JP2016029254A - 壁面構造体、通気壁面体、及びそれらの施工方法 - Google Patents

壁面構造体、通気壁面体、及びそれらの施工方法 Download PDF

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【課題】適切なラス網形状にて容易にモルタルを塗り付け施工して所望の厚みの壁体を施工する施工管理が可能であり、施工された壁体はラス網と一体化して強度が高く、安定した壁倍率をもつ壁面構造体、通気壁面体、及びそれらの施工方法を提供する。【解決手段】構造材又は副構造材に、ステンレス製溶接金網を原材料とするメッシュラスAを固定し、メッシュラスAが埋設されるようにモルタルを施工して壁面を形成する施工法であって、メッシュラスAは、構造材又は副構造体に、メッシュラスAの縦力骨12側が沿うように配すると共に、その谷部をステンレス製のステープルBにて留め付ける第1の工程と、メッシュラスAの横力骨11側からモルタルを塗り付けてメッシュラスAの露出がない状態まで塗工を行う第2の工程とからなる。【選択図】図1

Description

本発明は、適切なラス網形状にて容易にモルタルを塗り付け施工して所望の厚みの壁体を施工する施工管理が可能であり、施工された壁体はラス網と一体化して強度が高く、安定した壁倍率をもつ壁面構造体、通気壁面体、及びそれらの施工方法に関する。
従来、モルタル外壁は、構造部材に防水シートを貼り付けた後、メタルラスをステープル等の固定具にて取り付け、軽量モルタルを塗着し、乾燥養生後、仕上げ施工がなされている。
しかし、このようなモルタル外壁では、経時と共にひび割れが発生し、美観を損ね、ひび割れからの漏水等によりメタルラスに錆が発生するため、メタルラスの耐久性を著しく低下させ、剥落する事故を起こすこともあった。
そこで、本発明者らは、モルタルのひび割れの発生を防止し、且つモルタル層の剥落等の問題点を全てを長期間に亙って防止することができ、更には木造建築物、鉄筋コンクリート造、プレキャストコンクリート造、ブロック造、レンガ造、ALC造等の建築物に対しても幅広く適用でき、施工の信頼性を確実にする工法として、特許文献1に示される外壁の施工方法を提案した。
この特許文献1に記載の外壁の施工方法は、下地部材に、アスファルトフェルト等の防水シートを張った後、メタルラス防錆処理品をステーブルで留め付け、その後、軽量セメントモルタルを塗着し、その表面に網材を押圧して埋設した後、仕上げ施工する。その結果、モルタル層の耐久性が向上し、モルタル層のひび割れ、剥落が防止され、しかもモルタルの保護性能の強化を同時に実現することができた。
特許第3023836号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1のような外壁の施工方法には、亜鉛鉄線を用いたワイヤーラス或いは亜鉛鋼板を用いたリブラス等の一般的な構成のメタルラス及びステープルが用いられ、その外側から軽量モルタルを塗着して適切で均一な厚みの壁体を施工することは極めて困難であった。言い換えれば、容易にモルタルの施工を管理できる方法がこれまでには存在しなかった。
そこで、本発明は、上記問題点を解消でき、適切なラス網形状にて容易にモルタルを塗り付け施工して所望の厚みの壁体を施工する施工管理が可能であり、施工された壁体はラス網と一体化して強度が高く、安定した壁倍率をもつ壁面構造体、通気壁面体、及びそれらの施工方法を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、構造材又は副構造材に、ステンレス製溶接金網を原材料とするメッシュラスを固定し、該メッシュラスが埋設されるようにモルタルを施工して壁面を形成する壁面構造体の施工方法であって、前記メッシュラスは、複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせた溶接金網を、隣り合う2本以上の横力骨が台状山頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するように変形加工したものであり、構造材又は副構造材に、前記変形加工後のメッシュラスの縦力骨側が沿うように配すると共に、その谷部をステンレス製のステープルにて留め付ける第1の工程と、前記メッシュラスの横力骨側から前記モルタルを塗り付けてメッシュラスを構成する全ての力骨の露出がない状態まで塗工を行う第2の工程と、からなることを特徴とする壁面構造体の施工方法に関するものである。
また、本発明は、前記壁面構造体の施工方法において、メッシュラスは、複数の縦力骨と複数の横力骨とを横長の開口部が形成されるように格子状に組み合わせることを特徴とする壁面構造体の施工方法をも提案する。
また、本発明は、前記壁面構造体の施工方法において、メッシュラスは、複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせて一体化させると共に変形加工して形成されることを特徴とする壁面構造体の施工方法をも提案する。
したがって、このメッシュラスの形成方法を前記壁面構造体の施工方法に組み込む場合には、第1番目に複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせると共にスポット溶接等により一体化させる工程、第2番目に縦力骨側に防水シートを接着すると共に、変形加工して形成する工程、第3番目に前記第1の工程、第4番目に前記第2の工程、という順となる。
また、本発明は、前記壁面構造体の施工方法において、メッシュラスの防水紙として、透明なプラスチックフィルムに、繊維ネットを貼り合わせた構成の積層防水シートを用いることを特徴とする壁面構造体の施工方法をも提案する。
さらに、本発明は、構造材又は副構造材に胴縁又は通気用の固定金具を取り付けて通気層を確保する前工程と、前記第1の工程と、第2の工程と、更に前記モルタルの表層にネットを伏せ込むと共に仕上げモルタルを塗工する後工程と、を含むことを特徴とする通気壁面体の施工方法をも提案するものである。
また、本発明は、前記通気壁面の施工方法において、前記ネットはジルコニアを含有するガラス繊維ネットであることを特徴とする通気壁面体の施工方法をも提案する。
さらに、本発明は、前記壁面構造体の施工方法により施工されてなること特徴とする壁面構造体をも提案するものである。
また、本発明は、前記壁面構造体において、補強用の縦力骨を加えたメッシュラスを用いること特徴とする壁面構造体をも提案するものである。
さらに、本発明は、前記通気壁面体の施工方法により施工されてなることを特徴とする通気壁面体をも提案するものである。
本発明の壁面構造体の施工方法は、ステンレス製溶接金網を原材料とするメッシュラス、及びステンレス製のステープルを用い、内側に配する複数の縦力骨と外側に配する複数の横力骨とを格子状に組み合わせた溶接金網を、隣り合う2本以上の横力骨が台状山の頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するように厚み調整されて変形加工された適切なラス網形状にて、外側から横力骨(頂部)の外側に沿うようにモルタルのコテ塗りを行えばよく、滑らかにコテ塗りを行うことができるという施工管理を行うことができ、しかも均一厚みの塗工を行えるので品質管理も可能である。
また、メッシュラスの変形加工では、各縦力骨は変形するものの、各横力骨は変形しないので、横方向の変位等に抗する応力が高いものとなる。
そして、この施工方法により、塗り付けたモルタルがメッシュラスと一体化して強度が高く、防錆効果も高く、耐久性に優れた耐力壁を容易に構造材又は副構造材の外側に施工されるものとなる。
また、メッシュラスが、複数の縦力骨と複数の横力骨とを横長の開口部が形成されるように格子状に組み合わせる場合には、横方向の変位等に抗する横力骨の本数が多いメッシュラスとなるために、より安定な壁倍率を獲得できるものとなる。
また、メッシュラスが、複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせて一体化させると共に変形加工して形成される場合には、前記第1の工程及び第2の工程に先立って、複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせると共にスポット溶接等により一体化させる工程を行い、厚み調整されて変形加工して形成する工程を行えばよい。なお、ステンレス製のメッシュラスを別途作製して保管しておき、随時それを用いるようにしてもよい。
また、メッシュラスの防水紙として、透明なプラスチックフィルムに、繊維ネットを貼り合わせた構成の積層防水シートを用いる場合には、下地胴縁が透けて見えるために適正位置への配設、並びにステープルの固定を容易に行うことができ、しかも衝撃力に対して強くなり、更にモルタルが割れ難くなる。
さらに、本発明の通気壁面体の施工方法は、構造材又は副構造材に胴縁又は通気用の固定金具を取り付けて通気層を確保する前工程を行い、前記第1の工程及び前記第2の工程を行った後、更にそのモルタルの表層にネットを伏せ込むと共に仕上げモルタルを塗工する後工程を行うものであり、前記特許文献1等の通気工法に比較して、通気層の外側に前述のようにひび割れに対する耐性並びに強度特性に優れた壁面を容易に且つ均一に施工できる。
また、ネットがジルコニアを含有するガラス繊維ネットである場合には、アルカリ耐性が高く、より継続的に高い品質を維持するものとなる。
さらに、本発明の壁面構造体は、前述のようにひび割れに対する耐性及び強度特性に優れ、安定な品質を有するものであって、ステンレス製溶接金網を原材料とするメッシュラス、及びステンレス製のステープルを用いているので、防錆効果が高く、安定な壁倍率を獲得できる耐久性に優れた耐力壁となる。
また、補強用の縦力骨を加えたメッシュラスを用いた場合には、ステープルの固定ポイントを増やすことができるため、前述のモルタル塗りに関する安定な施工性能を低下させることなく、ひび割れに対する耐性及び耐久性により優れた耐力壁とすることができる。
さらに、本発明の通気壁面体は、前記特許文献1と同様の効果、即ちモルタル層の耐久性を向上し、モルタル層のひび割れ、剥落を防止し、しかもモルタルの保護性能の強化を同時に実現することができるという効果に加え、前述の防錆効果が高く、安定な壁倍率を獲得できる耐久性に優れた耐力壁とできるという効果をも奏する。
(a)実施例にて用いたメッシュラス(試験体No.1)を示す平面図、(b)X部分における拡大斜視図、(c)実施例にて用いたステープル形状を示す正面図及び側面図である。 (a)実施例にて用いたメッシュラス(試験体No.2)を示す平面図、(b)Y部分における拡大斜視図、(c)Z部分における拡大斜視図である。 (a)実施例にて用いた試験体No.1の躯体立面図、(b)その水平断面図である。 (a)実施例にて用いた試験体No.1のラス配置立面図、(b)その水平断面図である。 (a)実施例にて用いた試験体No.2の躯体立面図、(b)その水平断面図である。 (a)実施例にて用いた試験体No.2のラス配置立面図、(b)その水平断面図である。 無載荷式の面内せん断試験方法を示す正面図である。 実施例の試験体No.1の試験結果を示すグラフ(荷重−せん断変形角曲線)である。 実施例の試験体No.2の試験結果を示すグラフ(荷重−せん断変形角曲線)である。 実施例の試験体No.1及び試験体No.2の包絡線を示すグラフである。 実施例のNo.1及び試験体No.2における完全弾塑性モデルを示すグラフである。 (a)端縁形状を平坦面状としたメッシュラス同士の接続部分を示す側断面図、(b)端縁形状を傾斜面状としたメッシュラス同士の接続部分を示す側断面図、(c)端縁形状を平坦面状としたメッシュラスの端部納まり態様を示す断面図、(d)端縁形状を傾斜面状としたメッシュラスの端部納まり態様を示す断面図、(e)実施例に用いたメッシュラスの側面図である。
本発明の壁面構造体の施工方法は、モルタル外壁の施工に用いるラス網として、防水紙付きのステンレス製溶接金網を原料とするメッシュラスを、隣り合う2本以上の横力骨が山頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するように厚み調整して変形加工した適切な形状のメッシュラスを用いて容易に施工管理を行えるようにした構成である。即ちメッシュラスの山部まで塗ることで、一定の塗り厚にすることができ、現場施工による品質管理が可能となる。
メッシュラスとしては、既に多種の金網が市場に供され、大別して平ラス、こぶラス、波形ラス及びリブラスの4種が知られている。例えば平ラスに分類されるものとしても、各種の金属板材に切り込みを入れて形成したエキスパンドメタル等や針金状金属を編んで網状とした織金網、クリンプ金網等のワイヤーラス、或いはパンチングメタル等もあり、多種多様の製品が開発され、それぞれに適した多種多様な用途に利用されている。
溶接金網は、むしろ建築資材として広く知られており、縦力骨と横力骨を直角に配列して、その交点を電気抵抗溶接した金網であり、負荷重量が各溶接点にバランス良く平均してかかるので、比較的細い力骨でも、大きな負荷重量に耐えることができるという特性を有し、例えば大型土木工事等にも利用されている。
溶接金網のその他の用途としては、主にコンクリート構造物の亀裂防止のための補強用、用水路などが挙げられる。塗装やビニール被膜処理を施し、ディスプレイ用・バスケット・ガーデニング用品・柵などにも使用実績があり、各力骨の線径では2.6〜8mm程度、網目の大きさでは50〜250mm程度の大型のものが広く知られている。
なお、左官工事の塗下地に使用するメタルラスと言える溶接金網としては、前述のような建築資材の溶接金網とはサイズが明らかに相違するものであって、例えば亜鉛鉄線からなる線径2mm力骨を縦横に組み付けて一体化した構成のメタルラス、またこのメタルラスを波状に変形加工した構成のメタルラス、或いは防水シートを縦力骨と横力骨との間に挟むように配して一体化したメタルラス、等も知られている。
これらの溶接金網であるメタルラスは、前述の他のメタルラスと同様に多種多様な用途に適宜に利用することができる。
これらのような一般品(のメタルラス)や建築資材としての溶接金網、または亜鉛鉄線からなる溶接金網などとは異なり、本発明に用いるメッシュラスは、防水シート付きのステンレス製溶接金網を、隣り合う2本以上の横力骨が台状山の頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するように(角波状に)変形加工した構成のものを用いる。なお、この台状山の頂部を形成する横力骨は3本以上でもよいが、コスト等を考慮すると2本が最も好ましい。
この本発明に用いるメッシュラスは、全ての力骨がステンレス製であるため、高い防錆性を有して高い強度特性、形状特性を維持するものである。
また、変形加工に際し、隣り合う2本以上の横力骨が台状山の頂部を形成するようにしたので、外側からのコテ塗りが滑らかになる。しかも、谷部となる横力骨に位置にステンレス製ステープルを留め付けるので、適正位置にステープルを打つことができ、安定な台状山部が構造材又は副構造材の外側に形成されるものとなる。そのため、適正な厚みにモルタルを塗り付けることができ、容易に施工管理を実施でき、厚みの品質管理が行える。なお、その際に使用するステープルは、ステープルの引き抜き強度が、メッシュラスとモルタルが一体化している力以内の範囲内で任意に設定すればよい。
さらに、縦横の力骨の線径が2mm以上ではメッシュラス全体の自重が大きくなり過ぎ、更にこのメッシュラスを取り付ける構造体又は副構造体への負担、或いは後述するステープルへの負担が増すため、力骨径2mm未満で検討したところ、1.2〜1.8mmのSUS304の各力骨を用いることが好ましく、後述する実施例では1.6mm径のものがより好ましい結果が得られた。
要するに縦方向に山部が繰り返すように変形加工する場合を想定すると、山部を形成する横力骨はモルタル塗りに際して目標となり、谷部を形成する横力骨はステープルの取付位置になる。したがって、仮に、山部を一本の横力骨で形成してジグザグになるように変形加工を行った場合には、横力骨の配設密度が高すぎてステープルの打ち込み位置(谷部)が多過ぎる(密過ぎる)。そのため、各横力骨の配設間隔を空けると、山がなだらかになりすぎてモルタルのコテ塗りが困難であり、また十分にモルタルと一体化しない。十分に一体化しない状態で、固定力が強いステープルを使用すると、ステープルが抜けずに、モルタルからメッシュラスが抜けることがある。
それに対し、本発明に使用するメッシュラスは、2本以上の横力骨が台状山頂部を形成するため、モルタルのコテ塗りに際してコテを沿わせ易く、コテ塗りも滑らかになり、施工管理が可能である。しかも、モルタルと一体化でき、1本の谷部を構成する横力骨も適正スパンの位置に配設しやすい。
なお、複数の縦力骨と複数の横力骨とは、必ずしも矩形(方形)状の開口部(網目)が形成されるように組み合わせる必要はないが、強度等を考慮して横長の矩形状の開口部(網目)が形成されるように組み合わされることが望ましい。何故なら、横力骨は、横方向の変位等に抗する引張・圧縮強度を有するものであって、そもそも耐力壁(の面強度)としては、横方向の変位に抗するものが望ましい(縦方向の変位には柱等の構造体が抗する)からである。即ち横力骨の配設密度(本数)を縦力骨の配設密度(本数)より高く(多く)することが望ましい。
そして、縦1に対して横2程度の網目寸法とする(=横力骨の配設密度は縦力骨の配設密度の約2倍)。後述する実施例では、変形加工前の開口部(網目)が25×50mm寸法が好ましい結果であった。即ち実施例では、隣り合う2本の横力骨が台状山頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するように変形加工した適切な形状であるため、容易に施工管理も可能となり、形成される壁体についても、メッシュラスとモルタルとが強固に一体化したものとなる。
また、このメッシュラスは、縦方向に台状山部が連続して形成されるように変形加工したものであるから、台状山頂部を形成する2本以上の横力骨も谷部を形成する1本の横力骨も殆どこの加工では変形されない。そのため、原則的に全ての横力骨は、略直線状であり、全ての縦力骨は、平坦状部分(=台状山頂部)と上り傾斜部分と下り傾斜部分とで形成され、これらの横力骨及び縦力骨から形成されるメッシュラスは、平坦面(=台状山頂部)と上り傾斜面と下り傾斜面とが繰り返し連続する形状となる。即ちこの加工により変形するのは原則的には縦力骨だけであり、縦方向に抗する耐性はこの加工により低下するが、横方向に対する耐性はこの加工によっても全く低下することなく維持される。
更に、このメッシュラスには、予め防水紙等の各種防水シートなどを内側に張設して接着(一体化)しておくようにしてもよいし、施工に際して別途防水シートなどを取り付けた後にメッシュラスを取り付けるようにしてもよい。なお、施工時にモルタルを受支できるものであれば、必ずしも防水紙でなくてもよく、例えば後述する実施例に示すようにポリエステルフィルムのような透明なプラスチックフィルムに、耐アルカリ性ガラス繊維ネットを貼り合わせた構成の積層防水シートを用いることにより、全体に半透明であるから下地胴縁が見えやすく、衝撃力に対して強くなり、更にモルタルが割れにくくなることが確認されている。
前記積層防水シートに用いる透明なプラスチックフィルムとしては、ポリエステル(PET)フィルムに限らず、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムなどでもよく、厚みとしては25〜300μmを用いてもよいことも確認している。
また、前記耐アルカリ性ガラス繊維ネットとしては、後述する実施例では坪量150g/m2、ネット目5mm×5mmを用いたが、同坪量ネット目2mm×2mmでも同様の結果が得られることが確認され、同等以上の引っ張り強度を有するものであれば、ガラス繊維ネットに限らず、カーボン繊維ネットでもよいことも確認している。
このような構成の台波状(角波状)のメッシュラスは、以下の工程を経て形成される。なお、ここでは各種の防水シート付きのメッシュラスを用いることとして説明を行う。
・複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせると共に交差部分をスポット溶接等により一体化させて溶接金網を形成する工程A
・前記溶接金網の縦力骨側に各種の防水シートを接着する工程B
・前記溶接金網を、隣り合う2本以上の横力骨が台状山頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するメッシュラスに変形加工する工程C
これらの工程A〜Cのうち、工程Aを行った(溶接金網を作製した)後に工程B,Cの何れを先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。即ち各種の防水シートは、メッシュラスを形成する前の溶接金網の状態で接着してもよいし、変形加工したメッシュラスに接着してもよい。
また、このメッシュラスは、上下方向の端縁形状に関し、特に平坦状に形成する必要は無い。即ち前述のように本発明におけるメッシュラスは、平坦面(=台状山頂部)と上り傾斜面と下り傾斜面とが繰り返し連続する形状であるが、後述する図示実施例(図12)に示すように少なくとも上下方向の端縁形状が、平坦面である場合よりも、上り傾斜面又は下り傾斜面である場合の方がステープルの固定間隔も均一にでき、メッシュラスとモルタルとの一体性も高くなる。
前記上下方向の端縁形状が平坦面である場合には、メッシュラス同士の重ね合わせ部分も平坦面状となるが、この平坦面状部分はモルタルとの一体性が低い。即ち前述のように全ての縦力骨は、平坦状部分(=台状山頂部)と上り傾斜部分と下り傾斜部分とで形成され、モルタルを塗りつけた後には、平坦状部分も上り傾斜部分も下り傾斜部分もモルタル層内に位置するため、一体性が高いが、前述の平坦面状部分は、モルタル層の最裏面側に位置するため、一体性が低い。なお、前記上下方向の端縁形状が上り傾斜面又は下り傾斜面である場合には、メッシュラス同士の重ね合わせ部分も傾斜面状となり、モルタルとの一体性が高いものである。
また、このメッシュラスの厚さ(変形高さ)は、形成する壁面構造体の厚さにより設定され、例えば壁面構造体の厚みを10mmに設定した場合には、それより僅かに小さく、例えば9〜7mmに変形加工することが好ましい。
なお、メッシュラスに作用する壁面構造体の重量は、使用するモルタルの湿潤時の比重、乾燥時の比重、塗り付け厚さが判明すれば、単位面積当たりの壁体重量が判明するから、それを保持するための最低必要強度も判明するが、このメッシュラスの強度も後述するステープルに生ずる負担重量も不慮の事故等を充分に想定して(見越して)大きく(高く)設定するため、それらの数値を厳密に設定することに大きな意味はない。
このようなメッシュラスを固定する構造体又は副構造体としては、母屋等の構造体、又は筋交いや間柱、胴縁、副胴縁などの副構造材がある。
そして、第1の工程として、前記メッシュラスをこれらの構造体又は副構造体に留め付けるが、その固定具としては、ステンレス製ステープルを用いる。
このステープルは、前記メッシュラスの谷部を構造体又は副構造体に固定するものであって、谷部に位置する横力骨、縦力骨、或いはそれらの交差部に留め付けるのがよく、縦力骨に留め付けると、高い取付強度が得られるものの、横力骨がずれ易いため、横力骨に留め付けることが望ましい。このステープルとしては、前述のように引き抜き強度が、メッシュラスとモルタルが一体化している力以内の範囲で任意に設定すればよい。
使用するステープルは、前述のように壁面構造体の塗工厚みが10mmで、それに応じてメッシュラスを1.6mm程度のSUS304の各力骨を用いて一つの開口部の寸法を25×50mmにした場合には、幅として6〜8mmが好ましかった。また、足長さとしては、25〜41mmにて検討したところ、特に28,32mmが好ましい結果が得られ、留め付け間隔は72mmが好ましかった。
そして、第2の工程として、前記のメッシュラスの外側(横力骨側)から、メッシュラスを構成する全ての力骨の露出がない状態まで塗工を行う(メッシュラスの山まで塗る)ので、モルタルを所定厚み分だけ塗り付けて壁面構造体を施工することができる。なお、前記メッシュラスの変形厚みを、このモルタルの設定厚みから算出して変形加工を行ったので、このモルタル塗工(第2の工程)では、メッシュラスを構成する全ての力骨の露出がない状態まで塗工を行うようにすればよいのである。
また、このモルタルの組成については、必要とする特性に応じて各種のモルタル組成物を用いることができ、特にその性状や配合組成を限定するものではない。
また、本発明の通気壁面、及びその施工方法に用いるネットは、前記モルタルが流動性を保持しているうちに表層に伏せ込む(埋設する)ものであり、このネットの伏せこみを行うことにより、モルタル壁の表層の層間強度の向上、並びに一体性、柔軟性、ゴム弾性の付与が図られ、その剥離防止、クラック防止、飛石等による構成材料の飛散防止が図られる。
このネットとしては、材質や形状について何等特定するものではなく、例えばガラス繊維ネット、アラミド繊維ネット、ビニロン繊維ネット、カーボン繊維ネット等が適宜に選択され、特にガラス繊維ネットの場合は、ジルコニア含有のものが良い。特に使用の実績より、選ばれる質量が40〜250g/m2で、引張強度が100kgf/mm2以上のネットを用いることが好ましい。
このような構成を有する本発明の壁面構造体の施工方法は、所定形状に変形加工したメッシュラスをその防水シート側及び縦力骨側が沿うように配すると共に、その谷部をステンレス製のステープルにて留め付ける第1の工程と、前記メッシュラスの横力骨側から塗り付けてメッシュラスを構成する全ての力骨の露出がない状態まで塗工を行う第2の工程と、からなる。
そして、内側に配する複数の縦力骨と外側に配する複数の横力骨とを格子状に組み合わせた溶接金網を、隣り合う2本以上の横力骨が台状山頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するように厚み調整されて変形加工された構成であるため、外側から横力骨の上に沿うようにコテ塗りを行えばよく、滑らかにコテ塗りを行うことができるという施工管理を行うことができ、均一厚みの塗工を行うので、品質管理もできる。前記変形加工では、各縦力骨は変形するものの、横力骨は変形しないので、横方向の変位等に抗する応力が高いものとなる。
そして、この施工方法により、容易に強度の高い壁面が構造材又は副構造材の外側に施工されるものとなる。
そして、本発明の通気壁面の施工方法は、構造材、又は副構造材に、胴縁又は通気用の固定金具を取り付けて通気層を確保する前工程と、前記第1の工程、前記第2の工程、モルタルの表層にネットを伏せ込むと共に仕上げモルタルを塗工する後工程と、を含むものである。
前工程は、構造材、又は副構造材に、通気層を確保する工程である。
第1の工程及び第2の工程は、前述のように前述のように行う。即ち第1の工程は、構造材又は副構造体に、前記変形加工後のメッシュラスの防水シート側及び縦力骨側が沿うように配すると共に、その谷部をステンレス製のステープルにて留め付ける。第2の工程は、前記メッシュラスの横力骨側から塗り付けてメッシュラスを構成する全ての力骨の露出がない状態まで塗工を行う。
後工程は、前記メッシュラスの外側に施工したモルタルが流動性を保持しているうちに、表層にネットを伏せ込むものであり、通常の左官技術として特に困難な作業ではない。
このように、本発明の通気壁面の施工方法は、各工程とも通常技術を用いて容易に実施できるものであって、特殊な材料や設備、熟練の技能を必要とするものではないので、極めて実用的価値が高いものである。
なお、本発明の施工方法にて得られる壁面構造体や通気壁面体は、前述のように施工管理された安定な品質を有する耐久性に優れた耐力壁となるが、必要に応じて縦力骨を加えたメッシュラスを用いることにより、ステープルの固定ポイントを増やすことができるため、前述のモルタル塗りに関する安定な施工性能を低下させることなく、耐久性により優れた耐力壁とすることができる。
ります。
ここで、本発明に関する基本的な考え方を説明する。
耐力の強い壁(耐力壁)を作製するにあたり、安定してその性能が発揮される必要がある。壁が力を受けた際に、意図しない箇所で壊れると、安定した性能が発揮されない。例えばラスモルタル部分のように複合部材の部分は、どのように壊れるか予測しづらい。ところが、下地に打ち込んでいるステープルが引き抜けることで、耐力壁が壊れると、少なくともラスモル部分はステープルの引き抜き強度より高い強度を保持していると考えることができ、ステープルの引き抜かれ方のみを解決(解消)する方向に検討すればよく、ステープルの種類・数・下地の種類により耐力壁の強度も決定できる。このように、開発途中の判断基準(傾向)として、ステープルが引き抜かれる形で耐力壁が破壊されることが、最も安定した性能が発揮される傾向と言える。
[目的]
壁面側端部のラス網形状の違いによる、破壊性状の確認を行い、実験的に耐力等の特性値を算出する。それにより、モルタル耐力壁の側端部形状を決定する。
[試験概要]
試験体外壁面の寸法は、幅1810mm、高さ2730mmとした。
メッシュラスの形状は、次の2種類とし、図1(a)及び図2(a)に示した。
[No.1];
図1(a)に記載のメッシュラスA(ニッケンビルド製『NTSM-1T9019』、以下、単にNTSM-1T9019という)を使用し、壁側端部の留め付けは力骨交点としたもの
[No.2];
図2(a)に記載のメッシュラスA'(ニッケンビルド製『NTSM-1T9019』、以下、単にNTSM-1T9019という)側端部などに縦力骨を追加し、追加した縦力骨と横力骨の交点を留め付けたもの(留め付けた力骨の外側に縦力骨が一本ある)。
なお、このNo.2のメッシュラスにおいて補強用の縦力骨を加えた位置は、No.1のメッシュラスを用いた予備試験にて生じたひび割れ結果などを考慮して決定した。したがって、試験方法や試験結果について、以下に並列的に示したが、No.1のメッシュラスを用いた予備試験結果に基づいてこのNo.2のメッシュラスの縦力骨を加える位置を決定し、改めて比較試験を行ったものである。
〔1〕試験体
(1)試験体の詳細は表1及び表2に示し、試験体No.1については図3,4に、試験体No.2については図5,6に示した。なお、ステープル形状は図1(c)に示した。
〔2〕試験方法
(1)試験は指定評価機関が定める「木造の耐力壁及びその倍率性能評価業務方法書」(以下、耐力壁業務方法書という。)に準拠する。
(2)試験方法は柱脚固定式の面内せん断試験とし、図7にその概要を示す。
(3)加力方法は正負交番繰り返し加力とし、繰り返しの原則は、見かけのせん断変形角が1/450,1/300,1/00,1/150,1/100,1/75,1/50radの正負変形時に行った。
(4)試験は、同一段階で3回の繰り返し加力を行った。
(5)最大荷重に達した後、最大荷重の80%の荷重に低下するまで加力するか、試験体の変形角が1/15rad以上に達するまで加力する。
〔3〕試験結果
(1)見かけのせん断変形角(γ)は、次式を用いて算出する。
γ=(H1−H2)/H
ここで、γ:見かけのせん断変形角(rad)
H1:試験体頂部の水平変位(mm)
H2:試験体脚部の水平変位(mm)
H :H1とH2の距離
(2)荷重−せん断変形角曲線は図8、図9に示す。
(3)試験体の主な破壊状況を目視にて確認した。
試験体番号No.1
試験実施日:平成26年4月18日
破壊状況:ステープル引抜け ・・・36.1%
:ステープル破断 ・・・・・8.7%
:ラス破断 ・・・・・・・・2.6%
:躯体からの浮き 及び損傷なし ・・54.8%
試験体番号No.2
試験実施日:平成26年4月18日
破壊状況:ステープル引抜け ・・・・36.1%
:ステープル破断 ・・・5.2%
:ラス破断 ・・・3.0%
:躯体からの浮き及び損傷なし ・・55.7%
(4)モルタル面のひび割れ発生状況を目視にて確認したところ、何れもひび割れは確認されなかった。
短期基準せん断耐力の算出は、耐力壁業務方法書の評価方法に準拠して行った。
(1)包絡線は、終局加力側の荷重−見かけのせん断変形曲線より作製し、図10に示した。
図11にそれぞれの例における完全弾塑性モデルを示した。
(2)表3に下記4指標の特性値と短期基準せん断耐力を示した。
算出方法は、下記の(1)〜(4)に掲げる耐力にばらつき係数を乗じ50%下限値を求め、耐力の最も小さい値を短期基準せん断耐力とする。本試験では試験体数1体のため、ばらつき係数は0.98とした。
(1)降伏耐力Py
(2)終局耐力Pu・0.2・√(2μ-1)
(3)最大耐力Pmax・2/3
(4)無載荷式:見かけのせん断変形角が1/120rad時の耐力P120
4−2.倍率の試算
短期基準せん断耐力P0から下式より倍率を試算し、表4に示した。なお、ここでは低減係数αは乗じていない。
試算倍率=P0×(1/1.96)×(1/L)×α
ここで、P0:短期基準せん断耐力(kN) 1.96:倍率=1の基準(kN/m)
L:壁長(m)=1.82m α:低減係数=1
〔5〕考察
実施しているφ1.6mmの網目50×25mmでは、留め付け箇所72mmにてV0832またはV0828のステープルで、高い構造耐力を取得することができた。
それ以上の引き抜き強度が高いステープルでは、モルタルからメッシュラスが出てくることがあった。十分にモルタルとメッシュラスが一体化している場合は、ステープルが抜けずに破断することがあった。
ただし、力骨を増やすと高価になる。線径をφ1.6mmからφ1.2mmやφ1.4mmにし、更に網目を小さくすることで、あまり高価にならず、モルタルと一体化しやすいメッシュラスを作ることは可能である。この場合のステープルの線径についてはφ1.2mmやφ1.4mm程度を推察したが、それより細いステープルでは、得られる構造耐力が小さ過ぎることが推察される。ステープルの肩部分の形状については、角状、円弧状など特に限定するものではないが、円弧状の方がステープルの破断が起こり難い。
また、同種の性能を得る方法としては、メッシュラスとモルタルを一体化させる方法として、試験体No.2にて示したように縦力骨を増やす方法があることを確認した。望ましくは、縦力骨と横力骨の交点にステープルを打てば、より強固に一体化できる。
ステープルを打っているところからモルタル端までの距離が小さいと、ラスがモルタルから抜けやすくなる。その改善策として行った試験である。
波ラス形状でも、同様の形状で、ステープル固定部分のラスが強固であれば、同種の性能を得られる。
・防水紙の検討
メッシュラスの防水紙として、通常の防水紙(透湿防水シート)と、厚さ60μmの透明なプラスチックフィルム(PETフィルム)に坪量150g/m2,ネット目5mm×5mmの耐アルカリ性ガラス繊維ネットを貼り合わせた積層防水シートとを比較した。
前者を「ネット無し」、後者を「ネット有り」として、見かけ上(外観)の比較、及び耐衝撃性の比較を行った結果を以下の表5に示す。
上表5の結果より、「ネット有り」である前記構成の積層防水シートは、下地胴縁が透けて見えるために適正位置への配設、並びにステープルの固定を容易に行うことができ、しかも衝撃力に対して強くなり、更にモルタルが割れ難くなったことが確認された。
・メッシュラスの端縁形状の検討
前記構成のメッシュラスAは、図12(e)に示すように平坦面(=台状山頂部)41と上り傾斜面42と下り傾斜面43とが繰り返し連続する形状であるが、上下方向の端縁形状に関し、図12(a),(c)に示す一方のメッシュラスA1は、下り傾斜面43に続いて平坦面44が形成された端縁形状としたものであり、図12(b),(d)に示す他方のメッシュラスA2は、端縁以外と同様に下り傾斜面43に続いて上り傾斜面42が形成されたものである。なお、図中、xは、繰り返し単位の長さ、即ちステープルB,Bの固定間隔を示す。
まず、各メッシュラスA1,A2に関し、上下方向に隣接する接続態様を比較する。
前記一方のメッシュラスA1は、図12(a)に示すように上下方向に隣接するメッシュラスA1,A1の平坦面44,44同士が重なるように重合させるものであり、前記他方のメッシュラスA2は、図12(b)に示すように上下方向に隣接するメッシュラスA2,A2の上り傾斜面42,42同士、下り傾斜面43,43同士が重なるように重合させるものである。なお、図中、y2は、平坦面44,44の重合長さ、即ちこの重合部分を固定するためのステープルB,Bの固定間隔を示し、y1は、上り傾斜面42,42同士、下り傾斜面43,43同士の重合長さを示す。
図12(b)では、別にステープルBの固定を必要としないので、ステープルBの固定間隔が均一であり、強度管理を行いやすいという利点がある。一方、図12(a)では、前述のように重合部分を保持する別のステープルBが必要となり、取付強度も不均一となるが、ラスA1の重なり部分が膨らまず、モルタルを塗りやすいという利点がある。
次に、各メッシュラスA1,A2に関し、端部の納まり態様を比較する。
前記一方のメッシュラスA1は、図12(c)に示すように端部が平坦面44であるため、モルタルとラスA1との一体性が低くなることが予測され、選定したステープルBが強すぎた場合、ステープルBが抜けず、ラスA1がモルタルから剥がれてしまう。これに対し、前記他方のメッシュラスA2では、端部が上り傾斜面42であるため、モルタルとラスA2との一体性が高くなることが予測され、ステープルBが引き抜かれる形となる。
このような結果より、メッシュラスとしては、少なくとも上下方向の端縁形状が、平坦面44であるメッシュラスA1よりも、上り傾斜面42又は下り傾斜面43であるメッシュラスA2の方がステープルBの固定間隔も均一にでき、メッシュラスA2とモルタルとの一体性も高くなるため、望ましい。
A メッシュラス(No.1)
A' メッシュラス(No.2)
B ステープル
C 防水紙
11 横力骨
11' 谷を形成する横力骨
12 縦力骨
12' 追加した縦力骨
31 横架材
32 受胴縁
33 柱
34 胴縁
35 間柱
36 土台
37 目地
38 ホールダウン金物
39 角座金
41 平坦面(台状山頂部)
42 上り傾斜面
43 下り傾斜面
44 平坦面

Claims (9)

  1. 構造材又は副構造材に、ステンレス製溶接金網を原材料とするメッシュラスを固定し、該メッシュラスが埋設されるようにモルタルを施工して壁面を形成する壁面構造体の施工方法であって、
    前記メッシュラスは、複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせた溶接金網を、隣り合う2本以上の横力骨が台状山頂部を形成して1本の横力骨が谷部を形成するように変形加工したものであり、
    構造材又は副構造材に、前記変形加工後のメッシュラスの縦力骨側が沿うように配すると共に、その谷部をステンレス製のステープルにて留め付ける第1の工程と、
    前記メッシュラスの横力骨側から前記モルタルを塗り付けてメッシュラスを構成する全ての力骨の露出がない状態まで塗工を行う第2の工程と、
    からなることを特徴とする壁面構造体の施工方法。
  2. メッシュラスは、複数の縦力骨と複数の横力骨とを横長の開口部が形成されるように格子状に組み合わせることを特徴とする請求項1に記載の壁面構造体の施工方法。
  3. メッシュラスは、複数の縦力骨と複数の横力骨とを格子状に組み合わせて一体化させると共に変形加工して形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の壁面構造体の施工方法。
  4. メッシュラスの防水紙として、透明なプラスチックフィルムに、繊維ネットを貼り合わせた構成の積層防水シートを用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の壁面構造体の施工方法。
  5. 構造材又は副構造材に胴縁又は通気用の固定金具を取り付けて通気層を確保する前工程と、
    前記請求項1〜4の何れか一項に記載の第1の工程と、第2の工程と、
    更に前記モルタルの表層にネットを伏せ込むと共に仕上げモルタルを塗工する後工程と、を含むことを特徴とする通気壁面体の施工方法。
  6. 前記ネットはジルコニアを含有するガラス繊維ネットであることを特徴とする請求項5に記載の通気壁面体の施工方法。
  7. 前記請求項1〜4の何れか一項に記載の施工方法により施工されてなることを特徴とする壁面構造体。
  8. 補強用の縦力骨を加えたメッシュラスを用いること特徴とする請求項7に記載の壁面構造体
  9. 前記請求項5又は6に記載の施工方法により施工されてなることを特徴とする通気壁面体。
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