JP2016025718A - モータユニット - Google Patents

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Kenta Suzuki
健太 鈴木
愛彦 丹
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Abstract

【課題】モータおよびインバータの冷却性能を確保しつつ、部品点数増および軸方向寸法増を抑えることが可能なモータユニットを提供すること。【解決手段】ロータ軸31の一端部の小径部31aを、隔壁13を貫通させて前記インバータ室16に臨ませ、ロータ軸31に、インバータ室16に開口された貫通孔入口101aから、この貫通孔入口101aよりも外径方向に配置されてモータ室17に開口された貫通孔出口102aに至る貫通孔100を設け、モータ室17とインバータ室16とを区画する隔壁13に設けられ、モータ室17とインバータ室16とを連通する連通路13dを、この連通路13dを通る冷却風(矢印Wa)が前記ステータコイル34を通過可能にステータコイル34の近傍に配置したことを特徴とするモータユニットとした。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータとモータとを収容したモータユニットに関する。
従来、インバータとモータとを収容したモータユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、モータを収容したモータケースの底部にインバータが支持され、かつ、ロータ軸に、モータを冷却する第1のファンと、インバータを冷却する第2のファンとが設けられている。
したがって、モータの回転時には、モータおよびインバータに冷却風を送風し、両者を効率良く冷却することができる。
特開2004−312960号公報
しかしながら、上記従来技術では、ロータ軸に第1の冷却ファンと第2の冷却ファンとを設ける構造であるため、これらの冷却ファンを設けない構造と比較して、部品点数の増加、軸方向寸法の増加によるユニット全体の大型化を招くという問題点があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、モータおよびインバータの冷却性能を確保しつつ、部品点数増および軸方向寸法増を抑えることが可能なモータユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
モータ室とインバータ室とを区画する隔壁に、前記モータ室と前記インバータ室とを連通する連通路を備え、
モータコイルへの通電により回転するロータ軸の一端部を、前記隔壁を貫通させて前記インバータ室に臨ませ、
前記ロータ軸に、前記インバータ室に開口した貫通孔入口から、この貫通孔入口よりも外径方向に配置されて前記モータ室に開口された貫通孔出口に至る貫通孔を設け、
前記連通路を、前記モータコイルの近傍に配置したことを特徴とするモータユニットとした。
本発明のモータユニットでは、ロータ軸の回転時には、ロータ軸に設けた貫通孔において、軸心側の貫通孔入口と、ロータ軸の外周の貫通孔出口と、で速度差が生じる。この結果、両口に圧力差が生じ、インバータ室に開口した貫通孔入口からモータ室に開口した貫通孔出口に向かう気流が生じる。
一方、モータ室とインバータ室とを区画する隔壁には、モータコイルの近傍に両室を連通する連通路を形成している。このため、上記の貫通孔における圧力差により生じた気流により両室間に生じる圧力差により、モータ室から連通路を通過してインバータ室に向かう気流が生じる。
したがって、インバータ室とモータ室との間で、インバータ室から貫通孔を通ってモータ室に流れ、モータ室から連通路を通ってインバータ室に戻る循環風が生じる。この循環風により、モータ室とインバータ室との温度の均一化を図ることができ、特に、高温となりがちなモータを冷却することができる。加えて、連通路はモータコイルの近傍に配置しているため、連通路を通る気流により、モータにおいて最も高温となるモータコイルを冷却することができる。
このように、ロータ軸にファンを設けることなくインバータ室とモータ室とに循環風を形成して両室内の冷却が可能であり、ファンを設けたものと比較して、部品点数増および軸方向寸法増を招くことなく冷却性能を確保できる。
実施の形態1のモータユニットの全体構成を示す断面図である。 実施の形態2のモータユニットの全体構成を示す断面図である。 実施の形態2のモータユニットの要部の断面図であり、図2のS3−S3線の位置の断面を示す。 実施の形態3のモータユニットの全体構成を示す断面図である。 実施の形態4のモータユニットの全体構成を示す断面図である。 実施の形態5のモータユニットの全体構成を示す断面図である。 実施の形態5のモータユニットの要部の断面図であり、図6のS7−S7線の位置の断面を示す。
以下、本発明のモータユニットを実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1のモータユニットの構成を説明する。
[モータユニットの全体構成]
図1は、実施の形態1のモータユニットAを示すもので、以下、図1に基づき、モータユニットAの全体構成を説明する。このモータユニットAは、図示を省略した車両の前輪を駆動させるために、車両の懸架装置に接続されたいわゆるインホイール形式のモータユニットである。
前記モータユニットAは、ユニットケース1と、インバータ2と、モータ/ジェネレータ(以下、単にモータという)3と、平行軸ギヤ対4と、遊星歯車減速機構5と、タイヤ軸6と、を備えている。そして、モータ3のロータ軸31のモータ軸中心線CLmを、タイヤ軸6のタイヤ軸中心線CLtに対して車両上方(図1の矢印UPの方向)にオフセット配置している。
[ユニットケースの構造]
前記ユニットケース1は、ナックルアーム71を介して図外の車体に対し転舵可能に支持されている。このユニットケース1は、インバータカバー11と、インバータケース12と、隔壁13と、モータケース14と、減速機ケース15と、を互いにボルト結合して構成されている。
そして、ユニットケース1の内部は、インバータ室16と、モータ室17と、減速機室18と、に区画されている。
モータケース14は、モータ3の外周を囲む円筒部14bを有する。そして、モータケース14の円筒部14bの車内方向(矢印IN方向)の開口部分を隔壁13により塞いで、モータ室17が形成されている。なお、図において矢印OUTが車幅方向(軸方向)で車外方向を示している。
インバータカバー11とインバータケース12とは、インバータ2を収容するインバータ室16を、モータ室17の車内方向に隣り合って形成する。インバータケース12は、モータケース14の円筒部14bに連続する円筒形状に形成され、このインバータケース12の車内側の開口部分を、インバータカバー11により塞いでいる。なお、インバータ室16とモータ室17とは、隔壁13により区画されている。
減速機ケース15は、減速機を構成する平行軸ギヤ対4および遊星歯車減速機構5を収容および支持し、かつ、タイヤ軸6を支持する。
前述したインバータ室16とモータ室17とは、ドライ空間とされている。
一方、減速機室18は、潤滑および冷却用のオイルが収容されたウエット空間とされている。また、減速機室18の下部には、重力により落下したオイルを貯留するオイル貯留部44が設けられている。
さらに、ユニットケース1のうち、インバータカバー11とインバータケース12とモータケース14の外周面には、走行風により冷却する放熱フィン11a,12a,14aがそれぞれ突設されている。
なお、インバータケース12の放熱フィン12aは、車幅方向(図において矢印INが車幅方向で車内側、矢印OUTが車幅方向で車外側を示している)に延在されている。
また、ナックルアーム71は、減速機ケース15に固定されている。このナックルアーム71は、その下端部に図示を省略したロアアームが連結され、その上端部に図示を省略したアッパアームが連結され、アッパピボット及びロアピボットを通るキングピン軸を中心として転舵可能にユニットケース1を支持している。
[インバータ、モータ、減速機構]
以下に、インバータ2、モータ3、減速機構について説明する。
このインバータ2は、図外の電源に接続され、複数相交流電流を形成する複数のスイッチ素子を備えている。また、このスイッチ素子としては、耐熱性に優れた素子(例えば、SiC(炭化ケイ素)素子)を用い、インバータ2の耐熱性を確保している。これにより、本実施の形態1では、インバータ2の耐熱性能は、モータ3の耐熱性能よりも高く設定している。
モータ3は、ロータ軸31と、ロータコア32と、ステータ33と、ステータコイル34と、を有して構成されている。
ロータ軸31は、ベアリング35,36により隔壁13とモータケース14に対し回転可能に支持されている。すなわち、隔壁13には、モータ軸中心線CLmと同軸にロータ支持用貫通穴13aが形成され、このロータ支持用貫通穴13aの内周に設けられたベアリング35にロータ軸31の一端部が支持されている。
ロータコア32は、ロータ軸31の外周に固定され、永久磁石を埋設した積層鋼板により構成されている。ステータ33は、モータケース14に固定されると共に、ロータコア32とエアギャップを介して配置され、ステータコイル34を巻き付けた積層のステータティースにより構成されている。
すなわち、モータ3は、三相などの複数相交流の電流をステータコイル34に印加することでロータ軸31を回転させること(力行)ができる一方、ロータ軸31の回転によりステータコイル34に複数相交流の電流を発生させること(回生)ができる。したがって、インバータ2とステータコイル34とは、図示は省略するが、隔壁13を貫通して接続されている。
なお、ロータ軸31のインバータ2側の端部位置には、モータ回転角度を検出するレゾルバ37が設けられている。このレゾルバ37は、隔壁13に固定されたハット断面形状のレゾルバケース13bに支持されている。
ロータ軸31は、図に示すように、インバータ2側の一端部には、相対的に小径の小径部31aを備えている。また、ロータ軸31の軸方向中央部においてロータコア32を固定するロータコア固定部31bは、小径部31aよりも相対的に大径に形成されている。さらに、ロータ軸31において、ロータコア32を軸方向に突き当てる段部を形成するために、ロータコア固定部31bの軸方向で減速機構側に隣接してロータコア固定部31bよりも大径に形成された大径部31cが形成されている。そして、この大径部31cとモータケース14との間に、モータ室17と減速機室18とをシールするオイルシール63が設けられている。
なお、ロータ軸31の減速機構側の端部は、減速機室18内に突出され、その先端部から軸心に沿って支持用穴31dが形成され、この支持用穴31dに、減速機ケース15に固定された支持用リテーナ38が差し込まれている。そして、この支持用リテーナ38と支持用穴31dとの間に、ベアリング36が介在されている。
さらに、前記ロータ軸31の一端部である小径部31aの先端は、前記隔壁13に設けたロータ支持用貫通穴13aを通って隔壁13を貫通し、前記インバータ室16に臨んで配置されている。
また、本実施の形態1では、ロータ軸31の小径部31aの先端部を、インバータカバー11に近接配置している。
なお、小径部31aとレゾルバケース13bとの間には、シール部材13cが介在されて、インバータ室16とモータ室17との連通を遮断している。
次に、減速機構である平行軸ギヤ対4および遊星歯車減速機構5について説明する。
前記平行軸ギヤ対4は、モータ3のロータ軸31の回転をタイヤ軸6に対して第1段階の減速を行って、第2段階の減速を行う遊星歯車減速機構5に伝達し、遊星歯車減速機構5は、減速した回転をタイヤ軸6に伝達する。
平行軸ギヤ対4は、ロータ軸31の端部に形成された入力ギヤ41と、入力ギヤ41に噛み合うと共に入力ギヤ41より大径とした出力ギヤ42と、出力ギヤ42を一体に有する出力ギヤ軸43と、を有する減速ギヤである。出力ギヤ42は、ユニットケース1のうちタイヤ軸中心線CLtよりも下方位置に形成されたオイル貯留部44のオイルに一部浸漬して配置される。
出力ギヤ軸43は、モータ側軸端部がモータケース14に対しベアリング45を介して回転可能に支持され、ホイール側軸端部がタイヤ軸6に対しベアリング46を介して回転可能に支持される。なお、出力ギヤ軸43には、その軸心位置に貫通軸心油路47が形成されている。
前記遊星歯車減速機構5は、前記減速機室18において、平行軸ギヤ対4の減速機ケース15側の位置に配置されている。この遊星歯車減速機構5は、出力ギヤ軸43と一体のサンギヤ51と、サンギヤ51に噛み合う複数のピニオン52と、ピニオン52を支持するピニオンキャリア53と、ピニオン52と噛み合うと共に減速機ケース15に固定されたリングギヤ54と、を有する。すなわち、遊星歯車減速機構5は、リングギヤ54をケース固定にすることで、サンギヤ51からの入力回転を減速してピニオンキャリア53に出力する減速ギヤ機構である。遊星歯車減速機構5の回転中心軸は、出力ギヤ42とタイヤ軸6の回転中心軸(タイヤ軸中心線CLt)と同軸配置とされている。
前記タイヤ軸6は、遊星歯車減速機構5のピニオンキャリア53と一体に形成され、軸端部を減速機ケース15から矢印OUT方向の外部に突出させたユニット出力軸である。
このタイヤ軸6の遊星歯車減速機構5側の一端部は、減速機ケース15に対しベアリング61とメカニカルシール62により、回転可能に油密状態で支持されている。タイヤ軸6のユニット外部に突出させた他端部には、ホイールハブ軸72がセレーション結合されている。ホイールハブ軸72は、ナックルアーム71にボルト固定されるナックルケース73に対し、複列アンギュラベアリング構造によるハブベアリング74により回転可能に支持されている。
[冷却構造]
本実施の形態1では、ドライ空間であるモータ室17およびインバータ室16は、外気と連通されて大気圧に維持されるとともに、インバータ2およびモータ3の発熱を抑える冷却構造を備えている。
まず、大気との連通構造を説明する。
減速機室18の上部には、エアブリーザ室18aが形成されている。このエアブリーザ室18aは、大気に連通されたエアブリーザパイプ19が接続されている。
このエアブリーザ室18aは、モータ室17に連通路14dを介して連通されている。また、エアブリーザ室18aは、減速機室18に対して、図示を省略したラビリンス構造を介して、連通を保ちつつ、オイルの浸入を防止している。
したがって、各室16,17,18が熱の影響や、内部のオイルの体積変動などにより、内圧が変動した際に、エアブリーザ室18aおよびエアブリーザパイプ19を介して、外部と空気の吸排を行うことで、内圧を大気圧に保つことができる。
次に、冷却構造について説明する。
隔壁13には、インバータ室16とモータ室17とを連通する連通路13dが開口されている。この連通路13dは、ステータコイル34の近傍に配置されている。具体的には、連通路13dは、ステータコイル34と軸方向に対向する位置に開口されており、本実施の形態1では、外径方向でステータコイル34が設けられている領域の中央よりも外径側に配置されている。すなわち、この連通路13dは、連通路13dを通過する気流による冷却風がステータコイル34を通過するように開口されている。
また、ロータ軸31には、インバータ室16からモータ室17に向かう送風を形成する貫通孔100が形成されている。
この貫通孔100は、軸方向に延びる軸方向孔101と、この軸方向孔101から外径方向に延びる径方向孔102と、を備えている。
軸方向孔101は、インバータ室16に臨んで配置された小径部31aの先端部に開口された貫通孔入口101aから、ロータ軸31の軸心を通って、ロータコア固定部31bまで軸方向に延在されている。また、前述のように、小径部31aは、インバータカバー11に近接されていることから、貫通孔入口101aも、インバータカバー11に近接して配置されている。
径方向孔102は、軸方向孔101の奥側の先端部から、大径部31cの外周にモータ室17に面して開口された貫通孔出口102aに向けて、外径方向に斜めに形成されている。
(実施の形態1の作用)
以下に、実施の形態1のモータユニットの作用について説明する。
ユニットケース1において、ドライ空間であるモータ室17およびインバータ室16は、エアブリーザパイプ19により大気に連通されており、各室16,17に圧力変化が生じた場合、外部と空気の吸排を行い大気圧に保つことができる。すなわち、インバータ2やモータ3が発熱して内圧が上昇した場合、エアブリーザ室18aおよびエアブリーザパイプ19を介して内部空気を排出し、大気圧に保つ。また、インバータ2やモータ3の停止後、温度が低下して内圧が減少した場合には、エアブリーザ室18aおよびエアブリーザパイプ19を介して外部から空気を吸入して大気圧に保つ。
次に、インバータ2およびモータ3の駆動時における両者の冷却について説明する。
インバータ2およびモータ3が、駆動により発熱した場合、基本的には、インバータカバー11、インバータケース12、モータケース14により、放熱を行うことで冷却を行う。この場合、インバータカバー11、インバータケース12、モータケース14には、それぞれ、放熱フィン11a,12a,14aを形成しており、走行風により効率良く冷却することができる。
さらに、本実施の形態1では、ロータ軸31に形成した貫通孔100により、ユニットケース1の内部に冷却風を形成し、インバータ2およびモータ3の冷却を行う。
すなわち、ロータ軸31を回転させると、軸心に開口した貫通孔入口101aと、大径部31cに開口した貫通孔出口102aとでは、速度差が生じる。その結果、貫通孔入口101aと貫通孔出口102aとに圧力差が生じ、貫通孔100には、インバータ室16からモータ室17に向かう気流である冷却風(矢印Wc)が生じる。
この冷却風は、ロータ軸31の回転に伴い、貫通孔出口102aから外径方向に噴出される(矢印Wd)。そして、この貫通孔出口102aからの冷却風の吹き出しによりモータ室17とインバータ室16とに生じた圧力差によって、モータ室17の空気が連通路13dを通ってインバータ室16に向かう冷却風が生じる(矢印Wa)。
したがって、冷却風により、モータ室17とインバータ室16とで、内部の空気が循環され、モータ室17とインバータ室16との温度を均一化することができる。
また、連通路13dは、ステータコイル34に軸方向に対向して配置されているため、この矢印Waにより示す冷却風は、モータ3において最も高温になるステータコイル34を通過し、ステータコイル34と熱交換を行う。
そして、連通路13dを通過する冷却風(矢印Wa)は、貫通孔入口101aに向かう冷却風(矢印Wb)となり、再び貫通孔入口101aに吸い込まれる。このとき、貫通孔入口101aは、図1に示すように、インバータカバー11に近接して配置されているため、連通路13dから貫通孔入口101aに向かう冷却風(矢印Wb)は、インバータカバー11に沿って進む。よって、この冷却風(矢印Wb)は、インバータカバー11と効率良く熱交換を行うことができ、また、インバータカバー11は、前述のように、走行風と熱交換を行うため、モータ3およびインバータ2を効率良く冷却することができる。
なお、ロータ軸31の先端部および貫通孔入口101aは、連通路13dから貫通孔入口101aに進む冷却風(矢印Wb)が、インバータ2を支持するインバータカバー11に沿って進ませることができるだけ、近接して配置させている。
以上のように、インバータ室16とモータ室17との間で循環する冷却風が形成され、インバータ室16とモータ室17との温度の均一化を図ることができる。また、冷却風は、前述のように、モータ3において最も高温となるステータコイル34を通過するため、効率良くモータ3を冷却することができる。しかも、冷却風は、外気(走行風)と熱交換を行うインバータカバー11に沿って流れるため、効率良く放熱して、冷却効率に優れる。
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1のモータユニットの効果を列挙する。
1)実施の形態1のモータユニットは、
モータ3を収容するモータ室17を形成するモータ収容部材としてのモータケース14と、
前記モータ室17と隔壁13により区画されて前記モータ室17に軸方向に隣設し、モータコイルとしてのステータコイル34への通電を制御するインバータ2を収容するインバータ室16を形成するインバータ収容部材としてのインバータカバー11およびインバータケース12と、
前記隔壁13に設けられ、前記モータ室17と前記インバータ室16とを連通する連通路13dと、
を備え、
前記ステータコイル34への通電により回転するロータ軸31の一端部の小径部31aを、前記隔壁13を貫通させて前記インバータ室16に臨ませ、
前記ロータ軸31に、前記インバータ室16に開口された貫通孔入口101aから、この貫通孔入口101aよりも外径方向に配置されて前記モータ室17に開口された貫通孔出口102aに至る貫通孔100を設け、
前記連通路13dを、前記ステータコイル34の近傍に配置したことを特徴とする。
したがって、ロータ軸31の回転時には、相対的に内径側の貫通孔入口101aと、外周の貫通孔出口102aと、で速度差が生じる。この結果、両口101a,102aに圧力差が生じ、インバータ室16に開口した貫通孔入口101aからモータ室17に開口した貫通孔出口102aに向かう気流による冷却風(Wc)が生じる。
そして、貫通孔100により生じた冷却風(Wc)により両室16,17間に生じる圧力差により、連通路13dを介してモータ室17からインバータ室16に向かう冷却風(Wa)が形成される。
このように、インバータ室16とモータ室17との間で、インバータ室16から貫通孔100を通ってモータ室17に至り、さらに、モータ室17から連通路13dを通ってインバータ室16に戻る循環風が生じる。
したがって、モータ室17とインバータ室16との温度の均一化を図ることができ、特に、高温となりがちなモータ3を冷却することができる。
しかも、この循環風は、モータ室17において、相対的に低温のロータ軸31から、相対的に高温のステータコイル34を通過して、連通路13dに向かう。よって、モータ3において最も高温となりステータコイル34の周辺に滞留しがちな高温空気を、インバータ室16へ循環させるとともに、ステータコイル34と熱交換を行うことでステータコイル34を冷却することができる。
そして、インバータ室16では、放熱フィン11a,12aを有したインバータカバー11およびインバータケース12から外気に効率良く放熱することができるもので、この際に、上記の循環風により、モータ室17の熱も放熱することができる。
以上のように、インバータ2およびモータ3のステータコイル34の冷却を、ファンを用いることなく行うため、部品点数増および軸方向寸法増を抑えることが可能となる。
加えて、本実施の形態1では、連通路13dを、ステータコイル34に軸方向に対向するように配置し、しかも、ステータコイル34が巻かれている領域に対して、径方向でその中央よりも外側に配置している。
このため、貫通孔出口102aから外径方向の連通路13dに向かう冷却風(矢印Wa)は、ステータコイル34に対して径方向で大部分の範囲を通過する。よって、本実施の形態1では、連通路13dをステータコイル34よりも内径方向の近傍に設けた場合より、熱交換効率が良く、冷却性能に優れる。
なお、本実施の形態1では、小径部31aとレゾルバケース13bとの間にシール部材13cを介在させている。このため、上述の貫通孔100および連通路13dによる循環風の形成時に、レゾルバ37およびベアリング35が有する軸方向の隙間からの送風を遮断して、上述の経路による循環風を、より確実に形成することができる。
2)実施の形態1のモータユニットは、
前記ロータ軸31は、ロータコア32を固定するロータコア固定部31b側を、隔壁13を貫通する部位である小径部31aよりも大径に形成し、
この大径に形成した部位である大径部31cに、前記貫通孔出口102aを開口したことを特徴とする。
貫通孔出口102aを、貫通孔入口101aを形成した小径部31aよりも大径の大径部31cに開口したことにより、貫通孔出口102aを小径部31aと同径の部位に開口するのと比較して、貫通孔出口102aを外径方向に配置することが可能となる。
これにより、ロータ軸31の回転時における貫通孔入口101aと貫通孔出口102aとの速度差を、相対的に大きくし、両者の圧力差を大きくすることが可能となる。
したがって、貫通孔100を流れる冷却風の風量を相対的に増大でき、モータ室17からインバータ室16への冷却風の循環量を増大し、冷却性能の向上が可能となる。
特に、本実施の形態1では、貫通孔入口101aは、ロータ軸31の軸心に配置し、貫通孔出口102aは、インバータ室16に延ばした小径部31aよりも大径のロータコア固定部31b、大径部31cのうち、最も大径の大径部31cに開口した。
このため、ロータ軸31において貫通孔入出口101a,102aの間の径方向寸法差を最大とすることができ、貫通孔入出口101a,102aに形成される圧力差を最大として、貫通孔100における冷却風(矢印Wc)の流速をより大きく確保できる。
また、貫通孔出口102aとステータコイル34との径方向距離を短縮し、両者が離れている場合よりも、ステータコイル34への冷却風の流速を確保し、その分、ステータコイル34の冷却性能を向上することができる。
3)実施の形態1のモータユニットは、
前記インバータ2の耐熱性を、前記モータ3の耐熱性よりも高く設定したことを特徴とする。
したがって、上記1)のように、ステータコイル34の熱を吸熱した冷却風が、連通路13dを通りインバータ室16へ流入する構造とした場合に、インバータ2がステータコイル34で加熱されて高温となった冷却風により悪影響を受けるのを抑制できる。
4)実施の形態1のモータユニットは、
貫通孔出口102aを、軸方向で、ロータコア32を挟んで、連通路13dを設けた隔壁13とは反対側に設けたことを特徴とする。
したがって、貫通孔出口102aから、モータ室17に噴出した冷却風(矢印Wd)は、ステータコイル34の軸方向の全長に沿って交差しながら、連通路13dに向かうため、ステータコイル34との熱交換効率に優れる。
5)実施の形態1のモータユニットは、
ロータ軸31の先端部に開口した貫通孔入口101aを、冷却風(矢印Wb)が、インバータカバー11に沿って流れるようにインバータカバー11に近接して配置したことを特徴とする。
したがって、貫通孔100および連通路13dを用いて、インバータ室16とモータ室17とで冷却風を循環させる際に、冷却風がインバータカバー11に沿って進む際に、インバータカバー11と効率良く熱交換することができる。また、インバータカバー11には、放熱フィン11aを形成しているため、インバータカバー11から外気に効率良く放熱することができる。加えて、インバータカバー11としてアルミなどの熱伝導率に優れた金属を用いることでも、効率良く放熱することができる。
(他の実施の形態)
次に、他の実施の形態のモータユニットについて説明する。
なお、他の実施の形態を説明するのにあたり、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2のモータユニットについて、図2、図3に基づいて説明する。
実施の形態2のモータユニットは、ロータ軸31に形成した貫通孔200の構造が実施の形態1と異なる。
貫通孔200を有するロータ軸31は、図2に示すように、その小径部31aの軸方向で車内方向側の先端位置を、実施の形態1と比較して、インバータカバー11から軸方向で車外方向に離して配置している。なお、この先端位置は、実施の形態1と同様に、インバータカバー11に近付けて配置してもよい。
前記ロータ軸31に形成した貫通孔200は、実施の形態1と同様に、軸方向孔201と径方向孔202とを備えている。
軸方向孔201は、ロータ軸31の小径部31aの軸心に開口した貫通孔入口201aから、ロータ軸31の大径部31cの位置まで延在されている。
径方向孔202は、軸方向孔201の先端部の位置から、径方向へ略直角に延在されている。この径方向孔202において、ロータ軸31の軸心部の端部202bは、図3に示すように、ロータ軸31の軸心であるモータ軸中心線CLmに対して、寸法ofsだけ径方向にオフセットして配置している。
なお、貫通孔出口202aは、図2に示すように、実施の形態1と同様に、大径部31cの外周に開口されている。
次に、実施の形態2の作用を説明する。
実施の形態2では、径方向孔202の端部202bをロータ軸31の軸心であるモータ軸中心線CLmから、寸法ofsだけ径方向にオフセットさせている。このため、ロータ軸31の回転時には、径方向孔202を流れる気流である冷却風(矢印Wd)に対して、ロータ軸回転力の径方向ベクトル成分により冷却風を押し出す力が付与される。
これにより、径方向孔202の端部202bをモータ軸中心線CLm上に配置したものと比較して、冷却風量を増大させることが可能となる。
以上のように、実施の形態2にあっては、実施の形態1で説明した1)〜4)の効果に加え、下記の2-1)の効果を奏する。
2-1)実施の形態2のモータユニットは、
貫通孔200は、前記貫通孔入口201aから前記ロータ軸31の軸心に沿って軸方向に延びる軸方向孔201と、この軸方向孔201と前記貫通孔出口202aとの間で径方向に延びる径方向孔202と、を備え、
前記径方向孔202を、前記ロータ軸31の軸心であるモータ軸中心線CLmから外径方向にオフセットさせた位置で、前記軸方向孔201に接続したことを特徴とする。
したがって、ロータ軸31の回転時には、径方向孔202を流れる気流である冷却風(矢印Wd)に対して、ロータ軸回転力の径方向ベクトル成分により冷却風を押し出す力が付与される。
これにより、径方向孔202の端部202bをモータ軸中心線CLm上に配置したものと比較して、冷却風量を増大させることが可能となり、インバータ2およびモータ3の冷却性能を向上させることができる。
(実施の形態3)
以下に、実施の形態3のモータユニットについて、図4に基づいて説明する。
実施の形態3のモータユニットは、図4に示すように、ロータ軸331に冷媒循環路310aを形成し、貫通孔300を、この冷媒循環路310aと区画状態でその近傍に形成した例である。
まず、冷媒循環路310aについて説明する。
冷媒循環路310aは、ロータ軸331の支持用穴331dを利用して形成している。すなわち、支持用穴331dは、その奥側の端部がロータコア固定部31bに達するように、実施の形態1のものよりも軸方向に深く形成している。
支持用リテーナ338は、軸心に冷媒供給孔338aが形成されている。この冷媒供給孔338aには、詳細は省略するが、減速機室18で減速機構の回転に伴って掻き上げられたオイルが供給される。
さらに、支持用リテーナ338の先端部には、流路形成用の筒部材310が嵌合され、この筒部材310の外周と支持用穴331dの内周との間には、流路用の隙間が形成されている。
したがって、冷媒循環路310aは、冷媒供給孔338aから筒部材310の内周を通り、支持用穴331dの奥に達した後、筒部材310の外周と支持用穴331dの内周との間を通り、ベアリング36を通って減速機室18に戻る経路となっている。
この冷媒循環路310aを潤滑油を循環させるのに伴い、ロータ軸331を冷却でき、さらに、ロータ軸331を介して、ロータコア32などモータ3を冷却することができる。
なお、ロータ軸331の小径部31aの軸方向で車内側の先端部は、実施の形態1と同様に、インバータカバー11に近接して配置されている。
次に、貫通孔300について説明する。
実施の形態3の貫通孔300は、実施の形態1と同様に、軸方向孔301と径方向孔302とを備えている。
軸方向孔301は、インバータ室16側の小径部31aの先端の貫通孔入口301aから、ロータコア固定部31bまで軸方向に延在されている。
径方向孔302には、軸方向孔301の車外側の端部と、大径部31cに開口した貫通孔出口302aとを連通しており、冷媒循環路310aとの干渉を避けるために、実施の形態1のものよりも、径方向の傾きを緩やかに形成している。この径方向孔302と冷媒循環路310aとの間は、区画部303を確保して両者を近接状態で区画している。
したがって、実施の形態3では、貫通孔200を流れる冷却風を、冷媒循環路310aを循環する潤滑油と熱交換を行って冷却することができる。
以上説明したように、実施の形態3のモータユニットは、上述した実施の形態1の1)〜5)の効果に加えて、下記の3-1)の効果を奏する。
3-1)実施の形態3のモータユニットは、
ロータ軸331は、内部に、冷却用冷媒を循環させる冷媒循環路310aを、前記貫通孔300と区画部303により区画して有することを特徴とする。
したがって、実施の形態3では、冷媒循環路310aによるロータ軸331の冷却と、貫通孔300を用いた冷却風によるインバータ2およびモータ3のステータコイル34の冷却とを、両立することが可能となる。
しかも、冷媒循環路310aの潤滑油と、貫通孔300の冷却風との熱交換により、冷却風によるインバータ2およびモータ3の冷却を、より確実に達成することができる。加えて、本実施の形態3では、冷媒循環路310aと貫通孔300とを、区画部303により近接状態で区画しているため、この熱交換を、より促進させることができる。
(実施の形態4)
以下に、実施の形態4のモータユニットについて、図5に基づいて説明する。
実施の形態4のモータユニットは、図5に示すように、ロータ軸431に形成した冷媒循環路410aと、貫通孔400とを、径方向にオフセット配置させた例である。
実施の形態4では、冷媒循環路410aを、ロータコア固定部31bの略全長に亘って形成している。そこで、支持用穴431dは、その奥側にロータ軸431の軸心であるモータ軸中心線CLmに対して外径方向にオフセットさせたオフセット部431fを設けて車内方向に延在させている。
これに伴い、筒部材410も、モータ軸中心線CLmに対して、支持用穴431dのオフセット方向とは逆方向の外径方向にオフセットさせたオフセット部411を設けて車内方向に延在させている。
貫通孔400は、軸方向孔401と径方向孔402とを備えている。
実施の形態4では、軸方向孔401は、モータ軸中心線CLmに対し、支持用穴431dおよび筒部材410のオフセット方向とは逆方向の外径方向にオフセットさせて配置している。したがって、軸方向孔401の開口端である貫通孔入口401aも、モータ軸中心線CLmに対して外径方向にオフセットして配置されている。なお、貫通孔入口401aからインバータ室16の空気を吸い込む場合は、レゾルバ37において、レゾルバ37を軸方向に貫通して形成された複数の隙間(図示省略)を介して吸い込む。
このため、軸方向孔401の車外方向部分は、支持用穴431dおよび筒部材410と、一部が径方向に重なって配置された状態で、区画部403により冷媒循環路410aと区画されている。
また、径方向孔402は、モータ軸中心線CLmから外径方向に離れた位置で軸方向孔401に接続されているため、図示のように、緩やかな傾斜で大径部31cに開口した貫通孔出口402aに接続されている。
以上説明したように、実施の形態4のモータユニットは、上述した1)〜5)3-1)の効果に加えて、下記の4-1)の効果を奏する。
4-1)実施の形態4のモータユニットは、
冷媒循環路410aと貫通孔400とを、それぞれ、前記ロータ軸心(モータ軸中心線CLm)に対して、径方向にオフセット配置させたことを特徴とする。
冷媒循環路410aと貫通孔400とを、ロータ軸431に対してその軸心(モータ軸中心線CLm)から径方向へオフセットしたことで、両者410a,400を径方向に重ねて軸方向に並行して設置することができる。
これにより、ロータ軸431に貫通孔400を形成した構造であっても、冷媒循環路410aの軸方向寸法を確保して、ロータ軸431に対する冷却性能の向上を図ることができる。
また、冷媒循環路410aと貫通孔400とを、径方向に重ねて配置し、軸方向に並行に設置しているため、両者410a,400の間での熱交換性能も向上でき、インバータ2およびモータ3のステータコイル34に対する冷却性能も向上する。
(実施の形態5)
以下に、実施の形態5のモータユニットについて、図6、図7に基づいて説明する。
実施の形態5のモータユニットは、図6、図7に示すように、ロータ軸531に、冷媒循環路510aを並行して延長した並行延長部510b,510b(図7参照)と、一対の貫通孔500,500とを形成している。さらに、並行延長部510b,510bと、貫通孔500,500とを、それぞれロータ中心軸(モータ軸中心線CLm)に対して径方向にオフセット配置させるとともに、周方向に略等間隔で配置している。
すなわち、冷媒循環路510aを形成する、支持用穴531dは、その奥で、一対(図7参照)の延長部531fが形成されている。この延長部531fは、図7に示すように、ロータ軸531の軸心であるモータ軸中心線CLmに対して、外径方向にオフセットし、かつ、周方向に180度離れた対称位置に配置されている。
また、筒部材510も、図6に示すように、その先端部に、一対の延長部511,511が形成され、それぞれ、支持用穴531dの延長部531f,531fの内周との間に隙間を空けた状態で挿入されている。これにより、冷媒循環路510aは、その先端部に、平行に並んだ並行延長部510b,510bを備えている。そして、この並行延長部510b,510bは、ロータ軸531の軸心であるモータ軸中心線CLmに対して、外径方向にオフセットし、かつ、周方向に180度離れた対称位置に配置されている。
貫通孔500は、図6に示すように、軸方向孔501と径方向孔502とを備え、かつ、モータ軸中心線CLmに対して、外径方向にオフセットして一対設けられている。
軸方向孔501は、モータ軸中心線CLmに対し、外径方向にオフセットして配置されており、軸方向孔501の開口端である貫通孔入口501aは、モータ軸中心線CLmに対して外径方向にオフセットして配置されている。なお、貫通孔入口501aからインバータ室16の空気を吸い込む場合、レゾルバ37において、レゾルバ37を軸方向に貫通して形成された複数の隙間(図示省略)を介して吸い込む。
また、軸方向孔501は、軸方向でロータコア固定部31bの中間部まで延在されており、その一部が、冷媒循環路510aの並行延長部510bと、径方向に重なって設けられている。また、軸方向孔501は、図7に示すように、周方向で180度離れ、ロータ軸心であるモータ軸中心線CLmを挟んだ対称位置に配置されている。そして、軸方向孔501は、並行延長部510bに対して周方向で90度離れて配置され、軸方向孔501と並行延長部510bとは、周方向に略等間隔で配置されている。
径方向孔502は、図6に示すように、実施の形態4と同様に、緩やかな傾斜で大径部31cに開口した貫通孔出口502aに接続されている。
なお、貫通孔500は、それぞれ、並行延長部510bを含む冷媒循環路510aに対して、区画部503を介して区画された状態で併設されている。
以上説明したように、実施の形態4のモータユニットは、上述した1)〜5)3-1)4-1)の効果に加えて、下記の5-1)の効果を奏する。
5-1)実施の形態5のモータユニットは、
前記冷媒循環路510aの並行延長部510bと前記貫通孔500とを、それぞれ複数設けるとともに周方向に略等間隔で配置したことを特徴とする。
冷媒循環路510aの並行延長部510bと、貫通孔500とを、それぞれ、複数設けたことにより、それぞれを単数設けたものよりも、潤滑油および冷却風の流量の増加を図ることができるとともに、両者間の熱交換量の増加を図ることができる。
しかも、並行延長部510bと貫通孔500とをそれぞれ複数設け、かつ、周方向に等間隔に配置したことにより、両者を単数としたものより、冷媒潤滑路510aの潤滑油と、貫通孔500の冷却風との熱交換効率が向上する。
したがって、潤滑油によるロータ軸531の冷却性能向上と、冷却風によるインバータ2およびモータ3のステータコイル34の冷却性能の向上を図ることができる。
以上、本発明のモータユニットを実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態では、モータユニットとして、車両において1つの車輪を回転させるインホイール形式のものを示したが、本発明を適用するモータユニットとしては、これに限定されるものではない。例えば、車載の駆動源として用いる場合でも、1つのモータユニットにより左右両輪を駆動させるものにも用いることができる。
また、実施の形態のモータユニットは、減速機構を備えたものを示したが、減速機構を介在させずにモータトルクを出力時に伝達するものにも適用できる。また、減速機構を設ける場合も、実施の形態で示したものに限定されず、例えば、平行軸ギヤ対と遊星歯車減速機構との一方のみを用いた構成としてもよい。あるいは、平行軸ギヤ対および遊星歯車減速機構以外の減速機構(例えば、円錐歯車機構)を用いてもよい。
また、実施の形態では、モータコイルは、ステータに設けた例を示したが、ロータに設けてもよい。
また、隔壁に設けた連通路として、1つの穴を開口した例を示したが、これに限定されず、連通路は、複数形成してもよい。そして、連通路として、細管などの穴以外の手段を設けてもよい。
また、貫通孔入口と貫通孔出口は、ロータ軸において、貫通孔出口が貫通孔入口よりも外径方向に配置していれば、その位置は、実施の形態で示した位置に限定されない。例えば、貫通孔出口は、ロータ軸において、最も径が大きな個所以外に設けてもよい。
また、冷媒循環路および貫通孔を複数設ける場合、実施の形態で示したように、両者の数は、それぞれ、2に限定されるものではなく、3以上設けてもよい。さらに、実施の形態では、両者の数を同数にしているが、同数に限定されない。そして、冷媒循環路と貫通孔との一方のみを複数とすることもできる。例えば、実施の形態1のように、ロータ軸の軸心に設けた冷媒循環路を囲むように、複数の貫通孔を形成してもよい。
また、 貫通孔は、軸方向孔と径方向孔とを備えた例を示したがこれに限定されず、貫通孔入口から貫通孔出口へ、一直線あるいは曲線状の1本の孔により形成してもよい。
加えて、インバータ室は、インバータカバーおよびインバータケースに放熱フィンを設けて放熱によりインバータ室を冷却する構造としたが、これに限定されず、冷却用の冷媒を循環させるようにしてもよい。
2 インバータ
3 モータ
11 インバータカバー(インバータ収容部材)
12 インバータケース(インバータ収容部材)
13 隔壁
13d 連通路
14 モータケース(モータ収容部材)
16 インバータ室
17 モータ室
31 ロータ軸
31a 小径部
31b ロータコア固定部
31c 大径部
34 ステータコイル
100 貫通孔
101 軸方向孔
101a 貫通孔入口
102 径方向孔
102a 貫通孔出口
200 貫通孔
201 軸方向孔
201a 貫通孔入口
202 径方向孔
202a 貫通孔出口
300 貫通孔
301 軸方向孔
301a 貫通孔入口
302 径方向孔
302a 貫通孔出口
310a 冷媒循環路
310b 延長部
400 貫通孔
401 軸方向孔
401a 貫通孔入口
402 径方向孔
402a 貫通孔出口
410a 冷媒循環路
431 ロータ軸
500 貫通孔
501 軸方向孔
501a 貫通孔入口
502 径方向孔
502a 貫通孔出口
510a 冷媒循環路
510b 並行延長部
531 ロータ軸

Claims (7)

  1. モータを収容するモータ室を形成するモータ収容部材と、
    前記モータ室と隔壁により区画されて前記モータ室に軸方向に隣設し、モータコイルへの通電を制御するインバータを収容するインバータ室を形成するインバータ収容部材と、
    前記隔壁に設けられ、前記モータ室と前記インバータ室とを連通する連通路と、
    を備え、
    前記モータコイルへの通電により回転するロータ軸の一端部を、前記隔壁を貫通させて前記インバータ室に臨ませ、
    前記ロータ軸に、前記インバータ室に開口した貫通孔入口から、この貫通孔入口よりも外径方向に配置されて前記モータ室に開口された貫通孔出口に至る貫通孔を設け、
    前記連通路を、前記モータコイルの近傍に配置したことを特徴とするモータユニット。
  2. 請求項1に記載のモータユニットにおいて、
    前記ロータ軸は、ロータコアを固定するロータコア固定部側を、前記隔壁を貫通する部位よりも大径に形成し、
    この大径に形成した部位に、前記貫通孔出口を開口したことを特徴とするモータユニット。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモータユニットにおいて、
    前記貫通孔は、前記貫通孔入口から軸方向に延びる軸方向孔と、この軸方向孔と前記貫通孔出口との間で径方向に延びる径方向孔と、を備え、
    前記径方向孔を、前記ロータ軸の軸心から外径方向にオフセットさせた位置で、前記軸方向孔に接続したことを特徴とするモータユニット。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のモータユニットにおいて、
    前記ロータ軸は、内部に、冷却用冷媒を循環させる冷媒循環路を、前記貫通孔と区画して有することを特徴とするモータユニット。
  5. 請求項4に記載のモータユニットにおいて、
    前記冷媒循環路と前記貫通孔とを、それぞれ、前記ロータ軸心に対して、径方向にオフセット配置させたことを特徴とするモータユニット。
  6. 請求項5に記載のモータユニットにおいて、
    前記冷媒循環路と前記貫通孔とを、それぞれ複数設けるとともに周方向に略等間隔で配置したことを特徴とするモータユニット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のモータユニットにおいて、
    前記インバータの耐熱性を、前記モータの耐熱性よりも高く設定したことを特徴とするモータユニット。
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