JP2006021204A - 排ガス処理剤およびそれを用いた排ガス処理方法並びに排ガス処理装置 - Google Patents

排ガス処理剤およびそれを用いた排ガス処理方法並びに排ガス処理装置 Download PDF

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満 宮川
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富男 杉本
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Abstract

【課題】 バグフィルタにおける圧力損失を低減し、かつ固結し難い、重曹を主成分とする排ガス処理剤を提供すること。
【解決手段】 重曹の粉末と、親水性を有する合成シリカの粉末と、金属石鹸の粉末とを含有する排ガス処理剤であり、合成シリカは、湿式シリカ、好ましくは、平均粒径10〜200μmのホワイトカーボンであり、金属石鹸は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸亜鉛のうち少なくとも1種であるものとする。これにより、重曹の固結防止効果が得られると共に、バグフィルタにおける漏れや圧力損失を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物処理装置から排出される燃焼排ガス中の塩化水素、硫黄酸化物などの酸性ガスを中和処理する薬剤(以下、排ガス処理剤という。)およびそれを用いた排ガス処理方法並びにそれを用いた排ガス処理装置に関する。
廃棄物処理装置が対象とする廃棄物としては、家庭やオフィスなどから排出される都市ごみなどの一般廃棄物、廃プラスチック、カーシュレッダー・ダスト、廃オフィス機器、電子機器、化成品等の産業廃棄物などがある。これらの廃棄物処理は、一般に、焼却炉で焼却処理する方法の他に、熱分解反応器において低酸素雰囲気で加熱して廃棄物を熱分解し、その熱分解生成ガスを燃焼処理するとともに、熱分解反応の残渣に含まれる燃焼性成分や灰分を熱分解生成ガスとともに燃焼処理する方法などが知られている。
いずれの処理方法を用いても、焼却処理により発生する排ガスには、硫黄酸化物(SOx)、塩化水素(HCl)などの酸性ガスが含まれていることから、従来から排ガス処理剤によって中和処理することが行われている。排ガス処理剤としては、消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH))などのカルシウム系の排ガス処理剤、重曹(炭酸水素ナトリウム:NaHCO)などのナトリウム系の排ガス処理剤が知られている。これらの排ガス処理剤を排ガス中の塩化水素(HCl)と反応させて、粉体状の塩化カルシウム(CaCl)あるいは塩化ナトリウム(NaCl)等を生成させ、これをバグフィルタで分離することにより、排ガスを浄化することが一般に行われている。
ところで、カルシウム系の排ガス処理剤を用いた場合、生成される塩化カルシウムの粉体は吸湿性があり、かつ強い潮解性を有するため、排ガス中の水分を吸湿してバグフィルタの濾布に目詰まりを起こすなどの問題があるが、ナトリウム系の排ガス処理剤である重曹などはそのような問題が少ないことが知られている。
一方、排ガス中の酸性ガスは、バグフィルタの濾布面に形成された排ガス処理剤の層を通過する過程で、排ガス処理剤と反応して中和処理される。したがって、反応率を向上するために、排ガス処理剤の粒径を細かくすることが好ましいが、例えば5μm未満のように、細かすぎるとバグフィルタを通り抜ける割合が多くなるので制限がある。
また、反応率を高めるために重曹を平均粒径が20μm以下の粉粒体にすると、粒子同士が凝集して固結しやすいことが知られている。この固結のメカニズムは必ずしも明確ではないが、固結してしまうと輸送や貯留などが困難になるなど、取り扱い上の問題が生ずるとともに、酸性ガスとの反応率が低下する。
このような問題を解決するため、従来、微粉重曹に親水性固結防止剤のヒュームドシリカの微細粒子を添加することにより、固結を防止することが提案されている(特許文献1参照)。これによれば、微粉重曹の平均粒径を、例えば10μm以下にしても固結を防止できるから、輸送や貯留および粉砕設備などの問題を解決できる。
特開2001−314757号公報
しかしながら、ヒュームドシリカのような粒子径の小さい乾式シリカは、一般に高価であり、固結防止剤にかかる費用が高くなるため、実用上の問題がある。
これに対し、親水性固結防止剤の湿式シリカは、安価に入手できるが、やや凝集性があり、重曹の流動性を低下させるため、バグフィルタの濾布面に形成された重曹の剥離性が低下して濾布面の通気性が悪くなり、圧力損失が高くなるなど、最適な粉体性状に調整することが難しい。
本発明は、バグフィルタにおける圧力損失をより最適に低減し、かつ固結し難い、重曹を主成分とする排ガス処理剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、親水性固結防止剤として湿式シリカを選択し、さらにこの湿式シリカと疎水性の金属石鹸とを適切な比率で混合することを狙いとし、まず、湿式シリカと金属石鹸をそれぞれ単独で重曹粉末に添加し、10μm程度に粉砕した場合の性状について実験した結果、親水性の湿式シリカは、固結防止効果が大きい反面、流動性が悪いためバグフィルタにおける圧力損失が大きくなるのに対し、疎水性の金属石鹸は、流動性が高い反面、固結防止効果が小さいことが判明した。
この実験結果に基づき、発明者らは、重曹の粉末と、親水性を有する合成シリカの粉末と、金属石鹸の粉末とを含有する排ガス処理剤を開発した。ここで、金属石鹸とは、アルカリ金属以外の金属と脂肪酸との塩のことを言い、疎水性を示すものである。すなわち、親水性固結防止剤に疎水性固結防止剤を組み合わせることにより、高い固結防止効果を備えると共に、流動性を改善して、バグフィルタ濾布面における重曹の剥離性を向上させることができる。
この場合において、合成シリカとしては、材料コストが安価な点で湿式シリカを用いることが好ましい。さらに、湿式シリカとしては、平均粒径10〜200μmのホワイトカーボンを用いることがより好ましい。また、金属石鹸としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
また、合成シリカの含有率は1〜10wt%、好ましくは2〜5wt%、金属石鹸の含有率は0.1〜0.5wt%、好ましくは0.1〜0.3wt%であることを特徴とする。固結防止効果を得るためには、最低でも合成シリカの含有率が1wt%以上必要であり、特に、2wt%以上であれば、十分な効果が得られる。さらに、合成シリカの含有率を増加させると固結防止効果は一層安定化されるが、経済性等の面から実用上は10wt%、好ましくは5wt%で十分である。また、バグフィルタにおける圧力損失を低減させるためには、最低でも金属石鹸の含有率が0.1wt%必要である一方、含有率が増えると固結発生率が大きくなるため、上限としては0.5wt%、実用的には0.3wt%が好ましい。
また、排ガス処理剤の製造方法は、粗粒の重曹と、親水性を有する合成シリカの粉末と、金属石鹸の粉末とを混合した後、平均粒径が5〜15μm、好ましくは8〜12μmになるように粉砕して生成させることを特徴とする。すなわち、重曹は、粉砕して微粉になるとすぐに凝集、固結してしまうから、微粉砕後に合成シリカと金属石鹸とを混合しても均一に混ざり難いだけでなく、固結した重曹の流動性を回復させることが期待できない。したがって、固結防止剤としての合成シリカおよび金属石鹸を予め重曹に混合してから微粉砕することにより、固結防止および均一混合を実現でき、安価で安定した性状の微粉重曹を主成分とする排ガス処理剤を製造することができる。
また、本発明の排ガス処理装置は、上記の排ガス処理剤を貯留する貯留槽と、押出し送風機から吐出される空気を処理対象の排ガス流路に導く空気輸送管と、空気輸送管に貯留槽から排ガス処理剤を供給する排ガス処理剤供給手段と、排ガス流路の下流側に設けられたバグフィルタとを備えて構成される。
すなわち、本発明の排ガス処理剤は、微細重曹を含んでいても固結し難いことから、貯留槽に貯留することができ、かつ押出し送風機による空気輸送を採用することができる。
本発明によれば、バグフィルタにおける圧力損失を低減すると共に、固結し難い、重曹を主成分とする排ガス処理剤を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1(a)、(b)に、本発明の排ガス処理剤の製造方法を実施するのに好適な製造装置の構成図を示す。
図1(a)に示すように、排ガス処理剤製造装置は、原料の粗粒重曹を貯留する重曹貯槽1と、親水性固結防止剤となる合成シリカの粉末を貯留するシリカ貯槽2と、疎水性固結防止剤となる金属石鹸の粉末を貯留する金属石鹸貯槽3とを備え、それぞれの貯槽からロータリーフィーダ4,5,6により切り出された粗粒重曹、合成シリカ及び金属石鹸は配管で合流され、混合機7において十分に攪拌混合された後、その混合物が粉砕機8に供給されるようになっている。粉砕機8はモータ等により駆動され、粗粒重曹、合成シリカ及び金属石鹸を微粉砕するようになっている。例えば、粉砕機8は、回転駆動される粉砕ロータの羽根で粉体を粉砕し、分級ロータで所定粒径より大きい粒子を遠心分離により分級し、分級された粗い粒子は再粉砕にかけられ、所定の粒径以下の粒子のみが粉砕機8から空気流にのって出てくるように構成された衝撃式粉砕機を適用できるが、高速回転型ピンミルやジェットミル粉砕機なども使用可能である。粉砕機8の内部空間は回収バグフィルタ9を介して誘引送風機10の吸引口に連結されている。また、粉砕機8には周囲空気を吸い込む開口が設けられている。これにより粉砕機8の内部空間に浮遊している微粉砕された重曹、合成シリカ及び金属石鹸の混合粉体は、誘引送風機10に吸引される気流に同伴して回収バグフィルタ9に導かれて捕集されるようになっている。回収バグフィルタ9に捕集された重曹、合成シリカ及び金属石鹸の混合粉体は、ロータリーフィーダ11を介して排ガス処理剤貯槽12に排出されるようになっている。
次に、上記の排ガス処理剤製造装置による排ガス処理剤の製造方法について説明する。重曹貯槽1には平均粒径が約50μm程度の粗粒重曹、シリカ貯槽2には合成シリカ粉末、金属石鹸貯槽3には金属石鹸粉末がそれぞれ供給される。重曹貯槽1、シリカ貯槽2及び金属石鹸貯槽3に貯留された原料の粗粒重曹、合成シリカ粉末及び金属石鹸粉末は、ロータリーフィーダ4,5,6により所定の割合で払い出され、混合機7を介して粉砕機8に供給される。
粉砕機8に供給された粗粒重曹、合成シリカ粉末及び金属石鹸粉末の混合粒体は、粉砕ロータの羽根により粉砕される。微粉砕された粉末は、分級ロータで所定粒径より大きい粒子が遠心分離により分級されて再粉砕にかけられ、所定の粒径以下の粒子のみが粉砕機8から空気流にのって回収バグフィルタ9に導かれる。その結果、回収バグフィルタ9に回収される重曹、合成シリカ及び金属石鹸の微粉からなる混合粉体は、例えば、平均粒径が5〜15μm、好ましくは8〜12μmの範囲内で選択した粒径に調整され、その後、排ガス処理剤としてロータリーフィーダ11を介して排ガス処理剤貯槽12に貯留される。
なお、本実施形態では、重曹貯槽1、シリカ貯槽2及び金属石鹸貯槽3を別々に設けた例について説明したが、図1(b)に示すように、まず、合成シリカ粉末と金属石鹸粉末とを予め所定の割合で混合機40において混合してから貯槽41に一時貯蔵し、続いて、貯槽41の混合粉末と重曹貯槽1の粗粒重曹とをそれぞれロータリーフィーダ39、4により所定の割合で払い出し、混合機7において混合した後、粉砕機8で粉砕するようにしてもよい。
このように、排ガス処理剤製造装置は、粗粒の重曹を原料とし、これに親水性固結防止剤の合成シリカ粉末と疎水性固結防止剤の金属石鹸粉末とを所定の割合で混合し、所定範囲の平均粒径になるように粉砕して排ガス処理剤を生成させることを特徴とする。すなわち、重曹は微粉になるとすぐに凝集、固結してしまうから、粉砕前に合成シリカ粉末と金属石鹸粉末とを添加して一緒に粉砕することにより、重曹と固結防止剤が均一に混合され、安定した固結防止効果を達成できる。例えば、重曹を微粉砕した後に合成シリカ粉末及び金属石鹸粉末を混合しても、均一に混ざり難いだけでなく、固結してしまった重曹の流動性を回復させることは期待できない。
次に、図1(a)、(b)の製造装置により製造された排ガス処理剤を用いた排ガス処理装置の一実施形態の主要部を図2(a)に示す。図に示すように、廃棄物を焼却処理または廃棄物の熱分解生成物を焼却処理した排ガスは、排ガス流路19を通り、排ガス処理装置を構成するバグフィルタ13を介して誘引送風機14により吸引され、バグフィルタ13で処理された処理排ガスは誘引送風機14から排出されるようになっている。
一方、図1の製造装置で製造された排ガス処理剤は、排ガス処理剤貯槽12に貯留され、ロータリーフィーダ16によって空気輸送管17に定量的に供給される。空気輸送管17の一端には押出し送風機18が連結され、空気輸送管17に供給された排ガス処理剤が押出し送風機18から供給される空気に同伴されて空気輸送管17の他端に連結された排ガス流路19に供給されるようになっている。
このように構成されることから、排ガス処理剤貯槽12に貯留された微粉重曹を主成分とする排ガス処理剤は、空気輸送されて排ガスに添加され、バグフィルタ13の濾布面に排ガス処理剤の層が形成される。これにより、排ガス中の塩化水素や硫黄酸化物などの酸性ガスは、濾布面の排ガス処理剤層を通過する過程で、排ガス処理剤中の微粉重曹と反応して中和処理され、生成された副生塩が集じん灰とともに排出される。
次に、図2(a)で説明した排ガス処理装置の他の実施形態を図2(b)に示す。図に示すように、本実施形態では、上記のバグフィルタ13に代えて、排ガス流路19の上流側に除塵用バグフィルタ43、下流側に酸性ガス除去用バグフィルタ44を備えている点で相違する。すなわち、排ガス流路19を流れる排ガスは、まず、除塵用バグフィルタ43に導かれて除塵され、続いて、空気輸送管17を通じて排ガス処理剤が添加され、後流の酸性ガス除去用バグフィルタ44の濾布面において、排ガス中の酸性ガスが中和処理される。
なお、上述の実施形態では、排ガス処理剤をオンサイトで製造する例について説明したが、これに限定されず、例えば、工場などで製造された排ガス処理剤を、排ガス処理装置まで搬送するようにしてもよい。
次に、本実施形態で使用される固結防止剤について具体的に説明する。親水性固結防止剤の合成シリカとしては、湿式法により製造される湿式シリカ(含水珪酸)が用いられ、特に、平均粒径10〜200μmのホワイトカーボンが好適に用いられる。ホワイトカーボンとしては、例えば、(株)トクヤマ製のトクシールUがある。一方、疎水性固結防止剤の金属石鹸としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸亜鉛のうち少なくとも1種を用いることが好ましい。このステアリン酸カルシウムとしては、例えば、旭電化工業(株)製のエフコ・ケムCSがある。また、上記の固結防止剤に加えて、排ガス中のダイオキシン類または重金属(例えば、Hg)などの汚染物質を吸着処理する吸着剤として、例えば、微粉活性炭を添加するようにしてもよい。
なお、本実施形態における粉末の平均粒径は、日機装(株)製のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックFRA)を使用し、測定用粉末をメチルアルコールに懸濁させ、レーザー回折法により測定したものである。
上述したように、微粉重曹の固結防止剤として親水性固結防止剤に疎水性固結防止剤を所定比で組み合わせることにより、親水性固結防止剤の固結防止効果に加えて、疎水性固結防止剤の流動性が付加されるため、バグフィルタ濾布面における重曹等の剥離性が向上するとともに、バグフィルタにおける圧力損失が低減される。さらに、疎水性固結防止剤の配合比を調整して排ガス処理剤の流動性を調整することにより、バグフィルタの濾布面からの漏れを低減できる。また、親水性固結防止剤は、乾式シリカに比べて安価な湿式シリカを使用できるから、経済的である。なお、本実施形態の固結防止剤によれば、排ガス処理剤は、例えば、平均粒径が5〜15μmの範囲内で調整しても固結の問題は起こらないため、排ガス中の酸性ガスに対し十分な反応率を得ることができる。
(実施例1〜5)次に、重曹を主成分とする排ガス処理剤について、固結防止剤の添加率(wt%)と、固結発生率(%)および濾布における圧力損失(mmAq)との関係を測定した結果を、表1,2に示す。表1の実施例1,2は、疎水性固結防止剤の添加率を固定して親水性固結防止剤の添加率を変化させた場合の測定結果を示し、表2の実施例3〜5は、親水性固結防止剤の添加率を固定して疎水性固結防止剤の添加率を変化させた測定結果の例を示す。なお、表1,2の各実施例の諸元は次の通りである。
実施例1,2:主成分は、重曹(炭酸水素ナトリウム99wt%以上、炭酸ナトリウム1wt%未満、平均粒径40〜50μm)、親水性固結防止剤は、ホワイトカーボン((株)トクヤマ製、トクシールU、平均粒径14μm)、疎水性固結防止剤は、ステアリン酸カルシウム(旭電化工業(株)製、エフコ・ケムCS)とし、疎水性固結防止剤の添加率を0.2wt%に固定して、親水性固結防止剤の添加率を1,2wt%(実施例1,2にそれぞれ対応)とした。なお、上記の粉末を混合し粉砕した混合粉末の平均粒径は約10μmである。
実施例3〜5:主成分の重曹、親水性固結防止剤および疎水性固結防止剤は、実施例1,2と同様とし、親水性固結防止剤の添加率を2wt%に固定して、疎水性固結防止剤の添加率を0,0.2,0.5wt%(それぞれ実施例3〜5に対応)とした。なお、上記の粉末を混合し粉砕した混合粉末の平均粒径は約10μmである。
Figure 2006021204
Figure 2006021204
表1に示すように、ホワイトカーボンの添加率を1%から2%に増加させると、固結発生率(%)および濾布の圧力損失(mmAq)は、いずれも低下することから、添加率1wt%以上、実用的には2wt%以上であればよいことが判明した。なお、薬剤コストの観点から、上限は10wt%、好ましくは5wt%あればよい。
また、表2に示すように、ステアリン酸カルシウムの添加率(%)を0%から0.5%まで増加させると、固結発生率(%)は増加する一方、濾布の圧力損失(mmAq)は低減されることから、添加率は少なくとも0.1wt%以上とし、上限は0.5wt%、好ましくは0.3wt%あればよいことが判明した。
ここで、固結発生率(%)は、図3に示す固結試験装置を用いて測定した。図に示すように、固結試験装置は、平板20上に載置された筒状のシリンダ21(内径φ49.5)と、シリンダ21に内接させて挿入するピストンロッド22(外径φ48.0)とから構成され、シリンダ21内に試験用薬剤23を充填(約100g)し、ピストンロッド22で押し付けて、荷重(21.4kg)を加えるようになっている。この固結試験装置は、排ガス処理剤貯槽15に貯蔵された排ガス処理剤の底部にかかる粉面圧力(約0.6kg/cm)に対し約2倍(1.2kg/cm)の加圧力が発生するように調整され、この荷重を加えた状態で1週間保持させた後、試験用薬剤23を1mm篩いにかけた場合の1mmオーバの割合を、固結発生率(%)と規定する。
また、濾布による圧力損失(mmAq)は、図4に示すミニパルサー試験機を用いて測定される。図に示すように、ミニパルサー試験機は、試験用薬剤の供給ホッパ24を上部に備えた薬剤混合室25を備え、左右2系統において同様の圧力試験が行えるようになっている。薬剤混合室25において入口から供給された空気とホッパ24から供給された試験用薬剤が混合され、所定濃度の粉末含有ガスが発生すると、この粉末含有ガスは、薬剤混合室25から排出された後、下流のガス流路に設置されたテストフィルタ26を通過して粉塵負荷を与える。そして、試験開始から1時間後に、テストフィルタ26の後流に設置したアブソリュートフィルタ27で吹き漏れ量を測定するとともに、テストフィルタ26の前後の圧力損失が差圧計31により測定される。なお、テストフィルタ26とアブソリュートフィルタ27との間にはパルス空気の導入管32が設けられ、各フィルタに付着した粉末が逆洗により払い落とされるようになっている。薬剤混合室25から排出された粉末含有ガスは、左右の各経路において上記フィルタを通過した後、流量計28、真空ポンプ29を経てから系外に排出される。
このようなミニパルサー試験機の試験条件は、テストフィルタ26として、ガラス2重濾布(東洋紡カンキョーテクノ製、#889Q6)を用い、ろ過速度は1.0m/min、ダスト濃度は40g/m程度、パルス圧力は1.5kg/cm、パルス間隔は30秒に設定される。
(実施例6)次に、表1,2の結果より、固結防止剤としてホワイトカーボン2wt%とステアリン酸カルシウム0.2wt%を含む排ガス処理剤(以下、混合剤と略す。)の実用性について検討するため、固結発生率(%)の測定結果を、いくつかの比較例と共に図5に示す。なお、いずれの排ガス処理剤も上述した重曹にそれぞれの固結防止剤を混合した後に粉砕し、平均粒径が約8〜12μmに調整されている。
図5は、横軸の各種固結防止剤を用いた排ガス処理剤について、固結発生率(%)を測定した結果を比較したグラフである。なお、横軸の固結防止剤無は、重曹単独による排ガス処理剤を表している。ここで、固結発生率(%)は、30%未満を合格基準としている。これによれば、混合剤は、固結発生率14%であるから、ホワイトカーボン3%添加剤の固結発生率8%に次ぐ値となり、合格基準をクリアしている。
図6は、図5と同様の各種排ガス処理剤について、ミニパルサー試験機を用いて圧力損失(mmAq)を測定した結果を比較したグラフである。圧力損失は、50(mmAq)以下を合格基準とし、実用的には30(mmAq)以下が好ましい。図から明らかなように、混合剤の圧力損失は18(mmAq)であるから、実用的にも十分であり、他の比較例と比べても、混合剤の効果は明らかである。
図7は、図5と同様の各種排ガス処理剤について、ミニパルサー試験機を用いて、ガラス濾布からの漏れ濃度(mg/mN)を測定した結果を比較したグラフである。ここで、漏れ濃度は、ミニパルサー試験機による測定で得られた吹き漏れ量とガス流量とから算出したものである。図から明らかなように、混合剤による漏れはなく良好な結果が得られた。
以上の結果より、粗粒重曹と、親水性固結防止剤のホワイトカーボンと、疎水性固結防止剤のステアリン酸カルシウムとを混合粉砕して用いることにより、高い固結防止効果が得られると共に、濾布における圧力損失及び漏れを抑制できることが確認された。
本発明の排ガス処理剤の製造方法を適用してなる一実施形態の製造装置の構成図である。 本発明の排ガス処理剤を用いてなる排ガス処理装置の主要部の構成図である。 各実施形態の固結発生率を測定するための固結試験装置の縦断面図である。 各実施形態の濾布における圧力損失と吹き漏れ量を測定するためのミニパルサー試験機の構成図である。 固結防止剤が異なる各種排ガス処理剤について、固結発生率(%)の測定結果を示すグラフである。 固結防止剤が異なる各種排ガス処理剤について、濾布の圧力損失(mmAq)の測定結果を示すグラフである。 固結防止剤が異なる各種排ガス処理剤について、濾布の漏れ濃度(mg/mN)の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 重曹貯槽
2 シリカ貯槽
3 金属石鹸貯槽
7,40 混合機
8 粉砕機
9 回収バグフィルタ
12 排ガス処理剤貯槽
13 バグフィルタ
17 空気輸送管
19 排ガス流路

Claims (6)

  1. 重曹の粉末と、親水性の湿式シリカの粉末と、疎水性の金属石鹸の粉末とを含有してなり、バグフィルタを用いて酸性ガスを処理する平均粒径が5乃至15μmの排ガス処理剤。
  2. 前記湿式シリカは、平均粒径10乃至200μmのホワイトカーボンであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理剤。
  3. 前記金属石鹸は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理剤。
  4. 前記湿式シリカの含有率が1乃至10wt%であり、前記金属石鹸の含有率が0.1乃至0.5wt%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス処理剤。
  5. 粗粒の重曹と、親水性の湿式シリカの粉末と、疎水性の金属石鹸の粉末とを混合した後、平均粒径が5乃至15μmに粉砕してなる排ガス処理剤を酸性ガス中に導入し、バグフィルタを用いて処理することを特徴とする排ガス処理方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス処理剤を貯留する貯留槽と、押出し送風機から吐出される空気を処理対象の排ガス流路に導く空気輸送管と、該空気輸送管に前記貯留槽から前記排ガス処理剤を供給する排ガス処理剤供給手段と、前記排ガス流路の下流側に設けられたバグフィルタとを備えてなる排ガス処理装置。
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