JP2014044077A - 検査チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】試薬容器に収容されている試薬が適正な流路とは異なる流路に流出するおそれを低減する検査チップを提供する。
【解決手段】第一挿入口130から挿入された第一容器210は、第一容器収容部140の基準領域141に配置される。第二挿入口150から挿入された第二容器220は、第二容器収容部160の基準領域161に配置される。第一容器収容部140内で第一容器210が基準領域141から右方向に移動されると、突起部143によってシール材212に穴が形成され、この穴から第一試薬11が流出する。第二容器収容部160内で第二容器220が基準領域161から右方向に移動されると、突起部163によってシール材222に穴が形成され、この穴から第二試薬12が流出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、検査対象物の化学的、医学的、生物学的な検査を行うための検査チップに関する。
従来、生体物質および化学物質等を検査するための検査チップが知られている。例えば特許文献1には、試薬が収容されている試薬容器を内部に挿入可能なカセットが開示されている。試薬容器の表面には、試薬が封止するホイルカバーが貼られている。カセットの内部に試薬容器が挿入される時に、試薬容器からホイルカバーが剥がれる。これにより、試薬容器に収容されている試薬は、カセットの内部に形成された流路へ供給可能となる。
特開2009−92643号公報
しかしながら、カセットの内部に試薬容器が挿入される時にホイルカバーが剥がれると、試薬容器から流出した試薬が、カセットの外部に流出するおそれがあった。また、カセットの内部に試薬容器が挿入された状態では、検査装置でカセットの遠心処理が行われる前に、試薬が自重によって試薬容器から流路に流出する場合がある。このとき、試薬が適正な流路とは異なる流路に流出するおそれがあった。
本発明の目的は、試薬容器に収容されている試薬が適正な流路とは異なる流路に流出するおそれを低減する検査チップを提供することである。
本発明の一態様は、液体である検体および試薬を内部に収容可能であり、所定の軸を中心に回転されることで前記検体および前記試薬が混合される検査チップであって、内部に収容された前記試薬がシール材によって封止された試薬容器を挿入可能な挿入口と、前記挿入口に挿入された前記試薬容器が配置される基準領域と、前記基準領域から前記挿入口に向かう方向とは異なる第一方向に、前記試薬容器が前記基準領域から移動可能な空間とを含む前記容器収容部と、前記基準領域から前記第一方向に移動する前記試薬容器の前記シール材に穴を形成可能な突起部とを備える。
上記態様によれば、挿入口から挿入された試薬容器は、容器収容部の基準領域に配置される。容器収容部内で試薬容器が基準領域から第一方向に移動されると、突起部によってシール材に穴が形成され、この穴から試薬が流出する。つまり、試薬容器から試薬が流出するタイミングは、試薬容器を挿入口から挿入した時ではなく、試薬容器を基準領域から第一方向に移動させた時である。したがって、試薬容器に収容されている試薬が適正な流路とは異なる流路に流出するおそれを低減できる。
前記容器収容部は、前記挿入口に前記試薬容器が挿入される方向である第二方向と交差する前記第一方向に、前記試薬容器が前記基準領域から移動可能な空間を含んでもよい。この場合、基準領域に配置された試薬容器は、挿入口に戻りにくくなるため、所定の軸を中心に回転時に、挿入口から試薬容器が飛び出すおそれを低減できる。
前記第一方向とは異なる方向から前記基準領域の内側に突出し、且つ、前記試薬容器が前記基準領域にある場合に、前記試薬容器の前記シール材とは異なる部位に接触可能な規制部を備えてもよい。この場合、規制部がシール材とは異なる部位に接触することで、容器収容部に収容された試薬容器が、所望のタイミング以外で基準領域から移動することを規制できる。
前記突起部は、前記容器収容部を形成する壁面のうち、前記基準領域から前記第一方向へ移動する前記試薬容器の前記シール材と対向する前記壁面に設けられてもよい。この場合、容器収容部内で移動する試薬容器に突起部が確実に接触して、シール材に試薬が流出する穴を形成できる。
前記突起部は、前記基準領域から前記第一方向へ移動する前記試薬容器が、前記軸を中心とした回転の方向の下流側から接触する前記壁面である第一接触面に設けられてもよい。この場合、検査チップを遠心回転させた場合、容器収容部内で回転の方向の下流側に移動する試薬容器のシール材に、試薬が流出する穴を形成できる。
前記突起部は、前記挿入口に前記試薬容器が挿入される第二方向の長さが、前記第一方向の長さよりも大きい直方体状であってもよい。この場合、容器収容部内における試薬容器の第一方向への移動距離が短い場合でも、突起部によって第二方向に延びる穴を形成して、穴の破断面を大きくすることができる。
前記突起部は、前記第一方向に向けて、前記軸を中心とした回転の方向の下流側から接触する前記壁面である第一接触面からの高さが増加してもよい。この場合、容器収容部内に収容された試薬容器を、第一方向へスムーズに移動させることができる。
前記突起部は、前記基準領域から前記第一方向へ移動する前記試薬容器が、前記軸を中心とした回転時に生じる遠心力の方向の下流側から接触する前記壁面である第二接触面に設けられたことを特徴とする。この場合、検査チップを遠心回転させた場合、容器収容部内で遠心力の方向の下流側に移動する試薬容器のシール材に、試薬が流出する穴を形成できる。
前記容器収容部から前記第一方向に延びる流路であって、前記穴から流出した前記試薬が移動可能な試薬供給路を備えてもよい。この場合、シール材に形成された穴から流出する試薬を、遠心力によって試薬供給路に移動させることができる。
検査チップ2が定常状態にある、検査装置1の背面図である。 検査チップ2が変位状態にある、検査装置1の背面図である。 図1に示す検査装置1の平面図である。 第一実施形態に係る、検査チップ2および試薬ユニット200の斜視図である。 第一実施形態に係る、遠心処理前の検査チップ2の正面図である。 第一実施形態に係る、自転角度0度で公転される検査チップ2の平面図である。 第一実施形態に係る、自転角度0度で公転される検査チップ2の縦断面図である。 図5に続き、自転角度0度で公転される検査チップ2の正面図である。 図8に続き、自転角度90度で公転される検査チップ2の正面図である。 図9に続き、自転角度0度で公転される検査チップ2の正面図である。 図10に続き、遠心処理後の検査チップ2の正面図である。 第二実施形態に係る、検査チップ2および試薬ユニット200の斜視図である。 第二実施形態に係る、自転角度0度で公転される検査チップ2の縦断面図である。 第三実施形態に係る、検査チップ2および試薬ユニット200の斜視図である。 第三実施形態に係る、自転角度0度で公転される検査チップ2の縦断面図である。
本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、単なる説明例である。
<1.第一実施形態>
本発明の第一実施形態を説明する。図1および図2を参照して、検査システム3の概略構造について説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体および試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査装置1は、検査チップ2から離間した垂直軸を中心とした回転によって、検査チップ2に遠心力を付与できる。検査装置1は、検査チップ2を水平軸まわりに回転させることによって、検査チップ2に付与される遠心力の方向である遠心方向を切り替え可能である。
<1−1.検査装置1の構造>
図1〜図3を参照して、検査装置1の詳細構造について説明する。以下の説明では、図1および図2の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の上方、下方、右方、左方、後方、前方とする。図3の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、紙面奥側を、それぞれ、検査装置1の前方、下方、右方、左方、上方、下方とする。図1および図2に示す例では、垂直軸の方向は上下方向である。図3に示す例では、水平軸の方向は上下方向である。なお、理解を容易にするために、図1および図2では上部筐体30を仮想線で示し、図3では上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1〜図3に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、ターンテーブル33、角度変更機構34、制御装置90などを備える。ターンテーブル33は、下部筐体31の上面側に設けられた、検査チップ2が上方に保持される円盤状の回転体である。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた、検査チップ2を水平軸まわりに回転させる駆動機構である。上部筐体30は、下部筐体31の上側に固定されており、検査チップ2に対して光学的な計測を行う計測部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の遠心処理や計測処理等を制御するコントローラである。
下部筐体31の詳細構造を説明する。図1および図2に示すように、下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、平面視長方形の板材である上板32が設けられている。上板32の上側には、ターンテーブル33が回転自在に設けられている。下部筐体31の内部には、ターンテーブル33を垂直軸まわりに回転させる駆動機構が、次のように設けられている。
下部筐体31内の左方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。平面視で下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、平面視でターンテーブル33の中央部に接続されている。
主軸57は、上板32の直下に設けられた支持部材53によって、回転自在に保持されている。支持部材53の下側では、主軸57にプーリ38が固定されている。プーリ37、38に亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、プーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
下部筐体31内の右方寄りに、下部筐体31の内部で上下方向に延びるガイドレール56が設けられている。T型プレート48は、ガイドレール56に沿って下部筐体31内で上下方向に移動可能である。T型プレート48の前側、すなわち図1、図2では紙面奥側の面には、左右方向に横長の溝部80が形成されている。
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。内軸40は、主軸57の内部で上下方向に移動可能な軸である。内軸40の上端部は、主軸57内を貫通して後述のラックギア43に接続されている。T型プレート48の左端部には、軸受41が設けられている。軸受41の内部では、内軸40の下端部が回転自在に保持される。
T型プレート48の前側には、T型プレート48を上下動させるためのステッピングモータ51が固定されている。ステッピングモータ51の軸58は後側、すなわち図1、図2では紙面手前側に向けて突出している。軸58の先端には、円盤状のカム板59が固定されている。カム板59の後側の面には、円柱状の突起70が設けられている。突起70の先端部は、先述の溝部80に挿入されている。突起70は、溝部80内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板59の回転に連動して突起70が上下動する。このとき、溝部80に挿入されている突起70に連動して、T型プレート48がガイドレール56に沿って上下動する。
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、ターンテーブル33の上面に固定された一対のL型プレート60を有する。各L型プレート60は、ターンテーブル33の中心近傍に固定された基部から上方に延び、且つ、その上端部がターンテーブル33の径方向外側に向けて延びている。一対のL型プレート60の間には、内軸40に固定されたラックギア43が設けられている。ラックギア43は、縦長の金属製の板状部材であり、両端面にギアが各々刻まれている。
各L型プレート60の延設方向の先端側では、ギア45を有する水平な支軸46が回転自在に軸支されている。支軸46は図示外の装着用ホルダを介して検査チップ2に固定されているため、ギア45の回転に連動して検査チップ2も支軸46を中心に回転する。ギア45とラックギア43との間には、L型プレート60によって水平軸まわりに回転自在に支持されたピニオンギア44が介在している。ピニオンギア44は、ギア45およびラックギア43にそれぞれ噛合している。ラックギア43の上下動に連動して、ピニオンギア44、ギア45がそれぞれ従動回転し、ひいては検査チップ2が支軸46を中心に回転する。
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、検査チップ2が垂直軸である主軸57を中心に回転して、検査チップ2に遠心力が付与される。検査チップ2の垂直軸まわりの回転を、公転と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸40を上下動させるのに伴って、検査チップ2が水平軸である支軸46を中心に回転して、検査チップ2に作用する遠心力の方向が相対変化する。検査チップ2の水平軸まわりの回転を、自転と呼ぶ。
図1に示すように、T型プレート48が可動範囲の最下端まで下降した状態では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、検査チップ2は、自転角度が「0度」の定常状態になる。図2に示すように、T型プレート48が可動範囲の最上端まで上昇した状態では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上昇する。このとき、検査チップ2は、定常状態から180度水平軸まわりに回転した状態になる。つまり、本実施形態では検査チップ2が自転可能な角度幅は、自転角度0度〜180度である。
上部筐体30の詳細構造を説明する。図3に示すように、上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心にある主軸57からみて、検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。
上部筐体30の内部に設けられた計測部7は、計測光を発する光源71と、光源71から発せられた計測光を検出する光センサ72とを有する。光源71および光センサ72は、検査チップ2の回転範囲の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に計測光が照射される計測位置である。検査チップ2が計測位置にある場合、光源71と光センサ72とを結ぶ光路が、平面視で検査チップ2の前後面に対して垂直に交差する。
<1−2.検査チップ2の構造>
図4を参照して、第一実施形態に係る検査チップ2および試薬ユニット200の詳細構造を説明する。以下の説明では、図4の上方、下方、右上方、左下方、右下方、左上方を、それぞれ、検査チップ2および試薬ユニット200の上方、下方、右方、左方、前方、後方とする。
検査チップ2は、試薬を収容した試薬ユニット200を装着可能である。試薬ユニット200は、第一容器210、第二容器220、連結体230を有する。第一容器210および第二容器220は、前後方向の厚みが小さく且つ上下方向が長手方向の直方体状であり、それぞれ内部に第一試薬11および第二試薬12を保持する。連結体230は、第一容器210および第二容器220に対して上側から連結される棒状体である。第一容器210および第二容器220は、連結体230によって左右方向に並んで一体に支持される。
第一容器210の内部には、後方に開口する凹部である試薬格納部211が設けられている。試薬格納部211の開口を塞ぐシール材212によって、試薬格納部211の内部に第一試薬11が封止されている。第一容器210の左上部分には、連結体230に接続された挿入軸219が設けられている。同様に、第二容器220の内部には、後方に開口する凹部である試薬格納部221が設けられている。試薬格納部221の開口を塞ぐシール材222によって、試薬格納部221の内部に第二試薬12が封止されている。第二容器220の左上部分には、連結体230に接続された挿入軸229が設けられている。
検査チップ2は、正面視で正方形状であり、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。板材20の上面には、検体挿入口110、第一挿入口130、第二挿入口150が形成されている。検体挿入口110は、図5に示す検体10を検査チップ2の内部に注入するための開口である。例えば、図示しない器具に収容された検体10が、ユーザの操作によって検体挿入口110に注入されればよい。すなわち、公知の手法を用いて、検体挿入口110を介して検体10が検査チップ2の内部に注入されればよい。
第一挿入口130は、検査チップ2の内部に第一容器210を挿入するための開口である。すなわち、第一挿入口130は、第一容器210が挿入可能な形状を有している。具体的には、第一挿入口130の前後方向の幅は、第一容器210の前後方向の幅よりも一回り大きい。第一挿入口130の左右方向の幅は、第一容器210の左右方向の幅よりも一回り大きい。
第二挿入口150は、検査チップ2の内部に第二容器220を挿入するための開口である。すなわち、第二挿入口150は、第二容器220が挿入される形状を有している。具体的には、第二挿入口150の前後方向の幅は、第二容器220の前後方向の幅よりも一回り大きい。第二挿入口150の左右方向の幅は、第二容器220の左右方向の幅よりも一回り大きい。
検体挿入口110、第一挿入口130、第二挿入口150は、検査チップ2の上側の壁面である上辺部21に沿って左右方向に並んで形成されている。検体挿入口110、第一挿入口130、第二挿入口150のうち、検体挿入口110が、検査チップ2の左側の壁面である左辺部23に最も近く、第二挿入口150が検査チップ2の右側の壁面である右辺部22に最も近く、第一挿入口130が検体挿入口110と第二挿入口150との間に位置する。なお、検査チップ2の下側の壁面は、下辺部24である。
板材20の前面は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート29によって封止されている。板材20とシート29との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。液体流路25は、板材20の前面側に所定深さで形成された凹部であり、板材20の厚み方向と直交する方向に延びる。すなわち、シート29は、板材20の流路形成面を封止する。液体流路25は、検体貯留部111、検体定量部114、検体余剰部116、第一容器収容部140、試薬定量部133、試薬余剰部135、第二容器収容部160、試薬定量部153、試薬余剰部155、混合部170、貯留部175等を含む。
検体挿入口110は、その下側に設けられた検体貯留部111に連通している。検体貯留部111は、検体挿入口110から注入された検体10が貯留される部位であり、上側に開口する凹部である。検体貯留部111から右方向に延びる検体供給路112は、検体貯留部111の下方に設けられ、流路が狭く形成された検体供給部113に接続する。検体供給部113の下方には、検体定量部114が設けられている。検体定量部114は、検体10を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。検体供給部113から検体定量部114の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、検体定量部114の凹部内側の体積と同量の検体10が定量される。
検体供給部113と検体定量部114とが連通する部位から、第一通路115および第二通路117が左右両側に延びている。第一通路115は、検体定量部114の左下方に設けられた検体余剰部116まで延びている。すなわち、第一通路115は、流路の形成方向が変わる。検体余剰部116は、検体定量部114から溢れ出た検体10が貯留される部位であり、第一通路115の下端部から右方向に延びる凹部である。第二通路117は、検体定量部114の右側に設けられた後述の混合部170まで延びている。
第一挿入口130は、その下側に設けられた第一容器収容部140に連通している。第一容器収容部140は、第一挿入口130から下方向に挿入された第一容器210が配置される基準領域141を含む。第一容器収容部140は、第一容器210が基準領域141から右方向に移動可能な空間も含む。言い換えると、第一容器収容部140は、先述の公転時に生じる作用力(遠心力、コリオリ)によって、第一容器210が基準領域141から移動可能な領域も含む。
第一容器収容部140における左上部分には、規制部142が設けられている。規制部142は、基準領域141の内側に向けて前方に突出する形状を有している。規制部142は、基準領域141の上縁部から第一挿入口130まで上下方向に延びている。規制部142が設けられた部位では、第一挿入口130および基準領域141の前後方向の幅が、第一容器210の前後方向長さと略等しい。
第一容器収容部140内の基準領域141よりも右側に、突起部143が設けられている。突起部143は、上下方向の長さが左右方向の長さよりも大きい直方体状である。突起部143は、基準領域141から右方向に移動する第一容器210のシール材212に、第一試薬11が流出する穴を形成可能である。突起部143は、第一容器収容部140を形成する壁面のうち、第一容器収容部140の後面の一部を形成する壁面である第一接触面145に設けられている。第一接触面145は、基準領域141から右方向へ移動する第一容器210が、先述した公転の方向の下流側から接触する壁面である。
第一容器収容部140の下面を形成する壁面は、基準領域141から右方向に水平に延び、且つ、第一容器収容部140の右端部で右上方向に屈曲している。この屈曲部分が、第一容器210の右方向の移動を制限する制限部144である。つまり、第一容器収容部140に収容された第一容器210は、基準領域141から制限部144に接触する位置まで右方向に移動可能である。
第一容器収容部140から右方向に延びる流路が、試薬供給路131である。試薬供給路131は、シール材212に形成された穴から流出した第一試薬11が移動可能である。試薬供給路131は、制限部144の右側を経由して下方に延び、第一容器収容部140の下方に設けられ、流路が狭く形成された試薬供給部132に接続する。試薬供給部132の下方には、試薬定量部133が設けられている。試薬定量部133は、第一試薬11を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。試薬供給部132から試薬定量部133の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部133の凹部内側の体積と同量の第一試薬11が定量される。
試薬供給部132と試薬定量部133とが連通する部位から、第三通路134および第四通路136が左右両側に延びている。第三通路134は、試薬定量部133の左下方に設けられた試薬余剰部135まで延びている。すなわち、第三通路134は、流路の形成方向が変わる。試薬余剰部135は、試薬定量部133から溢れ出た第一試薬11が貯留される部位であり、第三通路134の下端部から右方向に延びる凹部である。第四通路136は、試薬定量部133の下側に設けられた後述の混合部170まで延びている。
第二挿入口150は、その下側に設けられた第二容器収容部160に連通している。第二容器収容部160は、第一容器収容部140と同様の構成であり、基準領域161、規制部162、突起部163、制限部164、第一接触面165等を含む。第二容器収容部160から右方向に延びる流路が、試薬供給路151である。試薬供給路151は、シール材222に形成された穴から流出した第二試薬12が移動可能である。試薬供給路151は、制限部164の右側を経由して下方に延び、第二容器収容部160の下方に設けられ、流路が狭く形成された試薬供給部152に接続する。試薬供給部152の下方には、試薬定量部153が設けられている。試薬定量部153は、第二試薬12を定量する部位であり、上側に開口する凹部である。
試薬供給部152と試薬定量部153とが連通する部位から、第五通路154および第六通路156が左右両側に延びている。第五通路154は、試薬定量部153の左下方に設けられた試薬余剰部155まで延びている。すなわち、第五通路154は、流路の形成方向が変わる。試薬余剰部155は、試薬定量部153から溢れ出た第二試薬12が貯留される部位であり、第五通路154の下端部から右方向に延びる凹部である。試薬供給部152から試薬定量部153の凹部内側に向けて遠心力が付与されることにより、試薬定量部153の凹部内側の体積と同量の第二試薬12が定量される。第六通路156は、試薬定量部153の下側に設けられた後述の混合部170まで延びている。
混合部170は、検査チップ2の右下の位置に設けられた、正面視で上側に開口する矩形状の凹部である。混合部170において、第二通路117から流入する検体10と、第四通路136から流入する第一試薬11と、第六通路156から流入する第二試薬12とが混合される。検体10、第一試薬11、第二試薬12の混合液13の少なくとも一部は、混合部170の右下部に設けられた凹部である貯留部175に貯留される。
図1に示すように、L型プレート60から延びる支軸46は、図示外の装着用ホルダを介して板材20の後面中央に垂直に連結される。支軸46の回転に伴って、検査チップ2が支軸46を中心に正面視で反時計回り方向に自転する。検査チップ2は図5に示す定常状態である場合、上辺部21および下辺部24が重力方向Zと直交し、右辺部22および左辺部23が重力方向Zと平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。検査チップ2が定常状態で計測位置に配置されている場合、光源71と光センサ72とを結ぶ光路が貯留部175を平面視で垂直に通過する。
<1−3.検査方法の一例>
図5〜図11を参照して、検査装置1および検査チップ2を用いた検査方法について説明する。理解を容易にするために、図5、図8〜図11ではシート29を取り除いて、検査チップ2の正面図を示している。図5〜図11では、突起部143、163を斜線ハッチで色分けしている。図7(A)は、図6(A)のI−I線矢視方向断面図である。図7(B)は、図6(B)のII−II線矢視方向断面図である。図7(C)は、図6(C)のIII−III線矢視方向断面図である。
まずユーザは、検査チップ2を支軸46に取り付けて、検査チップ2に試薬ユニット200を装着する。このとき、図5、図6(A)、図7(A)に示すように、第一容器210は、第一挿入口130から挿入されると、規制部142に沿って下方に移動し、基準領域141に配置される。基準領域141では、規制部142がシール材212の上側で挿入軸219の後面に接触する。基準領域141に配置された第一容器210は、シート29と規制部142によって前後両側から挟まれる。
同様に、第二容器220は、第二挿入口150から挿入されると、規制部162に沿って下方に移動し、基準領域161に配置される。基準領域161では、規制部162がシール材222の上側で挿入軸229の後面に接触する。基準領域161に配置された第二容器220は、シート29と規制部162によって前後両側から挟まれる。
さらにユーザは、検体挿入口110から検体10を注入する。注入された検体10は検体貯留部111に貯留される。その後、ユーザが検査装置1に処理開始のコマンドを入力すると、以下の計測動作が実行される。なお、検査装置1は2つの検査チップ2を同時に処理可能であるが、以下では説明の便宜のため、1つの検査チップ2を用いて検査する手順を説明する。
まず主軸モータ35の駆動制御によって、自転角度0度の検査チップ2が公転される。このとき、図6(A)および図8に示すように、遠心方向の下流側に向けて、検査チップ2に遠心力Xが働く。本実施形態では、検査チップ2が自転角度0度である場合、左辺部23から右辺部22に向けて遠心力Xが働く。図6(B)に示すように、第一容器210は遠心力Xによって、基準領域141から制限部144に接触するまで右方向に移動する。第二容器220は遠心力Xによって、基準領域161から制限部164に接触する位置まで移動する。
検査チップ2の公転時には、公転方向の下流側に向けて、検査チップ2にコリオリ力Yが働く。本実施形態では、図7(A)に示すように、検査チップ2の前面側から後面側に向けて、コリオリ力Yが働く。規制部142が挿入軸219に接触した状態では、コリオリ力Yが作用していても第一容器210の後方への移動は規制される。同様に、規制部162が挿入軸229に接触した状態では、コリオリ力Yが作用していても第二容器220の後方への移動は規制される。一方、図6(B)、図7(B)に示すように、第一容器210が基準領域141から右側へ所定距離移動すると、規制部142、162がそれぞれ挿入軸219、229から離間するため、第一容器210および第二容器220は後方へ移動可能となる。
これにより、図6(C)、図7(C)、図8に示すように、第一容器210はコリオリ力Yによって第一接触面145に接触する位置まで後方に移動する。このとき、突起部143がシール材212に接触して穴Rを形成する。穴Rは、先述した突起部143の縦長形状に対応して、上下方向の長さが左右方向の長さよりも大きい縦長の破断面を有する。試薬格納部211に保持されていた第一試薬11は、形成された穴Rから流出して、遠心力Xによって右方向に移動して、試薬供給路131に流入する。
同様に、第二容器220がコリオリ力Yによって後方に移動することで、突起部163がシール材222に接触して穴Rを形成する。試薬格納部221に保持されていた第二試薬12は、形成された穴Rから流出して、遠心力Xによって右方向に移動して、試薬供給路151に流入する。同時に、検体貯留部111に貯留されている検体10は、遠心力Xによって検体供給路112に流入する。
次に、ステッピングモータ51の駆動制御によって、公転状態の検査チップ2を正面視で反時計周り方向に90度自転させ、自転角度を「90度」に変位させる。これにより、図9に示すように、上辺部21から下辺部24に向けて、検査チップ2に遠心力Xが働く。遠心力Xの作用によって、検体供給路112に流入した検体10は、検体供給部113を介して検体定量部114に流入する。検体定量部114では、所定量を超える検体10が第一通路115に溢れ出して検体余剰部116に貯留されることによって、所定量の検体10が定量される。
同時に、遠心力Xの作用によって、試薬供給路131に流入した第一試薬11は、試薬供給部132を介して試薬定量部133に流入する。試薬定量部133では、所定量を超える第一試薬11が第三通路134に溢れ出して試薬余剰部135に貯留されることによって、所定量の第一試薬11が定量される。同様に、遠心力Xの作用によって、試薬供給路151に流入した第二試薬12は、試薬供給部152を介して試薬定量部153に流入する。試薬定量部153では、所定量を超える第二試薬12が第五通路154に溢れ出して試薬余剰部155に貯留されることによって、所定量の第二試薬12が定量される。
次に、ステッピングモータ51の駆動制御によって、公転状態の検査チップ2を正面視で時計周り方向に90度自転させ、定常状態に変位させる。これにより、図10に示すように、左辺部23から右辺部22に向けて、検査チップ2に遠心力Xが働く。この遠心力Xの方向は、検体余剰部116に貯留された検体10が検体定量部114に再び移動しないように制御されている。すなわち、検体余剰部116は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の検体10は検体余剰部116から移動せずに留まる。一方、検体定量部114で定量された検体10は、遠心力Xの作用によって右方向に移動し、第二通路117を介して混合部170に流入する。
同時に、遠心力Xの作用によって、試薬定量部133で定量された第一試薬11が第四通路136を介して混合部170に流入する。一方、試薬余剰部135は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の第一試薬11は試薬余剰部135に留まる。同様に、遠心力Xの作用によって、試薬定量部153で定量された第二試薬12が第六通路156を介して混合部170に流入する。一方、試薬余剰部155は右方向に閉じる凹部であるため、余剰の第二試薬12は試薬余剰部155に留まる。混合部170に流入した検体10、第一試薬11、第二試薬12は、遠心力Xの作用によって混合され、混合液13が生成される。
最後に、主軸モータ35の駆動制御によって、検査チップ2を計測位置まで移動させ、検査チップ2の公転動作が終了される。図11に示すように、混合部170で生成された混合液13の一部は、重力方向Zに移動して貯留部175に貯留される。貯留部175を通る光路によって、混合液13が光計測される。検査装置1は、光センサ72が受光した計測光の減衰量に基づいて、検体10の検査結果を得る。検体10の検査結果は、例えば図示しないディスプレイに表示される。
<1−4.本実施形態の作用・効果>
以上説明したように、第一実施形態の検査チップ2によれば、第一挿入口130から挿入された第一容器210は、第一容器収容部140の基準領域141に配置される。第一容器収容部140内で第一容器210が基準領域141から右方向に移動されると、突起部143によってシール材212に穴Rが形成され、この穴Rから第一試薬11が流出する。
つまり、第一容器210から第一試薬11が流出するタイミングは、第一容器210を第一挿入口130から挿入した時ではなく、第一容器210を基準領域141から右方向に移動させた時である。第一試薬11は、遠心処理の開始前は第一容器210から液体流路25に供給されることなく、遠心処理の開始後に第一容器210から液体流路25に供給される。そのため、遠心処理の開始前に第一容器210から第一試薬11が流出することを抑制でき、ひいては第一試薬11が適正な流路とは異なる流路に流出するおそれを低減できる。
第一容器収容部140は、第一挿入口130に第一容器210が挿入される下方向と交差する右方向に、第一容器210が基準領域141から移動可能な空間を含む。したがって、基準領域141に配置された第一容器210は、第一挿入口130に戻りにくくなるため、公転時に第一挿入口130から第一容器210が飛び出すおそれを低減できる。
第一容器210が基準領域141に配置された状態で、規制部142がシール材212とは異なる部位である挿入軸219に接触する。例えば第一容器210を右方向に移動させる外力が働き、且つ、その外力が遠心力Xよりも小さい場合、第一容器210が基準領域141から右方向に移動することを抑制できる。このとき、規制部142はシール材212に接触しないため、規制部142で傷つけることなく第一容器210の移動を規制できる。したがって、第一容器210が所望のタイミング以外で基準領域141から移動することを抑制できる。
突起部143は、第一容器収容部140を形成する壁面のうち、基準領域141から右方向へ移動する第一容器210のシール材212と対向する第一接触面145に設けられる。したがって、第一容器収容部140内で移動する第一容器210に突起部143が確実に接触して、シール材212に第一試薬11が流出する穴Rを形成できる。さらに、第一接触面145は、基準領域141から右方向へ移動する第一容器210が、主軸57を中心とした回転の方向の下流側から接触する壁面である。したがって、検査チップ2を遠心回転させた場合、第一容器収容部140内で回転の方向の下流側に移動する第一容器210のシール材212に穴Rを形成できる。
突起部143は、上下方向の長さが左右方向の長さよりも大きい直方体状である。そのため、第一容器収容部140内における第一容器210の右方向への移動距離が短い場合でも、突起部143によって上下方向に延びる穴Rを形成して、穴Rの破断面を大きくすることができる。
試薬供給路131は、第一容器収容部140から右方向に延びる流路である。そのため、穴Rから流出する第一試薬11を、遠心方向を変えることなく、遠心力によって試薬供給路131に移動させることができる。なお、上述した作用および効果は、第二挿入口150から挿入される第二容器220および第二容器220に収容された第二試薬12についても、同様である。
<2.第二実施形態>
本発明の第二実施形態を説明する。以下では、第一実施形態と共通の構成には、第一実施形態と同一符号を付して説明を省略し、第一実施形態と異なる点のみを説明する。
図12を参照して、第二実施形態に係る検査チップ2および試薬ユニット200の詳細構造を説明する。試薬ユニット200は、第一実施形態と同様である(図4参照)。一方、図12に示すように、本実施形態の検査チップ2は、規制部142、162が設けられていない。そのため、図13(A)に示すように、基準領域141は配置された第一容器210は、前後方向に若干移動可能である。基準領域161に配置された第二容器220は、前後方向に若干移動可能である。
本実施形態の検査チップ2には、第一実施形態の突起部143、163に代えて、突起部146、166が設けられている。突起部146、166は、それぞれ第一接触面145、165に設けられている。上下方向に延びる三角柱状をなし、且つ上下方向の長さが左右方向の長さよりも大きい段差部である。突起部146、166は、いずれも右方向に向けて第一接触面145からの高さが増加する傾斜面を有する。ただし、突起部166の第一接触面145に対する傾斜角度は、突起部146の第一接触面145に対する傾斜角度よりも大きい。
図13を参照して、第二実施形態の検査チップ2を用いた検査方法を説明する。検査装置1で計測動作が実行されると、第一実施形態と同様に、定常状態の検査チップ2が公転される。図13(A)に示すように、検査チップ2の前面側から後面側に向けてコリオリ力Yが働き、且つ、左辺部23から右辺部22に向けて遠心力Xが働く。これにより、図13(B)に示すように、第一容器210は遠心力Xおよびコリオリ力Yによって、第一接触面145に沿って右方向に移動する。このとき、第一容器210は、突起部146の傾斜面に沿って僅かに右前方向に傾斜する。同様に、第二容器220は遠心力Xおよびコリオリ力Yによって、第一接触面165に沿って右方向に移動する。
第一容器210が基準領域141から右方向に所定距離移動すると、突起部146の先端部がシール材212に接触する。第一容器210はコリオリ力Yによって後方に付勢されているため、図13(C)に示すように、突起部146がシール材212を破って穴Rを形成する。同様に、第二容器220が基準領域161から右方向に所定距離移動すると、突起部166の先端部がシール材222に接触する。第二容器220はコリオリ力Yによって後方に付勢されているため、突起部166がシール材222を破って穴Rを形成する。これにより、試薬ユニット200の第一試薬11および第二試薬12は、それぞれ試薬供給路131、151に流入する。以降の処理は、第一実施形態と同様である。
以上説明したように、第二実施形態の検査チップ2によれば、第一実施形態と同様に、遠心処理の開始前に第一容器210から第一試薬11が流出することを抑制でき、ひいては第一試薬11が適正な流路とは異なる流路に流出するおそれを低減できる。さらに、突起部146、166は、右方向に向けて第一接触面145からの高さが増加する傾斜面を有する。したがって、第一容器収容部140内に収容された第一容器210を、右方向へスムーズに移動させることができる。同様に、第二容器収容部160内に収容された第二容器220を、右方向へスムーズに移動させることができる。
<3.第三実施形態>
本発明の第三実施形態を説明する。以下では、第一、第二実施形態と共通の構成には、第一、第二実施形態と同一符号を付して説明を省略し、第一、第二実施形態と異なる点のみを説明する。
図14を参照して、第三実施形態に係る検査チップ2および試薬ユニット200の詳細構造を説明する。本実施形態の試薬ユニット200では、試薬格納部211、221が右方向に開口する凹部である。したがって、シール材212、222も、試薬格納部211、221の右面側に設けられている。
本実施形態の検査チップ2は、板材20の前面側がシート29によって封止されており、且つ、板材20の後面側がシート28によって封止されている。本実施形態の検査チップ2は、規制部142、162が設けられていない。そのため、図15(A)に示すように、基準領域141は配置された第一容器210は、前後方向に若干移動可能である。基準領域161に配置された第二容器220は、前後方向に若干移動可能である。
第一容器収容部140では、基準領域141と制限部144との間に、隙間部149が設けられている。同様に、第二容器収容部160では、基準領域161と制限部164との間に、隙間部169が設けられている。隙間部149、169は、板材20を上下方向に切り欠いた部位であり、板材20を前後方向に貫通している。隙間部149、169の左右方向の幅は、それぞれ挿入軸219、229の左右方向長さと等しいか、若干大きい程度である。
本実施形態の検査チップ2は、第一実施形態の突起部143、163に代えて、突起部147、167が設けられている。突起部147は、制限部144の上面である第二接触面148のやや後方寄りに設けられている。第二接触面148は、基準領域141から右方向へ移動する第一容器210が、先述の主軸57を中心とした回転時に生じる遠心力の方向の下流側から接触する壁面である。同様に、突起部167は、制限部164の上面である第二接触面168に設けられている。突起部147、167は、左側に向けて突出する円錐状である。
図15を参照して、第三実施形態の検査チップ2を用いた検査方法を説明する。検査装置1で計測動作が実行されると、第一実施形態と同様に、定常状態の検査チップ2が公転される。図15(A)に示すように、検査チップ2の前面側から後面側に向けてコリオリ力Yが働き、且つ、左辺部23から右辺部22に向けて遠心力Xが働く。これにより、図15(B)に示すように、第一容器210は遠心力Xおよびコリオリ力Yによって、第一容器収容部140の後面を形成する壁面に沿って右方向に移動する。同様に、第二容器220は遠心力Xおよびコリオリ力Yによって、第二容器収容部160の後面を形成する壁面に沿って右方向に移動する。
第一容器210が基準領域141から右方向に所定距離移動すると、突起部147の先端部がシール材212に接触し、且つ、挿入軸219が隙間部149に移動する。第一容器210はコリオリ力Yによって後方に付勢されているため、図15(C)に示すように、挿入軸219が隙間部149に沿ってシート28に接触する位置まで後方に移動する。このとき、突起部147がシール材212を前後方向に破って穴Rを形成する。
同様に、第二容器220が基準領域161から右方向に所定距離移動すると、突起部167の先端部がシール材222に接触し、且つ、挿入軸229が隙間部169に移動する。第二容器220はコリオリ力Yによって後方に付勢されているため、挿入軸229が隙間部169に沿ってシート28に接触する位置まで後方に移動する。このとき、突起部167がシール材222を前後方向に破って穴Rを形成する。これにより、試薬ユニット200の第一試薬11および第二試薬12は、それぞれ試薬供給路131、151に流入する。以降の処理は、第一実施形態と同様である。
以上説明したように、第三実施形態の検査チップ2によれば、第一実施形態と同様に、遠心処理の開始前に第一容器210から第一試薬11が流出することを抑制でき、ひいては第一試薬11が適正な流路とは異なる流路に流出するおそれを低減できる。突起部147は、第一容器収容部140を形成する壁面のうち、基準領域141から右方向へ移動する第一容器210のシール材212と対向する第二接触面148に設けられる。第二接触面148は、基準領域141から右方向へ移動する第一容器210が、主軸57を中心とした回転時に生じる遠心力の方向の下流側から接触する壁面である。したがって、検査チップ2を遠心回転させた場合、第一容器収容部140内で遠心力の方向の下流側に移動する第一容器210のシール材212に穴Rを形成できる。同様に、第二接触面148に設けた突起部167によって、シール材222に第二試薬12が流出する穴Rを形成できる。
<4.その他>
上記実施形態において、第一試薬11および第二試薬12が、本発明の「試薬」に相当する。第一容器210および第二容器220が、本発明の「試薬容器」に相当する。第一挿入口130および第二挿入口150が、本発明の「挿入口」に相当する。第一容器収容部140および第二容器収容部160が、本発明の「容器収容部」に相当する。右方向が本発明の「第一方向」に相当する。下方向が本発明の「第二方向」に相当する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。上記実施形態の検査装置1や検査チップ2は単なる例示であり、各々の構造、形状や処理などを変更可能である。
上記実施形態では、ユーザの利便性を考慮して、第一容器210および第二容器220が連結された試薬ユニット200を例示したが、第一容器210および第二容器220を単独で使用してもよい。上記実施形態では、制限部144によって第一容器210の右方向の移動が制限されているが、挿入軸219が第一挿入口130の右縁部に接触することで、第一容器210の右方向の移動が制限されてもよい。同様に、挿入軸229が第二挿入口150の右縁部に接触することで、第二容器220の右方向の移動が制限されてもよい。すなわち、第一挿入口130の右縁部または第二挿入口150の右縁部が、本発明の規制部の一例である。
「第一方向」および「第二方向」は、右方向および下方向に限定されず、互いに正反対の方向でなければよい。例えば、検体挿入口110、第一挿入口130、第二挿入口150を、検査チップ2の上辺部21に代えて、左辺部23に上から順に設ける。ユーザは第一容器210を、検査チップ2の左側から第一挿入口130に挿入する。この場合、遠心力Xが付与される前は、第一容器210が規制部142によって基準領域141に保持される。遠心力Xが付与されると、第一容器210が基準領域141から右方向に移動して、突起部143によってシール材212が破断されて、第一試薬11を流出する穴Rを形成可能である。この場合、ユーザが第一容器210を検査チップ2に挿入する時、挿入方向に強く力を入れると、第一容器210が奥まで挿入され、遠心力Xが付与される前に第一試薬11が流出する可能性がある。従って、上述した実施形態のほうが好ましい。
「突起部」は、基準領域から第一方向に移動する試薬容器に穴を形成できる範囲で、数量、形状、位置、大きさなどを変更してもよい。検査チップ2に注入される「試薬」の数量は、2つに限定されず、1つの試薬でもよいし、3つ以上の試薬でもよい。上記実施形態では、検査チップ2は板材20とシート28、29とで構成されているが、検査チップ2はシート28、29を備えていなくてもよい。例えば、各種挿入口や液体流路25が板材20に直接形成された検査チップ2を用いてもよい。
2 検査チップ
10 検体
11 第一試薬
12 第二試薬
57 主軸
130 第一挿入口
131 試薬供給路
140 第一容器収容部
141 基準領域
142 規制部
143 突起部
145 第一接触面
146 突起部
147 突起部
148 第二接触面
150 第二挿入口
151 試薬供給路
160 第二容器収容部
161 基準領域
162 規制部
163 突起部
165 第一接触面
166 突起部
167 突起部
168 第二接触面
200 試薬ユニット
210 第一容器
212 シール材
220 第二容器
222 シール材

Claims (9)

  1. 液体である検体および試薬を内部に収容可能であり、所定の軸を中心に回転されることで前記検体および前記試薬が混合される検査チップであって、
    内部に収容された前記試薬がシール材によって封止された試薬容器を挿入可能な挿入口と、
    前記挿入口に挿入された前記試薬容器が配置される基準領域と、前記基準領域から前記挿入口に向かう方向とは異なる第一方向に、前記試薬容器が前記基準領域から移動可能な空間とを含む前記容器収容部と、
    前記基準領域から前記第一方向に移動する前記試薬容器の前記シール材に穴を形成可能な突起部と
    を備えたことを特徴とする検査チップ。
  2. 前記容器収容部は、前記挿入口に前記試薬容器が挿入される第二方向と交差する前記第一方向に、前記移動可能な空間を含むことを特徴とする請求項1に記載の検査チップ。
  3. 前記第一方向とは異なる方向から前記基準領域の内側に突出し、且つ、前記試薬容器が前記基準領域にある場合に、前記試薬容器の前記シール材とは異なる部位に接触可能な規制部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の検査チップ。
  4. 前記突起部は、前記容器収容部を形成する壁面のうち、前記基準領域から前記第一方向へ移動する前記試薬容器の前記シール材と対向する前記壁面に設けられたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の検査チップ。
  5. 前記突起部は、前記基準領域から前記第一方向へ移動する前記試薬容器が、前記軸を中心とした回転の方向の下流側から接触する前記壁面である第一接触面に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の検査チップ。
  6. 前記突起部は、前記挿入口に前記試薬容器が挿入される第二方向の長さが、前記第一方向の長さよりも大きい直方体状であることを特徴とする請求項4または5に記載の検査チップ。
  7. 前記突起部は、前記第一方向に向けて、前記軸を中心とした回転の方向の下流側から接触する前記壁面である第一接触面からの高さが増加することを特徴とする請求項4または5に記載の検査チップ。
  8. 前記突起部は、前記基準領域から前記第一方向へ移動する前記試薬容器が、前記軸を中心とした回転時に生じる遠心力の方向の下流側から接触する前記壁面である第二接触面に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の検査チップ。
  9. 前記容器収容部から前記第一方向に延びる流路であって、前記穴から流出した前記試薬が移動可能な試薬供給路を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の検査チップ。
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