JP2015105888A - 検査装置、検査方法、及び検査プログラム - Google Patents

検査装置、検査方法、及び検査プログラム Download PDF

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由美子 大鹿
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Abstract

【課題】容量の異なる2つの定量部で適切に定量を行うための検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供する。
【解決手段】検査装置は、検体が定量される検体定量部、及び、試薬が定量される試薬定量部を備える検査チップを、第一軸を中心とした回転方向である公転方向に回転させ、検体及び試薬に遠心力を作用させ、且つ、第一軸とは異なる第二軸を中心とした回転方向である自転方向に回転させることにより、遠心力の方向を変化させる検査装置である。検査装置のCPUは、検査チップを自転速度VAで自転方向に回転させることにより、試薬定量部へ試薬を注入させる(S19)。CPUは、自転速度VAよりも遅い自転速度VC、VDで検査チップを自転方向に回転させることにより、試薬定量部よりも容量が小さい検体定量部へ検体を注入させる(S31、S35)。
【選択図】図4

Description

本発明は、検査対象物の化学的、医学的、または生物学的な検査を行うための検査装置、検査方法、及び検査プログラムに関する。
従来、生体物質、または化学物質等の検体を検査するための検査装置が知られている。例えば特許文献1に開示のマイクロチップは、血漿分離部、検体計量部、液体試薬計量部、及び混合部を備えている。このマイクロチップでは、下向き方向の遠心力により、全血が血漿分離部に導入され、血漿成分と血球成分とに分離される。同時に、液体試薬Xが液体試薬計量部に導入され、計量される。次に、右向き方向の遠心力により、分離された血漿成分が検体計量部に導入され、計量される。次に、下向き方向の遠心力により、計量された血漿成分及び計量された液体試薬Xが混合部に移動され、混合される。
特開2009−121912号公報
特許文献1に開示のマイクロチップでは、液体試薬計量部に試薬Xを適切に導入させるための遠心力の印加条件と同一の印加条件で、容量の異なる検体計量部に血漿成分を導入させるために遠心力が印加された場合、検体計量部内の血漿成分に気泡が混入する可能性がある。この場合、検体計量部による血漿成分の計量精度が低下する可能性がある。
本発明の目的は、容量の異なる2つの定量部で適切に定量を行うための検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供することである。
本発明の第一態様に係る検査装置は、検体が定量される検体定量部、及び、試薬が定量される試薬定量部を備える検査チップを、第一軸を中心とした回転方向である公転方向に回転させ、前記検体、及び前記試薬に遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心とした回転方向である自転方向に回転させることにより、前記遠心力の方向を変化させる検査装置であって、前記検査チップを試薬自転速度で前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部へ前記試薬を注入させる試薬定量手段と、前記試薬自転速度よりも遅い検体自転速度で前記検査チップを前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部よりも容量が小さい前記検体定量部へ前記検体を注入させる検体定量手段とを備えている。
第一態様によれば、検査装置は、容量の相対的に小さい検体定量部に検体を注入する場合、検査チップの自転方向の回転速度を相対的に遅くすることにより、検体定量部内に検体が注入される時に気泡が混入することを低減できる。また、検査装置は、容量の相対的に大きい試薬定量部に試薬を注入する場合、自転方向の回転速度を相対的に速くすることにより、試薬定量部内に注入された試薬が、試薬定量部から流出することを低減できる。従って検査装置は、一つの検査チップに設けられた容量の異なる2つの定量部(検体定量部及び試薬定量部)による定量を精度よく実行することが可能となる。
前記検査装置において、前記試薬定量手段は、前記遠心力の方向が、前記試薬定量部に注入される前記試薬の量を前記試薬定量部の容量にさせる第一自転方向を向くまで、前記検査チップを前記試薬自転速度で前記自転方向に回転させ、前記検体定量手段は、前記遠心力の方向が、前記検体定量部に注入される前記検体の量を前記検体定量部の容量にさせる第二自転方向と異なる第三自転方向を向くまで、前記検査チップを前記検体自転速度で前記自転方向に回転させる第一自転定量手段と、前記遠心力の方向が前記第二自転方向を向くまで、前記検査チップを前記検体自転速度で前記自転方向に回転させる第二自転定量手段とを備え、前記第二自転定量手段により前記検査チップを回転させる場合の前記検体自転速度は、前記第一自転定量手段により前記検査チップを回転させる場合の前記検体自転速度よりも遅くてもよい。
前記検査装置において、前記試薬定量手段は、前記検査チップを、減速させずに第一公転速度で前記公転方向に回転させ、前記検体定量手段は、前記検査チップを第二公転速度で前記公転方向に回転させた後、前記第二公転速度よりも遅い第三公転速度で前記検査チップを前記公転方向に回転させてもよい。
前記検査装置において、前記検査チップは、前記試薬定量部に向けて開口し、前記試薬を前記試薬定量部に注入させる試薬注入部を備え、前記試薬定量部の一端部は、前記検体と混合される前記試薬を前記試薬定量部から取り出す試薬取出し流路に連通し、前記試薬定量部の他端部は、前記試薬定量部から溢れた前記試薬を収容する試薬余剰部に連通し、前記試薬定量部の一端部と他端部とを結ぶ直線と直交する方向に前記試薬定量部の他端部から延びる試薬仮想線上に、前記試薬注入部が配置し、前記試薬定量手段は、前記遠心力の方向が、前記試薬仮想線と平行な方向を向くまで、前記検査チップを前記自転方向に回転させてもよい。
前記検査装置において、前記検査チップは、前記検体定量部に向けて開口し、前記検体を前記検体定量部に注入させる検体注入部を備え、前記検体定量部の一端部は、前記試薬と混合される前記検体を前記検体定量部から取り出す検体取出し流路に連通し、前記検体定量部の他端部は、前記検体定量部から溢れた前記検体を収容する検体余剰部に連通し、前記検体定量部の一端部と他端部とを結ぶ直線と直交する方向に前記検体定量部の一端部から延びる検体仮想線上に、前記検体注入部が配置し、前記検体定量手段は、前記遠心力の方向が、前記検体仮想線と平行な方向を向くまで、前記検査チップを前記自転方向に回転させてもよい。
本発明の第二態様に係る検査方法は、検体が定量される検体定量部、及び、試薬が定量される試薬定量部を備える検査チップを、第一軸を中心とした回転方向である公転方向に回転させ、前記検体、及び前記試薬に遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心とした回転方向である自転方向に回転させることにより、前記遠心力の方向を変化させる検査方法であって、前記検査チップを試薬自転速度で前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部へ前記試薬を注入させる試薬定量ステップと、前記試薬自転速度よりも遅い検体自転速度で前記検査チップを前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部よりも容量が小さい前記検体定量部へ前記検体を注入させる検体定量ステップとを備えている。第二態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
本発明の第三態様に係る検査プログラムは、検体が定量される検体定量部、及び、試薬が定量される試薬定量部を備える検査チップを、第一軸を中心とした回転方向である公転方向に回転させ、前記検体、及び前記試薬に遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心とした回転方向である自転方向に回転させることにより、前記遠心力の方向を変化させる検査装置のコンピュータに、前記検査チップを試薬自転速度で前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部へ前記試薬を注入させる試薬定量ステップと、前記試薬自転速度よりも遅い検体自転速度で前記検査チップを前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部よりも容量が小さい前記検体定量部へ前記検体を注入させる検体定量ステップとを実行させる。第三態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
検査装置1及び制御装置90を含む検査システム3の構成を示す図である。 検査チップ2を前面201側から見た平面図である。 検査チップ2を後面202側から見た平面図である。 遠心処理のフローチャートである。 遠心処理における検査チップ2の公転速度と自転角度との変化を示すグラフである。 遠心処理における検査チップ2の公転速度と自転角度との変化を示すグラフである。 遠心処理における検査チップ2の状態遷移図である。 遠心処理における検査チップ2の状態遷移図である。 遠心処理における検査チップ2の状態遷移図である。 検体定量部114周辺の拡大平面図である。
本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図1は、検査システム3を構成する検査装置1の平面及び制御装置90の内部の機能ブロックを示している。
<1.検査システム3の概略構造>
図1を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査装置1が検査チップ2から離間した垂直軸線A1を中心として検査チップ2を回転させると、遠心力が検査チップ2に作用する。検査装置1が水平軸線A2を中心に検査チップ2を回転させると、検査チップ2に作用する遠心力の方向である遠心方向が切り替えられる。なお、本実施形態の検査システム3及び検査装置1は、特開2012−78107号公報に記載されているように周知の構造であるので、以下の説明では、検査装置1の構造の概略について説明する。
<2.検査装置1の構造>
図1を参照して、検査装置1の構造について説明する。以下の説明では、図1の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査装置1の前方、後方、右方、左方、上方、及び下方とする。本実施形態では、垂直軸線A1の方向は検査装置1の上下方向であり、水平軸線A2の方向は、検査チップ2が垂直軸線A1を中心として回転される際の速度の方向である。なお、図1は検査装置1の上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、上板32、ターンテーブル33、角度変更機構34、及び制御装置90を備える。ターンテーブル33は、後述する上板32の上側に回転可能に設けられた円盤である。検査チップ2は、ターンテーブル33の上方に保持される。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた駆動機構である。この角度変更機構34は、水平軸線A2を中心に検査チップ2を各々回転させる。上部筐体30は、後述する上板32に固定されており、検査チップ2に対して光学測定を行う測定部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の各種処理を制御するコントローラである。
下部筐体31の概略構造を説明する。下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、長方形の板材である上板32が設けられている。下部筐体31の内部には、垂直軸線A1を中心にターンテーブル33を回転させる駆動機構が、次のように設けられている。
下部筐体31内の左方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、ターンテーブル33の中央部に接続されている。
主軸57は、上板32の直下に設けられた図示しない支持部材により、回転自在に保持されている。支持部材の下側では、主軸57にプーリ38が固定されている。プーリ37とプーリ38とに亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、及びプーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
下部筐体31内の右方寄りに、下部筐体31の内部において上下方向に延びる図示しないガイドレールが設けられている。図示しないT型プレートは、ガイドレールに沿って下部筐体31内において上下方向に移動可能である。
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。図示しない内軸は、主軸57の内部において上下方向に移動可能な軸である。内軸の上端部は、主軸57内を貫通してラックギア43に接続されている。T型プレートの左端部には、図示しない軸受が設けられている。軸受の内部では、内軸の下端部が回転自在に保持される。
T型プレートの前方には、T型プレートを上下動させるためのステッピングモータ51が固定されている。ステッピングモータ51の軸58は後方、すなわち図1では下方側に向けて突出している。軸58の先端には、図示しない円盤状のカム板が固定されている。カム板の後側の面には、図示しない円柱状の突起が設けられている。突起の先端部は、図示しない溝部に挿入されている。突起は、溝部内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板の回転に連動して突起が上下動する。このとき、溝部に挿入されている突起に連動して、T型プレートがガイドレールに沿って上下動する。
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、ターンテーブル33の上面に固定された一対のL型プレート60を有する。各L型プレート60は、ターンテーブル33の中心近傍に固定された基部から上方に延び、且つ、その上端部がターンテーブル33の径方向外側に向けて延びている。一対のL型プレート60の間には、内軸に固定された図示しないラックギア43が設けられている。ラックギア43は、上下方向に長い金属製の板状部材であり、両端面にギアが各々刻まれている。
各L型プレート60の延設方向の先端側では、ギア45を有する水平な支軸46が回転自在に軸支されている。支軸46は図示外の装着用ホルダを介して検査チップ2に固定されている。このため、ギア45の回転に連動して検査チップ2も支軸46を中心に回転する。ギア45とラックギア43との間には、L型プレート60により図示略の水平軸線を中心に回転自在に支持されたピニオンギア44が介在している。ピニオンギア44は、ギア45及びラックギア43に夫々噛合している。ラックギア43の上下動に連動して、ピニオンギア44、及びギア45が夫々従動回転し、ひいては検査チップ2が支軸46を中心に回転する。
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、検査チップ2が垂直軸である主軸57を中心に回転して、検査チップ2に遠心力が作用される。検査チップ2の垂直軸線A1を中心とした回転を、公転と呼び、公転の回転方向を、公転方向と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸を上下動させるのに伴って、検査チップ2が水平軸である支軸46を中心に回転して、検査チップ2に作用する遠心力の方向が相対変化する。検査チップ2の水平軸線A2を中心とした回転を、自転と呼び、自転の回転方向を、自転方向と呼ぶ。
T型プレートが可動範囲の最下端まで下降した状態では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、検査チップ2は、自転角度が0度の定常状態になる。また、T型プレートが可動範囲の最上端まで上昇した状態では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上昇する。このとき、検査チップ2は、定常状態から水平軸線A2を中心に180度回転した状態になる。つまり、本実施形態では検査チップ2が自転可能な角度幅は、自転角度0度〜180度である。
上部筐体30の詳細構造を説明する。図1に示すように、上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心にある主軸57からみて、検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。
上部筐体30の内部に設けられた測定部7は、測定光を発光する光源71と、光源71から発せられた測定光を検出する光センサ72とを有する。光源71及び光センサ72は、検査チップ2の回転範囲の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に測定光が照射される測定位置である。検査チップ2が測定位置にある場合、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光が、検査チップ2の前面及び後面に対して略垂直に交差する。
<3.制御装置90の電気的構成>
図1を参照して、制御装置90の電気的構成について説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、ユーザが制御装置90に対する指示を入力するための操作部94と、各種データ、及びプログラムを記憶するハードディスク装置95と、各種情報を表示するディスプレイ96とが接続されている。制御装置90としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、専用の制御装置を用いてもよい。
更に、CPU91には、公転コントローラ97、自転コントローラ98、及び測定コントローラ99が接続されている。公転コントローラ97は、主軸モータ35を回転駆動させる制御信号を主軸モータ35に送信することにより、検査チップ2の公転を制御する。自転コントローラ98は、ステッピングモータ51を回転駆動させる制御信号をステッピングモータ51に送信することにより、検査チップ2の自転を制御する。測定コントローラ99は、測定部7を駆動することにより、検査チップ2の光学測定を実行する。詳細には、測定コントローラ99は、光源71の発光、及び光センサ72の光検出を実行させる制御信号を、光源71及び光センサ72に送信する。なお、CPU91が公転コントローラ97、自転コントローラ98及び測定コントローラ99を制御する。
<4.検査チップ2の構造>
図2及び図3を参照して、本実施形態に係る検査チップ2の詳細構造を説明する。以下の説明では、図2の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査チップ2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。
図2及び図3に示すように、検査チップ2は一例として前方から見た場合に正方形状であり、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。図2に示すように、板材20の前面201は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート291により封止されている。図3に示すように、前面201の反対側の後面202は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート292により封止されている。図2及び図3に示すように、板材20とシート291との間、及び、板材20とシート292との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。液体流路25は、板材20の前面201側及び後面202側に所定深さに形成された凹部であり、板材20の厚み方向である前後方向と直交する方向に延びる。シート291,292は、板材20の流路形成面を封止する。シート291,292は、図2及び図3以外では図示を省略している。
液体流路25は、検体定量流路11、試薬定量流路13,15、混合部80、及び測定部81等を含む。試薬定量流路13は、第一接続流路301を含む。試薬定量流路15は、第二接続流路331を含む。図2に示すように、混合部80は、前面201における右下部に設けられている。試薬定量流路13は、前面201における左上部から混合部80に向かって延びる。検体定量流路11は、前面201における右上部から混合部80に向かって延びる。図3に示すように、試薬定量流路15は、後面202側における左上部から混合部80に向かって延びる。混合部80は、後述する通路117に接続されて下方に延びる、後述する端部315及び後述する流入口306より右側の流路を含む領域である。測定部81は、混合部80の下部である。
試薬定量流路13、15に共通する構成について説明する。図2及び図3に示すように、試薬定量流路13,15は、夫々、注入口130、試薬保持部131、供給部132、試薬定量部134、通路137、案内部139、及び余剰部136を含む。試薬保持部131は、検査チップ2の左上部に設けられている。試薬保持部131は、上方に開口する凹部である。注入口130は、試薬保持部131の上部から検査チップ2の上辺部21に向かって板材20を貫通する。注入口130は、第一試薬18または第二試薬19が試薬保持部131に注入される部位である。試薬定量流路13の試薬保持部131は、試薬定量流路13の注入口130から注入された第一試薬18が貯留される部位である。試薬定量流路15の試薬保持部131は、試薬定量流路15の注入口130から注入された第二試薬19が貯留される部位である。以下の説明では、第一試薬18、及び第二試薬19を総称する場合、または何れかを特定しない場合、試薬16という。
図2及び図3に示すように、供給部132は、試薬保持部131の右上部分から下方向に延びる試薬16の流路である。供給部132の下端部は、流路が狭く形成された通路である案内部139に繋がっている。案内部139の下方には、試薬定量部134が設けられている。案内部139は、試薬定量部134に向けて開口する。試薬定量部134は、試薬16が定量される部位であり、左下方に凹む凹部である。
試薬定量部134は、第一接続流路301を介して混合部80と接続されており、通路137を介して余剰部136と接続されている。試薬定量部134の混合部80側の一端部である右端部を第一端部141という。前面201側の試薬定量部134の第一端部141は、後述の第一接続流路301に連通する。後面202側の試薬定量部134の第一端部141は、第二接続流路331に連通する。試薬定量部134の混合部80とは反対側の左端部を第二端部142という。すなわち、通路137は第二端部142から余剰部136に向けて延びる。第一端部141と第二端部142とを結ぶ面は、定量面146である。定量面146は、試薬16が試薬定量部134において定量される場合における試薬16の上面の位置となる仮想的な面である。従って、定量面146より下方の液体流路25の容量が試薬定量部134における定量量である。試薬定量部134の第二端部142から、定量面146と直交する方向に延びる直線を、仮想線142Aと定義する。案内部139は、仮想線142A上に配置する。試薬定量部134の容量は、後述する検体定量部114の容量よりも大きい。
試薬定量部134の上部から、通路137が左斜め下方に延びる。通路137は、試薬定量部134から溢れた試薬16が移動する流路である。試薬定量部134の左下方には、余剰部136が設けられている。余剰部136は、通路137を移動した試薬16が収容される部位であり、通路137の下端部から下方向及び右方向に設けられた凹部である。
第一接続流路301について説明する。以下の説明では、試薬定量流路13の試薬定量部134を試薬定量部134Aといい、試薬定量流路15の試薬定量部134を試薬定量部134Bという。第一接続流路301は、前面201に形成され、試薬定量部134Aと混合部80とを接続する流路である。第一接続流路301は、試薬定量部134Aの上部から右斜め上方に延び、右端部から下方に延び、下端部から更に右方に延びる。第一接続流路301は、第一壁面302と第二壁面303とにより形成されている。第一壁面302は、試薬定量部134Aと対向して混合部80側に延びる壁面である。第一壁面302は、案内部139の下端から、後述する流入口306を形成する右端部314まで延びる。第二壁面303は、第一壁面302に対向する壁部である。第二壁面303は、試薬定量部134Aの第一端部141から、後述する流入口306を形成する右端部313まで延びる。
第一接続流路301は、部分受け部304、試薬受け部305、及び流入口306を備えている。部分受け部304は、試薬定量部134Aにおいて定量された第一試薬18の一部を保持する部位である。部分受け部304は、試薬定量部134Aの右方、且つ後述する合流孔部351より試薬定量部134A側に設けられている。部分受け部304は、第一端部141から第二端部142に向かう左方向に開口する凹部である。部分受け部304の容量は、試薬定量部134Aの容量よりも小さい。
第二壁面303のうち、試薬定量部134Aの第一端部141に接続された壁面を試薬流路壁面308という。すなわち、試薬流路壁面308は、第一接続流路301において試薬定量部134Aに接続されており、第一接続流路301の一部を形成する。試薬流路壁面308は、第一端部141から右斜め上方に延び、屈曲部309においてやや上方に折れ曲がり、右斜め上方に延びる。試薬流路壁面308における混合部80側の端部310から、試薬流路壁面308に垂直な方向に引いた仮想線311は、部分受け部304より試薬定量部134A側の第一接続流路301の部位と交差する。
試薬受け部305は、部分受け部304と混合部80との間において、部分受け部304の下方に設けられている。試薬受け部305は、部分受け部304側である上方に開口を有する凹部であり、部分受け部304に保持された後に下方に移動する第一試薬18を保持する部位である。試薬受け部305は、第二壁面303のうち、壁面303A、壁面303B、及び壁面303Cにより形成されている。壁面303Aは、試薬定量流路13の余剰部136の右方を上下に延びる壁面である。壁面303Bは、壁面303Aの下端部から、右方向に延びる壁面である。壁面303Bの右端部は、混合部80の左下方に位置する。壁面303Cは、壁面303Bの右端部から右斜め上方に延びる壁面である。
流入口306は、壁面303Cの右端部313と、右端部313の上方に位置する第一壁面302の右端部314とにより形成されている。流入口306は、混合部80の左上側に位置し、混合部80に試薬16を流入させる部位である。
第一接続流路301の下端部の左右方向中央部には、合流孔部351が設けられている。合流孔部351は、板材20を前後方向に貫通し、第一接続流路301に第二接続流路331を合流させる孔部である。合流孔部351における第二壁面303側である下側の端部352と、端部352に対向する上側の端部353のうち、端部352は、第二壁面303の壁面303Bに沿って左右方向に延びる。端部353は、第一壁面302に沿っている。
第二接続流路331について説明する。図3に示すように、第二接続流路331は、後面202に形成され、試薬定量部134Bから混合部80側に延び、試薬定量部134Bと混合部80とを接続する流路である。第二接続流路331は、4つの試薬受け部341,342,343,344を備えている。試薬受け部341〜344は、試薬定量部134Bにおいて定量された第二試薬19を受ける部位である。試薬受け部341は、試薬定量部134Bの右方に位置し、左方に開口する凹部である。試薬受け部342は、試薬受け部341の左下方に位置し、上方に開口する凹部である。試薬受け部343は、試薬受け部342の右下方に位置し、左方に開口する凹部である。試薬受け部344は、試薬受け部343の下側に位置し、上方に開口する凹部である。
第二接続流路331は、試薬定量部134Bから右斜め上方に延びて試薬受け部341に繋がり、試薬受け部341から左斜め下方に延びて試薬受け部342に繋がる。第二接続流路331は、試薬受け部342から右斜め上方に延び、右端から下方に延びて試薬受け部343に繋がる。第二接続流路331は、試薬受け部343から左斜め下方に延びて試薬受け部344に繋がる。試薬受け部344の右端部は、合流孔部351に接続されており、前面201側の第一接続流路301に繋がる。
検体定量流路11について説明する。図2に示すように、検体定量流路11は、注入口110、検体保持部111、第一供給部112、第一案内部113、分離部124、通路125、通路127、第一余剰部126、第二供給部123、検体定量部114、通路115、通路117、及び第二余剰部116を含む。検体保持部111は、試薬定量流路13の供給部132の右側に設けられている。検体保持部111は、上方に開口する凹部である。注入口110は、検体保持部111の上部から検査チップ2の上辺部21に向かって板材20を貫通する。注入口110は、検体17が検体保持部111に注入される部位である。検体保持部111は、注入口110から注入された検体17が貯留される部位である。本実施形態の検体17は、例えば、血液、血漿、血球、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、または食料品などの成分を含む液体である。第一供給部112は、検体保持部111の右上部分から下方に延びる流路である。第一供給部112の下端部は、流路が狭く形成された通路である第一案内部113に繋がっている。
第一案内部113の下方には、分離部124が設けられている。第一案内部113は、分離部124に検体17を案内する。分離部124は検体17に含まれる成分が分離される部位である。分離部124は、上方に開口し、右斜め下方に傾く凹部である。分離部124は、遠心力の作用により、検体17を比重の小さい成分と比重の大きい成分とに遠心分離する。以下の説明では、図7(c)に示すように分離部124において分離された検体17の比重の小さい成分を検体17Aといい、比重の大きい成分を検体17Bという。
分離部124の右側面における上下方向中央部から連結流路120が右斜め上方に延設され、連結流路120の上端部は成分保持部121の上端部に接続されている。成分保持部121は分離部124において分離された検体17Aと検体17Bの一部とを保持する貯溜部である。また、連結流路120の流路の幅は、後述する通路127の流路の幅より狭い。このため、検体17Aは、連結流路120に流入するよりも先に通路127に流れ出す。故に、検体17Aが通路127より先に成分保持部121に流入してしまう可能性を低減できる。
分離部124の上部から、通路125が左斜め下方に延び、通路127が右斜め上方に延びている。通路125は、分離部124の左下方に設けられた第一余剰部126まで延びている。第一余剰部126は、分離部124から溢れ出た検体17が貯留される部位であり、通路125の下端部から右方向及び下方向に設けられた凹部である。
通路127は、第二供給部123に繋がっている。第二供給部123は、通路127の右上部分から下方に延びる流路である。第二供給部123の下端は、流路が狭く形成された通路である第二案内部128に繋がっている。第二案内部128の下方には、検体定量部114が設けられている。第二案内部128は検体定量部114に向けて開口する。検体定量部114は、検体17Aを定量する部位であり、上側に開口する凹部である。検体定量部114は、左斜め下方に凹んでいる。
検体定量部114は、通路117を介して混合部80と接続されており、通路115を介して第二余剰部116と接続されている。検体定量部114の混合部80側の一端部である右端部を第一端部114Aという。第一端部114Aは、後述の通路117に連通する。検体定量部114の混合部80とは反対側の左端部を第二端部114Bという。すなわち、通路115は第二端部114Bから第二余剰部116に向けて延びる。検体定量部114の第一端部114Aと第二端部114Bとを結ぶ面は、定量面114Cである。定量面114Cは、検体17Aが検体定量部114において定量される場合における検体17Aの上面の位置となる仮想的な面である。従って、定量面114Cより下方の液体流路25の容量が検体定量部114における定量量である。検体定量部114の第一端部114Aから、定量面114Cと直交する方向に延びる直線を、仮想線114Dと定義する。第二案内部128は、仮想線114D上に配置する。検体定量部114の容量は、試薬定量部134の容量よりも小さい。
検体定量部114の上部から、通路115が左斜め下方に延び、通路117が右斜め上方に延びている。検体定量部114の左下方には、第二余剰部116が設けられている。通路115は、第二余剰部116に繋がっている。第二余剰部116は、検体定量部114から溢れ出た検体17Aが貯留される部位である。第二余剰部116は、通路115の下端部から右方向に設けられた凹部である。通路117は、混合部80に繋がっている。
混合部80は、端部315及び流入口306の右側を、下方に延びる。混合部80は、通路117を介して検体定量部114と繋がっている。混合部80は、第一接続流路301を介して試薬定量部134Aに繋がっている。混合部80は、第二接続流路331を介して、試薬定量部134Bに繋がっている。混合部80の内壁面のうち右側の壁面80Aは、上端部から右斜め下方向に延び、下方に曲折して下方に延び、左方に曲折して左斜め下方向に延びる。混合部80の内壁面のうち下側の壁面80Bは湾曲する。混合部80においては、検体定量部114において定量された検体17A、試薬定量部134Aにおいて定量された第一試薬18、及び試薬定量部134Bにおいて定量された第二試薬19が混合される。後述する光学測定が行われる際には、混合部80の下部を形成する測定部81に測定光が透過される。
<5.検査チップ2のその他構造>
図1に示すように、L型プレート60から延びる支軸46は、図示外の装着用ホルダを介して板材20の後面中央に垂直に連結される。支軸46の回転に伴って、検査チップ2が支軸46を中心に自転する。検査チップ2は図2及び図3に示す定常状態である場合、上辺部21及び下辺部24が重力Gの方向と直交し、右辺部22及び左辺部23が重力Gの方向と平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。定常状態の検査チップ2が測定位置に配置されている状態において、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光を測定部81に通過させることで、検査装置1は光学測定による検査を行う。
<6.検査方法の一例>
検査装置1及び検査チップ2を用いた検査方法について説明する。図2に示すように、注入口110から検体17が注入され、検体保持部111に配置される。試薬定量流路13の注入口130から第一試薬18が注入され、試薬定量流路13の試薬保持部131に配置される。図3に示すように、試薬定量流路15の注入口130から第二試薬19が注入され、試薬定量流路15の試薬保持部131に配置される。第一試薬18、第二試薬19、及び検体17の配置方法は限定されない。例えば、シート291,292における検体保持部111、試薬保持部131に対応する位置に穴が開いており、ユーザが穴から、検体17、第一試薬18、及び第二試薬19を注入し、更にシールをして封止してもよい。また、予め、第一試薬18と第二試薬19とが、試薬定量流路13,15の夫々の試薬保持部131に配置されて、シート291,292により封止されていてもよい。この場合、シート291における検体定量流路11の検体保持部111に対応する位置に穴が開いており、ユーザが穴から検体17を注入し、更にシールをして封止してもよい。
ユーザは検査チップ2を図示外の装着用ホルダに取り付けて、操作部94から処理開始のコマンドを入力する。これにより、CPU91は、ROM93に記憶されている制御プログラムに基づいて、図4に示す遠心処理を実行する。なお、検査装置1は二つの検査チップ2を同時に検査可能であるが、以下では説明の便宜のため、一つの検査チップ2を検査する手順を説明する。
以下の説明では、図2及び図3に示す検査チップ2の定常状態を自転角度0度といい、定常状態から40度、85度、及び90度反時計回りに回転した状態を、夫々、自転角度40度、自転角度85度、自転角度90度という。図1に示すCPU91が公転コントローラ97を制御することにより、主軸モータ35が公転コントローラ97の指示に基づいてターンテーブル33を回転させることを、CPU91がターンテーブル33を回転させるという。ターンテーブル33の回転により、検査チップ2は公転方向に回転する。CPU91が自転コントローラ98を制御することにより、ステッピングモータ51が自転コントローラ98の指示に基づいて検査チップ2を回転させることを、CPU91が検査チップ2を回転させるという。ステッピングモータ51の回転により、検査チップ2は自転方向に回転する。
また、ターンテーブル33の回転により公転方向に回転する検査チップ2の回転速度を公転速度と呼び、V0、Vd、Vc、Vmで表す。V0、Vd、Vc、Vmの夫々の単位はrpmである。V0は0rpmである。V0、Vd、Vc、Vmの間には、V0<Vd<Vc<Vmの関係が成立する。例えば、Vdを500rpmとし、Vcを2000rpmとし、Vmを4000rpmとしてもよい。なお、例えば、VcはVmと同一であってもよいし、VcはVmより大きくてもよい。
また、ステッピングモータ51の回転により自転方向に回転する検査チップ2の回転速度を自転速度と呼び、V0、VA、VB、VC、VDで表す。VA〜VDの夫々の単位はrpmである。V0、VA〜VDの間には、VA>VB>VC>VD>V0の関係が成立する。なお、例えば、VBはVAと同一であってもよいし、VAより速くてもよい。また、例えば、VBはVCと同一であってもよいし、VCより遅くてもよい。また、例えば、VBはVDと同一であってもよいし、VDより遅くてもよい。
<6−1.第一工程>
図4に示すように、CPU91は、HDD95に予め記憶されているモータの駆動情報を読み込み、公転コントローラ97に主軸モータ35の駆動情報をセットし、自転コントローラ98にステッピングモータ51の駆動情報をセットする(S11)。検査チップ2の状態は、図2及び図3に示すように自転角度0度である。次いで、CPU91は、ターンテーブル33の回転を開始させることにより、検査チップ2の公転を開始させる(S13)。図2、図3に示す検査チップ2の左辺部23から右辺部22に向かう方向の遠心力Xが、試薬16及び検体17に作用し始める。これにより、試薬保持部131から供給部132に試薬16が流れ始め、検体保持部111から第一供給部112に検体17が流れ始める。次いで、CPU91は、公転速度をV0からVmまで上昇させる(S15)。このため、遠心力は大きくなる。CPU91は、公転速度をV0からVmまで上昇させることにより、検体保持部111内の検体17を、検体保持部111に液残りさせずに第一供給部112に流すことができる。次いで、CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S15)。
次いで、CPU91は、公転速度をVmからVcまで低下させる(S17)。このため、遠心力は小さくなる。次いで、CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S17)。CPU91は、検体保持部111に液残りさせないために、公転速度をVmとして第一供給部112に検体17を送液する。しかし、公転速度をVmとした状態で、後述のS19の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させた場合、強い遠心力が試薬16に作用する。このため、試薬定量部134に注入された試薬16に対して、供給部132から試薬16が注入される時に、試薬定量部134に注入された試薬16が飛び散ってしまい、定量精度が低下する可能性がある。このためCPU61は、後述のS19の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる前に、公転速度をVmからVcに低下させ、遠心力を小さくする。これにより、試薬定量部134に注入された試薬16が飛び散ることを軽減できる。
S17の処理が実行された後、図7(A)に示すように、試薬保持部131から流出した試薬16は供給部132に貯留される。また、検体保持部111から流出した検体17は第一供給部112に貯留される。
<6−2.第二工程>
CPU91は、図5に示す時間T11〜T12において、公転速度をVcに保持した状態で、自転速度をVAとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる(S19)。なお、図5のうち一点鎖線は自転角度を示し、実線は公転速度を示す。また、時間T11〜T12間における一点鎖線の傾きは、自転速度VAを示す。遠心力Xの遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2の左辺部23から右辺部22に向かう方向から、上辺部21から下辺部24に向かう方向まで変化する。これにより、供給部132から案内部139を介して試薬定量部134に試薬16が流れ始め、試薬定量部134に試薬16が注入される。試薬定量部134から溢れた試薬16は、通路137を介して余剰部136に流れる。また、第一供給部112から第一案内部113を介して分離部124に検体17が流れ始め、分離部124に検体17が注入される。分離部124から溢れた検体17は、通路125を介して第一余剰部126に流れる。なお、詳細は後述するが、CPU91は、S19の処理により検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる場合、後述するS31、及びS35の処理において検体定量部114に検体17Aを流すために検査チップ2の状態を変化させる場合の自転速度であるVC、VDよりも速いVAで、検査チップ2を回転させることになる。
S19の処理が実行された後、図7(B)に示すように、遠心力Xの遠心方向は定量面146と直交し、図2に示す仮想線142Aと平行になる。遠心力Xが定量面146と直交する方向に作用することにより、試薬定量部134の容量分の試薬16が定量される。試薬定量部134の容量は、定量面146より下方の液体流路25の容量である。即ち、遠心力Xの遠心方向が、上辺部21から下辺部24に向かう方向を向く場合、試薬定量部134に注入される試薬16の容量を、試薬定量部134の容量にさせることができる。また、分離部124の容量分の検体17が分離部124に残る。分離部124の容量は、図2に示す分離部124の通路125側の端部147から、右方水平方向に延びる仮想面148より下方の液体流路25の容量である。
次いで、CPU91は、図5に示す時間T13〜T14において、公転速度をVcからVmまで上昇させる(S21)。このため、遠心力は大きくなる。CPU61は、公転速度をVmまで上昇させることにより、分離部124に注入された検体17を分離させる。次に、CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S21)。
S21の処理が実行された後、図7(C)に示すように、分離部124において検体17の成分が分離される。例えば、検体17が血液の場合、比重の大きい血球が遠心力Xの作用方向側に溜まり、比重の小さい血漿が遠心力Xの作用方向の反対側に溜まる。即ち、血液中の血球と血漿とが分離される。以下の説明では、分離部124において分離された比重の軽い成分を検体17Aといい、比重の重い成分を検体17Bという。
次いで、CPU91は公転速度をVmからVcまで低下させる(S23)。このため、遠心力は小さくなる。次いで、CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S23)。公転速度をVmとした状態で、後述のS25の処理において検査チップ2の状態を自転角度90度から0度まで変化させた場合、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35にかかる負荷が大きくなる。このためCPU61は、主軸モータ35にかかる負荷を軽減させるため、後述のS25の処理において検査チップ2の状態を自転角度90度から0度まで変化させる前に、公転速度をVmからVcに低下させる。
なお、検査チップ2の状態変化の開始タイミングである時間T11と終了タイミングである時間T12、及び、公転速度の上昇の開始タイミングであるT13と終了タイミングである時間T14は変更できる。例えばCPU91は、時間T11〜T12の間に時間T13を設定してもよいし、時間T11よりも前に時間T13を設定してもよい。また、例えばCPU91は、時間T11〜T12の間に時間T14を設定してもよいし、時間T11の前に時間T14を設定してもよい。
<6−3.第三工程>
CPU91は、自転速度をVBとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度90度から0度まで回転させる(S25)。遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2の上辺部21から下辺部24に向かう方向から、左辺部23から右辺部22に向かう方向まで変化する。これにより、試薬定量部134Aから部分受け部304側に第一試薬18が流れ始める。部分受け部304は試薬定量部134Aよりも容量が小さいので、第一試薬18の一部は部分受け部304に貯留し、残りは部分受け部304から溢れる。部分受け部304から溢れた第一試薬18は、第一壁面302、壁面303C、及び流入口306を介して混合部80に流れる。また、試薬定量部134Bから試薬受け部341側に第二試薬19が流れ始める。また、分離部124から第二供給部123側に検体17Aの一部が流れ始める。また、分離部124に残った検体17A及び検体17Bが、連結流路120を介して成分保持部121側に流れ始める。
S25の処理が実行された後、図8(D)に示すように、第一試薬18は部分受け部304に貯留される。また、部分受け部304から溢れた第一試薬18は、混合部80に貯留される。また、第二試薬19は試薬受け部341に貯留される。また、検体17Aの一部は第二供給部123に貯留される。また、分離部124に残った検体17A及び検体17Bは成分保持部121に貯留される。
次いで、CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させる(S27)。このため、遠心力は大きくなる。次に、CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S27)。CPU91は、公転速度がVcからVmまで上昇させることにより、第一試薬18を、試薬定量部134Aに液残りさせずに部分受け部304に流すことができる。また、CPU91は、第二試薬19を、試薬定量部134Bに液残りさせせずに試薬受け部341に流すことができる。
次いで、CPU91は、公転速度をVmからVcまで低下させる(S29)。このため、遠心力は小さくなる。次いで、CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S29)。公転速度をVmとした状態で、後述のS31の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から85度まで変化させた場合、強い遠心力が検体17Aに作用する。このため、検体定量部114に注入された検体17Aに対して、第二供給部123から検体17Aが注入される時に、検体定量部114に注入された検体17Aが飛び散ってしまい、定量精度が低下する可能性がある。このためCPU91は、後述のS31の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から85度まで変化させる前に、公転速度をVmからVcに低下させる。これにより、検体定量部114に注入された検体17Aが飛び散ることを軽減できる。
<6−4.第四工程>
CPU91は、図6に示す時間T21〜T22において、公転速度をVcに保持した状態で、自転速度をVCとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度0度から85度まで変化させる(S31)。なお、図6のうち一点鎖線は自転角度を示し、実線は公転速度を示す。また、時間T21〜T22間における一点鎖線の傾きは、自転速度VCを示す。遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2の左辺部23から右辺部22に向かう方向から、上辺部21から下辺部24に向かう方向に対して右辺部22側に傾斜した方向まで変化する。これにより、第二供給部123に貯留された検体17Aは、第二案内部128を介して検体定量部114に流れ始める。また、部分受け部304に貯留された第一試薬18は、試薬受け部305側に流れ始める。また、試薬受け部341に貯留された第二試薬19は、試薬受け部342側に流れ始める。
次いで、CPU91は、図6に示す時間T23〜T24において、公転速度をVcからVdまで低下させる(S33)。このため、遠心力は小さくなる。次いで、CPU91は、公転速度をVdまで低下させた後、公転速度をVdに保持する(S33)。CPU91は、後述のS35の処理により検査チップ2の状態を自転角度90度にした後で公転速度をVcからVdに低下させても、既に検体17Aが第二供給部123に残っていない可能性がある。このためCPU91は、自転角度90度まで変化させる前に、公転速度をVcからVdに低下させる。
次いで、CPU91は、図6に示す時間T25〜T26において、自転速度をVDとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度85度から90度まで変化させる(S35)。なお、時間T25〜T26間における一点鎖線の傾きは、自転速度VDを示す。遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2の上辺部21から下辺部24に向かう方向に対して右辺部22側に傾斜した方向から、上辺部21から下辺部24に向かう方向まで変化する。これにより、第二供給部123に貯留された検体17Aは、検体定量部114に更に流れる。また、検体定量部114から溢れた検体17Aは第二余剰部116に流れる。また、第一試薬18は試薬受け部305側に更に流れる。また、第二試薬19は試薬受け部342側に更に流れる。
S35の処理が実行された後、図8(E)に示すように、遠心力Xの遠心方向は定量面114Cと直交し、図2に示す仮想線114Dと平行になる。遠心力Xは定量面114Cと直交する方向に作用することにより、検体定量部114の容量分の検体17Aが定量される。即ち、遠心力Xの遠心方向が、上辺部21から下辺部24に向かう方向を向く場合、検体定量部114に注入される検体17Aの容量を、検体定量部114の容量にさせることができる。検体定量部114の容量は、定量面114Cより下方の液体流路25の容量である。また、第一試薬18は試薬受け部305に貯留される。また、第二試薬19は試薬受け部342に貯留される。
次いで、CPU91は、図6に示す時間T27〜T28において、公転速度をVdからVmまで上昇させる(S37)。このため、遠心力は大きくなる。CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S37)。公転速度をVdからVmに上昇させない場合、検体17Aに作用する遠心力が弱いので、第二案内部128の壁面に検体17Aが液残りする可能性がある。このため、CPU91は、公転速度をVmに上昇させることにより、第二案内部128の壁面に検体17Aが液残りすることを軽減する。
次いで、CPU91は公転速度をVmからVcまで低下させる(S39)。このため、遠心力は小さくなる。CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S39)。CPU91は、後述のS41の処理において検査チップ2の状態を自転角度90度から40度まで変化させ、検体17Aを検体定量部114から混合部80に送液するために、公転速度をVcに低下させる。
なおCPU91は、第四工程において検査チップ2の状態を自転角度0度から85度まで変化させる場合の自転速度であるVCを、第二工程において検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる場合の自転速度であるVAよりも遅くする。また、CPU91は、第四工程において検査チップ2の状態を自転角度85度から90度まで変化させる場合の自転速度であるVDを、VAよりも遅くする。即ち、CPU91は、検体定量部114に検体17Aを流す場合の検査チップ2の自転速度を、試薬定量部134に試薬16を流す時の検査チップ2の自転速度よりも遅くしている。これによりCPU91は、第二工程で試薬定量部134に流れる試薬16の単位時間当たりの移動量よりも、第四工程で検体定量部114に流れる検体17Aの単位時間当たりの移動量を少なくしている。
また、CPU91は、第四工程において自転角度85度から90度まで変化させる場合の自転速度であるVDを、検査チップ2の状態を自転角度0度から85度まで変化させる場合の自転速度であるVCよりも遅くする。即ち、CPU91は、検査チップ2の状態を自転角度0度から85度まで変化させた後、検体定量部114に検体17Aを流す時の検査チップ2の自転速度を、更に遅い状態に切り替えている。これによりCPU91は、検体17Aが検体定量部114に流れる場合の単位時間当たりの移動量を2段階に切り替えている。
また、CPU91は、第二工程において、公転速度をVcからVmまで上昇させるのに対し、第四工程において、公転速度をVcからVdに一旦低下させた後、公転速度をVdからVmに上昇させる。従って、CPU91は、検体定量部114に検体17Aを流す場合に検体17Aに作用させる遠心力Xの大きさを、一旦小さくし、その後大きくしている。
なお、検査チップ2の状態が自転角度0度から85度まで変化する場合の開始タイミングである時間T21と終了タイミングである時間T22、検査チップ2の状態が自転角度85度から90度まで変化する場合の開始タイミングである時間T25と終了タイミングである時間T26、公転速度の低下の開始タイミングである時間T23と終了タイミングである時間T24、及び、公転速度の上昇の開始タイミングである時間T27と終了タイミングである時間T28は変更できる。例えばCPU91は、時間T21〜T22の間に時間T23を設定してもよい。また、例えばCPU91は、時間T24とT25とを一致させてもよいし、時間T24を時間T25より遅くしてもよい。また、例えばCPU91は、時間T26とT27とを一致させてもよいし、時間T26を時間T27よりも遅くしてもよい。また、例えばCPU91は、時間T26を時間T28より遅くしてもよい。
また、上記では、第二工程において最初に検査チップ2が公転する場合の公転速度であるVcと、第四工程において最初に検査チップ2が公転する場合の公転速度であるVcとは同一であった。これに対し、最初に検査チップ2が公転する場合の公転速度は、第二工程と第四工程とで相違してもよい。
<6−5.第五工程>
CPU91は、自転速度をVBとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度90度から40度まで変化させる(S41)。これにより、遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2のうち、上辺部21から下辺部24に向かう方向から、左辺部23から右辺部22に向かう方向に対して上辺部21側に傾斜した方向まで変化する。これにより、検体定量部114に貯留した検体17Aは、検体定量部114から混合部80側に流れ始める。
次いで、CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させる(S43)。このため、遠心力は大きくなる。CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S43)。CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させることにより、検体17Aを検体定量部114に液残りさせずに混合部80に流すことができる。
次いで、CPU91は、公転速度をVmからVcまで低下させる(S45)。このため、遠心力は小さくなる。CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S45)。公転速度をVmとした状態で、後述のS47の処理において検査チップ2の状態を自転角度40度から0度まで変化させた場合、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35にかかる負荷が大きくなる。従ってCPU91は、主軸モータ35にかかる負荷を軽減させるため、後述のS47の処理において検査チップ2の状態を自転角度40度から0度まで変化させる前に、公転速度をVmからVcに低下させる。
次いで、CPU91は、自転速度をVBとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度40度から0度まで変化させる(S47)。これにより、遠心方向は、左辺部23から右辺部22に向かう方向に対して上辺部21側に傾斜した方向から、左辺部23から右辺部22に向かう方向まで変化する。これにより、試薬受け部305に貯留した第一試薬18は、試薬受け部305から混合部80側に流れ始める。S47の処理が実行された後、図8(F)に示すように、第一混合液261は混合部80に貯留される。また、第二試薬19は、試薬受け部343に貯留される。
次いで、CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させる(S49)。このため、遠心力は大きくなる。CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S49)。CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させることにより、第一試薬18を試薬受け部305に液残りさせずに混合部80に流すことができる。
次いで、CPU91は、公転速度をVmからVcまで低下させる(S51)。このため、遠心力は小さくなる。CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S51)。公転速度をVmとした状態で、後述のS53の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させた場合、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35にかかる負荷が大きくなる。従ってCPU91は、主軸モータ35にかかる負荷を軽減させるため、後述のS53の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる前に、公転速度をVmからVcに低下させる。
S41〜S51の処理が実行される過程で、検体定量部114内の検体17Aは、検体定量部114から混合部80側に流れ、混合部80に流入する。検体17Aは、混合部80内で第一試薬18と合流する。試薬受け部305に貯留された第一試薬18は、壁面303Cの右端部313から混合部80に流入する。即ち、CPU91は、第三工程において、部分受け部304から溢れた第一試薬18を混合部80に流入させる。第四工程において、検体定量部114により検体17Aを定量させ、且つ、部分受け部304に一旦貯留された第一試薬18を試薬受け部305に貯留させる。第五工程において、検体定量部114により定量された検体17A、及び、試薬受け部305に貯留した第一試薬18を混合部80に流入させる。これにより、第一試薬18と検体17Aとが混合され、第一混合液261が生成される。また、第二試薬19は、試薬受け部342から試薬受け部343に移動する。
<6−6.第六工程>
CPU91は、自転速度をVBとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる(S53)。遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2の左辺部23から右辺部22に向かう方向から、上辺部21から下辺部24に向かう方向まで変化する。これにより、第二試薬19は、試薬受け部343から試薬受け部344側に向けて流れ始める。試薬受け部344に流れた第二試薬19は、合流孔部351を介して前面201に形成された第一接続流路301に流入する。S53の処理が実行された後、図9(G)に示すように、第二試薬19は、第一接続流路301に貯留される。
次いで、CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させる(S55)。このため、遠心力は大きくなる。CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S55)。CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させることにより、第二試薬19を、試薬受け部343、試薬受け部344、及び合流孔部351に液残りさせずに第一接続流路301に流すことができる。
次いで、CPU91は、公転速度をVmからVcまで低下させる(S57)。このため、遠心力は小さくなる。CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S57)。公転速度をVmとした状態で、後述のS59の処理において検査チップ2の状態を自転角度90度から0度まで変化させた場合、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35にかかる負荷が大きくなる。従ってCPU91は、主軸モータ35にかかる負荷を軽減させるため、後述のS59の処理において検査チップ2の状態を自転角度90度から0度まで変化させる前に、公転速度をVmからVcに低下させる。
<6−7.第七工程>
CPU91は、自転速度をVBとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度90度から0度まで変化させる(S59)。遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2の上辺部21から下辺部24に向かう方向から、左辺部23から右辺部22に向かう方向まで変化する。これにより、第一接続流路301内の第二試薬19は混合部80側に流れ始める。図8(G)に示すように、第二試薬19は第一混合液261と合流する。これにより、第一試薬18、第二試薬19、及び検体17Aが混合された第二混合液262が生成される。
次いで、CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させる(S61)。このため、遠心力は大きくなる。CPU91は、公転速度をVmまで上昇させた後、公転速度をVmに保持する(S61)。CPU91は、公転速度をVcからVmまで上昇させることにより、第二試薬19を第一接続流路301に液残りさせずに混合部80に流すことができる。
次いで、CPU91は、公転速度をVmからVcまで低下させる(S63)。このため、遠心力は小さくなる。CPU91は、公転速度をVcまで低下させた後、公転速度をVcに保持する(S63)。公転速度をVmとした状態で、後述のS65の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させた場合、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35にかかる負荷が大きくなる。従ってCPU91は、主軸モータ35にかかる負荷を軽減させるため、後述のS65の処理において検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる前に、公転速度をVmからVcに低下させる。
S63の処理が実行された後、図9(H)に示すように、第二混合液262は混合部80に貯留される。
<6−8.第八工程>
CPU91は、自転速度をVBとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度0度から90度まで変化させる(S65)。遠心方向は、図2、図3に示す検査チップ2の左辺部23から右辺部22に向かう方向から、上辺部21から下辺部24に向かう方向まで変化する。第二混合液262に対して遠心力Xが作用することにより、図9(I)に示すように、第二混合液262は、測定部81に移動する。次に、CPU91は、自転速度をVBとして検査チップ2を回転させ、検査チップ2の状態を自転角度90度から0度まで変化させる(S67)。次いで、CPU91は、主軸モータ35の回転を停止させることにより、公転速度をVcからV0に低下させる(S69)。CPU91は遠心処理を終了させる。
遠心処理の実行後、CPU91は公転コントローラ97を制御し、検査チップ2を測定位置の角度まで回転移動させる。図1に示す測定コントローラ99が光源71を発光させると、測定光が測定部81に貯溜された第二混合液262を通る。CPU91は光センサ72が受光した測定光の変化量に基づいて、第二混合液262の光学測定を行い、測定データを取得する。CPU91は、取得された測定データに基づいて、第二混合液262の測定結果を算出する。測定結果に基づく第二混合液262の検査結果が、図1に示すディスプレイ96に表示される。なお、第二混合液262の測定方法は、光学測定に限られず、他の方法でもよい。
<7.本実施形態の主たる作用・効果>
以上説明したように、検査装置1のCPU91は、図4のS19、S31及びS35に示すように、第四工程において検体定量部114に検体17Aを注入させるために検査チップ2を自転方向に回転させる場合、自転速度であるVC、VDを、第二工程において試薬定量部134に試薬16を注入させる場合の自転速度であるVAよりも遅くする。図2に示すように、検体定量部114の容量は試薬定量部134の容量より小さいので、検体定量部114に対する検体17Aの注入時に気泡が混入し易い。これに対してCPU91は、上記のように自転速度を制御することにより、検体定量部114に注入される検体17Aの単位時間当たりの移動量を、試薬定量部134に試薬16が注入される場合の試薬16の単位時間当たりの移動量より遅くすることができる。これによりCPU91は、検体定量部114に検体17Aが注入される時に気泡が混入することを低減できる。
一方、CPU91は、図4のS19、S31及びS35に示すように、第二工程において試薬定量部134に試薬16を注入させるために検査チップ2を自転方向に回転させる場合、自転速度であるVAを、VC、VDよりも速くする。これにより、CPU91は、試薬定量部134に試薬16を注入するのに要する時間を短縮できる。従ってCPU91は、試薬定量部134に試薬16を注入する最中に試薬定量部134から試薬16が流出することを低減できる。以上により、CPU91は、一つの検査チップ2に設けられた容量の異なる2つの定量部である検体定量部114及び試薬定量部134による定量を精度よく実行することができる。
CPU91は、第四工程において検体定量部114により検体17Aを定量する場合、はじめに、図4のS31に示すように、検査チップ2の状態を自転角度0度から85度まで変化させる。これにより、CPU91は、上辺部21から下辺部24に向かう方向に対して右辺部22側に傾斜した方向に遠心方向を変化させる。次に、CPU91は、図4のS35に示すように、検査チップ2の状態を自転角度85度から90度まで変化させる。これにより、CPU91は、上辺部21から下辺部24に向かう方向に遠心方向を変化させる。ここでCPU91は、自転角度90度となるまで検査チップ2を回転させる場合の自転速度であるVDを、自転角度85度となるまで回転させる場合の自転速度であるVCよりも遅くする。ここで、検体定量部114に貯留した検体17Aの液面は、検体定量部114に検体17Aが注入される時の検査チップ2の自転角度の変化で波立つ場合がある。なお、検体17Aは、検体定量部114で定量される前に、分離部124である程度定量されている。このため、検体定量部114に貯留した検体17Aの液面が波立つことにより、検体定量部114から検体17Aが溢れると、検体定量部114で検体17Aの液量が不足する可能性がある。これに対し、CPU91は、自転角度0度から90度に変化させる時の自転速度をVCからVDに低下させることにより、検体定量部114に検体17Aが注入される過程で検体17Aの液面が定量面114Cに近づいた時に、検査チップ2の自転の角度の変化を弱めることができる。これにより、CPU91は、検体定量部114に貯留した検体17Aの液面が定量面114Cに近づいた時に、液面が波打つことを抑制できる。このためCPU91は、検体定量部114から検体17Aが流出することを低減できる。従ってCPU91は、検体定量部114による検体17Aの定量精度を向上させることができる。
なお、図2に示すように、試薬定量部134は、検体定量部114に比べて容量が大きい。このため、試薬定量部134に貯留した試薬16の液面が、試薬16が注入される時の検査チップ2の自転角度の変化で波打つ場合も、試薬定量部134により定量される試薬16の容量への影響は小さい。その理由は次の通りである。試薬定量部134は、検体定量部114と比べて大量の液量の試薬16を保持可能である。このため、自転角度を0度から90度に変化させて遠心方向を定量面146に垂直な方向まで変化させる間に、検査チップ2の自転角度の変化により液面が波立っても、遠心方向が定量面146に垂直な方向を向いた後で、試薬16は試薬定量部134に注入される。このため、試薬16の液面が波打つことによる、試薬定量部134により定量される試薬16の容量への影響は小さい。一方、試薬定量部134に対する試薬16の注入時間を短縮する程、試薬定量部134から流出する試薬16の量を低減できる。このため、CPU91は、試薬定量部134により試薬16を定量する場合、図4のS19に示すように、上辺部21から下辺部24に向かう方向に遠心方向が変化するまで自転速度をVA一定とする。これにより、CPU91は、試薬定量部134に試薬16を注入するのに要する時間を短縮し、試薬定量部134から流出する試薬16の量を抑制できる。
図2に示すように、検体定量部114の容量は試薬定量部134の容量より小さい。このため、検体定量部114に注入される検体17Aが、検体定量部114に貯留した検体17Aに衝突し、検体定量部114の外部、例えば、通路115及び通路117に飛散する可能性がある。これに対してCPU91は、図4のS33に示すように、検体定量部114に検体17Aを注入させる場合の公転速度を、VcからVdに低下させる。これにより、検体17Aに作用する遠心力Xは小さくなる。従って、CPU91は、検体定量部114に注入される検体17Aが、検体定量部114に貯留された検体17Aに衝突する時の衝撃を和らげることができる。これによりCPU91は、検体17Aが検体定量部114の外部に飛散することを低減できる。
なお、図2に示すように、試薬定量部134は、検体定量部114に比べて容量が大きい。このため、試薬定量部134に注入される試薬16が、試薬定量部134に貯留された試薬16に衝突して飛散した場合でも、飛散した試薬16が試薬定量部134の外部に飛散する可能性は小さく、試薬定量部134に戻る可能性が高い。このためCPU91は、試薬定量部134に試薬16を注入する場合、図4のS21に示すように、公転速度を減速させず、VcからVmに上昇させる。これにより、CPU91は、試薬16に大きな遠心力を作用させることができるので、試薬定量部134に試薬16を短時間で注入させることができる。従って、CPU91は、試薬定量部134による試薬16の定量を短時間で実行できる。
図2及び図3に示すように、試薬16を試薬定量部134に注入させるための案内部139は、仮想線142A上に配置される。仮想線142Aは、試薬定量部134の第二端部142から、定量面146と直交する方向に延びる直線である。第二工程において、試薬16には、仮想線142Aと平行、且つ、案内部139から第二端部142に向かう方向に遠心力Xが作用する。このため試薬16は、案内部139から仮想線142Aに沿って試薬定量部134に向けて流れ、試薬定量部134の第二端部142側に流入する。ここで、試薬定量部134に貯留した試薬16に対して案内部139から試薬16が注入された場合、貯留した試薬16の液面は、試薬16が注入される時の勢いで波打ち、定量面146と平行な方向、即ち、遠心力Xの方向と直交する方向に広がる。この場合、試薬定量部134から試薬16が外部に流出する可能性がある。これに対して検査チップ2では、案内部139を、試薬定量部134の両端部のうち、余剰部136に連通する第二端部142側に配置する。これにより、試薬定量部134に対して試薬16が注入された時の液面の変化が、図2に示すように、試薬定量部134Aの両端部のうち第一接続流路301に連通する第一端部141側に伝わり難くなる。また、図3に示すように、試薬定量部134Aの両端部のうち第二接続流路331に連通する第一端部141側に伝わり難くなる。なお、図2及び図3に示すように、第一接続流路301または第二接続流路331は、夫々、混合部80に試薬16を流入させるための流路である。従ってCPU91は、試薬定量部134Aに貯留した試薬16が第一接続流路301側に流出することを低減し、試薬定量部134Aに貯留した試薬16が第二接続流路331側に流出することを低減することにより、混合部80において適切な量の試薬16を検体17Aと混合させることができる。
図2に示すように、検体17Aを検体定量部114に注入させるための第二案内部128は、仮想線114D上に配置される。仮想線114Dは、検体定量部114の第一端部114Aから、定量面114Cと直交する方向に延びる直線である。第四工程において、検体17Aには、仮想線114Dと平行、且つ、第二案内部128から第一端部114Aに向かう方向に遠心力Xが作用する。このため検体17Aは、第二案内部128から仮想線114Dに沿って検体定量部114に向けて流れ、検体定量部114の第一端部114A側に流入する。
図10に示すように、検体定量部114の内壁面のうち左側の壁面114Fは、左斜め下方向に僅かに突出する。また、通路115は、第二端部141Bから左斜め下方向に延びる。ここで、定量面114Cと直交する方向に第二端部114Bから延びる仮想線114Gを定義し、仮想線114Gに沿って上方から下方に向けて検体17Aが注入された場合を例に挙げる。この場合、第一供給部112から検体定量部114に供給される検体17Aは128出口で広がり、第二端部114Bから右斜め下方向に延びる矢印114Hの方向に流れ、検体定量部114に注入される可能性がある。矢印114Hと壁面114Fとの間には空間が形成されるので、検体17Aの注入時、形成された空間の空気が気泡として検体17Aに混入される場合がある。なお、検体定量部114の容量は、試薬定量部134の容量よりも小さいので、混入された気泡は、検体17Aの外部に排出され難い。従って、検体定量部114の第二端部114B側から検体17Aが注入された場合、検体17Aに気泡が混入し易くなる。
これに対し、図2に示すように、検体定量部114の内壁面のうち右側の壁面114Eは、第一端部114Aから左斜め下方向に延びる。また、通路117は、第一端部141Aから右斜め上方向に延びる。従って、第二案内部128から検体定量部114に検体17Aが注入される場合、気泡は検体17Aに混入され難い。従って、第二案内部128を仮想線114D上に配置させることにより、検体定量部114に第二案内部128から検体17Aが注入される時に検体17Aに気泡が混入することを低減できる。これにより、検体定量部114による検体17Aの定量の精度を向上させることができる。
なお、図2に示すように、試薬定量部134については、検体定量部114と第二案内部128との位置関係と異なり、案内部139は、第二端部142を通る仮想線142A上に配置される。この場合、上記の検体定量部114の場合と同様の理由で、試薬16に気泡が混入される可能性がある。しかし、試薬定量部134の容量は、検体定量部114の容量よりも大きい。従って、試薬16に混入された気泡は、試薬16から外部に排出され易い。従って、第二端部142を通る仮想線142A上に案内部139が配置された場合でも、試薬定量部134による試薬16の定量の精度は維持される。
<8.その他>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態において、検体定量部114に検体17Aを注入させる場合、はじめにCPU91は、図4のS31に示すように、自転速度をVCとして検査チップ2を回転させ、自転角度0度から85度に変化させた。次にCPU91は、図4のS35に示すように、自転速度をVDとして検査チップ2を回転させ、自転角度85度から90度に変化させた。これに対してCPU91は、自転速度をVAよりも小さい任意の速度として検査チップ2を回転させ、自転角度0度から90度に変化させてもよい。
上記実施形態において、検体定量部114に検体17Aを注入させる場合、はじめにCPU91は、図4のS29に示すように、公転速度をVcとして検査チップ2を公転させ、次にCPU91は、図4のS33に示すように、公転速度をVdまで低下させた。これに対してCPU91は、検体定量部114に検体17Aを注入させる場合の公転速度を、任意の速度一定としてもよい。
上記実施形態において、試薬定量部134に試薬16を注入させる案内部139は、第二端部142を通って定量面146と直交する仮想線142A上に配置された。これに対して、案内部139は、第一端部141を通って定量面146と直交する仮想線上に配置されてもよい。上記実施形態において、検体定量部114に検体17Aを注入させる第二案内部128は、第一端部114Aを通って定量面114Cと直交する仮想線114D上に配置された。これに対して、第二案内部128は、第二端部114Bを取って定量面114Cと直交する仮想線114G上に配置されてもよい。
図1に示す垂直軸線A1は本発明の「第一軸」の一例である。図1に示す水平軸線A2は本発明の「第二軸」の一例である。VAは本発明の「試薬自転速度」の一例である。図4に示すS19、S21、S23の処理を行うCPU91は本発明の「試薬定量手段」の一例である。上辺部21から下辺部24に向かう方向は、本発明の「第一自転方向」「第二自転方向」の一例である。上辺部21から下辺部24に向かう方向に対して右辺部22側に傾斜した方向は、本発明の「第三自転方向」の一例である。図4に示すS31、S33、S35、S37、S39の処理を行うCPU91は本発明の「検体定量手段」の一例である。図4に示すS31の処理を行うCPU91は本発明の「第一自転定量手段」の一例である。図4に示すS35の処理を行うCPU91は本発明の「第二自転定量手段」の一例である。VCは、本発明の「第一自転定量手段により検査チップを回転させる場合の検体自転速度」の一例である。VDは、本発明の「第二自転定量手段により検査チップを回転させる場合の検体自転速度」の一例である。Vm、Vcは本発明の「第一公転速度」の一例である。Vcは本発明の「第二公転速度」の一例である。Vdは本発明の「第三公転速度」の一例である。図2及び図3に示す案内部139は本発明の「試薬注入部」の一例である。図2及び図3に示す第一端部141は本発明の「試薬定量部の一端部」の一例である。図2及び図3に示す第二端部142は本発明の「試薬定量部の他端部」の一例である。図2及び図3に示す仮想線142Aは本発明の「試薬仮想線」の一例である。図2に示す第一接続流路301、及び、図3に示す第二接続流路331は本発明の「試薬取出し流路」の一例である。図2に示す余剰部136は本発明の「試薬余剰部」の一例である。図2に示す第二案内部128は本発明の「検体注入部」の一例である。図2に示す第一端部141Aは本発明の「検体定量部の一端部」の一例である。図2に示す第二端部141Bは本発明の「検体定量部の他端部」の一例である。図2に示す通路117は本発明の「検体取出し流路」の一例である。図2に示す第二余剰部116は本発明の「検体余剰部」の一例である。図2に示す仮想線114Dは本発明の「検体仮想線」の一例である。図4に示すS19、S21、S23の処理は本発明の「試薬定量ステップ」の一例である。図4に示すS31、S33、S35、S37、S39の処理は本発明の「検体定量ステップ」の一例である。
1 検査装置
2 検査チップ
3 検査システム
16 試薬
17、17A、17B 検体
18 第一試薬
19 第二試薬
80 混合部
90 制御装置
91 CPU
114 検体定量部
114A 第一端部
114B 第二端部
114C 定量面
114D 仮想線
128 第二案内部
134 試薬定量部
136 余剰部
139 案内部
141 第一端部
141A 仮想線
142 第二端部
146 定量面

Claims (7)

  1. 検体が定量される検体定量部、及び、試薬が定量される試薬定量部を備える検査チップを、第一軸を中心とした回転方向である公転方向に回転させ、前記検体、及び前記試薬に遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心とした回転方向である自転方向に回転させることにより、前記遠心力の方向を変化させる検査装置であって、
    前記検査チップを試薬自転速度で前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部へ前記試薬を注入させる試薬定量手段と、
    前記試薬自転速度よりも遅い検体自転速度で前記検査チップを前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部よりも容量が小さい前記検体定量部へ前記検体を注入させる検体定量手段と
    を備えたことを特徴とする検査装置。
  2. 前記試薬定量手段は、
    前記遠心力の方向が、前記試薬定量部に注入される前記試薬の量を前記試薬定量部の容量にさせる第一自転方向を向くまで、前記検査チップを前記試薬自転速度で前記自転方向に回転させ、
    前記検体定量手段は、
    前記遠心力の方向が、前記検体定量部に注入される前記検体の量を前記検体定量部の容量にさせる第二自転方向と異なる第三自転方向を向くまで、前記検査チップを前記検体自転速度で前記自転方向に回転させる第一自転定量手段と、
    前記遠心力の方向が前記第二自転方向を向くまで、前記検査チップを前記検体自転速度で前記自転方向に回転させる第二自転定量手段とを備え、
    前記第二自転定量手段により前記検査チップを回転させる場合の前記検体自転速度は、前記第一自転定量手段により前記検査チップを回転させる場合の前記検体自転速度よりも遅いことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記試薬定量手段は、
    前記検査チップを、減速させずに第一公転速度で前記公転方向に回転させ、
    前記検体定量手段は、
    前記検査チップを第二公転速度で前記公転方向に回転させた後、前記第二公転速度よりも遅い第三公転速度で前記検査チップを前記公転方向に回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
  4. 前記検査チップは、
    前記試薬定量部に向けて開口し、前記試薬を前記試薬定量部に注入させる試薬注入部を備え、
    前記試薬定量部の一端部は、前記検体と混合される前記試薬を前記試薬定量部から取り出す試薬取出し流路に連通し、前記試薬定量部の他端部は、前記試薬定量部から溢れた前記試薬を収容する試薬余剰部に連通し、
    前記試薬定量部の一端部と他端部とを結ぶ直線と直交する方向に前記試薬定量部の他端部から延びる試薬仮想線上に、前記試薬注入部が配置し、
    前記試薬定量手段は、
    前記遠心力の方向が、前記試薬仮想線と平行な方向を向くまで、前記検査チップを前記自転方向に回転させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の検査装置。
  5. 前記検査チップは、
    前記検体定量部に向けて開口し、前記検体を前記検体定量部に注入させる検体注入部を備え、
    前記検体定量部の一端部は、前記試薬と混合される前記検体を前記検体定量部から取り出す検体取出し流路に連通し、前記検体定量部の他端部は、前記検体定量部から溢れた前記検体を収容する検体余剰部に連通し、
    前記検体定量部の一端部と他端部とを結ぶ直線と直交する方向に前記検体定量部の一端部から延びる検体仮想線上に、前記検体注入部が配置し、
    前記検体定量手段は、
    前記遠心力の方向が、前記検体仮想線と平行な方向を向くまで、前記検査チップを前記自転方向に回転させることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の検査装置。
  6. 検体が定量される検体定量部、及び、試薬が定量される試薬定量部を備える検査チップを、第一軸を中心とした回転方向である公転方向に回転させ、前記検体、及び前記試薬に遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心とした回転方向である自転方向に回転させることにより、前記遠心力の方向を変化させる検査方法であって、
    前記検査チップを試薬自転速度で前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部へ前記試薬を注入させる試薬定量ステップと、
    前記試薬自転速度よりも遅い検体自転速度で前記検査チップを前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部よりも容量が小さい前記検体定量部へ前記検体を注入させる検体定量ステップと
    を備えたことを特徴とする検査方法。
  7. 検体が定量される検体定量部、及び、試薬が定量される試薬定量部を備える検査チップを、第一軸を中心とした回転方向である公転方向に回転させ、前記検体、及び前記試薬に遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心とした回転方向である自転方向に回転させることにより、前記遠心力の方向を変化させる検査装置のコンピュータに、
    前記検査チップを試薬自転速度で前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部へ前記試薬を注入させる試薬定量ステップと、
    前記試薬自転速度よりも遅い検体自転速度で前記検査チップを前記自転方向に回転させることにより、前記試薬定量部よりも容量が小さい前記検体定量部へ前記検体を注入させる検体定量ステップと
    を実行させるための検査プログラム。
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