定量部114において溢れた液体16は、第二案内部117を介して余剰部116に流れる。このため、定量部114A,114B,114Cの夫々の容量分の検体17、第一試薬18、及び第二試薬19が定量される。
CPU91は自転コントローラ98を制御し、ステッピングモータ51を駆動する。そして、CPU91は、図11(D)に示す第一自転角度までホルダ61及び検査チップ2を回転させる。図11(D)に示すように、ホルダ61に対して右方向に遠心力Xが作用する。このため、左辺部23から右辺部22に向けて、検査チップ2に遠心力Xが作用する。遠心力Xの作用によって、定量部114において定量された検体17、第一試薬18、及び第二試薬19は、第一案内部115を介して、検査チップ2の右部、すなわち、測定部80及び測定部80の上側に移動する。検体17、第一試薬18、及び第二試薬19は、遠心力Xの作用によって混合され、混合液26が生成される。
CPU91は自転コントローラ98を制御し、ステッピングモータ51を駆動する。そして、CPU91は、図11(E)に示す第二自転角度までホルダ61及び検査チップ2を回転させる。図11(E)に示すように、ホルダ61に対して下方向に遠心力Xが作用する。このため、上辺部21から下辺部24に向けて、検査チップ2に遠心力Xが作用する。遠心力Xの作用によって、混合液26は測定部80に移動する。
S6が実行された後、CPU91は自転コントローラ98を制御し、ステッピングモータ51を駆動する。CPU91は、図11(F)に示すように、第一自転角度までホルダ61及び検査チップ2を回転させる。また、CPU91は公転コントローラ97を制御し、主軸モータ35の回転を停止する。故に、ホルダ61及び検査チップ2の公転が終了する。遠心処理は終了される。
遠心処理の実行後、CPU91は公転コントローラ97を制御し、検査チップ2を測定位置の角度まで回転させる。板バネ698が右向きに検査チップ2を付勢し、当接部800が検査チップ2の上面に当接することで、検査チップ2が位置決めされるので、測定部80は、アパーチャ694を通過した測定光が通過する図4に示す領域82を完全に含む。よって、図3に示す測定コントローラ99が光源71を発光させると、測定光が図5に示すアパーチャ694を介して検査チップ2の測定部80に照射される。測定光は、測定部80に貯溜された混合液26と図8に示す孔部639とを介して光センサ72に受光される。CPU91は光センサ72が受光した測定光の変化量に基づいて、混合液26の光学測定を行い、測定データを取得する。CPU91は、取得された測定データに基づいて、混合液26の測定結果を算出する。測定結果に基づく混合液26の検査結果が、図3に示すディスプレイ96に表示される。なお、混合液26の測定方法は、光学測定に限られず、他の方法でもよい。
<8.本実施形態の主たる作用・効果>
以上のように本実施形態における検査装置1による検査が行われる。本実施形態においては、第二軸心A2に対して開閉部79の反対側に錘部900が設けられているので、錘部900が設けられていない場合に比べて、開閉部79と錘部900とが設けられたホルダ部60の重心位置が第二軸心A2に近づく。このため、錘部900が設けられていない場合に比べて、ホルダ部60を第二軸心A2を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなる。よって、錘部900が設けられていない場合に比べて、トルクの小さいステッピングモータ51を使用することができ、ステッピングモータ51をコストダウンすることができる。
以上のように本実施形態における検査装置1による検査が行われる。本実施形態においては、第二軸心A2に対して開閉部79の反対側に錘部900が設けられているので、錘部900が設けられていない場合に比べて、開閉部79と錘部900とが設けられたホルダ部60の重心位置が第二軸心A2に近づく。このため、錘部900が設けられていない場合に比べて、ホルダ部60を第二軸心A2を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなる。よって、錘部900が設けられていない場合に比べて、トルクの小さいステッピングモータ51を使用することができ、ステッピングモータ51をコストダウンすることができる。
尚、本発明において、コストダウンとは、ステッピングモータ51自体のコストダウンに限られない。例えば、上記実施形態においては、トルクの小さいステッピングモータ51を使用することができるので、ステッピングモータ51の消費電力を削減でき、また小型化することができる。
また、上記実施形態において、錘部900を設けることにより、主軸モータ35の負荷が増大するが、錘部900に対して、ターンテーブル33を回転させる負荷などの主軸モータ35に掛かる全負荷に対する増加量は小さい。また、錘部900で発生する重量より重心位置と第二軸心A2との位置ずれで発生する遠心力からの力が大きい。よって、錘部900を設けることにより、ホルダ部60の重心位置を第二軸心A2に近づけさせることにより、よりコストダウンできる。
また、ホルダ部60を第二軸心A2を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなれば、ホルダ61を構成する部品とホルダ61を支持する部品との剛性を小さくすることができる。よって、剛性の小さい部品を使用してコストダウンすることができる。
また、錘部900は、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79と板バネ698とが設けられたホルダ部60の重心位置を第二軸心A2に近づける重量である。このため、錘部900が設けられていない場合に比べて、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79と板バネ698とが設けられたホルダ部60であるホルダ61の重心位置が第二軸心A2に近づく。よって、ホルダ61を第二軸心A2を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなる。故に、トルクの小さいステッピングモータ51を使用することができ、ステッピングモータ51をコストダウンすることができる。
ホルダ部60の第一軸心A1側には、ホルダ部60を回転させるための部材、例えば、図3に示す内軸40が配置されている。このため、仮に開閉部79が錘部900より第一軸心A1から近い部位に設けられていると、開閉部79が回転する場合に、ホルダ部60を回転させるための部材と開閉部79とが干渉する可能性がある。本実施形態においては、開閉部79が、ホルダ部60において錘部900より第一軸心A1から遠い部位に設けられている。このため、開閉部79が錘部900よりも第一軸心A1に近い部位に設けられている場合に比べて、ホルダ部60を回転させるための部材と開閉部79とが干渉する可能性を低減できる。
また、アパーチャ694は、第二軸心A2より第一軸心A1から遠い側に設けられ、錘部900は、ホルダ部60において第二軸心A2より近い側に設けられている。このため、仮にホルダ部60における錘部900の位置がわずかに位置ずれした場合でも、錘部900がアパーチャ694を通過する光の光路を妨げない。よって、錘部900がアパーチャ694を通過する光の光路を妨げて検査精度が低下する可能性を低減できる。
また、錘部900は、第二軸心A2から離れる程、第二軸心A2を中心とする円弧状に大きくなる放射形状である。このため、錘部900が第二軸心A2から離れる方向に沿った矩形状である場合に比べて、錘部900を第二軸心A2から離れる方向において小型化することができる。よって、錘部900を構成する材料が減り、コストダウンすることができる。
また、仮に、上下方向において係合壁部693が第三軸心A3より第二軸心A2から遠い側に設けられている場合、遠心力Xが開閉部79を開放位置に移動させる方向に作用する。例えば、図5に示す位置P1に係合壁部693があるとする。この場合、係合壁部693と第三軸心A3とを結ぶ線分L1は、第三軸心A3から左斜め上方に延びる。このため、右方向に遠心力Xが作用すると、矢印861に示すように前側から見た場合における時計回り方向に開閉部79が回転しようとする。よって、爪部802と係合壁部693との係合が解除され、開閉部79が開放位置に回転する可能性がある。本実施形態においては、上下方向において係合壁部693が第三軸心A3より第二軸心A2側に設けられているので、遠心力Xが開閉部79を閉鎖位置に保持する方向に作用する。より詳細には、第三軸心A3と係合壁部693とを結ぶ線分L2は、第三軸心A3から左斜め下方に延びる。このため、右方向に遠心力Xが作用すると、矢印862に示すように前側から見た場合における反時計回り方向に開閉部79が回転しようとする。よって、開閉部79が閉鎖位置に保持される。故に、係合壁部693が第三軸心A3より第二軸心A2から遠い側に設けられている場合に比べて、遠心力Xが作用している間に開閉部79が開放位置に移動し難くなる。よって、開閉部79が開放位置に移動して、ホルダ部60の重心位置が第二軸心A2から遠くなり、トルクが増大する可能性を低減できる。よって、トルクの小さいステッピングモータ51を使用することができ、ステッピングモータ51をコストダウンすることができる。
また、上下方向において係合壁部693が第三軸心A3より第二軸心A2から遠い側に設けられている場合に比べて、開閉部79が開放位置に移動し難くなり、検査チップ2をホルダ部60により確実に保持できる。よって、検査チップ2をホルダ部60に保持した状態で検査を行うことができ、検査精度が向上する。
また、突出部961,962によって、検査チップ2を位置決めできる。また、検査チップ2の液体流路25を流れる液体16は、遠心力Xが作用する方向に流れる。このため、図11(F)に示すように、検査チップ2において測定が行われる測定部80は、装着部74における第一軸心A1から遠い側の端部である右端部に近い位置に配置される。突出部961,962は、装着部74において第一軸心A1から遠い側の端部である右端部に配置されている。よって、突出部961,962が装着部74における第一軸心A1に近い側の端部である左端部に設けられている場合に比べて、突出部961,962が測定部80の近くに配置され、測定部80を位置決めできる。よって、測定部80が位置ずれする可能性を低減でき、検査精度が向上する。また、突出部961,962が第一軸心A1が延びる上下方向に延びている。このため、突出部961,962が第一軸心A1が延びる上下方向とは異なる方向に延びている場合に比べて、突出部961,962が上下方向に延びる検査チップ2の取っ手部27に接触する可能性を低減でき、検査チップ2を位置決めする精度が向上する。
錘部900は、ホルダ部60における錘部900が装着される部位である後壁部63よりも比重が大きい。このため、錘部900の比重が、ホルダ部60における錘部900が装着される部位の比重よりも小さい場合に比べて、錘部900を小型化することができる。よって、錘部900と開閉部79とが設けられたホルダ部60を小型化することができる。
上記実施形態において、主軸モータ35は本発明の第一回転機構の一例である。ステッピングモータ51は本発明の第二回転機構の一例である。板バネ698は本発明の付勢部材の一例である。光源71は本発明の発光部の一例である。光センサ72は本発明の受光部の一例である。アパーチャ694は本発明の透過開口部の一例である。爪部802は本発明の第一係合部の一例である。係合壁部693は本発明の第二係合部の一例である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、錘部900が、ホルダ部60における錘部900が装着される部位よりも比重が大きくてもよい。また、図8に示す突出部961〜963が設けられなくてもよい。また、検査チップ2に取っ手部27が設けられていなくてもよい。
また、固定部920は、第二軸心A2に直交する前後左右方向において、装着部74より外側に位置してもよい。この場合、例えば、図10における位置841のように、図8に示す装着部74より下側に固定部920が位置してもよい。また、図10における位置842のように、図8に示す装着部74より左側に固定部920が位置していてもよい。この場合、固定部920が第二軸心A2に直交する方向において装着部74の内側に設けられている場合に比べて、固定部920が装着部74内に突出し難い。このため、固定部920によって錘部900をホルダ部60に固定しつつ、より確実に装着部74によって検査チップ2を保持できる。
また、固定部920が設けられなくてもよい。例えば、錘部900が接着剤によってホルダ部60に貼り付けられてもよい。また、第三軸心A3が第二軸心A2より第一軸心A1から近い側に設けられてもよい。また、係合壁部693は、第三軸心A3より第一軸心A1から遠い側に向けられてもよい。係合壁部693は、第三軸心A3より第二軸心A2から遠い側に設けられてもよい。開閉部79が第二軸心A2とは異なる方向の軸心を中心にして回転してもよい。即ち、第三軸心A3が第二軸心A2に沿っていなくてもよい。開閉部79は、閉鎖位置から開放位置に移動する場合に、第二軸心A2に近づく方向に回転してもよい。開閉部79は、第二軸心A2より第一軸心A1側に設けられてもよい。また、開閉部79は、ホルダ開口部75の少なくとも一部を閉鎖すればよく、ホルダ開口部75の全体を閉鎖してもよい。また、第二軸心A2が第一軸心A1に交差していればよく、直交しなくてもよい。
また、錘部900の形状は限定されない。例えば、錘部900は、直方体状であってもよいし、後側から見た場合に円形状であってもよい。錘部900は、第二軸心A2に対して開閉部79の反対側に位置すればよく、ホルダ部60において錘部900が設けられる位置は限定されない。例えば、錘部900は、第二軸心A2より第一軸心A1から遠い側に設けられてもよい。アパーチャ694は、第二軸心A2より第一軸心A1側に設けられてもよい。また、錘部900がホルダ部60と別体で形成されなくてもよい。錘部900がホルダ部60に設けられていればよく、例えば、後壁部63における、第二軸心A2に対して開閉部79の反対側の部位が後方に突出されることで、錘部が形成されてもよい。この場合においても、錘部が設けられていない場合に比べて、ホルダ部60を含む部材により定まる重心位置を第二軸心A2に近づけることができる。
また、錘部900は、ステッピングモータ51により回転される、ホルダ部60を含む部材により定まる重心位置を第二軸心A2に近づける重量であればよい。例えば、板バネ698が設けられていない場合、錘部900は、検査チップ2が装着部74に装着され、開閉部79が設けられたホルダ部60の重心位置を第二軸心A2に近づける重量であればよい。この場合であっても、錘部900が設けられていない場合に比べて、ホルダ61を第二軸心A2を中心に回転させるために必要なトルクが小さくなる。故に、トルクの小さいステッピングモータ51を使用することができ、ステッピングモータ51をコストダウンすることができる。
1 検査装置
2 検査チップ
3 検査システム
60 ホルダ部
69 アパーチャベース
71 光源
72 光センサ
74 装着部
75 ホルダ開口部
79 開閉部
694 アパーチャ
698 板バネ
802 爪部
900 錘部
920 固定部
961,962,963 突出部
A1 第一軸心
A2 第二軸心
A3 第三軸心
2 検査チップ
3 検査システム
60 ホルダ部
69 アパーチャベース
71 光源
72 光センサ
74 装着部
75 ホルダ開口部
79 開閉部
694 アパーチャ
698 板バネ
802 爪部
900 錘部
920 固定部
961,962,963 突出部
A1 第一軸心
A2 第二軸心
A3 第三軸心
Claims (10)
- ホルダ開口部を介して検査チップを着脱可能な装着部を有するホルダ部と、
第一軸心を中心に前記ホルダ部を回転させ、前記ホルダ部に遠心力を作用させる第一回転機構と、
前記第一軸心が延びる方向に交差する方向を第二軸心として前記ホルダ部を回転させる第二回転機構と、
前記ホルダ部に設けられ、前記ホルダ開口部の少なくとも一部を開閉する開閉部と、
前記ホルダ部に設けられ、前記第二軸心に対して前記開閉部の反対側に位置する錘部と
を備えたことを特徴とする検査装置。 - 前記錘部は、前記第二回転機構により回転される、前記ホルダ部を含む部材により定まる重心位置を前記第二軸心に近づける重量であることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
- 前記ホルダ部に設けられ、前記装着部に装着された前記検査チップを付勢可能な付勢部材を備え、
前記錘部は、前記検査チップが前記装着部に装着され、前記開閉部と前記付勢部材とが設けられた前記ホルダ部の重心位置を前記第二軸心に近づける重量であることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。 - 前記錘部は、前記ホルダ部において前記開閉部より前記第一軸心に近い部位に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検査装置。
- 前記第一回転機構による前記ホルダ部の回転軌道の外側に配置された発光部と、
前記回転軌道の外側に配置され、前記発光部に対向し、前記発光部からの光を受光する受光部と、
前記ホルダ部において前記第二軸心より前記第一軸心から遠い側の部位に設けられ、前記発光部から前記受光部に向けて発光された光を前記検査チップに透過させる透過開口部と
を備え、
前記開閉部は、前記第二軸心より前記第一軸心から遠い側に設けられ、
前記錘部は、前記第二軸心より前記第一軸心に近い側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の検査装置。 - 前記錘部は、前記第二軸心から離れる程、前記第二軸心を中心とする円弧状に大きくなる放射形状であることを特徴とする請求項4又は5に記載の検査装置。
- 前記開閉部に設けられ、前記開閉部が前記ホルダ開口部を閉鎖する閉鎖位置にある場合に前記ホルダ部に係合する第一係合部と、
前記ホルダ部に設けられ、前記第一係合部に係合する第二係合部と
を備え、
前記開閉部は、前記第二軸心に沿う方向の第三軸心を中心にして回転し、前記閉鎖位置から、前記ホルダ開口部を開放する開放位置に回転する場合に、前記第二軸心から離れる方向に回転し、
前記第三軸心は、前記第二軸心より前記第一軸心から遠い側に設けられ、
前記第二係合部は、前記第三軸心より前記第一軸心側、且つ前記第三軸心より前記第二軸心側に設けられていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の検査装置。 - 前記装着部における前記第一軸心から遠い側の端部において、前記第一軸心が延びる方向に延び、前記第二軸心が延びる方向に突出する突出部を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の検査装置。
- 前記錘部を前記ホルダ部に固定する固定部を備え、
前記固定部は、前記第二軸心に直交する方向において、前記装着部より外側に位置することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の検査装置。 - 前記錘部は、前記ホルダ部における前記錘部が装着される部位よりも比重が大きいことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の検査装置。
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JP2014155548A JP2016033453A (ja) | 2014-07-30 | 2014-07-30 | 検査装置 |
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Family Applications (1)
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