JP5612884B2 - 耐震外壁構造および耐震外壁工法 - Google Patents

耐震外壁構造および耐震外壁工法 Download PDF

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Description

本発明は、木造住宅などの建築物の既存外壁に取り付けて建築物の耐震性能を向上させるための耐震外壁構造および耐震外壁工法に関する。
コンクリート造建築物は、地震力に耐えうる剛性を持ち、かつ地震時に構造体が変形する様に設計されている。建築基準法施行令第82条では、建築物各階に生ずる水平方向の層間変位の各階高さに対する割合を1/200rad以内とするように規定している。木造住宅においては建築基準法施行令第46条では、木造において1/50radの層間変位が想定されている。
建築基準法は1981年、2000年に耐震基準が改正され、より剛性の高い構造体を作ることとされた。改正前旧基準の建築物は耐震補強をする必要がある。外壁に剛性の高い補強材を取り付け、耐震性を向上させる工法が多く提案されている。壁の剛性は向上するが、壁が想定以上に変形した場合、外装材が変形に追従できず、ひび割れてしまう危険があった。
従来、建築物の既存外壁に取り付けて建築物の耐震性能を向上させるための耐震外壁構造として、例えば、特許文献1,2に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、断面T字型長尺金物(T桁状金物)の基部が外装板材の取り付け下地壁面に垂直に固設され、また前記断面T字型長尺金物の左右の天板部(平行板部)に、上下又は左右端面に全長溝を有する外装板材の全長溝が嵌合・固定され、かつ前記外装板材の裏面と取り付け下地壁面との間には弾力性の緩衝材板が挟装・接合されてなることを特徴とする外装板材の壁面取り付け構造が開示されている。
特許文献2には、既存木造建物の耐震改修構造であって、前記既存木造建物の外装材を撤去せずに、前記既存木造建物の外装材の外側に配設される耐震枠材と、前記耐震枠材の外側に配設されると共に、前記既存木造建物の柱や縦枠材に固定される鋼板パネルと、前記鋼板パネルの外側に取り付けられる外装仕上げ材と、から構成されることを特徴とする既存外装壁の耐震改修構造が開示されている。
特開2002−54293号公報 実用新案登録第3151125号公報
しかしながら、前記特許文献1,2記載の従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1の壁面取り付け構造は、外装板材の取り付け下地壁面に断面T字型長尺金物の基部を固定し、断面T字型長尺金物に外装板材を固定するとともに、下地壁面と外装板材の間にプラスチックフォームからなる緩衝材板を挟装・接合した構造である。この壁面取り付け構造において外装材は、断面T字型長尺金物によって連続的に固定されているため、地震時に既存外壁(下地壁面)が想定以上に変形した場合、外装材が変形に追従できず、外装材にひび割れを生じてしまう恐れがあった。
特許文献2の耐震改修構造は、耐震枠材および鋼板パネルを既存木造建物の梁や土台などの横架材に固定している。特許文献2には、前記構造により、地震などの外力による耐震枠材および鋼板パネルの変位を抑えることができ、既存木造建物の耐震性を向上できる旨が記載されている。しかしながら、特許文献2の耐震改修構造についても、地震時に発生する想定以上の層間変位には追従することができず、外装仕上げ材にひび割れを生じてしまう恐れがあった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、建築物の既存外壁に取り付けて補強し、建築物の耐震性能を向上できるとともに、地震時に発生する想定以上の層間変位に追従して外壁のひび割れを防止し得る耐震外壁構造および耐震外壁工法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、建築物の既存外壁に取り付けて建築物の耐震性能を向上させる耐震外壁構造であって、
前記既存外壁の外面側に、合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネルの一方の面側が接着され、前記断熱パネルの他方の面側に外装材が接着されてなることを特徴とする耐震外壁構造を提供する。
本発明の耐震外壁構造において、前記既存外壁と前記断熱パネルとが実質的に全面接着され、かつ前記断熱パネルと前記外装材とが実質的に全面接着されていることが好ましい。
本発明の耐震外壁構造において、前記断熱パネルの厚みが20mm以上であることが好ましい。
本発明の耐震外壁構造において、前記断熱パネルを貫通して一端側が前記既存外壁側に固定された固定部材の他端側が前記外装材に固定されていることが好ましい。
本発明の耐震外壁構造において、前記既存外壁と前記外装材とを固定する前記固定部材の配置間隔が200mm以上であることが好ましい。
本発明の耐震外壁構造において、前記外装材が前記断熱パネルの他方の面に塗布されたモルタルを含むことが好ましい。
本発明の耐震外壁構造において、前記固定部材が、前記既存外壁側に一端側が固定されるビスと、該ビスの他端側に係止され前記外装材と固定される座金とを含むことが好ましい。
本発明の耐震外壁構造において、前記既存外壁と前記断熱パネルとがモルタルによって接着されたことが好ましい。
また本発明は、建築物の既存外壁に接着剤を介して合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネルの一方の面側を接着し、続いて該断熱パネルの他方の面側に外装材を接着して耐震外壁構造を構築することを特徴とする耐震外壁工法を提供する。
本発明の耐震外壁工法において、前記既存外壁と前記断熱パネルとを接着剤を介して実質的に全面接着するとともに、前記断熱パネルと前記外装材とを実質的に全面接着することが好ましい。
本発明の耐震外壁工法において、前記断熱パネルの厚みが20mm以上であることが好ましい。
本発明の耐震外壁工法において、前記既存外壁に前記断熱パネルの一方の面側を接着した後、固定部材の一端側を前記既存外壁側に固定し、前記固定部材の他端側と前記外装材とを固定する工程を有することが好ましい。
本発明の耐震外壁工法において、前記既存外壁と前記外装材とを固定する前記固定部材の配置間隔を200mm以上とすることが好ましい。
本発明の耐震外壁工法において、前記外装材が前記断熱パネルの他方の面に塗布されたモルタルを含むことが好ましい。
本発明の耐震外壁工法において、前記固定部材が、前記既存外壁側に一端側が固定されるビスと、該ビスの他端側に係止され前記外装材と固定される座金とを含むことが好ましい。
本発明の耐震外壁工法において、前記既存外壁と前記断熱パネルとをモルタルで接着することが好ましい。
本発明の耐震外壁構造は、既存外壁の外面側に、合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネルの一方の面側が接着され、断熱パネルの他方の面側に外装材が接着されてなり、前記外装材によって外壁の剛性を高めて耐震性を向上することができる。
また、既存外壁の外面側に合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネルを介して外装材を接着固定しているので、地震時に建築物に発生する変形を断熱パネルで緩衝し、外装材の変形を抑制することができ、外装材のひび割れ発生を低減できる。
本発明の耐震外壁構造の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の耐震外壁構造の一実施形態を示す(a)断面図、(b)要部拡大図である。 既存外壁を示す(a)断面図、(b)要部拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の耐震外壁構造の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の耐震外壁構造の一実施形態を示す斜視図であり、また図2は、同じ耐震外壁構造の一実施形態を示す(a)断面図、(b)要部拡大図である。また図3は、本発明の耐震外壁構造を構築する前の既存外壁の構造を示す(a)断面図、(b)要部拡大図である。
本実施形態の耐震外壁構造は、木造住宅等の建築物の既存外壁1に取り付けて建築物の耐震性能を向上させるための耐震外壁構造であり、前記既存外壁1の外面側に、接着剤2によって合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネル3の一方の面側(以下、内面側と記す)が接着され、断熱パネル3の他方の面側(以下、外面側と記す)に外装材4が接着されて構成されている。
本実施形態において、建築物の既存外壁1は、基礎11上に固定された土台10の上に水切材及び床材15が設けられ、床材15の縁に間隔をおいて複数本の間柱6が立設され、それぞれの間柱6間には断熱材8が挿入されている。間柱6の内面側には内装材9が固定され、また間柱6の外面側には既存外壁1が固定されている。間柱6の外面側には通気胴縁7が設けられ、既存外壁1と断熱材8との間が通気層5になっている。本実施形態において、建築物の既存外壁1は、窯業系サイディング(以下、サイディングと記す)、コンクリート、モルタル、構造用合板などであり、該既存外壁1は、図3(b)に示すように、ビス12によって間柱6に固定されている。
なお、本実施形態では、建築物の既存外壁1として、木造住宅の外壁を例示しているが、本発明はこれに限定されることなく、他の外壁構造を有する木造住宅やビル、マンションなどの他の建築物の既存外壁にも適用可能である。
本実施形態において、断熱パネル3としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ABS樹脂などの共重合体などの熱可塑性樹脂を発泡成形して得られる合成樹脂発泡成形体(プラスチックフォーム)、ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂を発泡成形して得られる合成樹脂発泡成形体を用いることができ、それらの中でも、ポリスチレン系樹脂発泡成形体製の断熱パネルが好ましい。この断熱パネル3の密度や発泡倍数は、必要な強度、軽量性、応力緩和性能などを勘案して使用樹脂毎に適宜選択でき、例えば、ポリスチレン系樹脂発泡成形体製の断熱パネル3の場合には、密度10〜50kg/m(発泡倍数20〜100倍)の範囲のものが好ましく、密度13〜30kg/m(発泡倍数33〜77倍)の範囲のものがより好ましい。
また、使用する断熱パネル3の厚みは、20mm以上であることが好ましく、25mm以上であることがより好ましい。断熱パネル3の厚みが20mm未満であると、この耐震外壁構造における層間変位を低減させる効果、すなわち、地震時に建築物に発生する変形を断熱パネル3で緩衝して外装材4の変形を抑制する効果が十分に得られなくなるおそれがある。使用する断熱パネル3の厚みの上限は特に制限されないが、耐震外装構造を過度に大きくしないとの観点から、200mm以下であることが好ましく、150mm以下であることがより好ましい。
前記断熱パネル3の内面側を既存外壁1の外面に接着するために用いる接着剤2としては、モルタルなどの無機系接着剤、ホットメルト系接着剤や一液又は二液反応硬化型接着剤(粘着材も含む)などの有機系接着剤を用いることができ、断熱パネル3の材料と既存外壁1表面の材料とを強固に接着し得る材料を選択して使用することが望ましい。既存外壁がサイディングやモルタルであり、これにポリスチレン系樹脂発泡成形体製の断熱パネル3を接着する場合には、モルタルなどの無機系接着剤を用いることが好ましい。
本実施形態の耐震外壁構造では、既存外壁1と断熱パネル3の内面側とが実質的に全面接着されている。ここで「実質的に全面接着」とは、断熱パネル3の内面側の面積に対し、接着剤2を介して既存外壁1に接着されている部分の接着面積が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上を占める状態を言う。既存外壁1と断熱パネル3の内面側とを実質的に全面接着することで、外装材4による剛性向上効果、および前述した耐震外壁構造における層間変位を低減させる効果が十分なものとなる。既存外壁1と断熱パネル3の内面側とが実質的に全面接着されていないと、前記の各効果が不十分なものとなり、加えて、未接着部分に水分が溜まって接着剤2や断熱パネル3を劣化させる原因となってしまう恐れがある。なお、本実施形態の耐震外壁構造では、既存外壁1の上端縁と下端縁に通気止材14を設けて風や雨水の侵入をより確実に防いでいる。
本発明の耐震外壁構造において外装材4は、この耐震外壁構造による剛性向上効果を得るためのものであり、建築物に十分な耐震性を付与するために必要な剛性を有する外装材4が用いられている。この外装材4は、前記剛性を有するものであれば、その材料や構造は特に限定されず、モルタル、繊維補強モルタル、メッシュ入りモルタル、サイディング、構造用合板、鋼板などの金属板、鋼線入りコンクリート板などを用いることができる。
本実施形態の耐震外壁構造では、モルタル、繊維補強モルタル、メッシュ入りモルタルなどのモルタルを含む外装材4を用いている。モルタルを外装材として用いる場合には、モルタルの外側にタイルやセラミック板を含むサイディングを接着したり、モルタルの外面に吹き付け塗装することができる。前記モルタルを含む外装材4は、断熱パネル3の外面側の実質的に全面に設けられる。ここで「実質的に全面」とは、前述した既存外壁1と断熱パネル3の内面側との接着の場合と同様に、断熱パネル3の外面側の面積に対し、外装材4が接着している部分の接着面積が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上を占める状態を言う。このように、断熱パネル3の外面側と外装材4とが実質的に全面接着していることで、外装材4による剛性向上効果、および前述した耐震外壁構造における層間変位を低減させる効果が十分なものとなる。断熱パネル3の外面側と外装材4とが実質的に全面接着されていないと、前記の各効果が不十分なものとなり、加えて、未接着部分に水分が溜まって外装材4や断熱パネル3を劣化させる原因となってしまう恐れがある。
本実施形態では、断熱パネル3を貫通して一端側が既存外壁1側に固定され、他端側が外装材4に固定された固定部材によって、外装材4と既存外壁1とを固定している。好ましい実施形態において、前記固定部材は、図2(b)に示すようにビス12(アンカー、アンカーボルトなどとも称される)と座金13とを含む。このビス12の一端側は、既存外壁1の内側にある間柱6に埋め込み固定され、ビス12の他端側に係止された座金13は外装材4に固定されている。この座金13には、外装材4のモルタルとの接着力を高めるために、表面に凹凸形状を設けることが好ましい。
前記固定部材は、既存外壁1と外装材4とを固定して外装材4の脱落を防止するとともに、外装材4による剛性向上効果を直接既存外壁1に付与する働きを持っている。一方、地震時に、既存外壁1に生じた変形を断熱パネル3が吸収緩和して外装材4に伝わり難くするために該断熱パネル3が緩衝材として作用する際に、この固定部材は邪魔となる。このように、あまりに多くの固定部材を設けると、断熱パネル3による前記層間変位を低減させる効果が鈍くなることから、固定部材の配置間隔は200mm以上とすることが好ましく、250mm以上とすることがより好ましい。
本実施形態の耐震外壁構造は、前述の通り構成したことにより、外装材4によって外壁の剛性を高めて耐震性を向上することができる。
また、既存外壁1の外面側に合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネル3を介して外装材4を接着固定しているので、地震時に建築物に発生する変形を断熱パネル3で緩衝し、外装材4の変形を抑制することができ、外装材4のひび割れ発生を低減できる。
本発明に係る耐震外壁工法は、建築物の既存外壁1に接着剤2を介して合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネル3の内面側を接着し、続いて該断熱パネル3の外面側に外装材4を接着して、図1及び図2に示す耐震外壁構造を構築することを特徴としている。
前記耐震外壁構造を構築する場合には、必要に応じて塗装面の研磨などの表面処理を施した既存外壁1の外面に、モルタル等の接着剤2を塗布し、断熱パネル3の内面側をこれに押し当て、所定間隔毎に座金つきビス12を間柱6に打ち込み、続いて断熱パネル3の外面側に外装材としてモルタルを塗布し、これを硬化させることで耐震外壁構造を構築する。なお、ここに例示した耐震外壁工法は、単なる例示に過ぎず、断熱パネル3の材質、接着剤2の材質、外装材4の材質、既存外壁1の材質等に応じて適宜変更可能である。
本発明の耐震外壁工法は、前述した通り外装材4によって外壁の剛性を高めて耐震性を向上するだけでなく、断熱パネル3による前記層間変位を低減させる効果によって地震時に外装材4のひび割れ発生を低減できるという優れた耐震性能を有する耐震外壁構造を容易に構築することができる。
本発明の耐震外壁工法において、使用する接着剤2や外装材4は、従来周知の建設資材を用い、既存外壁を作る場合と同様の工法を用いて構築可能であり、また断熱パネル3は軽量であることから搬送や施工が容易であり、従来の耐震補強工事と同様に施工可能である。また、断熱パネル3が軽量で搬送が容易であることから、住宅密集地など狭い作業スペースが求められる建築物でも耐震補強工事が可能である。
<評価試験方法>
建築基準法施行令第46条第4項表1の(ハ)の認定に係る性能評価として、JIS A1414に準拠したタイロッド式の試験を行った。以下の実施例1〜3及び比較例1にそれぞれ記した試験体材料を用いて層間変位角評価用の試験体を作製した。
試験体形状は、910mm×2730mm(芯々)とした。
作製した試験体の土台部を試験機の床に固定し、試験体の梁部に水平載荷を実施した。試験体の層間変形角が1/50,1/30,1/20radとなる時に、試験体の外装材に発生した幅0.1mm以上のひび割れを確認した。評価基準は、それぞれの層間変形角について、次の通りとした。
良好(○):外装材にひび割れは確認されなかった。
不良(×):外装材にひび割れが確認された。
[実施例1]
試験体材料:
柱、土台 :杉材 105mm×105mm
梁 :米松 105mm×180mm
既存外壁 :サイディング 455×910mm厚さ12mm
接着剤 :モルタル:厚さ2mm
断熱パネル:積水化成品工業社製のポリスチレン系樹脂発泡成形体、商品名「ESダンマット」、密度17kg/m、厚さ25mm
座金つきビス:固定間隔300mm
外装材:ガラスメッシュ入りモルタル、厚さ5mm
[実施例2]
厚さ50mmの断熱パネルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
[実施例3]
厚さ20mmの断熱パネルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
[比較例1]
断熱パネル及び接着剤を用いず、サイディング(既存外壁)の外面に直接外装材(ガラスメッシュ入りモルタル、厚さ5mm)を設けたこと以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
前記の通り作製した実施例1〜3及び比較例1の各試験体について、前記評価試験方法に記した評価試験を実施した。結果を表1にまとめて記す。
Figure 0005612884
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜3の試験体は、層間変形角1/50及び1/30radにおいて外装材にひび割れが生じなかった。
特に、断熱パネルの厚さを25mm、及び50mmとした実施例1,2では、層間変形角1/20radでも外装体にひび割れを生じなかった。
一方、断熱パネルを用いない比較例1は、層間変形角1/50、1/30及び1/20radの全てで外装材にひび割れを生じた。
本発明は、木造住宅などの建築物の既存外壁に取り付けて建築物の耐震性能を向上させるための耐震外壁構造および耐震外壁工法に関する。本発明の耐震外壁構造および耐震外壁工法は、建築物の既存外壁に取り付けて補強し、建築物の耐震性能を向上できるとともに、地震時に発生する想定以上の層間変位に追従して外壁のひび割れを防止し得る。
1…既存外壁、2…接着剤、3…断熱パネル、4…外装材、5…通気層、6…間柱、7…通気胴縁、8…断熱材、9…内装材、10…土台、11…基礎、12…ビス、13…座金、14…通気止材、15…床材。

Claims (12)

  1. 建築物の既存外壁に取り付けて建築物の耐震性能を向上させる耐震外壁構造であって、
    前記既存外壁の外面側に、合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネルの一方の面側が接着され、前記断熱パネルの他方の面側に外装材が接着されてなり、
    前記断熱パネルを貫通して一端側が前記既存外壁側に固定された固定部材の他端側が前記外装材に固定され、
    前記固定部材が、前記既存外壁側に一端側が固定されるビスと、該ビスの他端側に係止され前記外装材と固定される座金とを含むことを特徴とする耐震外壁構造。
  2. 前記既存外壁と前記断熱パネルとが実質的に全面接着され、かつ前記断熱パネルと前記外装材とが実質的に全面接着された請求項1に記載の耐震外壁構造。
  3. 前記断熱パネルの厚みが20mm以上である請求項1又は2に記載の耐震外壁構造。
  4. 前記既存外壁と前記外装材とを固定する前記固定部材の配置間隔が200mm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐震外壁構造。
  5. 前記外装材が前記断熱パネルの他方の面に塗布されたモルタルを含む請求項1〜のいずれか1項に記載の耐震外壁構造。
  6. 前記既存外壁と前記断熱パネルとがモルタルによって接着された請求項1〜のいずれか1項に記載の耐震外壁構造。
  7. 建築物の既存外壁に接着剤を介して合成樹脂発泡成形体からなる断熱パネルの一方の面側を接着し、続いて該断熱パネルの他方の面側に外装材を接着して耐震外壁構造を構築する耐震外壁工法であって、
    前記既存外壁に前記断熱パネルの一方の面側を接着した後、固定部材の一端側を前記既存外壁側に固定し、前記固定部材の他端側と前記外装材とを固定し、
    前記固定部材が、前記既存外壁側に一端側が固定されるビスと、該ビスの他端側に係止され前記外装材と固定される座金とを含むことを特徴とする耐震外壁工法。
  8. 前記既存外壁と前記断熱パネルとを接着剤を介して実質的に全面接着するとともに、前記断熱パネルと前記外装材とを実質的に全面接着する請求項に記載の耐震外壁工法。
  9. 前記断熱パネルの厚みが20mm以上である請求項又はに記載の耐震外壁工法。
  10. 前記既存外壁と前記外装材とを固定する前記固定部材の配置間隔を200mm以上とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の耐震外壁工法。
  11. 前記外装材が前記断熱パネルの他方の面に塗布されたモルタルを含む請求項7〜10のいずれか1項に記載の耐震外壁工法。
  12. 前記既存外壁と前記断熱パネルとをモルタルで接着する請求項7〜11のいずれか1項に記載の耐震外壁工法。
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