JP2016032382A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電流制御系の応答を高くしても、LC共振現象による過電圧の発生を確実に防止することができる電力変換装置を得ることを目的とする。
【解決手段】電圧補正信号Vcmp*を生成するq軸電圧補償部(位相進み手段14)およびq軸電流補正信号iqcmp*を生成するq軸電流補償部(位相遅れ手段15およびモータモデル16)を備え、q軸電流指令値iq*にq軸電流補正信号iqcmp*を加算した値とq軸電流検出値iqとの偏差が零となるようq軸電圧指令値vq*を生成し、ゲート信号生成部17は、d軸電圧指令値vd*およびq軸電圧指令値vq*に電圧補正信号Vcmp*を加算した信号vq’*に基づきゲート信号を生成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、コンデンサを介したコンバータとインバータとで構成され交流モータ等を駆動する電力変換装置に係り、特に、交流電源が有するインダクタンス成分LとコンデンサCとで形成されるLC共振現象による過電圧の発生を抑制する技術に関するものである。
この種の電力変換装置の主回路は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換して平滑用のコンデンサで構成される直流リンク部に供給するコンバータと、直流リンク部の直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧に変換して交流負荷である交流モータに供給するインバータで構成される。電力変換装置を交流電源に接続すると、交流電源が有するインダクタンス成分Lと直流リンク部のコンデンサCとでLC共振回路が形成される。
三相の交流電圧をダイオードからなるコンバータで整流すると、直流出力側に電源周波数の6倍の周波数の振動が発生することが知られている。このため、上述のLC共振回路の共振周波数が、電源周波数の6倍の周波数に一致すると、電力変換装置内の直流リンク部の電圧が大きく振動する。その結果、主回路部品の破損や交流モータの制御が不安定になる恐れがあった。
特に、平滑用のコンデンサに小容量のものを採用した場合は、このLC共振現象が生じる確率が高くなる。
これに対し、例えば、特許文献1には、この共振現象による過電圧の発生を抑制する技術が紹介されている。即ち、この特許文献1の図15では、同期モータをベクトル制御で駆動する電力変換装置において、その直流リンク部の電圧の振動を抑制する方法を記載している。
具体的には、直流リンク部の電圧を検出し、この検出電圧の交流成分を抽出し更にこの交流成分にゲインKを乗算して得られる信号により、q軸電圧指令を補正する。
これにより、直流リンク部の電圧が大きく振動して過電圧を発生することを防ぐことができるとしている。
WO2012/060357A1号公報(段落0082〜0085、図15)
従来の特許文献1では、q軸電圧指令を補正することで共振による過電圧の発生を抑制するものであるが、前段の電流制御系との関係で課題が生じ得る。即ち、電流制御系からみた場合、共振抑制の制御によって補正される電圧指令は外乱である。電流制御系の制御応答が、共振周波数と比較して高い場合は、共振抑制の制御によって補正される電圧指令を打ち消してしまう動作になり、共振抑制効果が十分得られない。このため、電流制御系の応答を低く設定することが強いられ、交流モータとしての運転領域にも制約を生じ得ることになる。
この発明は、以上のような従来の課題を解決するためになされたもので、電流制御系の応答を高くしても、LC共振現象による過電圧の発生を確実に防止することができる電力変換装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサに供給するコンバータ、コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換して交流負荷に供給するインバータ、dq二軸直交座標上のd軸電流指令値とd軸電流検出値との偏差が零となるようd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御器、dq二軸直交座標上のq軸電流指令値とq軸電流検出値との偏差が零となるようq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御器、およびd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値に基づきインバータを駆動するゲート信号を生成するゲート信号生成部を備えた電力変換装置であって、
コンデンサの電圧を検出する電圧検出部、この電圧検出部で検出した電圧の交流成分を抽出するフィルタ部、このフィルタ部からの出力に第一ゲインを乗算して出力する乗算器、この乗算器の出力をq軸電圧補正信号として出力するq軸電圧補償部、および乗算器の出力電圧によって流れるq軸電流成分を演算しq軸電流補正信号として出力するq軸電流補償部を備え、
q軸電流制御器は、q軸電流指令値にq軸電流補正信号を加算した値とq軸電流検出値との偏差が零となるようq軸電圧指令値を生成し、ゲート信号生成部は、d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値にq軸電圧補正信号を加算した信号に基づきゲート信号を生成することにより、交流電源が有するインダクタンス成分LとコンデンサCとで形成されるLC共振現象による過電圧の発生を抑制するようにしたものである。
この発明に係る電力変換装置は、以上のように、q軸電圧補償部に加え、乗算器の出力電圧によって流れるq軸電流成分を演算しq軸電流補正信号として出力するq軸電流補償部を備え、q軸電流指令値にq軸電流補正信号を加算した値とq軸電流検出値との偏差が零となるようq軸電圧指令値を生成し、d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値にq軸電圧補正信号を加算した信号に基づき生成したゲート信号によりインバータを制御するようにしたので、電流制御系の応答を上げても、電流による補正と電圧による補正による動作が干渉することなく、確実な共振抑制効果が得られる。
この発明の実施の形態1による電力変換装置の全体構成を示す図である。 図1の制御ユニット7の内部構成を示す図である。 電流制御系の応答速度を変化させた場合のDCリンク電圧Vdcの変化を示す図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置における制御ユニット7の内部構成を示す図である。 交流モータ3の消費電力とDCリンク電圧Vdcとの関係を示す図である。 図4の波高値導出手段19の動作を説明するための波形図である。 図4のテーブル20の入出力特性を示す図である。 この発明の実施の形態3による電力変換装置における制御ユニット7の内部構成を示す図である。 電流制御系の応答速度が十分高い場合の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態4による電力変換装置における制御ユニット7の内部構成を示す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置の全体構成を示す図である。電力変換装置の主回路は、三相の交流電源1からの三相交流電圧を直流電圧に変換し、平滑用のコンデンサ6で構成される直流リンク部5に供給するコンバータ2と、直流リンク部5の直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧に変換して交流負荷である交流モータ3に供給するインバータ4とからなる。
コンバータ2は、その内部の図示を省略しているが、通例、ダイオード素子を三相ブリッジに結線した構成で、インバータ4は、図示の通り、スイッチング素子Sとこれに逆並列に接続されたダイオード素子Dとを三相ブリッジに結線して構成される。
制御を担う制御ユニット7は、詳しくは後述するが、電圧検出部8で検出した直流リンク部5の、即ち、コンデンサ6のDCリンク電圧Vdc、速度指令値ω*および速度検出値ωを入力し、インバータ4の各スイッチング素子Sをオンオフ駆動するためのゲート信号Gu+、Gu−、Gv+、Gv−、Gw+、Gw−を生成する。
図1の制御ユニット7の内部構成を示す図2に基づき、以下、この発明の実施の形態1による電力変換装置の制御構成およびその動作について詳細に説明する。
dq二軸直交座標系で演算するベクトル制御方式を採用し、大きくは、q軸上で実行する速度制御系と、d軸上で実行する励磁制御系と、本願発明の主要部である共振抑制制御ブロック9とから構成される。
先ず、速度制御系では、速度制御器10は、上位制御系から入力される交流モータ3の速度指令値ω*と図示しない速度検出部から入力される速度検出値ωとの偏差が零となるよう、PI制御等でq軸電流指令値iq*を生成する。位相角導出手段11は、速度検出値ωを積分することで、二相/三相変換で必要となる位相角θeを後述するゲート信号生成部17に送出する。
励磁制御系では、図示しない励磁制御器により、d軸電流指令値id*を生成する。ここでは、d軸電流指令値id*=0に設定されているものとする。
d軸電流制御器10Dは、d軸電流指令値id*と図示しない電流検出部からのd軸電流検出値idとの偏差が零となるよう、PI制御等でd軸電圧指令値vd*を生成する。
次に、共振抑制制御ブロック9について説明する。フィルタ部としてのハイパスフィルタ12は、電圧検出部8で検出したDCリンク電圧Vdcの交流成分、ここでは、既述したように、交流電源1が有するインダクタンス成分Lとコンデンサ6の容量Cとで形成されるLC共振現象を想定しているので、その電源周波数の6倍の周波数の共振成分VdcACを出力する。乗算器13は、後述する電圧補正信号Vcmp*の大きさが、共振抑制効果を奏するのに適した値となるよう予め設定する第一ゲインK1を共振成分VdcACに乗算して出力する。
ここでは、q軸電圧補償部を構成する位相進み手段14は、乗算器13からの信号を所定の位相だけ進めて電圧補正信号Vcmp*として出力する。実際の制御動作においては、予め設定された制御周期毎に、電流や電圧等のデータのサンプリングやこれらデータを用いた演算を実行するが、当然ながら、この制御周期に基づき無駄時間が発生する。
この発明では、後述するように、電圧指令値に電圧補正信号を加算することで共振抑制を行うことから、適正な共振抑制の効果を得るためには、上述の無駄時間を補償する位相進み手段14が必要となるわけである。
制御周期および無駄時間の具体的な一例について、以下に説明する。
共振周波数FLCは、電源周波数の6倍であるため、例えば、60Hz系統においては、FLC=360Hzとなる。1制御周期当たりの時間Tcを250μsとすると、1制御周期に相当する、共振周波数における位相角θcは、(1)式で表される。
θc=360Hz・0.00025s・360deg=32.4deg ・・・(1)
通常、前回のサンプリング値を今回まで保持する、いわゆる0次ホールドを採用するため、この0次ホールド処理で制御周期の0.5倍、更に、演算処理で1制御周期を要するため、合計、制御周期の1.5倍の無駄時間が発生する。
従って、位相進み手段14としては、
32.4×1.5=48.6deg
の位相進みを実現する伝達機能を備えた回路構成に設計される。
もっとも、高速度の、従って一般に高価となる演算処理装置を装備して、この無駄時間が無視できる程度に制御周期を極短時間の値に設定できれば、q軸電圧補償部を構成する位相進み手段14で設定する位相を零とする、従って、実質的には、位相進み手段14を省略することもできる。この場合、q軸電圧補償部は、乗算器13からの信号をそのまま電圧補正信号Vcmp*として出力するものとする。
ここで、q軸電圧指令値vq*を補正することで、DCリンク電圧Vdcの共振振動を抑制する原理について説明する。
d軸電圧vd、q軸電圧vq、d軸電流id、q軸電流iqとすると、インバータの出力電力Pは(2)式で表される。
Figure 2016032382
vq、vq、id、iqが、それぞれΔvq、Δvq、Δid、Δiqだけ変動した場合の電力Pの変動をΔPとすると、(3)式が成立する。
Figure 2016032382
(2)式(3)式から、電力の変動ΔPは、(4)式で表される。
Figure 2016032382
(4)式右辺の、前段3項に関し、Δid、Δvdはid、vdと比較して微小であるので、ΔvdΔidの項は無視できる。同様に、後段3項に関しては、ΔvqΔiqの項を無視できる。この結果、電力の変動ΔPは、(5)式のように簡略化できる。
Figure 2016032382
(5)式に基づき、この発明の実施の形態1による電力変換装置においては、id=0に設定しており、かつ、後述するように、q軸電流を補正することから、ΔvqおよびΔiqを調整することにより、インバータの出力電力の変動ΔPを抑制し、即ち、LC共振現象による過電圧の発生を抑制するものである。
なお、後述する実施の形態3、4では、Δiqのみを調整するものである。
この共振を抑制するためには、DCリンク電圧Vdcが振動した場合、その振動を抑えるため次の操作をすればよい。
DCリンク電圧Vdcが上昇したら、出力電力を上昇させ、DCリンク電圧Vdcの上昇を抑える。
即ち、q軸電圧vqが大きくなるように補正する。
また、DCリンク電圧Vdcが低下したら、出力電力を低下させ、DCリンク電圧Vdcの低下を抑える。
即ち、q軸電圧vqが小さくなるように補正する。
従って、先の図2で説明した乗算器13で設定する第一ゲインK1は、符号としては正の数値を設定すればよいことがわかる。
次に、q軸電流補正信号iqcmp*を生成するq軸電流補償部を構成する位相遅れ手段15およびモータモデル16について説明する。このq軸電流補償部は、先の従来技術の課題として取り上げた、電流制御系の応答が共振抑制動作に影響を与えるという問題を解消するためのものである。
即ち、この問題とは、d軸電流制御器10Dおよびq軸電流制御器10Qで構成される電流制御系、ここでは、d軸電流id=0に設定するので、q軸電流制御器10Qの制御応答が関係する。即ち、電流制御系からみた場合、共振抑制の制御によって補正される電圧指令は外乱である。電流制御系の制御応答が、共振周波数と比較して高い場合は、共振抑制の制御によって補正される電圧指令を打ち消してしまう動作になり、共振抑制効果が十分得られない。
図3は、電流制御系の応答を、100Hz⇒200Hz⇒300Hzと上げていった場合の、DCリンク電圧Vdcの波形を示す。
応答が100Hz、200Hzでは、DCリンク電圧Vdcは抑制できているものの、応答が300Hzになると、DCリンク電圧Vdcが大きく振動していることがわかる。
これは、電流制御系の応答が上がると、共振抑制制御の電圧補正動作(360Hz)を打ち消してしまうためである。
そこで、この実施の形態1では、電圧指令の補正による電流の変化分を算出し、この変化分を、フィードフォワードで電流制御系の入力段に加算することで、実質的に、電圧指令の補正による電流の変化分が電流制御系にフィードバックされることを防止するq軸電流補償部、即ち、位相遅れ手段15およびモータモデル16を備えている。
この内、位相遅れ手段15は、乗算器13からの共振成分電圧VdcACの電圧信号を、制御周期の0.5倍に相当する位相だけ遅らせるものである。
先の図2で説明したように、電圧の補正に関し、制御周期に伴う無駄時間が制御周期の1.5倍になるが、この電流補償は、更に、その電圧によりフィードバックされる電流を対象とするものであるので、その場合の無駄時間は、制御周期の2倍に相当する値となる。言い換えると、ここでは、2制御周期分前の電圧信号に対応する電流を対象として補償動作を行う必要があるため、この電圧信号VdcACを制御周期の2倍に相当する位相だけ遅らせる必要がある。
もっとも、電圧補正の回路には、無駄時間を補償するため、制御周期の1.5倍に相当する位相だけ進める位相進め手段14を設けているので、差し引き、位相遅れ手段15は、上述したとおり、制御周期の0.5倍に相当する位相だけ遅らせるものとすればよい。
従って、無駄時間が無視できる程度に制御周期を極短時間の値に設定し位相進み手段14を省略する場合は、位相遅れ手段15は、制御周期の2倍に相当する位相だけ遅らせるものとする必要がある。
モータモデル16は、制御対象である交流モータ3のモータ定数で構成され、(6)式で計算される。
Figure 2016032382
ここで、Rは、固定子抵抗成分、Lqは、q軸インダクタンスである。
q軸電流補償部(位相遅れ手段15およびモータモデル16)で生成されたq軸電流補正信号iqcmp*は、q軸電流指令値iq*と加算され、この加算値とq軸電流検出値iqとの偏差が零となるようq軸電流制御器10Qが動作する。
以上の構成により、電流制御系の応答速度の程度に応じて、電流による補正と電圧による補正による動作が干渉することなく、確実な共振抑制効果が得られる。
以上のように、この発明の実施の形態1による電力変換装置では、電圧補正信号Vcmp*を生成するq軸電圧補償部(位相進み手段14)およびq軸電流補正信号iqcmp*を生成するq軸電流補償部(位相遅れ手段15およびモータモデル16)を備え、q軸電流指令値iq*にq軸電流補正信号iqcmp*を加算した値とq軸電流検出値iqとの偏差が零となるようq軸電圧指令値vq*を生成し、d軸電圧指令値vd*およびq軸電圧指令値vq*に電圧補正信号Vcmp*を加算した信号vq’*により得られるゲート信号に基づきインバータ4を制御するようにしたので、電流制御系の応答を上げても、電流による補正と電圧による補正による動作が干渉することなく、LC共振現象による過電圧の発生を確実に抑制することができる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による電力変換装置における制御ユニット7の内部構成を示す図である。実施の形態1の図2の場合と異なるのは、共振抑制制御ブロック9内に、共振抑制制御調整部18を備えた点である。以下、この部分を中心に説明する。
共振抑制制御が必要となる条件は、LC共振回路の共振周波数が電源周波数の6倍の周波数に一致するのに加え、インバータ4の出力電力が大きいことである。
図5は、共振周波数が電源周波数の6倍の周波数に一致する場合の交流モータ3の消費電力と、DCリンク電圧Vdcの振動の関係の一例を示している。左側(a)が負荷電力の小さい場合、右側(b)が負荷電力の大きい場合の、上段から順次、DCリンク電圧Vdc、モータ速度、出力電流を示している。
消費電力が大きいほど、平滑用のコンデンサ6に流入する電流が多くなりDCリンク電圧Vdcの振動が増大してしまう。逆に、交流モータ3の消費電力が少ない場合では、流入電流が小さくなるため、共振周波数が電源周波数の6倍の周波数に一致しても、DCリンク電圧Vdcの振動は小さくなる。この時は共振抑制制御を実施しなくても、DCリンク電圧Vdcは大きく振動しない。
一方、共振抑制制御を実施すると、交流モータ3とコンデンサ6との間でエネルギーのやり取りをするため、交流モータ3のトルクリプル増加につながるという不具合がある。
そこで、常に共振抑制の制御を行う先の実施の形態1とは異なり、この実施の形態2では、DCリンク電圧Vdcに過電圧を発生させる条件に応じて共振抑制制御の強弱を調整する共振抑制制御調整部18を新たに備えている。
この調整は、共振抑制制御調整部18内で設定する調整係数N(0〜1の範囲で設定する)を、乗算器21により、電圧補正信号Vcmpに乗算することにより行う。
即ち、乗算器13で設定する第一ゲインK1を、先の実施の形態1では、固定値としたが、この実施の形態2では、これに調整係数Nを乗算することで、実質的に、第一ゲインK1を、変化させるものと言える。
以下、この調整係数Nの導出方法について説明する。
DCリンク電圧Vdcの共振成分VdcACを入力し、波高値導出手段19を用いて、共振電圧VdcACの振幅VHを導出する。波高値導出手段19は、包絡線検波のような動作をし、共振成分VdcACの振動の大きさを抽出する。
この共振成分の振幅VHの大小で共振抑制の必要性が判断できる。VHが大きいほど、共振抑制が必要であるので、調整係数Nを大きくし、VHが小さいほど、共振抑制は不必要であるので、調整係数Nを小さくすればよい。テーブル20を用いて、共振成分の振幅VHから調整係数Nを決定する。
波高値導出手段19は、DCリンク電圧Vdcの共振成分VdcACを入力とし、以下の(7)式(8)式に基づき、その振幅VHを出力する。
Figure 2016032382
上式において、tは、現在値で、t−1は、1サンプル前の値である。共振成分の絶対値|VdcAC|の現在値が1サンプル前の値と比べて増加した場合(条件(i)の(7)式)は、|VdcAC|の現在値を共振成分の振幅VHとする。
逆に、共振成分の絶対値|VdcAC|の現在値が1サンプル前の値と比べて減少した場合(条件(ii)の(8)式)は、αを係数とするローパスフィルタを用いてVHを決定する。αは、0に近い小数を用いる。
(7)式に示すように、共振成分の振幅VHを増加しやすくすることで、共振成分が急激に増加した場合、振幅VHはこれに即応して上昇する。逆に、共振成分が減少する場合は、(8)式に示すように、振幅VHの追従を遅らせることで、共振抑制制御の急激なオン、オフの切り替わりを連続的に繰り返すことを防止し、共振抑制制御調整の動作が安定化する。
図6は、波高値導出手段19の動作を説明するもので、上段から順に、DCリンク電圧Vdc、共振成分電圧VdcAC、その絶対値|VdcAC|、共振成分の振幅VHの波形を示す。振幅VHが、|VdcAC|の波高値に沿っていることが確認できる。
テーブル20は、振幅VHを入力とし、調整係数Nを出力する。既述したように、振幅VHが大きいほど共振抑制制御が必要となるので、振幅VHが大きいほど調整係数Nが1に近づくように設定する。また、共振抑制制御の強弱の急激な変化を防止するため、ある程度の傾きをもたせる。
図7は、テーブル20の一例である。ここで、VH0は共振抑制制御のオン・オフの目安となる値であり、テーブル20を用いて制御を行うと、DCリンク電圧Vdcの振動波高値は、概ねVH0付近の値となる。
以上のように、この発明の実施の形態2による電力変換装置では、波高値導出手段19により、DCリンク電圧Vdcの共振成分VdcACの振幅VHを求め、この振幅VHに応じて電圧補正信号Vcmpを調整するようにしたので、電流制御系の応答を上げても、電流による補正と電圧による補正による動作が干渉することなく、LC共振現象による過電圧の発生を確実に抑制することができるとともに、低負荷時の不要な共振抑制制御を低減して、モータトルクリプルの増大を最小限に抑えることができる。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3による電力変換装置における制御ユニット7の内部構成を示す図である。先の実施の形態1の図2と異なる点は、共振抑制制御ブロック9において、電圧補正に係る制御系、即ち、電圧補正信号Vcmp*を生成する回路を省略している点である。
先の実施の形態1の図3において、電流制御系の応答を変化させた場合のDCリンク電圧Vdcの変化について説明したが、次の図9は、この電流制御系の応答速度を更に高め、共振周波数(本願の例では、360Hz)に比較して十分高い、ここでは、1000Hzに相当する値にした場合の特性を示す。
図9において、電流制御系、従って、q軸電流制御器10Qの応答速度が十分高いため、電流検出値と電流指令値とが一致、即ち、
q軸電流検出値iq=q軸電流指令値iq*+q軸電流補正信号iqcmp*
が成立しており、q軸電流補正信号iqcmp*がq軸電流検出値iqに確実に反映されており、従って、電圧補正を採用しなくても、十分な共振抑制効果が得られることがわかる。事実、DCリンク電圧Vdcの振動成分も小さい値に抑制されていることがわかる。
以上の検討結果に基づき、この実施の形態3では、図8に示したように、電圧補正に係る制御系を省略し、その分、構成が簡便となる利点がある。
なお、電圧補正に係る制御系を省略するということは、例えば、図2において、位相進み手段14から出力する電圧補正信号Vcmp*を零に設定することと等価であることから、この実施の形態3に係る発明も、本願請求項1に記載の発明に属するものと言える。
以上のように、この発明の実施の形態3による電力変換装置では、電流制御系の応答速度が共振周波数に相当する速度に比較して十分高い条件の下で、q軸電流補償部(位相遅れ手段15およびモータモデル16)を備え、電圧補正に係る制御系を省略したので、LC共振現象による過電圧の発生を確実に抑制することができるとともに、電圧補正に係る制御系を省略できるのでその分構成が簡便となる利点がある。
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4による電力変換装置における制御ユニット7の内部構成を示す図である。先の実施の形態3の図8で説明した共振抑制制御ブロック9に、先の実施の形態2の図4で説明した共振抑制制御調整部18を付加したものである。
各部の構成動作は説明済みであるので、重複の説明は避けるが、この実施の形態4による電力変換装置では、電流制御系の応答速度が共振周波数に相当する速度に比較して十分高い条件の下で、q軸電流補償部(位相遅れ手段15およびモータモデル16)、更には、共振抑制制御調整部18を備え、電圧補正に係る制御系を省略したので、LC共振現象による過電圧の発生を確実に抑制することができ、電圧補正に係る制御系を省略できるのでその分構成が簡便となる利点があるとともに、低負荷時の不要な共振抑制制御を低減して、モータトルクリプルの増大を最小限に抑えることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 交流電源、2 コンバータ、3 交流モータ、4 インバータ、
5 直流リンク部、6 コンデンサ、7 制御ユニット、8 電圧検出部、
9 共振抑制制御ブロック、10 速度制御器、10D d軸電流制御器、
10Q q軸電流制御器、12 ハイパスフィルタ、13,21 乗算器、
14 位相進み手段、15 位相遅れ手段、16 モータモデル、
17 ゲート信号生成部、18 共振抑制制御調整部、19 波高値導出手段、
20 テーブル。

Claims (6)

  1. 交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサに供給するコンバータ、前記コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換して交流負荷に供給するインバータ、dq二軸直交座標上のd軸電流指令値とd軸電流検出値との偏差が零となるようd軸電圧指令値を生成するd軸電流制御器、dq二軸直交座標上のq軸電流指令値とq軸電流検出値との偏差が零となるようq軸電圧指令値を生成するq軸電流制御器、および前記d軸電圧指令値および前記q軸電圧指令値に基づき前記インバータを駆動するゲート信号を生成するゲート信号生成部を備えた電力変換装置であって、
    前記コンデンサの電圧を検出する電圧検出部、この電圧検出部で検出した電圧の交流成分を抽出するフィルタ部、このフィルタ部からの出力に第一ゲインを乗算して出力する乗算器、この乗算器の出力を電圧補正信号として出力するq軸電圧補償部、および前記乗算器の出力電圧によって流れるq軸電流成分を演算しq軸電流補正信号として出力するq軸電流補償部を備え、
    前記q軸電流制御器は、前記q軸電流指令値に前記q軸電流補正信号を加算した値と前記q軸電流検出値との偏差が零となるよう前記q軸電圧指令値を生成し、前記ゲート信号生成部は、前記d軸電圧指令値および前記q軸電圧指令値に前記電圧補正信号を加算した信号に基づき前記ゲート信号を生成することにより、前記交流電源が有するインダクタンス成分Lと前記コンデンサCとで形成されるLC共振現象による過電圧の発生を抑制するようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  2. データのサンプリングと演算を予め設定した制御周期で行う場合、前記制御周期に基づく無駄時間を補償するため、前記q軸電圧補償部は、前記電圧補正信号を前記制御周期の1.5倍に相当する位相だけ進める位相進み手段を備え、前記q軸電流補償部は、前記q軸電流補正信号を前記制御周期の0.5倍に相当する位相だけ遅らせる位相遅れ手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記q軸電流制御器の制御応答速度が前記LC共振現象の共振周波数に相当する速度に比較して十分高い場合、前記q軸電圧補償部を省略し、前記ゲート信号生成部は、前記d軸電圧指令値および前記q軸電圧指令値に基づき前記ゲート信号を生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  4. データのサンプリングと演算を予め設定した制御周期で行う場合、前記制御周期に基づく無駄時間を補償するため、前記q軸電流補償部は、前記q軸電流補正信号を前記制御周期の2倍に相当する位相だけ遅らせる位相遅れ手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記フィルタ部で抽出した前記交流成分の波高値を出力する波高値導出手段を備え、前記第一ゲインを前記波高値に応じて変化させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記交流負荷は交流モータであり、
    前記d軸電流指令値を零に設定するとともに、前記交流モータの速度指令値と速度検出値との偏差が零となるよう前記q軸電流指令値を生成する速度制御器を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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