JP2016032086A - 色素増感型太陽電池用の増感色素、及び当該増感色素を備える色素増感型太陽電池。 - Google Patents

色素増感型太陽電池用の増感色素、及び当該増感色素を備える色素増感型太陽電池。 Download PDF

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Abstract

【課題】長波長域を含めた広範な波長域の太陽光を効率良く吸光できる優れた光電変換特性を有する増感色素、及び性能向上が図れる色素増感型太陽電池を提供する。【解決手段】下記式で示される増感色素、及び該増感色素を備えた色素増感型太陽電池。【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型太陽電池用の増感色素、及び当該増感色素を備える色素増感型太陽電池に関する。詳細には、特定構造を有するポルフィリン二量体の色素増感型太陽電池用の増感色素、及び当該増感色素を備える色素増感型太陽電池に関する。
色素増感型太陽電池とは、光エネルギーを直接電力に変換できる太陽電池の一種であり、簡便な構造を有し、材料及び製造コストが低いことから次世代型太陽電池として注目されている。色素増感型太陽電池は、透明導電体上に二酸化チタン等を焼成させて形成した半導体電極に色素を吸着させた光極と、光極に対して所定の間隔をもって設けられた対極と、光極と対極との間に封入された電解質層から構成される。入射した光により電池内の色素が励起状態となり、電子を放出する。放出された電子は半導体電極を介して光極に移行し、光極から外部に取り出される。電子は外部回路を経て対極に移動し、電解質層中の酸化還元系分子を介して色素が再生する。このサイクルを繰り返すことにより太陽光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
色素増感型太陽電池の実用化に際して、光電変換効率や長期安定性の向上等の観点から各種要素技術の開発が進められ、現在までに新規増感色素が報告されている。例えば、一般式(I)に示すN-縮合カルバゾール-亜鉛ポルフィリン-フリーベースポルフィリン(
N-fused carbazole-zinc porphyrin-free-base porphyrin triad:DTBC)が色素増感型太陽電池の増感色素として、800nm以上までの吸光を示し、太陽光の照射光強度から発電に至る変換効率(η)で5.21%を示めしたことが報告されている(非特許文献1)。
Figure 2016032086
一般式(I)
また、一般式(II)に示すYDD6と称する色素増感型太陽電池用の増感色素が報告されている(非特許文献2及び3)。YDD6は、ドナー基としてDTBCのN-縮合カルバゾールに代えN,N-ジ(アルキル置換フェニル)アミノ基を有し、ポルフィリンとして2分子の亜鉛−ポルフィリンを含み、2分子のポルフィリンの置換基を3,5-t-ブチルフェニル基から2,6-イソアミルオキシフェニル基に置換した構造を有する。一般的なポルフィリンはソーレー帯でのシャープな吸光と、Q帯と呼ばれる 500〜700 nm 付近の吸光を有するが、YDD6は、吸光ピーク波長741nmで550〜800nmをカバーする広範な吸光特性を備えており、近赤外領域側の長波長領域まで光電変換することができるとされている。
Figure 2016032086
一般式(II)
また、非特許文献2及び3には、3つのスペクトル的に相補的な3つの色素として、上記YDD6、2,6-ジアルコキシフェニル基を5位及び15位に導入した亜鉛-ポルフィリン1分子を持つポルフィリン色素YD2-oC8、有機色素CD4を組み合わせたこと、これにより量子変換効率(以下、「IPCE」と略する場合がある)が400〜700nmの領域で75〜80%、700〜800nmの領域で40〜45%に達したこと報告されている。
しかしながら、非特許文献1に記載のDTBCは長波長側の吸光ピーク波長が720nmであり、それよりも長波長側の吸光特性は低く、上記吸光ピーク波長における吸光係数が50,000/mol・cmと低かった。そのため、全太陽光スペクトルのうちの一部分の波長の光しか吸収できず、太陽電池としての性能が得られにくいという問題点があった。また、引用文献2及び3に記載のYDD6は、引用文献1に記載のDTBCよりも太陽光の吸収を長波長側まで延長することができるものの、エネルギー変換効率(η)は4.7%であり、IPCEも35%以下と低かった。そのため、光電変換効率の面で実用的な太陽電池の構築という市場の要求を満足させるものではなかった。したがって、色素増感型太陽電池の性能の更なる向上に寄与できる増感色素、特に、長波長域を含めた広範な波長域の太陽光を効率良く吸収できる優れた光電変換特性を有する増感色素が依然として求められていた。
Yizhu Liu他著、"N-fused carbazole-zinc porphyrin-free-base porphyrin triad for efficient near-IR dye-sensitized solar cells"、Chem. Commun., 2011, 47, 4010-4012 Hui-Ping Wu他著、"Molecular engineering of cocktail co-sensitization for efficient panchromatic porphyrin-sensitized solar cells"、Energy Environ. Sci., 2012,5, 9843-9848 Lu-Lin Li及びEric Wei-Guang Diau著、 "Porphyrin-sensitized solar cells"、Chem. Soc. Rev., 2013, 42, 291-304
本発明は、長波長域を含めた広範な波長域の太陽光を効率良く吸光できる優れた光電変換特性を有する増感色素の提供を目的とする。また、当該増感色素を備えた性能向上が図れる色素増感型太陽電池の構築を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定構造を有するポルフィリン二量体色素が、広範な波長域の太陽光を吸光し、かつ効率良く太陽光を吸光できる優れた吸光特性を有することを見出した。また、当該色素を色素増感型太陽電池の増感色素として利用した際に、当該色素が優れた光電変換特性を有すると共に内部損失の低減効果をも有し太陽電池の性能を大幅に向上できることを見出し、本発明者らはこれらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔4〕に関する。
〔1〕下記一般式(1)又は(2)で示される色素増感型太陽電池用の増感色素。
Figure 2016032086
一般式(1)
Figure 2016032086
一般式(2)
(一般式(1)又は(2)において、M1及びM2は、独立的に金属原子であり、R1及びR2は、独立的に炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基であり、R3、R4、R5及びR6は、独立的に、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐炭化水素基であり、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、独立的に、水素基、又は炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基であり、R7、R11、R12及びR16が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR8、R9、R10、R13、R14及びR15が水素基であり、R8、R10、R13及びR15が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR7、R9、R11、R12、R14及びR16が水素基であり、R9及びR14が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR7、R8、R10、R11、R12、R13、R15及びR16が水素基であり、R7、R9、R11、R12、R14及びR16が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR8、R10、R13、及びR15が水素基である。)
〔2〕M1及びM2が、亜鉛である上記〔1〕の増感色素。
〔3〕下記一般式(3)又は(4)で示される上記〔1〕又は〔2〕の増感色素。
Figure 2016032086
一般式(3)
Figure 2016032086
一般式(4)
上記〔1〕〜〔3〕の構成によれば、太陽光の吸光波長域が広く、効率良く太陽光を吸光できる優れた吸光特性を有し、色素増感型太陽電池用色素として優れた性能を有する増感色素を提供することができる。当該色素は色素増感型太陽電池の増感色素として好適に利用することができ、増感色素として優れた光電変換特性を発揮すると共に、内部損失を低減する効果をも有し電池性能の向上に寄与することができる。
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕の何れかの増感色素を備える色素増感型太陽電池。
上記〔4〕の構成によれば、優れた太陽光の吸光特性を有する本発明の色素を増感色素として備えた色素増感型太陽電池を提供できる。本発明の色素は、優れた光電変換特性を有すると共に色素増感型太陽電電池の内部損失を低減させる効果をも有することから、本発明の色素増感型太陽電池は優れた電池性能を発揮することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素の特徴的構造を示す図であり、本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-1の特徴的構造を例示する。 実施例1に示す本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-1の合成スキーム(PartA)を示す図である。 実施例1に示す本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-1の合成スキーム(PartB+最終工程)、及び目的産物DIPDAB-1の1H-NMRスペクトルを示す図である。 実施例2に示す本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-2の合成スキーム(PartA)を示す図である。 実施例2に示す本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-2の合成スキーム(PartB+最終工程)、及び目的産物DIPDAB-2の1H-NMRスペクトルを示す図である。 本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-1及びDIPDAB-2の吸光特性を評価した実施例3の結果を示す図である。 実施例4で作製した本発明の色素増感型太陽電池の分解概略図であり、本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す。 本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-1及びDIPDAB-2を利用した太陽電池のIPCEを評価した実施例4の結果を示す図である。 本発明の色素増感型太陽電池用の増感色素DIPDAB-1及びDIPDAB-2を利用した太陽電池効率を評価した実施例4の結果を示す図である。
本発明は、特定構造を有するポルフィリン二量体の色素増感型太陽電池用の増感色素(以下、「色素」と称する)、及び当該色素を増感色素として備える色素増感型太陽電池である。以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は、下記の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらは全て本発明の範囲内に包含される。
〔本発明の色素〕
本発明の色素は、ポルフィリン二量体構造をもち、2つのポルフィリン環上に異なる置換基が導入され、具体的には、一方のポルフィリン環にジアルコキシフェニル基、他方のポルフィリン環にジアルキルフェニル基、アルキルフェニル基又はトリアルキルフェニル基が導入されている。
本発明の色素は、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される。
Figure 2016032086
一般式(1)
Figure 2016032086
一般式(2)
上記一般式(1)及び(2)において、M1及びM2は、独立的に金属原子である。金属原子はポルフィリン環内部に配位できるものである限り、特に制限はない。好ましくは2価以上、特に好ましくは2価又は3価の金属原子である。具体的には、Zn、Cu、La、Lu、Y、In、Cd、Co、Mo、Mg、Al、Ru、Ni、Mn、Fe、Pd、Ag、Pt、Au、Er、Si、Ti、V、CrやRh等が挙げられ、好ましくはZnである。M1及びM2は同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。このように構成することにより、本発明の色素はポルフィリン二量体の双方のポルフィリン環に金属原子が配位した構造をとる。
R1及びR2は、独立的に炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である。好ましくは、炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐飽和炭化水素基、例えば、炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐アルキル基である。好ましくは直鎖アルキル基であり、特に好ましくは、ヘキシル基である。R1とR2は同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。したがって、本発明の色素は、好ましくはドナー基としてN,N-ジ(アルキル置換)フェニル-アミノ基を有する。
R3、R4、R5及びR6は、独立的に、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐炭化水素基である。好ましくは、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐飽和炭化水素基、例えば、炭素原子数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基である。好ましくは直鎖アルキル基であり、特に好ましくは、オクチル基である。R3、R4、R5及びR6は同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。したがって、本発明の色素は、好ましくは一方のポルフィリン環の5位及び15位に2,6-ジアルコキシフェニル基が導入された構造をとる。
R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、独立的に、水素基、又は炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基であり、R7、R11、R12及びR16が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR8、R9、R10、R13、R14及びR15が水素基であり、R8、R10、R13及びR15が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR7、R9、R11、R12、R14及びR16が水素基であり、R9及びR14が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR7、R8、R10、R11、R12、R13、R15及びR16が水素基であり、R7、R9、R11、R12、R14及びR16が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR8、R10、R13、及びR15が水素基である。つまり、炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基がフェニル基の第1位と5位、第2位と4位、第3位のみ、又は第1位と3位と5位に導入される。このとき、原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基は同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基は、好ましくは炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐飽和炭化水素基、例えば、炭素原子数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基である。好ましくは、分岐アルキル基であり、特に好ましくは、t-ブチル基である。したがって、本発明の色素は、好ましくは一方のポルフィリン環の5位及び15位に、2,6-ジアルキルフェニル基、3,5-ジアルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、又は2,4,6-トリアルキルフェニル基が導入された構造をとる。
アルキル基としては、これらの限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t-ペンチル基、n-ペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、s-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、s-ヘキシル基、t-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、s-ヘプチル基、t-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、s-オクチル基、t-オクチル基、ネオオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、s-ノニル基、t-ノニル基、ネオノニル基、n-デシル基、イソデシル基、s-デシル基、t-デシル基、ネオデシル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル基、s-デシル基、t-デシル基、ネオウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、s-ドデシル基、t-ドデシル基、ネオドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル基、s-トリデシル基、t-トリデシル基、ネオトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、s-テトラデシル基、t-テトラデシル基、ネオテトラデシル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、s-ペンタデシル基、t-ペンタデシル基、ネオペンタデシル基等を利用することができる。なお、“n”は、“normal”の略、“s”は、“sec”及び“secondery”の略、“t”は、“tert”及び“tertiary”の略である。
〔本発明の色素の好適例〕
本発明の色素の好適例は、下記一般式(3)又は一般式(4)で示される。明細書中、一般式(3)の本発明の色素を「DIPDAB-1」と、一般式(4)の本発明の色素を「DIPDAB-2」と称する場合がある。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2016032086
一般式(3)
Figure 2016032086
一般式(4)
〔本発明の色素の特性〕
本発明の色素は、上記特定の構造を有することで、太陽光の吸光波長域が広く、効率良く太陽光を吸光できる優れた吸光特性を有する。当該色素は色素増感型太陽電池の増感色素として好適に利用することができ、増感色素として優れた光電変換特性を発揮すると共に、内部損失を低減する効果をも有し電池性能の向上に寄与することができる。
本発明の色素の特徴的構造とそれに起因すると考えられる有利な特性について、前述の一般式(3)に示すDIPDAB-1を例にとって詳細に説明する。図1は、DIPDAB-1の有利な特性に寄与し得る特徴的構造を示す図である。
図1に示す1の特徴的構造は、2つのポルフィリン環の一方にはジアルキルフェニル基を、他方のポルフィリン環にはジアルコキシフェニル基をそれぞれポルフィリン環の5位及び15位に導入されていることである。つまり、2つのポルフィリン環に異なる置換基を導入している。これにより、色素同士の会合を抑制することができる。ポルフィリン環の一方のみジアルコキシフェニル基を導入することにより、色素増感型太陽電池における光極と電解質層との直接接触を妨げることができ、特に逆電子移動の抑制により内部損失を低減させることができる。したがって、当該特徴的構造をとることで、光極と電解質層の接触を適切に制御でき、光極から電解質層へ電子が流れる逆電子移動が生じることによる光の照射と無関係な逆電流の発生、及び、電解質層中において色素に電子を受け渡す電解質の移動を妨げるイオン移動抵抗の発生による内部損失を防止し、高いIPCE及び太陽電池効率を実現でき太陽電池の性能を向上させることができる。
一方、ポルフィリン二量体の双方のポルフィリン環にジアルコキシフェニル基が導入されている場合(前述の一般式(II)に示す非特許文献2及び3のYDD6を参照のこと)、又はジアルキルフェニル基が導入されている場合には、上記特性は得られない。
図1に示す2の特徴的構造は、ドナー基としてN,N-ジ(アルキル置換フェニル)-アミノ基が導入されているものである。当該ドナー基は強力な電子供与性を示し、電極への電荷注入効率の向上に寄与することができ、当該特徴的構造をとることで、太陽電池の性能を向上させることができる。
図1に示す3及び4の特徴的構造は、ポルフィリン2量体のポルフィリン環間、及びポルフィリン環とアクセプターであるフェニルカルボキシル基のベンゼン環間が炭素原子間の三重結合により結合されるものであり、これによりπ共役系が延長される。当該特徴的構造をとることで、Q帯における吸光ピーク波長が740nm付近にまで延長し吸光波長域を拡大することができる等、色素の吸光特性を向上でき、ひいては太陽電池の性能向上に貢献することができる。
図1に示す5の特徴的構造は、ポルフィリン2量体の双方のポルフィリン環に金属原子が配位している。これにより、Q帯における吸光係数が増大すると共に、900nm付近の吸光端における吸光係数の立ち上がりがシャープとなる。また、IPCE向上等、太陽電池の性能を向上させることができる。
〔本発明の色素の合成方法〕
本発明の色素は、下記の実施例1(DIPDAB-1)及び実施例2(DIPDAB-2)の記載の合成方法を参照して容易に合成することができる。なお、実施例1及び実施例2に記載の本発明の色素の合成方法の一例を示すものであり、これに限定するものではなく、適宜他の方法を用いて合成することができる。
また、反応化合物や試薬を適宜変更することにより、DIPDAB-1及びDIPDAB-2とは、ポルフィリン環のジアルコキシフェニル基のアルコキシ置換基の鎖長や分岐の有無、若しくはジアルキルフェニル基のアルキル置換基の鎖長や分岐の有無、またフェニル環上のアルキル置換基の位置が異なる本発明の色素を合成することができる。例えば、DIPDAB-1において、PartAの出発物質である2,6-ジ o-オクチルベンズアルデヒドのo-オクチル基や、PartBの出発物質である3,5-ジ tert-ブチルベンズアルデヒドのtert-ブチル基を適宜変更することができる。また、DIPDAB-2において、PartAの出発物質である3,5-ジ tert-ブチルベンズアルデヒドのtert-ブチル基や、PartBの出発物質である2,6-ジ o-オクチルベンズアルデヒドのo-オクチル基を適宜変更することができる。
〔本発明の色素増感型太陽電池〕
本発明の色素増感型太陽電池は、本発明の色素を含んで構成され、公知の色素増感型太陽電池に基づいて構成される。例えば、受光面の側から、透明基板、透明導電膜、金属酸化物に本発明の色素を担持させた半導体電極が順次積層された光極と、前記光極に対して所定の間隔をもって対向する共に導電性を有する対極と、前記光極と前記対極との間に封入された電解質層を有して構成される。
透明基板は、光透過性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、透明ガラス基板、半透明ガラス基板、透明樹脂基板等を利用することができる。透明導電性膜は、例えば、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(TO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)等を利用することができる。
半導体電極は、TiO2、ZnO、SnO2、ZrO2、WO3、Nb2O5、Ta2O5、In2O3、SrTiO3、BaTiO3、CaTiO3、及びKTaO3等の金属酸化物を使用して構築することができる。このとき、単一の化合物を使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。好ましくは、光電変換効率が高いTiO2を使用する。金属酸化物は、多くの色素を吸着できるように表面積が大きいものが好ましい。例えば、多孔質の形態で使用される。したがって、金属酸化物の超微粒子を焼成した多孔質薄膜として形成することができ、この多孔質薄膜に本発明の色素を吸着することができる。本発明の色素は、アクセプター部位にカルボキシル基を有することから、このカルボキシル基と金属酸化物を脱水反応させることにより、本発明の色素を半導体電極表面に化学結合により吸着させることができる。
電解質層は光極と対極との間に形成される空間に電解質を充填することにより形成される。電解質は、光励起されて光極へ電子を注入した後の色素を還元するための酸化還元対等を含んで構成される。電解質層は、電解質を適当な溶媒に加えた電解質液とすることができる。また、電解液に公知の高分子或いは低分子ゲル化剤を添加して得られるゲル状等の電解質層とすることができ、p型半導体やホール輸送材等を利用して固体電解質層として構成してもよい。
電解質層を電解液として調製する場合、溶媒は電解質を溶解できる化合物であれば特に限定されないが、電気化学的に不活性で、比誘電率が高くかつ粘度が低い溶媒が好ましい。例えば、メトキシプロピオニトリルやアセトニトリルのようなニトリル化合物、γ−ブチロラクトンやバレロラクトンのようなラクトン化合物、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのようなカーボネート化合物、炭酸プロピレン等が挙げられる。また、イミダゾリウム塩などの溶融塩を用いてもよい。
電解質としては、前述の通り、発明の増感色素や対極と電子の受け渡しを行える酸化還元対が好ましく、当該電子の受け渡しを助長する作用を有する化合物等を含んでいてもよい。また、これらをそれぞれ単独あるいは複数組み合せてもよい。酸化還元対を構成する物質としては、例えば、ヨウ素(I3 -/I-系の電解質)、臭素(Br3 -/Br-系の電解質)、塩素などのハロゲン、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化リチウムのようなハロゲン化物などが挙げられる。また、Co-トリスビピリジン等のCo錯体を用いてもよい。電子の受け渡しを効率よく行うための添加剤としては、4−t−ブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾールのようなヘテロ環状化合物などが挙げられる。
対極は、電解質中の酸化還元対に効率よく電子を渡すことができる材料から構成されるものであれば特に限定されるものではない。例えば、前述の透明導電膜が成膜された透明基板の電解質側に、白金、金、銀、銅等の金属の単体や合金の金属薄膜電極を形成することが好ましい。金属薄膜電極の他に、カーボンやグラファイト等の導電性材料を用いた導電性膜として構成してもよく、金属成分との混合物を使用してもよい。また、透明基板の代わりに金属基板を使用してもよい。
本発明の色素増感型太陽電池の作動機構を説明すると、光極に光が照射されると、入射した光により本発明の色素が基底状態(HOMO)から励起状態(LUMO)となり、電子を放出する。放出された電子は金属酸化物を介して光極に移行し、光極から外部回路へ取り出される。一方、放出によって電子が不足した状態なった色素は、電解質層中の電解質物質から電子を供給され再生される。一方、外部回路を経て対極に移動した電子は、電解質物質に電子を供給する。このサイクルを繰り返すことにより光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
〔本発明の色素増感型太陽電池の特性〕
本発明の色素増感型太陽電池は、優れた太陽光の吸光特性を有する本発明の色素を増感色素として備える。本発明の色素は、優れた光電変換効率を有すると共に、色素増感型太陽電電池の内部損失を低減させる効果をも有する。したがって、本発明の色素増感型太陽電池は優れた電池性能を発揮することができる。
〔本発明の色素増感型太陽電池の製造方法〕
本発明の色素増感型太陽電池は、本発明の色素を増感色素として利用することにより公知の色素増感型太陽電池の製造方法に基づいて製造することができる。例えば、透明基板上に、透明導電膜を塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法やCVD法等の公知の技術により薄膜成形する。このとき、予め透明導電膜が透明基板上に薄膜成形された市販品を利用することもできる。この透明基板に金属酸化物の微粒子をスピンコート法、ローラコート法、スプレー法やスクリーン印刷法などの公知技術によって塗布し、この塗膜を焼成する。続いて、これを、本発明の色素を適当な溶媒中に溶解させた溶液に浸漬等することにより金属酸化物に色素を吸着させることができ、こうして光極を作製することができる。次いで、別途調製した対極を、光極に対向させて配置し、必要に応じて光極と対極の接触面を封止し電池セルを組み立てる。続いて、光極と対極との間に形成される空間に電解質液を注入することにより、目的とする本発明の色素増感型太陽電池を製造することができる。なお、電解質層として、電解液ではなく固体電解質層を使用する場合には、光極、固体電解質層、対極の順に配置するように電池セルを組み立てればよい。
実施例1.本発明の色素の合成例−1
本実施例では、本発明の色素の合成例を示す。ここで、合成を行った本発明の色素は、ドナー側のポルフィリン環に2,6-ジアルコキシフェニルが導入された前述の〔化3〕に示す「DIPDAB-1」と称するものである。合成スキームについては図2及び3に示した。
〔図2−Part A〕
(工程1)
ジクロロメタン(Dichloromethane(以下、「DCM」と称する))(4L)に2, 6- ジ o-オクチル ベンズアルデヒド(2, 6- di o-octyl benzaldehyde)−化合物1(9.92 g, 27.3 mmol)とジピロメタン(dipyrromethane)−化合物2(4.0 g, 27.3 mmol)を溶解し脱気して0℃に冷却した。ここにトリフルオロ酢酸(trifluoro acetic acid(以下、「TFA」と称する))(0.26 mL、2.7 mmol)をゆっくりと加えた。徐々に加温し、23℃で4時間撹拌後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-パラ-ベンゾキノン(2,3-dichloro-5,6-dicyano-p-benzoquinone(以下、「DDQ」と称する))(7.46 g, 33.0 mmol)を加え、さらに1時間撹拌を継続した。濾過後溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、さらにMeOH / DCMによる再結晶を行い、中間体3を得た(収量3.33 g、収率27 %)。
(工程2)
DCM(3 L)に中間体3(3.0 g、3.0 mmol)を溶解し、-20℃に冷却後DCM(340 mL)に溶解したN-ブロモスクシンイミド(N-bromo succinimide)(以下「NBS」と称する)(0.49 g、2.7 mmol)をゆっくり加え、乾燥窒素気流下で6時間撹拌した。アセトン(acetone)(30 mL)を加えて反応を停止後、溶媒を留去した。残った粗生成物はシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製しさらにMeOH / DCMによる再結晶を行い、中間体4(収量2.16 g、収率66.6 %)を得た。
(工程3)
DCM(400 mL)と MeOH(200 mL)の混合溶媒に中間体4(2.0 g、1.8 mmol) とZn(OAc)2.2H2O(4.16 g、18.9 mmol)を溶解し、23℃にて3時間撹拌した。純水100 mLを加えて反応を停止し、DCM(2×100 mL)で抽出を行った。抽出液は純水で洗浄後、無水MgSO4によって乾燥させた。その後溶媒を留去し中間体5(収量2.08 g、収率98 %)を得た。
(工程4)
THF (60 mL) と NEt3 (10 mL)の混合溶媒に、中間体5(2.0 g、1.7 mmol)、 トリイソプロピルシリルアセチレン(triisopropylacetylene)(0.81 mL、4.4 mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(0.25 g、0.35 mmol)、CuI(0.10 g、0.5 mmol)を加えて溶解し、乾燥窒素気流下で穏やかに2時間還流した。溶媒を留去後、粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し中間体6(収量1.5 g、収率 83 %)を得た。
(工程5)
DCM(200 mL)に中間体6(800 mg、0.65 mmol)と中間体7(547 mg、1.97 mmol)を加えて溶解し、ここにヨードベンゼンジアセタート(iodobenzene diacetate(以下、「PIDA」と称する))(211 mg、0.65mmol)とテトラクロロ金酸ナトリウム 二水和物(sodium tetrachloroaurate dihydrate)(313 mg、0.78 mmol)を加え、0℃で30分撹拌した。反応終了後、チオ硫酸ナトリウム(sodium thiosulfate)飽和水溶液を加えて反応を停止し溶媒を留去して粗生成物8を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し中間体8(収量300 mg、収率 49.02 %)を得た。
なお、中間体7は以下の工程で合成した。
4- n-ヘキシル ブロモ ベンゼン(4- n-hexyl bromo benzene)−化合物A(2.78 g、 11.525 m mol)、4-n-ヘキシルアニリン(4-n-hexyl aniline)−化合物B(2 g、11.299 m mol)、ナトリウム tert-ブトキシド(sodium tert- butoxide)(2.17g、22.598 m mol)を脱気した乾燥トルエン(dry degassed toluene)(20 mL)に溶解し、さらにPd2(dba)3 (103.47 mg, 0.1129 m mol) および DPE Phos (243.16 mg, 0.4519 m mol) を加え、アルゴンカス気流下で12時間還流した。反応終了後室温まで放冷し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムによって精製し無色の液体である中間体7であるジ(4-n-ヘキシル-フェニル)アミン(Di(4-n-hexyl-phenyl) amine)(収量1.8 g、収率46%)を得た。
〔図3−Part B〕
(工程6)
DCM(4 L)とTFA(2.6 mL、34.2 mmol)の混合溶媒にジピロメタン−化合物2(4 g、27.76 mmol) と3, 5-ジ tert-ブチル ベンズアルデヒド−化合物9(5.96 g、29.16 mmol)を溶解し、0℃にてTFA(2.6 mL、34.2 mmol)加えた。乾燥窒素気流下23℃で4時間撹拌し、さらにDDQ(7.4 g、33.0 mmol)を加え1時間撹拌を継続した。溶媒を留去後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いでMeOH/DCMによる再結晶を行い、中間体10(収量3 g、収率16.1 %)を得た。
(工程7)
DCM(4L)に中間体10(150 mL、5.82 mmol)を溶解し、-20℃に冷却したところへNBS(1.24 g、6.98 mmol)を加え、乾燥窒素気流下で-20℃を維持したまま6時間撹拌を継続した。アセトン(50 mL)で反応を停止後、溶媒を留去し、残った粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いでMeOH/ DCMによる再結晶を行い、中間体11(収量2.4 g、収率54.054 %)を得た。
(工程8)
DCM(2.5 mL)とMeOH(200 mL)の混合溶媒に中間体11(4 g、5.23 mmol) と Zn(OAc)2.2H2O(11.4 g、52.32 mmol)を溶解し、23℃で3時間撹拌した。純水100 mLで反応を停止したのちDCM(2×200 mL)で抽出を行い、有機層は純水によって洗浄し無水Na2SO4によって乾燥させた。溶媒を留去し中間体12(収量3.6 g、収率83.3 %)を得た。
(工程9)
THF(120 mL)と NEt3(60 mL)の混合溶媒に中間体12(3 g、3.62 mmol)、 トリイソプロピルシリルアセチレン(4.1 mL、18.27 mmol)、Pd(PPh3)2Cl2 (228.6 mg、0.32 mmol)、CuI(60.7 g、0.32 mmol)を溶解し、乾燥窒素気流下で2時間、穏やかに還流させた。溶媒を留去し、残った粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し中間体13(収量2.7 g、 収率80 %)を得た。
(工程10)
中間体13(1 g、1.07 mmol)をDCM(250 mL)に溶解し、0℃に冷却後乾燥窒素気流下でDCM(25 mL)に溶解したNBS(191 mg、1.07 mmol)をゆっくり加え、30分撹拌した。アセトン(30 mL)を加えて反応を停止し、溶媒を留去した。残った粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いでMeOH / DCMによる再結晶を行い、中間体14(収量800 mg、収率73.66 %)を得た。
(工程11)
図2のPartAからの中間体8(600 mg、0.38 mmol)を無水 THF(30 mL)に溶解し、ここにTBAF の1M-THF溶液(0.6 mL、0.04 mmol)をゆっくり加えた。この混合物をアルゴン気流下、室温で暗所において45分間撹拌した後、純水を加えて反応を停止させた。この混合物をDCMを用いて2回抽出し無水Na2SO4によって乾燥させた。溶媒を留去後、得られた中間体15をそのまま次の工程に使用した。
〔図3−最終工程〕
(工程12)
PartBからの中間体15と中間体14(564.8 mg、0.56 mmol)をよく乾燥させた丸底フラスコに移し、無水THF (90 mL)と蒸留精製したトリエチルアミン(triethylamine)(15 mL)を加え、アルゴンガスを用いて20分間脱気した。ここにPd2(dba)3(69.9 mg、0.077 mmol)および AsPh3(235 mg、0.77 mmol)を加え、アルゴン気流下暗所にて5時間還留した。溶媒を留去後、得られた粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体16(収量400 mg、収率 44.64 %)を得た。
(工程13)
中間体16(300 mg、0.13 mmol)を無水THF(20 mL)に溶解しここにTBAFの1M-THF (0.3 mL、0.13 mmol)をゆっくり加えた。これをアルゴン気流下暗所、室温で45分間撹拌し、次いで純水を加えて反応を停止した。DCMを用いて2回抽出を行い、無水Na2SO4で乾燥させた。溶媒を留去して得られた粗生成物を中間体17(192 mg、0.77 mmol)と共によく乾燥させた丸底フラスコに移し、無水THF(60 mL)と蒸留精製したトリエチルアミン(12 mL)を加え、アルゴンガスを用いて20分間脱気した。ここにPd2(dba)3 (24 mg、0.03 mmol)および AsPh3(78 mg、0.3 mmol)を加え、アルゴン気流下暗所にて5時間還留した。溶媒を留去後、得られた粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、DIPDAB-1(収量150 mg, 50.67 %)を得た。なお、DIPDAB-1の1H-NMRの結果についても図3に示す。
実施例2.本発明の色素の合成例−2
本実施例では、本発明の色素の合成例を示す。ここで、合成を行った本発明の色素は、アクセプター側のポルフィリン環に2,6-ジアルコキシフェニルが導入された前述の〔化4〕に示す「DIPDAB-2」と称するものである。合成スキームについては図4及び5に示した。
〔図4−PartA〕
(工程1)
3, 5-ジ tert-ブチル ベンズアルデヒド(3, 5-di tert-butyl benzaldehyde)−化合物1 (2.98g、14.58mmol)とジピロメタン−化合物2(2 g、13.88 mmol)を2LのDCM に溶解し0℃に冷却し遮光した。これを撹拌しつつ、DCM(10 mL)に溶解したTFA(1.3 mL、 17.1 mmol)をゆっくり滴下し、徐々に加温して室温(20〜23℃)にて3.5時間撹拌を続けた。次にDCM(50 mL)に溶解したDDQ(3.7 g、16.29 mmol)を5〜10分かけてゆっくり加え反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、得られた粗反応物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し中間体3を得た(収量1.5 g、収率16.1 %)。中間体3は青紫色を呈した。
(工程2)
中間体3(2 g、2.91 mmol)をDCM(2 L)に溶解し、-10~0℃に冷却した。ここにDCM (15 mL)に溶解したNBS(0.62 g, 3.49 mmol)をゆっくり加え、温度を維持したまま撹拌して反応を進めた。反応の終了は薄層クロマトグラフィーによって確認した。反応終了後、過剰のNBSはアセトン(50 mL)を加え10分間撹拌することで失活させ、溶媒を留去した。得られた粗反応物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し中間体4(収量1.2 g、収率54.05 %)を得た。
(工程3)
中間体4(2 g、2.616 mmol)をDCM(1.2 L)に溶解し、MeOH(30 mL)に溶解したZn(OAc)2.2H20(5.7 g、26.1600 mmol)をゆっくり加えた。室温で1時間撹拌し、反応終了後溶媒を留去した。得られた粗生成物をMeOH (200 mL)に加え15分間撹拌後、冷凍庫に12時間静置した。次にこれを濾別し、得られた固形物を300mLのMeOH を用いて洗浄することで中間体5(収量1.8 g、収率83.3 %)を得た。
(工程4)
中間体5(500 mg、0.603 mmol)と トリイソプロピルシリルアセチレン(554 mg、3.045 mmol)を乾燥 THF (20 mL)に溶解し、ここにトリエチルアミン(35 mL、0.25 mmol)を加え、容器内をアルゴンガスに置換した。この混合物にCuI(10.11 mg、0.054 mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(38.1 mg、0.054 mmol)を加え、アルゴンガス気流下で3時間還流した。反応終了後溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し中間体6(収量450 mg、収率80.0 %)を得た。
(工程5)
DCM(200 mL)に中間体6(450.0 mg、0.483 mmol)と実施例1と同様にして調製した中間体7(489.0 mg、1.450 mmol)を溶解し0℃に冷却して撹拌を続けながらPIDA (155.6 mg、0.483 mmol) とテトラクロロ金酸ナトリウム 二水和物(288.5 mg、0.725 mmol)を加え、大気開放下、室温(20〜23℃)にて30分撹拌を続けて反応させた。反応終了後、ここにチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液を加えて触媒を失活させ、分液漏斗を用いて有機層を取り分けた。水層をCH2Cl2(2×30 mL)で抽出しこれを先に取り分けた有機層に加え、飽和食塩水20 mLで洗浄後、Na2SO4を加えて乾燥させた。溶媒を留去して粗生成物を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し中間体8(収量300 mg、収率49.02 %)を得た。
〔図5−PartB〕
(工程6)
DCM (4 L)にジピロメタン−化合物2(4.0 g、27.3 mmol)、2, 6- ジ-o-オクチル ベンズアルデヒド‐化合物9(9.92 g、27.3 mmol)を溶解し、脱気を行った。0℃に冷却した溶液に、 TFA(0.26 mL、2.7 mmol)を加えたのち、乾燥窒素気流下室温(20〜23℃)で4時間反応を行い、次いでここにDDQ(7.46 g、33.0 mmol)を加えさらに1時間撹拌を続けた後、濾過した。溶媒を留去したのちシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いでMeOH/DCMによる再結晶を行い、紫色の粉末状の中間体10(収量3.33 g、収率27 %)を得た。
(工程7)
DCM(3L)に中間体10(3.0 g、3.0 mmol)を溶解し-20℃に冷却して撹拌し、ここにDCM(340 mL)に溶解したNBS(0.49 g、2.7 mmol)をゆっくり加え、乾燥窒素気流下で6時間撹拌を継続した。アセトン(30 mL)を加えて反応を停止後、溶媒を留去した。得られた粗生成物シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、MeOH/ DCMによって再結晶を行うことで中間体11(収量2.16 g、収率 66.6 %)を得た。
(工程8)
DCM(400 mL)とMeOH(200 mL)の混合溶媒に中間体11(2.0 g、1.8 mmol)とZn(OAc)2.2H2O(4.16 g、18.9 mmol)を溶解し室温(20〜23℃)にて3時間撹拌した。100 mLの水を加えて反応を停止し、有機層をとりわけ、水槽はDCMで抽出(2×100 mL)を行った。これら有機層を合わせて水洗し、無水MgSO4によって乾燥させた。溶媒を留去し中間体12(収量2.08 g、収率 98 %)を得た。
(工程9)
中間体12(2.0 g、1.7 mmol)、トリイソプロピルシリルアセチレン(0.81 mL、 4.4 mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(0.25 g、0.35 mmol)、CuI(0.10 g、0.5 mmol)を、 THF(60 mL)、トリエチルアミン(10 mL)の混合溶媒に溶解し、乾燥窒素気流下で2時間還留した。溶媒を留去し、残った粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体13(収量1.5 g、収率 83 %)を得た。
(工程10)
中間体13(1 g、0.82 mmol)を DCM(250 mL)に溶解して0℃に冷却し、乾燥窒素気流下で撹拌しつつNBS(146 mg、0.82 mmol)をDCM(25 mL)に溶解した溶液をゆっくり加え、さらに30分撹拌を続けた。溶媒を留去後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体14(収量800 mg、収率75.18 %)を得た。
(工程11)
図4のPartAからの中間体8(400 mg、0.32 mmol)を無水 THF(30 mL)に溶解し、ここにTBAF の1M-THF溶液(0.3 mL, 0.03 mmol)をゆっくり加えた。この混合物をアルゴン気流下、室温で暗所において45分間撹拌した後、純水を加えて反応を停止させた。この混合物をDCMを用いて2回抽出し無水Na2SO4によって乾燥させた。溶媒を留去後、得られた粗生成物15をそのまま次の工程に使用した。
〔図5−最終工程〕
(工程12)
図5のPartBからの中間体15と中間体14(679.6 mg、0.52 mmol) をよく乾燥させた丸底フラスコに移し、無水THF(60 mL)と蒸留精製したトリエチルアミン(12 mL)を加え、アルゴンガスを用いて20分間脱気した。ここにPd2(dba)3(66.1 mg、0.072 mmol) および AsPh3(231.2 mg、0.72 mmol)を加え、アルゴン気流下暗所にて5時間還留した。溶媒を留去後、得られた粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体16(収量250 mg、収率34.02 %)を得た。
(工程13)
中間体16(200 mg、0.08 mmol)を無水THF(20 mL) に溶解し、ここにTBAFの1M-THF(0.2 mL、0.01 mmol)をゆっくり加えた。これをアルゴン気流下暗所、室温で45分間撹拌し、次いで純水を加えて反応を停止した。DCMを用いて2回抽出を行い、無水Na2SO4で乾燥させた。溶媒を留去して得られた粗生成物を中間体17(213.6 mg、0.86 mmol)と共によく乾燥させた丸底フラスコに移し、無水THF(60 mL)と蒸留精製したトリエチルアミン(12 mL)を加え、アルゴンガスを用いて20分間脱気した。ここにPd2(dba)3 (15.77 mg、0.02 mmol)および AsPh3(52.7 mg、0.2 mmol)を加え、アルゴン気流下暗所にて5時間還留した。溶媒を留去後、得られた粗生成物をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、DIPDAB-2(収量100 mg、収率50.76 %)を得た。なお、DIPDAB-2の1H-NMR分析の結果についても図5に示す。
実施例3.本発明の色素の吸光特性評価
本実施例では、実施例1及び2で合成したDIPDAB-1及びDIPDAB-2の吸光特性評価を実施した。
(評価対象色素)
評価対象とした色素は、実施例1及び2で合成したDIPDAB-1及びDIPDAB-2であり、比較例として前述の一般式(I)に示す非特許文献1のDTBCについても色素の吸光特性を評価
した。なお、DTBCは、非特許文献1に記載の方法に準じて別途合成した。
(評価方法)
吸光特性評価は、それぞれの色素の0.01mM AcCN/t-BtOH=1:1溶液について、紫外可視吸光光度計(島津製作所製)を用いて吸光測定を行った。
(評価結果)
結果を図6に示し、図中、横軸は波長(nm)を、縦軸は吸光度である。
何れの色素もポルフィリン系化合物の特徴的な吸光波形を示した。400〜500nm領域のソーレー帯の吸光については、DTBCに対してDIPDAB-1及びDIPDAB -2共に吸光領域の大きな変化は見られなかった。Q帯と呼ばれる領域においてDIPDAB-1及びDIPDAB-2は何れもDTBCに対して長波長側の吸光ピーク波長がおよそ20nm長波長化すると共に吸光度が向上していることが判明した。なお、DTBCで認められた630nm付近の吸光ピークはDIPDAB-1及びDIPDAB-2では消失しているが、元々強い吸光ではなくこのピークが消失したことによる太陽電池性能への影響はほとんど無いと考えられる。
したがって、本発明の色素は、DTBCでは吸光を示さなかったか、若しくは吸光を示したとしても低い吸光度であった長波長側の領域を含めた幅広い波長域の光を吸収することができることが判明した。当該色素を利用することで色素増感型太陽電池の光電変換特性をより高めることができ、本発明の色素は、増感色素として優れた特性を有することが理解できる。
実施例4.本発明の色素を利用した色素増感型太陽電池の性能評価
本実施例では、実施例1及び2で合成したDIPDAB-1及びDIPDAB-2を用いて色素増感型太陽電池セルを構築し、その性能を評価した。なお、色素増感型太陽電池の性能は、IPCE及び太陽電池効率により評価した。
(評価対象色素)
ここで、評価対象とした色素は、実施例1及び2で合成したDIPDAB-1及びDIPDAB-2であり、比較例として実施例3と同様に非特許文献1のDTBCについても評価した。なお、各色素は、色素増感型太陽電池の作製に際して、適当な溶媒に溶解して使用した。
(色素増感型太陽電池の作製)
ここで作製した色素増感型太陽電池1の分解概略図を図7に示す。なお、本実施例で作製した色素増感型太陽電池1は、本発明の一例を示すものに過ぎず、他の構成を有するものについても、本発明の色素を含む限り本発明の一部を為すことを当業者は理解できる。
図7に示す通り、色素増感型太陽電池1は、光極2、対極3および樹脂膜のスペーサ4から構成されている。光極2は、酸化チタンナノ粒子焼結膜(ポーラス膜)の半導体電極7、ガラスの光極透明基板8、および光極透明導電膜9から構成されている。また、対極3は、電解液注入孔12が設けられ、対極透明導電膜11が付いたガラスの対極透明基板10と、白金触媒膜13とから構成されている。
光極2は、日本板硝子社製のFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜付きガラス基板8上に、Dysol社製のTiO2ナノ粒子ペースト18NR-Tをスクリーン印刷法によって成膜し空気中で500℃1時間焼成することにより多孔質の半導体電極7を形成した。焼成後のTiO2の膜厚がおよそ10μmとなるように、数回〜10数回スクリーン印刷による重ね塗りを行った。次いでこの基板を各色素の0.02mM溶液に3時間浸漬後、エタノールで洗浄し、乾燥させることにより作製した。このとき、他社製の透明導電膜付ガラス基板にTiO2以外の別の金属酸化物を塗布し、焼成したものに色素溶液を浸漬することにより光極を作成してもよい。
対極3は、電解液を注入する注入孔12を設けた対極透明導電膜11が付いたガラスの対極透明基板10(光極と同じFTO膜付きガラス基板)上に、塩化白金酸のアルコール溶液を塗布した後、空気中で430℃にて加熱焼成し、白金触媒膜13を形成することにより作製した。このとき、ガラス基板の代わりに金属板を用いてもよく、また白金触媒膜の代わりに炭素粉末を用いてもよい。
光極2および対極3を、図7に示すように、電極間隔を所定間隔に保つため25μm厚の熱可塑性樹脂膜のスペーサ4を間に挟むように対向配置して圧着し、対局側から半田ごて等で加熱することで熱融着させ、光極2と対極3とを互いに接合した。その後、注入孔12から電解液を注入し、注入孔12の上に熱可塑性樹脂フィルム(図示しない)およびガラス薄板(図示しない)をのせ、これを半田ごてなどで加熱し融着させ、電解液を封止することにより、目的の太陽電池を作製した。
なお、電解液には、ヨウ素、ヨウ化リチウム、イミダゾリウム塩、t-ブチルピリジンなどをアセトニトリルに溶解したものを使用した。
(評価方法)
IPCE測定方法
IPCEの測定にはコニカミノルタ社製のIPCE測定装置を使用した。光源としてはキセノンランプを使用し、バイアス光にはハロゲンランプを光源とした。測定は室温にて行った。
太陽電池性能測定方法
JIS C8912 等級AAAのキセノンランプを光源として用い、1sun、AM1.5に近似した光照射下にて電流電圧特性を測定した。
(評価結果)
各色素のIPCEの測定結果を図8に示し、図中、横軸は波長(nm)、縦軸はIPCE(%)である。また、各色素の電流−電圧特性の測定結果を図9に示し、図中、横軸は電圧(V)、縦軸は電流密度(mA/cm2)であり、表1に、図9の結果から導かれた短絡電流密度(Jsc〔mA/cm2〕)、開放電圧(Voc〔V〕)、形状因子(フィルファクター:FF)、及び太陽電池効率(%)を表1に要約する。なお、形状因子は図9より、太陽電池効率はJsc×Voc×FFにより算出した。
Figure 2016032086
図8に示す通り、DIPDAB-1及びDIPDAB-2を利用した色素増感型太陽電池のIPCEは、DTBCに比べて何れの波長域でも増加しており、特に長波長域での両者のIPCE値の差は顕著であった。また、図9及び表1に示す通り、DIPDAB-1及びDIPDAB-2を利用した太陽電池は、DTBCに比べて短絡電流密度と開放電圧が共に向上し、太陽電池効率をそれぞれ7.74%、及び7.68%にまで向上できることが判明した。
したがって、本発明の色素を利用した本発明の色素増感型太陽電池のIPCE及び太陽電池効率は従来公知のDTBCよりも高いことが判明した。また、光電変換が可能な領域を長波長側に延長することができ、太陽電池性能の大幅な向上を確認できた。
本発明は、太陽光を広波長域で効率良く吸光できる増感色素、及び当該色素を用いた性能向上が図れる色素増感型太陽電池を提供でき、多種多様な技術分野において利用価値が高いものである。
1 色素増感型太陽電池
2 光極
3 対極
4 スペーサ
5 電解質
6 透明電極
7 半導体電極
8 光極透明基板
9 光極透明導電膜
10 対極透明基板
11 対極透明導電膜
12 注入孔
13 白金触媒膜

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)又は(2)で示される色素増感型太陽電池用の増感色素。
    Figure 2016032086
    一般式(1)
    Figure 2016032086
    一般式(2)
    (一般式(1)又は(2)において、M1及びM2は、独立的に金属成分であり、R1及びR2は、独立的に炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基であり、R3、R4、R5及びR6は、独立的に、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐炭化水素基であり、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、独立的に、水素基、又は炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基であり、R7、R11、R12及びR16が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR8、R9、R10、R13、R14及びR15が水素基であり、R8、R10、R13及びR15が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR7、R9、R11、R12、R14及びR16が水素基であり、R9及びR14が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR7、R8、R10、R11、R12、R13、R15及びR16が水素基であり、R7、R9、R11、R12、R14及びR16が炭素原子数1〜15の直鎖若しくは分岐炭化水素基である場合には他のR8、R10、R13、及びR15が水素基である。)
  2. M1及びM2が、亜鉛である請求項1に記載の増感色素。
  3. 下記一般式(3)又は(4)で示される請求項1又は2に記載の増感色素。
    Figure 2016032086
    一般式(3)
    Figure 2016032086
    一般式(4)
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の増感色素を備える色素増感型太陽電池。
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