JP2016033342A - レーザ点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、光学窓への潤滑油の付着を抑制すると共に、更なる燃焼速度の高速化を図り安定した着火を実現可能とするレーザ点火装置を提供する。
【解決手段】エンジン5に装着され、少なくとも、燃焼室に発生する高温と高圧とから光学素子を保護する光学窓100とを具備するレーザ点火プラグ10と、筒状の副室152と、副室よりも小さい断面積で有底筒状の副室スロート部151と、副室スロート部151の閉塞端153側で燃焼室500に連通する複数の副室噴孔150と、を設けた副室口金15を光学窓100と燃焼室500との間に配置して、副室152の内側に集光点FPを配置して、副室152内に導入された混合気を着火し、副室152から燃焼室500内に燃焼火炎を噴出させてエンジン5の点火を行うレーザ点火装置1において、副室152の中心軸AXを副室スロート部151の中心軸AXに対して水平方向に偏心せしめる。
【選択図】図1A

Description

本発明は、エンジンに装着され、レーザ発振装置から発振させたパルスレーザをエンジンの燃焼室に連通せしめた副室内に集光して副室内に導入した混合気を着火して、副室から燃焼室内に燃焼火炎を噴出させてエンジンの点火を行うレーザ点火装置に関する。
近年、コジェネ発電用の気体燃料エンジンや、希薄混合気燃焼エンジン等の難着火性の内燃機関の点火装置として、半導体レーザを励起レーザ源として用い、半導体レーザから発振された励起レーザをQスイッチ式のレーザ共振器に照射して、エネルギ密度の高いパルスレーザを発振し、さらに、集光手段を用いて混合気中に集光してエネルギ密度を高めて混合気の着火を行うレーザ点火装置について、種々検討されている。
このようなレーザ点火装置では、レーザ点火プラグの先端に耐熱性の光学窓を設けて、燃焼室内に発生する高い圧力や高熱から集光レンズやレーザ共振器等の光学素子を保護している。
また、一般的に、内燃機関の燃焼室を区画するシリンダと、シリンダ内を昇降するピストンとの間には潤滑油が注入され摩擦の低減が図られている。
このため、潤滑油が霧状となって燃焼室内に拡散し、混合気と共に筒内に発生した気流によって運ばれ光学窓の表面に付着することがある。
潤滑油中には、金属等の不燃成分も含まれおり、長期の使用によってこれが酸化物となり光学窓にデポジットとして堆積してパルスレーザの透過率を低下させる虞がある。
このような問題に対して、特許文献1には、レーザビームをケーシング(38)の燃焼室側の端部(381)に配設した副室(110)へ通過させるための絞り(74)と、副室の内室(111)と燃焼室とを連結する少なくとも1つの送気ポート(120)とを設け、送気ポートを通過して副室内に流入する際に、レーザ点火プラグの長手方向軸に対して45°の最小角度εで絞りの内側に流入する流体(F)の流れを生じるようにしたレーザ誘導式外部点火装置が記載されている。
特表2013−527376号公報
ところが、従来のレーザ点火装置のようにハウジングの端部に設けた副室と内燃機関の燃焼室とを送気ポートを介して連通した場合、圧縮時に燃焼室内の混合気が送気ポートを通過して副室内に強いタンブル渦を形成する。
このため、ガスエンジン等、混合気の密度が低く難着火性の内燃機関においては、副室内に導入された混合気にパルスレーザを集光させて火炎核を発生させても、強い渦流によって吹き消されてしまう虞がある。
また、従来の構造では、強い筒内気流と共に微粒化された潤滑油が副室内へ侵入するのを避けられず、侵入した潤滑油が燃焼室窓に付着しないようにするためには、絞りの高さを一定以上とする必要がある。
その結果、必然的に絞りの熱容量が大きくなるので、火炎核発生初期においては消炎効果によって着火が不安定となったり、それとは逆に燃焼火炎から絞りに付与された熱エネルギが蓄熱され、プレイグニションを招いたりする虞もある。
さらに、燃焼室窓への直接的な潤滑油の付着が低減できたとしても、副室内への潤滑油飛沫の侵入そのものは避けられないため、長期の使用によって絞りの内周面にデポジットが形成され、その一部でもパルスレーザの光路を遮るとパルスレーザの回折を生じ、十分なエネルギ密度に集光されず着火が不安定となる虞もある。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、簡易な構成で、光学窓への潤滑油の付着を抑制すると共に、更なる燃焼速度の高速化を図り安定した着火を実現可能とするレーザ点火装置を提供する。
本発明のレーザ点火装置(1、1a〜1f)は、エンジン(5)に装着され、少なくとも、レーザ点火プラグ(10)と副室口金(15)とを具備している。
本発明に係るレーザ点火プラグ(10)は、レーザ発振装置から発振されたパルスレーザ(LSRPLS)を所定の集光点(FP)に集光する集光レンズ(101)と、該集光レンズと前記集光点との間に配置され前記内燃機関の燃焼室で発生する燃焼熱と燃焼圧力とから前記集光レンズを保護する光学窓(100)とを具備する。
また、本発明に係る副室口金(15)は、前記光学窓と前記燃焼室との間に設けられ、筒状で一定の容積に区画された副室(152)と、該副室よりも小さい断面積で軸方向に延び、一端が前記副室に流体的に連通し、他端が閉塞する有底筒状の副室スロート部(151)と、該副室スロート部の閉塞端側において、前記内燃機関の燃焼室(500)に連通するように穿設した複数の副室噴孔(150)とを具備する。
さらに、本発明のレーザ点火装置(1、1a〜1f)は、前記副室の内側に前記集光点を配置して、前記副室の内側に導入された混合気の着火を行い、前記副室から前記燃焼室に燃焼火炎を噴出させて前記内燃機関の点火を行うものであって、前記副室の中心軸(AX)を前記副室スロート部の中心軸(AX)に対して水平方向に偏心して配設したことを特徴とする。
本発明によれば、前記エンジンの燃焼サイクル過程の前記副室内に混合気を導入する際に、前記燃焼室から前記副室噴孔及び副室スロートを介して前記副室へ逆流した混合気中に霧状となったオイルミストが含まれていても、前記副室と前記副室スロートとが互いに軸心を異ならせて設けられているので、前記副室内を流れる気流によって運ばれるオイルミストの進行方向から外れた位置に前記光学窓を配設することが可能となる上に、前記副室の断面積と前記副室スロート部との断面積の差によって前記副室内における混合気の流速が低減され、前記光学窓へ運ばれるオイルミストの量を減らすことができるので前記光学窓へのオイルミストの付着を抑制することができる。
しかも、前記副室噴孔の中心軸を前記副室スロートの中心軸に対して、ねじれの方向に形成した場合には、副室スロート内に旋回流が生じて、軸方向に対して直交する水平方向の遠心力によってオイルミストを内壁に付着させ、混合気中のオイルミスト量を減らしながら混合気が前記光学窓の周辺に到達するので、前記光学窓へのオイルミストの付着量をさらに低減できる。
また、前記副室噴孔の中心軸を前記副室スロートの中心軸に対して、集中的に形成した場合には、副室スロート内を直進する直進流を生じさせ、前記副室内で混合気の流速と方向が変化することで、比重の大きいオイルミストを副室の内壁に衝突させ、混合気中のオイルミスト量を減らすこともできる。
さらに、前記副室内に前記集光点を配置することで、副室内に流れる気流によって初期火炎が吹き消されることなく、副室内に導入された混合気を燃焼させ、前記副室噴孔から燃焼火炎を噴出させて燃焼室内の混合気の燃焼を安定して実現できる。
本発明の第1の実施形態におけるレーザ点火装置1の概要を示す縦断面図 図1Aのレーザ点火装置1の口金先端の概要を示す横断面図 本発明の第1の実施形態におけるレーザ点火装置1の効果を説明するための縦断面図 圧縮過程でレーザ点火装置1の口金先端に発生する気流を示す横断面図 比較例1として示す、従来の副室式ガスエンジンにレーザ点火プラグを配設したレーザ点火装置1zの構造とその問題点を示す縦断面図 図2Aの点火装置1zの口金先端の概要を示す横断面図 圧縮過程で比較例1の口金先端に発生する気流を示す横断面図 本発明の第2の実施形態におけるレーザ点火装置1aの概要を示す縦断面図 本発明の第3の実施形態におけるレーザ点火装置1bの概要を示す縦断面図 本発明の第4の実施形態におけるレーザ点火装置1cの概要を示す縦断面図 本発明の第5の実施形態におけるレーザ点火装置1dの概要を示す縦断面図 図6Aの点火装置1dの口金先端の概要を示す横断面図 本発明の第6の実施形態におけるレーザ点火装置1eの概要を示す縦断面図 本発明の第7の実施形態におけるレーザ点火装置1fの概要を示す縦断面図 比較例と共に本発明の汚染防止効果を確認するために行った試験結果を示す特性図 本発明の第2の実施形態における点火装置1bの効果を確認するために用いた実施例2として示すレーザ点火装置1b(A)の要部断面図 同じく変形例として示す点火装置1b(B)の要部断面図 本発明の第1の実施形態におけるレーザ点火装置1の要部断面図 本発明の着火性向上に対する効果を確認するために行った試験結果を示し、空燃比およびカバーの形状(カバー長さ、カバー噴孔径)と圧力上昇速度との関係を示す特性図。 本発明の第1及び第4の実施形態におけるレーザ点火装置1cに用いる保護プレート12の概要を示す断面図 図13Aの下面図 保護プレートの変形例12aを示す断面図 図14Aの下面図 保護プレートの他の変形例12bを示す断面図 図15Aの下面図 保護プレートの他の変形例12cを示す断面図 図16Aの下面図 本発明の要部である、副室口金15とカバー体13との位置関係及びカバー体13のカバー噴孔130の位置を示す要部下面図 通気路の変形例130aを示す要部下面図
図1A、図1Bを参照して 本発明の第1の実施形態におけるレーザ点火装置1の概要について説明する。
レーザ点火装置1は、内燃機関5に装着され、少なくとも、レーザ点火プラグ10と副室口金15とを具備して構成されている。
レーザ点火プラグ10は、少なくとも、レーザ発振装置として設けられたレーザ共振器103から発振されたパルスレーザLSRPLSを所定の集光点FPに集光する集光レンズ101と、集光レンズ101と集光点FPとの間に配置され内燃機関5の燃焼室500で発生する燃焼熱と燃焼圧力とから前記集光レンズを保護する光学窓100とを具備する。
また、本発明に係る副室口金15は、光学窓100と燃焼室500との間に設けられ、筒状で一定の容積に区画された副室152と、副室152よりも小さい断面積で軸方向に延び、一端が副室152に流体的に連通し、他端が閉塞する有底筒状の副室スロート部151と、副室スロート部151の閉塞端側において、燃焼室500に連通するように穿設した複数の副室噴孔150とを具備する。
さらに、レーザ点火装置1は、副室152の内側に集光点FPを配置して、副室152内に導入された混合気の着火を行い、副室152から燃焼室500内に燃焼火炎を噴出させて内燃機関5の点火を行うものであって、副室152の中心軸AXを副室スロート部151の中心軸AXに対して水平方向に偏心せしめたことを基本要件とするものである。
なお、以下の説明において、レーザ点火装置1が内燃機関5の燃焼室500に臨み、パルスレーザLSRPLSを出射する側を先端側と称し、外部から励起レーザLSRPMPが入力される側を基端側と称する。
レーザ点火装置1は、ガスエンジン等の難着火性のエンジンにおいて、特に優れた着火性を発揮し得るものであり、以下の説明においては、内燃機関としてガス燃料を使用するコジェネ発電用ガスエンジンであって、例えば、シリンダのボア径が15〜30cmあるような大型のガスエンジンに本発明のレーザ点火装置1を用いた例について説明する。
しかし、本発明に係るレーザ点火装置1は、点火対象となるエンジンをガスエンジンに限定するものではなく、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の液体燃料を用いる内燃機関や、ジェットエンジン等の外燃機関にも適宜採用し得るものである。
本実施形態におけるレーザ点火装置1は、少なくとも、パルスレーザLSRPLSを出光する光学窓100を設けたレーザ点火プラグ10と、光学窓100を覆うように設けた保護プレート12と、保護プレート12を覆うように設けたカバー体13と、シール部材14と、レーザ点火プラグ10の先端側に配設した副室口金15と、これらを一体的に収容保持すると共に内燃機関5に固定するためのホルダ16とによって構成されている。
レーザ点火プラグ10は、燃焼室側から順に光学窓100と、集光レンズ101と、パルスレーザ拡張レンズ(ビームエキスパンダ)102と、レーザ共振器103と、コリメートレンズ104と、光ファイバ105とを一軸上に配置して筒状のハウジング11内に収容保持して構成されている。
光ファイバ105は、外部に設けた図略の半導体レーザ等の励起レーザ源から発振された励起レーザLSRPMPを伝送する。
光ファイバ105には、例えば、開口数0.22以下で、コア径がφ600μm以下に形成された公知の光ファイバを用いることができる。
光ファイバ105の先端から出射された励起レーザLSRPMPは、コリメートレンズ104によって平行光に調整され、レーザ共振器103に照射される。
コリメートレンズには、光学ガラス、耐熱ガラス、石英ガラス、サファイアガラス等の公知の光学材料が用いられている。
レーザ共振器103には、公知の受動Qスイッチ式のレーザ共振器を用いることができる。
レーザ共振器103は、レーザ媒質と、その入射側に設けた反射防止膜と、全反射鏡と、出射側に設けた可飽和吸収体と、部分反射膜からなる出光鏡とによって構成されている。
レーザ媒質には、YAG単結晶にNdをドーピングしたNd:YAG等の公知のレーザ媒質を用いることができる。
全反射鏡は、波長の短い励起レーザLPMPは透過し、波長の長いパルスレーザLPLSは全反射するように形成されている。
過飽和吸収体は、YAG単結晶にCr4+をドーピングしたCr:YAG等が用いられている。
レーザ共振器103は、共振器内に導入された励起レーザLPMPによって、レーザ媒質内のNdが励起され、例えば、1064nmの光を放射し、レーザ媒質内に蓄積する。
レーザ媒質内のエネルギレベルが一定レベルに達すると先端側に設けた出力鏡から、エネルギ密度の高いパルスレーザLSRPLSを発振する。
レーザ共振器103から発振されたパルスレーザLSRPLSは一旦、パルスレーザ拡張レンズ102によって拡張された後、集光レンズ101によって再度集光させることによって、集光点FPにおけるエネルギ密度を高め、集光点FPの周辺に存在する混合気をプラズマ化し、火炎核を発生させる。
パルスレーザ拡張レンズ102、集光レンズ101には、光学ガラス、耐熱ガラス、石英ガラス、サファイアガラス等の公知の光学材料が用いられている。
集光レンズ101の先端側には、光学窓100が設けられており、燃焼室500内、若しくは、副室152内で発生した燃焼圧力や燃焼熱から、他の光学素子を保護している。
光学窓100には、耐熱ガラス、石英ガラス、サファイアガラス等の公知の耐熱性光学材料が用いられている。
なお、上述の各光学素子の表面には適宜反射防止膜等が施され、レーザ光の透過率が高められている。
また、従来のレーザ点火装置では、例えば、10mJ/パルスのエネルギを要していたが、本発明にかかるレーザ点火装置では、2〜3mJ/パルスのエネルギで内燃機関5に導入した混合気の着火を可能としている。
さらに、従来の励起光源には、ピークパワーとして、500Wのものが用いられているが、本発明に係るレーザ点火装置1の励起光源3の励起用レーザのピークパワーは180Wのものを使用することができる。
ハウジング11は、ステンレス等によって筒状に形成され、先端側で光学窓100及び集光レンズ101を収容保持するハウジング先端部110、レーザ点火プラグ10にストレスを与えることなくホルダ16に固定するための雄ネジ部111、雄ネジ部111の基端側で、パルスレーザ拡張レンズ102、レーザ共振器103、コリメートレンズ104、光ファイバ105の先端を収容保持するハウジング基端部112によって構成されている。
本実施形態においては、光学窓100からレーザ光が出光される側の表面を覆うように保護プレート12が配設されている。
保護プレート12は、例えば、ステンレス等の耐熱性金属材料によって形成されている。
保護プレート12は、少なくとも、外周が先端側に向かって縮径する円錐台形状に形成したプレート基部120と、その中心に穿設され、光学窓100から出光したパルスレーザLSRPLSの光路を妨げないように開口するレーザ通過孔121とによって構成されている。
レーザ通過孔121は基端側が径大で、先端側が径小となる先細りの円錐台形状の内周面となっている。
なお、レーザ通過孔121の先端側の開口径は、φ1.5mm以上φ3.5mm以下とすることで本発明の効果を発揮できることが確認されている。
なお、後述する試験においては、φ1.76mmに設定してある。
保護プレート12の板厚は厚い程、光学窓100へのオイルミストの付着が少なくできるのは当然のことであるが、保護プレート12の板厚を厚くすると、それの分だけ光学窓100の表面からパルスレーザの集光点FPまでの距離を長くする必要があり、一定以上焦点距離を長くする場合には、レーザ点火装置1に供給するエネルギを高くする必要がある。
但し、レーザ点火装置1に供給するエネルギを大きくするとそれだけ、光学系へのダメージも大きくなり、耐久性が低下する虞がある。
また、実際の内燃機関においては、燃焼行程が繰り替えされるため、所定の期間内に保護プレート12やカバー体13が冷却された状態とならないと、プレイグニション等の燃焼異常を招く虞があり、保護プレートと12を適当な板厚に形成することで、燃焼速度の向上とプレイグニションの抑制との両立を図ることが可能となる。
なお、本実施例においては、光学窓100の表面から集光点FP迄の距離を6.5mmとし、保護プレート12の板厚を3mmとし、光学窓100の表面から保護部プレート12の基端側開口位置までの距離を1mmとしてあり、保護プレート12の基端側表面から集光点FP迄の距離は、2.5mmとなっている。
しかし、本発明において、保護プレート12の板厚をこれに限定するものではなく、使用するレーザ点火装置1の焦点距離に応じて最大10mm迄変更可能である。
保護プレート12は、着脱可能に配設されており、長期の使用により、表面にデポジットが堆積した場合には、容易に分解掃除できるとともに光学系を崩すことなく性能評価が可能である。
また、保護プレート12は、外形を先端側に向かって縮径する円錐台形状とすることでオイルミスの流れを下向きに変えて保護ガラス側へのオイルミストの侵入防止に寄与できるとともに、若しくは、その表面を内側に向かって窪ませた湾曲面形状とすることで、熱容量を小さくして火炎からの受熱量を低減させ、プレイグニションの防止を図っている。
保護プレート12については、詳しくは、図14A、図14B等を参照して後述する。
さらに、本実施形態においては、保護プレート12の先端側に、本発明の要部の一つであるカバー体13が配設されている。
カバー体13は、純ニッケル、鉄ニッケル合金、ステンレス等の耐熱性金属材料からなり、保護プレート12の先端側を覆うような半球状に形成され、カバー体13の内外を連通するカバー噴孔130が複数箇所に穿設されている。
カバー体13について、詳しくは図19A、図19Bを参照して後述する。
本実施形態における、保護プレート12及びカバー体13は、副室口金15とホルダ16とによって挟持されており、封室口金15を取り外せば、レーザ点火プラグ10の光学系に影響を与えることなく簡単に着脱可能となっている。
本発明のもう一つの要部である副室口金15は、カバー体13の先端側を覆うように配設されている。
副室口金15には、内径の異なる副室スロート部151と副室152とがそれぞれの中心軸AX、AXを水平方向に偏心させて配設され流体的に連通されている。
副室口金15は、鉄ニッケル合金、ステンレス等の耐熱性金属材料によって一端が閉塞する有底筒状に形成されている。
副室口金15の外周形状は、先端側に外径小となる小径部154と基端側に外径大となる大径部155が設けられた段付き円柱状に形成されている。
大径部155の中心軸は、小径部154の中心軸AXsと一致している。
副室口金15の外形を同心の段付き円柱状に形成することで、内熱機関5のシリンダヘッド501への組み付けが容易となっている。
小径部154の内側には、小径部154の中心軸AXsに沿って軸方向に延びる副室スロート部151が形成されている。
副室スロート部151の先端側は、口金底部153によって閉塞されている。
副室スロート部151の閉塞端側となる口金底部153には、副室スロート部151の内径よりも径小となる複数の副室噴孔150が穿設され、燃焼室500と副室スロート部151との連通を図っている。
副室噴孔150の中心軸AXを中心軸AXに投影したときの角度θが所定の範囲(例えば、10°から170°の範囲)で末広がりとなるように、傾斜して穿設されている。
したがって、副室噴孔150を通過する気流は、圧縮時と燃焼時とのいずれの場合も、必ず、軸方向の流れと径方向の流れとの両方の成分を含むことになる。
さらに、本実施形態における副室噴孔150は、図1Bに示すように、副室噴孔150の中心軸AXが副室スロート部151の中心軸AXに対して交わらないように、オフセットされている。
このため、副室噴孔150を通過した気流は、周方向に回転しながら軸方向に移動する旋回流を形成することになる。
副室スロート部151は、小径部154の中心軸AXsに沿って軸方向に延びるように設けられている。
副室スロート部151の基端側は、徐々に拡径して副室152に流体的に連通している。
副室152は、大径部155の内側において、小径部154の中心軸AXから片側に偏心された中心軸AXに沿って設けられている。
なお、後述する試験においては、副室スロート部151の中心軸AXに対して、副室152の中心軸AXを一方向に3mmだけ偏心させた例について試験を行った。
副室152は、副室スロート部151よりも径大となるように形成されている。
具体的には、副室スロート部151の横断面積に対して、副室152の横断面積を1.4倍〜3倍に設定するのが望ましい。
なお、本実施例においては、2.8倍に設定して実験を行った。
副室152の基端側には、カバー体13、及び、保護プレート12を挟んで、光学窓100が配設されている。
また、副室152の基端側は、シール部材141、ホルダ16によって気密に閉塞されている。
本実施形態においては、カバー体13内にパルスレーザLSRPLSの焦点FPを形成すべく、光学窓100とカバー体13とは、中心軸AXに中心軸を合わせて同心に配設されている。
なお、集光点FPは、カバー体13内に発生する渦の中心に配置するのが望ましく、カバー噴孔130の穿設数、方向に応じて変化するカバー体13内の流れに応じて適宜変更し得るものである。
渦の中心は流速が最も小さく、混合気がとどまっているため、パルスレーザLSRPLSを集光したときのエネルギが吸収されやすくなり、渦によって火炎核の中心に向かって周囲の混合気がどんどん取り込まれること並びに、初期火炎核がカバー体13に近づくことなく成長するので火炎成長速度を加速させることができるからである。
ホルダ16は、純ニッケル、ステンレス等の耐熱性金属材料からなり、筒状に形成されている。
ホルダ16は、ホルダ基部160、プラグ収容孔161、プラグ固定用雌ネジ部162、口金保持部163、口金収容部内周面164、フランジ部165、貫通孔166によって構成され、フランジ部165に穿設した貫通孔166にホルダ固定用ボルト167を装着してシリンダヘッド501に設けたプラグ固定用雄ネジ部504に螺旋締め固定されている。
ホルダ16の内側に設けたプラグ収容孔161は、レーザ点火プラグ10を構成する筒状のハウジング11が組み付け固定されている。
口金保持部163は、筒状に形成されている。
口金保持部163の内側には、副室口金15の大径部外周面156との間に所定のクリアランスを隔てた口金収容部内周面164が設けられており、副室口金15の着脱が容易となっている。
ホルダ16の口金保持部163には、口金15が装着され、口金15の大径部155とホルダ16の口金保持部163とは口金15の位置決めを行った後位置決めボルト158にて締結する。
プラグ固定用雌ネジ部162は、ハウジング11に設けた雄ネジ部111と螺合し、レーザ点火プラグ10をホルダ16の内側に保持する。
副室口金15とシリンダヘッド501との間、及び、副室口金15とホルダ16との間には、それぞれ、耐熱性金属又は耐熱性ゴム等の弾性体からなる環状のシール部材140、141(シール部材14)が配設され、気密性を確保している。
シリンダヘッド501に儲けたプラグホール502から、口金底部153が露出し、燃焼室500に臨み、副室噴孔150が燃焼室500と連通している。
なお、上述のホルダ16は例示に過ぎず、本実施形態におけるレーザ点火装置1を構成するレーザ点火プラグ10と、保護プレート12と、カバー体13と、副室口金15とを一体的に収容保持できる構造であれば如何なるものでもよい。 その場合、ホルダ16をシリンダヘッド503に当接させて燃焼室500と外部との気密を図るようにしても良い。
なお、本発明において必須のものではないが、本実施形態においては、レーザ点火プラグ10の基端側に冷却器2が設けられている。
冷却器2は、筒状に形成され、ハウジング11のハウジング基端部112の外周を覆うように嵌着されている。
冷却器2の内側には水冷ジャケット20が設けられ、水冷ジャケット20内には冷却水が循環し、レーザ共振器103の発熱を抑制し、パルスレーザLSRPLSの出力安定化を図っている。
本発明に係るレーザ点火装置1を設けた内燃機関5について簡単に説明する。
本実施形態における内燃機関5は、燃焼室500内に気体燃料を導入して燃焼させるガス燃料エンジンであり、コジェネ発電機に用いられるものである。
少なくともシリンダヘッド501の内壁と図略のシリンダとシリンダ内を昇降可能に保持されたピストン530の頂面とで燃焼室500を区画している。
シリンダヘッド501には、吸気筒510及び排気筒520が形成され、それぞれ、吸気バルブ511、排気バルブ521によって開閉される。
吸気筒510及び排気筒520の数は、内燃機関の用途、大きさ等によって適宜設定される。
内燃機関5では、副室口金15の口金底部153がシリンダヘッド501に設けたプラグホール502から燃焼室500内に露出するように燃焼室500区画するシリンダの中心に固定されている。
なお、内燃機関5へのレーザ点火装置1の固定方法は、本実施形態に限定するものではなく、内燃機関への点火プラグの固定方法として公知の方法を適宜採用し得るものである。
また、本実施形態においては、レーザ発振装置1として、外部に、電源4と、電源4からのエネルギ投入により、励起レーザLSRPMPを発振する励起光源3とを設け、励起光源3から発振された励起レーザLSRPMPをレーザ点火プラグ10内でパルスレーザLSRPLSに変換し、光学窓100を介して出光したパルスレーザLSRPLSを混合気中の集光点FPに集光させて混合気の着火を行う構成としているが、これに限定するものではない。
例えば、レーザ点火プラグ10の構成としてハウジング11の内側にレーザ発振装置のどの範囲を収容するかは適宜変更可能である。
本発明においては、レーザ発振装置として、レーザ点火プラグ10内に、半導体レーザを有する励起光源3を含めて配設したものを用いても良いし、コリメートレンズ104及びレーザ共振器103をレーザ点火プラグ10の外部に設けた構成としても良い。
さらに、励起光源3として、半導体レーザからなる発光エミッタを平面状に複数並べて面発光素子を形成して、レーザ点火プラグ10の基端側に配設したものを用いても良い。
ここで、図2A、図2Bを参照して、本発明の第1の実施形態における効果について説明する。
本実施形態においては、副室噴孔150が、副室スロート部151の中心軸AXに対してねじれの位置となるように偏心されて形成されているので、圧縮時に燃焼室500内の混合気が副室噴孔150を通過して副室スロート部151内に侵入する際に、旋回流を形成する。
その結果、副室スロート部151内を流れる気流は、周方向に回転しながら上昇する。
このため、混合気と共に流入したオイルミストに遠心力FCNTが中心軸AXに直交する方向に作用し、副室スロート部151の内周面にオイルミストが衝突して壁面に付着する。
その結果、混合気中に含まれるオイルミストは粒径の大きなものから徐々に減少していくことになる。
さらに、副室スロート部151を経て副室152内に流入する際には、容積の拡大に伴う急激な流速の低下によって、粒径の小さいオイルミストを上昇させる力が低減されることになる。
その結果、粒径の小さなオイルミストも、副室152の壁面に付着し、光学窓100へのオイルミストの衝突確率は極めて低くなる。
さらに、本実施形態においては、光学窓100の表面を覆うように保護プレート12が配設され、さらにそれを覆うようにカバー体13が覆っている。
その結果、カバー体13に穿設したカバー噴孔130の穿設方向と、副室152内に形成される渦流によってオイルミストに作用する遠心力FCNTの方向とが一致しないので、カバー体13内に混合気のみが導入され、オイルミストはほとんどカバー噴孔130を通過できなくなる。
しかも、カバー体13内にオイルミストが流入されたとしても、光学窓100が保護プレート12によって覆われており、カバー体13内の弱い気流によっては、保護プレート12に設けたレーザ通過孔121内を通過させるだけの力をオイルミストに作用させることが困難となる。
このため、極僅かにオイルミストがカバー体13内に侵入したとしても、そのほとんどが保護プレート12の表面に付着するため、光学窓100の表面には、オイルミストがほとんど付着しなくなる。
一方、本実施形態において用いられている燃料はガス燃料であるため、副室152内を流れる混合気の流速は低く抑えながらもカバー体13の内側に流入することになる。
このような状態で、レーザ点火プラグ10から光学窓100を介して導入されたパルスレーザLSRPLSが、カバー体13内の集光点FPに集光されると、極めて高いエネルギ密度となり、集光点FPの周囲に存在する混合気をプラズマ化し、火炎核が形成される。
カバー体13内の限られた空間内で発生した火炎は急激な膨張によりカバー体13内の圧力を上昇させ、カバー噴孔130を介して副室152内に噴出する。
副室152内に噴出した火炎は、副室152内に存在する混合気に火炎伝播し、さらに火炎成長が進む。
このとき、副室152内には、垂直方向の渦流と水平方向の旋回流とが重なった複雑な流れを形成しており、カバー噴孔130から噴出した火炎と良好に攪拌され、速やかな燃焼反応を引き起こし更なる火炎成長を遂げる。
その結果、急激な火炎の体積膨張により、副室152内の圧力が急激に上昇し、副室152に連通する副室スロート部151内に流入する。
このとき、副室スロート部151が径小に形成されているので、副室スロート部151内を通過する際に加速され、先端に設けられた副室噴孔150を介して勢いよく燃焼室50内に火炎を噴出する。
さらに、副室噴孔150から噴出される火炎は、圧縮時とは逆向きの旋回流を形成するので、燃焼室500内に存在する混合気とも激しく反応し、極めて速い速度で火炎成長を果たすことができる。
したがって、本発明によれば、光学窓100がオイルミストによって汚染され難く、長期に亘って、光学窓100のクリーニングが不要な状態を維持できる。加えて、火炎成長速度の速い、着火性の良い点火が実現できることが判明した。
ここで、図3A、図3B、図3Cを参照して、比較例1として示す、本発明の効果を発揮し得ないレーザ点火装置1zについて説明する。
なお、前記第1の実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し、相違する部分にアルファベットzの枝番を付したので、共通部分については説明を省略し、特徴的な部分についてのみ説明する。
本発明においては、副室口金15の内側において、副室スロート部151と副室152とを偏心させて連通させることを基本要件としているが、比較例1として示す点火装置1zでは、副室スロート部151zと副室152zとが同軸上に配設され、さらに、副室152zの中心にレーザ点火プラグ10zの光軸が一致するように配設され、副室152zの基端に光学窓100zが露出している。
また、第1の実施形態においては、複数の副室噴孔150が、副室スロート部151の中心軸AXに対してオフセットされて穿設されていたが、比較例1では、複数の副室噴孔150zが副室スロート部151zの中心軸AXに向かって穿設されている。
このため、圧縮時には、燃焼室500内の混合気が副室噴孔150zの先端側から、副室噴孔150z内に侵入し、副室スロート部151z中心軸AXsに向かう直線的な流れが形成され、副室噴孔150zの基端側から副室スロート部151z内に吐出される。
このとき、混合気と共に、燃焼室500内に分散したオイルミストが副室スロート部151z内に侵入する。
副室スロート部151z内においては中心部分の流速が速く、副室スロート部151zの内周面に近い部分に流れが遅い層流が形成され、基端側に向かって直進する。
副室スロート部151zを通過した混合気が径大に形成された副室152z内に侵入すると、急激な容積の変化により、流速が低下するとともに、中心から外側に向かうように縦方向に回転する渦流(タンブル渦)が発生する。
このとき、混合気に比べ密度の高いオイルミストは、慣性により軸方向に直進しようとし、また、副室152z内に発生したタンブル渦から受ける遠心力FTMBは、オイルミストの進行方向に作用するため、直進を続け、副室152zの基端側中心に露出した光学窓100zの表面に付着することになる。
光学窓100zの表面に付着したオイルミストは、パルスレーザLSRPLSの照射によって直接的に、又は、副室152z内に発生した火炎によって間接的に燃焼され、大部分が焼失するが、潤滑油中に改質剤等として意図的に添加されている金属成分、又は、不純物として不可避的に含有されている金属成分等が不燃性の金属酸化物を形成し、これが長期の使用によって光学窓100zの表面に蓄積されデポジットを形成する。
デポジットの形成により、光学窓100zを通過するパルスレーザLSRPLSの透過率が徐々に低下し、着火が不安定となる虞がある。
なお、比較例1において、副室152zの基端側の中心位置から外周側に偏心した位置に光学窓100zを設けた場合でも、副室152z内に縦方向に流れるタンブル渦が発生しているので、オイルミストに軸方向の遠心力FTMBが作用するため、光学窓100zへのオイルミストの付着が避けられないことが判明した。
図4を参照して、本発明の第2の実施形態における点火装置1aについて説明する。
本実施形態においては、前記第1の実施形態における点火装置1から、保護プレート12を除いた構成であり、ハウジング11aの先端には、噴孔付カバ0体13aが設けられている。それ以外は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態においても、副室噴孔150によって発生した旋回流によって発生した水平方向に向かう遠心力FCNTをオイルミストに作用させると共に、互いに偏心して設けた副室スロート部151の内径と副室152の内径の違いによって、流速を低下させてオイルミストの副室内への侵入を抑制し、さらに、カバー体13を設けることにより、光学窓100への付着を抑制することができる。
但し、保護プレート12を廃したことで、カバー体13内に僅かに侵入したオイルミストが光学窓100の表面に付着し得るため、長期に亘って使用したときに、光学窓100のクリーニングが必要となるまでの時間が短くなる虞がある。
保護プレート12を廃した分、製造コストの削減を図ることができるので、耐久性に対する要求とコストとの兼ね合いから、点火装置1と点火装置1aとを適宜選択できる。
また、カバー体13を付けることにより、カバー体13内において、混合気が焦点FPに向かう流れが形成されるのに加え、カバー体13の内側に流れる混合気の流速も遅くなるので、火炎の冷却が少なくなり、火炎成長速度が速くなるという効果も発揮される。
図5を参照して、本発明の第3の実施形態におけるレーザ点火装置1bについて説明する。
本実施形態においては、前記点火装置1から、カバー体13を廃した構成としており、ハウジング11bの先端には、保護プレート12が保持されている。
本実施形態においても、副室噴孔150によって発生した旋回流によって発生した水平方向に向かう遠心力FCNTをオイルミストに作用させることに加え、互いに偏心して設けた副室スロート部151の内径と副室152の内径の違いにより、副室152内の流速を抑制し、保護プレート12に設けたレーザ通過孔121へのオイルミストの侵入を抑制して、光学窓100への付着を抑制することができる。
保護プレート12がない場合には、副室152内に形成される渦の中心が集光点FPより先端側の位置に形成されるが、保護プレート12を設けることによって、渦の中心を集光点FPとほぼ一致させることができる。
その結果、混合気濃度が比較的高く、流速が比較的遅い領域で着火できるので、火炎の冷却損失が低減でき火炎成長速度が速くなるという効果が発揮されることが判明した。
図6を参照して、第4の実施形態におけるレーザ点火装置1cの概要について説明する。
点火装置1cは、点火装置1から、保護プレート12、カバー体13を廃した構成であり、ハウジング11cの先端には、光学窓100cが保持され、副室152cに露出している。
本実施形態においても、副室口金15に設けた副室噴孔150によって生じた旋回流によってオイルミストを副室スロート部151の壁面及び副室152の内壁に付着させることができるので、比較例1に比べて光学窓100へのオイルミストの付着量を遙かに低減できることが判明した。
図7A、図7Bを参照して、本発明の第5の実施形態におけるレーザ点火装置1dの概要について説明する。
点火装置1dは、点火装置1から、保護プレート12、カバー体13を廃し、さらに、副室口金15dにおいては、前記実施形態と同様、副室152と副室スロート部151dとを偏心させて設けてあるが、副室噴孔150dを副室スロート部151dの中心に向かって集中的に穿設した点が相違する。
本実施形態は、本発明を発揮し得る最小限の構成を示すものである。
本実施形態においては、圧縮時に副室噴孔150dを通過する気流は直進流となって、副室スロート部151d内を流れ、基端側に設けた副室152d内に侵入したとき、流速の低下と共に、副室152dの中心から外側に向かう渦流が形成される。
このとき、直進流によって運ばれたオイルミストは、慣性によって、そのまま直進し、副室152dの上面に付着することになるが、副室152dが、副室スロート部151dに対して偏心して設けられており、さらに、レーザ点火プラグ10の光学窓100cが、副室152dの中心軸AX上、又は、中心軸AXよりも外周側に偏心して配置されているので、直接、光学窓100cに付着するオイルミストの量が、比較例1よりも低減できることが確認され、本発明の効果が発揮できることが判明した。
また、光学窓100に到達するオイルミストの粒径は、比較例1よりも小さくなっていることが判明した。
図8を参照して、第6の実施形態におけるレーザ点火装置1eの概要について説明する。
本実施形態においては、副室口金15dの先端に設けた副室噴孔150dを中心に向かって穿設すると共に、副室152dと副室スロート部151dとを偏心させた構成は前記点火装置1dと同様であるが、前記実施形態のように、レーザ点火プラグ10から、軸方向にパルスレーザLSRPLSを発振するのではなく、副室口金15dの中心軸に対して直交するように副室152dの外周壁から、パルスレーザLSRPLSを発振するようにしたレーザ点火プラグ10eを設けた点が相違する。
なお、本実施形態では、パルスレーザLSRPLSと副室口金15dの中心軸とが直交するように配設した例を示しているが、本発明において、副室152dへのパルスレーザLSRPLSの入光角度は問わない。
副室噴孔150dの中心軸が副室スロート部の中心軸と交わるように集中的に穿設すると共に、光学窓100dの中心軸AXが副室152dの中心軸AXと交わるように、光学窓100dを副室152dの内周壁の外側に配置し、副室152dの側面方向からパルスレーザLSRPLSが入光するようになっていれば良い。
レーザ点火プラグ10eは、前記実施形態に用いたレーザ点火プラグ10にパルスレーザLSRPLSの光軸を屈折させる反射鏡106を設けてある。
本実施形態においては、副室スロート部151dを直進する流れを利用して、副室152dの上面にオイルミストを付着させることで、副室152dの側面側に配した光学窓100eへの付着を防止している。
本実施形態においても、比較例1より遙かに、オイルミスト付着量の低減を図ることができる。
また、本実施形態の点火装置1eの光学窓100eを覆うように保護プレート12やカバー体13を組み合わせて配設することもできる。
図9を参照して、本発明の第7の実施形態における点火装置1fについて説明する。
前記実施形態においては、内燃機関5の燃焼室500内への燃料の供給装置については、特に限定しておらず、公知の燃料噴射装置を適宜採用し得るもので、吸気筒内への供給によるものでも、燃焼室内への直接的な供給によるものでも良い。
加えて、本実施形態においては、主燃料噴射弁から燃焼室500内に導入された混合気のみでは着火性が低く、安定した点火が困難な状況と判断された場合等において、補助燃料噴射弁19を設け、ホルダ16f内に穿設した補助燃料流路190を介して副室152内に補助的に燃料を供給するように構成した点が相違する、
なお、本実施形態に示した補助燃料噴射弁19及び補助燃料流路190を付加した構成は、前述のいずれの実施形態にも適用し得るものである。
本実施形態によれば、前記実施形態と同様、長期に亘って、光学窓100の汚れを防止して、安定した着火を実現すると共に、補助燃料の供給によって、さらに着火を容易にすることができる。
また、本発明のレーザ点火装置1を外燃機関に適用した場合、燃料の噴射圧を利用して副室152内に混合気を導入したり、補助燃料噴射弁19を用いて副室152内に混合気を導入することで、本発明の効果を発揮し得る。
なお、気体燃焼を用いた外燃機関においては、潤滑油が燃焼室内に分散することはないため、レーザ点火装置1の光学窓100への付着を考慮する必要性は低い。
しかし、副室152内で混合気の着火を行う際に、口金噴孔150による旋回流を火炎成長速度の向上に利用したり、カバー体13の内側で初期火炎を発生させることで着火の安定化を図ったり、保護プレート12を設けることにより光学窓100の保護のみならず燃焼速度を向上させたりすることができるため、本発明のレーザ点火装置1を外燃機関に適用した場合の利点は少なくない。
ここで、図10、図11A、図11B、図11C、図12、表1を参照して、本発明者等が本発明の効果を確認するために行った試験及びその結果について説明する。
いくつかの実施例及び比較例について、流れ解析を行ったところ、比較例1では、圧縮時に燃焼室500内に発生した低い流速(例えば、2m/s以下)の筒内気流が、副室噴孔150z内を進行する際に加速され(最大50m/s)、これが副室スロート部151z内を高速(例えば、中心部は最大50m/s、内周壁近くは30m/s程度)で直進し、副室152z内で流速が低下しつつ(例えば、2m/s〜10m/s)、中心部が直進し、周辺部は副室152zの内周壁に沿うように広がっていることが判明した。
しかし、比較例1では、副室152zの基端において、光学窓100zを中心軸から偏心させて配設しても、比較的速い流速(例えば、5m/s程度)で直接的に光学窓100zに気流が衝突することが確認された。
また、実施例5では、副室口金15dを用いており、圧縮時に比較例1と同様に燃焼室500内に発生した低い流速(例えば、2m/s以下)の筒内気流が、副室噴孔150d内を進行する際に加速される(例えば、最大50m/s)。
これが副室スロート部151d内を高速(例えば、中心部は最大50m/s、内周壁近くは30m/s程度)で直進し、副室スロート部151dに対して偏心して設けられた副室152内で流速が低下するのに加え(例えば、2m/s〜10m/s)、副室152内に渦流を形成し、光学窓100に対して、ほぼ並行となる様な流れが形成されることが確認された。
実施例3では、副室口金15を用いることで、圧縮時に燃焼室500内に発生した低い流速(例えば、5m/s以下)の筒内気流が、副室噴孔150内を進行する際に加速される(例えば、最大50m/s)のに加え、副室スロート部151内に流入する際に、周方向に回転する旋回流となり、内周壁近くの流速が速く、中心部の流速が相対的に遅くなることが確認された。
また、副室スロート部151から副室152へ吐出される際に、低速(例えば、5m/s以下)の渦流が形成されることが判明した。
実施例2においては、カバー体13の内部に形成される渦流の流速は極めて低くなるが(例えば、2m/s以下)、カバー体13の内外を移動する流れが確認され、混合気はカバー体13の内側に導入されることが確認された。
表1及び図10は、オイルミストの光学窓100への付着量について比較例1、実施例2、実施例3、実施例5について流れ解析で求めた結果を示す。
具体的には、粒径10μm、50μm、100μmのオイルミストを燃焼室500側から流し、オイルミストが各部品の壁面に衝突したら付着したと判断し、付着量の合計を算出し、比較例1の付着総量を100としたときの相対値で表したものである。
また、図10、表1に示すように、比較例1に比べて、本発明の実施例5においても、光学窓100に付着するオイルミストの粒径分布は小さくなり、付着量も半減されている。
さらに、本発明の実施例2、3では、検出限界以下に低減できることが確認された。
Figure 2016033342
図11A、図11B、図11Cは、着火性向上効果を確認するために用意した試料の概要を示す。
図12は、図11A、図11B、図11Cに示した試料を用いてカバー体13及び保護プレート12の効果を調査した結果を比較例と共に示す。
なお、燃焼試験は、実際のエンジンではなく、内燃機関を模した圧力容器に所定の空燃比に設定したガスを導入して、所定のエネルギ量のレーザパルスを集光させ着火試験を行ったものである。
図11AにカバーAとして示した構成は、本発明の第2の実施形態における点火装置1aにおいて、カバー体13の副室152内への突き出し長さを長くした(Lは、例え15.5mmに設定してある。)点火装置1a(A)であり、図12BにカバーBとして示した構成は、本発明の第2の実施形態における点火装置1bにおいて、カバー体13の副室152内への突き出し長さを短くした(Lは、例えば、10mmに設定してある。)点火装置1a(B)であり、図12CにカバーCとして示した構成は、本発明の第1の実施形態における点火装置1として示した、保護プレート12とカバー体13との両方を備えたものである。
また、それぞれの実施形態において、カバー噴孔130の孔径をφ1.4mm、φ1.6mm、φ1.8mmの3種類のサンプルを形成し、空燃比A/Fを17.4、24.3、26として燃焼試験を行った結果を図12示す。
その結果、リーン燃焼させた場合、第1の実施形態におけるレーザ点火装置1(カバーC:保護プレート12付、孔径φ1.6mm)の最大筒内圧力が高く、最大圧力に到達するまでの時間が最も短く、燃焼速度を速くできることが判明した。
保護プレート12は、光学窓100へのオイルミストの付着確率を低下させて、光学窓100の汚れ防止を図るだけでなく、燃焼速度を向上させる効果も期待できることが判明した。
また、カバー体13の突き出し長さを長くした場合(カバーA)の方が、カバー体13の突き出し長さを短くした場合(カバーB)よりも、到達圧力が高く、圧力上昇速度も速くなった。
これは、カバーAの方が、カバーBよりも、カバー体13内に導入された混合気の量が相対的に多くなり、結果的に燃焼速度が向上したものと考えられる。
ただし、カバー体13の突き出し長さを長くすると、着火性は向上する反面、カバー体13自身が燃焼熱を受熱して赤熱し、プレイグニションを招いたり、カバー体13の耐久性の低下を招いたりする虞があることが判明した。
ここで、図13A、図13B、図14A、図14B、図15A、図15B、図16A、図16Bを参照して、保護プレート12のより具体的な構成といくつかの変形例12a、12b、12c、12dについて説明する。
図13A、図13Bに示す保護プレート12は、本発明に要求される基本的な構成を示すものである。
プレート基部120の外周は、先端に向かって径小となるように縮径した円錐台形状に形成されている。
これは、プレート基部120の外形を先細り形状とすることで、熱容量を減らし、消炎効果の低減や、燃焼火炎からの受熱によるプレイグニションの発生防止を図るためである。
また、プレート基部120の外周面が、燃焼室側に向かって径小となる円錐状のテーパ面となるため、その周囲を移動する混合気は、燃焼室側に向かう流れを生じるように整流されることになるので、より一層、光学窓100へのオイルミストの付着が起こり難くなっている。
プレート基部120の中心には、レーザパルスLSRPLSを通過させるため光路を妨げないように開口したレーザ通過孔121が穿設されている。
レーザ通過孔121は、基端側の開口径が大きく先端側の開口径を小さくしたすり鉢状に形成されている。
先端側の開口径を小さくすることで、レーザ通過孔121内へオイルミストが侵入する確率を低くしている。
また、レーザ通過孔121の傾斜角度は、レーザパルスLSRPLSの集光角度に応じて適宜変更可能である。
本実施形態においては、保護プレート12の基端側に鍔状に広がるプレート保持部122を形成してあり、これを、前述のスペーサ14によって押さえることで、レーザ点火プラグ10の先端側に着脱可能なように保持している。
また、本実施形態においては、保護プレート12の外周面は直線的に縮径する円錐台形状に形成した例を示してあるが、内側に向かって突となる円弧状に窪ませることにより、さらに熱容量を小さくするようにしても良い。
この場合、保護プレート12の周囲に存在する軸方向の流れが湾曲面に沿って整流され、先端側に向かうことになるため、より一層、光学窓100への付着が起こり難くなる。
図14A、図14Bに示す変形例12aでは、プレート基部120aの一部を光学窓側表面から副室側表面に向かって切り欠いたスリット状の溝部123を一以上設けてある。
溝部123の幅は、0.5mm〜2mm程度とすることで毛管作用を発揮し、オイルミストを吸着する。
溝部123を設けることによって、光学窓100の表面に付着したオイルミストが溝部123の毛管作用によって、光学窓100の表面から吸い取られることになり、一層、光学窓100表面でデポジットが形成され難くなり、レーザ点火装置1の耐久性の向上を図ることができる。
溝部123に吸い取られたオイルミスはオイル中に含まれる金属が燃焼時に酸化して金属酸化物として溝部123に付着する。
しかし、燃焼時の爆風により光学窓100から遠ざかる方向に飛翔し、最終的には排気ガスと同時に燃焼室外に排出される。
溝部123の幅が小さすぎると金属酸化物が詰まり易く、剥がれ難くなるため、上記範囲に設定するのが望ましい。
また、プレート保持部122には、切欠溝やピン孔等の位置極め手段124が設けられており、溝部123を特定の方向に穿設した場合等、保護プレート12aを固定する際に組み付け方向を特定の方向に規制することができる。
本変形例12aでは、複数の溝部123を放射状に均等に配置した例を示してあるが、これに限定するものではなく、特定の方向に偏りを持たせて溝部123を配置するようにし、保護プレート12aの表面を流れる気流をオイルミストの排出に利用するようにしても良い。
図15A、図15Bに示す変形例12bでは、溝部123を保護プレート12bの中心に対して偏心させて設けた点が相違する。
圧縮行程においてオイルミストが流入した場合、溝部123を気流が通過することによって整流され、レーザ通過孔121内に旋回流が形成されオイルミストが保護プレート内壁121に付着しやすくなる。
また、パルスレーザLSRPLSの照射によって、初期火炎が形成されたときに、膨張する火炎の一部が溝部123を通過する際に、整流され旋回流を発生させ、火炎核と混合気との攪拌を促し、火炎成長速度をさらに向上させることも期待できる。
さらに、火炎の一部が溝部123を通過する際にスリット壁面および保護プレート内壁121に付着した金属酸化物を排出するのに寄与するため、長期に亘って保護プレート12bを清浄な状態に保つことができる。
図16A、図16Bに変形例12cでは、溝部123を数多く穿設して、表面積を拡大し、さらにオイルミスト吸着性を高くしている。
また、保護プレート12は、前記実施形態に限定するものではなく、種々変形可能である。
図17A、図17Bを参照して、本発明の要部である副室スロート部151と副室152とカバー体13との位置関係とその変形例について説明する。
図17Aに示すように、副室スロート部151の中心軸AXに対して副室152の中心軸AXが片側に偏心して配設されており、 カバー体13の中心軸AXは、副室152の中心軸AXと同心か、さらに外周方向へ偏心させている。
即ち、副室スロート部151の中心軸AXと副室152の中心軸AXとの距離δと、副室スロート部151の中心軸AXとカバー体13の中心軸AXとの距離δとの間には、δ≦δの関係が成り立つ。
なお、上述の実施例では、δを3mmとし、副室152の中心軸AXとカバー体13の中心軸AXとを一致させた例について試験を行っている。
また、本実施形態においては、一つのカバー噴孔130をカバー体13の中心に軸方向に向かうように穿設して、5つの通気孔130を等間隔に並べて、カバー体13の中心に向かうように穿設している。
但し、カバー体13の一定の範囲を噴孔形成忌避領域として、カバー噴孔130を形成しないようにするのが望ましい。
図17Aの斜線で覆った噴孔形成忌避領域にカバー噴孔130を設けると、その位置から噴射された火炎のほとんどは、副室152の内周壁面に直接衝突することになり、副室口金15の壁面を加熱することに消費され、混合気の火炎成長に寄与せず、エネルギの浪費となるからである。
また、図17Bに変形例として示すように、カバー体13aでは、複数のカバー噴孔130aを中心に対して偏心させて穿設しており、カバー体13a内の混合気に着火され燃焼火炎が噴射されたときに、副室152内に旋回流を形成するようになっている。
さらに、本変形例においても、図17B中の斜線を施した範囲には、カバー噴孔130aを設けないのが望ましい。
一方、前述のレーザ点火装置1eのように、パルスレーザLSRPLSを副室152eの側面から照射する場合には、副室152eの基端側の閉塞面に燃焼火炎が衝突しないよう、軸方向に対して、副室152eの基端側に向かう噴射を制限するように噴孔形成忌避領域を設けるのが望ましい。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜変更可能である。
例えば、前記実施形態においては、副室噴孔150は、周方向に等間隔で配設した例を示しているが、燃焼室500の吸気側と排気側とで噴射される火炎の数を変えることにより、本発明の効果に加え、ノッキング等の異常燃焼の抑制を図ることも期待できる。
1 レーザ点火装置
10 レーザ点火プラグ
100 光学窓
101 集光レンズ
12 保護プレート
120 プレート基部
121 レーザ通過孔
122 プレート保持部
123 スリット
13 カバー体
130 カバー噴孔
15 副室口金
150 副室噴孔
151 副室スロート部
152 副室
153 口金底部
19 補助燃料噴射弁
190 補助燃料流路
5 エンジン
500 燃焼室
AX 副室スロート部中心軸
AK 副室中心軸
AX 光学窓中心軸(レーザ光軸)
AX 副室噴孔中心軸
FP 集光点
LSRPLS パルスレーザ

Claims (12)

  1. エンジン(5)に装着され、
    少なくとも、
    レーザ発振装置から発振されたパルスレーザ(LSRPLS)を所定の集光点(FP)に集光する集光レンズ(101)と、該集光レンズと前記集光点との間に配置され前記エンジンの燃焼室で発生する燃焼熱と燃焼圧力とから前記集光レンズを保護する光学窓(100)とを具備するレーザ点火プラグ(10)と、
    前記光学窓と前記燃焼室との間に設けられ、筒状で一定の容積に区画された副室(152)と、該副室よりも小さい断面積で軸方向に延び、一端が前記副室に流体的に連通し、他端が閉塞する有底筒状の副室スロート部(151)と、前記副室スロート部の閉塞端側において、前記エンジンの燃焼室(500)に連通するように穿設した複数の副室噴孔(150)を有する副室口金(15)を具備し、
    前記副室の内側に前記集光点を配置して、前記副室の内側に導入された混合気の着火を行い、前記副室から前記燃焼室に燃焼火炎を噴出させて前記エンジンの点火を行うレーザ点火装置であって、
    前記副室の中心軸(AX)を前記副室スロート部の中心軸(AX)に対して水平方向に偏心して配設したことを特徴とするレーザ点火装置(1、1a〜1f)
  2. 前記副室噴孔の中心軸(AX)が前記副室スロート部の中心軸に対して10°から170°の範囲で末広がりに傾けた請求項1に記載のレーザ点火装置(1、1a〜1f)
  3. 前記複数の副室噴孔の中心軸が前記副室スロート部の中心軸に対してねじれの位置となるように偏心して穿設すると共に、前記副室の基端側において、前記光学窓の中心軸(AX)が、前記副室の中心軸と同心となるように、又は、前記副室スロート部の中心軸に対して前記副室の中心軸よりもさらに外周方向に偏心するように前記光学窓を配置した請求項1又は2に記載のレーザ点火装置(1、1a、1b、1c、1f)
  4. 前記複数の副室噴孔の中心軸が前記副室スロート部の中心軸と交わるように集中的に穿設すると共に、前記光学窓の中心軸(AX)が前記副室の中心軸と交わるように、前記光学窓を前記副室の内周壁の外側に配置し、前記副室の側面方向からレーザ光を入光せしめた請求項1又は2に記載のレーザ点火装置(1e)
  5. 前記光学窓に対して前記レーザ光の進む側に、前記光学窓の表面を覆いつつ、前記レーザ光の光路を妨げないように穿設したレーザ通過孔(121)を有する保護プレート(12)を配設した請求項1ないし4のいずれかに記載のレーザ点火装置(1、1b)
  6. 前記保護プレートの外周面を先端に向かって縮径せしめた請求項5に記載のレーザ点火装置(1、1a〜1f)
  7. 前記保護プレート(12a、12b、12c)の前記光学窓に臨む光学窓側表面と前記副室に臨む副室側表面とを連通する一以上のスリット状の溝部(123)を設けた請求項5又は6に記載のレーザ点火装置(1、1b)
  8. 前記光学窓を覆うカバー体(13、13a)を配設すると共に、該カバー体の内外を連通する複数のカバー噴孔(130、130a)を穿設した請求項1ないし7のいずれかに記載のレーザ点火装置(1、1a)
  9. 前記複数のカバー噴孔(130)の中心軸が前記カバー体の中心軸(AX)に交わるように集中的に穿設した請求項8に記載のレーザ点火装置(1)
  10. 前記複数のカバー噴孔(130a)の中心軸が前記カバー体の中心軸(AX)に交わらないように偏心させて穿設した請求項8に記載のレーザ点火装置(1)
  11. 燃料として気体燃料を用いる請求項1ないし10のいずれか記載のレーザ点火装置(1、1a〜1f)
  12. 前記エンジンに、補助燃料を供給する補助燃料噴射弁(19)を設けると共に、前記副室口金に前記補助燃料噴射弁と前記副室とを連通する補助燃料流路(190)を穿設した請求項1ないし11のいずれか記載のレーザ点火装置(1f)
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