JP2017090236A - 検査方法、検査システム、及び検査装置 - Google Patents

検査方法、検査システム、及び検査装置 Download PDF

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有希 穂苅
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Abstract

【課題】測定部に保持されている液体の液面を平面状に維持可能な検査方法、検査システム、及び検査装置を提供する。
【解決手段】検査チップに作用する加速度の向きが、測定部の第一面に向かう第一方向にされる(S8)。検査チップに作用する加速度の向きが、壁面の第二面に向かい、且つ第一方向と交差する第二方向にされる(S9)。測定部に測定光を照射することで、光学測定が実行される(S11)。S9において検査チップに作用する第二方向の加速度の大きさg2、S11において検査チップに作用する第二方向の加速度の大きさg1、濡れている壁面と液体との間に生じる毛細管力の大きさをF1、乾いている壁面と液体との間に生じる毛細管力の大きさをF2とした場合、以下の関係が成立する。
g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)
【選択図】図5

Description

本発明は、液体が内部で移動可能な検査チップを用いて検査を実行するための検査方法、検査システム、及び検査装置に関する。
従来、液体が内部で移動可能な検査チップを用いて検査を実行するための検査方法等が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の検査システムでは、検査装置が検査チップに付与する遠心力によって、検査チップ内において液体が移動される。液体が検査チップ内の混合部に流入される場合、混合部の右部に向かう第一方向の遠心力が検査チップに付与される。更に、混合部の下部に向かう第二方向の遠心力が検査チップに付与されることで、液体が混合部の下部に設けられた測定部に移動されて保持される。その後、検査装置は、検査チップに遠心力が付与されていない状態で、測定部に測定光を照射して液体の光学測定を実行する。
特開2015−105893号公報
上記の従来技術では、検査チップに付与する遠心力が互いに交差する二つの方向(第一方向及び第二方向)に順次作用することで、液体が混合部に流入されて測定部に移動される。液体が第一方向の遠心力によって移動する過程で、液体は混合部の右壁に沿って測定部に移動するため、混合部の右壁は濡れた状態になる。一方、液体が第二方向の遠心力によって移動する過程で、液体は混合部の左壁に接触しないため、混合部の左壁は濡れた状態にならない。一般に、乾いた面に比べて、一度濡れた履歴のある面は接触角が小さくなる、すなわち一度濡れた面は一層濡れやすくなるという性質がある。
従って、測定部に保持されている液体は、混合部の右壁に沿って広がりやすい。即ち、測定部に保持されている液体の液面は、検査チップに遠心力が付与されていない状態で湾曲しやすい。液体の液面が湾曲するのに伴って、測定部内における液体の三次元形状が変形すると、測定部に照射される測定光が適切に液体を透過できないおそれがある。即ち、測定部に保持されている液体の光学測定を正確に実行するためには、測定部に保持されている液体の液面が平面状であることが好ましい。
本発明の目的は、測定部に保持されている液体の液面を平面状に維持可能な検査方法、検査システム、及び検査装置を提供することである。
本発明の第一態様は、液体を光学測定するための測定部を備える検査チップに加速度を作用させて検査を行う検査方法であって、前記検査チップに作用する加速度の向きを、前記測定部を形成する壁面に含まれる第一面に向かう第一方向にする第一工程と、前記第一工程の実行後、前記検査チップに作用する加速度の向きを、前記壁面のうちで前記第一面とは異なる第二面に向かい、且つ前記第一方向と交差する第二方向にする第二工程と、前記第二工程の実行後、前記測定部に測定光を照射することで、前記光学測定を実行する第三工程と、を備え、前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg1、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg2、前記壁面が濡れている状態で前記壁面と前記液体との間で前記第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF1、及び、前記壁面が乾いている状態で前記壁面と前記液体との間で前記反対方向に生じる毛細管力の大きさをF2とした場合、以下の関係を満たすことを特徴とする。
g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)
本態様によれば、第一工程の実行時に濡れた第一面から、液体が第二工程の実行時に第二面側に移動する。このとき、第一面に残留する液滴も第二面側に移動する。従って第三工程では、液体の光学測定をより正確に実行できる。
前記第一面は、前記測定部の長手方向に延びる面であり、前記第二面は、前記測定部の短手方向に延びる面でもよい。この場合、測定部の容積が同じである場合、第一面と第二面が同じ長さで延びるよりも、第一面が測定部の長手方向に延び且つ第二面が測定部の短手方向に延びる方が、第二面と液体の液面との距離を大きくできる。このため 、測定部に保持される液体の液量が相対的に少ない場合でも、安定的に光学測定できる。
前記第一方向は、前記測定部の短手方向と平行であり、前記第二方向は、前記測定部の長手方向と平行でもよい。この場合、第一工程の実行時に液体を確実に第一面側へ移動させ、且つ、第二工程の実行時に液体を確実に第二面側へ移動させることができる。
前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度、及び前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の少なくとも一つは、遠心力でもよい。この場合、各工程で作用する加速度の大きさを、検査チップに付与される遠心力の大きさを変えることで容易に制御できる。
前記第一方向及び前記第二方向は、互いに直交してもよい。この場合、加速度の作用する方向を第一方向から第二方向に変更することで、測定部内で液体を効率的に第一面側から第二面側に移動させることができる。
前記第一方向及び前記第二方向の何れか一つは、重力方向と直交してもよい。この場合、第一方向及び第二方向の各加速度の何れかとして重力を利用できるため、処理を簡素化できる。
前記第二方向は、重力方向と平行でもよい。この場合、第二方向の加速度として重力を利用できるため、処理を簡素化できる。
前記測定部は、前記第二方向と直交する断面において角部を有してもよい。この場合、液体と壁面との間に生じる毛細管力は、液体が二つの面に接触する角部において強く作用する。この場合でも、測定部に保持された液体の光学測定を、上記と同様に正確に実行できる。
前記第二工程の実行後且つ前記第三工程の実行前に、前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の向きを、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の向きと交差する方向にする第四工程を、更に備えてもよい。この場合、第二工程の実行後且つ第三工程の実行前に、加速度の向きが第二方向に作用する状態を維持したまま変更される。測定部に保持されている液体が第一面に沿って濡れ広がりにくいため、光学測定の実行前に加速度の向きが変更されても液体の液面を平面状に維持できる。
本発明の第二態様は、液体を光学測定するための測定部を備える検査チップと、前記液体の光学測定を実行可能な検査装置とを含む検査システムであって、前記検査装置は、前記検査チップを保持可能な保持手段と、公転軸線を中心として前記保持手段を回転させることで、前記保持手段に保持された前記検査チップに遠心力を付与可能な公転手段と、前記光学測定を実行するための測定光を、前記測定部に照射可能な測定手段と、前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記測定部を形成する壁面に含まれる第一面に向かう第一方向にする第一工程を実行する第一制御手段と、前記第一工程の実行後、前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記壁面のうちで前記第一面とは異なる第二面に向かい、且つ前記第一方向と交差する第二方向にする第二工程を実行する第二制御手段と、前記第二工程の実行後、前記測定手段によって前記測定部に測定光を照射することで、前記光学測定を実行する第三工程を実行する第三制御手段と、を備え、前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg1、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg2、前記壁面が濡れている状態で前記壁面と前記液体との間で前記第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF1、及び、前記壁面が乾いている状態で前記壁面と前記液体との間で前記反対方向に生じる毛細管力の大きさをF2とした場合、以下の関係を満たすことを特徴とする。
g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)
本態様によれば、第一態様と同様の作用を奏する。
前記検査チップは、前記測定部に接続され、且つ前記液体の液量を所定の体積に定量する定量部を少なくとも一つ以上含み、前記所定の体積の合計をV、前記測定部の前記第一方向の長さをX、前記測定部の前記第二方向の長さをY、前記測定部の前記第一方向及び前記第二方向と直交する第三方向の長さをZ、及び、前記測定光の光軸の直径をDとした場合、以下の関係を満たしてもよい。
V/YZ<D<V/XZ(但し、X>0、Y>0、Z>0、D>0)
この場合、上記の関係を満たす測定光の光軸の直径Dは、測定部に保持されている液体における測定光と直交する方向の断面積よりも小さい。従って、測定光を測定部内の液体に確実に透過させることができ、液体の光学測定の精度を更に向上できる。
前記検査チップは、板状のチップ本体と、前記チップ本体の片面又は両面に配置されたシート状部材とを備え、前記測定部は、前記チップ本体の片面に設けられた凹部又は前記チップ本体の両面に亘って貫通した貫通部であり、且つ前記シート状部材によって封止された領域を含み、前記測定部は、前記第二方向と直交する断面において、前記チップ本体と前記シート状部材とにより構成される角部を有してもよい。この場合、検査チップは、板状のチップ本体と、チップ本体の片面又は両面に配置されたシート状部材を備える。このような検査チップの測定部は、チップ本体とシート状部材との接続部位に角部が生じる。この場合でも、測定部に保持された液体の光学測定を、上記と同様に正確に実行できる。
本発明の第三態様は、液体を光学測定するための測定部を備える検査チップを用いて、前記液体の光学測定を実行可能な検査装置であって、前記検査チップを保持可能な保持手段と、公転軸線を中心として前記保持手段を回転させることで、前記保持手段に保持された前記検査チップに遠心力を付与可能な公転手段と、前記光学測定を実行するための測定光を、前記測定部に照射可能な測定手段と、前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記測定部を形成する壁面に含まれる第一面に向かう第一方向にする第一工程を実行する第一制御手段と、前記第一工程の実行後、前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記壁面のうちで前記第一面とは異なる第二面に向かい、且つ前記第一方向と交差する第二方向にする第二工程を実行する第二制御手段と、前記第二工程の実行後、前記測定手段によって前記測定部に測定光を照射することで、前記光学測定を実行する第三工程を実行する第三制御手段と、を備え、前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg1、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg2、前記壁面が濡れている状態で前記壁面と前記液体との間で前記第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF1、及び、前記壁面が乾いている状態で前記壁面と前記液体との間で前記反対方向に生じる毛細管力の大きさをF2とした場合、以下の関係を満たすことを特徴とする。
g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)
本態様によれば、第一態様と同様の作用を奏する。
検査装置1及び制御装置90を含む検査システム3の構成を示す図である。 検査チップ2の正面図である。 検査チップ2の背面図である。 検査チップ2の斜視図である。 メイン処理のフローチャートである。 メイン処理における検査チップ2の状態遷移図である。 図6から続く状態遷移図である。 測定部80における液体の挙動を示す状態遷移図である。 図8から続く状態遷移図である。 測定部80を模式的に示した斜視図である。 測定部80に作用させる加速度を説明するための説明図である。 測定部80における液体の挙動の比較例を示す状態遷移図である。
本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、検査システム3を構成する検査装置1の平面及び制御装置90の内部の機能ブロックを示す。
<1.検査システム3の概略構造>
図1を参照して、検査システム3の概略構造を説明する。本実施形態の検査システム3は、液体である検体及び試薬を収容可能な検査チップ2と、検査チップ2を用いて検査を行う検査装置1とを含む。検査装置1が検査チップ2から離間した垂直軸線A1を中心として検査チップ2を回転させると、遠心力が検査チップ2に作用する。検査装置1が水平軸線A2を中心に検査チップ2を回転させると、検査チップ2からみた検査チップ2に作用する遠心力の方向が切り替えられる。尚、本実施形態の検査システム3及び検査装置1は、特開2012−78107号公報に記載されているように周知の構造であるので、以下の説明では、検査装置1の概略構造を説明する。
<2.検査装置1の構造>
図1を参照して、検査装置1の構造を説明する。以下の説明では、図1の上方、下方、右方、左方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査装置1の前方、後方、右方、左方、上方、及び下方とする。本実施形態では、垂直軸線A1の方向は検査装置1の上下方向であり、水平軸線A2の方向は、検査チップ2が垂直軸線A1を中心として回転される際の速度の方向である。図1は検査装置1の上部筐体30の天板が取り除かれた状態を示す。
図1に示すように、検査装置1は、上部筐体30、下部筐体31、上板32、ターンテーブル33、角度変更機構34、及び制御装置90を備える。ターンテーブル33は、後述する上板32の上側に回転可能に設けられた円盤である。検査チップ2は、ターンテーブル33の上方に保持される。角度変更機構34は、ターンテーブル33に設けられた駆動機構である。角度変更機構34は、水平軸線A2を中心に検査チップ2を各々回転させる。上部筐体30は、後述する上板32に固定されており、検査チップ2に対して光学測定を行う測定部7が内部に設けられている。制御装置90は、検査装置1の各種処理を制御するコントローラである。
下部筐体31の概略構造を説明する。下部筐体31は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有する。下部筐体31の上面には、長方形の板材である上板32が設けられている。下部筐体31の内部には、垂直軸線A1を中心にターンテーブル33を回転させる駆動機構が、次のように設けられている。
下部筐体31内の左方寄りに、ターンテーブル33を回転させるための駆動力を供給する主軸モータ35が設置されている。主軸モータ35の軸36は、上方に突出しており、プーリ37が固定されている。下部筐体31の中央部には、下部筐体31の内部から上方に延びる垂直な主軸57が設けられている。主軸57は、上板32を貫通して、下部筐体31の上側に突出している。主軸57の上端部は、ターンテーブル33の中央部に接続されている。
主軸57は、上板32の直下に設けられた図示しない支持部材により、回転自在に保持されている。支持部材の下側では、主軸57にプーリ38が固定されている。プーリ37とプーリ38とに亘って、ベルト39が掛け渡されている。主軸モータ35が軸36を回転させると、プーリ37、ベルト39、及びプーリ38を介して駆動力が主軸57に伝達される。このとき、主軸57の回転に連動して、ターンテーブル33が主軸57を中心に回転する。
下部筐体31内の右方寄りに、下部筐体31の内部において上下方向に延びる図示しないガイドレールが設けられている。図示しないT型プレートは、ガイドレールに沿って下部筐体31内において上下方向に移動可能である。
先述の主軸57は、内部が中空の筒状体である。図示しない内軸は、主軸57の内部において上下方向に移動可能な軸である。内軸の上端部は、主軸57内を貫通してラックギア43に接続されている。T型プレートの左端部には、図示しない軸受が設けられている。軸受の内部では、内軸の下端部が回転自在に保持される。
T型プレートの前方には、T型プレートを上下動させるためのステッピングモータ51が固定されている。ステッピングモータ51の軸58は後方、すなわち図1では下方側に向けて突出している。軸58の先端には、図示しない円盤状のカム板が固定されている。カム板の後側の面には、図示しない円柱状の突起が設けられている。突起の先端部は、図示しない溝部に挿入されている。突起は、溝部内を摺動可能である。ステッピングモータ51が軸58を回転させると、カム板の回転に連動して突起が上下動する。このとき、溝部に挿入されている突起に連動して、T型プレートがガイドレールに沿って上下動する。
角度変更機構34の詳細構造を説明する。角度変更機構34は、ターンテーブル33の上面に固定された一対のL型プレート60を有する。各L型プレート60は、ターンテーブル33の中心近傍に固定された基部から上方に延び、且つ、その上端部がターンテーブル33の径方向外側に向けて延びている。一対のL型プレート60の間には、内軸に固定された図示しないラックギア43が設けられている。ラックギア43は、上下方向に長い金属製の板状部材であり、両端面にギアが各々刻まれている。
各L型プレート60の延設方向の先端側では、ギア45を有する水平な支軸46が回転自在に軸支されている。支軸46はホルダ52を介して検査チップ2に固定されている。ホルダ52は、検査チップ2が装着可能な装着部53を有する。装着部53の上側に開口部54が形成される。開閉部54Aは、装着部53に検査チップ2が装着された状態で、開口部54から検査チップ2が外れないように保持することができる。アパーチャ55は、装着部53の前面を形成する板状部材である。
このため、ギア45の回転に連動して検査チップ2も支軸46を中心に回転する。ギア45とラックギア43との間には、L型プレート60により図示略の水平軸線を中心に回転自在に支持されたピニオンギア44が介在している。ピニオンギア44は、ギア45及びラックギア43に夫々噛合している。ラックギア43の上下動に連動して、ピニオンギア44、及びギア45が夫々従動回転し、ひいては検査チップ2が支軸46を中心に回転する。
本実施形態では、主軸モータ35がターンテーブル33を回転駆動するのに伴って、検査チップ2が垂直軸である主軸57を中心に回転して、検査チップ2に遠心力が作用される。検査チップ2の垂直軸線A1を中心とした回転を、公転と呼ぶ。一方、ステッピングモータ51が内軸を上下動させるのに伴って、検査チップ2が水平軸である支軸46を中心に回転して、検査チップ2に作用する遠心力の方向が相対変化する。検査チップ2の水平軸線A2を中心とした回転を、自転と呼ぶ。
T型プレートが可動範囲の最下端まで下降した状態では、ラックギア43も可動範囲の最下端まで下降する。このとき、検査チップ2は、自転角度が0度の定常状態になる。また、T型プレートが可動範囲の最上端まで上昇した状態では、ラックギア43も可動範囲の最上端まで上昇する。このとき、検査チップ2は、定常状態から水平軸線A2を中心に180度回転した状態になる。つまり、本実施形態では検査チップ2が自転可能な角度幅は、自転角度0度〜180度である。
上部筐体30の詳細構造を説明する。図1に示すように、上部筐体30は、枠部材を組み合わせた箱状のフレーム構造を有し、上板32の左部上側に設置されている。より詳細には、上部筐体30は、ターンテーブル33の回転中心にある主軸57からみて、検査チップ2が回転される範囲の外側に設けられている。
上部筐体30の内部に設けられた測定部7は、測定光を発光する光源71と、光源71から発せられた測定光を検出する光センサ72とを有する。光源71及び光センサ72は、検査チップ2の回転範囲の外側において、ターンテーブル33の前後両側に配置されている。本実施形態では、検査チップ2の公転可能範囲のうちで主軸57の左側位置が、検査チップ2に測定光が照射される測定位置である。検査チップ2が測定位置にある場合、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光が、検査チップ2の前面及び後面に対して略垂直に交差する。
<3.制御装置90の電気的構成>
図1を参照して、制御装置90の電気的構成を説明する。制御装置90は、検査装置1の主制御を司るCPU91と、各種データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラムを記憶したROM93とを有する。CPU91には、ユーザが制御装置90に対する指示を入力するための操作部94と、各種データ、及びプログラムを記憶するハードディスク装置95と、各種情報を表示するディスプレイ96とが接続されている。制御装置90としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、専用の制御装置を用いてもよい。
更にCPU91には、公転コントローラ97、自転コントローラ98、及び測定コントローラ99が接続されている。公転コントローラ97は、主軸モータ35を回転駆動させる制御信号を主軸モータ35に送信することによって、検査チップ2の公転を制御する。自転コントローラ98は、ステッピングモータ51を回転駆動させる制御信号をステッピングモータ51に送信することによって、検査チップ2の自転を制御する。測定コントローラ99は、測定部7を駆動することによって、検査チップ2の光学測定を実行する。詳細には、測定コントローラ99は、光源71の発光、及び光センサ72の光検出を実行させる制御信号を、光源71及び光センサ72に送信する。尚、CPU91が公転コントローラ97、自転コントローラ98及び測定コントローラ99を制御する。
<4.検査チップ2の全体構造>
図2〜図4を参照して、検査チップ2の全体構造を説明する。以下の説明では、図2の上方、下方、左方、右方、紙面手前側、及び紙面奥側を、夫々、検査チップ2の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方とする。一例として検査チップ2は、正面視で上辺部21、右辺部22、左辺部23及び下辺部24を有する正方形状であり、所定の厚みを有する透明な合成樹脂の板材20を主体とする。
図2及び図4に示すように、板材20の前面201は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート291によって封止されている。図3及び図4に示すように、前面201の反対側の後面202は、透明の合成樹脂の薄板から構成されたシート292によって封止されている。図2〜図4に示すように、板材20とシート291との間、及び、板材20とシート292との間には、検査チップ2に封入された液体が流動可能な液体流路25が形成されている。
液体流路25は、板材20の前面201及び後面202に形成された凹部、及び前面201及び後面202に亘って貫通する貫通部で構成され、板材20の厚み方向である前後方向と直交する方向に延びる。前面201及び後面202は、互いに直交する上下方向及び左右方向に平行をなす。前面201及び後面202と平行な断面を、検査チップ2の移動面という。シート291,292は、液体流路25を封止する。
図2〜図4に示すように、液体流路25は、検体定量流路11、試薬定量流路13,15、第一接続流路301、第二接続流路331、及び測定部80等を含む。図2に示すように、試薬定量流路13は、前面201における左上部に設けられている。検体定量流路11は、前面201における試薬定量流路13の右側に設けられている。図3及び図4に示すように、試薬定量流路15は、後面202側における左上部に設けられている。測定部80は、前面201における右下部に設けられている。測定部80は、後述する流路117に接続されて下方に延び、且つ後述する流入口306より右側の流路を含む領域である。測定部80の下部には、 光学計測となる対象となる液体が貯留される貯留部85が設けられている。
試薬定量流路13、15に共通する構成を説明する。図2及び図3に示すように、試薬定量流路13,15は、夫々、注入口130、試薬注入部131、連通路154、第一保持部132、第二保持部133、試薬定量部134、第一案内部138、第二案内部137、及び試薬余剰部136を含む。試薬注入部131は、検査チップ2の左上部に設けられている。試薬注入部131は、上方に開口する凹部である。注入口130(図4参照)は、第一試薬18又は第二試薬19が試薬注入部131に注入される部位である。
試薬定量流路13の試薬注入部131は、試薬定量流路13の注入口130から注入された第一試薬18が貯留される部位である。試薬定量流路15の試薬注入部131は、試薬定量流路15の注入口130から注入された第二試薬19が貯留される部位である。尚、本実施形態の第二試薬19は、第一試薬18と後述する第一分離成分17Aとが混合された後に混合される試薬である。以下の説明では、第一試薬18、及び第二試薬19を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、試薬16という。
図2及び図3に示すように、第一保持部132は、左向きに開口する凹部である。第一保持部132と試薬注入部131とは、左右方向に延びる連通路154を介して接続されている。第一保持部132は、連通路154の右側部分から下方向に延びる流路を介して、第二保持部133と接続される。第二保持部133は、左上方に開口する屈曲壁面によって形成されている。第二保持部133の下端部は、試薬16の流路である供給流路139に繋がっている。
第二保持部133の下方には、試薬定量部134が設けられている。試薬定量部134は、試薬16が定量される部位であり、左下方に凹む凹部である。試薬定量部134の容量は、定量端部142から右方向に延びる試薬定量面146より下方の液体流路25の容量である。定量端部142は、試薬定量部134における試薬余剰部136側の壁面の、最も上方側の端部である。試薬定量面146は、試薬16が試薬定量部134において定量される場合における試薬16の液面の位置となる仮想的な面である。
試薬定量部134の上部から、第二案内部137が左斜め下方に延びる。第二案内部137は、試薬定量部134から溢れた試薬16が移動する流路である。試薬定量部134は、第二案内部137を介して試薬余剰部136と接続されている。試薬余剰部136は、第二案内部137を移動した試薬16が収容される凹部である。試薬定量部134の上部から、第一案内部138が右斜め上方に延びる。第一案内部138は、試薬定量部134で定量された試薬16が移動する流路である。試薬定量部134は、第一案内部138及び第一接続流路301を介して測定部80と接続されている。
第一接続流路301を説明する。以下の説明では、試薬定量流路13の試薬定量部134を、試薬定量部134Aという。試薬定量流路15の試薬定量部134を、試薬定量部134Bという。第一接続流路301は、前面201に形成され、第一案内部138と測定部80とを接続する流路である。第一接続流路301は、試薬受け部305を備え、流入口306に接続する。
試薬受け部305は、第一接続流路301の下辺部24側に設けられ、流入口306に接続する。流入口306は、測定部80の左側に位置し、測定部80に試薬16を流入させる部位である。 試薬受け部305の左側には、合流孔部351が設けられている。合流孔部351は、板材20を前後方向に貫通し、第一接続流路301に第二接続流路331を合流させる孔部である。
第二接続流路331を説明する。図3に示すように、第二接続流路331は、後面202に形成され、試薬定量部134Bから合流孔部351側に延び、試薬定量部134Bと合流孔部351とを接続する流路である。第二接続流路331は、2つの試薬受け部341,342を備えている。試薬受け部341,342は、試薬定量部134Bにおいて定量された第二試薬19を受ける部位である。第二接続流路331は、試薬定量部134Bから右斜め上方に延びて試薬受け部341に繋がり、試薬受け部341から左斜め下方に延びて試薬受け部342に繋がる。試薬受け部342の右端部は、合流孔部351に接続されており、前面201側の第一接続流路301に繋がる。
検体定量流路11を説明する。図2に示すように、検体定量流路11は、注入口110、検体注入部111、検体保持部112、第一流路113、定量分離部124、第二流路125、第三流路127、第一余剰部126、分離成分保持部123、検体定量部114、流路115、流路117、及び第二余剰部116を含む。検体注入部111は、第一保持部132の右側に設けられている。検体注入部111は、上方に開口する凹部である。注入口110は、検体注入部111の上部から検査チップ2の上辺部21に向かって板材20を貫通する。注入口110は、検体17が検体注入部111に注入される部位である。検体注入部111は、注入口110から注入された検体17が貯留される部位である。本実施形態の検体17は、例えば、血液、血漿、血球、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、又は食料品などの成分を含む液体である。
検体保持部112と、検体注入部111とは、左右方向に延びる連通路を介して接続されている。検体保持部112は、検体注入部111に向かう方向に開口する凹部である。検体保持部112の下端部は、検体17の流路である第一流路113に繋がっている。検体保持部112は定量分離部124に注入される検体17を保持する。
第一流路113の下方には、定量分離部124が設けられている。第一流路113は、定量分離部124に検体17を案内する。定量分離部124は、右斜め下方に凹む凹状の形状を有し、検体17を定量すると共に検体17に含まれる成分が分離される部位である。定量分離部124の容量は、定量端部147から右方向に延びる検体定量面148より下方の液体流路25の容量である。定量端部147は、定量分離部124における第一余剰部126側の壁面の、最も上方側の端部である。検体定量面148は、検体17が定量分離部124において定量される場合における検体17の液面の位置となる仮想的な面である。
定量分離部124では、遠心力の作用によって、検体17が比重の小さい成分と比重の大きい成分とに遠心分離される。以下の説明においては、定量分離部124において分離された検体17の比重の小さい成分を第一分離成分17Aといい、比重の大きい成分を第二分離成分17Bという。残留液保持部121は、定量分離部124に対して右方向側に設けられている。残留液保持部121は、後述の検体残留液の少なくとも一部を保持する貯留部である。接続流路120は、定量分離部124と残留液保持部121とを接続する流路である。接続流路120は、定量分離部124の右面から右斜め上方に延びる。接続流路120の上端部は、右側に湾曲して延び、残留液保持部121の上端部に接続されている。
定量分離部124の上部から、第二流路125が左斜め下方に延びる。定量分離部124の上部から、第三流路127が右斜め上方に延びている。定量分離部124に接続された第二流路125は、定量分離部124の左下方に設けられた第一余剰部126まで延びている。第一余剰部126は、定量分離部124から溢れ出た検体17が貯留される部位である。定量分離部124に接続された第三流路127は、分離成分保持部123に繋がっている。第三流路127は、定量分離部124において分離された第一分離成分17Aが取り出される流路である。
分離成分保持部123の下方には、検体定量部114が設けられている。分離成分保持部123は、分離成分案内部128を介して検体定量部114の上方に繋がる。検体定量部114は、第一分離成分17Aを定量する部位であり、上側に開口する凹部である。検体定量部114は、右上方に延びる流路117を介して測定部80と接続されている。検体定量部114は、流路115を介して第二余剰部116に接続されている。
検体定量部114の容量は、定量端部119から右方向に延びる検体定量面129より下方の液体流路25の容量である。定量端部119は、検体定量部114における第二余剰部116側の壁面の、最も上方側の端部である。検体定量面129は、第一分離成分17Aが検体定量部114において定量される場合における第一分離成分17Aの液面の位置となる仮想的な面である。第二余剰部116は、検体定量部114から溢れ出た第一分離成分17Aが貯留される部位である。流路117は、流入口306の上方に位置する。
測定部80は、流路117に接続されて下方に延びる、流入口306より右側の流路を含む領域である。測定部80においては、検体定量部114において定量された第一分離成分17A、試薬定量部134Aにおいて定量された第一試薬18、及び試薬定量部134Bにおいて定量された第二試薬19が混合される。後述する光学測定が行われる際には、測定部80の貯留部85に測定光が透過される。
<5.検査チップ2のその他構造>
図1に示すように、L型プレート60から延びる支軸46は、ホルダ52を介して板材20の後面中央に垂直に連結される。支軸46の回転に伴って、検査チップ2が支軸46を中心に自転する。検査チップ2は図2及び図3に示す定常状態である場合、上辺部21及び下辺部24が重力の方向と直交し、右辺部22及び左辺部23が重力の方向と平行、且つ、左辺部23が右辺部22よりも主軸57側に配置される。定常状態の検査チップ2が測定位置に配置されている状態において、光源71と光センサ72とを結ぶ測定光を貯留部85(図2参照)に通過させることで、検査装置1は光学測定による検査を行う。
<6.検査方法の一例>
検査装置1及び検査チップ2を用いた検査方法を説明する。図2に示すように、注入口110から検体17が注入され、検体注入部111に配置される。試薬定量流路13の注入口130から第一試薬18が注入され、試薬定量流路13の試薬注入部131に配置される。図3に示すように、試薬定量流路15の注入口130から第二試薬19が注入され、試薬定量流路15の試薬注入部131に配置される。第一試薬18、第二試薬19、及び検体17の配置方法は、他の手法でもよい。
ユーザは検査チップ2をホルダ52に取り付けて、操作部94から処理開始のコマンドを入力する。これによって、CPU91は、ROM93に記憶されている制御プログラムに基づいて、図6に示すメイン処理を実行する。CPU91はメイン処理において、公転コントローラ97を介して主軸モータ35を駆動制御することで、検査チップ2の公転開始、公転速度制御、及び公転停止を行う各動作を実行する。本実施形態では、CPU91は垂直軸線A1を中心として、検査チップ2を平面視で時計回り方向に公転させる(図1参照)。
CPU91はメイン処理において、自転コントローラ98を介してステッピングモータ51を駆動制御することで、検査チップ2の自転角度を変更する各動作を実行する。以下の説明では、図2及び図3に示す定常状態の検査チップ2の自転角度を、0度とする。正面視で水平軸線A2を中心として、定常状態からm度反時計回りに回転した検査チップ2の自転角度を、m度とする。例えば、定常状態から90度反時計回りに回転した検査チップ2の自転角度は、90度である。本実施形態では、CPU91は自転角度を増加するように変更する場合、検査チップ2を正面視で水平軸線A2を中心として反時計回りに回転させる。CPU91は自転角度を減少させるように変更する場合、検査チップ2を正面視で水平軸線A2を中心として時計回りに回転させる。
図5に示すように、CPU91は、HDD95に予め記憶されているモータの駆動情報を読み込み、公転コントローラ97に主軸モータ35の駆動情報をセットし、自転コントローラ98にステッピングモータ51の駆動情報をセットする(S1)。このとき、図2及び図3に示すように、検査チップ2は定常状態であるため、自転角度0度である。次いで、CPU91は、自転角度0度の検査チップ2の公転を開始する(S2)。CPU91は、公転する検査チップ2の移動速度である公転速度を、速度sp1まで上げる。これにより、垂直軸線A1から径方向外側に作用する遠心力と、下方向に作用する重力との合力である所定の加速度gsが、検査チップ2に作用する。
CPU91は速度sp1で公転を実行する(S3)。図6の状態M1に示すように、左辺部23から右辺部22に向けて、検査チップ2に加速度gsが作用する。この加速度gsによって、試薬16は試薬注入部131から第一保持部132に移動し、且つ、検体17は検体注入部111から検体保持部112に移動する。
次いで、CPU91は自転角度を0度から90度に変更する(S4)。S4において検査チップ2が自転される過程で、試薬16は第一保持部132から第二保持部133に移動する。図6の状態M2に示すように、検査チップ2の自転角度が90度に変更されると、上辺部21から下辺部24に向けて、検査チップ2に加速度gsが作用する。この加速度gsによって、試薬16は試薬定量部134に移動すると共に、余剰の試薬16が定量端部142(図2、図3参照)から溢れる。溢れた試薬16は、第二案内部137を介して試薬余剰部136に移動して貯留される。加速度gsは、試薬定量面146に垂直な方向に作用する。これによって、試薬定量部134の容量分の試薬16が定量される。
また、検体17は加速度gsによって、定量分離部124に移動すると共に、余剰の検体17が定量端部147(図2参照)から溢れる。溢れた検体17は、第二流路125を介して第一余剰部126に移動して貯留される。加速度gsは、検体定量面148に垂直な方向に作用する。これによって、定量分離部124の容量分の検体17が定量される。
次いで、CPU91は、自転角度90度の検査チップ2を所定時間公転する(S5)。自転角度90度の検査チップ2に、上辺部21から下辺部24に向けた加速度gsが所定時間作用する。この遠心力によって、定量分離部124では、検体17の成分が第一分離成分17Aと第二分離成分17Bとに分離される(図6の状態M3参照)。例えば、検体17が血液の場合、比重の大きい血球が加速度gsの作用方向側に溜まり、比重の小さい血漿が加速度gsの作用方向の反対側に溜まる。すなわち検体17は、血液中の血球である第二分離成分17Bと、血漿である第一分離成分17Aとが分離される。
次いで、CPU91は自転角度を90度から0度に変更する(S6)。図6の状態M3に示すように、左辺部23から右辺部22に向けて、検査チップ2に加速度gsが作用する。この加速度gsによって、各液体が以下のように移動する。試薬定量部134Aで定量された第一試薬18は、第一案内部138及び第一接続流路301を通って、流入口306(図2参照)から測定部80に移動して貯留される。試薬定量部134Bにおいて定量された第二試薬19は、第一案内部138を通って、第二接続流路331の試薬受け部341に移動する。
また、定量分離部124で定量及び分離された検体17のうち、第一分離成分17Aの一部が、定量分離部124から溢れて第三流路127を通り、分離成分保持部123に移動する。このとき、定量分離部124から流出することなく残留する液体を、検体残留液という。定量分離部124にある検体残留液の一部は、加速度gsによって、接続流路120を介して残留液保持部121に移動して貯留される。
本実施形態では、定量分離部124に残留する第一分離成分17A及び第二分離成分17Bが、検体残留液である。定量分離部124に残留する第一分離成分17Aの一部と、第二分離成分17Bの一部とが、接続流路120を介して残留液保持部121に移動して貯留される。尚、残留液保持部121に貯留される検体残留液は、第一分離成分17Aと第二分離成分17Bを含む液に限定されず、第二分離成分17Bのみであってもよいし、分離されていない検体17を含んでいてもよい。
次いで、CPU91は自転角度を0度から90度に変更する(S7)。上辺部21から下辺部24に向けて、検査チップ2に加速度gsが作用する。この加速度gsによって、各液体が以下のように移動する。第一分離成分17Aは、分離成分案内部128(図2参照)を介して検体定量部114に移動する。第二試薬19は、第二接続流路331において試薬受け部341から試薬受け部342に移動する。
更に、図7の状態M4に示すように、第一分離成分17Aは更に検体定量部114に移動すると共に、余剰の第一分離成分17Aが定量端部119(図2参照)から溢れる。溢れた第一分離成分17Aは、流路115を介して第二余剰部116に移動して貯留される。加速度gsは、検体定量面129に垂直な方向に作用する。これによって、検体定量部114の容量分の第一分離成分17Aが定量される。また、試薬受け部342に移動した第二試薬19は、合流孔部351を介して前面201に形成された第一接続流路301に合流する。
次いで、CPU91は自転角度を90度から0度に変更した後、撹拌処理を実行する(S8)。S8において検査チップ2が自転される過程で、検体定量部114で定量された第一分離成分17Aが加速度gsによって測定部80に流入する。また、第一接続流路301に合流した第二試薬19が、加速度gsによって流入口306から測定部80に流入する。その後、CPU91は撹拌処理として、自転角度0度の検査チップ2に対する速度sp1の公転を、断続的に複数回実行する。測定部80内にある液体(第一試薬18、第一分離成分17A、及び第二試薬19)は、交互に作用する加速度gs及び重力である加速度g0(図8の状態M51,M52参照)によって、測定部80の右部及び下部の間で往復移動して互いに混合する。これにより、図7の状態M5に示すように、測定部80内で混合液262が生成される。
次いで、CPU91は検査チップ2の公転を開始して公転速度を速度sp2まで上げた後、自転角度を0度から90度に変更する(S9)。速度sp2は、検査チップ2に加速度g2を作用させる公転速度である。加速度g2は、垂直軸線A1から径方向外側に作用する遠心力と下方向に作用する重力との合力であるが、別途後述する。図7の状態M6に示すように、上辺部21から下辺部24に向けて、検査チップ2に加速度g2が作用する。この加速度g2によって、混合液262は測定部80内で貯留部85(図2参照)に移動する。
次いで、CPU91は検査チップ2の公転を終了したのちに、自転角度を90度から0度へ変更する(S10)。検査チップ2に遠心力が作用しなくなるため、下方向に作用する重力である加速度g1(図9の状態M72参照)が、検査チップ2に作用する。この加速度g1によって、混合液262は貯留部85に保持される。
最後に、CPU91は測定処理を実行する(S11)。具体的には、CPU91は、検査チップ2を測定位置まで公転させる。図1に示すように、測定コントローラ99は、光源71の発光制御によって貯留部85に測定光を照射することで、測定光を混合液262に透過させる。CPU91は、光センサ72が受光した測定光の変化量に基づいて、混合液262の光学測定を行い、測定データを取得する。CPU91は、取得された測定データに基づいて混合液262の測定結果を算出し、その算出結果をディスプレイ96に表示させる。以上により、メイン処理は終了する。
<7.測定部80における液体の挙動態様>
図8及び図9を参照して、測定部80における液体の挙動態様を説明する。以下では、上記のメイン処理(図5参照)の実行時に、混合液262が測定部80内で移動する態様を例示する。図8に示すように、板材20(図2〜図4参照)には、測定部80を形成する壁面81が設けられている。測定部80は、壁面81によって囲まれた領域であり、上下方向に長い直方体状の空間である。測定部80は、上下方向と直交する断面において四つの角部86(図11(A)参照)を有する。前側の二つの角部86は、板材20とシート291(図2参照)によって構成される。
壁面81は、測定部80の周囲で前後方向に延びる面であり、第一面81A、第二面81B、及び第三面81Cを含む。第一面81Aは、測定部80の右上端部及び右下端部に亘って上下方向に延びて、測定部80の長手方向に延びる右面をなす。第二面81Bは、測定部80の右下端部及び左下端部に亘って左右方向に延びて、測定部80の短手方向に延びる下面をなす。第三面81Cは、測定部80の左下端部及び定量端部307に亘って略上下方向に延びて、測定部80の左面の一部をなす。定量端部307は、流入口306と測定部80とが接続する部位の下端部である。測定部80のうちで、定量端部307から右方向に延びる定量面308よりも下側の領域が、貯留部85である。
壁面81のうち、濡れている状態にある部位を濡れ面82という。例えば濡れ面82は、液体に接触した履歴があり、且つ接触した液体が残存している状態にある面である。壁面81のうち、乾いている状態にある部位を非濡れ面83という。例えば非濡れ面83は、液体に接触した履歴がない面、又は接触した液体が残存していない状態にある面である。図8及び図9では、理解を容易にするため、濡れ面82は非濡れ面83よりも太い線で表記している。
メイン処理(図5参照)のS8では、先述の撹拌処理が実行されることで、図8の状態M51,M52が交互に複数回遷移する。状態M51では、自転角度0度の検査チップ2の公転によって、加速度gsが第一面81Aに向かって作用する。これにより、測定部80内にある液体は、測定部80の右部に移動する。第一面81Aに付勢されている液体の液面は、第一面81Aと第三面81Cとの間に配置されて、加速度gsの作用方向と略直交に延びる。壁面81のうちで液面よりも加速度gsの作用方向の下流側にある部分が濡れるため、第一面81Aの全部及び第二面81Bの一部が濡れ面82となる。
状態M52では、自転角度0度の検査チップ2の公転停止によって、重力である加速度g0が第二面81Bに向かって作用する。これにより、測定部80内にある液体は、測定部80の下部(即ち、貯留部85)に移動する。このとき、第一面81Aの全部が濡れ面82であるため、貯留部85に移動した液体の液面は第一面81Aに沿って湾曲する。壁面81のうちで液面よりも加速度g0の作用方向の下流側にある部分が濡れるため、第二面81Bの全部及び第三面81Cの一部が濡れ面82となる。
上記のように状態M51,M52が交互に複数回遷移することで、測定部80内で液体が撹拌されて、混合液262が生成される。更に、第一面81Aの全部、第二面81Bの全部及び第三面81Cの一部が濡れ面82となる。壁面81のうちで濡れ面82以外の部位は、非濡れ面83となる。撹拌処理は、最終的に状態M52で終了される。
次に、メイン処理のS9では、加速度g2が検査チップ2に作用されながら、検査チップ2の自転角度が0度から90度に変更される。これにより、測定部80内では、混合液262が第一面81Aに沿って第二面81B側に移動する。図8の状態M6に示すように、検査チップ2の自転角度が90度に変更された状態では、加速度g2が第二面81Bに向かって作用する。即ち加速度g2は、第一面81Aに向かって作用する加速度gsと、検査チップ2を基準として交差する関係にある。加速度g2は、重力方向と直交する方向、且つ検査チップ2の下方向に作用する。貯留部85に保持される混合液262の液量が増加するのに伴って、混合液262の液面が加速度g2の作用方向とは反対側に移動する。即ち、混合液262と第三面81Cとの接触面積が増加する。
これにより、混合液262は、加速度g2によって第二面81Bに付勢された状態で、貯留部85内に保持される。混合液262と壁面81との間には、表面張力の作用により、加速度g2とは反対方向に作用する毛細管力が生じる。このとき、第二面81Bに付勢されている混合液262の液面は、第二面81Bと定量面308との間に配置されて、加速度g2の作用方向と直交に延びる。混合液262の液面は、第一面81Aと第三面81Cとに亘って、湾曲することなく平面状に延びる。これにより、状態M6では、混合液262と壁面81との接触面積が最小限度に抑制される。
上記のように状態M52から状態M6に遷移した時点では、第一面81A及び第二面81Bは濡れ面82である。メイン処理のS9では、状態M6が特定時間よりも長く継続される。特定時間は、混合液262の液面よりも加速度g2の作用方向の上流側に残存する混合液262が、壁面81を伝って第二面81B側へ滑り落ちるための所要時間である。状態M6が終了する時点では、混合液262の液面よりも加速度g2の作用方向の上流側に残存する混合液262は、壁面81から滑り落ち、残存する液薄膜が蒸発した領域が発生している。従って、第一面81Aのうちで、混合液262の液面よりも加速度g2の作用方向の下流側にある部位は濡れ面82となり、且つ混合液262の液面よりも加速度g2の作用方向の上流側にある部位は非濡れ面83となる。
また第三面81Cでは、状態M6のほうが状態M52よりも、濡れ面82の占める面積が増加し、且つ非濡れ面83の占める面積が減少する。以上により、状態M6が終了する時点では、壁面81のうちで混合液262の液面よりも加速度g2の作用方向の下流側にある部位は、濡れ面82となる。壁面81のうちで濡れ面82以外の部位は、非濡れ面83となる。
次に、メイン処理のS10では、まず自転角度90度の検査チップ2の公転が停止される。これにより、図9の状態M71に示すように、重力である加速度g0が第三面81Cに向かって作用する。このとき、混合液262と第一面81Aとの間に生じる毛細管力は、混合液262を第一面81Aに沿って上側に移動させるように作用する。一方、第一面81Aのうちで混合液262の液面よりも上側の部分は非濡れ面83であるため、混合液262の液面は第一面81Aに沿って湾曲しにくい。
同様に、混合液262と第三面81Cとの間に生じる毛細管力は、混合液262を第三面81Cに沿って上側に移動させるように作用する。一方、第三面81Cのうちで混合液262の液面よりも上側の部分は非濡れ面83であるため、混合液262の液面は第三面81Cに沿って湾曲しにくい。従って、混合液262の液面は、第一面81Aと第三面81Cとの間で湾曲することが抑制され、加速度g0方向と略平行に延びる状態が維持される。
メイン処理のS10では、検査チップ2の公転停止後、検査チップ2の自転角度が90度から0度に変更される。これにより、図9の状態M72に示すように、加速度g1が第二面81Bに向かって作用する。即ち加速度g1は、第一面81Aに向かって作用する加速度gsと、検査チップ2を基準として交差する関係にある。加速度g1は、重力方向と平行な方向、且つ検査チップ2の下方向に作用する。すなわち、ここでの加速度g1は、重力加速度を指している。混合液262は、加速度g1によって第二面81B側に付勢されて、貯留部85に保持される。なお、状態M71から状態M72に遷移する場合でも、混合液262の液面と接触する非濡れ面83によって、検査チップ2の自転に伴う液面の変化が抑制される。従って、混合液262の液面は、第一面81Aと第三面81Cとの間で湾曲することが抑制され、加速度g1方向と略直交に延びる状態が維持される。
メイン処理のS11では、光源71から発せられた測定光70が、貯留部85の下部に照射される。ここで、図10を参照して、測定部80と測定光70の光軸との関係を説明する。図10は、図9の状態M8に示す測定部80を模式的に示した斜視図である。検査チップ2は、測定部80に接続され、且つ液体の液量を所定の体積に定量する少なくとも一つの定量部(本実施形態では、試薬定量部134及び検体定量部114)を含む(図2参照)。測定部80は、少なくとも一つの定量部で定量された液体を保持可能である。少なくとも一つの定量部で定量される所定の体積の合計をV、測定部80の左右方向長さをX、測定部80の上下方向長さをY、測定部80の前後方向長さをZ、及び測定光70の光軸の直径をDとする。本実施形態では、直径Dは以下の関係を満たす。なお、本実施形態では測定部80の上下方向長さYは、測定部80に貯留された液体の上下方向長さである。
V/YZ<D<V/XZ(但し、X>0、Y>0、Z>0、D>0)・・・(数1)
上記の(数1)を満たす直径Dは、貯留部85に保持されている液体における測定光と直交する方向の断面積よりも小さい。メイン処理のS11では、図9の状態M8に示すように、測定光70は混合液262の液面よりも下側で混合液262を透過する。測定光70の径方向断面の全体が混合液262を透過するため、検査装置1は混合液262の光学測定を正確に実行できる。
<8.加速度g2に関する詳細説明>
図11を参照して、検査チップ2に付与される加速度g2を説明する。壁面81が濡れている状態で、壁面81と液体との間で上方向に生じる毛細管力の大きさを、F1とする。例えばF1は、濡れ面82と混合液262との間で上方向に作用する毛細管力の大きさである。壁面81が乾いている状態で、壁面81と液体との間で上方向に生じる毛細管力の大きさを、F2とする。例えばF2は、非濡れ面83と混合液262との間で上方向に作用する毛細管力の大きさである。メイン処理のS9では、以下の関係を満たす加速度g2が、検査チップ2に付与される。(数2)では、S11において第二面81Bに向かって作用する加速度g1の大きさをg1と表記する。S9において第二面81Bに向かって作用する加速度g2の大きさをg2と表記する。
g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)・・・(数2)
毛細管力の大きさF1は、例えば公知の手法である(数3)のように算出すればよい(毛細管力の大きさF2も同様)。なお、測定部80に保持された液体の表面張力をTとし、液体の比重をρとする。液体と壁面81との接触角をθとする。重力加速度をgとする。測定部80の内径をrとする。
F1=2Tcosθ/ρgr・・・(数3)
以下では、上記の(数2)の算出根拠を説明する。図11(A)〜(C)は、何れも同量の液体が測定部80に保持されている。測定部80は、奥行き方向(即ち、前後方向)に一様である。測定部80に保持された液体の体積をVとする。測定部80に作用する下方向の加速度をkとする。図11(A),(B)は、加速度kとして、加速度kが付与された状態を示す。加速度kは、例えば重力と同じ大きさ(1G)である。図11(C)は、加速度kとして、加速度kとは異なる大きさの加速度kが付与された状態を示す。加速度kは、例えば重力より大きい大きさ(一例として、200G)である。
図11(A)に示すように、加速度kの付与時において、液体と第一面81Aとの接触角をθとする。加速度kの付与時において、液体と第三面81Cとの接触角をθとする。図11(C)に示すように、加速度kの付与時において、液体と第一面81Aとの接触角をθとする。加速度kの付与時において、液体と第三面81Cとの接触角をθとする。なお、以下の各数式では、加速度kの大きさをkと表記し、加速度kの大きさをkと表記し、加速度kの大きさをkと表記する。
図11(B)に示すように、液面が最も低い位置における、測定部80に保持された液体の上下方向長さをhとする。測定部80に保持された液体の左右方向長さをwとする。測定部80に保持された液体の前後方向長さをdとする。測定部80に保持された液体のうち、液面の下端部を通る水平面と第一面81Aとに挟まれた部位の断面積をSとする。測定部80に保持された液体のうち、液面の下端部を通る水平面と第三面81Cとに挟まれた部位の断面積をSとする。
まず、測定部80に保持された液体に作用する上下方向(即ち、鉛直方向)の力のつり合いに基づいて、以下の(数4)及び(数5)が求められる。
d*Tcosθ=Sdρk・・・(数4)
d*Tcosθ=Sdρk・・・(数5)
液体の体積Vは、加速度kの大きさが変更されても一定であるものとして、以下の(数6)で表される。
V=(hw+S+S)d・・・(数6)
上記の(数4)〜(数6)に基づいて、上下方向長さhは以下の(数7)で表される。
h=V/dw−T(cosθ+cosθ)/ρk・・・(数7)
まず図11(A)に示すように、測定部80に加速度kとして加速度kが作用した場合、上記の(数7)に基づいて上下方向長さhが求められる。このとき、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、液体と第三面81Cとの接触角はθである。次に図9(C)に示すように、測定部80に作用する加速度kが加速度kから加速度kに変化した場合、上記の(数7)に基づいて上下方向長さhが求められる。このとき、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、液体と第三面81Cとの接触角はθである。つまり、測定部80に作用する加速度kの大きさが変化するのに伴って、上下方向長さh、液体と第一面81Aとの接触角、及び液体と第三面81Cとの接触角が夫々変化する。
更に測定部80に作用する加速度kが、加速度kから再び加速度kに変化したものとする。この場合、上記の(数7)に基づいて上下方向長さhが求められる。このように、測定部80に作用する加速度kを第一加速度(加速度k)→第二加速度(加速度k)→第三加速度(加速度k)の順に変化させた場合、最終的に液体の液面をより水平な状態に維持するために、以下の条件1〜3を満たす必要がある。
条件1として、第一加速度(加速度k)を第二加速度(加速度k)に変更した場合、液体と第一面81A及び第三面81Cとの接触面積を減少させて、第一面81A及び第三面81Cにおいて非濡れ面83を増加させる必要がある。測定部80に保持された液体の液量が一定である場合、液体と第一面81A及び第三面81Cとの接触面積を減少させるためには、液体の液面をより水平に近い状態にすることが必要である。換言すると、第二加速度(加速度k)が付与されたときの液体の液面は、第一加速度(加速度k)が付与されたときの液体の液面よりも、下方への凹みが小さいことが必要である。液体の液面の下方への凹みが小さいほど、上下方向長さhは大きくなる。即ち条件1として「h>h」を満たすことが必要である。
以下に示すように、上記の(数7)に基づいて、「h>h」を満たすための(数8)が求められる。なお、以下の(数7)の右辺は、第一加速度(加速度k)が付与されているとき、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、且つ液体と第三面81Cとの接触角θであることを示す。以下の(数7)の左辺は、第二加速度(加速度k)の付与が開始される時点において、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、且つ液体と第三面81Cとの接触角θであることを示す。
V/dw−T(cosθ+cosθ)/ρk>V/dw−T(cosθ+cosθ)/ρk
∴k>k・・・(数8)
条件2として、上記のように加速度kを順次変更する処理によって、測定部80に保持された液体の液面が最終的により水平に近い状態になることが、例えばより正確な光学計測の結果を得るために必要である。換言すると、第三加速度(加速度k)が付与されたときの液体の液面は、第一加速度(加速度k)が付与されたときの液体の液面よりも、下方への凹みが小さいことが必要である。即ち条件2として「h>h」を満たすことが必要である。
以下に示すように、上記の(数7)に基づいて、「h>h」を満たすための(数9)が求められる。なお、以下の(数7)の右辺は、第一加速度(加速度k)が付与されているとき、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、且つ液体と第三面81Cとの接触角θであることを示す。以下の(数7)の左辺は、第三加速度(加速度k)が付与されているとき、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、且つ液体と第三面81Cとの接触角θであることを示す。
V/dw−T(cosθ+cosθ)/ρk>V/dw−T(cosθ+cosθ)/ρk
∴cosθ+cosθ>cosθ+cosθ・・・(数9)
条件3として、第二加速度(加速度k)を第三加速度(加速度k)に変更した場合、液体が第一面81A及び第三面81Cに沿って拡散することを防止するために、第二加速度(加速度k)の付与時に生じた非濡れ面83を液体に接触させる必要がある。換言すると、第三加速度(加速度k)が付与されたときの液体の液面が、第二加速度(加速度k)が付与されたときの液体の液面よりも、下方への凹みが大きいことが必要である。即ち条件3として「h>h」を満たすことが必要である。
以下に示すように、上記の(数7)に基づいて、「h>h」を満たすための(数10)が求められる。なお、以下の(数7)の左辺は、第二加速度(加速度k)の付与が開始される時点において、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、且つ液体と第三面81Cとの接触角θであることを示す。以下の(数7)の右辺は、第三加速度(加速度k)が付与されているとき、液体と第一面81Aとの接触角はθであり、且つ液体と第三面81Cとの接触角θであることを示す。
V/dw−T(cosθ+cosθ)/ρk>V/dw−T(cosθ+cosθ)/ρk
∴k>k(cosθ+cosθ)/(cosθ+cosθ)・・・(数10)
なお、本式で用いたθ1〜θ4は断面的に生じている接触角を示している。そのため、実際には液、壁面及び空気の境界面すべてに接触角が生じているため、上記の(数10)に代えて以下の(数11)を用いてもよい。(数11)では、(数10)の(cosθ+cosθ)/(cosθ+cosθ)が、測定部80と液体と空気とが接触する境界線に沿って、接触角θを線積分した値に置換されている。詳細には、測定部80と液体と空気とが接触する境界線は、第一面81A、第三面81C、測定部80の前面及び背面、及び4つの角部86に対して生じる液体及び空気の境界線である。
Figure 2017090236
上記の(数11)において、加速度kと乗算される分数は、濡れている状態にある壁面と液体と空気との境界に生じる毛細管力の大きさと、乾いた状態にある壁面と液体と空気との境界に生じる毛細管力の大きさと比率(即ち、F1/F2)を示す。そして上記の(数10)は、測定部80が奥行き方向に一様である場合でも適用できる。上記の条件1〜3において、第一加速度(加速度k)は、S8(図8の状態M52参照)において、第二面81Bに向かって作用する加速度g0(即ち、重力)に相当する。第二加速度(加速度k)は、S9において第二面81Bに向かって作用する加速度g2(即ち、重力及び遠心力の合力)に相当する。第三加速度(加速度k)は、S11において第二面81Bに向かって作用する加速度g1(即ち、重力)に相当する。従って、上記の(数2)を満たす加速度g2は、上記の条件1〜3を全て満たす。
<9.測定部80における液体の挙動態様の比較例>
図12を参照して、測定部80における液体の挙動態様の比較例を説明する。図12に示す比較例では、メイン処理(図5参照)のS9が実行されずに、撹拌処理の実行後に自転角度0度を維持した状態で、検査チップ2の公転が停止される(S8、S10)。これにより、図12に示すように、検査チップ2は状態M52から状態M8に遷移する。この場合、状態M8では、状態M52と同様に第一面81Aの全体が濡れ面82である。混合液262と第一面81Aとの間に生じる毛細管力は、混合液262を第一面81Aに沿って上側に移動させる方向に作用する。第一面81Aが濡れ面82であるため、混合液262は第一面81Aに沿って濡れ広がりやすい。
従って混合液262は、混合液262と第一面81Aとの間に生じる毛細管力によって、第一面81Aに沿って上方に濡れ広がる。これにより、混合液262の液面が大きく湾曲すると共に、貯留部85に保持される混合液262の液量が減少する。その結果、測定光70の径方向断面の少なくとも一部は、混合液262を透過することなく、貯留部85を通過する。この場合、検査装置1は混合液262の光学測定を正確に実行できないおそれがある。
<10.本実施形態に基づく作用の例示>
(1)本実施形態によれば、メイン処理はS8、S9、S11を含む。S8では、検査チップ2に作用する加速度gsの向きが、測定部80を形成する壁面81に含まれる第一面81Aに向かう第一方向にされる。S9では、S8の実行後、検査チップ2に作用する加速度g2の向きが、壁面81のうちで第一面81Aとは異なる第二面81Bに向かい、且つ第一方向と交差する第二方向にされる。S11では、S9の実行後、測定部80に測定光70を照射することで、光学測定が実行される。S11で作用する第二方向の加速度の大きさをg1とする。S9で作用する第二方向の加速度の大きさをg2とする。壁面81が濡れている状態で、壁面81と液体との間で第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF1とする。壁面81が乾いている状態で、壁面81と液体との間で第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF2とする。この場合、第二方向の加速度の大きさg2は、先述の(数2)の関係を満たす。
これによれば、まずメイン処理のS8において、第一方向の加速度gsが検査チップ2に作用されることで、液体が測定部80において第一面81Aに向けて移動される。このとき第一面81Aは、液体で濡れる。次にメイン処理のS9において、第二方向の加速度g2が検査チップ2に作用されることで、液体が測定部80において第二面81Bに向けて移動される。次にメイン処理のS11において、第二方向の加速度g1が検査チップ2に作用した状態で測定部80に測定光70を照射することで、液体の光学測定が実行される。
上記の関係を満たすことで、S8の実行時に濡れた第一面81Aから、液体がS9の実行時に第二面81B側に移動するとき、第一面81Aに残留する液滴も第二面81B側に移動する。S8の実行時に濡れた第一面81Aは、S9の実行時に乾いた状態となる。S11において、測定部80に保持されている液体は、第一面81Aに沿って拡散しにくいため、液体の液面が平面状に維持される。従ってS11では、液体の光学測定をより正確に実行できる。
(2)第一面81Aは、測定部80の長手方向に延びる面である。第二面81Bは、測定部80の短手方向に延びる面である。従って、測定部80の容積が同じである場合、第一面81Aと第二面81Bが同じ長さで延びるよりも、第一面81Aが測定部80の長手方向に延び且つ第二面81Bが測定部80の短手方向に延びる方が、第二面81Bと液体の液面との距離を大きくできる。このため 、測定部80に保持される液体の液量が相対的に少ない場合でも、安定的に光学測定できる。
(3)第一方向は、測定部80の短手方向と平行である。第二方向は、測定部80の長手方向と平行である。従って、S8の実行時に液体を確実に第一面81A側へ移動させ、且つ、S9の実行時に液体を確実に第二面81B側へ移動させることができる。
(4)S9で作用する第二方向の加速度g2、及びS11で作用する第二方向の加速度g1の少なくとも一つは、遠心力である。本実施形態では、加速度g2は遠心力を含む。従って、S9で作用する加速度g2の大きさを、検査チップ2に付与される遠心力の大きさを変えることで容易に制御できる。
(5)第一方向及び第二方向は互いに直交する。従って、加速度の作用する方向を第一方向から第二方向に変更することで、測定部80内で液体を効率的に第一面81A側から第二面81B側に移動させることができる。
(6)第一方向及び第二方向の何れか一つは、重力方向と直交する。本実施形態では、第一方向の加速度gs及び第二方向の加速度g2が重力方向と直交する。従って、第二方向の加速度g1として重力を利用できるため、処理を簡素化できる。
(7)第二方向は、重力方向と平行でもよい。本実施形態では、第二方向の加速度g1が重力方向と平行である。従って、第二方向の加速度g1として重力を利用できるため、処理を簡素化できる。
(8)測定部80は、第二方向と直交する断面において角部86を有する。液体と壁面81との間に生じる毛細管力は、液体が二つの面に接触する角部86において強く作用する。従って、このような測定部80に保持された液体の液面を、上記と同様に平面状に維持できる。
(9)メイン処理のS10において、S9の実行後且つS11の実行前に、S11で作用する第二方向の加速度g1の向きを、S9で作用する第二方向の加速度g2の向きと交差する方向にされる。即ちS10において、加速度の向きが第二方向に作用する状態を維持したまま変更される。従って、測定部80に保持されている液体が第一面81Aに沿って濡れ広がりにくいため、光学測定の実行前に加速度の向きが変更されても液体の液面を平面状に維持できる。
(10)検査チップ2は、測定部80に接続され、且つ液体の液量を所定の体積に定量する定量部を少なくとも一つ以上含む。測定光70の光軸の直径Dは、先述の(数1)の関係を満たすため、測定部80に保持されている液体における測定光と直交する方向の断面積よりも小さい。従って、測定光70を測定部80内の液体に確実に透過させることができ、液体の光学測定の精度を更に向上できる。
(11)検査チップ2は、板材20と、板材20の片面に配置されたシート291を備える。このような検査チップ2の測定部80は、板材20とシート291との接続部位に角部86が生じる。従って、このような測定部80に保持された液体の液面を、上記と同様に平面状に維持できる。
<11.備考>
上記実施形態において、混合液262は、本発明の「液体」の一例である。測定部80は、本発明の「測定部」の一例である。検査チップ2は、本発明の「検査チップ」の一例である。第一面81Aは、本発明の「第一面」の一例である。重力方向と直交する方向且つ検査チップ2の右方向は、本発明の「第一方向」の一例である。S8は、本発明の「第一工程」の一例である。第二面81Bは、本発明の「第二面」の一例である。重力方向と直交する方向且つ検査チップ2の下方向は、本発明の「第二方向」の一例である。S9は、本発明の「第二工程」の一例である。S11は、本発明の「第三工程」の一例である。測定光70は、本発明の「測定光」の一例である。
貯留部85は、本発明の「定量部」の一例である。検査チップ2の前後方向は、本発明の「第三方向」の一例である。角部86は、本発明の「角部」の一例である。板材20は、本発明の「チップ本体」の一例である。シート291、292は、本発明の「シート状部材」の一例である。重力方向と平行な方向且つ検査チップ2の下方向は、本発明の「第四方向」の一例である。S10は、本発明の「第四工程」の一例である。検査装置1は、本発明の「検査装置」の一例である。検査システム3は、本発明の「検査システム」の一例である。ホルダ52は、本発明の「保持手段」の一例である。公転コントローラ97は、本発明の「公転手段」の一例である。測定部7は、本発明の「測定手段」の一例である。S8を実行するCPU91は、本発明の「第一制御手段」の一例である。S9を実行するCPU91は、本発明の「第二制御手段」の一例である。S11を実行するCPU91は、本発明の「第三制御手段」の一例である。
本発明は上記実施形態に限定されず、各種変形が可能である。例えば、測定部80に保持される液体は、混合液262に限定されず、他の液体(例えば、試薬又は検体)でもよい。加速度g1,g2の少なくとも一方は、検査チップ2に作用される重力又は重力と遠心力との合力でもよいし、検査チップ2に付与される振動等でもよい。加速度g1,g2の少なくとも一方は、検査装置1が付与する態様に限定されず、人間が手動で付与する態様でもよい。
例えば、メイン処理のS9において、検査チップ2の自転角度を0度に変更してもよい。この場合、第二方向の加速度g2として重力を利用できるため、処理を簡素化できる。なお、加速度g2が(数2)の関係を満たすように、例えば検査チップ2に振動を加えることで、測定部80に保持される液体の液面をより水平にすることが好適である。
また、検査チップ2の形状及び構造は、各種変形が可能である。例えば測定部80は、直方体状の空間に限定されず、他の形状でもよい。測定部80は、第二方向と直交する方向に角部を有しない形状(例えば、円筒状)の空間でもよい。測定部80は、板材20の凹部がシート291で封止された形状に限定されない。例えば測定部80は、板材20の両面に亘って貫通した貫通部が、板材20の両面に設けられたシート291,292によって封止された空間でもよい。
1 検査装置
2 検査チップ
3 検査システム
7 測定部
20 板材
46 支軸
52 ホルダ
70 測定光
71 光源
80 測定部
81 壁面
81A 第一面
81B 第二面
85 定量部
86 角部
91 CPU
97 公転コントローラ
262 混合液
291,292 シート

Claims (13)

  1. 液体を光学測定するための測定部を備える検査チップに加速度を作用させて検査を行う検査方法であって、
    前記検査チップに作用する加速度の向きを、前記測定部を形成する壁面に含まれる第一面に向かう第一方向にする第一工程と、
    前記第一工程の実行後、前記検査チップに作用する加速度の向きを、前記壁面のうちで前記第一面とは異なる第二面に向かい、且つ前記第一方向と交差する第二方向にする第二工程と、
    前記第二工程の実行後、前記測定部に測定光を照射することで、前記光学測定を実行する第三工程と、
    を備え、
    前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg1、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg2、前記壁面が濡れている状態で前記壁面と前記液体との間で前記第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF1、及び、前記壁面が乾いている状態で前記壁面と前記液体との間で前記反対方向に生じる毛細管力の大きさをF2とした場合、
    g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)
    の関係を満たすことを特徴とする検査方法。
  2. 前記第一面は、前記測定部の長手方向に延びる面であり、
    前記第二面は、前記測定部の短手方向に延びる面である
    ことを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記第一方向は、前記測定部の短手方向と平行であり、
    前記第二方向は、前記測定部の長手方向と平行である
    ことを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
  4. 前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度、及び前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の少なくとも一つは、遠心力であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の検査方法。
  5. 前記第一方向及び前記第二方向は、互いに直交することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の検査方法。
  6. 前記第一方向及び前記第二方向の何れか一つは、重力方向と直交することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の検査方法。
  7. 前記第二方向は、重力方向と平行であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の検査方法。
  8. 前記測定部は、前記第二方向と直交する断面において角部を有することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の検査方法。
  9. 前記第二工程の実行後且つ前記第三工程の実行前に、前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の向きを、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の向きと交差する方向にする第四工程を、更に備えたことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の検査方法。
  10. 液体を光学測定するための測定部を備える検査チップと、前記液体の光学測定を実行可能な検査装置とを含む検査システムであって、
    前記検査装置は、
    前記検査チップを保持可能な保持手段と、
    公転軸線を中心として前記保持手段を回転させることで、前記保持手段に保持された前記検査チップに遠心力を付与可能な公転手段と、
    前記光学測定を実行するための測定光を、前記測定部に照射可能な測定手段と、
    前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記測定部を形成する壁面に含まれる第一面に向かう第一方向にする第一工程を実行する第一制御手段と、
    前記第一工程の実行後、前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記壁面のうちで前記第一面とは異なる第二面に向かい、且つ前記第一方向と交差する第二方向にする第二工程を実行する第二制御手段と、
    前記第二工程の実行後、前記測定手段によって前記測定部に測定光を照射することで、前記光学測定を実行する第三工程を実行する第三制御手段と、
    を備え、
    前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg1、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg2、前記壁面が濡れている状態で前記壁面と前記液体との間で前記第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF1、及び、前記壁面が乾いている状態で前記壁面と前記液体との間で前記反対方向に生じる毛細管力の大きさをF2とした場合、
    g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)
    の関係を満たすことを特徴とする検査システム。
  11. 前記検査チップは、前記測定部に接続され、且つ前記液体の液量を所定の体積に定量する定量部を少なくとも一つ以上含み、
    前記所定の体積の合計をV、前記測定部の前記第一方向の長さをX、前記測定部の前記第二方向の長さをY、前記測定部の前記第一方向及び前記第二方向と直交する第三方向の長さをZ、及び、前記測定光の光軸の直径をDとした場合、
    V/YZ<D<V/XZ(但し、X>0、Y>0、Z>0、D>0)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項10に記載の検査システム。
  12. 前記検査チップは、板状のチップ本体と、前記チップ本体の片面又は両面に配置されたシート状部材とを備え、
    前記測定部は、前記チップ本体の片面に設けられた凹部又は前記チップ本体の両面に亘って貫通した貫通部であり、且つ前記シート状部材によって封止された領域を含み、
    前記測定部は、前記第二方向と直交する断面において、前記チップ本体と前記シート状部材とにより構成される角部を有する
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の検査システム。
  13. 液体を光学測定するための測定部を備える検査チップを用いて、前記液体の光学測定を実行可能な検査装置であって、
    前記検査チップを保持可能な保持手段と、
    公転軸線を中心として前記保持手段を回転させることで、前記保持手段に保持された前記検査チップに遠心力を付与可能な公転手段と、
    前記光学測定を実行するための測定光を、前記測定部に照射可能な測定手段と、
    前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記測定部を形成する壁面に含まれる第一面に向かう第一方向にする第一工程を実行する第一制御手段と、
    前記第一工程の実行後、前記公転手段によって前記検査チップに付与される遠心力の向きを、前記壁面のうちで前記第一面とは異なる第二面に向かい、且つ前記第一方向と交差する第二方向にする第二工程を実行する第二制御手段と、
    前記第二工程の実行後、前記測定手段によって前記測定部に測定光を照射することで、前記光学測定を実行する第三工程を実行する第三制御手段と、
    を備え、
    前記第三工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg1、前記第二工程で作用する前記第二方向の加速度の大きさをg2、前記壁面が濡れている状態で前記壁面と前記液体との間で前記第二方向とは反対方向に生じる毛細管力の大きさをF1、及び、前記壁面が乾いている状態で前記壁面と前記液体との間で前記反対方向に生じる毛細管力の大きさをF2とした場合、
    g2>(F1/F2)*g1(但し、g1>0、g2>0、F1>0、F2>0)
    の関係を満たすことを特徴とする検査装置。
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