JP2016028154A - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(I)
: CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるモノマーAと、1分子当たり5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物Bと、芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCと、を含む紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、前記単官能(メタ)アクリレートCは、該インク組成物の総質量に対し、5〜35質量%含まれる紫外線硬化型インクジェット用インク組成物である。
【選択図】なし
Description
下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるモノマーAと、1分子当たり5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物Bと、芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCと、を含む紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、
前記単官能(メタ)アクリレートCは、該インク組成物の総質量に対し、5〜35質量%含まれる、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
前記モノマーAが、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、[1]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
前記化合物Bは、1分子当たり6つの(メタ)アクリロイル基を有するヘキサ(メタ)アクリレート化合物、及び、1分子当たり5つの(メタ)アクリロイル基を有するペンタ(メタ)アクリレート化合物のうち少なくともいずれかを含有する、[1]又は[2]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
前記化合物Bは、ジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレートを含む、[1]〜[3]の何れか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
前記化合物Bは、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを、該インク組成物の総質量に対し5〜30質量%含む、[3]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
前記化合物Bは、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを、該インク組成物の総質量に対し8〜40質量%含む、[3]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
前記芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCがベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかである、[1]〜[1]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物を含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物を、インク組成物の総質量に対して7〜15質量%含む、[8]に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線を、300mJ/cm2以下の照射エネルギーで照射することにより硬化可能である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
20℃での粘度が3〜30mPa・sである、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
厚さ0.5〜3μmの薄膜の状態で硬化可能である、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
[1]〜[12]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を被記録媒体に吐出し、吐出した紫外線硬化型インクジェット用インク組成物に、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にあるUV−LEDを用いて照射して硬化させる、インクジェット記録方法。
[1]〜[12]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を被記録媒体に吐出し、吐出した紫外線硬化型インクジェット用インク組成物に、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にあるUV−LEDを用いて照射して硬化させる、インクジェット記録装置。
本発明の一実施形態は、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物に係る。当該紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表される、所定量のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類(以下、「モノマーA」という。)と、1分子当たり5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「化合物B」という。)と、芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCと、を含む。
以下、本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
本実施形態において必須の重合性化合物であるモノマーAは、上記一般式(I)で表される。インク組成物がモノマーAを含むことにより、インクの硬化性を良好なものとすることができる。
これらの中でも、本実施形態に所望の効果を一層発揮することができるため、製法Fが好ましい。
本実施形態において必須の重合性化合物である化合物Bは、1分子当たり5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する。換言すると、化合物Bは、5官能以上の(メタ)アクリレート系化合物である。本実施形態のインク組成物が、重合性化合物として、上記モノマーAとともに化合物Bを含むことにより、インクの硬化性を非常に良好なものとすることができる。
また、硬化性に一層優れるため、化合物Bはその分子中に水酸基を有することが好ましい。
また、化合物Bは、ジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。この場合、インクの硬化性が特に良好となる。ジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
本実施形態において必須の重合性化合物である単官能(メタ)アクリレートCは、芳香環骨格を有する。本実施形態のインク組成物が、重合性化合物として、上記モノマーAと化合物Bとともに芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCを含むことにより、光重合開始剤の溶解性を良くし、インクの硬化性を良好なものとすることができる。
インク組成物が含む芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCのうち少なくともいずれかの、その(それらの)含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜35質量%であり、好ましくは5〜30質量%である。含有量が上記範囲内であると、光重合開始剤の溶解性を良くし、硬化性を良好な状態に維持しつつインクの粘度を低くすることができる。
本実施形態において、さらに上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)を含んでいても良い。その他の重合性化合物としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記のその他の重合性化合物を含む場合、その含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、限られるものではないが、5質量%以上であり、好ましくは5〜40質量%である。
本実施形態のインク組成物に含まれ得る光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。照射光として紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
なお、前述の重合性化合物として光重合性の化合物を用いることで、光重合開始剤の添加を省略することが可能であるが、光重合開始剤を用いた方が、重合の開始を容易に調整することができ、好適である。
また、光重合開始剤が、アシルフォスフィンオキサイド化合物を含む場合、その含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、7〜15質量%が好ましく、8〜14%がより好ましく、9〜13%が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、インク組成物の硬化性を一層優れたものとでき、インク組成物への溶解性を良くすることができる。
また、光重合開始剤が、チオキサントン化合物を含む場合、その含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.5〜4質量%が好ましく、1〜3%がより好ましい。含有量が上記範囲内であると、インク組成物の硬化性をより一層優れたものとできる。
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含んでもよい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
色材の含有量は優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.5〜10質量%が好ましい。
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、第一工業製薬社(Dai―ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)製のディスコールシリーズ、ルーブリゾール社(Lubrizol Corporation)製のソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、優れた耐擦性が得られるため、スリップ剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン社(BYK Japan KK)製)を挙げることができる。
本実施形態のインク組成物は、重合禁止剤をさらに含んでもよい。インク組成物が重合禁止剤を添加することにより、インク組成物の保存安定性が向上する。重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、及びキノン化合物からなる群より選択される一種以上が挙げられる。重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が挙げられる。
重合禁止剤の市販品としては、IRGASTAB UV10及びUV22(以上、BASF社製商品名)などを用いることができる。
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、後述するインクジェット記録方法によって、被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態のインクジェット記録方法は、水溶性インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、水溶性インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、当該インク組成物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合は、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となる場合がある。
本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、インクジェット記録方法に用いることができる。当該インクジェット記録方法は、被記録媒体上に、上記インク組成物を吐出する吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
上記吐出工程においては、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。インク組成物を吐出する際、吐出安定性を良好なものとするため、インク組成物の20℃での粘度を3〜30mPa・sとするのが好ましく、5〜15mPa・sとするのがより好ましい。
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されたインク組成物が、紫外線(光)の照射によって硬化する。これは、インク組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、光重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、光重合性化合物の重合反応が開始するためである。このとき、インク組成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が紫外線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
本実施形態の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物は、インクジェット記録装置に用いることができる。当該インクジェット記録装置は、被記録媒体上に、上記インク組成物を吐出する前述の吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する前述の硬化工程とにより記録を行なう。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)を形成する記録装置である。
下記の実施例及び比較例において使用した成分は、以下の通りである。
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA〔商品名〕、日本触媒(Nippon Shokubai Co.,Ltd.)社製、表1及び表2ではVEEAと略記した。)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(A−DPH〔商品名〕、新中村化学社製、表1及び表2ではDPHAと略記した。)
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR399〔商品名〕、SARTOMER社製、表1及び表2ではDPPAと略記した。)
・フェノキシエチルアクリレート(ビスコート#192〔商品名〕、大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製、表1及び表2ではPEAと略記した。)
・ベンジルアクリレート(FA−BZA〔商品名〕、日立化成工業社製、表1及び表2ではBAと略記した。)
・イソボルニルアクリレート(IBXA〔商品名〕、大阪有機化学社製、表1ではIBXAと略記した。)
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(SR355〔商品名〕、SARTOMER製、表1及び表2ではDTMPTAと略記した。)
・トリメチロールプロパントリアクリレート(SR351S〔商品名〕、SARTOMER製、表1及び表2ではTMPTAと略記した。)
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分100%、表1及び表2では819と略記した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、固形分100%、表1及び表2ではTPOと略記した。)
・KAYACURE DETX−S(日本化薬社製商品名、固形分100%、表1及び表2ではDETX−Sと略記した。)
・シリコーン系表面調整剤 BYK−UV3500(BYK社製商品名、表1及び表2ではUV3500と略記した。)
・p−メトキシフェノール(MEHQ〔商品名〕、関東化学社製)
〔顔料〕
・ピグメントブルー15:4(IRGALITE BLUE GLVO〔商品名〕、BASF社製、表1ではブルー15と略記した。)
・ピグメントブラック 7(カーボンブラック)(Microlith Black C−K〔商品名〕、BASF社製)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名、表1及び表2ではSol36000と略記した。)
下記表1〜表5に記載の成分を、表1〜表5に記載の組成(単位:質量%)となるように添加し、これを高速水冷式撹拌機で撹拌することにより、シアン色(例1〜26、44)及びブラック色(例27〜43)の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
(1.薄膜の硬化膜に関する硬化性)
インクジェットプリンターPX−G5000(セイコーエプソン社〔Seiko Epson Corporation〕)製商品名)を用いて、上記の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下でPETフィルム(ルミラー125E20〔商品名〕、パナック社製)上に、インクのドット径が中ドットで印刷物の膜厚が0.5〜3μmとなるような薄膜状のベタパターン画像(記録解像度720×720dpi)を印刷すると共に、キャリッジの横に搭載した紫外線照射装置内のUV−LEDから、照射強度が60mW/cm2であり、且つ波長が395nmである紫外線を200mJ/cm2照射してベタパターン画像を硬化させた。
照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING,INC.)製)を用いて行った。
薄膜の硬化膜に関する硬化性は、タックフリー時の照射エネルギーを指標として評価した。ここで、タックフリーといえるか否かは、下記の条件で判断した。すなわち、綿棒にインクが付着するか否か、又は被記録媒体上のインク硬化物に擦り傷が付くか否かで判断した。その際、使用した綿棒は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson &Johnson)社製のジョンソン綿棒であった。擦る回数は往復10回とし、擦る強さは100g荷重とした。
AAA:タックフリー時の照射エネルギー 100mJ/cm2以下
AA:タックフリー時の照射エネルギー 100mJ/cm2超200mJ/cm2以下
A:タックフリー時の照射エネルギー 200mJ/cm2超300mJ/cm2以下
B:タックフリー時の照射エネルギー 300mJ/cm2超400mJ/cm2以下
C:タックフリー時の照射エネルギー 400mJ/cm2超
インクジェットプリンターPX−G5000(セイコーエプソン社〔Seiko Epson Corporation〕)製商品名)を用いて、上記の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下でPETフィルム(ルミラー125E20〔商品名〕、パナック社製)上に、インクのドット径が中ドットで印刷物の膜厚が10〜11μmとなるような厚膜状のベタパターン画像(記録解像度720×720dpi)を印刷すると共に、キャリッジの横に搭載した紫外線照射装置内のUV−LEDから、照射強度が60mW/cm2であり、且つ波長が395nmである紫外線を200mJ/cm2照射してベタパターン画像を硬化させた。タックフリーの状態に達していない例についてはタックフリーの状態になるまで照射を続けた。
厚膜の硬化膜に関する硬化性は、タックフリーの状態まで硬化したベタパターン画像(硬化膜)にどの程度シワが発生したかという指標で評価した。シワの発生の程度は目視で観察した。
AAA:シワが全く発生していない。
AA:シワが硬化膜全体に対して5%未満の領域で発生した。
A:シワが硬化膜全体に対して5%以上20%未満の領域で発生した。
B:シワが硬化膜全体に対して20%以上100%未満の領域で発生した。
C:シワが硬化膜全体に発生した。
インク組成物の粘度(mPa・s)を、20℃下でレオメーター(MCR−300、Physica社製商品名)を用いて測定した。評価結果を下記表6〜表10に示す。
AA:3mPa・s以上20mPa・s以下
A:20mPa・s超30mPa・s以下
B:30mPa・s超
Claims (14)
- 下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるモノマーAと、1分子当たり5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物Bと、芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCと、を含む紫外線硬化型インクジェット用インク組成物であって、
前記単官能(メタ)アクリレートCは、該インク組成物の総質量に対し、5〜35質量%含まれる、紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。 - 前記モノマーAが、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記化合物Bは、1分子当たり6つの(メタ)アクリロイル基を有するヘキサ(メタ)アクリレート化合物、及び、1分子当たり5つの(メタ)アクリロイル基を有するペンタ(メタ)アクリレート化合物のうち少なくともいずれかを含有する、請求項1又は2に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記化合物Bは、ジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記化合物Bは、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを、該インク組成物の総質量に対し5〜30質量%含む、請求項3に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記化合物Bは、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを、該インク組成物の総質量に対し8〜40質量%含む、請求項3に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートCがベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物を、インク組成物の総質量に対して7〜15質量%含む、請求項8に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線を、300mJ/cm2以下の照射エネルギーで照射することにより硬化可能である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 20℃での粘度が3〜30mPa・sである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 厚さ0.5〜3μmの薄膜の状態で硬化可能である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を被記録媒体に吐出し、吐出した紫外線硬化型インクジェット用インク組成物に、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にあるUV−LEDを用いて照射して硬化させる、インクジェット記録方法。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット用インク組成物を被記録媒体に吐出し、吐出した紫外線硬化型インクジェット用インク組成物に、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にあるUV−LEDを用いて照射して硬化させる、インクジェット記録装置。
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