[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る給排気グリル(給排気口)1は、図1等で示すように、たとえば、住宅(家屋)の部屋の天井(天井ボード;天井板)3もしくは図示しない壁(側壁板)等に設置され、給気グリル(給気口)もしくは排気グリル(排気口)として使用されるものである。
天井板3もしくは壁等に設置された給排気グリル1は、天井板3もしくは壁等の裏側に設けられているダクト5に接続されて使用されものである。そして、図示しない給排気ユニット(給気ユニット;空調機や換気装置)から供給されダクト5内を流れてきた空気が、給排気グリル1から部屋内に供給されるようになっている。または、部屋内の空気が、給排気グリル1から吸引されダクト5内を流れて図示しない給排気ユニット(排気ユニット)へ送られ部屋の外部に排出されたり、一部が循環して部屋に供給されるようになっている。
これにより、給排気グリル1は、部屋内に空気を供給する給気グリルとして使用され、また、部屋から空気を排出する排気グリルとして使用されるようになっている。
給排気グリル1は、表側本体7と裏側本体9とを備えて構成されている。
表側本体7は、部屋の天井板3に設けられた貫通孔(設置用貫通孔)11、もしくは、部屋の壁(側壁板)に設けられた貫通孔(設置用貫通孔)に一体的に設置されるように構成されている。なお、天井板3に設置される場合には、表側本体7を下側本体と呼ぶことができる。
天井板3や側壁板に設置された表側本体7の一方の側は、部屋側に位置しており、天井板3や側壁板に設置された表側本体7の他方の側は、天井板3の上側(天井裏)や側壁板の外側(側壁板の裏側)に位置している。
表側本体7には、表側本体固定部13が設けられている。表側本体固定部13は、上述した特許文献1と同様に、フランジ部15と固定片(たとえば固定金具)17とを備えて構成されている。そして、天井板3等をフランジ部15と固定金具17とで挟み込むことで、表側本体7が天井板3に一体的に設置されるようになっている。
裏側本体9は、天井板3の裏(天井板3の上側;部屋の外側)、もしくは、部屋の壁の外側(側壁板の外側;部屋の外側)に設けられて使用されるものである。また、裏側本体9は、表側本体7に着脱自在であり(着脱自在なように構成されており)、天井板3の裏もしくは上記壁の外側に設置されている筒状のダクト5に接続されるように構成されている。なお、裏側本体9が天井板3に設置されている表側本体7に設置される場合には、裏側本体9を上側本体と呼ぶことができる。
ここで、表側本体7や裏側本体9が天井板3に設置される場合を例に掲げて説明する。ダクト5は、天井板3の上で水平方向に長く延伸している。ダクト5の長手方向の一端部は、たとえば天井板3の上に設置されている給排気ユニット(図示せず)に接続されており、ダクト5の長手方向の一端部は、天井板3の上側に存在している裏側本体9に接続されている。
ダクト5が給排気ユニットと裏側本体9とに設置され裏側本体9が天井板3に設置されている表側本体7に設置されている状態(図1や図10(c)に示す状態)では、ダクト5は、給排気ユニットと裏側本体9との間で、蛇行したりて弛んでいることなく、ほぼ直線状に伸びている。
すなわち、長手方向の一端部が給排気ユニットに接続されており長手方向の他端部に裏側本体9が設置されている長い筒状のダクト5が天井板3の上側に予め設けられており、天井板3に表側本体7が設置されている状態で、表側本体7に裏側本体9を接合する場合、ダクト5の長さに若干の余裕が無いと、表側本体7に裏側本体9を接合することはできない。
そこで、ダクト5の長さに若干の余裕を持たせてあり、表側本体7に裏側本体9を接合することができるようになっている。そして、ダクト5の長さをむやみに長くしていないので(表側本体7に裏側本体9を接合するための最低限度の長さ分しか長くしていないので;従来のようにダクト5を天井板3の下に引き出せるほどダクト5を長くしていないので)、表側本体7に裏側本体9を接合し終えた状態では、上述したように、ダクト5が、給排気ユニットと裏側本体9との間でほぼ水平方向で直線状に延びているのである。
また、表側本体7には、表側本体接続部19が設けられており、裏側本体9には、裏側本体接続部21が設けられている。
表側本体接続部19と裏側本体接続部21とをお互いに接続することによって、表側本体7に裏側本体9が一体的に設置されるように構成されている。また、表側本体7に裏側本体9を設置したとき、表側本体接続部19の内側に裏側本体接続部21が位置するように構成されている。
すなわち、表側本体7や裏側本体9は、この内側を空気が流れるので、表側本体7や裏側本体9は、各接続部19,21を含めて概ね筒状に形成されている。そして、表側本体7に裏側本体9を設置したとき、表側本体接続部19の内側に裏側本体接続部21が位置するようになっている。
また、表側本体接続部19は、表側本体7に設けられている複数の係合部23を備えて構成されている。
詳しく説明すると、表側本体7は、図2や図7や図8で示すように、筒状(たとえば高さ寸法の小さい円環状)に形成されている。表側本体の中心軸C1の延伸方向の一方の側(裏側本体9が接続される側;図8(c)で上側)には、筒状(たとえば高さ寸法が表側本体のものよりもさらに小さい円筒状)の表側本体嵌合部25が形成されている。
表側本体接続部19の各係合部23は、表側本体嵌合部25の周方向でお互い離れて表側本体嵌合部25に設けられている(図7(a)や図8(a),(b)参照)。
裏側本体接続部21は、裏側本体9に設けられている複数の被係合部27を備えて構成されている。
詳しく説明すると、裏側本体9は、図2や図5や図6で示すように、裏側本体椀状部(裏側本体円筒形枡状部)29とこの裏側本体椀状部29の開口部33から離れているダクト側筒状部31とを備えて構成されている。
裏側本体椀状部29の開口部33のところには、表側本体嵌合部25の内径より外径がわずかに小さい筒状(たとえば高さ寸法が表側本体嵌合部25のものよりも僅かに小さい円筒状)の裏側本体嵌合部35が形成されている。
裏側本体接続部21の各被係合部27は、裏側本体嵌合部35の周方向でお互い離れて裏側本体嵌合部35に設けられている(図5(e)参照)。
そして、各係合部23、各被係合部27のうちの少なくとも1つのものは、裏側本体9を表側本体7に近づけることで表側本体7に裏側本体9を設置する途中では弾性変形するように構成されている。また、表側本体7に裏側本体9を設置し終えたときに復元するように構成されている。なお、詳しくは後述するが、第1の実施形態に係る給排気グリル1では、総ての被係合部27が上記弾性変形可能な構成になっている。
さらに、表側本体7に裏側本体9を設置し終えたとき、表側本体嵌合部25の内側に裏側本体嵌合部35が入り込み、表側本体7の各係合部23のそれぞれに裏側本体9の各被係合部27のそれぞれが係合するように構成されている(図12、図13参照)。
より具体的に説明すると、表側本体7の係合部23は、図7等で示すように、表側本体嵌合部25の内周から表側本体7の中心側に僅かに突出している複数の突起(たとえば3つの突起)37で構成されている。各突起37は、表側本体嵌合部25の周方向でお互いが離れている。
裏側本体9の被係合部27は、図3や図5等で示すように、裏側本体嵌合部35をこの母線の方向に延びている複数の切り欠き39の間に形成されている複数の可撓性爪(たとえば、3つの可撓性爪)41で構成されている。各可撓性爪41は、裏側本体嵌合部35の周方向でお互いが離れている。
そして、裏側本体9を表側本体7に対して適宜移動し、図10(b)等で示すように、表側本体7に裏側本体9を設置している途中では、可撓性爪41が表側本体7の突起37に当接して裏側本体9の中心側に弾性変形し、表側本体7に裏側本体9を設置し終えた状態では、可撓性爪41が復元し、各突起37のそれぞれに各可撓性爪41のそれぞれが係合し(図14(a)等参照)、表側本体7と裏側本体9とが一体化するようになっている。
なお、表側本体7に可撓性爪41を設け、裏側本体9に突起37を設けた構成であってもよい。
また、裏側本体9には、図1や図2や図5等で示すように、ダクト5が接続されるダクト接続部43が設けられている。そして、裏側本体接続部21(裏側本体椀状部29の開口部33)が、ダクト接続部43(ダクト接続部43の開口部47)に対して直交するか、もしくは直角に近い角度で交差している。
詳しく説明すると、裏側本体9は、前述したように、裏側本体椀状部29とダクト側筒状部31とを備えて構成されており、ダクト側筒状部31は裏側本体椀状部29の開口部33から離れている。また、裏側本体椀状部29の軸C2と、ダクト側筒状部31の軸C3とはお互いが直交しているか、もしくは直角に近い角度(60°〜120°、より好ましくは、70°〜110°、さらには、80°〜100°、もしくは、85°〜95°)で交差している。これにより、裏側本体9は、裏側本体椀状部29とダクト接続部43が形成されているダクト側筒状部31とで、概ね「L」字な筒状(エルボ状)に形成されている。
さらに説明すると、裏側本体椀状部29の開口部33の開口面の中心を通って裏側本体椀状部29の開口面に直交する方向に延びている軸C2と、ダクト接続部43の開口部47の開口面の中心を通ってダクト接続部43の開口面に直交する方向に延びている軸C3とが、直交しているか、もしくは直角に近い角度で交差している。なお、各軸C2,C3がお互いに交わることなく、ねじれの位置にあってもよい。
また、給排気グリル1において、ダクト接続部43が設けている側を前側(前方)とし、ダクト接続部43が設けている側とは反対側を後側(後方)とすると、表側本体7に裏側本体9を設置する途中で弾性変形する被係合部27(裏側本体9の可撓性爪41)が、前側に位置している。
すなわち、裏側本体椀状部29の軸C2の延伸方向から見ると、ダクト側筒状部31と、表側本体7の係合部23とが、お互いに重なっている。より具体的には、軸C3と係合部23とが、お互いに重なっている。
なお、表側本体7に裏側本体9を設置する途中で弾性変形する箇所が裏側本体9の被係合部27ではなくて表側本体7の係合部23であるように構成されていてもよい。すなわち、係合部23を可撓性爪で構成し、被係合部27を突起で構成してもよい。
また、給排気グリル1には、ガイド部45とパッキン57とが設けられている。
ガイド部45は、表側本体7に裏側本体9を設置するときに、裏側本体9をガイドするものである。
ガイド部45は、表側本体7に設けられている表側本体ガイド部49と、裏側本体9に設けられている裏側本体ガイド部51とで構成されている。
表側本体ガイド部49は、図7や図8で示すように、表側本体7に設けられた複数の突起(たとえば2つの突起)53で構成されており、裏側本体ガイド部51は、図2や図5等で示すように、裏側本体9に設けられた複数の切り欠き55で構成されている。そして、表側本体7に裏側本体9を設置するときに、表側本体7の各突起53のそれぞれが、裏側本体9の各切り欠き55のそれぞれに入り込んで係合することで、裏側本体9がガイドされるようになっている。
なお、表側本体7の突起53は、表側本体嵌合部25の内周から表側本体7の中心側に僅かに突出しており、表側本体嵌合部25の周方向でお互いが離れている。裏側本体9の切り欠き55は、裏側本体嵌合部35に設けられており、裏側本体嵌合部35の母線の方向に延びている。
また、可撓性爪41を構成している各切り欠き39のうちの一部の切り欠きが、裏側本体ガイド部51の切り欠き55を兼ねている(図5(e)や図13(b)参照)。
また、ガイド部45は、表側本体7に裏側本体9を設置するときに(設置する途中で)、裏側本体9が表側本体7に対して設置のための適切な姿勢(図10(b)参照)になるようにするために、裏側本体9をガイドするものであるが、裏側本体9を表側本体7に設置し終えた後であっても(図10(c)参照)、表側本体7の突起53が裏側本体9の切り欠き55に入り込んだままになっている(図12、図13(b)、図14(b)参照)。これにより、裏側本体9を表側本体7に設置し終えた後、ガイド部45が回り止め等としての機能も発揮している。すなわち、裏側本体9を表側本体7に設置し終えた後、裏側本体椀状部29の軸C2まわりでの、表側本体7に対する裏側本体9の回動等が阻止されるようになっている。
なお、裏側本体ガイド部51を突起で構成し、表側本体ガイド部49を切り欠きで構成してあってもよい。
また、給排気グリル1には、表側本体7に裏側本体9を設置するときに、裏側本体9をガイドするガイド部45が複数設けられている(突起53や切り欠き55が複数組設けられている)。そして、各ガイド部45の総てが、給排気グリル1の後側に位置している(裏側本体椀状部29の軸C2の延伸方向から見ると、ダクト側筒状部31とは反対側に位置している(図5(e)や図7(a)や図13(b)参照)。
パッキン57は、表側本体7と裏側本体9との間の気密性を保持するためのものである。裏側本体9を表側本体7に設置し終えた状態では、可撓性爪41や突起37や各嵌合部25,35やガイド部45は、パッキン57の内側に位置している(図1等参照)。
さらに説明すると、前述したように、表側本体接続部19の裏側本体9が接合される側には、筒状の表側本体嵌合部25が形成されており、裏側本体接続部21の表側本体7が接合される側には、表側本体嵌合部25の内径より外径がわずかに小さい筒状の裏側本体嵌合部35が形成されている。また、裏側本体嵌合部35の基端には、図5等で示すように、裏側本体嵌合部35の外側に突出している平板状で環状のフランジ部59が形成されている。
パッキン57は、フランジ部59にたとえば一体的に設けられている。パッキン57もフランジ部59と同様に環状に形成されている。また、パッキン57は、フランジ部59の厚さ方向の一方の面(裏側本体嵌合部35側)に配置されている。
そして、裏側本体9を表側本体7に設置し終えたときに、図1で示すように、パッキン57が、フランジ部59と表側本体嵌合部25(先端面)とで挟まれ押圧されることで、表側本体7と裏側本体9との接合箇所での気密性を確保するようになっている。
ここで、給排気グリル1について、さらに、詳しく説明する。
表側本体7は、たとえば合成樹脂で一体成形されており、図8(c)で示すように、円筒状の表側本体嵌合部25と、リング状(大円からこの大円と中心を共通にする小円を切り取った形状)のフランジ部15と、円筒状の大径部61とリング状部63とを備えて、上述したように環状に形成されている。なお、フランジ部15の下面(天井板3に接する面とは反対側の面)は、見栄えをよくするために傾斜している(円錐台側面の形状になっている。また、フランジ部15の上面には、表側本体7を天井板3に設置したときに天井板3と表側本体7との間の気密性を保持するためのパッキン64が設けられている。
大径部61の外径は、フランジ部15の内径と等しくなっており、大径部61は、フランジ部15の厚さ方向の一方の側から起立している(上方に起立している)。
リング状部63の外径は、大径部61の外径と等しくなっている。また、リング状部63は、大径部61の端部(フランジ部15とは反対側の端部)に設けられている(大径部61の上方に設けられている)。
円筒状の表側本体嵌合部25の外径はリング状部63の内径と等しくなっており、表側本体嵌合部25は、リング状部63の厚さ方向の一方の側(大径部61とが反対側)から起立している(上方に起立している)。
係合部23を構成する突起37は、表側本体嵌合部25の一端部側(リング状部63とは反対側)であって、表側本体嵌合部25の内側に設けられている。また、突起37は、表側本体7の前側に1つ、表側本体7の斜め後側に2つ設けられている(図8(a)、(b)等参照)。
表側本体ガイド部49を構成している突起53は、図7(a)で示すように、表側本体嵌合部25の一端部側(リング状部63とは反対側)であって、表側本体嵌合部25の内側に設けられている。突起53の突出高さの値は、係合部23を構成している突起37の突出高さの値よりも大きくなっている。また、突起53は、表側本体7の斜め後側に2つ設けられている。各突起53のそれぞれは、表側本体7の斜め後側に2つ設けられている各突起37のそれぞれの近傍に設けられている。また、2つの突起53の内側に表側本体7の斜め後側に設けられている2つの突起37が存在している。
表側本体固定部13は、図4や図8(c)や図9(d)等で示すように、ボルト65と、固定金具17と、固定金具規制部67とを備えて構成されている。
ボルト65は、頭部がフランジ部15側(下側)に位置して、表側本体7のリング状部63に設けられた貫通孔(リング状部63を厚さ方向で貫通している孔)を通過している。したがって、ボルト65のネジ部は、リング状部63から上方に突出している。
矩形な板状に形成さている固定金具17は、リング状部63から上方突出しているネジ部(ボルト65のネジ部)に螺合している。
固定金具規制部67は、リング状部63等と一体成形されており、板状に形成されてボルト65の近傍に設けられており、リング状部63の上方および表側本体嵌合部25の外周から突出している。
そして、ボルト65に螺合している固定金具17が、ボルト65を回すことで、図8(b)で示すように、約90°の角度範囲で回動するようになっている。すなわち、図8(b)で示す位置P1と位置P2との間を、ボルト65を中心にして回動するようになっている。固定金具17が位置P1に位置しているときには、固定金具17が固定金具規制部67に当接しており、固定金具17の先端部(ボルト65と螺合している部位とは反対側の部位)が、リング状部63の外側に突出している。そして、固定金具17が、それ以上反時計まわりには回動しないようになっている。また、固定金具17が位置P2に位置しているときには、固定金具17は、リング状部63の内側に位置して固定金具17が表側本体嵌合部25に当接しており、それ以上時計まわりには回動しないようになっている。
ボルト65と固定金具17とが表側本体7に設けられている状態で、固定金具17が位置P1の位置にある時、ボルト65を頭部の方向から見て右方向に回動させると固定金具17は回動することなく、図8(c)に示す状態から、固定金具17が下方(フランジ部15に近づく方向)に移動する。これにより、フランジ部15と固定金具17とで天井板3を挟むことができ、表側本体7を天井板3に固定することができる。
次に、ボルト65を逆に左方向に回動させると固定金具17は天井板3を挟むことから解放され上方に移動し、その後ボルト65の回動に伴って位置P1から位置P2に移動し、さらにボルト65を回動すると固定金具17は位置P2の位置でさらに上方に移動する。
なお、表側本体固定部13は、天井板を挟み込む態様(形態)が、特開2000−46387の図1、図3、図9等、または、特開2001−41527の図1等、または、特開2001−124398の図1〜図4等で示されている態様や、その他の態様になっていてもよい。
なお、ボルト65や固定金具17等は、図7(a)で示すように、複数組(たとえば3組)設けられている。そして、ボルト65や固定金具17は、表側本体7の後側に1つ、表側本体7の斜め前側に2つ設けられている。
裏側本体9も、たとえば合成樹脂で一体成形されており、図5で示すようにまた前述したように、裏側本体椀状部29とダクト側筒状部31とを備えて概ね「L」字の筒状に形成されている。
ダクト接続部43は、ダクト側筒状部31の先端側に形成されている、そして、図1で示すように、ダクト接続部43を筒状のダクト5に差し込み、ダクト5の外周を環状の拘束バンド69で締め付けることで、ダクト5が裏側本体9に接続されるようになっている。
裏側本体椀状部29の開口部33の近傍であって裏側本体椀状部29の外周には、図5等で示すように、前述したように、パッキン57を支持しているリング状のフランジ部59が設けられている。また、裏側本体嵌合部35は、フランジ部59と裏側本体椀状部29の開口部33との間に形成されている。
可撓性爪41は、一対の切り欠き39の間に形成されている。切り欠き39は、裏側本体嵌合部35の高さ方向で、裏側本体嵌合部35のほぼ全長にわたって形成されている。
可撓性爪41の先端部には、図6(b)等で示すように、裏側本体嵌合部35の外側にやや突出している爪部71が形成されている。そして、裏側本体9を表側本体7の設置する途中の状態では、爪部71が表側本体嵌合部25の突起37に当接して、可撓性爪41の中間部が弾性変形して撓むようになっている。また、裏側本体9を表側本体7の設置し終えたときには、図14(a)等で示すように、爪部71が突起37を乗り越えて突起37の下方に位置して突起37に係合し、可撓性爪41の中間部が復元するようになっている。
さらに、裏側本体9を表側本体7の設置し終えたときには、表側本体嵌合部25や可撓性爪41の先端(上端)が、裏側本体9のフランジ部59(パッキン57)に当接している。
これにより、可撓性爪41の爪部71と裏側本体9のフランジ部59とで、表側本体7の突起37を挟み込み、裏側本体9が表側本体7に一体的に設置されている。
なお、可撓性爪41は、突起37と同様にして、裏側本体9の前側に1つ、裏側本体9の斜め後側に2つ設けられている。
裏側本体ガイド部51としては、3つの可撓性爪41を形成している3対の切り欠き39のうちで、裏側本体9の斜め後側に2つ設けられている可撓性爪41を形成しているものが用いられるようになっている。さらに詳しくは、裏側本体9の斜め後側に2つ設けられている可撓性爪41を形成している4つの切り欠き39のうちで、斜め後の2つの可撓性爪41の外側に位置している2つの切り欠き55が、裏側本体ガイド部51を構成している(図3や図5(d)参照)。
次に、給排気グリル1の施工手順(設置手順)について説明する。
初期状態として、図9(a)で示すように、ダクト5と裏側本体9とを予め拘束バンド69で拘止しておいたものが、天井板3の裏に設置されているものとする。
上記初期状態において図9(b)で示すように、天井板3の貫通孔11に表側本体7を設置する。この設置は、まず、貫通孔11に表側本体7を挿入し、表側本体7を回動させ図7に示す前方を図9に示す前方と概ね一致させ、続いてボルト65を回動して、図9(d)で示すように、固定金具17とフランジ部15(パッキン64)とで天井板3を挟み込むことで行われる。このとき、固定金具17は、まず、図8や図9(c)で示すように位置P2のところ存在している。続いて、ボルト65をまわすことで、固定金具17が図8に位置P1で示すまでボルト65を中心に約90°回動し、この後、下方に移動し、図9(d)で示すように、天井板3に当接するのである。
表側本体7を設置し終えたときに、表側本体7の貫通孔から手を入れて、図11で示すように、固定金具17が正しい位置にあるか否かを確認する。
続いて、図10(a)で示すように、裏側本体9をこの後側が前側よりもやや下方に位置するように傾けて、裏側本体9を下方に移動する。
裏側本体9を下方に移動することで、図10(b)で示すようになり、裏側本体ガイド部51が表側本体ガイド部49と係合し、裏側本体9がガイドされる。そして、裏側本体9の後側の2つの可撓性爪41が、表側本体7の後側の2つの突起37に係合する。
続いて、図10(b)で示すように、表側本体7の貫通孔から裏側本体9内に指を入れて(人差し指や中指を裏側本体9のダクト接続部43の内周面の下部に引っ掛けて)、親指を表側本体7に引っ掛けて、裏側本体9の前側が下方に移動するように裏側本体9を回動させると、図10(c)で示すようになり、裏側本体9の前側の1つの可撓性爪41が、表側本体7の前側の1つの突起37に係合し(図12、図13、図14(a)参照)、裏側本体9が表側本体7に一体的に設置される。
続いて、表側本体7や裏側本体9の内部に化粧グリル73を設置する(図1参照)。設置された化粧グリル73は、裏側本体9の軸C2を中心にして回動位置決めされるようになっており、この回動位置決めをすることで、給排気グリルを通過する空気の流量を調整することができるようになっている。
なお、裏側本体9を表側本体7に設置し終えた状態では、表側本体7の軸C1と裏側本体9の裏側本体椀状部29の軸C2とがお互いに一致して上下方向に延びている。
給排気グリル1によれば、裏側本体9が表側本体7に着脱自在になっており、設置(施工)の際には、天井裏でダクト5に接続されている裏側本体9を、天井板3に設置されている表側本体7に設置すればよく、従来のように、ダクトを天井裏から部屋内に引き出す必要がないので、ダクト5をむやみに長くしておく必要がない。したがって、ダクト5に曲がりが発生せず、圧力損失による風量不足や騒音の発生が少なくなる。
また、給排気グリル1によれば、設置の際には、天井裏でダクト5に接続されている裏側本体9を、単に、天井板3に設置されている表側本体7に設置すればよいので、給排気グリル1の施工(取り付け工事)がしやすくなっている。
また、給排気グリル1によれば、設置の際に、表側本体7を天井板3に設置した後であって表側本体7に裏側本体9を設置する前に、表側本体7が天井板3に正しく設置されていることを、天井板3の貫通孔11に設置された表側本体7中央の孔から手を入れて触れること等して確かめることができるので、給排気グリル1の施工の状態が良好であることを確実に確認することができる。
すなわち、表側本体固定部13のフランジ部15と固定金具17とで天井板3を挟み込んで、表側本体7を天井板3に一体的に設置したときに、室内から手を挿入し、固定金具17が正規の位置P1(図8(a)や図11等参照;挟み込み位置)に存在しているか否かを触覚で確認することができ(表側本体7中央の孔から鏡を入れて目視してもよい。)、表側本体7が使用時に天井板3から外れてしまう等の施工ミスの発生を防止することができる。
また、給排気グリル1によれば、表側本体7に裏側本体9を設置したとき、表側本体接続部19の内側に裏側本体接続部21が位置するので(裏側本体嵌合部35が表側本体嵌合部25の内側に入るので)、施工完了時(表側本体7に裏側本体9を設置し終えたときに)、裏側本体9が表側本体7に正しく設置されたことを、表側本体7中央の孔を通して目視で確認することができ、施工ミスの発生を防止することができる。
また、給排気グリル1では、被係合部27(可撓性爪41)が、裏側本体9を表側本体7に近づけて表側本体7に裏側本体9を設置する途中では弾性変形し、表側本体7に裏側本体9を設置し終えたときに復元するように構成されている。また、給排気グリル1では、表側本体7に裏側本体9を設置し終えたとき、表側本体嵌合部25の内側に裏側本体嵌合部35が入り込み、表側本体7の各係合部23のそれぞれに裏側本体9の各被係合部27のそれぞれが係合するように構成されている。これにより、施工完了時だけでなく施工の途中でも、裏側本体9が表側本体7に正しく設置されることを、表側本体7中央の孔を通して目視で確認することができ、施工ミスの発生を未然に防止することができる。
また、給排気グリル1によれば、裏側本体接続部21(裏側本体接続部21の開口部33)が、ダクト接続部(ダクト接続部の開口部)に対してほぼ直交しており(裏側本体9が概ね「L」字状に形成されており)、表側本体に裏側本体9を設置する途中で弾性変形する被係合部27(可撓性爪41)が前側に位置しているので、裏側本体9を表側本体7に設置するときに(図10(b)で示す状態から図10(c)で示す状態にするときに)、ダクト接続部43の内側に人差し指や中指を掛け、表側本体7に親指を掛けて、裏側本体9と表側本体7とを手で挟み、裏側本体9を表側本体7に近づければよく、給排気グリル1の施工の作業(設置作業)が容易になる。
さらに、給排気グリル1によれば、表側本体7に裏側本体9を設置するときに、裏側本体9をガイドするガイド部45が設けられているので、表側本体7に裏側本体9を設置するときの位置合わせ(表側本体7に対する裏側本体9の位置合わせ)が容易になる。また、施工完了後(裏側本体9を表側本体7に設置した後)、ダクト5を介して裏側本体9に無理な力(たとえば水平方向の引張り力や軸C2まわりの回転モーメント)がかかっても、裏側本体9が表側本体7からはずれにくくなる。
また、給排気グリル1によれば、ガイド部45の総てが後側に位置しているので、裏側本体9を表側本体7に設置するときに(図10(a)に示す状態から図10(b)で示す状態にし、さらに、図10(b)で示す状態から図10(c)で示す状態にするときに)、裏側本体9がぶれてしまうことを確実に防止することができ、可撓性爪41を突起37に係合しやすくなり、給排気グリル1の施工の作業が容易になる。
また、給排気グリル1によれば、表側本体7と裏側本体9との間の気密性を保持するためのパッキン57が設けられているので、給排気グリル1における空気の漏れを無くすことができる。
さらに、裏側本体9を表側本体7に設置したときに、パッキン57が、裏側本体9のフランジ部15と表側本体嵌合部25(先端面;上面)とで挟まれ押圧されることで、表側本体7に裏側本体9を接合したときに、表側本体7と裏側本体9との間の気密性を保持するように構成されているので、可撓性爪41、可撓性爪41が係合している突起37およびガイド部45からの空気漏れを無くすことができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る給排気グリル1a(図15〜図19参照)は、表側本体7の係合部23、裏側本体9の被係合部27の形態の一部が、本発明の第1の実施形態に係る給排気グリル1と異なっている点を除いて、第1の実施形態に係る給排気グリル1とほぼ同様に構成されており、第1の実施形態に係る給排気グリル1とほぼ同様の効果を奏する。
すなわち、第2の実施形態に係る給排気グリル1aにおける表側本体7の係合部23は、2種類の突起37,101で構成されている。
第1の突起(たとえば1つの第1の突起)37は、第1の実施形態に係る給排気グリル1の場合と同様に、表側本体7の前側で、表側本体嵌合部25の内周から表側本体7の中心側に僅かに突出ている。
第2の突起(たとえば1つの第2の突起)101は、表側本体7の後側で、第1の突起37と同様に表側本体嵌合部25の内周から表側本体7の中心側に突出ているが、たとえば突出量が第1の突起37よりも多くなっている。なお、各突起37,101は、表側本体嵌合部25の周方向でお互いが離れている。具体的には、表側本体7の軸C1に対して180°ずれている。
裏側本体9の被係合部27は、可撓性爪41と貫通孔103とで構成されている。可撓性爪41は、第1の実施形態に係る給排気グリル1の場合と同様に、裏側本体9の前側で一対の切り欠き39の間に形成されている。貫通孔103は、裏側本体9の後側で裏側本体嵌合部35の径方向(肉厚方向)で裏側本体嵌合部35を貫通している。
そして、表側本体7に裏側本体9を設置するときには、裏側本体9を斜めにしつつ表側本体7に対して適宜移動し、表側本体7の係合部23を構成している第2の突起101を裏側本体9の被係合部27を構成している貫通孔103に挿入し、この挿入をしてある状態で、裏側本体9を表側本体7に対してさらに移動(回動)する。これにより、可撓性爪41が表側本体7の係合部23(突起37)に当接して表側本体7の中心側に弾性変形する。裏側本体9を表側本体7に対してまたさらに移動(回動)し、表側本体7に裏側本体9を設置し終えた状態にすると、可撓性爪41が復元するようになっている。
さらに、第1の実施形態に係わる給排気グリル1の場合は、突起53が表本体ガイド部49に、切り欠き55が裏本体ガイド部51にそれぞれ設けられていたが、第2の実施形態に係わる給排気グリル1aは、これが逆になり突起53が裏本体ガイド部51に、切り欠き55が表本体ガイド部に設けられている。
そして、表側本体7に裏側本体9を設置し終えた状態では、各係合部23のそれぞれに各被係合部27のそれぞれが係合し(貫通孔103に第2の突起101が入り込み可撓性爪41が突起37に係合し)、表側本体7と裏側本体9とが一体化するようになっている。
なお、表側本体7に可撓性爪41を設け、裏側本体9に突起(可撓性爪41に係合する突起)を設けた構成であってもよい。
さらに、裏側本体に第2の突起を設け、表側本体に貫通孔(第2の突起が入り込む貫通孔)を設けた構成であってもよい。