JP2016031207A - 冷蔵庫 - Google Patents

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明姫 田中
浩俊 渡邊
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Abstract

【課題】貯蔵室のロック解除の操作感を付与できる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫は、貯蔵室と、下段収納容器6bと、下段収納容器6b内を前・後部領域とに仕切る仕切り部材74と、下段収納容器6bの上部で前後に移動可能な上段収納容器6cと、上段収納容器6cに設けられる第一係合手段80、83、96、98と、仕切り部材74の上部に設けられる第二係合手段75と、上段収納容器6cに設けられ第一係合手段と第二係合手段との係合を解除する際に後方に押圧されるハンドル82と、第一係合手段に設けられハンドル82に当接するとともにハンドル82が後方に押圧される際に弾性変形してハンドル82に抵抗力を付与し、係合が解除される際に弾性変形の量が増加した状態から弾性変形の量を減少させて抵抗力を減少させる弾性部材103とを備える。
【選択図】図21

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
従来、収納ケース内の貯蔵物の乾燥を抑えることができる冷蔵庫が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1の請求項1には、「前面に開口部を有する貯蔵室と、貯蔵物を収納するとともに前後にスライド自在に支持される収納ケースと、前記収納ケースの上面を前後にスライドして開閉するとともに閉じた際に前後の少なくとも一方の端部で前記収納ケースとの間を密閉する小物ケースと、前記収納ケースの他方の端部に開口する調整口と、前記収納ケースに配されるとともに前記調整口と所定の間隔を設けて前記調整口の正面を覆う仕切板と、を設けたことを特徴とする冷蔵庫」が記載されている。
また、特許文献2の請求項1には、「前面に開口部を有する貯蔵室と、貯蔵物を収納するとともに前後にスライド可能に支持される収納ケースと、前記収納ケースの上面を前後にスライドして開閉する小物ケースと、前記収納ケースに設けられる第1係合部と前記小物ケースに設けられる第2係合部とを有して前記小物ケースによって前記収納ケースの上面を閉じた状態で第1、第2係合部の係合により前記小物ケースの位置を固定する固定部と、前記固定部の係合を解除する操作レバーと、を備えたことを特徴とする冷蔵庫」が記載されている。
特開2013−036664号公報 特開2013−050295号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、収納ケース内を区分けする着脱式の仕切りについては記載されておらず、またさらに小物ケースと仕切りとの間を係合する構成についても記載されていない。
特許文献2に記載の装置では、小物ケースと収納ケースとの間を係合し、操作レバーを操作して係合を解除する構成が記載されているが、収納ケースを仕切る仕切りについては記載されていない。また、小物ケースを閉じる際には操作レバーを操作して係合を行わなければならないので、使用者が操作レバーを操作し忘れた場合には、収納ケースと小物ケースとは密閉されないままとなって収納物の鮮度が維持できない、という課題がある。
加えて、操作レバーでロックを解除する際、ユーザが明確にロックを解除したという操作感が希薄である。そのため、ユーザは、ロックが解除されたか否かを明瞭に認知できないという課題がある。
また、収納ケースの成形時の変形による影響に対しては配慮がなされていない。
そこで、本発明は上記実状に鑑み、貯蔵室のロック解除の操作感を付与できる冷蔵庫の提供を目的とする。
前記課題を解決するため、第1の本発明の冷蔵庫は、前面が開口される貯蔵室と、 前記貯蔵室内を前後に移動可能に支持される下段収納容器と、前記下段収納容器に着脱自在に設けられ、前記下段収納容器内を前部領域と後部領域とに仕切る仕切り部材と、前記下段収納容器の上部に載置されて前後に移動可能な上段収納容器と、前記上段収納容器に設けられる第一係合手段と、前記仕切り部材の上部に設けられ、前記上段収納容器を前記下段収納容器に対して後方寄りに位置する状態から前方に移動した場合に前記第一係合手段が所定位置で係合することで、前記上段収納容器が前記仕切り部材に固定される第二係合手段と、前記上段収納容器に設けられ、前記第一係合手段と前記第二係合手段との係合を解除する際に後方に押圧されるハンドルと、前記第一係合手段に設けられ、前記ハンドルに当接するとともに前記ハンドルが後方に押圧される際に弾性変形して前記ハンドルに抵抗力を付与し、前記係合が解除される際に前記弾性変形の量が増加した状態から前記弾性変形の量を減少させて前記抵抗力を減少させる弾性部材とを備えている。
第2の本発明の冷蔵庫は、前面が開口される貯蔵室と、前記貯蔵室内を前後に移動可能に支持される下段収納容器と、前記下段収納容器の上部に載置されて前後に移動可能な上段収納容器と、前記上段収納容器に設けられる第一係合手段と、前記下段収納容器の上部に設けられ、前記上段収納容器を前記下段収納容器に対して後方寄りに位置する状態から前方に移動した場合に前記第一係合手段が所定位置で係合することで、前記上段収納容器が前記下段収納容器に固定される第二係合手段と、前記上段収納容器に設けられ、前記第一係合手段と前記第二係合手段との係合を解除する際に後方に押圧されるハンドルと、前記第一係合手段に設けられ、前記ハンドルに当接するとともに前記ハンドルが後方に押圧される際に弾性変形して前記ハンドルに抵抗力を付与し、前記係合が解除される際に、前記弾性変形の量が増加した状態から前記弾性変形の量を減少させて前記抵抗力を減少させる弾性部材とを備えている。
本発明によれば、貯蔵室のロック解除の操作感を付与できる冷蔵庫を実現できる。
本発明の実施形態における冷蔵庫の正面図。 図1のB方向から見た冷蔵庫の平面図。 図1のA−A断面を模式的に示す側断面図。 冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図。 図3の要部拡大説明図。 野菜室の構成を示す図1のA−A部分断面図。 野菜室の構成を示す図1のC−C断面図。 図7のD−D断面図。 図7のE−E断面図。 野菜室の下段収納容器と上段収納容器との配置を示す平面図。 野菜室仕切りを斜め前方から見た斜視図。 図11のF−F断面図である。 野菜室仕切りを斜め後方からみた分解斜視図。 野菜室仕切りと下段収納容器との配置を示す平面図。 図13のG−G断面図。 野菜室の構成を示す分解斜視図。 (a)はラッチ手段を斜め上前方から見た斜視図、(b)はラッチ手段を斜め下後方から見た斜視図。 (a)〜(c)はラッチ手段を上段収納容器に取付ける手順を示した斜視図。 図18(c)のG−G断面図。 ラッチ手段の構造を示す前方から見た斜視図であり、(a)は使用者がハンドルを操作しない状態の斜視図、(b)は使用者がハンドルを操作した状態の斜視図。 (a)は図20(a)のH−H断面図、(b)は(a)と(c)との中間の状態を示す断面図、(c)は図20(b)のJ−J断面図、。 上段収納容器を閉じる際のラッチの動作を示す図であり、(a)は上段収納容器が仕切りに係合する前の断面図、(b)は上段収納容器が仕切りに係合する際の断面図。 ラッチ手段を前方から見た部分透視正面図。 理想的に野菜室仕切りが下段収納容器内にセットされた状態の図15のK−K断面模式図。 (a)は比較例の一例における成形時の熱影響で歪んだ下段収納容器の底板と野菜室仕切りの関係を説明する図7のD−D断面に対応する模式図、(b)は比較例の他例における成形時の熱影響で歪んだ下段収納容器の底板と野菜室仕切りの関係を説明する図7のD−D断面に対応する模式図。 (a)は実施形態の一例の野菜室仕切りが下段収納容器内にセットされた状態の図15のK−K断面模式図、(b)は実施形態の他例の野菜室仕切りが下段収納容器内にセットされた状態の図15のK−K断面模式図。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向は図1中に示す上下左右の方向を基準とし、前後の方向は図2中に示す前後の方向を基準とする。
まず、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の全体構成について説明する。
≪冷蔵庫の全体構成≫
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、上部から下部にかけて、冷蔵室2と、左右に並べた製氷室3及び上段冷凍室4と、下段冷凍室5と、野菜室6とを備えている。なお、一例として、冷蔵室2及び野菜室6は、およそ3〜5℃の冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室3、上段冷凍室4及び下段冷凍室5は、およそ−18℃の冷凍温度帯の貯蔵室である。
冷蔵室2は、左右に分割された、前方側(図1の紙面手前側)に観音開きするいわゆるフレンチ型の冷蔵室扉2a(第一の扉)及び冷蔵室扉2b(第二の扉)を有している。冷蔵室扉2a、2bは、それぞれヒンジ17a及びヒンジ17bの周りに回動する。左右の冷蔵室扉2a、2bが閉塞した際に左右の冷蔵室扉2a、2b間に生じる隙間を閉鎖するために、冷蔵室扉2aにおける冷蔵室扉2bに近接した辺に沿って、回転仕切り18が設けられている。
図2は、図1のB方向から見た冷蔵庫の平面図(図1のB方向矢視図)である。
回転仕切り18は、扉2aに設けられた回転仕切り支点19周りに回動自在に軸支されている。扉2aが閉じた際には回転仕切り18は扉2aと平行に位置して左側の扉2aと右側の扉2bの間の隙間を塞ぐ。
また、使用者が扉2aを開くと、回転仕切り18は図示しないカムの作用によって、回転仕切り支点19の周りに扉2aと略直交する位置まで回動する。そのため、回転仕切り18は、扉2bと干渉することなく開く。
また、冷蔵庫1は、扉2a、2bを完全に閉じ切る前に、扉2a、2bを閉じる方向に付勢し、いわゆる半ドアを防止するクローザを備えている。
図1に示すように、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、及び野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、及び野菜室扉6aを備えている。なお、以下の説明において、左右の冷蔵室扉2a、2b、製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、及び野菜室扉6aのそれぞれは、単に扉2a、扉2b、扉3a、扉4a、扉5a、及び扉6aと称する場合がある。
冷蔵庫1は、扉2a、扉2b、扉3a、扉4a、扉5a、及び扉6aのそれぞれの開閉状態を検知する扉センサ(図示省略)と、これらの扉2a、2b、3a、4a、5a、6aの少なくとも何れかが開放していると判定された状態が所定時間(例えば、1分間以上)継続された場合に、使用者にその旨を報知する報知手段(図示省略)と、冷蔵室2、上段冷凍室4、下段冷凍室5等の温度設定をする温度設定器、所定の操作部、表示部等を備える図1に示すコントロールパネル40等を備えている。
図3は、図1のA−A断面を模式的に示す側断面図である。
図3に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、内箱10aと外箱10bとの間に発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体10により隔てられている。この断熱箱体10は、複数の真空断熱材14が実装されている。
庫内は、上下方向に配置された複数の貯蔵室の温度帯が異なる場合、断熱仕切壁11a、11bで断熱的に区画されている。即ち、上側の断熱仕切壁11aにより、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室2と、冷凍温度帯の貯蔵室である上段冷凍室4及び製氷室3(図1参照)とが隔てられている。また、下側の断熱仕切壁11bにより、冷凍温度帯の貯蔵室である下段冷凍室5と、冷蔵温度帯の貯蔵室である野菜室6とが隔てられている。
扉2a、2bの庫内側には複数の扉ポケット13が設けられている。また、冷蔵室2は複数の棚12により縦方向に複数の貯蔵スペースに区画されている。
上段冷凍室4及び下段冷凍室5それぞれの貯蔵室の前方に設けられた扉4a、5aの後方に、収納容器4b、5bがそれぞれ設けられている。製氷室3にも同様に、扉3aの後方に、収納容器3bが設けられている。
野菜室6には、貯蔵室の前方に設けられた扉6aの後方に、下段収納容器6bと、下段収納容器6bの上方の上段収納容器6cと、下段収納容器6bに着脱自在に設けられた野菜室仕切り74とが、設けられている。下段収納容器6bは、上段収納容器6cが上方にある場合(図3の場合)、上段収納容器6cと野菜室仕切り74とにより半密閉状態となり、内部の野菜等の乾燥が抑制される構成である。この場合、上段収納容器6cは、下方の下段収納容器6bにロックされる構成となっている。
なお、下段収納容器6bと上段収納容器6cと野菜室仕切り74の詳細な構成については、後述する。
そして、扉3a、4a、5a、6aの手前に設けられる取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、収納容器3b、4b、5b、6b、6cが引き出せるようになっている。
図3に示すように、扉2a、2b、3a、4a、5a、6aは、その周囲にドアパッキン15が設けられている。各扉2a、2b、3a、4a、5a、6aを閉じた際、ドアパッキン15が、断熱箱体10の前面を形成する開口周縁部と密着することで、貯蔵空間(冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、及び野菜室6)の内部が閉塞されて密閉され、これらの貯蔵空間からの外部への冷気の漏れを防止している。
<冷蔵庫1の冷気>
冷却器7は、下段冷凍室5の略背部の位置に設けられた冷却器収納室8内に配置されている。冷却器7は、冷却器配管7dに多数のフィン(図示せず)が形成され、冷却器配管7d内の冷媒と空気との間で熱交換されている。
冷却器7の上方には、庫内送風機9(例えば、モータ駆動するファン)が設けられている。冷却器7で熱交換して冷却された空気(以下、冷却された低温の空気を「冷気」という)は、庫内送風機9によって冷蔵室送風ダクト22、野菜室送風ダクト25(図4参照)、製氷室送風ダクト26a、上段冷凍室送風ダクト26b及び下段冷凍室送風ダクト27を介して、冷蔵室2、野菜室6、製氷室3、上段冷凍室4及び下段冷凍室5の各貯蔵室へ送られるようになっている。
図4は、冷蔵庫1の庫内の構成を表す正面図である。
冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5及び野菜室6への各送風ダクトは、図4中の破線で示すように冷蔵庫1の各貯蔵室の背面側に設けられている。
冷却器7の冷気がどの貯蔵室へ送られるかは、冷蔵温度帯室冷気制御手段20及び冷凍温度帯室冷気制御手段21のそれぞれの開閉動作により制御されている。
ここで、冷蔵温度帯室冷気制御手段20は、独立した2つの開口部の第一の開口20a、第二の開口20bを備える所謂ツインダンパである。第一の開口20aは冷蔵室送風ダクト22への送風を制御し、第二の開口20bは野菜室送風ダクト25への送風を制御している。また、冷凍温度帯室冷気制御手段21は、単独の開口部を備えたシングルダンパであり、製氷室送風ダクト26a(図3参照)、上段冷凍室送風ダクト26b(図3参照)及び下段冷凍室送風ダクト27(図3参照)への送風を制御している。
具体的には、冷蔵温度帯室冷気制御手段20の第一の開口20aが開状態のとき、冷気は、冷蔵室上流ダクト23(図5参照)及び冷蔵室送風ダクト22を経て冷蔵室2に送られる。
つまり、冷気は、冷蔵室送風ダクト22の延在方向に沿って複数設けられた吹出口2cから冷蔵室2に送られる。なお、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷蔵室2の下部に設けられた戻り口2dから冷蔵室戻りダクト24を経て、冷却器収納室8の側方下部から冷却器収納室8内に流入し、冷却器7と熱交換する。
冷蔵温度帯室冷気制御手段20の第二の開口20bが開状態のとき、冷気は、冷蔵室上流ダクト23(図5参照)及び野菜室送風ダクト25を経て、吹出口25aから野菜室6に送られる。なお、野菜室6を冷却した冷気は、図3に示すように、野菜室6の前面近傍から戻り口25bを経て、冷却器収納室8の下部から冷却器収納室8内に流入し、冷却器7と熱交換する。ちなみに、野菜室6を循環する風量は、冷蔵室2を循環する風量や冷凍温度帯室冷気制御手段21を循環する風量に比べて少なくなっている。
野菜室6を循環する冷気は、上段収納容器6cが、下方の下段収納容器6bの上方にあってロックされている場合には、下段収納容器6b内に流入しないように構成されている。これにより、下段収納容器6b内には冷気が循環しないため、野菜等は冷気に直接晒されず乾燥が抑制され、含有する水分が保持され新鮮さを保つことができる。
冷凍温度帯室冷気制御手段21が開状態のとき、冷気は、製氷室送風ダクト26a(図3参照)や上段冷凍室送風ダクト26b(図3参照)を経て、吹出口3c、4c(図4参照)から製氷室3及び上段冷凍室4のそれぞれに送られる。また、図3に示すように、冷気は下段冷凍室送風ダクト27を経て、吹出口5cから下段冷凍室5に送られる。このように、冷凍温度帯室冷気制御手段21は、後記の送風機カバー31(図5参照)の上方に取り付けられ、製氷室3への送風を容易にしている。
なお、図3に示すように、製氷室3に製氷室送風ダクト26aを介して送風された冷気及び上段冷凍室4に前記の上段冷凍室送風ダクト26bを介して送風された冷気は、下段冷凍室5に下降する。そして、この冷気は、下段冷凍室5に下段冷凍室送風ダクト27を介して送風された冷気と共に、下段冷凍室5の奥下方に設けられた後記の冷凍室戻り口28を介して、冷却器収納室8内に流入し、冷却器7と熱交換する。
ちなみに、冷凍室戻り口28の横幅寸法は、冷却器7の左右の幅寸法とほぼ等しい。これにより、冷却器収納室8内に流入した空気が、容易に冷却器7の外面に接することができ、効率よく冷却器7により冷却される。
図5は、図3の要部拡大説明図である。
吹出口3c、4c、5cが形成される冷凍温度帯室背面仕切29は、上段冷凍室4、製氷室3及び下段冷凍室5と、冷却器収納室8との間を区画している。
庫内送風機9が取り付けられる送風機支持部30は、冷却器収納室8と冷凍温度帯室背面仕切29との間を区画する。
送風機カバー31は、庫内送風機9の前面を覆うように配置されている。送風機カバー31と冷凍温度帯室背面仕切29との間には、庫内送風機9によって送風された冷気を吹出口3c、4c、5cに導くための、製氷室送風ダクト26a、上段冷凍室送風ダクト26b及び下段冷凍室送風ダクト27が形成されている。また、送風機カバー31の上部には、吹出口31aが形成されており、この吹出口31aに冷凍温度帯室冷気制御手段21が設けられている。
また、送風機カバー31は、庫内送風機9によって送風された冷気を冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に送風する役割も果たしている。すなわち、送風機カバー31に設けられた冷凍温度帯室冷気制御手段21側に流れない冷気は、冷蔵室上流ダクト23を通過して冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に導かれる。
また、送風機カバー31は、庫内送風機9の前面に整流部31bを備えている。整流部31bは、吹き出す冷気が引き起こす乱流を整流し、騒音の発生を防止するようになっている。
また、冷蔵温度帯室冷気制御手段20及び冷凍温度帯室冷気制御手段21が開状態のとき、大部分の冷気が冷凍温度帯室冷気制御手段21側に送られて、残りの他の冷気が冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に導かれるように、各送風ダクト26a、26b、27が構成されている。これにより、温度帯の異なる貯蔵室である冷凍温度帯室(製氷室3、上段冷凍室4及び下段冷凍室5)及び冷蔵温度帯室(冷蔵室2及び野菜室6)に、1つの冷却器7で冷気を供給することができる構成である。
以上説明したように、冷蔵庫1の各貯蔵室へ送風する冷気の切り替えは、冷蔵温度帯室冷気制御手段20及び冷凍温度帯室冷気制御手段21それぞれを適宜開閉制御することで行われる。
<機械室50>
図4に示すように、断熱箱体10の下部背面側には、機械室50が設けられている。機械室50には、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機51と、冷媒と空気とを熱交換させる凝縮器52と、凝縮器52における冷媒と空気の熱交換を促進させる庫外送風機53と、細管である減圧手段54とが、配置されている。
なお、圧縮機51、凝縮器52、減圧手段54は、冷却器7(蒸発器)と配管で接続され、冷媒が流通する冷媒経路(冷媒回路)が形成されている。
冷却器7の下方には、図5に示すように、除霜手段である除霜ヒータ35が設置されている。また、除霜ヒータ35の上方には、除霜水が除霜ヒータ35に滴下することを防止するため、上部カバー36が設けられている。
冷却器7及びその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜の除霜(融解)によって生じた除霜水は、冷却器収納室8の下部に備えられた樋32に流入した後に、排水管33を介して機械室50に配された蒸発皿34に達する。蒸発皿34内の除霜水は、圧縮機51や凝縮器52(図4参照)の熱により蒸発させられ、機械室50外に排出される。
<冷蔵庫1の制御>
図3に示すように、冷蔵庫1の天井壁の上面側には、制御部として、CPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御手段である制御基板41が配置されている。冷蔵庫1には、冷蔵室2の温度を検出する冷蔵室温度センサ44、野菜室6の温度を検出する野菜室温度センサ45、冷凍温度帯室(製氷室3、上段冷凍室4及び下段冷凍室5)の温度を検出する冷凍室温度センサ46、冷却器7の温度を検出する冷却器温度センサ47等の温度センサが設けられ、検出した温度が制御基板41に入力されるようになっている。
また、制御基板41は、扉2a、2b、3a、4a、5a、6aの開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示せず)、扉2aに設けられた前記のコントロールパネル40(図1参照)と接続されている。
制御基板41は、前記のROMに予め搭載されたプログラムを実行することで、下記の冷蔵庫1全体の運転を制御する構成である。
すなわち、冷蔵庫1全体の運転は、圧縮機51のON/OFFや回転速度の制御、冷蔵温度帯室冷気制御手段20及び冷凍温度帯室冷気制御手段21を個別に駆動するそれぞれの駆動モータ(図示省略)の制御、庫内送風機9のON/OFFや回転速度の制御、庫外送風機53(図4参照)のON/OFFや回転速度等の制御、扉開放状態を報知する報知手段のON/OFF等の制御で遂行される。
<野菜室6>
次に、野菜室6の構成について、図6から図10を用いて詳細に説明する。
図6は、野菜室6の構成を示す図1のA−A部分断面図である。
図7は、野菜室6の構成を示す図1のC−C断面図である。
図8は、図7のD−D断面図、図9は図7のE−E断面図である。
図10は、野菜室6の下段収納容器6bと上段収納容器6cとの配置を示す平面図である。
冷蔵庫1の前面に沿って設けられた野菜室扉6a(図6参照)には、左右両側の側面に、後方に向けて延出した一対の支持レール55が設けられている。支持レール55の前端近傍は、内箱10aの内側に設けられた本体ローラ56(図7参照)に載置されている。
一対の支持レール55の後側の端部は、互いにレール補強57(図6参照)を介して接続され、変形しにくいよう構成されて必要な強度を得ている。
支持レール55の後端近傍には支持ローラ58(図7参照)が設けられる。支持ローラ58は、冷蔵庫1の内箱10a(図3参照)に沿って前後方向に設けられた本体レール59に沿って前後方向に移動可能な構成である。支持レール55には下段収納容器6bが載置され、下段収納容器6bは支持レール55と一体となって前後方向に移動可能である。
下段収納容器6bの前方側の一辺は、底面との間に段差60(図8参照)を介して一段低く配置された収納凹部61を形成しており、例えば大型の樹脂容器入り飲料などの背の高い容器入り食品の収納に好適となっている。
下段収納容器6bの後面側には、下段収納容器6bの内部に収納された野菜類から発生した水分を下段収納容器6bの外部の空気に放出させる、水分吸収放出手段62が設けられている。
水分吸収放出手段62は、下段収納容器6bの外側から冷却される熱伝導度の高い例えばアルミニウム製の高熱伝導性部材63と、高熱伝導性部材63(図6参照)よりも後面側には高熱伝導性部材63と下部を接し、吸水性の高い例えば繊維をシート状に構成した吸水放出部材64(図6参照)を設けている。
下段収納容器6b内の野菜から発生した水分は、高熱伝導性部材63の表面で冷却されて結露して水滴となり、吸水放出部材64に吸水されて毛細管現象によって吸水放出部材64は湿潤する。吸水放出部材64に含まれる水分は、野菜室6の容器(下段収納容器6b,上段収納容器6c)と内箱10aとの間に流れる低温の空気に接触することで、この低温の空気中に放出される。
図9に示すように、下段収納容器6bの上面には底面と前面と後面と左側面と右側面とを備えた上段収納容器6cが載置されている。上段収納容器6cは概ね下段収納容器6bの内側に適切な隙間65を配して嵌合されている。上段収納容器6cの前面と後面と左側面と右側面の上側の辺は、外側に向けて厚さをもって折り返したフランジ部66として剛性を得ている。
フランジ部66の外周はさらに下方に向けて延出された載置部67となっており、載置部67を下段収納容器6bの左右両側の壁面の上端を外側に折り返したフランジ部68に載置し、所定の範囲に前後方向に移動可能とされている。図6、図7および図10は、上段収納容器6cが下段収納容器6bに対して最も前方に寄って配置された状態であり、この場合、野菜室6は冷蔵庫本体1Hに対して閉じた状態である。野菜室6内から引き出された状態の上段収納容器6cが野菜室6側に押されると、野菜室6の内壁面を構成する内箱10aに凹形状に形成された引出レール(図示しない)に支持される。また、野菜室扉6aを閉じた状態では、上段収納容器6cが下段収納容器6bの上端縁によって支持される。
図6に示すように、上段収納容器6cの底面の下段収納容器6bに近接した側であって、下段収納容器6bの後側の辺に沿って例えば柔軟なゴム製のパッキン69が設けられている。野菜室6が閉じられた際、パッキン69が下段収納容器6bの後側の辺を形成する箇所と接することによって、下段収納容器6bの後側の辺を形成する箇所を密閉する。
図7に示すように、野菜室6が閉じられた際には、下段収納容器6bの左右両側面上端に設けられた凹部70と、上段収納容器6cの左右両側面の載置部67(図9参照)に設けられた凸部71とが互いに嵌合する所謂落とし込みによって位置決めされている。
ここで、凹部70と凸部71との落とし込みによる嵌合は強固なものではない。つまり、上段収納容器6cに対して前方から所定以上の力を加えれば凸部71が凹部70から外れ、上段収納容器6cは下段収納容器6bに対して後方に移動可能となる構成である。
図6に示すように、上段収納容器6cの後部に後方に向けて設けられる第一の当接部72と、断熱仕切壁11bに前方に向けて設けられた第二の当接部73とが当接することで、上段収納容器6cの後方への移動を制限する構成である。なお、上段収納容器6cの後方への移動が所定位置で規制される構成であれば、必ずしも断熱仕切壁11bに第二の当接部73を設ける構成に限定されない。
上段収納容器6cの前方中央部には、詳細な構成は後記するが、野菜室仕切り74と上段収納容器6cとの間をロックし、かつハンドル操作によってロック解除できるラッチ手段80が設けられている。
平面図の図10に示すように、ラッチ手段80の前方の面は上段収納容器6cの前方の面と概ね同一面、又は所定の奥行き寸法内に配置されている。ラッチ手段80が下段収納容器6bの前部収納スペース6b1(図7参照)に対して大きく出張らないようにすることで、収納凹部61に飲料などを収納するときの邪魔にならないようにしている。
図6に示すように、下段収納容器6bの底面と、収納凹部61との境界となる段差60に近接して、段差60の高い方の面に、下段収納容器6bを前後に仕切る野菜室仕切り74が着脱可能に設けられている。野菜室仕切り74を設置した場合には、下段収納容器6bの野菜室仕切り74よりも前方は前部収納スペース6b1、野菜室仕切り74よりも後方は後部収納スペース6b2が区分けされる。野菜室仕切り74を取り外した際には下段収納容器6bは全体で一つの収納スペースとなる構成である。
野菜室仕切り74は下段収納容器6bの底面に設けられた段差60の高い方の面にセットされるように配置したので、野菜室仕切り74の高さは段差60の高い方の面から上段収納容器6cの底面までの高さに過ぎず、野菜室仕切り74の全高を抑制して小型化している。
野菜室仕切り74は上段収納容器6cの前方下部の辺に近接して配置され、野菜室仕切り74の上端にはラッチ手段80を介して野菜室仕切り74と上段収納容器6cとをロックするためのラッチ受け75が設けられている(詳細は後記)。
<野菜室仕切り74>
次に、図11から図15を用いて野菜室仕切り74の構成について説明する。
図11は、野菜室仕切り74を斜め前方から見た斜視図であり、左右の長手方向を一部短縮した省略図としている。さらに、野菜室仕切り74を着脱するために下段収納容器6bに設けられた仕切ガイド76を、説明のためにその部分のみを取り出した形状として図示し、野菜室仕切り74と仕切ガイド76との位置関係を示す分解斜視図としている。
図12は図11のF−F断面図であり、野菜室仕切り74の断面構造を示している。
図13は、野菜室仕切り74を斜め後方からみた分解斜視図であり、図11と同様に左右の長手方向を一部短縮した省略図とし、下段収納容器6bと仕切ガイド76との構成を部分的に図示している。
図14は、野菜室仕切り74と下段収納容器6bとの配置を示す平面図である。
図15は、野菜室仕切り74と下段収納容器6bとの関係を示す、図13のG−G断面図である。
野菜室仕切り74は、図11〜図13に示すように、例えば四辺形をなしたガラス板74aの周囲に樹脂製の仕切り枠74bを一体として組み合わせた構成である。
ガラス板74aは透明であり、野菜室6を開いた際には野菜室仕切り74を通して下段収納容器6bに収納された食品を目視することが可能で、食品の収納量や状態を確認することが容易である。
図12に示すように、野菜室仕切り74の下部に沿って凹部である受け溝74cが設けられる一方、下段収納容器6bの受け溝74cに対応した位置には上向きの突起である底面凸部77(図13参照)が設けられている。底面凸部77と受け溝74cは野菜室仕切り74を下段収納容器6bに設置した際の位置決めとなる効果がある。加えて、受け溝74cと底面凸部77は互いに嵌合して入り組んだ、所謂ラビリンス構造となるので、前部収納スペース6b1(図15参照)と、野菜を入れる後部収納スペース6b2との間の気体の移動を妨げる効果がある。
野菜室仕切り74の上方中央部には、ラッチ手段80(図10参照)に設けられたラッチ83(図12参照)を介して野菜室仕切り74と上段収納容器6cとを互いにロックし、かつロック解除をするためのラッチ受け75が設けられている。
上段収納容器6cのラッチ83(図8参照)と、野菜室仕切り74のラッチ受け75(図8参照)とが嵌合してロックされる位置は、上段収納容器6cが凹部70(図7参照)と凸部71による落とし込みによって下段収納容器6bと嵌合される位置としている。したがって、上段収納容器6cがロックされた場合、上段収納容器6cと下段収納容器6bとは、左右両側面では落とし込みによって嵌合し、さらに中央部はラッチ手段80により野菜室仕切り74がロックされているので、上段収納容器6cの位置決めが確実である。
図13に示すように、野菜室仕切り74は下段収納容器6bに設けられた仕切ガイド76に沿って挿入され、下段収納容器6bに取り付けられる。ここで、野菜室仕切り74の左右両側面の下方かつ後方側は、稜線が除去された凹部74dを形成している。下段収納容器6bに設けられた仕切ガイド76のうち、野菜室仕切り74の凹部74dに対応した位置には凸部76bが設けられ、凹部74dと凸部76bとの干渉が回避されている。
一方、野菜室仕切り74の前後、左右、あるいは上下を逆向きに仕切ガイド76に挿入しようとした場合には、仕切ガイド76の凸部76bが、野菜室仕切り74の仕切り枠74bと干渉し、野菜室仕切り74を仕切ガイド76に沿って所定の位置に取り付けられない。そのため、野菜室仕切り74の向きを誤ってセットしようとした場合、使用者が誤りを容易に認識できる。
したがって、野菜室仕切り74は下段収納容器6bに対して上下、左右、前後の各方向に対して正しく所定の向きにセットされ、逆向きにセットされることがない。つまり、上述の構成により、野菜室仕切り74のラッチ受け75が正しい方向に確実に取付けられる効果がある。
図16は野菜室6の構成を示す分解斜視図である。
野菜室扉6aの左右両端には、支持ローラ58が後方に向けて突出した支持レール55に設けられている。支持ローラ58を、冷蔵庫本体1Hの内箱10aに前後方向に沿って設けられる本体レール59(図7参照)に摺動可能に挿入する。さらに、本体ローラ56に支持レール55を載置することで、野菜室扉6aは前後方向に移動して開閉できる構成である。左右の支持レール55には、下段収納容器6bが載置される。そして、野菜室仕切り74は下段収納容器6bに設けられた仕切ガイド76(図15参照)に沿って上方から下方に向けて挿入してセットされ、上段収納容器6cは下段収納容器6bに載置される構成である。
前記したように、野菜室仕切り74を下段収納容器6bにセットすると、下段収納容器6bは野菜室仕切り74によって、前部収納スペース6b1と後部収納スペース6b2とに分割される(図7参照)。ここで、野菜室仕切り74より前方の前部収納スペース6b1は、例えばボトルや容器入り飲料などの背の高い食品の保存に用いられるスペースであって、内箱10a内の空間に開放された領域となる。つまり、前部収納スペース6b1には、野菜室6内の冷気が自由に行き交う。
一方、後部収納スペース6b2は、野菜室6が閉じられた際には野菜室仕切り74と上段収納容器6cとによって、密閉に近い適度な気密状態となるように構成されている。
すなわち、野菜室仕切り74の下面は下段収納容器6bの底面凸部77と野菜室仕切り74の受け溝74cのラビリンス構造で仕切られ、野菜室仕切り74の左右側面は仕切ガイド76の溝に嵌合しており、気体の通過を妨げる構成である。
後部収納スペース6b2の後面は、上段収納容器6cの下面の幅方向に部分的に設けられたパッキン69(図6参照)と接して部分的に密閉されており、吹出口25a(図4参照)から吐出される冷気が下段収納容器6bの後部収納スペース6b2に流入することを防止している。
一方、下段収納容器6b左右の側面及び底部後方両端は、図9に示した上段収納容器6cと下段収納容器6bとの間に設けられた隙間65を介して上段収納容器6cが嵌合されており、吐出口6cから内箱10aの内部に吐出された冷気は、隙間65を通して微量だけ下段収納容器6bの後部収納スペース6b2内に流入するようにしている。このように後部収納スペース6b2を半密閉構造とすることにより、後部収納スペース6b2内に収容された野菜類、果物類などを冷気に晒されることが制限され、野菜類、果物類などが乾燥してしまうことが抑制され、鮮度を保つことができる。
ここで、隙間65(図9参照)の寸法の一例としては、2mmから3mm程度としている。この隙間65が大きすぎると吹出口25a(図4参照)からの冷気が、下段収納容器6b内の野菜類、果物類などに対して、流入し過ぎるため、下段収納容器6b内の湿度が低下して野菜が乾燥し、鮮度が落ちるという問題点が生じる。一方、隙間65が小さすぎると、後部収納スペース6b2内の空気が撹拌されないために、下段収納容器6b内の温度分布が大きくなって局部的に温度が低下して、下段収納容器6bの壁面の一部に結露が生じ易いという問題点が生じる。
そこで、微量の冷気のみが後部収納スペース6b2内に流入するような適切な隙間を持たせつつ、密閉状態に近い野菜類、果物類などにとって適度な気密状態とすることが好適である。
後部収納スペース6b2は密閉状態に近い適度な気密状態、いわば半密閉状態となっているので、収納された野菜類などから発生した水分によって後部収納スペース6b2内は湿度が100%に近い高湿状態が維持される。さらに、壁面に結露するような過度な水分は水分吸収放出手段62(図6参照)によって下段収納容器6bの外部に放出されるので、野菜などの鮮度が維持されるとともに結露水が下段収納容器6bの壁面や底面に水滴として付着しないので、野菜類などの鮮度が維持されるという効果がある。
<ラッチ手段80>
次に、上段収納容器6cの前方中央部に設けられたラッチ手段80の構成について図17から図19を用いて説明する。
図17(a)はラッチ手段80を斜め上前方から見た斜視図であり、(b)はラッチ手段80を斜め下後方から見た斜視図である。
図18(a)〜(c)はラッチ手段80を上段収納容器6cに取付ける手順を示した斜視図である。
図19は図18(c)のG−G断面図である。
図17に示すように、ラッチ手段80は、外形を構成するラッチケース81と、ラッチ手段80の中央部の前面と上面と後面の一部に使用者が操作するハンドル82を構成している。
使用者が、上段収納容器6c(図16参照)と野菜室仕切り74(図16参照)とのロックを解除する場合、図17の矢印α1方向に押圧する。
ラッチ手段80の下面にはハンドル82の操作と連動して上下方向に移動するラッチ83と、ラッチ83よりも左右の側面に近接して、ラッチ手段80を上段収納容器6cに取付けるための取付爪84が設けられている。ラッチ83は、下方向に移動して、上段収納容器6cを野菜室仕切り74にロックする一方、上方向に移動して、上段収納容器6cの野菜室仕切り74へのロックを解除する。
ラッチ手段80の左右側面の上端近傍には、上段収納容器6cに取付けるためのボス受け溝85と、ボス受け溝85からラッチ手段80の後面とを接続する溝の一部を覆う弾性リブ86が設けられている。
ラッチ手段80の後面側には上段収納容器6cに設けられた取付リブ87(図18参照)と噛み合う溝部88が設けられている。
ボス受け溝85は上下方向に延在して形成されており、このボス受け溝85の下端から前後方向に溝が形成されている(図18参照)。すなわち、上下方向のボス受け溝85と前後方向の溝によって略L字状の溝形状を形成している。溝は、ラッチ手段80を上段収納容器6cに取り付ける際に、取付ボス90をボス受け溝85に導くためのものである。なお、弾性リブ86の弾性力に抗して取付ボス90を溝に挿入した後に、弾性リブ86は元の形状に復元して溝の一部を覆う。
ここで、ラッチ手段80の前後方向の厚さの間に野菜室仕切り74を配置し、ラッチ手段80の前方寄りにハンドル82の前後方向の移動によって上下移動するラッチ83を設けている。ラッチ83は、野菜室仕切り74の上部に設けられたラッチ受け75と嵌合する構成である。そのため、野菜室仕切り74の前面からラッチ手段80の前面の出張りを小さくすることができる。
次に、図18と図19を用いて、ラッチ手段80を上段収納容器6cに取付ける動作について説明する。
上段収納容器6cには、ラッチ手段80の左右側面に対向して、ラッチ手段取付側面89が設けられ、ラッチ手段取付側面89には内側に突出した取付ボス90が設けられている。換言すると、取付ボス90はラッチ手段(操作手段)80の左右側面に対向する位置に設けられている。ラッチ手段80の下面に対応した上段収納容器6cの下面には、凸形状の取付爪84に対応した凹形状の爪受孔91が開口している。換言すると、爪受孔91はラッチ手段80の下面に対向する位置に設けられている。さらに、ラッチ手段80の溝部88に対応して、前方に突出した取付リブ87が設けられている。換言すると、取付リブ87はラッチ手段80の後面に対向する位置に設けられている。
図18(a)に示すように、ラッチ手段80の前面が略上向きになるよう配置し、上段収納容器6cに設けられた取付ボス90を、弾性リブ86を変形させてラッチ手段80の左右側面に設けられたボス受け溝85に嵌合させる。
次に、図18(b)に示すように、ラッチ手段80を取付ボス90の周りに矢印方向に回転させ、取付リブ87を溝部88に嵌合させる。
そして、図18(c)に示すように、ラッチ手段80の前面が上段収納容器6cの前面に略一致するまで回転させ、ラッチ手段80の下面に設けられた取付爪84を上段収納容器6cの爪受孔91に嵌合させることで、図19に示すように、取付ボス90とボス受け溝85とが嵌合し、溝部88と取付リブ87とが嵌合し、さらに取付爪84と爪受孔91とが嵌合することによって、ラッチ手段80は上段収納容器6cの前面中央部に取り付けられる。
すなわち、ラッチ手段80は取付ボス90がボス受け溝85に係合した状態で取付ボス90周りに回動自在に構成される。そして、ラッチ手段80が取付ボス90周りに回動する範囲の所定位置で、取付リブ87が溝部(後面溝部)88に係合し、かつ取付爪84が爪受孔91に係合する。
逆に、図18(c)ないし図19に示す状態から、爪受孔91に例えば細い棒を挿入して取付爪84を上方に変形させて取付爪84の係合を外し、ラッチ手段80の下部を前方に引けば、図18(b)の状態となる。さらに、弾性リブ86を内側に向けて弾性変形させれば、取付ボス90がボス受け溝85から外され、ラッチ手段80を上段収納容器6cから取り外すことができる。
<ラッチ手段80>
次に、ラッチ手段80の内部構成について図20から図22を用いて説明する。
図20はラッチ手段80の内部構造を示す前方から見た斜視図であり、図20(a)は使用者がハンドル82を操作しない状態、図20(b)は使用者がハンドル82を操作した状態を示している。
図21(a)は図20(a)のH−H断面図であり、ラッチ83が野菜室仕切り74の上端中央のラッチ受け75と係合した状態を示す。図21(c)は図20(b)のJ−J断面図であり、ラッチ83が野菜室仕切り74の上端中央のラッチ受け75との係合が解除された状態を示す。図21(b)は図21(a)と図21(c)との中間の状態を示す。
図22(a)、(b)はそれぞれ上段収納容器6cを閉じる際のラッチ83の動作を示しており、図20(a)のH−H断面に対応する断面図、図20(b)のJ−J断面に対応する断面図である。
図23はラッチ手段80を前方から見た部分透視正面図である。
図20から図23において、ハンドル82はラッチ手段80の上下方向の下方寄りに設けられたハンドル支点92の周りに回動自在に軸支されており、ハンドル82を操作した際には、ハンドル82はハンドル支点92の周りに回動して、ハンドル82の上面が後方に移動する(図20(b)の矢印α1方向)とともに、再度図20(a)の状態に復帰できる構成である。
ここで、ハンドル82の前後方向の厚さを上段収納容器6c(図20参照)の周囲に配設されたフランジ部66の厚さと略同等としたので、ハンドル82が前方の下段収納容器6bの前部収納スペース6b1や、後方の上段収納容器6c内に出張ることがなく、食品の収納量を確保できる構成である。
ベルクランク93は、左右方向に延びる軸状のベルクランク軸94(図21参照)と、ベルクランク軸94の中央部に設けられる一対の第一のアーム96と、ベルクランク軸94の端部に形成される一対の第二のアーム98とを有して形成されている。
ベルクランク軸94の両端面からは短軸状のベルクランク支点95が左右外方に突出して形成されている。
ベルクランク93は、ベルクランク支点95がそれぞれハンドル82を支持する支持部であるラッチケース81に回動自在に支持されて回動する。
ベルクランク軸94からハンドル82に近接する前方向に斜め上向きに突出した一対の第一のアーム96は、ハンドル82の幅よりも内側のスペースに配置されている。使用者がハンドル82を操作し終わった状態のとき、第一のアーム96は、ハンドル82の前面の裏面82b側(後方側)に設けられた突起であるアーム押し部97に当接する。
なお、一対の第一のアーム96は、後記の板ばね部103が機能しない場合などに正常にハンドル82を動作させるためのものであり、通常動作においては機能していない。
ベルクランク軸94の左右両端それぞれのベルクランク支点95の内側近傍であって、ハンドル82の幅よりも外側の左右の各位置には、第一のアーム96とは異なる方向、すなわちハンドル82に近接する方向に斜め下向きに突出した従動側となる一対の第二のアーム98が設けられている。なお、ベルクランク支点95と第二のアーム98は、前後の厚さ方向にラッチケース81が位置している。第一のアーム96は、ハンドル82とラッチケース81の間に位置している(図23参照)。
第二のアーム98とラッチアーム99とは、ハンドル82よりも左右外側に形成されるラッチケース81内に独立して配置されているので、ハンドル82が回動してもハンドル82と第二のアーム98ないしラッチアーム99とは干渉しない構成である。
したがって、ロック解除時の図21(c)に示す右側面断面図において、ロックを解除するためにハンドル82を回動した際(図21(c)の矢印α1)に、ハンドル82の前面と第二のアーム98ないしラッチアーム99とを重なった位置に配置しても互いに干渉しないため、ハンドル82とベルクランク軸94とを近接して配置することができ、ラッチ手段80を薄型化できる。
ラッチ手段80の下面中央には、ラッチ83が上下方向に移動自在に設けられている。
図20(a)、(b)に示すように、ラッチ83は、左右方向の両端が略上向きに延出した一対のラッチアーム99を一体に有している。左右のラッチアーム99には、連結孔99kが形成されている。連結孔99kには、それぞれ左右の第二のアーム98に形成される内側に突出した形状のラッチ上下用ボス98bが回転自在に嵌入される
この構成により、ベルクランク93のベルクランク支点95周りの回転運動が、ベルクランク93の左右の第二のアーム98のラッチ上下用ボス98bと、ラッチ83の左右のラッチアーム99の連結孔99kとの回転自在の接続により、ラッチ83の上下運動として伝達される。以下、ベルクランク93の左右の第二のアーム98のラッチ上下用ボス98bとラッチ83の左右のラッチアーム99の連結孔99kとの回転自在の接続の支点を、ラッチアーム支点100と称する。
具体的には、ラッチアーム99が上方に移動すれば、ラッチ83はラッチアーム99とともに上方に移動する。一方、ラッチアーム99が下方に移動すれば、ラッチ83はラッチアーム99とともに下方に移動する。
図21〜図23に示すように、ラッチ83の上面とハンドル82の下面との間には、付勢手段である圧縮スプリング101が圧縮状態で設けられており、ハンドル82を操作しない場合には圧縮スプリング101の弾性力によってラッチ83は下方に付勢されている。
着脱自在の野菜室仕切り74の上端には、ラッチ83と嵌合して、上段収納容器6cとラッチ手段80とをロックするためのラッチ受け75(図21参照)が設けられている。ラッチ受け75の上端には、前方側で概ね鉛直方向に立ち上がり面を有し、ラッチ83がラッチ受け75に係合してロックされた状態で、ラッチ83が後方に移動することを防止している。一方、ラッチ受け75の前方側の上部で略鉛直方向に起ち上がった面から後方に向いた側の面は、傾斜面106となっている。
図21(a)〜(c)に示すように、ラッチ83は、野菜室仕切り74の上端中央に設けられたラッチ受け75と係脱可能に設けられている。ラッチ83下端の後方に向いた面は概ね鉛直であり、前方に向いた面は下方ほど後方に向かうR形状をなしている。
ラッチ83が、図21(c)に示すように、上方向に移動することで野菜室仕切り74の上端中央に設けられるラッチ受け75との係合が外れ、上段収納容器6cと野菜室仕切り74とのロックが解除される。
一方、ラッチ83が、図21(a)に示すように、下方向に移動することで野菜室仕切り74の上端中央に設けられるラッチ受け75と係合し、上段収納容器6cと野菜室仕切り74とが、ロックされる。
ここで、第二のアーム98とラッチアーム99とは、ラッチケース81で囲繞されるスペースのうち、ハンドル82よりも外側の範囲に設けられており、ハンドル82が回動してもハンドル82と第二のアーム98およびラッチアーム99とが干渉しないように配置されている。
また、第二のアーム98を介してベルクランク93からの力を受けるラッチアーム支点100に対して、ラッチ83をほぼ下方投影位置に配置している。したがって、ラッチアーム99が第二のアーム98から受ける力は、ラッチ83が上昇する方向と合致しているために曲げモーメントが生じないので、ラッチ83が傾斜することなくラッチ83の動作が安定するという効果がある。
ラッチ83とラッチ受け75とが嵌合した状態においては、図16に示す下段収納容器6bの左右両側部の上端に設けられた凹部70と、上段収納容器6cの左右両側の載置部67に設けられた凸部71とが互いに嵌合して、所謂、落とし込みで位置決めされる構成である。すなわち、下段収納容器6bと上段収納容器6cの容器同士の凹凸による落とし込みの嵌合位置と、ラッチ83と野菜室仕切り74に設けられたラッチ受け75による嵌合とが同時に生じるように配置している。
<ラッチ83とラッチ受け75とのロック解除感の付与>
本冷蔵庫1では、ラッチ83と野菜室仕切り74に設けられたラッチ受け75とのロックが解除された操作感を使用者に付与する構成を備えている。
前方から見た斜視図の図20(a)、(b)および側断面図の図21(a)〜(c)に示すように、ベルクランク軸94からハンドル82の裏面82bに当接(接触)して弾性変形する柔軟な板ばね部103を延出して設けている。
板ばね部103は、弾性変形して弾性力を付与するアーム部103aと、アーム部103aの先端に設けられハンドル82の裏面82bに当接(接触)する先端部103bとを有している。
アーム部103aは、例えば矩形状の横断面をもつ形状とできるが、所定の弾性力を得られればその形状は任意である。
先端部103bは、例えば、左右方向に軸をもつ円筒形状とできるが、所定の機能を果たせればその形状は任意である。なお、先端部103bは、ハンドル82の裏面82bと当接する箇所は曲率を有している方が動作や摺動が円滑となるので、より好ましい。
ハンドル82の裏面82bは、下部の平面領域82b1と、左右方向(図21の紙面の表裏面方向)に軸を有する上部の曲面領域82b2とを有している。そのため、下部の平面領域82b1と上部の曲面領域82b2との間には、面の状態が変化する線状の凹部82b3を有している。なお、本例では、上部の領域が曲面領域82b2であり、下部の領域が平面領域82b1の場合を示しているが、裏面82bにおいて凹部82b3で上部と下部とが面状態が変化すれば上部の面と下部の面とは、任意の面でよい。
板ばね部103は、アーム部103aの弾性変形による弾性力によって、ハンドル82の裏面82bに設けられる平面領域82b1、曲面領域82b2、凹部82b3に、先端部103bで適度な圧接力をもって当接している。
一例として、ベルクランク軸94をポリアセタール樹脂で成型したものとすれば、第一のアーム96、第二のアーム98、板ばね部103は、ベルクランク軸94と一体であってもよい。
<ラッチ手段80の動作>
次に、ラッチ手段80の動作について説明する。
図20(a)と図21(a)は、ハンドル82を操作せずにラッチ83が、野菜室仕切り74の上端中央のラッチ受け75に係合した状態を示している。
図20(a)、図21(a)に示す場合、ラッチ83は、圧縮スプリング101が元形状に復帰しようとする伸長方向の付勢力によって最も下方に移動した位置にある。すなわち、ラッチ83は下に突出した状態にある。
ラッチ83は下降した位置にあり、ラッチ83の下端は野菜室仕切り74上端に設けられたラッチ受け75と係合し、野菜室仕切り74に対して上段収納容器6cが後方に移動しないようロックした状態となる。この状態では、野菜室仕切り74を含んで形成される下段収納容器6b内は、上段収納容器6cにより半密閉状態となっている。
ラッチアーム支点100は下方に向けて付勢されるので、図21において、ベルクランク93は反時計方向に回動付勢される。そのため、板ばね部103の先端部103bはハンドル82の裏面82bの下部の平面領域82b1と上部の曲面領域82b2との境界である凹部82b3に対して付勢され圧接され、ハンドル82は反時計方向(図20(a)、図21(a)の矢印α2方向)に回転付勢された状態にある。
なお、この場合、第一のアーム96は、ハンドル82の裏面82b側のアーム押し部97とは接触していない。前記したように、第一のアーム96が、ハンドル82の裏面82b側のアーム押し部97と接触するのは、図21(c)に示すハンドル82を使用者が矢印α1方向に押圧して、ハンドル82のラッチ83と、野菜室仕切り74のラッチ受け75との係合を解除しロックを解除した場合である。
ハンドル82の裏面82bの凹部82b3の板ばね部103の先端部103bの接触箇所近傍にはグリスなどの潤滑剤g(図21参照)が塗布されており、ハンドル82の裏面82bと板ばね部103の先端部103bとの接触が円滑になされている。なお、潤滑剤gは、所定の機能が果たせれば、グリス以外の潤滑剤gでもよいし、潤滑剤gを用いなくてもよい。
そして、使用者が、下段収納容器6bを開けるためにハンドル82を後方に押すと(図20(a)、図21(a)の矢印α1方向)ハンドル82はハンドル支点92周りに図20(a)、図21(a)の時計周りに回動する。
すると、板ばね部103の先端部103bがハンドル82の裏面82bの凹部82b3から後方への力を受け、板ばね部103のアーム部103aは、図21(b)に示すように、ベルクランク支点95の周りに先端部103bが後方に位置するように弾性変形する。
この場合、ハンドル82がハンドル支点92周りに図21(a)、図21(b)の矢印α1方向に回動するにつれて、アーム部103aの弾性変形の量が大きくなってしなる。このとき、アーム部103aの弾性変形の弾性力によるハンドル82をハンドル支点92を中心とした反時計周りに押す力は次第に大きくなる。この際、使用者は、ハンドル82の反時計周りの力を抵抗力として受けることとなる。
さらに、ハンドル82が、ハンドル支点92周りに図21(b)の矢印α1方向に回動されると、アーム部103aの弾性変形の量が大きく増加し、アーム部103aの弾性変形の量が限界に達する。すると、図21(c)に示すように、板ばね部103の先端部103bが凹部82b3から外れ元のアーム部103aの形状近くに復元し、ハンドル82の裏面82bの上部の曲面領域82b2に接触する。この際、ベルクランク93はベルクランク支点95の周りに時計周りに回動し、第二のアーム98が図示時計回りに回動し、第二のアーム98に連結されたラッチ83が上方に上がる為、ハンドル82のラッチ83と、野菜室仕切り74のラッチ受け75との係合が解除される。
同時に、アーム部103aの弾性力が急に減少してハンドル82の反時計周りの抵抗力が急に減少するので、使用者は、ロック解除のクリック感を受けることとなる。
ここで、ハンドル82の回転軸と板ばね部103の回転軸はそれぞれ異なり、ハンドル82の回転軌跡と板ばね部103の回転軌跡はそれぞれ異なっている。そのため、ハンドル82が回動すると、アーム部103aがハンドル82裏面82bに接して弾性変形する区間を有する。その後、ハンドル82の回動と共に板ばね部103も更に回動することで、アーム部103aのハンドル82裏面82bへの接触状態が変化して、アーム部103aを弾性変形状態から解除する区間を有する。
尚、ハンドル82の形状は、裏面82bに曲面領域82b2を有するものに限らず、ハンドル82の回転軸と板ばね部103の回転軸がそれぞれ異なり、ハンドル82の回転軌跡と板ばね部103の回転軌跡がそれぞれ異なっていれば平面上でも同じ効果が得られる。
クリック感とは、例えばハンドル82を操作する場合に、静止した状態から動き始める時の初期荷重(板ばね部103の弾性力)が大きく、一方で動き始めてから荷重(板ばね部103の弾性力)が急激に減少する特性を付与することで、ハンドル82の動作によるラッチ83解除動作を使用者の触覚に明確に伝えることができる。
整理すると、図21(a)に示すように、ラッチ83がラッチ受け75に嵌合してロックした状態のときは、先端部103bは凹部82b3に嵌合している。操作者がハンドル82を後方に向けて移動し、ベルクランク軸94が回動し始めると板ばね部103は弾性変形して反力が増加するので、ハンドル82の操作力(抵抗力)は増加する。
ハンドル82をさらに後方に移動させると、先端部103bは凹部82b3から外れて上方に移動し、図21(c)に示すように、ハンドル82の裏面82bの曲面領域82b2に当接した状態となる。先端部103bが凹部82b3から外れた瞬間には、先端部103bの当接位置が急激に変化して反力が減少する。したがって、ハンドル82の操作力(抵抗力)が急激に減少することになり、所謂クリック感を付与できる。
板ばね部103の先端部103bが凹部82b3から外れるとほぼ同時にベルクランク93はベルクランク支点95の周りにハンドル82と同様に時計周りに回動し、ベルクランク93に一体に形成される第二のアーム98も時計回りに回動する。第二のアーム98が時計回りに回動するので、ラッチアーム支点100は上方に移動し、ラッチ83は上方に移動する。ラッチ83の下端は、野菜室仕切り74上端に設けられたラッチ受け75から上方に離間して嵌合が解除される。そのため、上段収納容器6cは野菜室仕切り74に対して後方に移動可能な状態、すなわちロック解除した状態となる。
すなわち、ハンドル82を後方に向けて移動することで(図20、図21の矢印α1方向)、板ばね部103のアーム部103aがしなる弾性変形の量が大きくなり、弾性変形の量が限界に達すると、アーム部103aが元の形状に復帰して板ばね部103の先端部103bがハンドル82の裏面82bの曲面領域82b2に接触する。ほぼ同時に、板ばね部103が形成されるベルクランク93がベルクランク支点95周りに時計周りに回動して第二のアーム98が上方に移動すると、ラッチアーム支点100が上方に移動して、ラッチアーム支点100と連結されるラッチ83が上昇する。
ラッチ83が上昇することにより、ラッチ手段80であるラッチ83と野菜室仕切り74のラッチ受け75とのロックが解除される。
ここで、ラッチ83はラッチ手段80の前面の近傍に設けたので、野菜室仕切り74の前面からラッチ手段80の前面までの距離が少ない。すなわち、ラッチ手段80ないし上段収納容器6cの前面が下段収納容器6bの前部収納スペース6b1に対して出っ張らないので、前部収納スペース6b1への食品の出し入れの妨げになることがない。
図20に示すように、ベルクランク93の一対の左右の第二のアーム98と、第二のアーム98に連結されるラッチ83と一体の一対の左右のラッチアーム99とは、ハンドル82を挟んでベルクランク軸94の左右両端近傍のラッチケース81内に設けられている。したがって、ハンドル82を操作してベルクランク93を回動させると、ラッチアーム99は左右均等に上昇する。したがって、ラッチアーム99の中央下側に一体に設けられるラッチ83は左右方向または上下方向に傾斜することなくほぼ左右均等に上昇する。そのため、ラッチ83の上下方向の動作は安定しており、ロック解除およびロックが確実にできるという効果がある。
<上段収納容器6cが後方に移動して開いた状態から閉じる動作>
次に、上段収納容器6cが後方に移動して開いた状態から閉じる際の動作について図22により説明する。
図22(a)はラッチ手段80によるロックを解除して、上段収納容器6cを後方に移動し、後部収納スペース6b2の開口102が生じた状態を示している。この状態においては、上下動するラッチ83とラッチ受け75とは接触しておらず、互いに自由な状態にある。
ラッチ83下端の前方に向いた面は、下方ほど後方寄りのR形状83rをなしている。一方、ラッチ受け75上端の後方に向いた側の面は、前方ほど上方に突出した傾斜面106が形成されている。これらの構成により、上段収納容器6cを閉じる際にはラッチ83のR形状83rとラッチ受け75の傾斜面106とが当接することで、図22(b)に示すように、ラッチ83は圧縮スプリング101の伸長しようとする付勢力に抗って上方に押し上げられ、第二のアーム98を介してベルクランク軸94は、図22(a)、(b)の時計周り方向に回動する。
図22(b)に示す状態からさらに上段収納容器6cを前方に移動すれば、ラッチ83はラッチ受け75を乗り越えて図21(a)の状態となり、上段収納容器6cないしラッチ手段80は野菜室仕切り74に対してロックされた状態に戻る。
この過程において、ハンドル82の裏面82bは、板ばね部103の先端部103bからから離隔した状態にある(図22(b)参照)ので、板ばね部103の存在がラッチ83の上下動の抵抗になることはない。
<野菜室仕切り74と下段収納容器6bとの関係>
次に、野菜室仕切り74と下段収納容器6bとの関係について説明する。
図24は、理想的に野菜室仕切り74が下段収納容器6b内にセットされた状態の図15のK−K断面模式図である。図25(a)は、比較例の一例における成形時の熱影響で歪んだ下段収納容器6bの底板と野菜室仕切り74の関係を説明する図7のD−D断面に対応する模式図、(b)は比較例の他例における成形時の熱影響で歪んだ下段収納容器6bの底板と野菜室仕切り74の関係を説明する図7のD−D断面に対応する模式図である。
下段収納容器6bは、理想的には、図24に示すように、下段収納容器6bの底板6btは、フラット(平面)に成形される。そのため、野菜室仕切り74が下段収納容器6bにセットされた際には、野菜室仕切り74の下縁部74tは下段収納容器6bの底板6bt間に殆ど隙間なく当接し、下段収納容器6b内の既定の位置にセットされる。
ここで、下段収納容器6bは、樹脂成形品であり成形時の熱の影響により、下段収納容器6bの底板6btが凸状に反って成形されたり、または凹状に反って成形される場合がある。
図25(a)に示すように、下段収納容器6bの底板6btが凹状に反って成形される場合、野菜室仕切り74が下段収納容器6bにセットされた際には、下段収納容器6bの底板6btが凹状であるため、野菜室仕切り74の下縁部74tは下段収納容器6bの底板6btに邪魔されることなく下段収納容器6b内の既定の位置にセットされる。
一方、図25(b)に示すように、下段収納容器6bの底板6btが凸状に反って成形された場合、野菜室仕切り74が、下段収納容器6bの底板6btの凸形状にぶつかってしまい、既定の位置にセットすることができず、野菜室仕切り74が既定の位置より上方に位置することとなる。
この場合、図22(a)、(b)に示すように、上段収納容器6cを下段収納容器6bの後部側から前部側に移動させた場合、上段収納容器6cが野菜室仕切り74にぶつかってしまい、上段収納容器6cのラッチ83と、野菜室仕切り74のラッチ受け75とが嵌合してロックされるラッチ手段80を働かせることができない場合が生じる。
図26(a)は、実施形態の一例の野菜室仕切り74が下段収納容器6b内にセットされた状態の図15のK−K断面模式図であり、図26(b)は、実施形態の他例の野菜室仕切り74が下段収納容器6b内にセットされた状態の図15のK−K断面模式図である。
そこで、下段収納容器6bの成形時の熱の影響に鑑み、図26(a)に示すように、予め野菜室仕切り74の下縁部74t1は、鉛直方向に中央側が上方に位置する凹形状として形成し、下段収納容器6bの底板6btが凸状に反って成形された場合の逃げとしている。
このように、野菜室仕切り74の下縁部74t1が、下段収納容器6bの底板6btの中央部の凸状に反った形状を逃げることにより、下段収納容器6bの底板6btが凸状に反って成形された場合にも、野菜室仕切り74が下段収納容器6bの所定位置に精確にセットすることができる。そのため、図22(a)、(b)に示すように、上段収納容器6cを下段収納容器6bの後部側から前部側に移動させた場合、上段収納容器6cが野菜室仕切り74にぶつかることなく、上段収納容器6cのラッチ83と、野菜室仕切り74のラッチ受け75とが嵌合してロックされるラッチ手段80を有効に働かせることができる。
なお、野菜室仕切り74の下縁部74tを、鉛直方向に中央側が上方に位置する凹形状とすれば、図26(a)に示す曲線状の凹形状以外に、図26(b)に示すように、野菜室仕切り74の下縁部74t2を、段付き状の凹形状としてもよい。つまり、野菜室仕切り74の下縁部74tは、下段収納容器6bの底板6btの中央部の凸状にそった形状を逃げることができるように凹形状とすれば、その形状は図26(a)、(b)に示す形状以外でもよく任意である。
ここで、前記の図13に示す野菜室仕切り74の下縁部74tに沿って形成される凹部である受け溝74cに、下段収納容器6bに形成されるラビリンス構造で嵌合して入る底面凸部77を、野菜室仕切り74の下縁部74t1、74t2(図26(a)、(b)参照)が凹形状の場合にも設け、下段収納容器6b内への冷気の出入りを抑制することが好ましい。
本実施形態によれば、使用者が下段収納容器6b上にセットされる上段収納容器6cを開けようとハンドル82を図20の矢印α1方向に押圧した場合、ベルクランク93に形成される板ばね部103の先端部103bが、ハンドル82の裏面82bの凹部82b3に当接(接触)して 、板ばね部103のアーム部103aが弾性変形して使用者に抵抗感を与える。
そして、ラッチ手段80のラッチ83が、図21(c)に示すように、上方向に移動することで野菜室仕切り74の上端中央に設けられるラッチ受け75との係合が外れロックが解除される際に、板ばね部103の先端部103bが、ハンドル82の裏面82bの凹部82b3から外れて板ばね部103のアーム部103aの弾性変形の量が急に減少する。そのため、ハンドル82から使用者に付与される抵抗感が急に減少し、ロック解除の操作感を付与することができる。そのため、使用者は冷蔵庫の使用を操作感をもって快適に行うことができる。
換言すれば、ラッチ手段80は、ベルクランク軸94からハンドル82に向けて柔軟な板ばね部103を延伸して設け、板ばね部103の先端を例えば円筒状の先端部103bとしてハンドル82の裏面82bの凹部82b3に、板ばね部103の弾性変形によって適度な圧接力で当接している。ハンドル82を後方に移動すると、板ばね部103は弾性変形して反力(弾性力)が増加するので、ハンドル82の操作力は増加する。ハンドル82をさらに後方に移動させると、先端部103bは凹部82b3から外れて上方に移動し、その瞬間には先端部103bの当接位置が急激に変化して反力(弾性力)が減少する。
このハンドル82の操作力が急激に減少することによって所謂クリック感を使用者に付与できるので、ハンドル82の動作によるラッチ83解除動作を使用者の触覚に明確に伝えることができ、使い勝手の良好な冷蔵庫を提供できる。
また、上述の抵抗感の急変を、板ばね部103の先端部103bのハンドル82の裏面82bの凹部82b3を用いて行うので、板ばね部103の動作を確実に行うことが可能である。
さらに、板ばね部103の先端部103bは円筒状などの曲率を有する形状なので、板ばね部103の先端部103bがハンドル82の裏面82bに引っ掛かることなく、滑らかに摺動し、確実な動作が行える。
加えて、板ばね部103の先端部103bのハンドル82の裏面82bとの接触箇所近傍にはグリスなどの潤滑剤gが塗布されているので、ハンドル82の裏面82bと板ばね部103の先端部103bとの接触が円滑になされ、より確実に板ばね部103の動作が行え信頼が高い。
また、野菜室仕切り74の下縁部74t1、74t2を上方に凹形状としたので、下段収納容器6bの底板6btが凸状にそって成形された場合も、野菜室仕切り74を下段収納容器6bの既定の位置にセットできる。そのため、上段収納容器6cを下段収納容器6bの所定位置にロックするラッチ手段80を確実に構成できる。
ラッチ手段80の具体的な効果として下記がある。
ラッチ手段80は、ハンドル82の上端の後方への移動を、上向きに方向転換するベルクランク93を介してラッチ83に上向きへの移動を伝達する構成なので、ハンドル82を後方に移動することでラッチ83を上方に移動してロック解除ができる。
さらに、ハンドル82からベルクランク93に力を伝達する駆動側となる第一のアーム96と、ベルクランク93からラッチ83に力を伝達する従動側となる第二のアーム98とを、第一のアーム96はハンドル82の左右幅の内側に配置し、第二のアーム98はハンドル82の左右幅よりも外側に設けた固定枠であるラッチケース81内に配置したので、第二のアーム98が回動してもハンドル82と干渉しないので、ラッチ手段80を前後方向に薄型化して、食品収納スペースを確保できる。
また、ベルクランク93の第二のアーム98と、ラッチ83の左右方向の両端に略上向きコの字状に一体に設けられたラッチアーム99とは、ハンドル82の左右両側に対称に配置しているので、ラッチ83は第二のアーム98によって左右両側を均等に引き上げられる。したがって、ラッチ83を上方に移動してロック解除する動作が安定しており、ロック解除動作が確実に行える。
さらに、第二のアーム98を介してベルクランク93からの力を受けるラッチアーム支点100に対して、ラッチ83をほぼ真下に配置している。したがって、ラッチアーム99が第二のアーム98から受ける力は、ラッチ83が上昇する方向とほぼ合致しているために曲げモーメントが殆ど生じないので、ラッチ83が傾斜することなく、ラッチ83の動作が安定する、という効果がある。
その他、本冷蔵庫1は下記の効果がある。
1.下段収納容器6bを着脱式の仕切り74と上段収納容器6cとによって区切り、略密閉状態に近い適度な気密状態を得て、内部を高湿に維持するとともに結露を防止し、かつ野菜室を閉じた際には自動的にロックされる。これにより、貯蔵食品(特の野菜類)の鮮度維持に適するとともに使い勝手の向上した冷蔵庫を提供することができる。
2.下段野菜室(収納ケース)を、市販の容器入りの飲料などの背の高い食品の収納に適した前部収納スペースと、密閉状態に近い適度な気密状態によって高湿を維持する後部収納スペースとに分割する着脱自在な仕切りを設け、仕切りの上面にラッチ受けを設ける。上段野菜室の前部には、ハンドル操作によって上下に移動することで、ラッチ受けと係合・離脱するラッチを設ける。野菜室を閉じた際には、上段野菜室(小物ケース)に設けたラッチは仕切りのラッチ受けを乗り越えて自動的にロックされる。これにより、使用者が都度、操作レバーを操作しなくとも、後部収納スペースは高湿を維持できるとともに、ロックが確実で使い勝手が向上する。
3.着脱自在の野菜室仕切り74はラッチ受け75がラッチ83に対して嵌合できる正しい向き以外に上下左右を逆向きに取付けようとした場合には、野菜室仕切り74の凹部74dと仕切ガイド76に設けられた凸部76bとが干渉して取付けられないように構成した。したがって、野菜室仕切り74を逆向きに取り付けられることがないので、ラッチ83とラッチ受け75との位置関係は一定であり、確実にラッチ83をラッチ受け75に嵌合してロックできる、という効果がある。
4.ラッチ83と、野菜室仕切り74に設けたラッチ受け75によって上段収納容器6cと野菜室仕切り74とをロックする位置と、上段収納容器6cが凹部70と凸部71による落とし込みによって下段収納容器6bと嵌合する位置とを合わせたので、上段収納容器6cと下段収納容器6bとは、左右両側面では落とし込みによって嵌合し、さらに中央部はラッチ手段80と野菜室仕切り74を介してロックされる。そのため、上段収納容器6cの位置決めが確実であり、下段収納容器6bと、野菜室仕切り74と、上段収納容器6cによって囲まれた後部収納スペース6b2内を適度な気密状態を維持できる、という効果がある。
5.上段収納容器6cの前部の中央寄りに、ハンドル82の操作によって上下動するラッチ83を備えたラッチ手段80を設け、ラッチ83と嵌合するラッチ受け75を下段収納容器6bに対して着脱自在に配置した野菜室仕切り74の上端に設けた。
そして、ラッチ83とラッチ受け75とが嵌合することで下段収納容器6bと野菜室仕切り74とに対して上段収納容器6cをロックした状態となるので、下段収納容器6bと野菜室仕切り74と上段収納容器6cとにより囲まれた下段収納容器6bの後部収納スペース6b2を、高湿度を維持するのに適した適度な気密状態とすることができるので、野菜類の鮮度を維持できる冷蔵庫を提供できる、という効果がある。
6.本実施形態によればさらに、上段収納容器6cが後方に移動して開いた位置から、前方に移動して閉じると、ラッチ83が野菜室仕切り74に設けられたラッチ受け溝74cを乗り越えて、上段収納容器6cと野菜室仕切り74との間をロックする構成としたので、上段収納容器6cを閉じるだけで自動的にロックがかかる構成であり、閉じた際にわざわざロックを掛ける必要がなく、使いやすい冷蔵庫を提供できる。
7.ラッチ手段80は、上段収納容器6cと野菜室仕切り74との間を係止したロック状態を解除可能な操作部であるハンドル82を設けたので、使用者がハンドルを操作することでラッチ83が上昇し、容易にロックを解除して上段収納容器6cを後方に移動することができる。
8.ラッチ手段80を備えた冷蔵庫においては、ハンドル82を後方に移動することでラッチ83が上昇してロックを解除するように構成したので、ロックを解除した後に、引き続き後方に力を加えることで上段収納容器6cは後方に移動して開き、下段収納容器6bを開口して食品の出し入れを行うことができるので、操作が簡単であり使いやすい冷蔵庫を提供できる、という効果がある。
9.ラッチ手段80を備えた冷蔵庫においては、野菜室6を開いた状態から、上段収納容器6cを予め前方に移動してロックすることなく野菜室6を閉じたとしても、ラッチ83とラッチ受け75とは野菜室6が閉じられる直前にラッチ83がラッチ受け75を乗り越えた後に嵌合するので、野菜室6を閉じれば上段収納容器6cないしラッチ手段80は野菜室仕切り74とロックされる構成である。
したがって、使用者がロックを掛ける動作をしなくとも自動的にロックが掛けられる構成なので使い勝手がよい。言い換えれば、野菜室扉6aを閉じるだけで、下段収納容器6bの後部収納スペース6b2を適度な気密状態にできるので、後部収納スペース6b2に収納された野菜類の鮮度を保持する冷蔵庫を提供できる。
10.本実施形態において、ラッチ手段80は取付ボス90とボス受け溝85とが嵌合し、溝部88と取付リブ87とが嵌合し、さらに取付爪84と爪受孔91とが嵌合することによって、ラッチ手段80は上段収納容器6cの前面中央部に取り付けられる構成であり、ラッチ手段80は上段収納容器6cから取り外せるように構成したので、上段収納容器6cを水洗いすることができる、という効果がある。
なお、前記実施形態では、ラッチ手段80を、下段収納容器6b内の野菜室仕切り74と上段収納容器6cとに設ける場合を例示したが、ラッチ手段80を野菜室仕切り74以外の下段収納容器6bを構成する箇所と上段収納容器6cとに設けてもよい。例えば、下段収納容器6b内に野菜室仕切り74を設けない場合には、下段収納容器6bの前面を形成する前板の上部と段収納容器6cとに設けてもよい。つまり、ラッチ手段80は、上段収納容器6cと下段収納容器6bとに設け、説明した機能を果たせれば、特にラッチ手段80の場所は限定されない。この場合も、前記した効果を奏する。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、様々な実施形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分り易く説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、説明した構成の一部を含むものであってもよい。
1 冷蔵庫
6 野菜室(貯蔵室)
6b 下段収納容器
6b1 前部収納スペース(前部領域)
6b2 後部収納スペース(後部領域)
6c 上段収納容器
74 野菜室仕切り(仕切り部材、下段収納容器)
16 冷蔵庫本体前面(前面)
75 ラッチ受け(第二係合手段)
80 ラッチ手段(第一係合手段、第二係合手段)
82 ハンドル
82b3 凹部
83 ラッチ(第一係合手段)
93 ベルクランク(第一係合手段)
94 ベルクランク軸(第一係合手段)
96 第一のアーム(第一係合手段)
98 第二のアーム(第一係合手段)
99 ラッチアーム(第二係合手段)
100 ラッチアーム支点(第一係合手段、第二係合手段)
103 板ばね部(弾性部材)
103b 先端部

Claims (4)

  1. 前面が開口される貯蔵室と、
    前記貯蔵室内を前後に移動可能に支持される下段収納容器と、
    前記下段収納容器に着脱自在に設けられ、前記下段収納容器内を前部領域と後部領域とに仕切る仕切り部材と、
    前記下段収納容器の上部に載置されて前後に移動可能な上段収納容器と、
    前記上段収納容器に設けられる第一係合手段と、
    前記仕切り部材の上部に設けられ、前記上段収納容器を前記下段収納容器に対して後方寄りに位置する状態から前方に移動した場合に前記第一係合手段が所定位置で係合することで、前記上段収納容器が前記仕切り部材に固定される第二係合手段と、
    前記上段収納容器に設けられ、前記第一係合手段と前記第二係合手段との係合を解除する際に後方に押圧されるハンドルと、
    前記第一係合手段に設けられ、前記ハンドルに当接するとともに前記ハンドルが後方に押圧される際に弾性変形して前記ハンドルに抵抗力を付与し、前記係合が解除される際に前記弾性変形の量が増加した状態から前記弾性変形の量を減少させて前記抵抗力を減少させる弾性部材とを
    備えることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記弾性部材は、前記ハンドルに形成される凹部に、その先端部が当接して静止することで前記弾性変形が行われ、前記先端部が前記凹部から外れることで前記弾性変形の量が減少される
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記弾性部材の先端部は、曲率を有する箇所で前記ハンドルに接触する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  4. 前面が開口される貯蔵室と、
    前記貯蔵室内を前後に移動可能に支持される下段収納容器と、
    前記下段収納容器の上部に載置されて前後に移動可能な上段収納容器と、
    前記上段収納容器に設けられる第一係合手段と、
    前記下段収納容器の上部に設けられ、前記上段収納容器を前記下段収納容器に対して後方寄りに位置する状態から前方に移動した場合に前記第一係合手段が所定位置で係合することで、前記上段収納容器が前記下段収納容器に固定される第二係合手段と、
    前記上段収納容器に設けられ、前記第一係合手段と前記第二係合手段との係合を解除する際に後方に押圧されるハンドルと、
    前記第一係合手段に設けられ、前記ハンドルに当接するとともに前記ハンドルが後方に押圧される際に弾性変形して前記ハンドルに抵抗力を付与し、前記係合が解除される際に、前記弾性変形の量が増加した状態から前記弾性変形の量を減少させて前記抵抗力を減少させる弾性部材とを
    備えることを特徴とする冷蔵庫。
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