JP2016024697A - リソース管理システム及びリソース管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のソフトウェア開発のテスト実行に利用される共有システムのリソースの過度な割り当てを防ぐ管理システム及びリソース管理方法を提供する。
【解決手段】ソフトウェア開発で実行するテストの種類と実行条件とに基づいて、テストの実行に必要なリソースと、リソースを占有又は共有で利用するかを示す利用条件を決定する。指定されたテストの実行期間において、決定した利用条件でリソースの割り当てが可能かを判定し、割り当てが可能と判断した場合は、リソースの割り当てを予約する。
【選択図】図1
【解決手段】ソフトウェア開発で実行するテストの種類と実行条件とに基づいて、テストの実行に必要なリソースと、リソースを占有又は共有で利用するかを示す利用条件を決定する。指定されたテストの実行期間において、決定した利用条件でリソースの割り当てが可能かを判定し、割り当てが可能と判断した場合は、リソースの割り当てを予約する。
【選択図】図1
Description
本発明は、物理サーバ上に仮想サーバを設けたクラウドコンピューティングシステムのリソース管理に関する。
従来ソフトウェアなどの開発は、プロジェクト毎に専用の環境を用意し、開発が完了するまで使い続けるという利用が一般的だった。しかし、社内に複数のプロジェクトを抱える組織では、プロジェクトの数だけサーバやストレージが必要になり、開発コストの面で課題となっていた。
しかし、近年、仮想化技術を用いてサーバやストレージ、ネットワーク等のITリソースを分割して利用可能にするクラウド型のシステムの登場により、組織は複数のプロジェクトでITリソースをシェアして利用することが容易になった。このような環境下では、各プロジェクトに割り当てるリソースを最適化し、システム全体として効率よくリソースを使用する必要がある。
こうしたプロジェクトに割り当てるリソースの最適化問題の解決に向け、特開2013-117959のように、プロジェクトの各タスクの所要時間と変動やタスク間の関係から見込みの所要時間を算出する技術や、特開2012-146133のように、工程の進捗状況から、残作業量を計算するなど技術などが開示されている。
特許文献1および特許文献2は、いずれも工程の進捗状況に合わせて将来の作業量を予測するものである。ただし、予測した作業量に応じて、必要なリソースをどのように割り当てるかについては開示されていない。特に、ソフトウェア開発のテストにおいては、テストの種類に応じて必要とされるリソースの性能が異なるため、全てのテストにリソースを一律に割り当てると、一部のテストについてはリソースを過度に割り当ててしまう可能性がある。
上記課題を解決するため、本発明における複数のソフトウェア開発のテスト実行に利用される共有システムのリソースを管理するリソース管理システムは、テストの種類に応じて、共有システムのリソースの割り当て方法を変更する。
具体的には、本発明におけるリソース管理システムは、共有システムを構成する複数の物理サーバと複数の仮想サーバとを含むリソースの予約状況を示すリソース管理情報を記録する記録部と、ソフトウェア開発で実行するテストの識別子と種類と達成条件と実行期間とを含むリソース予約要求を受信する受信部と、テストの達成条件と種類とに基づいて、テストの実行に必要なリソースと、リソースを占有又は共有で利用するかを示す利用条件を決定し、リソース管理情報に基づき、前記実行期間において決定した前記利用条件で前記リソースの割り当てが可能かを判定し、前記割り当てが可能と判断した場合は、前記リソースの割り当てを予約することにより前記予約情報を更新する計画調整部を備える。
また、本発明におけるリソース管理方法では、共有システムを構成する複数の物理サーバと複数の仮想サーバとを含むリソースの予約状況を示すリソース管理情報を記録し、ソフトウェア開発で実行するテストの識別子と種類と達成条件と実行期間とを含むリソース予約要求を受信し、テストの達成条件と種類とに基づいて、テストの実行に必要なリソースと、リソースを占有又は共有で利用するかを示す利用条件を決定し、リソース管理情報に基づき、前記実行期間において決定した前記利用条件で前記リソースの割り当てが可能かを判定し、前記割り当てが可能と判断した場合は、前記リソースの割り当てを予約することにより前記予約情報を更新する。
複数のプロジェクトでITリソースを共有する環境において、ITリソースの効率的な割当てが可能となる。
図1は本発明を適用したクラウド基盤170上のITリソースを複数のチームでシェアして利用する構成を表す第1の実施例である。
本構成において、ユーザ110は、プロジェクト管理ツール120を用いて、作業スケジュールの管理を行い、バージョン管理ツール130を用いてドキュメントやソースコードの管理を行っている。ここでプロジェクト管理ツール120は、プロジェクトの開発目標に対して、チームのメンバのタスクとスケジュール、成果物などを管理するツールである。プロジェクト管理ツール120を用いることで、プロジェクトの目標に対して、やるべき事(タスク)が網羅されているか、プロジェクトを推進するチームのメンバに無理なくタスクが割り当てられているか、タスクを実現する期間は妥当か、タスクがスケジュール通り実現されているかなどが管理でき、ガンチャートで現状を表示することで、進捗に問題が生じている場合などにいち早い対応が可能になる。また、近年のプロジェクト管理ツールでは、継続的インテグレーションの実施も対象になっており、TODOリストと、開発フェーズ毎の計画も併せて管理できるようになっていてもよい。さらに、プロジェクト管理ツールは、複数のプロジェクトの管理が行えても良く、複数のプロジェクトを管理する上位の管理者により、それぞれのプロジェクトの進捗を一元的に管理できる構成で会っても良い。プロジェクト管理ツール120は、このような目的に用いるツールであるため、同様の目的に利用可能なツールであれば、その実装の違いは本発明の効果を損なうものではない。プロジェクト管理ツールは、専用の装置であってもよいし、物理装置または仮想化された装置の上で動作するソフトウェアであってもよく、ユーザ110の手元にあるPCなどの機器で実現されていても、ユーザ110がネットワークを介してアクセス可能なサーバ上にあっても良い。これは後述のツール、装置、DBなどにおいても同様である。
またバージョン管理ツール130は、チームでドキュメントやプログラムを同時に利用したり更新する必要がある業務において、開発物のデグレードなどを起こすことなく、効率的にドキュメントやプログラムをシェアして開発を進められるようにするためのツールである。バージョン管理ツール130は、登録されたデータの更新履歴を、作業者と結びつけて管理しており、いつ、誰が何を更新したかを管理できる。利用者は、データを利用する際にそれが最新版であるかを確認でき、またデータを更新する際に、作業中に別の更新があったかどうかの確認や、作業前にファイルをロックすることで他の更新が行えないように制御することが可能である。こうしたプロジェクトにおける情報の管理は、プロジェクト管理において不可欠であることから、プロジェクト管理ツール120の一部としてバージョン管理ツール130の機能を持つものもある。本実施例では、プロジェクト管理ツール120とバージョン管理ツール130を別のツールとして説明しているが、両者が1つのツールとして実装されていてもよい。また、ドキュメントやソースコードのシェアと管理が可能なツールであれば、表計算ソフトウェアと(バックアップ機能を備えた)ネットワークストレージの組合わせであってもよい。
プロジェクト管理ツール120およびバージョン管理ツール130は、リソース計画装置100に接続される。リソース計画装置100は、その内部または外部に利用者管理DB(データベース)105を有するか、接続されていてもよい。リソース計画装置100は、従来連携がとれていなかった、プロジェクト管理ツール120およびバージョン管理ツール130と、デプロイツール140およびテストツール150および構成管理DB160を連携させるための装置である。また、デプロイツール140およびテストツール150および構成管理DB160は、クラウド基盤170に接続される。
ここで、各装置およびツールおよびDB間の接続は、主にネットワークを介して行われるが、その通信方式および手段は、各装置およびツールおよびDB間で予め決められた方式により過不足なく情報伝達が行えれるものであれば良く、複数の方式に変化して送受信されていても良い。例えば、物理的な結線としてメタルケーブルを用い、通信伝送規格としてイーサネットを用いてもよく、その上でTCP/IPによるデータ通信を行うことで実現してもよく、このうち、通信伝送規格として、ADSLなどが用いられてもよく、有線ケーブルの代わりに無線が用いられてもよい。
リソース計画装置100は、プロジェクト管理ツール120とバージョン管理ツール130により管理されるプロジェクトのスケ-ジュールと進捗状態に応じて、デプロイツールおよびテストツールおよび構成管理DBで管理するクラウド基盤の利用状態や利用計画、実際にプログラムの動作を行った結果などに基づき、計画されたITリソースの割当てが実現可能かを判断し、必要ならばスケジュールやリソース割当て量や期間を変更する機能を有する。リソース計画装置100の詳細は後述する。
デプロイツール140は、クラウド基盤170に対し、仮想サーバの作成や起動、停止、削除などの指示を行うツールである。デプロイツール140は、仮想サーバに割り当てるCPU数やメモリ量、ディスクサイズやディスク数、ネットワーク回線数などを指定または変更する機能をもつ。また、CPU数を割り当てる際に、他の仮想サーバとCPUをシェアするかどうかを指定する機能を持つ。またクラウド基盤170で複数のネットワーク接続、サーバ、ストレージを有している場合、デプロイツール140は、仮想サーバが利用するネットワーク接続やサーバ、ストレージを直接指定したり、他のネットワーク接続やサーバ、ストレージへの切り替えを指示できてもよい。デプロイツール140は、クラウド基盤170を実現するソフトウェアやハードウェアの一部であってもよいし、クラウド基盤170を実現するソフトウェアやハードウェアが提供するインターフェースやサービスの一部を利用して制御するものであってもよい。リソース計画装置100は、デプロイツール140が有するリソースの割当て、調整機能に応じて、リソースの割当て方法を変更してもよい。例えば、仮想サーバに割り当てるCPU数を少なくしたい場合で、デプロイツール140がCPU数の変更ができない場合、リソース計画装置100は、CPU数の少ない仮想サーバを新規に追加し、必要な情報を引き継いだ後、元のCPU数が多い仮想サーバを削除することで、CPU数を少なくすると言う操作を置き換えてもよい。
テストツール150は、開発のテストフェーズにおいて、テストデータの送信やテストトラフィックの送信などにより、プログラムやサーバ、システムのテストを行うツールである。ユーザ110はテストデータとテストパターン、期待のテスト結果を予めテストツール150に登録しておくことで、テスト150はテストパターンを準じ実行し、その結果を期待のテスト結果と照合を行い、ユーザ110にテスト結果を通知する。本実施例では、ユーザからのテストデータの登録はバージョン管理ツール130から行い、プロジェクト管理ツール120から計画に合わせたテストの実行を行い、テスト結果のテスト消化率はプロジェクト管理ツール120が閲覧できるような実装を想定しているが、ユーザ110がテストデータをテストツールに入力し、その結果をユーザ110が直接閲覧できる実装であっても良い。このとき、テストツール150に入力されたデータと、テストツール150でもテスト結果は、リソース計画装置から参照できること。
構成管理DB160は、クラウド基盤170に搭載のネットワーク装置やサーバ、ストレージ、サーバ上の仮想化ソフトウェアまたはハードウェア、OS、OS上で動作するソフトウェアなどが出力するログ情報やイベント情報などを監視し、その結果から各装置がどのように使われているかを管理するDBである。例えば、構成管理DB160の情報を利用することで、物理サーバと仮想サーバの関係や、どの物理サーバのリソースに余裕があり、仮想サーバの追加が行えそうかなどがわかる。また本実施例では、構成管理DBの情報として、ユーザ110の情報や、プロジェクトに割り当てたリソースとその期間なども含むが、これらが別のDBに分けて実装されている形であってもよい。
クラウド基盤170は、ネットワーク装置とサーバ、ストレージなどを含み、デプロイツール140からのリクエストに応じて、指定の要件にあった仮想サーバや物理サーバなどを提供するシステムである。クラウド基盤170は、VMware ESX(VMware社の登録商標である)や、KVM、Hyper-V(Hyper-VはMicrosoft社の登録商標である)などの仮想化ソフトウェアで管理されるケースが多いが、物理サーバにネットワークブートでOSをインストールして提供ことで、物理サーバ自身を提供する仕組みであってもよい。ユーザ110は、デプロイツール140を用いてクラウド基盤170から提供された仮想サーバを操作することができる。ここで、クラウド基盤170は、デプロイツール140がAPIなどを利用してリクエストした仮想サーバなどを提供できる仕組みがあれば良く、構成する仮想化ソフトウェアの種類や、ネットワーク装置、サーバ、ストレージの接続方法は問わない。
図1を用いることでユーザ110はプロジェクト管理ツール120と バージョン管理ツール130を利用したソフトウェア開発などにおいて、複数のチームがクラウド基盤170をシェアして利用する場合でも、不足なく仮想サーバを入手することが可能になる。
図2は、本実施例における従来のクラウド基盤170の管理における課題を示したものである。図2では、サーバ3台(210、212、214)から構成されるクラウド基盤170を、3つのプロジェクト(240、242、244)が順に利用する場合を示している。ここでは各プロジェクトは決められた期間、Webサーバ、APサーバ、DBサーバからなるシステムを構築するため、3台のサーバを占有して利用するケースを想定している。従来、システムのテストにおいては、性能テストや障害テストを考慮した場合、安定した性能の確保や、テスト障害発生時の他のシステムへの影響を考慮し、他のシステムとリソースを場所的にシェアすることは困難だった。したがって、期間を指定することで順に利用する時間的なシェアを行う場合が考えられる。ただし、このケースにおいても、新規のテスト項目の発生により、サーバを追加する必要が生じても、サーバを追加することは難しかった(222)。また、プロジェクト1において工程が遅延しても、すぐ後ろではプロジェクト2の利用が控えているため、リソースの割当て見直しをすることが難しかった(224)。逆に、期日前に開発が完了しても、前のプロジェクトの利用が終わっていないため、直ちにテストはじめることができなかった(226)。
こうした問題は、クラウド基盤側では、いつ、誰がITリソースを利用するかの管理は行えても、利用状況の管理までは行うことができなかったために発生していたと考えられる。
そこで本発明では、プロジェクト管理ツール120が管理する、プロジェクトの開発物やスケ-ジュールの特性や、プロジェクトの進捗や要求の変化、実績の変化に関する情報を入力とすることで、クラウド基盤が割り当てるリソース量やスケジュールの最適化を行う。
図3は、本発明のリソース計画装置により実現される効果を示している。図3では、サーバ3台(310、312、314)から構成されるクラウド基盤170を、3つのプロジェクト(340、342、344)が順に利用する場合を示している。ここでも図2と同様に、各プロジェクトは決められた期間、Webサーバ、APサーバ、DBサーバからなるシステムを構築するため、3台のサーバを利用するケースを想定している。ただし、本発明では、テストを機能テスト、性能テスト、障害テストの3つに分けた。
機能テストは、テスト工程の初期に開発したプログラムが仕様の機能要件を満たすかどうかを、プログラム単体で確認するテストである。この特徴より、機能テストで用いるサーバは、本番で想定する構成が実現されていればよいため、相対的に少ないスペックでよく、また一定の性能を要求しない。このため、機能テストに割り当てる仮想サーバは、リソース共有360の状態で動作させる。
次に性能テストは、テスト工程の中期で、機能要件を満たすプログラムが実機上で期待の性能を出せるかどうかを評価するテストである。このとき性能テストで用いるサーバは、本番で割り当てられる物理サーバまたは仮想サーバとの性能比が予め評価されていれば、必ずしも本番と全く同じ性能のサーバを用意しなくてもよいが、テスト中や再実行時に与えられた性能が変化すると評価の意味を失うため、安定した性能が要求される。このため、性能テストに割り当てる仮想サーバは、仮想サーバ占有362の状態で動作させる。
最後に障害テストは、テストの後期で、ネットワーク障害やディスク障害など、特に物理的な異常が発生した際の動作を確認するテストである。この特徴より、障害テストで用いるサーバは、一台の物理サーバを他のプロジェクトとシェアして利用することが難しい。このため、障害テストでは、物理サーバの単位で割り当てる。このとき、物理サーバには仮想化ソフトウェアが入っていてもよく、他の仮想サーバが混在していなければ、物理サーバの一部だけを使う形であっても良い。ただし、実機でも同じ物理サーバ上で動作することが想定される仮想サーバであれば、その組合わせに限り同じ物理サーバ上で動作してもよい。
このように、システム開発におけるテストは、テストの内容により利用するリソースが異なるため、プロジェクト管理ツール120が管理するスケジュールの情報があれば、スケジュールに合わせリソースを効率的に割り当てることができる。
図3のプロジェクト1では、最初に機能テストが実施されるが、これはリソース共有で動かせばよいテストであるため、全てサーバ3の上で動作させることができる(320)。また、各テストは、開始時期や終了時期が異なっているため、必要ならば、その空きリソースを他で利用することができる。これにより、この場合では、プロジェクト1に割り当てた期間であっても、最大サーバ2台の空きが生み出せる。
また、性能テストにおいて、サーバ3とサーバ2の2台を使う計画であったが、急遽2台のサーバを必要になった場合でも、サーバ1が空いているため、追加の仮想サーバを用意することができる。
また、障害テストであっても、障害の発生箇所にあたらないサーバであるなら、物理サーバを割り当てず、仮想サーバを割り当てることでリソースの割当てを節約してもよい。
このように、リソースを割り当てることで、機能テストで割り当てるリソースは相対的に小さく、性能テスト、障害テストの順で必要なリソースは順に相対的に大きくなるが、障害テストでも全てのリソースを使い切らないように制御することで、前のプロジェクトの障害テストと、後のプロジェクトの機能テストを同時実施することが可能になるため、プロジェクトの遅延によるリソース競合のリスクを低減させることが可能になる。
説明箇所326では、サーバ1とサーバ2は遅延したプロジェクト1で占有してサーバを使っているが、サーバ3は、プロジェクト1とプロジェクト2のテストが混在した状態になる。また機能テストのうちで、単体でテスト可能な項目については、プロジェクト2の計画が著しく遅延しない範囲において、スケジュールを変更することで、より優先的にプロジェクト1にリソースを割り当てることも可能である。
逆に説明箇所328では、プロジェクト2のテスト予定期間中で、プロジェクト3のテスト期間が始まっていないが、サーバ1のリソースがあまっているため、既にプロジェクト3の開発が終わっていた場合、前倒しでリソースを割り当てることで遅延のリスクを減じている。
また説明箇所330のように、プロジェクト2の遅延の影響で、プロジェクト3の機能テストに割り当てるリソースが減少した場合、プロジェクト2のテスト終了後、機能テストであってもリソース割当ての優先度を上げ、迅速にテストを完了させるよう調整してもよい。
同様に、性能テストであっても、評価済の本番環境との性能比のデータがあれば、通常よりも多くのリソースを割り当てることでテスト完了までの時間を減じるように調整してもよい(332)。
このように、プロジェクト管理ツール120が管理する、テスト項目とスケージュールと進捗状況を用いることで、リソースの割当て効率が向上すると共に、プロジェクト遅延のリスクを減じることができる。説明では3台の構成であるが、通常のクラウド基盤では、数十台や数百台のサーバから構成されるものも珍しくなく、その場合、リソース割当ての自由度が上がり、より多くのプロジェクトで同時にクラウド基盤を使うことも可能になる。
図4は、本実施例における、リソース計画装置100が有する機能ブロックを示している。リソース計画装置100は、テスト環境に必要なサーバ台数の計算(410)、テスト環境への割当て計画の導出(412)、テスト環境の計画調整要否の判定(414)、構成管理DB160へのリソース計画の更新(418)、本番環境に必要なサーバ台数の計算(420)、本番環境への割当て計画の導出(422)、本番環境の計画調整要否の判定(424)、プロジェクト管理ツール120へのリソース計画の通知(428)、ルール400から構成される。リソース計画装置100は、PCのようなCPUやメモリ、ディスクとネットワークインターフェースと、それらを接続する内部バスから構成されていてもよいし、ハードウェアによる専用装置であってもよく、機能要件を満たすものであれば、構成の違いは本発明の効果に影響しない。各機能ブロックは、PCやサーバのようなアーキテクチャであれば、ソフトウェアとして実装されていてもよい。
プロジェクト管理ツール120は、内部情報として、TO DOリスト450、スケジュール452、成果物リスト464を有する。また、スケジュール452は、図11に示すように、さらに項目ごとに期間454、作業者456、工種種別458、成果種別460、内容種別462、達成基準464を有する。これらはプロジェクト毎に管理される。
ここでTO DOリスト450は、プロジェクトで実施する項目のうち、まだ具体的な計画が定まっていないタスクが含まれる。TO DOリスト450は項目ごとに実施の優先度(すぐやる、次のフェーズでやる、次々のフェーズでやる、実施するが優先度低、実施するか未定、実施しない、など)を定めておき、要件の追加・変更に合わせて更新される。現在実行中のフェーズが完了すると、次のフェーズのタスクがスケジュール化され、TO DOリスト450内の他のタスクの優先度も合わせて変化する。
スケジュール452は現在実行中のフェーズのスケジュールと、計画済みのスケジュールが格納される。スケジュールに記載のタスク453毎に、期間454、作業者456、工程種別458、成果種別460、内容種別462、達成基準464、進捗466を有していてもよい。完了後の開発物は、成果物リスト468で管理する。
ここで、スケジュール452は、プロジェクトの全体または区切られたリリース毎の作業計画である。従来のウォーターフォール型の開発では、要件の全てを一度に開発するため、開発項目に応じた開発期間が必要であり、開発完了と同時にプロジェクトも完了するが、アジャイル型の開発では、開発からリリースまでのタイミングを定め、各リリース毎に実現する要件を定め優先度の高いモノから順にリリースしていく方式である。ウォーターフォール型の開発では開発期間が長いため、企画時と作業完了時で市場や顧客の要求が変化しているおそれがある。アジャイル型の開発は、市場や顧客のニーズが変化しないうちにサービスインが行えると共に、市場や顧客からのフィードバックを得ることでサービスや製品の品質を向上できるというメリットがある。このため、プロジェクトの明示的な終わりはなく、継続的な改善が続けられていくことになる。スケジュール452における、個々の計画はタスク453という形で、期間454、作業者456、達成基準464などが決められ実施されることになる。
タスク453は、ドキュメント開発やプログラム開発など、細分化されたスケジュールの構成要素であり、作業開始予定日時と終了予定日時は、期間454として管理される。作業者456はタスクに記載の作業を行う実行者である。達成基準464は、タスク453の完了を判断するための成果物と、その基準である。
また、工程種別458は、そのタスクが属する工程の違いを示すパラメータであり、この違いによりどの環境を利用するかが決定される。例えば設計の工程は主にデスクワークであるため、自席のPCがあれば良いが、テストではテスト環境が必要になるなど、利用する環境を選択する際のパラメータとなる。リソース計画装置も工程種別458を環境選択のパラメータに利用する。
成果種別460は、そのタスクで成果となる開発物の種別を示す。これには、ドキュメント開発、プログラム開発、構築作業、テストなどが該当する。本実施例ではこのうち主にプログラム、テストを用いるがドキュメントのページ数や、それらに記載の文言(MUSTやSHOULDなど)の登場回数により仕様の複雑さを推定することで、開発工数の妥当性を評価するなど、リソース計画に用いてもよい。
内容種別462は、成果種別460の詳細であり、例えばドキュメントなら調査報告書、要件定義書、機能仕様書、基本設計書、詳細設計書、パラメータシートなど、より詳細な分類を示す。ここでは主にテストの種別として、機能テスト、性能テスト、障害テストの種別により説明を行うが、実際には、前記3つの項目に対して単体、結合、全体の区分があり、この組合わせで表現する。単体は単一プログラムの動作の確認であり、そのプログラムの基本的な動作のテストを行う。結合試験は、開発した複数のプログラム間のメッセージ通信などが想定されるパターンにおいて正しく行われるかを主に確認する。全体テストは、特定のシナリオにおいて正しく動作することを確認すると共に、動作すべきでない部分が動作しないことも併せて確かめるテストである。
達成基準464は、タスク453が完遂したことを計るための基準である。一秒間辺りの処理数や、同時接続数、負荷増大時のスールアウト所要時間などが該当する。進捗466は、タスクが464の達成完遂をどの程度達成したかを示す。期日に対して進捗が滞っている場合、リソース計画装置はリソース使用予定時の調整などを行う。
またバージョン管理ツール130は、開発中や開発が完了したプログラム470やドキュメント478などを管理するツールであり、チームメンバが競合なく成果物をシェアするツールである。例えばプログラム470の場合、バージョン管理ツール130はプログラム470を、バージョン472、更新日時474、更新者476と共に管理する。バージョン管理ツール130は、全ての更新操作についてドキュメント本体または差分をこれらバージョン472、更新日時474、更新者476と合わせて管理することで前のバージョンからどういう変更が行われたかを時系列に確認することができる。仮にあるデータを消去してしまっても、指定のバージョンを復元することもできる。
構成管理DB160は、監視データ160、構成データ432、計画データ434、開発実績データ438、テスト実績データ440、本番実績データ442を有している。
監視データ430は、クラウド基盤170内のネットワーク装置、サーバ、ストレージ、仮想化ソフトウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションなどの稼働情報やログ情報、イベント情報である。構成管理DB160は監視データ430を収集するためのソフトウェアやハードウェアを有していてもよいし、外部の監視ツールで収集されたデータを蓄積、利用する方式であっても良い。
構成データ432は、監視データ430の情報を分析した結果で、ネットワーク装置、サーバ、ストレージの結線関係と、サーバ、仮想化ソフトウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションの論理的な接続関係のデータである。この情報は、ユーザ110から与えられた初期構成を元に、監視データ430を元に変更してもよい。
計画データ434は、リソース計画装置がプロジェクト管理ツール100のスケジュール452を元に定めたクラウド基盤上のリソースの利用計画で、どのチームのどのタスクにいつまで、どの大きさのリソースが割り当てられるかを管理する。
予測データ436は、開発実績データ438、テスト実績データ440、本番実績データ442を元に将来に必要なリソースを予測した結果である。予測データは将来におけるあるべき姿を指し、計画データ434と差異がある場合には、その差異がより小さくなるようにリソースの並べ替えを行う場合の指標となるデータである。
開発実績データ438は、開発工程における、初期の計画データと最終的な計画データの差分を表す。開発実績データ438が小さいほど最初の予測とのずれがなく、より正確に見積もれたことを表す。このデータは、チーム内にいるメンバの違いや、チーム自体の傾向、開発物の傾向、複数のチームからなる組織全体の傾向などから、どれだけ計画とずれやすいかを計る指標にもなる。計画のずれが発生しやすい場合、それだけリソースの余裕がなくなる可能性が高くなるため、クラウド基盤は170はより多くのリソースを保有しておく必要が生じる。
同様に、テスト実績データ440はテスト工程における計画と実績の差異であり、本番実績データ442は本番工程における計画と実績の差異である。利用者管理DB105は、チームやチームメンバのロールや権限を管理するデータである。利用者管理DBは、大きく利用者のデータ480と、チームのデータ492を持つ。利用者データ480は、名前482、認証情報484、所属486、権限488、作業実績データ490を有する。チームデータ492も同様の情報を有する。
名前482はユーザ110の名前であり、認証情報484はパスワードや証明書、IDカードの情報を認証するための情報である。所属486は利用者の所属するチームなどの名称であり、権限488は、ユーザ110に割り当てられるファイルやサイトへのアクセス権や、閲覧・更新などの操作権や、提案、検査、承認などの決済権などを含む権限情報である。作業実績データ490は、過去にユーザ110が行ってきた一日辺りの開発コード量やバグの作り込み率などを示す情報である。
図5にリソース計画装置を用いた際の計画登録フローを示す。ユーザ110は、プロジェクト管理ツール120を用いてスケジュール452の登録を行う(500)。リソース計画装置100は、プロジェクト管理ツール120にスケジュールが登録されると、テスト工程、本番運用で必要となるサーバ台数を見積もるために、スケジュール452を読み出す(504)。このときのプロジェクト管理ツール120からリソース計画装置100へのデータの受け渡し方法は、リソース計画装置100が有するスケジュール登録用のAPIを用いてもよいし、プロジェクト管理ツール120のAPIスケジュール読み出し用のAPIを用いてもよいし、スケジュールがファイルの形式で保存されているならば、そのファイルを読み出してもよいし、DBに格納されているならば、DBから読み出す形式であっても良い。このときのデータ通信方法の差異は本発明の効果を減じるものではないため、任意の方式でよい。特に断りがない限り、以下の説明においても同様である。
リソース計画装置100は、スケジュール452を受け取ると、テスト環境に必要なサーバ台数の計算を行う(508)。この際の計算式は、ルール400としてリソース計画装置100が有しており、例えばWeb/APサーバ、DBサーバからなる構成のシステムにおいて、一分間に処理可能なセッション数に応じたサーバ台数が決められている場合、達成基準464に基づきテストに必要なサーバ台数が求められる。
例えば、1000セッション/分あたり、2CPU、メモリ4GBのサーバが1台必要な場合、1万セッション/分のセッションを処理するためには、10台のサーバ必要になる。またこのとき、スケジュール452の工程種別458でテストと記載されているものを対象に、その内容種別462がどのタイプのテストであるかを調べ、その期間454でリソースを確保する。先の例で2CPUのサーバが10台必要とされていても、機能テストのフェーズでは0.5CPUのサーバを最初は1台で2週間のテストを行い、性能テストでは0.5CPUのサーバを10台用意して2週間のテストを行い、最後の可用性テストでは、2CPUの物理サーバを10台用意して2週間のテストを行うというリソース計画を立てる。この制御を行わない場合、上記の例では、のべ120CPU・週のリソースが必要となるが、それを51CPU・週のリソースに減じることができる。この処理は図4における処理410に該当する。 次にリソース計画装置は、構成管理DB160より、構成情報や計画の読み出しを行い(512)、手続き508で計算したリソースが実際に割当て可能かを評価する(516)。この処理は図4における手続き412に該当する。
リソースの計画方法に実施例について説明する。図9は構成管理DB160に格納される、仮想サーバと物理装置の関係を示す。本実施例では、仮想サーバが、ネットワークSW(スイッチ)、物理サーバ、ストレージから構成されているとみなし、それぞれの管理データをネットワークSW960、物理サーバ966、ストレージ972と仮定している。一般的に仮想サーバの構成要素としては、この他にOSやサポート種別、バックアップの有無などがあり、追加でこれらの情報が管理されていてもよい。
仮想サーバは、物理的なリソースをシェアして利用するが、本実施例では、物理サーバのリソースを占有可能な単位で細分化し、それぞれ物理ネットワークAtom942、物理サーバAtom948、物理ストレージAtom954として定義する。例えば、4コアで3GHzの処理能力を持つサーバの場合、これを1コア1GHzの単位で占有可能であるなら、物理サーバは12個の物理サーバAtomに分割できるとみなし、それぞれの物理サーバAtom毎に割当ての管理を行う。
これに対して、仮想サーバは複数の仮想CPUを持つが、これを複数の仮想サーバAtom912の集合と定義する。例えば、2つの仮想CPUを持つ仮想サーバは、2つの仮想サーバAtom912から構成されるとみなす。これにより、仮想サーバ900は、それぞれ一つ以上の仮想ネットワークAtom906、仮想サーバAtom912、仮想ストレージAtom918の集合と見なすことができる。ここで、仮想ネットワークAtom906と物理ネットワークAtom942、仮想サーバAtom912と物理サーバAtom948、仮想ストレージAtom918と物理ストレージAtom954の関係性を、それぞれ仮想Atomマッパー(924、930、936)によって定義する。仮想サーバが占有と共有の区別を持って管理される場合、共有時には、複数の仮想サーバAtom912が、一つまたは複数の物理サーバAtom948をシェアする状況が発生する。これに対し、占有時には、一つの仮想サーバAtomは、一つまたは複数の物理サーバAtomと関連づけられ、他の仮想サーバAtomとは関係を持たないよう設定する必要がある。これは、仮想ネットワークAtom906と物理ネットワークAtom942、仮想ストレージAtom918と物理ストレージAtom954の関係においても同様である。このため、仮想Atomマッパー(924、930、936)を用いて両者の関係を記述する。
構成管理DB160は、仮想サーバ900と実機を図9のように関連づけるが、計画の割当てにおいては、時間単位におけるこれら仮想サーバと物理サーバの関係を定義する必要がある。
図12は、仮想サーバと物理サーバの関係を模式的に示した図である。ここでは、3GHzのCPUを4つ持つ物理サーバが4台ある場合の例を示している。物理サーバを搭載CPUごとに分解し、それを基本性能単位(例えば1GHz)で分割したものが物理サーバAtom948であるため、ここでは48個のAtomがあることになる。この物理サーバAtom948と仮想サーバAtom900を対応付けるのが仮想Atomマッパー930である。
図10は、時系列に仮想サーバと物理サーバの関係を記述したものである。リソース計画装置100にてスケジュールが決まる、スケジュールに併せて利用する仮想サーバが決定する。計画仮想サーバ1010は、ある時点において利用する仮想サーバのスペックを表している。計画仮想サーバ1010は、仮想ネットワーク計画Atom1020、仮想サーバ計画Atom1030、仮想ストレージ計画Atom1040を介して仮想Atomマッパー(924、930、936)と対応づけられる。計画仮想サーバ1010は、仮想ネットワーク計画Atom1020、仮想サーバ計画Atom1030、仮想ストレージ計画Atom1040は、時間Atom1000が定義する単位時間毎の仮想Atomマッパー(924、930、936)の状態と、各単位時間で個々の計画Atomがどの計画仮想サーバに割り当てられているかを示す。計画仮想サーバ1010を利用するユーザは、利用者データ480を用いてもよい。したがって、本発明におけるリソース計画の登録作業とは、計画仮想サーバ1010の要求性能・期間を満たす計画Atomがを検索して見つけ、登録することである。
手続き516においてリソースが割当て可能な場合は、作業計画の仮登録を構成管理DB160に要求し(520)、構成管理DB160は手続き520を受け付けると、計画の更新を行う(524)。ただし、人手による計画の確認が不要である場合には、手続き520〜536は省略してもよい。ここで、手続き520は、図4における手続き418に該当する。
適切な計画の立案ができた場合もできなかった場合も、リソース計画装置100は結果をプロジェクト管理ツール120に返す(528)。ユーザ110はプロジェクト管理ツール120上で結果を確認し、OKか否かを返す。このとき、タスク毎にコミットし、リソースが適切に割り当たらなかったタスクを細分化したり計画を見直すなどして、リソース計画装置100に計画を再計算させてもよい。この場合、スケジュールの更新は、手続き500と同じ処理になるので、手続き500以降を再実行する。ここで手続き528は、図4における手続き428に該当する。
計画を承認すると(536)、リソース計画装置100は、作業計画の登録を構成管理DB160に申請し(540)、構成管理DB160はこの申請を受け取ると、仮登録していた計画のステータスを本登録に切り返る(544)。ここで手続き540は、図4における手続き418に該当する。
図13は、プロジェクトAがリソースを予約している状況で、新たにプロジェクトBの機能テストのためのリソースを割り当てる処理の例を図示したものである。リソース計画装置は、機能テストのスケジュールに登録されている情報に基づき、仮想サーバの台数及び仮想サーバが使用するCPUの占有種別を決定し、その条件を示す計画仮想サーバ情報を作成する。例えば、テストの内容種別が機能テストの場合、テスト作業者の人数で仮想サーバの台数を決定し、仮想サーバに割り当てる仮想CPUは共有で利用できる状態とする。性能テストの場合は、テストの達成基準に基づき必要な仮想サーバの台数を決定し、仮想サーバに割り当てる仮想CPUは占有で利用できる状態とする。障害テストの場合も、テストの達成基準に基づき必要な仮想サーバの台数を決定するが、各仮想サーバには1台の物理サーバを割り当てるものとする。次に、指定された期間において、決定した条件のリソースの空きがあるかを確認し、空きがあればそのリソースを予約する。
図6はプログラム開発などが始まり、進捗が変化した際の振る舞いを表している。ユーザ110が開発したプログラムをバージョン管理ツール130に登録すると(600)、バージョン管理ツール130はリポジトリの更新を行う(604)。リソース計画装置100はバージョン管理ツール130のリポジトリが更新されると、更新データを読み出す(608)。また、これに併せて、プロジェクト管理ツール120より、作業計画の読み出しを行う(612)。次にリソース計画装置100は、作業計画と更新されたコード量を評価し、開発が計画通りに推移しているかを評価する(616)。開発が進んでいる、または遅れている場合、計画を見直し可能かを評価するため、リソース計画装置100は構成管理DB160よりリソース計画を読み出す(620)。計画が遅れそうであり、リソースに余剰があるなら、利用期間の後ろ倒しを計画する。計画が進んでおり、開発プログラム単体でのテストが可能であり、リソースを事前に確保できるなら、計画の前倒しを計画する(624)。ただし、この評価は、同じタスク内においても開発の進捗が常に一定とは限らないことから、1週間程度の平均より傾向を把握するのがよい。そうしない場合、計画が日々変動し、将来の予測が困難になるためである。ここで手続き616と手続き624は、それぞれ図4における手続き410と手続き412に該当する。
計画の見直しを提案する場合、リソース計画装置100は、作業計画の仮登録を構成管理DB160に対して行う(628)。構成管理DB160は、仮登録の申請を受け取ると、計画の更新を行う(632)。ここで手続き628は、図4における手続き418に該当する。
リソース計画装置100は、作成した作業計画の変更案をプロジェクト管理ツール120に通知する(636)。ユーザ110は、新しい作業計画を確認し、更新の要否を判断する(640)。更新する場合、プロジェクト管理ツール120はリソース計画装置100に承認を通知し(644)、リソース計画装置は承認の指示を受け取ると、構成管理DBに対して作業計画の本登録を申請する(648)。構成管理DB160は、申請を受け取ると、計画の更新を行う(652)。ここで手続き636と手続き648は、それぞれ図4における手続き428と手続き418に該当する。
この処理における計画の見直しは、将来の工程遅延リスクを予測した結果であるため、予測が外れる可能性を考慮した多重予約を許可してもよい。ただし、予測が全て当たった場合のリソース不足による工程遅延が必ず許容される最大の遅延以下になるような計算式をもって多重予約の可否を評価する必要がある。これはクラウド基盤170の規模が大きくなるほどリスクを回避しやすくなる。
図7は、開発完了後のテスト時の振る舞いを示している。プロジェクト管理ツール120上で開発タスクが完了したことをリソース計画装置100が検知すると(700)、リソース計画装置は、バージョン管理ツールに格納されたプログラムとテスト項目を読み出す(704)。次に構成管理DB160に対して、利用計画を登録していたリソースを実際に利用する状態に計画変更を要求する(708)。構成管理DB160は、要求を受け取ると、計画の更新を行う(710)。ここで手続き708は、図4における手続き418に該当する。
次にリソース計画装置100は、プロジェクト管理ツール120にテスト準備が完了したことを通知する(712)。ユーザ110はプロジェクト管理ツール120からテスト開始を指示すると、その要求はリソース計画装置100に通知される(716)。リソース計画装置100はテスト開始の要求を受け取ると、テストに必要な仮想サーバのデプロイを、プログラムの送信に併せてデプロイツール140に指示する(720)。デプロイツール140はこの指示に基づきクラウド基盤170上に必要な仮想サーバをデプロイする。デプロイが完了すると、その通知はクラウド基盤170からデプロイツール140を介してリソース計画装置100に送られる。ここでプログラムには、デプロイする仮想サーバにインストールするソフトウェアや仮想サーバ間の関係に関する情報もパラメータとして含まれているものとする。ここで手続き720は、図4における手続き402に該当する。
次にリソース計画装置100はテストを実行する。リソース計画装置100は、テスト項目の送信に併せてテストツール150に指示する(728)。テストツール150は、テスト項目に合わせたテストを実施し、テストが完了するとその結果をまとめてリソース計画装置100に送信する。ここでテスト項目には、テスト用のプログラムとテストデータ、テストパターンと、テストパターンに対応した期待値が含まれているものとする。ここで手続き720は、図4における手続き404に該当する。
リソース計画装置はテスト結果を受け取ると、次に構成管理DBからリソース計画を読み出す(736)。テスト結果が全てOKでない場合、プログラムは修正され、再度テストが実施されるが、通常テストは複数回実施し、最終的に全ての項目が期待値と一致するまで繰り返す。このときのテストのカバレッジの推移が、想定よりも遅い場合、テスト期間の延長を考える必要が生じる。このため、リソース計画装置をテスト結果をもとにテスト期間・リソース量の見直しの必要性と本番の期間・リソース量の見直しの必要性を判断する(740)。例えば、テスト期間については、想定の進捗に対して、2営業日分遅延が発生した段階でリカバリは困難と考え、計画の見直しを行う。また本番への移行時期・リソースについても同様に、テストの結果として、想定の性能が得られない場合、本番で割り当てるリソース量や、本番への移行時期の調整を行う。この際、リソース管理装置は、利用者管理DB105の作業実績データ490を用いて、作業者の過去の開発量や開発スピード、完了間際の追い込み量などを元に、追加で必要なリソース量を変更してもよい。
こうした場合、構成管理DB160に対しても、計画の期間の延長を行ったり、テストがリソースを増やすことで迅速化するならば、割り当てる仮想サーバの優先度を上げることで期間内に終わらせるよう計画を変更する(744)。この処理も自動で行ってもよいし、ユーザに確認を求めた後に実施してもよい。ここで手続き740は、図4における手続き414に該当する。また手続き744は、図4における手続き418に該当する。
リソース計画装置100は、テスト結果をプロジェクト管理ツール120に返す。またリソース計画に何らかの変更がある場合、その情報を返し、必要なら人間による意思決定を仰ぐ(748)。
図8はテスト完了後に本番にデプロイする際の振る舞いを示している。テストが完了すると(800)、リソース計画装置100はバージョン管理ツール130より、プログラムやテスト項目の読み出しを行う(804)。このとき、本番へのデプロイと同時にテストを行わない場合は、テスト項目の読み出しを省略してもよい。次に計画していた本番用リソースのステータスを更新中に変更するよう構成管理DBに要求する(808)。ここで手続き808は、図4における手続き418に該当する。
構成管理DB160は、要求に併せて計画を更新する(810)。次にリソース計画装置は本番への移行準備が完了したことをプロジェクト管理ツールに通知する(812)。ユーザ110は、プロジェクト管理ツール120で本番への移行準備が完了したことを確かめると、本番移行を指示する(816)。リソース計画装置100はこの指示を受け取ると、1回目の移行で、まだシステムが準備されていない場合は、システムのデプロイを実施する(820)。ここで手続き820は、図4における手続き402に該当する。
また、2回目以降の移行で、システムが準備されており、開発したプログラムだけを追加、変更する場合、システム上の関連するプロセスを停止し(824)、プログラムの更新を行い(828)、システムの関連するプロセスの起動を行い(832)、必要ならテストを実施する(836)。ここでプログラムの更新として、必要な場合、システムの各仮想サーバ上のOSやミドルウェア、サーバ、ストレージ、ネットワーク機器、管理システムへの変更がある場合、それらの設定も含む。その際に仮想サーバや装置の再起動などが必要な場合、それらを併せて実施してもよい。また、システムの関連するプロセスの停止、起動処理においては、更新処理中の監視の一部フィルタリングや、外部から更新中のシステムにアクセスされないようにロードバランサやネットワーク装置の設定変更などを併せて行ってもよい。ここで手続き824、828、832は、図4における手続き406に該当する。また、手続き836は、図4における手続き404に該当する。
テストを実施した場合、その結果を用いてテストまでで予測したリソース量が適切であったかを評価する(840)。適切でなかった場合、クラウド基盤170に対してリソース量の変更を行い、併せて構成管理DB160の構成や計画を変更する(844)。構成管理DB160の更新処理は、監視によるクラウド基盤170の変更結果を元に行ってもよい。またこの際のリソース計画の変更は、本番だけでなく、テスト工程への割当てのリソース量の調整に使ってもよい。この実際の計画やリソースの調整は、手続き848のユーザの確認後の指示を受けて行ってもよい。リソース量と計画の調整が終わった後、リソース計画装置100は、その結果をプロジェクト管理ツール120に通知する(848)。
以上の処理及び構成により、複数のプロジェクトでITリソースを共有してソフトウェア開発のテストを実行する場合において、リソースの効率的な割り当てが可能になる。
100…リソース計画装置
105…利用者管理DB
110…ユーザ
120…プロジェクト管理ツール
130…バージョン管理ツール
140…デプロイツール
150…テストツール
160…構成管理DB
170…クラウド基盤
105…利用者管理DB
110…ユーザ
120…プロジェクト管理ツール
130…バージョン管理ツール
140…デプロイツール
150…テストツール
160…構成管理DB
170…クラウド基盤
Claims (10)
- 端末に接続され、複数のソフトウェア開発のテスト実行に利用される共有システムのリソースを管理するリソース管理システムであって、
前記共有システムを構成する複数の物理サーバと複数の仮想サーバとを含むリソースの予約状況を示すリソース管理情報を記録する記録部と、
前記端末より、前記ソフトウェア開発で実行するテストの識別子と種類と実行条件と実行期間とを含むリソース予約要求を受信する受信部と、
前記実行条件と前記種類とに基づいて、前記テストの実行に必要なリソースと、リソースを占有又は共有で利用するかを示す利用条件を決定し、前記リソース管理情報に基づき、前記実行期間において決定した前記利用条件で前記リソースの割り当てが可能かを判定し、前記割り当てが可能と判断した場合は、前記リソースの割り当てを予約することにより前記予約情報を更新する計画調整部を備えることを特徴とするリソース管理システム。 - 請求項1に記載のリソース管理システムであって、
前記計画調整部は、
前記テストの種類が機能テストである場合、CPUを共有で利用する仮想サーバを割り当てることを決定し、
前記テストの種類が性能テストである場合、CPUを占有で利用する仮想サーバを割り当てることを決定し、
前記テストの種類が障害テストである場合、物理サーバ単位で割り当てることを決定することを特徴とするリソース管理システム。 - 請求項2に記載のリソース管理システムであって、
前記計画調整部は、前記リソースがないと判断した場合は、前記リソース予約要求に基づくリソースの予約ができないことを前記端末に通知することを特徴とするリソース管理システム。 - 請求項3に記載のリソース管理システムであって、
前記計画調整部は、
前記テストの種類が性能テストである場合、前記割り当てが可能な仮想サーバを有する物理サーバが複数台ある場合、前記複数の物理サーバのうち空きリソース量が相対的に少ない物理サーバを特定し、特定した前記物理サーバの仮想サーバの割り当てを予約することを特徴とするリソース管理システム。 - 請求項4に記載のリソース管理システムであって、
前記受信部は、前記ソフトウェア開発の進捗を示す進捗情報を受信し、
前記計画調整部は、前記進捗情報と前記リソース管理情報とに基づき、前記リソースの割り当てを予約する期間を変更することを特徴とするリソース管理システム。 - 端末に接続され、複数のソフトウェア開発のテスト実行に利用される共有システムのリソースを管理するリソース管理方法であって、
前記共有システムを構成する複数の物理サーバと複数の仮想サーバとを含むリソースの予約状況を示すリソース管理情報を記録し、
前記端末より、前記ソフトウェア開発で実行するテストの識別子と種類と実行条件と実行期間とを含むリソース予約要求を受信し、
前記実行条件と前記種類とに基づいて、前記テストの実行に必要なリソースと、リソースを占有又は共有で利用するかを示す利用条件を決定し、前記リソース管理情報に基づき、前記実行期間において決定した前記利用条件で前記リソースの割り当てが可能かを判定し、前記割り当てが可能と判断した場合は、前記リソースの割り当てを予約することにより前記予約情報を更新することを特徴とするリソース管理方法。 - 請求項6に記載のリソース管理方法であって、
前記テストの種類が機能テストである場合、CPUを共有で利用する仮想サーバを割り当てることを決定し、
前記テストの種類が性能テストである場合、CPUを占有で利用する仮想サーバを割り当てることを決定し、
前記テストの種類が障害テストである場合、物理サーバ単位で割り当てることを決定することを特徴とするリソース管理方法。 - 請求項7に記載のリソース管理方法であって、
前記リソースがないと判断した場合は、前記リソース予約要求に基づくリソースの予約ができないことを前記端末に通知することを特徴とするリソース管理方法。 - 請求項8に記載のリソース管理方法であって、
前記テストの種類が性能テストである場合、前記割り当てが可能な仮想サーバを有する物理サーバが複数台ある場合、前記複数の物理サーバのうち空きリソース量が相対的に少ない物理サーバを特定し、特定した前記物理サーバの仮想サーバの割り当てを予約することを特徴とするリソース管理システム。 - 請求項9に記載のリソース管理方法であって、
前記受信部は、前記ソフトウェア開発の進捗を示す進捗情報を受信し、
前記計画調整部は、前記進捗情報と前記リソース管理情報とに基づき、前記リソースの割り当てを予約する期間を変更することを特徴とするリソース管理方法。
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