JP2014081248A - 検査装置、検査システム、検査方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

検査装置、検査システム、検査方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】定量精度を向上する検査装置、検査システム、検査方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】検査装置では、検査を開始すると、自転角度が0度の検査チップを公転し(S2)、遠心力の作用により検体が検体保持部から検体供給部に移動する。次に、公転中の検査チップの自転角度が85度に回転される(S4)。定量面に対して、作用する遠心力は、定量面に対して第二通路側の角度が鋭角になる。遠心力の作用により、検体は検体供給部を介して検体定量部に流入する。次に、公転中の検査チップが前方からみて反時計回りに5度自転され、検査チップの自転角度が90度に変化する(S7)。次いで、公転コントローラは主軸モータを高速駆動することにより自転角度が90度の検査チップを公転する(S8)。低速駆動時よりも強い遠心力で、血液等の粘性のある検体を正確に定量できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、検査対象物の化学的、医学的、または生物学的な検査を行うための検査装置、検査システム、検査方法、及びコンピュータプログラムに関する。
従来、生体物質、または化学物質等の検体を検査するための検査チップが知られている。例えば特許文献1に開示の検査チップは、正面から見てV字状の定量部を備えている。この検査チップでは、V字状の定量部の入り口方向に対して遠心力を作用させて、定量部に検体または試薬が注入される。次に遠心力の方向を変えずに定量部において検体または試薬が定量されるようになっている。そして遠心力の方向を変えて定量された検体または試薬が検査に使用される。
特開2009−121912号公報
特許文献1に開示の検査チップの定量部には、検体または試薬が当該定量部から溢れ出る仮想的な面である定量面が存在する。定量部では、この定量面までの容積の検体または試薬が定量される。定量部への検体または試薬の注入時に遠心力が定量面に垂直に作用すると、注入時の衝撃により、定量部以外の場所へ検体または試薬が飛び散る。この結果、注入が終了した時点で、定量部へ注入された検体または試薬が定量量に満たない可能性がある。よって、定量精度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、定量精度を向上する検査装置、検査システム、検査方法、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の第一態様は、液体である検体または試薬を定量する定量部を備える検査チップを所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させる検査装置であって、前記定量部において、前記検体と前記試薬とが混合される混合部側に向けて連通する第1案内部との接続箇所である第1接続部と、前記定量部において、前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部側に向けて連通する第2案内部との接続箇所である第2接続部とを結ぶ定量面に第1遠心力を作用させる第1作用手段と、前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から第2遠心力を作用させる第2作用手段とを備え、前記第1作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、前記第2作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記第2遠心力を前記定量面に作用させることを特徴とする。
上記態様に係る検査装置によれば、定量部への検体または試薬の注入時には、定量面に対して直交する方向に遠心力が掛からないので、検体または試薬の注入時に液面が凹むことを防止できる。また、前記第1作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記第1遠心力を前記定量面に作用させるので、定量部の容量より多く検体または試薬を注入することができる。また、前記第2作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記第2遠心力を前記定量面に作用させるので、正確に定量することができる。また、定量時に一旦、液面が凹んでも、先に定量部の容量より多く検体または試薬が注入されているので、定量精度を向上することができる。
前記第2作用手段は、前記第1作用手段が前記定量面に作用させる第1遠心力よりも強い第2遠心力を前記定量面に作用させるようにしてもよい。この場合、注入時に、検体または試薬が余剰に定量部へ注入されているので、定量時に強い遠心力で定量して、一旦、液面が凹んで定量精度が低下することを防止できる。また、短時間に定量ができる。
前記第2作用手段は、前記第一軸を中心に前記検査チップを回転する回転速度を上げることにより前記第2遠心力を前記検査チップに作用させるようにしてもよい。この場合、前記第2作用手段は、回転速度を上げることにより前記第2遠心力を生じることができる。故に、他の付加装置等を新たに設ける必要がない。
前記第2作用手段は、前記第1遠心力の方向と前記第2遠心力の方向との角度の差に応じた前記強い遠心力を前記定量面に作用させるようにしてもよい。この場合、前記第1作用手段が作用させる遠心力の方向と前記第2遠心力の方向との角度の差により定量部へ余剰に注入した検体または試薬の量が変わるので、余剰に注入した量に応じて強い遠心力を作用させることにより定量を短時間に正確に行うことができる。
前記第1作用手段は、所定時間第1の強さの遠心力を作用させた後に、前記第1の強さの遠心力よりも弱い第2の強さの遠心力を作用させるようにしてもよい。この場合、検体または試薬の注入時に強い第1の遠心力により注入時間を短縮することができる。その後、遠心力を弱めることで、注入した検体または試薬が勢い余って混合部に流入することを防止できる。
前記検査チップは、前記定量部に向けて検体、または試薬を供給する第3案内部の下流側の端部において、前記第1遠心力の向かう方向側に前記第1案内部が位置し、前記第1遠心力方向と前記第3案内部の延設方向との成す角度の内、前記定量部側の角度が鋭角になるようにしてもよい。この場合、検体または試薬を第1案内部側に当てて定量部に流し込むことにより、定量部内において対流を生じることができる。故に、定量した検体または試薬が均質になる。
本発明の第二態様は、液体である検体または試薬を定量する定量部を少なくとも備える検査チップと、当該検査チップを所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させる検査装置とから構成される検査システムであって、前記検査チップは、前記定量部と、前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部と、前記検体と前記試薬とが混合される混合部と、前記混合部側に向けて連通する第1案内部と、前記余剰部側に向けて連通する第2案内部と、前記定量部と前記第1案内部との接続箇所である第1接続部と、前記定量部と前記第2案内部との接続箇所である第2接続部とを少なくとも備え、前記検査装置は、前記定量部において、前記第1接続部と前記第2接続部とを結ぶ定量面に対して第1遠心力を作用させる第1作用手段と、前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から第2遠心力を作用させる第2作用手段とを備え、前記第1作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、前記第2作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記第2遠心力を前記定量面に作用させることを特徴とする。この態様に係る検査システムによれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
本発明の第三態様は、液体である検体または試薬を定量する定量部を備える検査チップを検査装置により、所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させて前記検体を検査する検査方法であって、前記定量部において、前記検体と前記試薬とが混合される混合部側に向けて連通する第1案内部との接続箇所である第1接続部と、前記定量部において、前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部側に向けて連通する第2案内部との接続箇所である第2接続部とを結ぶ定量面に前記検査装置が第1遠心力を作用させる第1作用ステップと、前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から前記検査装置が第2遠心力を作用させる第2作用ステップとを備え、前記第1作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記検査装置が前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、前記第2作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記検査装置が前記第2遠心力を前記定量面に作用させることを特徴とする。この態様に係る検査方法によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
本発明の第四態様は、液体である検体または試薬を定量する定量部を備える検査チップを所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させる検査装置を制御する制御装置であるコンピュータが実行するコンピュータプログラムあって、前記定量部において、前記検体と前記試薬とが混合される混合部側に向けて連通する第1案内部との接続箇所である第1接続部と、前記定量部において、前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部側に向けて連通する第2案内部との接続箇所である第2接続部とを結ぶ定量面に前記検査装置が第1遠心力を作用させる第1作用ステップと、前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から前記検査装置が第2遠心力を作用させる第2作用ステップとを備え、前記第1作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記検査装置が前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、前記第2作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記検査装置が前記第2遠心力を前記定量面に作用させることをコンピュータに実行させることを特徴とする。この態様に係る検査方法によれば、この態様に係るコンピュータプログラムにより検査装置を制御すれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
検査チップ2が定常状態にある検査装置1の背面図である。 検査チップ2が定常状態から自転した状態にある検査装置1の背面図である。 図1に示す検査装置1の平面図である。 制御装置90の電気的構成を示すブロック図である。 検査チップ2の斜視図である。 遠心処理前の検査チップ2の正面図である。 検体定量部114及びその周囲の拡大正面図である。 検査装置1のメイン処理のフローチャートである。 自転角度0度において公転される検査チップ2の正面図である。 自転角度85度において公転される検査チップ2の正面図である。 図10の自転角度85度において公転される検査チップ2の検体定量部114及びその周囲の拡大正面図である。 自転角度85度において公転される検査チップ2の正面図である。 自転角度90度において公転される検査チップ2の正面図である。 自転角度90度において公転される検査チップ2の検体定量部114及びその周囲の拡大正面図である。 自転角度0度において公転される検査チップ2の正面図である。 自転角度90度において公転される検査チップ2の検体定量部114の周囲の拡大正面図である。 遠心力の定量面への作用角度により検査チップ2の公転速度を決める基準を示す図である。 検査チップ2の公転速度、自転角度、及び検体の移動を示すタイミングチャートである。
本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、単なる説明例である。
<1.検査システム3の概略構造>
本発明の実施形態を説明する。図1及び図2を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体、及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査装置1は、検査チップ2から離間した垂直軸線を中心とした回転により、検査チップ2に遠心力を付与できる。検査装置1は、水平軸線を中心に検査チップ2を回転させることにより、検査チップ2に付与される遠心力の方向である遠心方向を切り替え可能である。
<2.検査装置1の詳細構造>
図1〜図4を参照して、検査装置1の詳細構造について説明する。以下の説明では、図1及び図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の上方、下方、右方、左方、後方、及び前方とする。図3の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の前方、下方、右方、左方、上方、及び下方とする。本実施形態では、垂直軸の方向は上下方向であり、水平軸の方向は検査チップ2が垂直軸を中心とした回転の際の速度の方向である。なお、理解を容易にするために、図1及び図2では上部筐体30を仮想線により示し、図3では上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1〜図3に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、ターンテーブル33、角度変更機構34、及び制御装置90を備える。ターンテーブル33は、下部筐体31の上面側に設けられる円盤状の回転体である。検査チップ2は、ターンテーブル33の上方に保持される。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた駆動機構である。この駆動機構は、水平軸線を中心に検査チップ2を回転させる。上部筐体30は、下部筐体31の上側に固定されており、検査チップ2に対して光学測定を行う測定部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の各種処理を制御するコントローラである。
下部筐体31の詳細構造を説明する。図1及び図2に示すように、下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、長方形の板材である上板32が設けられている。上板32の上側には、ターンテーブル33が回転自在に設けられている。下部筐体31の内部には、垂直軸線を中心にターンテーブル33を回転させる駆動機構が、次のように設けられている。
下部筐体31内の左方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、ターンテーブル33の中央部に接続されている。
主軸57は、上板32の直下に設けられた支持部材53により、回転自在に保持されている。支持部材53の下側では、主軸57にプーリ38が固定されている。プーリ37、38に亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、及びプーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
下部筐体31内の右方寄りに、下部筐体31の内部において上下方向に延びるガイドレール56が設けられている。T型プレート48は、ガイドレール56に沿って下部筐体31内において上下方向に移動可能である。T型プレート48の前側、すなわち図1及び図2では紙面奥側の面には、左右方向に長い溝部80が形成されている。
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。内軸40は、主軸57の内部において上下方向に移動可能な軸である。内軸40の上端部は、主軸57内を貫通して後述のラックギア43に接続されている。T型プレート48の左端部には、軸受41が設けられている。軸受41の内部では、内軸40の下端部が回転自在に保持される。
T型プレート48の前方には、T型プレート48を上下動させるためのステッピングモータ51が固定されている。ステッピングモータ51の軸58は後方、すなわち図1及び図2では紙面手前側に向けて突出している。軸58の先端には、円盤状のカム板59が固定されている。カム板59の後側の面には、円柱状の突起70が設けられている。突起70の先端部は、先述の溝部80に挿入されている。突起70は、溝部80内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板59の回転に連動して突起70が上下動する。このとき、溝部80に挿入されている突起70に連動して、T型プレート48がガイドレール56に沿って上下動する。
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、ターンテーブル33の上面に固定された一対のL型プレート60を有する。各L型プレート60は、ターンテーブル33の中心近傍に固定された基部から上方に延び、且つ、その上端部がターンテーブル33の径方向外側に向けて延びている。一対のL型プレート60の間には、内軸40に固定されたラックギア43が設けられている。ラックギア43は、上下方向に長い金属製の板状部材であり、両端面にギアが各々刻まれている。
各L型プレート60の延設方向の先端側では、ギア45を有する水平な支軸46が回転自在に軸支されている。支軸46は図示外の装着用ホルダを介して検査チップ2に固定されている。このため、ギア45の回転に連動して検査チップ2も支軸46を中心に回転する。ギア45とラックギア43との間には、L型プレート60により水平軸線を中心に回転自在に支持されたピニオンギア44が介在している。ピニオンギア44は、ギア45及びラックギア43にそれぞれ噛合している。ラックギア43の上下動に連動して、ピニオンギア44、及びギア45がそれぞれ従動回転し、ひいては検査チップ2が支軸46を中心に回転する。
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、検査チップ2が垂直軸である主軸57を中心に回転して、検査チップ2に遠心力が付与される。検査チップ2の垂直軸線を中心とした回転を、公転と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸40を上下動させるのに伴って、検査チップ2が水平軸である支軸46を中心に回転して、検査チップ2に作用する遠心力の方向が相対変化する。検査チップ2の水平軸線を中心とした回転を、自転と呼ぶ。
図1に示すように、T型プレート48が可動範囲の最下端まで下降した状態では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、検査チップ2は、自転角度が0度の定常状態になる。図2に示すように、T型プレート48が可動範囲の最上端まで上昇した状態では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上昇する。このとき、検査チップ2は、定常状態から水平軸線を中心に180度回転した状態になる。つまり、本実施形態では検査チップ2が自転可能な角度幅は、自転角度0度〜180度である。
上部筐体30の詳細構造を説明する。図3に示すように、上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心にある主軸57からみて、検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。
上部筐体30の内部に設けられた測定部7は、測定光を発光する光源71と、光源71から発せられた測定光を検出する光センサ72とを有する。光源71及び光センサ72は、検査チップ2の回転範囲の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に測定光が照射される測定位置である。検査チップ2が測定位置にある場合、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光が、検査チップ2の前後面に対して略垂直に交差する。
図4を参照して、制御装置90の電気的構成について説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、ユーザが制御装置90に対する指示を入力するための操作部94と、各種データ、及びプログラムを記憶するハードディスク装置95と、各種情報を表示するディスプレイ96とが接続されている。制御装置90としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、専用の制御装置を用いてもよい。
さらに、CPU91には、公転コントローラ97、自転コントローラ98、及び測定コントローラ99が接続されている。公転コントローラ97は、主軸モータ35を回転駆動させる制御信号を主軸モータ35に送信することにより、検査チップ2の公転を制御する。自転コントローラ98は、ステッピングモータ51を回転駆動させる制御信号をステッピングモータ51に送信することにより、検査チップ2の自転を制御する。測定コントローラ99は、測定部7を駆動することにより、検査チップ2の光学測定を実行する。詳細には、測定コントローラ99は、光源71の発光、及び光センサ72の光検出を実行させる制御信号を、光源71及び光センサ72に送信する。尚、CPU91が公転コントローラ97、自転コントローラ98及び測定コントローラ99を制御する。
<3.検査チップ2の構造>
図5〜図7を参照して、本実施形態に係る検査チップ2の詳細構造を説明する。以下の説明では、図5の上方、下方、左下方、右上方、右下方、及び左上方を、それぞれ、検査チップ2の上方、下方、前方、後方、右方、及び左方とする。図6及び図7は、シート29を取り除いた検査チップ2の正面図を示している。後述の図9〜図16も同様である。
図5に示すように、検査チップ2は一例として前方から見た場合に正方形状であり、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。板材20の前面は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート29により封止されている。板材20とシート29との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。液体流路25は、板材20の前面側に所定深さにより形成された凹部であり、板材20の厚み方向である前後方向と直交する方向に延びる。すなわち、シート29は、板材20の流路形成面を封止する。
液体流路25は、検体保持部111、検体定量部114、検体余剰部116、試薬保持部131、試薬定量部134、試薬余剰部136、試薬保持部151、試薬定量部154、試薬余剰部156及び混合部170を含む。図6に示すように、検体保持部111は検体10が注入、及び貯留される部位である。検体保持部111は、左辺部23と左辺部23から右斜め上方に延設される保持部壁面118との間に形成され、且つ上側に開口する凹部である。本実施形態の検体10は、例えば血液である。試薬保持部131は第一試薬11が注入、及び貯留される部位である。試薬保持部131は、後述する隔壁125と隔壁125から斜め上方に延設される保持部壁面138との間に形成され、且つ上側に開口する凹部である。試薬保持部151は第二試薬12が注入、及び貯留される部位である。試薬保持部151は、後述する隔壁145と隔壁145から斜め上方に延設される保持部壁面158との間に形成され、且つ上側に開口する凹部である。
図6に示すように、検体保持部111、試薬保持部131及び試薬保持部151は、検査チップ2の上側の壁面である上辺部21に沿って、板材20の前面に左右方向に並んで形成されている。検体保持部111、試薬保持部131及び試薬保持部151のうち、検体保持部111が検査チップ2の左側の壁面である左辺部23に最も近い。試薬保持部151が検査チップ2の右側の壁面である右辺部22に最も近い。試薬保持部131が検体保持部111と試薬保持部151との間に位置する。なお、検査チップ2の下側の壁面は、下辺部24である。
図示しないがシート29には、検体10を検体保持部111に注入するための検体注入穴が形成されている。例えば、図示しない器具に収容された検体10が、ユーザの操作により検体注入穴から注入されればよい。すなわち、公知の手法を用いて、試薬注入穴を介して検体10が検体保持部111に注入されればよい。同様にシート29には、図示しないが、第一試薬11を試薬保持部131に注入するための試薬注入穴、及び第二試薬12を試薬保持部151に注入するための試薬注入穴が形成されている。尚、これらの注入穴は、例えば上辺部21が開口している形状でもよい。
検体供給部112は、検体保持部111の右上部分から下方向に延びる検体10の供給流路である。検体供給部112の下端部は、流路が狭く形成された検体案内部113に接続する。検体供給部112と試薬保持部131との間には、上辺部21から下方に伸びる隔壁125が形成されている。隔壁125からは左斜め下方向に検体供給部壁面119が形成されている。検体案内部113の下方には、検体定量部114が設けられている。検体定量部114は検体10を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。
検体案内部113と検体定量部114とが連通する部位から、第一通路117が右方向に延び、且つ第二通路115が左方向に延びている。第二通路115は、検体定量部114の左下方に設けられた検体余剰部116まで延びている。すなわち第二通路115は、流路の形成方向が変わるように前方からみて屈曲している。これにより、第二通路115において検体10が検体定量部114と検体余剰部116との間を移動するためには、検体10に複数の異なる方向の外力を付与する必要がある。つまり検体余剰部116に貯留された検体10は、第二通路115を介して検体定量部114に逆流しにくい。
検体定量部114は、検体10の液量が定量される場合に検体10の液面が形成される二つの定量端部121及び定量端部123を備える。定量端部121は検体定量部114と第一通路117との接続箇所である。定量端部123は検体定量部114と第二通路115との接続箇所である。定量端部121及び定量端部123を結ぶ仮想的な面が図7に示す定量面Tである。定量面Tの詳細は後述する。定量面Tに交差する方向に遠心力が付与されることにより、検体定量部114を形成する壁と定量面Tとで囲まれる体積と同量の検体10が定量される。すなわち、定量面Tは、検体10の定量量を定める基準面である。定量方法の詳細は後述する。定量端部121からは、右斜め上方に向けて第一通路117を形成する第一通路壁面120が設けられる。定量端部123からは左斜め下方向に向けて第二通路115を形成する第二通路壁面122が設けられる。
検体余剰部116は、検体定量部114から溢れ出た検体10が貯留される部位であり、第二通路115の下端部から右方向に延びる凹部である。第一通路117は、検体定量部114の右下側に設けられた後述の混合部170まで延びている。すなわち第一通路117は、第二通路115と同様の理由により、流路の形成方向が変わる。
試薬供給部132は、試薬保持部131の右上部分から下方向に延びる第一試薬11の供給流路である。試薬供給部132の下端部は、流路が狭く形成された試薬案内部133に接続する。試薬供給部132と試薬保持部151との間には、上辺部21から下方に伸びる隔壁145が形成されている。隔壁145からは左斜め下方向に試薬供給部壁面139が形成されている。試薬案内部133の下方には、試薬定量部134が設けられている。試薬定量部134は第一試薬11を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。試薬案内部133から試薬定量部134の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部134の凹部内側の体積と同量の第一試薬11が定量される。
試薬案内部133と試薬定量部134とが連通する部位から、第三通路137が右方向に延び、且つ第四通路135が左方向に延びている。第三通路137は、試薬定量部134の右下側に設けられた後述の混合部170まで延びている。すなわち第三通路137は、第一通路117と同様の理由により、流路の形成方向が変わる。第四通路135は、試薬定量部134の左下方に設けられた試薬余剰部136まで延びている。すなわち第四通路135は、第二通路115と同様の理由により、流路の形成方向が変わる。試薬余剰部136は、試薬定量部134から溢れ出た第一試薬11が貯留される部位であり、第四通路135の下端部から右方向に延びる凹部である。
試薬定量部134は、液量が定量される場合に第一試薬11の液面が形成される二つの定量端部141及び定量端部143を備える。定量端部141は試薬定量部134と第三通路137との接続箇所である。定量端部143は試薬定量部134と第四通路135との接続箇所である。定量端部141及び定量端部143を結ぶ面が定量面である。試薬案内部133から試薬定量部134の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部134の凹部内側の体積と同量の第一試薬11が定量される。定量端部141からは、右斜め上方に向けて第三通路137を形成する第三通路壁面140が設けられる。定量端部143からは左斜め下方向に向けて第四通路135を形成する第四通路壁面142が設けられる。
試薬供給部152は、試薬保持部151の右上部分から下方向に延びる第二試薬12の供給流路である。試薬供給部152の下端部は、流路が狭く形成された試薬案内部153に接続する。試薬案内部153の下方には、試薬定量部154が設けられている。右辺部22からは左斜め下方向に試薬供給部壁面159が形成されている。試薬定量部154は第二試薬12を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。試薬案内部153から試薬定量部154の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部154の凹部内側の体積と同量の第二試薬12が定量される。
試薬案内部153と試薬定量部154とが連通する部位から、第五通路157が右方向に延び、且つ第六通路155が左方向に延びている。第六通路155は、試薬定量部154の左下方に設けられた試薬余剰部156まで延びている。すなわち第六通路155は、第二通路115と同様の理由により、流路の形成方向が変わる。試薬余剰部156は、試薬定量部154から溢れ出た第二試薬12が貯留される部位であり、第六通路155の下端部から右方向に延びる凹部である。第五通路157は、試薬定量部154の右下側に設けられた後述の混合部170まで延びている。すなわち第五通路157は、第二通路115と同様の理由により、流路の形成方向が変わる。
試薬定量部154は、液量が定量される場合に第二試薬12の液面が形成される二つの定量端部161及び定量端部163を備える。定量端部161は試薬定量部154と第五通路157との接続箇所である。定量端部163は試薬定量部154と第六通路155との接続箇所である。定量端部161及び定量端部163を結ぶ面が定量面である。試薬案内部153から試薬定量部134の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部154の凹部内側の体積と同量の第二試薬12が定量される。定量端部161からは、右斜め上方に向けて第五通路157を形成する第五通路壁面160が設けられる。定量端部163からは左斜め下方向に向けて第六通路155を形成する第六通路壁面162が設けられる。
混合部170は、検査チップ2の右下部に設けられた、上側に開口する矩形状の凹部である。混合部170では、第一通路117から流入する検体10と、第三通路137から流入する第一試薬11と、第五通路157から流入する第二試薬12とが混合され、図16に示す混合液13が生成される。生成された混合液13は、混合部170を通る測定光により光学測定される。
図7を参照して、定量端部121と定量端部123とを結ぶ定量面Tと平行な仮想面H1〜H4に対する保持部壁面118、検体供給部壁面119、第一通路壁面120及び第二通路壁面122の傾斜角度の関係について説明する。定量面Tと平行な仮想面H1と検体供給部壁面119との成す角を角度Aとする。定量面Tと平行な仮想面H2と第一通路壁面120との成す角を角度Bとする。定量面Tと平行な仮想面H3と第二通路壁面122との成す角を角度Cとする。定量面Tと平行な仮想面H4と保持部壁面118との成す角を角度Dとする。検査チップ2では、以下の関係を満たすようになっている。
角度A<角度B<角度C
角度A<角度D
角度D<角度B
<4.検査チップ2のその他構造>
図1に示すように、L型プレート60から延びる支軸46は、図示外の装着用ホルダを介して板材20の後面中央に垂直に連結される。支軸46の回転に伴って、検査チップ2が支軸46を中心に自転する。検査チップ2は図5〜図7に示す定常状態である場合、上辺部21及び下辺部24が重力Gの方向と直交し、右辺部22及び左辺部23が重力Gの方向と平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。定常状態の検査チップ2が測定位置に配置されている場合、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光が混合部170を上方からみて垂直に通過する。
<5.検査方法の一例>
図4、図6〜図16、及び図18を参照して、検査装置1及び検査チップ2を用いた検査方法について説明する。尚、図18に示す、検査チップ2の自転、公転、回転速度の制御は、それぞれ、時間T1〜T5が経過したか否かで制御される。時間T1〜T5の情報は制御装置90のHDD95に予め記憶されている。ユーザは検査チップ2を支軸46に取り付けて、操作部94から処理開始のコマンドを入力する。これにより、CPU91は、ROM93に記憶されている制御プログラムに基づいて、図8に示すメイン処理を実行する。処理開始のコマンドが入力された時間が図18に示すタイミングチャートの時間T0である。なお、検査装置1は二つの検査チップ2を同時に検査可能であるが、以下では説明の便宜のため、一つの検査チップ2を検査する手順を説明する。以下の説明では、図6に示す検査チップ2の定常状態を自転角度0度とし、時計に回りに検査チップ2を自転する回転を「正回転」とも言い、反時計に回りに検査チップ2を自転する回転を「逆回転」とも言う。
図8に示すように、CPU91は、HDD95に予め記憶されているモータの駆動情報を読み込み、公転コントローラ97に主軸モータ35の駆動情報をセットし、自転コントローラ98にステッピングモータ51の駆動情報をセットする(S1)。このときに、検査チップ2は図6に示すように、定常状態であり自転角度0度である。また、検査チップ2には、既に、検体10、第一試薬11及び第二試薬12が注入されている。次いで、時間T0から図4に示す公転コントローラ97が主軸モータ35の駆動を開始する(S2)。この結果、自転角度が0度の検査チップ2が公転する。主軸モータ35は、公転コントローラ97の指示に基づき、ターンテーブル33の回転速度を上げる。回転速度が3000rpmに達すると、主軸モータ35はこの回転速度を保持する(S3)。3000rpmの回転速度でターンテーブル33が回転している状態を、以下高速駆動と記載する。尚、高速駆動時の回転速度は、3000rpmに限られず、他の回転速度でもよい。時間T0〜時間T1において、図9に示すように、左辺部23から右辺部22に向けて、検査チップ2に遠心力Xが作用する。遠心力Xの作用により検体10は検体保持部111から検体供給部112に移動する。同様に、第一試薬11は試薬保持部131から試薬供給部132に移動する。第二試薬12は試薬保持部151から試薬供給部152に移動する。時間T1は、検体10、第一試薬11、及び第二試薬12が、上述した移動を行うのに十分な時間として制御装置90のHDD95に予め記憶されている。
時間T1において、自転コントローラ98がステッピングモータ51を制御することにより、図10に示すように、高速駆動により公転中の検査チップ2が前方からみて反時計回りに85度自転される。即ち、検査チップ2が85度逆回転する(S4)。これにより、検査チップ2の自転角度が85度に変化する。この結果、上辺部21と遠心力の方向との成す角度が85度になるように検査チップ2に遠心力X1が作用する。ここで、図11に示すように、定量面Tと作用する遠心力X1の方向との成す角のうち、定量端部123側の角度Eが鋭角であり、角度Eに隣接する角度Fが鈍角である。検査チップ2の自転角度が85度であるので、角度Eは85度になる。図10に示すように、遠心力X1の作用により、検体10は検体案内部113を介して検体定量部114に流入する。同様に、第一試薬11は試薬案内部133を介して試薬定量部134に流入する。第二試薬12は試薬案内部153を介して試薬定量部154に流入する。
次に、時間T1〜T2の間に、主軸モータ35が公転コントローラ97の指示に基づき減速し(S5)、ターンテーブル33の回転速度を下げる。回転速度が1000rpmに達すると、主軸モータ35は、この回転速度を保持する(S6)。1000rpmの回転速度でターンテーブル33が回転している状態を、以下低速駆動と記載する。尚、低速駆動時の回転速度は、高速駆動時の回転速度よりも遅ければ、1000rpmに限られず、他の回転速度でもよい。低速駆動時の遠心力Xは高速駆動時の遠心力Xより弱い。すなわち、時間T2における遠心力Xは、検体定量部114、試薬定量部134及び試薬定量部154への各液の注入開始時の遠心力Xより弱い。これにより、検体定量部114、試薬定量部134及び試薬定量部154への注入開始時は、強い遠心力により、効率よく各液が注入され、注入終了時に遠心力を弱めることにより、気泡の混入を防止すると共に、各液の液面の凹みを抑えることができる。時間T2は、検体10、第一試薬11、及び第二試薬12が、各定量部への移動を行うのに十分な時間として制御装置90のHDD95に予め記憶されている。
また、図11に示すように、検体案内部113は、検体定量部114に向けて検体10を案内し供給する。検体案内部113の下流側の先端113Aにおける遠心力X1の方向に第一通路117が位置してもよい。この場合、遠心力X1の方向と検体案内部113の延設方向Jとの成す角度の内、検体定量部114側の角度Kが鋭角である。図11に示すように、検体定量部114において所定量を超えた検体10が第二通路115に溢れ出して検体余剰部116に貯留される。ここで、遠心力X1は、定量端部123側の角度Eが鋭角になるように作用しているので、検体10は検体定量部114の容積と第一通路壁面120側に定量端部121を超えて溢れている量との合計量になる。試薬定量部134及び試薬定量部154においても同様である。すなわち、図18に示す時間T1〜T2において、主軸モータ35がターンテーブル33を低速駆動することにより、遠心力を高速駆動時の遠心力より弱めるのは、遠心力が強いと液面が遠心力方向に凹み、前記合計量の検体10の液量が減るからである。
次に、図18に示す時間T2において、制御装置90の自転コントローラ98がステッピングモータ51を制御することにより、低速駆動により公転中の検査チップ2が前方からみて反時計回りに5度自転される。即ち、検査チップ2が5度逆回転する(S7)。これにより、図13に示すように検査チップ2の自転角度が90度に変化する。図14に示すように、定量面Tに対して、作用する遠心力X2は、定量端部123側の角度Gが90度になっており、角度Gに隣接する角度Hも90度になっている。故に、図13に示すように、定量面Tを超えて、第一通路壁面120側に定量端部121を超えて溢れていた検体10が第二通路115に溢れ出す。溢れ出した検体10は、検体余剰部116に貯留される。この結果、所定量の検体10が正確に定量される。ここで、定量面Tと検体定量部114を形成する壁とにより囲まれる体積が、所望の定量量である。検体定量部114において定量された体積の検体10が、第一試薬11と第二試薬12とに混合されて、混合液となる。この混合液が、光学測定される。検体定量部114において定量された体積が、所望の体積からずれると、光学測定に基づく検査精度が低下する。同様に、所定量を超える第一試薬11が第四通路135に溢れ出す。溢れ出した第一試薬11は、試薬余剰部136に貯留される。この結果、所定量の第一試薬11が正確に定量される。また、試薬定量部154では、所定量を超える第二試薬12が第六通路155に溢れ出す。溢れ出した第二試薬12は、試薬余剰部156に貯留される。この結果、所定量の第二試薬12が正確に定量される。
次いで、図18に示す時間T2からT3の間に、制御装置90の公転コントローラ97の指示に基づき、主軸モータ35がターンテーブル33を高速駆動する(S8)。この結果、自転角度が90度の検査チップ2が公転する。この高速駆動により、低速駆動時の遠心力よりも強い遠心力により、血液等の粘性のある検体が、より正確に定量される。時間T3は、検体10、第一試薬11、及び第二試薬12が、各定量部において定量されるのに十分な時間として制御装置90のHDD95に予め記憶されている。
図14に示すように、定量面Tに対して、作用する遠心力X2は、定量端部123側の角度Gが90度になっており、角度Gに隣接する角度Hも90度になっている。故に、図13に示すように、定量面Tを超えて、第一通路壁面120側に定量端部121を超えて溢れていた検体10が第二通路115に溢れ出す。溢れ出した検体10は、検体余剰部116に貯留される。この結果、所定量の検体10が正確に定量される。定量面Tと検体定量部114を形成する壁とにより囲まれる体積が、所望の定量量である。検体定量部114において定量された体積の検体10が、試薬11と試薬12とに混合されて、混合液となる。この混合液が、光学測定される。検体定量部114において定量された体積が、所望の体積からずれると、光学測定に基づく検査精度が低下する。同様に、所定量を超える第一試薬11が第四通路135に溢れ出す。溢れ出した第一試薬11は、試薬余剰部136に貯留される。この結果、所定量の第一試薬11が正確に定量される。また、試薬定量部154では、所定量を超える第二試薬12が第六通路155に溢れ出す。溢れ出した第二試薬12は、試薬余剰部156に貯留される。この結果、所定量の第二試薬12が正確に定量される。
次に、図18に示す時間T3において、制御装置90の自転コントローラ98がステッピングモータ51を制御することにより、図15に示すように、公転中の検査チップ2が前方からみて時計回りに90度自転される。即ち、検査チップ2が90度正回転する(S10)。これにより検査チップ2の自転角度が0度に戻り、左辺部23から右辺部22に向けて検査チップ2に遠心力Xが作用する。遠心力Xの作用により、検体定量部114において定量された検体10が第一通路117に移動する。一方、検体余剰部116は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の検体10は検体余剰部116に留まる。
同様に、試薬定量部134において定量された第一試薬11が第三通路137に移動する。一方、試薬余剰部136は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の第一試薬11は試薬余剰部136に留まる。試薬定量部154において定量された第二試薬12が第五通路157に移動する。一方、試薬余剰部156は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の第二試薬12は試薬余剰部156に留まる。
次に、図18に示す時間T4において、制御装置90の自転コントローラ98がステッピングモータ51を制御することにより、図16に示すように、公転中の検査チップ2が前方からみて反時計回りに90度自転される。即ち、検査チップ2が90度逆回転する(S11)。これにより、検査チップ2の自転角度が90度に変化し、上辺部21から下辺部24に向けて検査チップ2に遠心力Xが作用する。遠心力Xの作用により、検体10は第一通路117から混合部170に流入する。第一試薬11は第三通路137から混合部170に流入する。第二試薬12は第五通路157から混合部170に流入する。一方、余剰の検体10、第一試薬11、及び第二試薬12は、先述したように検体余剰部116、試薬余剰部136、及び試薬余剰部156に留まる。混合部170に流入した検体10、第一試薬11、及び第二試薬12は、遠心力Xの作用により混合され、混合液13が生成される。
次に、図18に示す時間T5において、制御装置90の自転コントローラ98がステッピングモータ51を制御することにより、公転中の検査チップ2が前方からみて時計回りに90度自転される。即ち、検査チップ2が90度正回転する(S12)。これにより、検査チップ2の自転角度が0度に変化する。その後、図4に示す公転コントローラ97が主軸モータ35を制御することにより、主軸モータ35が減速駆動され(S13)、主軸モータ35が停止する(S14)。故に、検査チップ2の公転が終了する。
上記遠心処理の実行後、図4に示す公転コントローラ97が主軸モータ35を制御することにより、検査チップ2を測定位置の角度まで回転移動させる(S15)。図4に示す測定コントローラ99が光源71を発光させると、測定光が混合部170に貯溜された混合液13を通る。CPU91は光センサ72が受光した測定光の変化量に基づいて、混合液13の光学測定を行い、測定データを取得する(S16)。
次いで、CPU91は、S16の処理により取得された測定データに基づいて、検体10の測定結果を算出する(S17)。測定結果に基づく検体10の検査結果が、図4に示すディスプレイ96に表示される(S18)。その後、メイン処理が終了される。
次に、図17と、表1及び表2を参照して、遠心力の定量面への作用角度による検査チップ2の公転速度の基準を説明する。検体定量部114の定量面Tを規定する定量端部121と定量端部123との距離を「距離b」とし、検体定量部114への検体の注入時に注入した検体の液面を「液面a」とする。定量面Tと定量面Tへ向かう遠心力Xの方向とが成す角の内、定量端部123側の角度を遠心方向の角度dとし、定量面Tと液面aとの成す角をθとし、定量端部121と液面aとの最短の距離をcとする。
ここで、
θ=90度−d
c=bsinθ となる。
ここで、一例として、b=1.8mmの場合、以下の表1の関係となる。
Figure 2014081248
ここで、遠心方向の角度=85度のとき、ターンテーブル33の回転速度が1000rpmのときに、c=bsinθ=0.15688(mm)以下の液面の凹みであれば許容範囲であるとすると、遠心方向の各角度dと回転速度の関係は、以下の表2の関係となる。
Figure 2014081248
故に、遠心方向の角度dが80度の場合には、CPU91は、ターンテーブル33の回転速度を1992rpmに制御し、遠心方向の角度dが75度の場合には、CPU91は、ターンテーブル33の回転速度を2970rpmに制御し、遠心方向の角度dが70度の場合には、CPU91は、ターンテーブル33の回転速度を3924rpmに制御し、遠心方向の角度dが65度の場合には、CPU91は、ターンテーブル33の回転速度を4849rpmに制御することにより、正確に定量出来る遠心力を定量面に作用させることができる。従って、本実施の形態では、CPU91が、公転コントローラ97を介して、主軸モータ35を制御することにより、上記の第1遠心力の方向と第2遠心力の方向(一例として90度)との角度の差に応じた強い遠心力を定量面に作用させるように、ターンテーブル33の回転速度を制御することができる。この回転速度は、制御装置90のHDD95に記憶されている。
<6.本実施形態の主たる作用・効果>
以上説明したように、本実施形態の検査チップ2及び検査装置1によれば、検査装置1は液体である検体10、第一試薬11及び第二試薬12が注入された検査チップ2を使用可能である。検査チップ2では、検体定量部114が検査チップ2の内部に導入された検体10を所定量収容可能である。所定量を超える検体10は、検体定量部114から溢れて第二通路115を移動し、検体余剰部116に貯留される。検体定量部114への検体の注入時には、検査チップ2の自転角度を85度にして、定量面Tに作用する遠心力Xは、定量端部123側の角度Eが鋭角の85度になるように作用している。故に、定量面Tに直交する方向に遠心力が掛からないので、検体または試薬の注入時に液面が凹むことを抑えることができる。また、検体10は検体定量部114の容積と第一通路壁面120側に定量端部121を超えて溢れている量との合計量になる。故に、検体定量部114の容量より多く検体または試薬を注入することができる。試薬定量部134及び試薬定量部154においても同様である。その後、検査チップ2の自転角度を90度にして定量するので、定量時には、定量面Tに対して直交する方向から遠心力が掛かるが、例え、液面が一旦凹んでも検体定量部114の容積よりも多く注入しているので、液量が不足することなく正確に定量することができる。
定量時には、主軸モータ35が3000rpmの回転速度で回転して、検体定量部114への検体の注入開始時よりも強い遠心力を定量面Tに作用させるので、短時間に定量が出来る。この場合、検体または試薬の注入時に定量部へ余剰に注入しているので、定量時に強い遠心力で定量して、一旦、液面が凹んでも定量精度が低下することがない。
検体定量部114への検体の注入時に定量面に作用する遠心力の方向と定量時に定量面に作用する遠心力の方向との角度の差に応じて、定量時に公転コントローラ97が主軸モータ35の回転速度を制御する。従って、当該遠心力の角度の差により定量部へ余剰に注入した検体または試薬の量が変わるので、余剰に注入した量に応じて強い遠心力を作用させることにより定量を短時間に行うことができる。
検体定量部114への検体の注入時には、公転コントローラ97が主軸モータ35を高速駆動した後、回転速度を高速駆動より落とした低速駆動するので、注入時間を短縮することができると共に、注入した検体または試薬が勢い余って混合部または余剰部に流入することを防止できる。
検体定量部114に向けて検体、または試薬を供給する検体案内部113の下流側の先端113Aにおいて、遠心力X1が向かう方向側に第一通路117が位置し、遠心力X1の向かう方向と検体案内部113の延設方向Jとの成す角度の内、検体定量部114の角度Kが鋭角になる。これにより、検体または試薬を第一通路117の第一通路壁面120当てて検体定量部114に流し込むことにより、検体定量部114内において対流を生じることができる。故に、検体定量部114に注入した検体または試薬が均質になる。
<7.その他>
上記実施形態において、検体定量部114、試薬定量部134及び試薬定量部154が、各々、本発明の「定量部」の一例である。第一通路117、第三通路137及び第五通路157が、各々、本発明の「第1案内部」の一例である。第二通路115、第四通路135及び第六通路155が、各々、本発明の「第2案内部」の一例である。検体余剰部116、試薬余剰部136及び試薬余剰部156が、各々、本発明の「余剰部」の一例である。混合部170が本発明の「混合部」の一例である。定量端部121、定量端部141及び定量端部161が、各々、本発明の「第1接続部」の一例である。定量端部123、定量端部143及び定量端部163が、各々、本発明の「第2接続部」の一例である。定量面Tが本発明の「定量面」の一例である。
検査チップ2の自転角度85度の場合に定量面Tに作用する遠心力が本発明の「第1遠心力」の一例である。検査チップ2の自転角度90度の場合に定量面Tに作用する遠心力が本発明の「第2遠心力」の一例である。検体10が、本発明の「検体」の一例である。第一試薬11及び第二試薬12が、それぞれ本発明の「試薬」の一例である。ステップS4を実行するCPU91が、本発明の「第1作用手段」の一例である。ステップS7を実行するCPU91が、本発明の「第2作用手段」の一例である。CPU91が本発明の「コンピュータ」の一例である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。上記実施形態の検査装置1及び検査チップ2は単なる例示であり、各々の構造、形状、及びや処理などを変更可能である。例えば、第1遠心力を定量面Tに作用する生起する検査チップ2の自転角度は、85度に限られず、80度、75度、70度または65度等の鋭角の任意の角度であればよい。また、第2遠心力を定量面Tに作用する生起する検査チップ2の自転角度90度に限られない。即ち、定量面Tと定量面Tへ向かう第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、定量面Tと定量面Tへ向かう第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に第2遠心力を前記定量面に作用させる検査チップ2の自転角度であればよい。すなわち、隣接する2つの角度の差の絶対値より小さくなる方向に第2遠心力を定量面Tに作用させればよい。また、上記実施の形態では、第1遠心力より第2遠心力が強くなるようにしているが、必ずしも、第1遠心力より第2遠心力を強くする必要は無く、第1遠心力と第2遠心力との強さが同じでもよい。また、第1遠心力より第2遠心力が弱くてもよい。
検査チップ2に作用する遠心力を強めるには、ターンテーブル33の回転速度をげる以外に、ターンテーブル33の径を小さくして強い遠心力を作用させるようにしてもよい。また、検体10は、血液に限られず、血漿でも良い。即ち、検体定量部114の向きが、第一通路117の方向と左右方向において、同じ場合は、血漿、血球とも移動するので、血液の検査となる。一方、検体定量部114の向きが、第一通路117の方向と左右方向において、異なる場合は、血球が残り、血漿が移動するので、血漿の検査となる。また、図11に示すように、遠心力X1の方向と検体案内部113の延設方向Jとの成す角度の内、検体定量部114の角度Kが鋭角でなく、角度が0度でも良い。
1 検査装置
2 検査チップ
7 測定部
10 検体
11 第一試薬
12 第二試薬
13 混合液
91 CPU
97 公転コントローラ
98 自転コントローラ
114 検体定量部
115 第二通路
117 第一通路
116 検体余剰部
121、141、161 定量端部
123、143、163 定量端部
134 試薬定量部
154 試薬定量部
170 混合部

Claims (9)

  1. 液体である検体または試薬を定量する定量部を備える検査チップを所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させる検査装置であって、
    前記定量部において、前記検体と前記試薬とが混合される混合部側に向けて連通する第1案内部との接続箇所である第1接続部と、前記定量部において、前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部側に向けて連通する第2案内部との接続箇所である第2接続部とを結ぶ定量面に第1遠心力を作用させる第1作用手段と、
    前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から第2遠心力を作用させる第2作用手段と
    を備え、
    前記第1作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力の方向との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、
    前記第2作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値より小さくなる方向に前記第2遠心力を前記定量面に作用させることを特徴とする検査装置。
  2. 前記第2作用手段は、前記第1作用手段が前記定量面に作用させる第1遠心力よりも強い第2遠心力を前記定量面に作用させることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記第2作用手段は、前記第一軸を中心に前記検査チップを回転する回転速度を上げることにより前記第2遠心力を前記検査チップに作用させることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記第2作用手段は、前記第1遠心力の方向と前記第2遠心力の方向との角度の差に応じた前記強い遠心力を前記定量面に作用させることを特徴とする請求項2または3に記載の検査装置。
  5. 前記第1作用手段は、所定時間第1の強さの遠心力を作用させた後に、前記第1の強さの遠心力よりも弱い第2の強さの遠心力を作用させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の検査装置。
  6. 前記検査チップは、前記定量部に向けて検体、または試薬を供給する第3案内部の下流側の端部において、前記第1遠心力の向かう方向側に前記第1案内部が位置し、前記第1遠心力方向と前記第3案内部の延設方向との成す角度の内、前記定量部側の角度が鋭角になることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の検査装置。
  7. 液体である検体または試薬を定量する定量部を少なくとも備える検査チップと、当該検査チップを所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させる検査装置とから構成される検査システムであって、
    前記検査チップは、
    前記定量部と、
    前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部と、
    前記検体と前記試薬とが混合される混合部と、
    前記混合部側に向けて連通する第1案内部と、
    前記余剰部側に向けて連通する第2案内部と、
    前記定量部と前記第1案内部との接続箇所である第1接続部と、
    前記定量部と前記第2案内部との接続箇所である第2接続部と
    を少なくとも備え、
    前記検査装置は、
    前記定量部において、前記第1接続部と前記第2接続部とを結ぶ定量面に対して第1遠心力を作用させる第1作用手段と、
    前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から第2遠心力を作用させる第2作用手段と
    を備え、
    前記第1作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、
    前記第2作用手段は、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記第2遠心力を前記定量面に作用させること
    を特徴とする検査システム。
  8. 液体である検体または試薬を定量する定量部を備える検査チップを検査装置により、所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させて前記検体を検査する検査方法であって、
    前記定量部において、前記検体と前記試薬とが混合される混合部側に向けてに連通する第1案内部との接続箇所である第1接続部と、前記定量部において、前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部側に向けて連通する第2案内部との接続箇所である第2接続部とを結ぶ定量面に前記検査装置が第1遠心力を作用させる第1作用ステップと、
    前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から前記検査装置が第2遠心力を作用させる第2作用ステップと
    を備え、
    前記第1作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記検査装置が前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、
    前記第2作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記検査装置が前記第2遠心力を前記定量面に作用させること
    を特徴とする検査方法。
  9. 液体である検体または試薬を定量する定量部を備える検査チップを所定の第一軸を中心に回転させることにより前記検査チップに遠心力を作用させ、且つ、前記第一軸とは異なる第二軸を中心に前記検査チップを回転させることにより前記遠心力の方向を変化させる検査装置を制御する制御装置であるコンピュータが実行するコンピュータプログラムあって、
    前記定量部において、前記検体と前記試薬とが混合される混合部側に向けて連通する第1案内部との接続箇所である第1接続部と、前記定量部において、前記定量部から溢れた検体または試薬を溜める余剰部側に向けて連通する第2案内部との接続箇所である第2接続部とを結ぶ定量面に前記検査装置が第1遠心力を作用させる第1作用ステップと、
    前記第1遠心力の作用後に前記定量面に前記第1遠心力と異なる方向から前記検査装置が第2遠心力を作用させる第2作用ステップと
    を備え、
    前記第1作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、前記第2接続部側が鋭角になる方向に前記検査装置が前記第1遠心力を前記定量面に作用させ、
    前記第2作用ステップでは、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第2遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対値が、前記定量面と前記定量面へ向かう前記第1遠心力との成す角度の内、隣接する2つの角度の差の絶対より小さくなる方向に前記検査装置が前記第2遠心力を前記定量面に作用させること
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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