JP2016024757A - タッチセンサー付液晶表示装置の製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶が封入された液晶表示装置の表示表面に、直接、前記液晶に損傷を与えることなくタッチセンサーを形成するタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法及びタッチセンサー形成用の樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】液晶表示装置10の表示表面3aにタッチセンサー20を具備したタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法であって、前記液晶表示装置10の表示表面3aに均一な導電膜を形成した後、前記導電膜をフォトリソ法及びエッチング法によりパターニングして電極4を形成し、その後、前記表示表面全体に樹脂組成物からなる保護膜5を形成することを特徴とするタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法である。【選択図】 図1

Description

本発明は、コンピュータの位置入力装置に関し、特に液晶表示装置の表示表面に直接タッチセンサーが形成され、タッチセンサー付液晶表示装置の製造方法及び前記センサーを形成する樹脂組成物に関する。
近年、入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。一般にタッチパネルは、入出力する情報を処理する情報処理部並びに情報入力に対するタッチセンサー、タッチセンサー上への接触位置を検出する制御回路およびタッチセンサーと当該情報処理部とを接続する配線を有する基板等を含む。タッチパネルは多くの場合、液晶ディスプレイ(LCD)もしくは、有機ELディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の機器等(例えば、パーソナルコンピュータのディスプレイ、券売機等の販売機、ATM(現金自動預け払い機)、携帯電話、携帯情報端末、電子書籍端末、コピー機、デジタルオーディオプレーヤ、ゲーム機およびカーナビゲーション)に対する入力手段として表示装置とともに用いられている。
タッチセンサーの方式には、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、光学方式、電磁誘導方式などがあり、最近では静電容量方式を採用するメーカーが増えてきている。静電容量方式のタッチセンサーとは、導電体の両端に同じ位相で同じ電圧の交流を加えた場合に、導電体に指や手のような静電的且つ導電性の媒体を近接させると、接地されているとみなされる媒体と導電体間(これも接地させているので)に容量結合が生じて、過剰な交流電流が導電体に流れる現象を利用した電子デバイスである。
一般にタッチセンサーは、透明導電材料で形成された複数のX軸方向のセンサー配線とY軸方向のセンサー配線とが交差した構造からなる。例えば、携帯電話、携帯情報端末などの小型機器では、透明導電材料として酸化インンジウム・スズ(ITO)や酸化スズなどの金属酸化物が、その透明性に優れていることから用いられている。しかしながら、最近では券売機等の販売機、ATMなどの大型機器でのタッチパネルの需要が増し、前記ITOなどの金属酸化物では抵抗が大きく、様々な問題が生じている。
そこで大型機器への対応として、低抵抗材料として優れている銅、銀、金などの金属材料が検討されており、特にコストや加工性に優れる銅材が主流となっている。しかしながら、このような金属材料は遮光性(隠蔽性)が強いため、形成した配線パターンの線幅によっては容易に視認できると言う問題がある。
また、一般的には、タッチセンサーは透明基板上に形成され(いわゆるタッチパネル)、液晶表示装置などの表示表面に粘着剤などの接合媒体を介して具備される。
したがって、液晶などの表示パネルとタッチパネルとをそれぞれ別途作製し、それを貼り合わせてタッチセンサーを具備した表示装置が組み立てられる。また、さらに前記タッチセンサー表面には光散乱機能を付与した提案などがある(特許文献1)。そのためにタッチパネルに用いられる透明基材がコスト高の一因となり、また別途作製による製造プロセスの煩雑さから、品質の安定性やコストに問題がある。
そこで例えば液晶表示装置の表示表面に直接タッチセンサーを設ける方法が検討されている。しかしながら、すでに液晶が封入されている液晶パネルは熱処理に制約があり、従来行われている高温処理を用いるタッチセンサーの形成方法では、タッチセンサーの中核
をなす電極を保護するための保護膜の強度(特に硬さ)と密着性の両立が問題となっている。
特許第4384300号
本発明は、液晶が封入された液晶表示装置の表示表面に、直接、前記液晶に損傷を与えることなくタッチセンサーを形成するタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法及びタッチセンサー形成用の樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1の発明は、液晶表示装置の表示表面にタッチセンサーを具備したタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法であって、
前記液晶表示装置の表示表面に均一な導電膜を形成した後、前記導電膜をフォトリソ法及びエッチング法によりパターニングして電極を形成し、
その後、前記表示表面全体に樹脂組成物からなる保護膜を形成することを特徴とするタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法である。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の製造方法に使用する前記保護膜を形成するための樹脂組成物であって、
透明樹脂と透明なフィラーを含み、
前記フィラーは、モース硬度3以上、平均粒径が0.2〜0.5μm、前記組成物中の固形分に占める含有率が10〜30重量%、
であることを特徴とする樹脂組成物である。
また、請求項3の発明は、前記導電膜を、金属材料の蒸着法またはスパッタリング法により形成することを特徴とする請求項1に記載のタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法である。
また、請求項4の発明は、前記導電膜を、金属箔の積層により形成することを特徴とする請求項1に記載のタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法である。
本発明に係る請求項1によれば、前記液晶表示装置の表示表面に均一な導電膜を形成した後、前記導電膜をフォトリソ法及びエッチング法によりパターニングして電極を形成し、その後、前記表示表面全体に樹脂組成物からなる保護膜を形成するため、前記表示表面の上に直接タッチセンサーを低温で形成することができ、加工時の温度による液晶への損傷を抑制することができる。
また、請求項2によれば、前記保護膜に含まれる前記フィラーをモース硬度3以上とすることにより、透明樹脂の架橋密度への依存度を低減しても、前記保護膜としてのマトリックスの硬度を高く保つことができる。これにより前記保護膜中の透明樹脂の含有量お高くすることができ、下地(ガラス基板や電極)との密着性を向上させることができる。すなわち、従来のような透明樹脂の架橋密度を高くしてマトリックス(保護膜)の硬度を高くする方法(高温処理)ではなく、低温で硬く、密着性に優れた保護膜を形成することができる。
また、前記フィラーの平均粒径を0.2〜0.5μmとすることで、光散乱機能を付与することができ、さらに樹脂組成物の調整が容易で前記保護膜を均一に形成することができる。前記フィラーの平均粒径が0.2μm未満だと光散乱機能を得ることができず、また、0.5μmを超えると表面が均一な保護膜を形成することが難しくなる。
また、前記樹脂組成物中の固形分に占める前記フィラーの含有率を10〜30重量%とすることで、保護膜のマトリックスとしての硬度を、透明樹脂お架橋密度への依存度を抑制しても高くすることができ、同時に透明樹脂による下地との密着性を高めることができる。前記フィラーの含有量が10重量%未満であるとフィラーによるマトリックスの硬度を十分上げることができず、また、30重量%を超えると硬度は増すが、透明樹脂の含有量の低下による下地との密着性が低下する。
また、請求項3によれば、前記導電膜として金属材料を用いて蒸着法またはスパッタリング法により形成することで薄膜化が可能となり、その後のフォトリソ法及びエッチング法により薄膜の電極を形成することができる。
また、請求項4によれば、前記導電膜として金属箔を用いて接着剤を介して積層することで形成することにより、大気圧下で且つ低温での加工が可能となり、生産性に優れた電極形成ができる。
上記で説明したように、本発明によれば、液晶が封入された液晶表示装置の表示表面に、直接、前記液晶に損傷を与えることなくタッチセンサーを形成するタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法及びタッチセンサー形成用の樹脂組成物を提供することができる。
本発明に係るタッチセンサー付液晶表示装置の一実施形態を示す断面模式図である。 図1のタッチセンサー付液晶表示装置の製造プロセスの一実施形態を示す。
以下、図に基づいて本発明を具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係るタッチセンサー付液晶表示装置は、前記液晶表示装置10の表示表面3aに、直接、タッチセンサー20を構成する電極4とその電極4を覆うように表示表面3a全体に保護膜5が形成されたものである。
以下、本発明に係るタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法について、図2に基づいて具体的に説明する。
本発明に係るタッチセンサー付液晶表示装置は、図2(a)に示すようなTFT基板1とカラーフィルタ基板3との間に液晶2が封入されてなる液晶表示装置10の表示表面3aに、まず、図2(b)に示すように導電性材料からなる導電膜4´を形成する。
前記導電性材料としては、低抵抗及び長期信頼性から、例えば、銅、銀、金などの金属材料を蒸着法またはスパッタリング法により薄膜を形成して用いることや、金属箔を積層して用いることができる。前記蒸着法またはスパッタリング法によれば薄膜化が可能であり、また、金属箔の積層方法によれば大気圧下で且つ低温での加工が可能となる。なお、後述する電極4の幅は、前記導電膜4´の膜厚より細くはできないので、特に金属箔を用いる場合には、求める電極4の線幅に応じて前記金属箔の厚みを選定する必要がある。
次に、上記で形成した導電膜4´をフォトリソ法及びエッチング法を用いてパターニングして電極4を形成する。
具体的には、図2(c)に示すように、導電性材料からなる導電膜4´の上にフォトレジスト6を塗布し、必要に応じて乾燥してフォトレジスト膜6を形成する。
次に、図2(d)に示すように、電極4を形成するためのパターンを形成したフォトマスクを介して、前記フォトレジスト膜6に近接露光し、その後、現像してレジストパターンを形成する。
次に、図2(e)に示すように、露呈した導電性材料からなる導電膜4´をエッチング液として用いてエッチング除去し、電極4の配線パターンを形成する。例えば導電性材料として銅箔を用いた場合には、エッチング液としては塩化第二鉄溶液や塩化第二銅溶液を使用することができる。
次に、図2(f)に示すように、フォトレジスト膜が積層された電極4の配線パターンから、前記レジスト膜を剥離して電極4を形成する。
次に、図2(g)に示すように、前記電極4を覆うように表示表面の全体に保護膜を形成してタッチセンサー付液晶表示装置を作製する。具体的には、下記で説明する樹脂組成物を、前記電極4を覆うように表示表面の全体に塗布し、必要に応じて乾燥し、その後、低温で加熱エージングして硬化させて保護膜を形成する。
以下、前記保護膜5の形成については具体的に説明する。
本発明に係る前記保護膜5は、マトリックス樹脂となる透明樹脂と透明なフィラーを含む樹脂組成物からなることを特徴としている。
前記樹脂組成物に含まれる透明なフィラーは、従来、前記保護膜5の硬度がマトリックス樹脂の架橋密度に依存していることに対して、その依存度を軽減するためのものであり、モース硬度3以上を必要とする。また、その平均粒径が10〜100nmで、樹脂組成物中の固形部に占める含有量が10〜30重量%であることにより、保護膜5の内面において高いレベルの硬度を付与することができる。
上記で説明したように、透明なフィラーとしてモース硬度3以上、中でも酸化ケイ素を用いることにより、保護層として求められる硬度を得ることができ、また、従来よりも架橋密度の低い透明樹脂を用いることにより、マトリックス樹脂の応力が緩和され、下地(ガラス基板や電極)との密着性を向上させることができる。
すなわち、従来は保護膜に高い硬度を付与するために、マトリックス樹脂を構成する透明樹脂として、例えば、一分子中に高い反応性を有するアクリロイル基などの官能基を複数有する多官能アクリレート化合物が用いられていた。また、そのために硬化に要するエネルギーも高く、それにしたがって加工温度も高くする必要があり、さらには透明樹脂の選択幅が狭かった。また、マトリックス樹脂の応力が大きいため、下地(ガラス基板や電極)との密着性に問題があった。
これに対して本発明では、前記フィラーで保護膜の硬度を補うため、従来、高温で処理して得たものと同じ架橋密度が低温加熱でも得られる。また、硬化収縮による応力も緩和されることから下地(ガラス基板や電極)との密着性を向上させることができる。またさらには、透明樹脂の選択幅も大幅に広がりより適性な樹脂を選定することができる。
本発明に係る透明樹脂としては、例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含む、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタンアクリレート、またはこれらの混合物を用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、前記二官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
組み立て済の液晶表示装置の表示表面の代替としてガラス基板を用い、その一方の全面にスパッタリング法により、膜厚が50nmの銅薄膜を形成した。
前記銅薄膜の全面に、ポジ型レジストをスピンコーターで塗布し、線幅30μmのストライプ状のパターンが形成されたフォトマスクを用いて近接露光した。
その後、エッチング液(比重1.45の塩化第二鉄溶液)を用いて、露呈した銅薄膜をエッチングにより除去して電極用のパターンを形成した。次に、銅薄膜上に残ったレジスト膜を剥離液に浸漬して剥離し、電極を形成した。
次に、以下に記載の保護膜形成用の樹脂組成物を、上記電極を覆うようにガラス基板全体に、スクリーン印刷法を用いて乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布、乾燥した。
<樹脂組成物>
・透明樹脂(アクリル樹脂)
・透明フィラー(二酸化ケイ素)
・有機溶媒
その後、120℃、60分間の環境下でエージングして保護膜を形成し、タッチセンサー付ガラス基板を作製した。
<比較例1>
樹脂組成物に二酸化ケイ素を加えないこと以外は、実施例1と同様にしてタッチセンサー付ガラス基板を作製した。
<評価及び方法>
実施例1及び比較例1で得たタッチセンサー付ガラス基板を用いて、鉛筆硬度を測定した。
・鉛筆硬度
クレメンス型引掻き硬度試験機(テスター産業社製、HA−301)を用いて、JIS−K5600−5−4に従い、ハードコート層の表面に750gの荷重をかけ、硬度2Hから9Hの鉛筆(三菱UNI)を用い、目視にて観察し判定した。
<比較結果>
実施例1で得られた本発明の代替品は、保護層の従来の加工温度180℃、すなわち液晶を封入した液晶表示装置に損傷を与える温度よりも低温の120℃で加工することができ、且つ、鉛筆硬度2Hと良好な結果が得られた。
一方、比較例1で得られた比較例品は、従来よりも低温の120℃での加工では、特に保護膜の鉛筆硬度が実用上問題となるレベルの硬度であった。これはフィラーの添加有無の差によると推測でき、本発明の効果を実証できた。
本発明に係るタッチセンサー付液晶表示装置、例えば、パーソナルコンピュータのディスプレイ、券売機等の販売機、ATM(現金自動預け払い機)、携帯電話、携帯情報端末、電子書籍端末、コピー機、デジタルオーディオプレーヤ、ゲーム機およびカーナビゲーション等の入力手段を有する表示装置に用いることができる。
1・・・TFT基板
2・・・液晶
3・・・カラーフィルタ基板
3a・・表示表面
4´・・導電膜
4・・・電極
5・・・保護膜
6・・・フォトレジスト膜
10・・液晶表示装置
20・・タッチセンサー

Claims (4)

  1. 液晶表示装置の表示表面にタッチセンサーを具備したタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法であって、
    前記液晶表示装置の表示表面に均一な導電膜を形成した後、前記導電膜をフォトリソ法及びエッチング法によりパターニングして電極を形成し、
    その後、前記表示表面全体に保護膜を形成することを特徴とするタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法に使用する前記保護膜を形成するための樹脂組成物であって、
    透明樹脂と透明なフィラーを含み、
    前記フィラーは、モース硬度3以上、平均粒径が0.2〜0.5μm、前記組成物中の固形分に占める含有率が10〜30重量%、
    であることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 前記導電膜を、金属材料の蒸着法またはスパッタリング法により形成することを特徴とする請求項1に記載のタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法。
  4. 前記導電膜を、金属箔の積層により形成することを特徴とする請求項1に記載のタッチセンサー付液晶表示装置の製造方法。
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