JP2016028809A - 酸性成分を含むガスの除害方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭酸水素ナトリウム粉末を粉砕機で粉砕し、温度が150℃以上で酸性成分を含むガス中に直接添加する工程と、前記炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕の前に、または粉砕と同時に、前記炭酸水素ナトリウム粉末と、炭素数3以上の多価アルコール(ただし、−O−CH2−CH2−O−の構造を有する化合物を除く。)を含む液体とを混合する工程と、を含み、前記炭酸水素ナトリウム粉末に対する前記液体中の水分の割合が1質量%以下であることを特徴とする、酸性成分を含むガスの除害方法。
【選択図】なし
Description
そこで、酸性成分を除去するために、高温の排ガス中に、酸性成分を中和するための粉体状の薬剤を添加することが行われている。薬剤としては、従来、消石灰が用いられており、近年、炭酸水素ナトリウムも使用されるようになっている。
しかし、前記の薬剤は、流動性が悪く、排ガスが流通している煙道に薬剤を供給するための配管や装置の内部に付着しやすい傾向がある。薬剤の付着は、配管の閉塞、装置の故障等の原因となる。薬剤の流動性は粒径が小さくなるにつれて低下する傾向がある。特に粒径30μm以下の微細な炭酸水素ナトリウム粉末は流れ性が非常に悪い。
(1)予め目的の大きさにまで粉砕した炭酸水素ナトリウム粉末を貯留槽に貯留しておき、貯留槽から煙道に供給する方法。
(2)大きめの粒径の炭酸水素ナトリウム粉末を貯留槽に入れておき、使用直前に貯留槽から粉砕機に供給し、目的の大きさに粉砕し、粉砕機から煙道に供給する方法。
(1)の方法においては、貯留槽内部での粉体の固結、貯留槽から煙道まで粉体を輸送するための配管や装置の内部への粉体の付着、それに伴うスケーリング等が問題になる。(2)の方法においては、粉砕機内部や、粉体を粉砕機から煙道まで輸送するための配管等の内部への粉体の付着、それに伴うスケーリング等が問題になる。
そのため、(1)〜(2)のいずれの方法においても、付着防止効果、固結防止効果、粉砕補助効果、粉砕機の洗浄効果等を有する添加剤を炭酸水素ナトリウム粉末に添加することが行われている(たとえば特許文献1〜3)。
一方で、エチレングリコールやジエチレングリコールは、1,4−ジオキサンの合成原料として使用されている。そのため、エチレングリコールやジエチレングリコールを含む薬剤を高温のガス中に添加すると、ガス中に存在するフライアッシュ、重金属などを触媒として、脱水反応により1,4−ジオキサンが生成する可能性がある。近年、1,4−ジオキサンには毒性が指摘されている。そのため、エチレングリコールやジエチレングリコールを用いた場合と同等以上の優れた付着防止効果が得られ、かつ1,4−ジオキサンの生成を抑制できるガス除害方法が求められる。
[1]炭酸水素ナトリウム粉末を粉砕機で粉砕し、温度が150℃以上で酸性成分を含むガス中に直接添加する工程と、
前記炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕の前に、または粉砕と同時に、前記炭酸水素ナトリウム粉末と、炭素数3以上の多価アルコール(ただし、−O−CH2−CH2−O−の構造を有する化合物を除く。)を含む液体とを混合する工程と、を含み、
前記炭酸水素ナトリウム粉末に対する前記液体中の水分の割合が1質量%以下であることを特徴とする、酸性成分を含むガスの除害方法。
[2]前記炭素数3以上の多価アルコールがプロピレングリコールである、[1]に記載の除害方法。
[3]前記炭酸水素ナトリウム粉末に対する前記液体の割合が3質量%以下である、[1]または[2]に記載の除害方法。
[4]前記液体中の水分量が、前記液体の全量に対して90質量%以下である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の除害方法。
[5]前記炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕前の平均粒径が50μm以上であり、粉砕後の平均粒径が30μm以下である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の除害方法。
炭酸水素ナトリウム粉末を粉砕機で粉砕し、温度が150℃以上で酸性成分を含むガス中に直接添加する工程と、
前記炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕の前に、もしくは粉砕と同時に、または粉砕の前および粉砕と同時に、前記炭酸水素ナトリウム粉末と、炭素数3以上の多価アルコール(ただし、−O−CH2−CH2−O−の構造を有する化合物を除く。)を含む液体(以下、MA含有液ともいう。)とを混合する工程と、を含み、
前記炭酸水素ナトリウム粉末に対する前記液体中の水分の割合が1質量%以下であることを特徴とする。
本発明の除害方法において、炭酸水素ナトリウム粉末には、前記粉砕の前に、もしくは粉砕と同時に、または粉砕の前および粉砕と同時に、粉末状の添加剤が添加されてもよい。
「酸性成分」とは、水に溶解した場合にその水溶液のpHが7未満であることを意味する。
酸性成分の具体例としては、塩化水素、フッ化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物、ホウ素酸化物等が挙げられる。ガス中に含まれる酸性成分は1種でもよく2種以上でもよい。
排ガスとしては、一般廃棄物(都市ゴミ)、産業廃棄物、医療廃棄物等の焼却炉等からの、塩化水素、フッ化水素、硫黄酸化物(二酸化硫黄)等を含む排ガス;ボイラ等からの、硫黄酸化物(二酸化硫黄、硫酸)、窒素酸化物等を含む排ガス; 等が挙げられる。
炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕後の平均粒径、つまり酸性成分を含むガス中に添加される炭酸水素ナトリウム粉末の平均粒径は、50μm未満が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。炭酸水素ナトリウム粉末の平均粒径が小さいほど、ガス中の酸性成分との反応効率が高くなり、炭酸水素ナトリウム粉末の使用量を低減できる。また、平均粒径が50μm以上であると、流動性はそれほど悪くなく、輸送上のトラブルがおきにくい。そのため、炭酸水素ナトリウム粉末の平均粒径が50μm未満、特に30μm以下である場合に本発明の有用性が高い。
そのため、炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕後の平均粒径は、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。
MA含有液は、炭素数3以上の多価アルコール(ただし、−O−CH2−CH2−O−の構造を有する化合物を除く。)(以下、MAともいう。)を含有する。MAは、粉砕機で粉砕された炭酸水素ナトリウム粉末が、粉砕機の内部や、粉砕物を粉砕機からガスの煙道に移送する配管の内壁に付着するのを抑制する付着防止作用を有する。
MAとしては、炭素数3以上の多価アルコールであって−O−CH2−CH2−O−の構造を有しないものを用いるが、炭素数は3〜5が好ましく、3が特に好ましい。具体的な化合物としては、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール:以下、PGともいう。)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。このうち、PG、1,3−プロパンジオールがより好ましく、PGが特に好ましい。MAとしては1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
他の液体成分としては、典型的には、MAと均一に混和し得るものが用いられ、例えば水、エタノール、2−プロパノール等が挙げられる。
なお、市販のMAには通常、微量の水分が含まれることがあるが、その量は1質量%未満である。なお、グレードによって異なる場合がある。
なお、水分量が10質量%のMA含有液を炭酸水素ナトリウム粉末100質量部に対して0.5質量部の質量比で添加する場合、炭酸水素ナトリウム粉末に対するMA含有液中の水分の割合は、0.5×10(質量%)÷100÷100×100=0.05質量%と計算できる。
MA含有液が水分を含有すると、粘度が低くなり、炭酸水素ナトリウム粉末全体に均質化しやすい。その一方で水分量が多くなると、MA含有液中の水分が炭酸水素ナトリウム粉末の一部を溶解する。そのため、その後、粉砕機の内部や、粉砕機で粉砕された炭酸水素ナトリウム粉末をガスの煙道に移送する配管内で、気流中に分散した炭酸水素ナトリウム粉末の粒子同士が凝集、結合し、流れ性が悪くなる。また、水分量が多いと、蒸発し周囲のガスの湿度を上げるため、粉砕後の炭酸水素ナトリウム粒子の分散度が悪くなる(低くなる)場合がある。
炭酸水素ナトリウム粉末に対するMA含有液中の水分の割合が前記の上限値以下であると、MA含有液からの水分が、炭酸水素ナトリウム粉末が凝集する前に気流によって蒸発し、流れ性の悪化を抑制できる。そのため、粉砕後の炭酸水素ナトリウム粉末が配管中で流動性よく移送される。また、長期間連続して粉砕を行う際の、炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕機内部への付着防止にもつながる。さらに、粉砕後の炭酸水素ナトリウム粒子の分散度を高くすることができる。
粉砕後の炭酸水素ナトリウム粒子の分散度は、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。分散度が前記の下限値以上であると、酸性成分を含むガス中に噴霧されたときに均一に広がり反応しやすくなる。
粉末状の添加剤としては、例えば、固結防止剤が挙げられる。
微粉砕された炭酸水素ナトリウム粉末を貯留槽等で保管する場合、固結防止剤の添加が必須となる。本発明では、炭酸水素ナトリウム粉末を粉砕機で粉砕しつつガス中に直接添加するため、固結防止剤を添加をしなくてもよいが、固結防止剤を添加することにより、粉砕機の内部や粉砕された炭酸水素ナトリウム粉末を移送する配管の内部での炭酸水素ナトリウム粉末の凝集をより効果的に抑制できる。
固結防止剤としては、シリカが好ましく、平均粒子径の細かさ、固結防止効果、入手の容易性等から、ヒュームドシリカが特に好ましい。
(α):炭酸水素ナトリウム粉末と、MA含有液とを混合装置で混合して混合物を得る工程と、
前記混合物を粉砕機に供給し、粉砕して粉砕物を得る工程と、
前記粉砕物を、酸性成分を含む150℃以上のガス中に、前記粉砕機から直接添加する工程と、を含む方法。
(β):炭酸水素ナトリウム粉末と、MA含有液とをそれぞれ粉砕機に供給し、MA含有液の存在下で炭酸水素ナトリウム粉末を粉砕して粉砕物を得る工程と、
前記粉砕物を、酸性成分を含む150℃以上のガス中に、前記粉砕機から直接添加する工程と、を含む方法。
図1は、本発明の除害方法の第一実施形態を説明する図である。
第一実施形態の除害方法は、燃焼炉1と、ガス冷却装置2と、一段目除塵装置3と、二段目除塵装置4と、脱硝設備5と、煙突6と、薬剤供給システム7とを備える施設100で実施される。
二段目除塵装置4としては、例えば電気集塵機、バグフィルタ等が挙げられる。酸性成分の除去効率の点では、バグフィルタが好ましい。
第一の配管76は、粉体定量供給装置72および混合装置74に接続する。
第二の配管77は、粉砕機75および煙道13に接続する。
第三の配管78は、液体定量供給装置73および第一の配管76に接続する。第一の配管76における第三の配管78の接続位置は、粉体定量供給装置72の接続位置よりも下流側とされている。
液体定量供給装置73は、MA含有液を任意の供給量で第三の配管78内に供給するために使用される。液体定量供給装置73としては、例えばギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、エアードポンプ、チューブポンプ等が挙げられる。
第三の配管78の下流側末端には、液体定量供給装置73から供給されたMA含有液を第一の配管76内に噴出させる噴出器(図示なし)が取り付けられている。
第一の配管76の、粉体定量供給装置72の接続位置には、図示しない配管を介して図示しない送風機が接続されている。これにより、第一の配管76内に気流を形成し、該気流によって、第一の配管76内に供給された炭酸水素ナトリウム粉末およびMA含有液を混合装置74に移送できるようになっている。
混合装置74としては、炭酸水素ナトリウム粉末とMA含有液との混合を良好に行うことができる点で、タービュライザー(ホソカワミクロン社製)が好ましい。
粉砕機75としては、乾式粉砕機が使用される。乾式粉砕機としては、衝撃式粉砕機(高速回転する羽根等による粉砕機)、ジェットミル(衝突気流による粉砕機)、ボールミル等が挙げられる。
粉砕機75としては、粉砕用粉体を効率よく粉砕するため、分級機を備えた粉砕機を使用することが好ましい。分級機としては、風力式分級機等が挙げられる。分級機を備えた粉砕機を用いると、粉砕機から排出される粒子を分級して粗粒子は再度粉砕機に戻しながら粉砕用粉体を粉砕することによって、高い収率で目的の平均粒径の粉砕物を得ることができる。このような粉砕機の具体例としては、ホソカワミクロン社製の乾式粉砕機(商品名:ACMパルベライザー)が乾式分級機を備えているため好適に使用できる。
より細かい粉砕粒子を得たい場合は、粉砕機75としてジェットミルを用いることも好ましい。ジェットミルは、動力に要する費用が高くなるが、粉砕手段としては微粒子化に適しており、篩い分けによる粗粒子除去なしに、高い収率で目的の平均粒径の粉砕物を得ることができる。
第二の配管77の下流側末端には、粉砕物を煙道13内に噴出させる噴出器(図示なし)が取り付けられている。
施設100において、燃焼炉1で廃棄物の焼却等を行うと、酸性成分を含む高温の排ガスが発生する。発生した排ガスは、煙道11を通ってガス冷却装置2に送られ、冷却される。ガス冷却装置2での冷却は、煙道13を通る際の排ガスの温度が目的の温度となるように行われる。
冷却された排ガスは、煙道12を通って一段目除塵装置3に送られ、排ガス中に含まれる粉塵が除去される。
別途、薬剤供給システム7では、混合装置74で炭酸水素ナトリウム粉末とMA含有液とが混合され、得られた混合物が粉砕機75に供給されて粉砕され、得られた粉砕物が、気流中に分散した状態のまま、第二の配管77を通って煙道13に移送される。
これにより、煙道13内を通る排ガス中に、粉砕された炭酸水素ナトリウム粉末が添加され、炭酸水素ナトリウム粉末によって排ガス中の酸性成分が中和される。
炭酸水素ナトリウム粉末は、150℃以上の温度条件下では、炭酸水素ナトリウムが炭酸ナトリウムに分解するとともに、多孔質化する。そのため、酸性成分を効率的に反応し中和することができる。
煙道13内を通る排ガスの温度は、150〜450℃が好ましく、160〜250℃がより好ましい。煙道13内を通る排ガスの温度が前記範囲内であると酸性成分の除去効率に優れる。
脱硝設備5を通った排ガスは、煙道15を通って煙突6に送られ、煙突6から排出される。
図2は、本発明の除害方法の第二実施形態を説明する図である。なお、第一実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第二実施形態の除害方法は、燃焼炉1と、ガス冷却装置2と、除塵装置8と、脱硝設備5と、煙突6と、薬剤供給システム9とを備える施設200で実施される。
第一の配管94は、粉体定量供給装置72および粉砕機75に接続する。
第二の配管97は、粉砕機95および煙道17に接続する。
第三の配管98は、液体定量供給装置73および粉砕機75に接続する。
粉砕機95としては、粉砕機75と同様のものが挙げられる。
第二の配管97の下流側末端には、粉砕物を煙道17内に噴出させる噴出器(図示なし)が取り付けられている。
施設200において、燃焼炉1で廃棄物の焼却等を行うと、酸性成分を含む高温の排ガスが発生する。発生した排ガスは、煙道11を通ってガス冷却装置2に送られ、冷却される。
別途、薬剤供給システム9では、粉砕機95内に炭酸水素ナトリウム粉末とMA含有液とが供給され、MA含有液の存在下で炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕が行われる。この粉砕は、炭酸水素ナトリウム粉末とMA含有液との混合工程を兼ねている。得られた粉砕物は、気流中に分散した状態のまま、第二の配管97を通って煙道17に移送される。
これにより、煙道17内を通る排ガス中に、粉砕された炭酸水素ナトリウム粉末が添加され、煙道中で炭酸ナトリウムに分解し、この炭酸ナトリウム粉末によって排ガス中の酸性成分が中和される。
除塵装置8を通った排ガスは、煙道18を通って脱硝設備5に送られる。
脱硝設備5を通った排ガスは、煙道15を通って煙突6に送られ、煙突6から排出される。
たとえば、第一実施形態において、薬剤供給システム7の代わりに、薬剤供給システム9を用いてもよい。第二実施形態において、薬剤供給システム9の代わりに、薬剤供給システム7を用いてもよい。
本発明の除害方法にあっては、炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕の前に、または粉砕と同時に、炭酸水素ナトリウム粉末とMA含有液とを混合し、かつ炭酸水素ナトリウム粉末に対するMA含有液中の水分の割合を1質量%以下とする。これにより、粉砕後の炭酸水素ナトリウム粉末を、酸性成分を含む150℃以上のガス中に添加する際に用いる配管等の内部への炭酸水素ナトリウム粉末の付着を抑制できる。これは、炭酸水素ナトリウム粉末とMA含有液とが均一に混合され、かつ炭酸水素ナトリウム粉末への水分の悪影響が抑制され、MAによる流動化の機能が充分に発揮されるためと考えられる。また、MAによって、粉砕機内部の粉体付着防止効果も得られる。
また、MAを用いることで、エチレングルコールやジエチレングリコールを用いる場合に比べて、除害処理時に1,4−ジオキサンが生成しにくい。
各例で使用した評価方法および材料を以下に示す。
炭酸水素ナトリウム粉末(旭硝子社製、平均粒径100μm)1kgに対し、PG(旭硝子社製、水分濃度0.01%未満)あるいは、あらかじめPGと蒸留水とを表1に記載の割合となるように混合したものを添加し、ロッキングミキサーにて均一に混ざるように30分間混合して混合粉体を得た。
前記混合粉体を、粉砕機(サカイ社製、SP−3型)にスクリューフィーダーを用いて投入し、回転数9998rpmにて、フィーダーの出力を一定(20%出力)として粉砕した。
1:固い付着物が大量にこびりついている状態である。
2:固い付着物がこびりついている状態である。
3:指で簡単に落とせる付着物がこびりついている状態である。
4:全く付着がない、あるいは、少量の付着粉体が軽く触るだけで崩れ落ちる状態である。
また、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製、パウダーテスター TYPE PT−E)を使用して、粉体の分散度(%)を測定した。
なお、混合粉体の粉砕は、粉砕後に得られた粒子の分散度へ悪影響を及ぼすと考えられている多湿環境を想定し、湿度60%以上にて行った。湿度は相対湿度である。
PGを1,3−プロパンジオール(関東化学社製、水分濃度1%未満)にした以外は、実施例2と同様の条件で試験、及び、評価を行った。
炭酸水素ナトリウム粉末に添加する液体をエチレングリコール(関東化学社製)(以下、EGという。)としたこと以外は実施例1と同様に粉砕、評価を行った。
炭酸水素ナトリウム粉末にMA含有液を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に粉砕、評価を行った。
PGおよび水の量を表1に記載の量にした以外は、実施例1と同様に粉砕、評価を行った。なお、この条件でのMA含有液中の水分量は91質量%であり、炭酸水素ナトリウム粉末に対する水分の割合は2.3質量%である。
なお、炭酸水素ナトリウム粉末に対する添加液の割合は、MA(水分を除く)、EG(水分を除く)、水のそれぞれの割合の合計量である。
また、実施例1〜6で粉砕した後の粒子の分散度は、比較例1〜2で粉砕した後の粒子の分散度よりも高かった。粒子の分散度が高いと、前述のとおり、粉体がガス中に添加された場合に粒子が広がりやすく、酸性成分との接触確率があがり反応率が向上する。
比較例3では、評価の結果、粉砕後の粉砕機ハンマーの表側に強固な塊が付着していた上、粉砕前のMA含有液と炭酸水素ナトリウム粉末との混合物が、流れ性が非常に悪く供給しづらい粉体であった。
2 ガス冷却装置
3 一段目除塵装置
4 二段目除塵装置
5 脱硝設備
6 煙突
7 薬剤供給システム
8 除塵装置
9 薬剤供給システム
71 貯留槽
72 粉体定量供給装置
73 液体定量供給装置
74 混合装置
75 粉砕機
95 粉砕機
100 施設
200 施設
Claims (5)
- 炭酸水素ナトリウム粉末を粉砕機で粉砕し、温度が150℃以上で酸性成分を含むガス中に直接添加する工程と、
前記炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕の前に、または粉砕と同時に、前記炭酸水素ナトリウム粉末と、炭素数3以上の多価アルコール(ただし、−O−CH2−CH2−O−の構造を有する化合物を除く。)を含む液体とを混合する工程と、を含み、
前記炭酸水素ナトリウム粉末に対する前記液体中の水分の割合が1質量%以下であることを特徴とする、酸性成分を含むガスの除害方法。 - 前記炭素数3以上の多価アルコールがプロピレングリコールである、請求項1に記載の除害方法。
- 前記炭酸水素ナトリウム粉末に対する前記液体の割合が3質量%以下である、請求項1または2に記載の除害方法。
- 前記液体中の水分量が、前記液体の全量に対して90質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の除害方法。
- 前記炭酸水素ナトリウム粉末の粉砕前の平均粒径が50μm以上であり、粉砕後の平均粒径が30μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の除害方法。
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