JP2016024253A - 調光素子、及び調光素子の製造方法 - Google Patents

調光素子、及び調光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液漏れの危険性がなく、メモリ性を有し、かつ反応速度の速い電子移動型の全固体エレクトロクロミック素子を提供することを課題とする。【解決手段】前記従来の課題を解決するために、本発明の調光素子は、導電性の第1電極20と、絶縁性物質31と、金属Mの酸化物32(MはNb及びTaから成る群より選択される少なくとも1つの元素)との混合物を含む光学機能層30と、電子障壁層40と、導電性の第2電極50とを有し、第1電極20、光学機能層30、電子障壁層40、第2電極50を、この順に積層して配置されており、 第1電極20および第2電極50間に電圧を印加することによって、光学機能層30の可視光の透過率を変化させることができる、調光素子。【選択図】図1

Description

本発明は、電界の印加によって可視光透過率が制御可能な調光素子、及び調光素子の製造方法に関する。
一般に、建物や自動車において、窓ガラスは大きな熱の出入り口になっている。冷暖房負荷の低減及び快適性の向上には、任意に窓ガラスの透過率を変化させ、必要な光・熱のみを建物内、車内に取り込むことが必要である。このような背景から、透過率を変化させる素子として、調光素子の研究開発が行われている。さらに、調光素子は調光ガラス以外にも、表示デバイス、防眩ミラー等にも応用することが可能である。
調光素子に用いられる調光方式には、制御手段によって、いくつかの方式がある。代表的な調光方式としては、温度を制御手段とするサーモクロミック方式、雰囲気ガスを制御手段とするガスクロミック方式、及び電流・電圧を制御手段とする液晶方式及びエレクトロクロミック方式が挙げられる。
その中でも、電流・電圧の印加によって透過率を制御する液晶方式及びエレクトロクロミック方式は制御環境を構築することが容易であり、前記その他の方式に比べて調光素子として好適である。さらに、液晶方式とエレクトロクロミック方式を比較すると、一般にエレクトロクロミック方式は透過率の変化幅が大きく遮光性が高いため、より好適である。
現在実用化されている代表的なエレクトロクロミック素子は、液体のエレクトロクロミック物質を用いたものである(例えば、特許文献1参照)。電極、溶媒、アノード電気活性材料、及びカソード電気活性材料で構成され、電圧の印加時にアノード電気活性材料及びカソード電気活性材料が酸化及び還元され、透過率が変化する。
また、全固体型のエレクトロクロミック素子についても開発が進められており(例えば、特許文献2参照)、電極、酸化発色層、固体電解質層、及び還元発色層から構成される素子において、電圧の印加によって、イオンが固体電解質中を移動し、酸化発色層及び還元発色層の透過率が変化する。
さらに、電子移動型の全固体エレクトロクロミック素子についても開発が進められている(例えば、特許文献3参照)。電極、金属酸化物及び絶縁体から成る光学機能層、及び電子障壁層から構成され、光学機能層に紫外線を照射することによって、金属酸化物のバンドギャップ中に新たなエネルギー準位を形成し、電圧印加によってそのエネルギー準位に電子を出し入れすることで、透過率を変化させる。なお、金属酸化物はTiO、SnO2、ZnO、及びそれらの混合物である。上記素子はメモリ性(電流・電圧を印加していない場合でも光学特性を維持する性質)を有し、かつ電子の移動によって透過率が変化するため、イオンの移動をともなう調光素子に比べて、電圧印加に対する透過率の応答速度が速い。さらに、上記素子は光学機能層が固体の無機材料で構成されているため、液漏れの危険性がなく、安全性に優れている。また、材料利用効率が高い塗布熱分解法による薄膜形成が可能であり、かつ層数が少ないため、低コストでの作製が可能である。
特表2012−501007号公報 特開2004−93687号公報 国際公開第2008/053561号
液体のエレクトロクロミック物質を用いたエレクトロクロミック素子は、液漏れの危険性が指摘されており、さらに、メモリ性を有していないため、消費電力が大きい。また、全固体型のエレクトロクロミック素子は、液漏れの危険性がなく、メモリ性を有しているが、固体電解質中のイオンの移動をともなうため、透過率変化の応答速度を向上させることが難しい。
そこで、本発明では、液漏れの危険性がなく、メモリ性を有し、かつ反応速度の速い電子移動型の全固体エレクトロクロミック素子を提供することを課題とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の調光素子は、
導電性の第1電極と、
絶縁性物質と、金属Mの酸化物(MはNb及びTaから成る群より選択される少なくとも1つの元素)との混合物を含む光学機能層と、
電子障壁層と、
導電性の第2電極とを有し、
前記第1電極、前記光学機能層、前記電子障壁層、前記第2電極は、この順に積層して配置されており、
前記第1および第2電極間に電圧を印加することによって、前記光学機能層の可視光の透過率を変化させることができる。
本発明による調光素子は、メモリ性を有する電子移動型の全固体エレクトロクロミック素子であるため、消費電力を削減することが可能であり、液漏れの危険性がなく、応答速度が速い調光素子を提供することができる。また、材料利用効率が高い塗布熱分解法による薄膜形成が可能であるため、低コストでの作製が可能である。
本発明の実施の形態1における調光素子の断面図 本発明の実施の形態1における調光素子の光学機能層の構造を示す図 本発明の実施の形態1における製造工程を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における表示デバイスの構成を示す図 本発明の実施例1における透過型の調光素子において、金属酸化物にNb酸化物を用いた素子の消色状態と着色状態の透過スペクトル 本発明の実施例1における透過型の調光素子において、金属酸化物にTa酸化物を用いた素子の消色状態と着色状態の透過スペクトル 本発明の実施例2における反射型の調光素子において、金属酸化物にNb酸化物を用いた素子の高反射状態と低反射状態の反射スペクトル
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における調光素子の断面構造を示す図である。
本発明の調光素子は、導電性の第1電極20、光学機能層30、電子障壁層40、及び導電性の第2電極50が順に積層して配置されている。ここで、順に積層して配置されているとは、図1とは逆に、第2電極50が下に第1電極20が上になるように、配置されている場合を含む。また、第1電極20と、基板10は、共通していても良いし、別に設けても良い。
基板10は、調光ガラス等の光が素子を透過する透過型の調光素子においては、光を透過する物質である。基板10は、絶縁性の物質であっても導電性の物質でもよい。基板10としては、ガラス基板や半導体基板、セラミックス基板、プラスチック基板、フィルム、樹脂等が使用可能である。防眩ミラー等の光が素子を反射する反射型の調光素子においては、絶縁性の物質であっても導電性の物質でもよく、例えば、ガラス基板や半導体基板、金属基板、セラミックス基板、プラスチック基板、フィルム、樹脂、金属シート等が使用可能である。
第1電極20、および第2電極50については、透過型の調光素子においては、透明導電膜が使用可能である。反射型の調光素子においては、第1電極20,第2電極50の一方は透明導電膜が使用可能であり、もう一方は金属電極が使用可能である。透明導電膜としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、及びグラフェン等が使用可能である。金属電極としては、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン及びそれらの合金やステンレス鋼等である。ただし、反射型の調光素子において、基板10に光を反射する物質、例えば、金属基板、金属シート等を用いる場合は、第1電極20、および第2電極50の両方を透明導電膜としても良い。なお、基板10に導電性材料を使用する場合は、第1電極20を形成せずに、基板自身を電極として使用することも可能である。
光学機能層30は、絶縁性物質31、および金属酸化物32を含む。金属酸化物32は、好ましくは、粒子状、より好ましくは微粒子状である。金属酸化物32は、通常、半導体であることが多い。
好ましくは、光学機能層30は、図2に示すように、絶縁性物質31中に粒子状の金属酸化物32が分散された構造である。
金属酸化物を構成する金属元素は、少なくとも、NbまたはTaを含む。さらに、Ti,Sn,Znを含んでも良い。
絶縁性物質31は、金属酸化物内に捕獲された電子の障壁として機能するため、前記金属酸化物よりもバンドギャップの高い材料であるのが好ましい。絶縁性物質31の例としては、絶縁性樹脂や無機絶縁物である。
絶縁性樹脂としては、シリコーンやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリイミド、エチルセルロース、酢酸セルロース、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和酸ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン、ネオプレン、セルロイド、ポリビニルホルマール、シリコン樹脂、融解フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が使用可能である。
無機絶縁物としては、二酸化ケイ素、窒化シリコン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、鉱油、パラフィン、またはこれらの混合物等が使用可能である。
電子障壁層40は、光学機能層30と第2電極50の間の電子の移動を防止する目的で形成される。電子障壁層としては、半導体または絶縁性材料が適している 。半導体としては、例えば、p型の半導体材料の使用が可能である。
p型の半導体材料としては、p型酸化物半導体がある。p型酸化物半導体としては、ニッケル酸化物、銅酸化物、スズ酸化物等がある。
なお、光学機能層30と電子障壁層40は電極に挟み込まれていればよく、その積層順序は逆であっても良い。
また、透過率の変化を著しく損なわない範囲であれば、基板10、第1電極20、光学機能層30、電子障壁層40、第2電極50の間に適宜中間層を挿入してもよい。
本実施形態の調光素子の動作は、たとえば次のように行われる。第1電極と第2電極の間に電位差を与える。そのことによって、光学機能層の可視光の透過率が変化する。この場合、第1電極と第2電極に与える電圧は、一旦適当な電圧を与えれば、電圧を加え続ける必要は必ずしも無い。また、電圧の極性によって、光学機能層の可視光の透過率が増大するか減少するかは、光学機能層の材料に依存する。たとえば、光学機能層がNb酸化物、または、Ta酸化物の場合、第2電極を基準にして第1電極に負の電圧を加えることにより、可視光の透過率は減少する。このときの電圧の大きさは、たとえば、−1V〜―30V程度である。逆にこの材料の場合、第2電極を基準にして第1電極に正の電圧を加えることにより、可視光の透過率は減少する。このときの電圧の大きさは、たとえば、+1V〜+30V程度である。
このような透過率の変化が起こるメカニズムは、次のように考えられる。第2電極50を基準として、第1電極20にマイナス電圧を印加すると、第1電極20内から、電子が絶縁物質31をトンネリングして、金属酸化物32に移動し、金属酸化物32である半導体内に形成されたエネルギー準位に捕獲される。
捕獲された電子は、電子障壁層により、更なる移動が妨げられるため、金属酸化物32(半導体)のバンドギャップ中に形成されたエネルギー準位に捕獲される続けることになり、着色状態となる。この状態は、バイアス電圧の印加をやめても維持されることから、本発明の調光素子はメモリ性を有することになる。
また、第2電極50を基準として、第1電極20にプラス電圧を印加すると、金属酸化物32(半導体)のバンドギャップ中のエネルギー準位に捕獲されていた電子が第1電極20に流れる。これによって金属酸化物(半導体)内のバンドギャップに電子が存在しなくなるため、消色状態となる。
以上が、本発明による調光素子の基本的な着色・消色の原理である。
次に、前記調光素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図3は、前記調光素子の製造工程を示すフローチャートである。
工程(a)では、基板10上に、第1電極20を形成する。その形成方法としては、スパッタリング法やイオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法、化学蒸着法、電解メッキ法、無電解メッキ法、塗布法、ゾルゲル法等が挙げられる。
なお、基板10に導電性材料を使用する場合は、第1電極20を形成せずに、基板自身を電極として使用することも可能である。
次に、光学機能層30の形成方法について説明する。
工程(b)では、Nb、Ta、Ti、Sn、及びZnの脂肪族酸塩と絶縁性物質を有機溶媒に溶解し、調合液を作る。
上記脂肪族酸塩としては、焼成することにより分解または燃焼し、酸化物に変化しうるものが使用可能であり、Nb、Ta、Ti、Sn、及びZnの塩を形成する脂肪族酸としては脂肪族モノカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸、脂肪族テトラカルボン酸等の、脂肪族ポリカルボン酸が使用可能である。より具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、バルチミン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、リノレン酸、オレイン酸、リノール酸、酒石酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、ピルビン酸、サリチル酸、またはこれらの混合物等の使用が可能である。
工程(c)では、前記調合液を、第1電極20上に塗布する。
塗布方法としては、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、インクジェット法等が使用可能である。
工程(d)では、塗布された膜を乾燥する。
工程(e)では、塗布された膜の焼成を行なう。
工程(d)〜(e)により、Nb、Ta、Ti、Sn、及びZnの脂肪族酸塩が分解し、絶縁層内に金属酸化物の微粒子が形成される。
工程(f)では、塗布された膜に光を照射する。
照射光としては、光子エネルギーの高い、紫外線等の使用が可能である。
紫外線の照射装置としては、低圧水銀ランプや高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が使用可能である。
紫外線照射の強度としては、 例えば、照射波長を254nmに設定した場合、照射強度は20mW以上、照射時間は5min以上に設定する必要がある。照射時間の増加にともなって透過率の変化幅は大きくなる。
工程(g)では、電子障壁層40を形成する。
形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、化学的気相法、塗布法等が使用可能である。
工程(h)では、第2電極50を形成する。
例えば、その形成方法として、スパッタリング法やイオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法、化学蒸着法、電解メッキ法、無電解メッキ法、塗布法、ゾルゲル法等が挙げられる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明の実施の形態2の表示デバイスの構成を示す図である。図4において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。表示デバイスは、基板10、基板10の上に平行に配列された帯状の第1電極21、光学機能層30、電子障壁層40、及び電子障壁層40の上に平行に配列された帯状の第2電極51を備える。第1電極21と第2電極51とが交差し、電極マトリクスを構成する。そして、電極マトリクスの交点のそれぞれが調光素子に対応する。
図4の表示デバイスでは、各素子の透過率を制御することによってマトリクス表示を行うことができる。
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態1について、透過型の調光素子サンプル1及びサンプル2を実際に試作した例を示す。
基板10には、ガラス基板を用いた。基板の大きさは30mm×30mmである。
次に、ガラス基板上に、第1電極として、スズドープ酸化インジウム(ITO)をスパッタ法によって形成した。この時のスズドープ酸化インジウム(ITO)の膜厚は300nmである。
光学機能層30には、絶縁性物質31としてシリコーンを用い、 金属酸化物には、サンプル1ではNb酸化物を、サンプル2ではTa酸化物を用いた。
光学機能層30の製造方法について、以下に詳細を説明する。
まず、ヘプタン酸Nb塩もしくはヘプタン酸Ta塩とシリコーンオイルを溶媒であるキシレンに混合して攪拌し、調合液を作製した。
次に、各調合液を塗布し、スピンコーターを用いて塗布膜を形成した。この時の回転数は1200rpmに設定した。
次に、上記塗布膜を50℃で10分間程度放置し、乾燥した。
その後、サンプル1では420℃で、サンプル2では480℃で10分間焼成した。
これらの工程により、ヘプタン酸Nb塩もしくはヘプタン酸Ta塩が分解し、シリコーン絶縁膜に埋め込まれた金属酸化物の微粒子が形成される。
なお、上記条件で作製された塗布膜の膜厚は50nm〜3μmである。
次に、低圧水銀ランプを使用して、塗布膜に紫外線を照射した。この時、紫外線波長254nmにおける照射強度は90mW、照射時間は30minに設定した。
以上が光学機能層30の製造方法である。
次に、光学機能層30の上に、電子障壁層40として、酸化ニッケル膜をスパッタ法により形成した。この時の酸化ニッケルの膜厚は300nmである。
最後に、第2電極として、スズドープ酸化インジウム(ITO)をスパッタ法により形成した。この時のスズドープ酸化インジウム(ITO)の膜厚は300nmである。
以上のようにして形成されたサンプル1とサンプル2について、特性を評価した結果を説明する。
図5及び図6は、それぞれサンプル1及びサンプル2の成膜直後(消色状態)と着色状態の波長350〜850nmの光の透過スペクトルである。着色は、第2電極50を基準として、第1電極20にマイナス10Vの電圧を印加することによって実施した。
図5及び図6から、金属酸化物にNb酸化物を用いたサンプル1では、各波長の透過率を視感度で重み付けした可視光透過率が75%から5%まで変化し、金属酸化物にTa酸化物を用いたサンプル2では、可視光透過率が69%から10%まで変化したことが分かる。また、着色後に、第2電極50を基準として、第1電極20にプラス10Vの電圧を印加すると、素子は消色し、その際の透過スペクトルはおおよそ成膜直後と同等であった。
(実施例2)
以下、本発明の実施の形態2について、反射型の調光素子を実際に試作した例を示す。
基板10には、ガラス基板を用いた。基板の大きさは30mm×30mmである。
次に、ガラス基板上に、第1電極として、アルミニウム膜をスパッタ法によって形成した。この時のアルミニウムの膜厚は300nmである。
光学機能層30には、絶縁性物質31としてシリコーンを用い、金属酸化物にはNb酸化物を用いた。
光学機能層30の製造方法について、以下に詳細を説明する。
まず、ヘプタン酸Nb塩とシリコーンオイルを溶媒であるキシレンに混合して攪拌し、調合液を作製した。
次に、調合液を塗布し、スピンコーターを用いて塗布膜を形成した。この時の回転数は1200rpmに設定した。
次に、上記塗布膜を50℃で10分間程度放置し、乾燥した。
その後、420℃で10分間焼成した。
これらの工程により、ヘプタン酸Nb塩が分解し、シリコーン絶縁膜に埋め込まれた金属酸化物の微粒子が形成される。
なお、上記条件で作製された塗布膜の膜厚は50nm〜3μmである。
次に、低圧水銀ランプを使用して、塗布膜に紫外線を照射した。この時、紫外線波長254nmにおける照射強度は90mW、照射時間は30minに設定した。
以上が光学機能層30の製造方法である。
次に、光学機能層30の上に、電子障壁層40として、酸化ニッケル膜をスパッタ法により形成した。この時の酸化ニッケルの膜厚は300nmである。
最後に、第2電極として、スズドープ酸化インジウム(ITO)をスパッタ法により形成した。この時のスズドープ酸化インジウム(ITO)の膜厚は300nmである。
以上のようにして形成された反射型の調光素子について、特性を評価した結果を説明する。
図7は、上記の反射型調光素子の成膜直後(高反射状態)と低反射状態の波長350〜850nmの光の反射スペクトルである。低反射化は、第2電極50を基準として、第1電極20にマイナス10Vの電圧を印加することによって実施した。
図7から、上記の反射型調光素子は可視光反射率が62%から14%まで変化したことが分かる。
本発明にかかる調光素子は、メモリ性を有する電子移動型の全固体エレクトロクロミック素子であるため、消費電力を削減することが可能であり、液漏れの危険性がなく、反応速度が速い調光素子である。そのため、調光ガラス、表示デバイス、電子ペーパー、防眩ミラー、及び透明ディスプレイ等の用途に応用できる。また、材料利用効率が高い塗布熱分解法による薄膜形成が可能であるため、低コストでの作製が可能である。
10 基板
20 第1電極
21 帯状の第1電極
30 光学機能層
31 絶縁性物質
32 金属酸化物
40 電子障壁層
50 第2電極
51 帯状の第2電極

Claims (8)

  1. 導電性の第1電極と、
    絶縁性物質と、金属Mの酸化物(MはNb及びTaから成る群より選択される少なくとも1つの元素)との混合物を含む光学機能層と、
    電子障壁層と、
    導電性の第2電極とを有し、
    前記第1電極、前記光学機能層、前記電子障壁層、前記第2電極は、この順に積層して配置されており、
    前記第1および第2電極間に電圧を印加することによって、前記光学機能層の可視光の透過率を変化させることができる、
    調光素子。
  2. 前記第2電極を基準にして、前記第1電極に正の電圧を印加した後の可視光の透過率が、前記第1電極に負の電圧を印加した後の可視光の透過率よりも高い、請求項1に記載の調光素子。
  3. 前記金属M酸化物は微粒子であり、前記光学機能層は、前記微粒子が前記絶縁性物質の間に分散している材料からなる、請求項1または2に記載の調光素子。
  4. 前記第1または第2電極の、少なくとも一方は透明導電膜で構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の調光素子。
  5. 前記電子障壁層は、p型半導体からなる請求項1~4のいずれかに記載の調光素子。
  6. 前記p型半導体が、ニッケル酸化物、銅酸化物、または、スズ酸化物から成る群より選択される少なくとも1つの酸化物である請求項5に記載の調光素子。
  7. 前記絶縁性物質が絶縁性樹脂または無機絶縁物で構成された、請求項1〜6に記載の調光素子。
  8. 金属M(MはNb及びTaから成る群より選択される少なくとも1つの元素)の脂肪族酸塩と絶縁物質を有機溶媒に溶解した溶液を作成し、
    前記溶液を第1電極上に塗布し、乾燥し、焼成し、光を照射し、光学機能層を形成し、
    前記光学機能層上に、電子障壁層を積層し、
    前記電子障壁層上に第2電極を積層する、調光素子の製造方法。
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