JP2007101885A - 反射調光エレクトロクロミック素子及びこれを用いた物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鏡状態と透明状態との可逆的変化の繰返し応答性に優れた反射調光エレクトロクロミック素子を提供する。また、鏡状態と透明状態との可逆的変化の繰返し応答性に優れ、長寿命化を実現した反射調光エレクトロクロミック素子を用いた物品を提供する。
【解決手段】 透明基材2上に順次積層された光透過性を有する第1の導電層3、プロトン保持層4、プロトン伝導層5、触媒層6、水素化金属層7及び光透過性を有する第2の導電層8を備え、第1の導電層3の厚さdaとプロトン保持層4の厚さdpkの和(da + dpk)と、第1の導電層3とプロトン保持層4の界面における表面最大粗さRa-pkとが、Ra-pk/(da + dpk)≦0.65の関係を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、調光体、表示体、照明体、輸送機器用窓ガラス、建築用の窓ガラスなどに適用されて、鏡(ミラー)状態から透明状態へと可逆的に変化させることができる反射調光エレクトロクロミック素子及びこれを用いた物品に関する。
外部刺激により色調が変化する材料として、クロミック(chromic)材料又はクロモジェニック(chromogenic)材料があり、クロミック材料を用いた調光素子、ガラスに適用した調光ガラス、スマートウィンドウなどが知られている。
クロミック材料又はクロモジェニック材料に与える外部刺激に応じて、数多くの種類があり、例えば、温度によって光透過率が変化するサーモクロミック(TC)、光によって光透過率が変化するフォトクロミック(PC)、雰囲気ガスによって光透過率が変化するガソクロミック(GC)、電気(電流・電圧)によって光透過率が変化するエレクトロクロミック(EC)などが存在する。そして、いずれの材料も、視覚的快適性、熱的快適性、太陽エネルギの有効利用(省エネ化)を実現するために研究開発が進められており、建築物や輸送機器などの窓ガラス、各種のショーウィンドウなどに適用されつつある。
エレクトロクロミック(EC)としては、酸化タングステン、酸化チタンなどの遷移金属酸化物の無機材料、あるいはビオロゲン、アントラキノン、フェナントロリンなどの有機材料が用いられている。エレクトロクロミック(EC)は、電気(電圧・電流)の外部刺激によって酸化還元反応が進行し、分子構造や電子状態の変化に伴って可逆的に色調が変化するものであり、制御が容易であるという利点を有する。例えば、酸化タングステンを用いたエレクトロクロミック素子やガラスは、透明から青色までの色調に変化することから、建築物の窓ガラスや自動車のサンルーフなどに適用されており、高価ではあるが、現在、ほぼ実用化段階に至っている。
そして、酸化タングステンを初めとしたエレクトロクロミック(以下、「エレクトロクロミック素子」と言う。)では、入射光が調光層で吸収されて熱となり、この熱がエレクトロクロミック素子の内部に吸収されるという物理現象が生じていた。このため、調光層で熱の吸収が起こることから、エレクトロクロミック素子によって熱を反射させることは難しかった。
そこで、希土類(例えば、Lnや Ybなど)の水素化物を調光層として用いて、熱を遮蔽する技術が開示されている(非特許文献1参照)。調光層として希土類の水酸化物を用いると、希土類の水酸化物が、水素吸着または脱水素して、鏡状態と透明状態とが可逆的に変化している。このため、調光層を鏡状態にすると、調光層が入射光を反射させて熱を遮蔽することができる。
近年では、希土類の水酸化物の他にも、MgNi合金の水素化物が、新たな調光材料として開示されており(非特許文献2参照)、MgNi合金の水素化物を用いた全固体型の反射調光エレクトロクロミック素子も報告されている(非特許文献3参照)。全固体型の反射調光エレクトロクロミック素子では、鏡状態であるときに数ボルトの直流電圧を印加すると、調光体が透明状態となり、調光体に印加する電圧の極性を逆にすると、透明状態から鏡状態となる。このため、MgNi合金の水素化物を用いた調光体は、希土類の水酸化物に比べて材料コストが低く、さらに特性も向上する。
MgNi合金の水素化物を用いた全固体型の反射調光エレクトロクロミック素子は、例えば、光透過性を有する基板上に、光透過性を有する第1の導電層、プロトン保持層、プロトン伝導層、触媒層、水素化金属層、第2の導電層を順次積層して構成される。水素化金属層は、第2の導電層を兼ねた構成としても良く、水素化金属層が、第2の導電層の作用を兼ねていても良い。ここで、基板として石英ガラス、第1の導電層及び第2の導電層としてITO(Indium Tin Oxide)、プロトン保持層としてWO3、プロトン伝導層としてTa2O5、触媒層としてPd、水素化金属層としてMgNiyHxを使用している(x、yは、化学量論値を示す)。
上記構成の反射調光エレクトロクロミック素子において、第2の導電層にマイナス(−)電圧が印加されると、第2の導電層を介して水素化金属層(MgNiyHx)に電子が注入されて、逆側の第1の導電層(ITO)からプロトン保持層(WO3)に正孔が注入されて、電荷のバランスが保たれる。これと同時に、プロトン保持層(WO3)では、カチオン(K+:ここではプロトンH+)とアニオン(A-)とが解離し、解離したカチオン(K+:ここではプロトンH+)は、水素化金属層(MgNiyHx)に移動して注入された電子と電気的に中性となり、一方のアニオン(A-)は、プロトン保持層(WO3)で正孔と電気的に中性となる。この極性の場合、水素化金属層(MgNiyHx)ではカチオン(H+)リッチの水素化状態となり、鏡状態から透明状態に変化する。
一方、第2の導電層にプラス(+)電圧が印加されると、マイナス(−)電圧を印加した場合とは逆のキャリヤ(電子、正孔)とイオンの輸送過程となり、アニオン(A-)が水素化金属層(MgNiyHx)に移動して、アニオン(A-)リッチとなり、MgNiyHxのHxが脱離されて脱水素状態となるため、透明状態から鏡状態へと可逆的に変化する。
Nature 380 (1996) 231参照 Appl. Phys. Lett.78 (2001) 3047参照 電気化学会春季発表会 予稿集1L10(2004)299参照
前述した反射型エレクトロクロミック素子では、鏡状態と透明状態とに可逆的な変化することから、鏡状態として入射光の反射により熱を遮蔽できるという利点を有するが、特性上、以下の2つの問題を生じる恐れがあった。
第1は、印加電圧の極性反転(+)(−)を繰返し行うと、光透過率(又は反射率)が最初のレベルに比べて著しく低下してしまう恐れを有していた。例えば、初期の光透過率(T)を50%としたものが、数十回の極性反転後には、その光透過率Tが半減(25%)し、光透過率が低下する恐れを有していた。また、調光部の領域が存在する部分、反射調光エレクトロクロミック素子の表面部の左右端部には光透過率(又は反射率)が変化しない領域も存在していた。例えば、反射型エレクトロクロミック素子を鏡状態とした場合、表面端部の縦方向又は横方向の一部に、変化せずに透明状態のままである箇所が存在していた。
第2は、所定の光透過率(又は反射率)を得るために、長時間を要するという恐れを有していた。前述した反射型エレクトロクロミック素子に、直流電圧(第2の導電層に−8Vを印加する)を印加すると、光透過率Tが50%に達するまでに、数百秒あるいはそれ以上の時間が必要となり、瞬時に光透過率を変えることは難しかった。
自動車等の輸送機器のフロントウィンドウとして、反射型エレクトロクロミック素子を調光体として用いた場合には、前述した2つの問題が、大きな阻害要因となる恐れがある。実際、炎天下に車を駐車場に止めたときに、フロントウィンドウを鏡状態とすることができれば、太陽光(入射光)を遮蔽する上で非常に利点が大きいが、ドライバーが自動車に乗り込んだ後、自動車を素早く発進させる場合には、フロントウィンドウを鏡状態から透明状態に変えて、十分に視界を確保するために数分間程要することになり、実用化する上でより迅速な応答性が求められていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の反射型エレクトロクロミック素子は、透明基材上に順次積層された光透過性を有する第1の導電層、プロトン保持層、プロトン伝導層、触媒層、水素化金属層及び光透過性を有する第2の導電層を備え、第1の導電層の厚さdaとプロトン保持層の厚さdpkの和(da + dpk)と、第1の導電層とプロトン保持層の界面における表面最大粗さRa-pkとが、Ra-pk/(da + dpk)≦0.65の関係を有することを要旨とする。
本発明の反射型エレクトロクロミック素子を用いた物品は、上記記載の反射型エレクトロクロミック素子を用いたことを要旨とする。
本発明の反射調光エレクトロクロミック素子によれば、鏡状態と透明状態との可逆的変化の繰返し応答性を向上させることができる。
本発明の反射調光エレクトロクロミック素子を用いた物品によれば、鏡状態と透明状態との可逆的変化の繰返し応答性に優れ、長寿命化を実現することができる。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子及びこれを用いた物品を説明する。
本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子の一例として全固体型の反射調光エレクトロクロミック素子1の断面図を図1に示す。全固体型の反射調光エレクトロクロミック素子1は、光透過性を有する基板2上に、光透過性を有する第1の導電層3、プロトン保持層4、プロトン伝導層5、触媒層6、水素化金属層7及び光透過性を有する第2の導電層8、を順次積層し、第1の導電層3と第2の導電層8との間に直流電圧9を印加している。全固体型の反射調光エレクトロクロミック素子1の構成を図2に示すが、本図に示すように、第1の導電層3の厚さをda、プロトン保持層4の厚さをdpk、プロトン伝導層5の厚さをdpc、触媒層6の厚さをd、水素化金属層7の厚さをdh、第2の導電層8の厚さをdとしている。
ここで、第1の導電層3とプロトン保持層4との接合界面での最大表面粗さRa-pとすると、第1の導電層3の厚さdaとプロトン保持層4の厚さdpの和(da + dpk)と、第1の導電層3とプロトン保持層4との界面の表面最大粗さRa-pとは、Ra-p /(da + dpk)≦0.65の関係を満たす。ここで、Ra-p/(da + dpk)≦0.65の関係とした理由を以下に説明する。
全固体型の反射調光エクトロクロミック素子1の一部における、接合界面の拡大断面図を図3(a)(b)に示す。図3(a)(b)に示すように、各層の接合界面の表面には凹凸が存在する。特に、ドライプロセス(例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなど)を用いて下地となる基板2(光透過性基板)上に金属薄膜や酸化物薄膜を形成すると、下地基板2の表面の凹凸に伴って金属や酸化物が凝集し、金属薄膜や酸化物薄膜が島状に形成されて薄膜表面が凹凸となる。各層の接合界面での凹凸の程度(表面粗さ)は、薄膜の形成方法や形成条件(薄膜材料の種類、基板温度、蒸着速度、膜厚)などに依存し、通常、リジットな基板2(例えば、ガラスなど)を一方の層とした場合には、その表面の凹凸をラッピング、ポリシング、化学エッチングなどの公知の方法を用いて取り除くことが可能である。しかし、ガラス基板上に形成する層は、薄膜(約数nm〜数百nm)であるため、前述した公知の方法を直接適用することが難しく、実際、公知の方法を用いてガラス基板上に薄膜を形成しても接合界面での凹凸が激しくなり、反射調光エレクトロクロミック素子1の繰返し応答性が低下してしまうことが判明している。
図3(a)に示すように、第1の導電層3とプロトン保持層4との接合界面10には、表面粗さ(Ra-p)が最大となる部分(A部)が存在し、また、図3(b)に示すように、水素化金属層7と第2の導電層8との接合界面11にも表面粗さ(Rb-h)が最大となる部分(B部)が存在する。ここで、各導電層3、8に電圧を印加すると、表面粗さが最大となる部分(A部、B部)に電界が集中し、電界分布が不均一となるか、A部とB部に導電パスが形成されて、調光部となる領域が、均一な鏡状態や透明状態を示さなくなる。
ここで、電圧印加に伴う電流波形と、電圧印加時における規定波長での光透過率の時間依存性を図4により説明する。
反射調光エクトロクロミック素子1に、0Vから規定の直流電圧(図4(a)に示す正電圧)を印加すると、分極や電極からのキャリヤの注入に基づき、電荷、イオンの移動により電流が誘起される。印加電圧の大きさに伴い電流波形も変化するが、図4(b)に示すように、印加した電圧は急峻な立ち上がりを示し、その後の時間経過に伴い電圧が低下して規定値に漸近するようになる。この時、印加電圧の極性を逆転させると電流波形も時間的に僅かに遅れて、逆の極性の電流が流れるようになる。従って、印加電圧の極性反転(例えば、パルス電圧)に伴い導電層に流れる電流も反転するようになる。
印加電圧の極性反転を繰返した場合における、反射調光エクトロクロミック素子1の光透過率の変化を図4(c)に示す。ここでは、反射調光エレクトロクロミック素子1に半導体レーザ(波長670nm)を連続的に照射して、レーザの透過光の時間変化をモニタした(波長670nmの半導体レーザからの光を、素子に対し垂直入射させ、素子がない状態での空気との比で、光透過率を示す)。なお、ここでは、正電圧を印加すると、反射調光エレクトロルミネッセンス素子1の光透過率が上昇し、逆に、負電圧を印加するとエレクトロルミネッセンス素子1の光透過率が0に近づき鏡状態となる。
反射調光エレクトロクロミック素子1に電圧の印加を繰返す場合、各層の接合界面に凹凸が存在すると表面粗さの度合いに応じて電界が集中し、繰返し応答回数Nも急激に低下することになる。この現象を以下に説明する。
図5は、電界強度をパラメータとしたときの、反射調光エレクトロクロミック素子1の繰返し応答回数Nと最大表面粗さとの関係を示した図である。ここでは、横軸に、第1の導電層3の厚さdaとプロトン保持層4の厚さdpkとの和(da +dpk)に対する、第1の導電層3とプロトン保持層4の接合界面10における最大表面粗さR a-pの比を示し、縦軸に、反射調光エレクトロクロミック素子1の駆動繰返し回数Nを示した。なお、ここでの最大表面粗さとは、JIS規格B 0601に規定された「最大高さRmax」を意味する。最大表面粗さの評価方法として、測定面が露出している場合には、通常の二次元の触針法、三次元表示法などの接触法、反射光の干渉光の間隔を利用した光学的方法、最近の原子間力顕微鏡(AFM)像からの統計処理による方法などを挙げることができる(「薄膜ハンドブック」オーム社、頁38〜頁41参照)。逆に、異種材料により複数の層が積層された積層体のように測定面が露出していない場合には、その断面を測定面として原子間力顕微鏡(AFM)像解析すると良い。
図5から明らかなように、電界強度Eが実用レベル(E=106V/cm以上)の強電界状態になると、R a-p/(da +dp)の大きさに関係なく、繰返し応答回数Nは103回を上回らず、反射調光エレクトロクロミック素子の実用下限レベルに達していないことが判明した。また、通常の駆動電界レベルであるE=105V/cm以上(E=104〜105V/cm)の電界強度になると、繰返し応答回数Nは、R a-p/(da +dp)の大きさに依存するようになり、R a-p/(da +dp)が0.65以下の値になると、繰返し応答回数Nが10回以上となり、実用下限レベルを上回ることが判明した。さらに、図5を考察すると、より好ましいR a-p/(da +dp)の値は、0.40以下であることが判明した。なお、R a-p/(da +dp)の値に着目すると、0.40と0.65との間で変曲点を有するが、この変曲点は、接合界面の最大表面粗さとなる場所に電界が集中し、局所的にキャリヤ(電子、正孔)密度が非線形に増大するか、あるいはキャリヤの移動度が非線形的に増大するからであると推察される。なお、図5に示す横軸として、第2の導電層8の厚さdbと水素化金属層7の厚さdhの和(db + dh)と第2の導電層8と水素化金属層7の接合界面での表面最大粗さRb-hの比でプロットした場合においても、概ね同様の結果が得られることが判明した。
さらに、本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子1においては、第1の導電層3側及び第2の導電層8側の各接合界面における層厚と表面粗さとを上記関係とすることが好ましい。すなわち、第1の導電層3の厚さdaとプロトン保持層4の厚さdpkとプロトン伝導層5の厚さdpcと触媒層6の厚さdcと水素化金属層7の厚さdhと第2の導電層8の厚さdbとの和(da + dpk + dpc +dc + dh + db)と、第1の導電層3とプロトン保持層4の界面における表面最大粗さRa-pと、第2の導電層8と水素化金属層7の接合界面における表面最大粗さRb-hの和(Ra-p + Rb-h)との間に、(Ra-p + Rb-h)/(da + dpk + dpc + dc + dh + db)≦0.65の関係とすることが好ましい。このような値にすると、繰返し応答回数Nが大幅に向上し、具体的には、いずれか一方の導電層側の表面粗さを規定した場合に比べると、反射調光エレクトロクロミック素子1の繰返し応答回数Nが2倍以上になることが判明した。この理由は明確ではないが、一方の導電層側の表面粗さを規定した場合に比べて、両側の導電層の表面粗さを規定することにより、両界面からのキャリヤの注入バランスが取れて、この結果、繰返し応答回数Nが飛躍的に向上するものと考えられる。
次に、光透過性を有する第1の導電層3とプロトン保持層4の接合界面における最大表面粗さRa-pについて説明をする。図2に示す代表的な反射調光エレクトロクロミック素子1では、第1の導電層3の厚さは約数十nm〜数百nmであり、プロトン保持層4の厚さは約数nm〜数百nmである。
第1の導電層3と第2の導電層8との間に印加される電圧によって生じる電界Eは、両導電層間の距離dと実際に印加される電圧Vにより決定されて、E=V/dとなる。このため、接合界面の最大表面粗さに起因する電界集中は、第1の導電層3側または第2の導電層8側における凸の大きさに比べて、プロトン保持層4側又は水素化金属層7側における凸の大きさが、直接的な影響を与えることになる。従って、光透過性を有する第1の導電層3とプロトン保持層4との接合界面、さらに第2の導電層8と水素化金属層7との接合界面において、第1の導電層3側の最大表面粗さをRa、水素化金属層7側の最大表面粗さをRpkとしたとき、Ra ≧ Rpk と規定している。なお、光透過性を有する第2の導電層8と水素化金属層7の接合界面における最大表面粗さについても、前述のように Rb ≧ Rpkと規定している。
本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子1を鏡状態から透明状態に変化させるためには、比較的短時間で可逆的に行われることが好ましい。特に、透明状態とするためには、建築物や車両のウィンドウでの開放感を生じさせ、視認性を高めるために極めて重要であり、電極となる第1の導電層3と第2の導電層8の全光線透過率を高くすることが好ましい。ここで、全光線透過率とは、積分球式測定装置を使用して計測されるものであり、AMST D1003、あるいはJIS K7105で規定されている方法による、第1の導電層3と第2の導電層8の全光線透過率が高くなると、光透過性の電極が得られ、幅広い用途に応用して実用化することができる。第1の導電層3と第2の導電層8の全光線透過率は、後述する表面抵抗値との兼ね合い、さらに反射調光エレクトロクロミック素子1のトータルの全光線透過率との兼ね合いから決定されるべきであるが、第1の導電層3と第2の導電層8の全光線透過率は、少なくとも50%以上とすることが好ましく、さらにエレクトロクロミック素子の表裏面での光の反射が、合計約8%発生することを考慮すると、実用的には60%以上とすることが好ましい。
前述した全光線透過率の他にも、電極の機能上、第1の導電層3と第2の導電層8の表面抵抗値を規定することが重要になる。この理由は、第1の導電層3と第2の導電層8の表面抵抗値が大きくなると、電流駆動型の反射調光エレクトロクロミック素子1では、キャリヤやイオンが移動し難くなり、応答速度の遅延、さらに鏡状態から着色状態を経て透明状態までの変化が、調光体の有効領域内で均一に発現しなくなるからである。このため、第1の導電層3と第2の導電層8の表面抵抗値は、100Ω/□以下、さらに10Ω/□以下とすることが好ましい。本範囲に規定することにより、表面抵抗値の低い透明電極が得られ、キャリヤの移動が促進されて電流が流れ易くなる。
なお、第1の導電層3と第2の導電層8の厚さは、可視光領域における全光線透過率と表面抵抗との兼ね合いから決定されるべきであるが、約数十nm〜数千nmの範囲とすることが好ましい。
さらに、上記反射調光エレクトロクロミック素子1の構成材料を説明する。
第1の導電層3と第2の導電層8としては、金属、酸化物半導体及びπ共役系高分子の中から選択される薄膜とすることが好ましい。
金属としては、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Zn、Pb、Ti、W及びこれらの元素の複合物とすることが好ましい。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、分子線エピタキシー(MBE)法、化学気相蒸着法(CVD)などの公知の方法により金属薄膜を形成することができる。
酸化物半導体としては、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)及びこれらの複合物の中から選択することができ、さらに、アンチモンドープ酸化錫(ATO)又はフッ素ドープ酸化錫(FTO)を用いても良い。
π共役系高分子は、共役二重結合中のπ電子の作用により、低表面抵抗化と高光透過率化を実現することができる。π共役系高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン、ポリチエフェンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン及びこれらの誘導体の中から選択することが好ましい。さらに、例示したπ共役系高分子に各種のドーピング処理をすると、低表面抵抗化、高性能化及び低コスト化した電極が得られる。具体的には、ドーピングされたポリピロール(doped Polypyrrole)、ドーピングされたポリアニリン(doped Polyaniline)、ドーピングされたポリチオフェン(doped Polythiophene)、ドーピングされたポリアセチレン(doped Polyacethilene)、ドーピングされたポリイソチアナフテン(doped Polyisothianaphtene)及びこれらの誘導体の中から選択することができる。
例示した材料の他にも、π共役系高分子として、より可溶性の高いポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリプロピレンオキシド(PO)及びこれらの誘導体の中から選択することが好ましく、これにより取扱いが容易であり、さらに印刷法の適用が容易となる。また、π共役系高分子として、ポリ-3, 4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルフォン酸(PSS)との複合体(以下、「PEDOT:PSS」とする)を用いても良く、この結果、取扱い性が向上し、印刷法の適用が容易となり、高性能化、低コスト化した電極が得られる。
さらに、光透過性を有する第1の導電層3及び第2の導電層8として、導電性ナノ粒子とバインダ樹脂とを含むことが好ましい。導電性ナノ粒子としては、Au, Ag, Pt, Pd, Ni, Cu, Zn, Al, Sn,Pb, C及びTiの中から選択することができる。導電性ナノ粒子の粒径は、約50nm以下にすることが好ましく、導電性ナノ粒子の粒径が、可視光領域の入射光の波長λ(380〜 780 nm)よりも小さくなると(粒子直径の1/10以下)、光透過率が高まる。なお、導電性ナノ粒子は球状に限定されず、針状、繊維状としても良い。
第1の導電層3又は第2の導電層8として、前述したπ共役系高分子、あるいは導電性ナノ粒子とバインダ樹脂とを含む材料にすると、金属又は酸化物半導体を使用した場合に比べて、電極の表面抵抗値が高くなる。しかし、π共役系高分子などの材料では、公知のスピンコート法、キャスティング法、ディップ法、印刷法(インクジェット法、グラビア法、ドクターブレード法)により塗布して薄膜形成することが可能である。この結果、プロセス的、コスト的、表面平滑性の観点からも利点が多く、特に、微細な電極パターンを形成した後に硬化できるため、大面積化した反射調光エレクトロクロミック素子に適用することができる。従って、目的に応じて材料を選択することにより、広範な分野で適用することが可能となる。
プロトン保持層4は、キャリヤとなるプロトン(H+)を保持する役割を担う層であり、特に、全固体型のエレクトロクロミック素子の構成中に、プロトン保持層4を形成する必要がある。プロトン保持層4としては、WO3、MoO3、VO2、V2O5、NbO5、TiO2及びWO3-MoO3の中から選択することが好ましい。特に、WO3は、1969年に、そのエレクトロクロミズムの発見後に、その研究開発が進められており、プロトン保持層4として有用な酸化物半導体である。
なお、プロトン保持層4の膜質や層厚等は、一義的に決定することができないが、膜質としてはイオン(プロトン(H+))の移動容易性を考慮すると、緻密な結晶性とするよりは非結晶で適度にルーズな構造とすることが好ましい。プロトン保持層4の厚さは、プロトン保持性能、性能安定性の観点から、約数nm〜数百nm、さらに約50nm〜500nmとすることが好ましい。
プロトン伝導層5は、プロトン保持層4により保持されたプロトン(H+)の水素化金属層7への移動を促進する役目を担う。プロトン伝導層5としては、Ta2O5、MgF2、SiO、ZrO2、Cr2O3、LiF、MgF2、CaF2、LiAlF4、RbAg4I5及びLi3Nの中から選択することが好ましい。さらに、プロトン伝導層5の厚さは約数nm〜数百nm、さらに100nm〜500nmとすることが好ましく、これによりプロトン伝導性及び調光体の性能安定性を高めることができる。
触媒層6は、後述する水素化金属層7の活性を高めることを目的として形成される。触媒層6としては、PdまたはPtを含むことが好ましく、これによりプロトンの輸送性能が向上する。触媒層6の厚さは、約数十Å〜数十nm、さらに0.1nm〜10nmとすることが好ましく、水素化金属層7での水素化、脱水素化の反応を促進することができる。
水素化金属層7は、水素ガスに触れると、鏡状態から透明状態に変化して調光機能を示す水素化金属を含む。水素化金属は、水素化と脱水素化の反応を可逆的に起こし、その調光機能を制御している。水素化金属としては、希土類金属、希土類金属と遷移金属との合金、遷移金属同士の合金の水素化物を挙げることができ、具体的には、YbHx、RnHx、LnMgyHx、GdMgyHx、MgNiyHx、(但し、x,yは化学量論的数値)を用いることができる。例示した水素化金属の中でも、特に、MgNiyHx系は安価で、取扱いが容易であり、水素化金属層7の材料として有望視されている。
なお、水素化金属層7の膜質と厚さは、一義的に決定されないが、膜質としてはプロトン保持層4と同様に、イオン(例えば、プロトン)の移動容易性を考慮すると、緻密な結晶性とするよりも非晶性としてルーズな構造とすることが好ましい。水素化金属層7の厚さは、約数nm〜数百nm、さらに10nm〜100nmとすることが好ましく、本範囲に規定すると、水素化、脱水素化が促進されて、鏡状態から透明状態へと容易に可逆変化を起こすことが可能となる。
透明基板としては、光の散乱や吸収等による損失ができるだけ小さく、可視光線領域における全光線透過率を高くすることが好ましい。全光線透過率は、透明基板の厚さや表面平滑性等に応じて異なるが、実用的な観点から、その全光線透過率は80%以上、さらに85%以上とすることが好ましい。例えば、可視光線領域における全光線透過率が80%以上であるガラス、セラミックス又は高分子樹脂フィルムを用いることができる。さらに、曲面や三次元形状体に使用する場合には、フレキシブル性が要求されるため、透明基板は、高分子樹脂フィルムとすることが好ましい。このような性能を満たす高分子樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルサルフォン(PES)及びこれらの誘導体の中から選択することが好ましい。なお、取扱い性を考慮すると、透明基板の厚さは、約75μm〜500μmの範囲とすることが好ましい。
さらに、高分子樹脂フィルムの面内における屈折率の異方性(複屈折Δn)は、光の出射方向あるいは入射方向に影響を及ぼすため、0.1以下とすることが好ましい。複屈折Δnが0.1を超えると、特定方向(角度)への出射あるいは入射がより顕著となり、その結果、鏡状態から着色状態を経て透過状態となる性能レベルが、見る角度に応じて異なるからである。このため、透明基板として高分子樹脂フィルムを用いる場合には、複屈折Δnを0.1以下とすることが好ましい。
また、前述した本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子1は、視覚的快適性(プライバシーの保護を含む)、熱的快適性、太陽エネルギ有効利用(省エネルギ化)を目的とした各分野、特に、調光体、表示体又は照明体として適用可能であり、自動車、航空機、船舶などの輸送機器用の調光窓ガラスまたは建築用調光窓ガラス、さらにはアミューズメント用品などの表示部、意匠体などに適用することにより、その効果を発揮することができる。
なお、本発明の反射調光エレクトロクロミック素子は、図1に示す構成に限定されず、図6に示す構成としても良い。なお、図1に示す構成と同一の箇所には、同じ符号を使用する。図6に示すように、反射調光エレクトロクロミック素子12は、光透過性を有する基板2上に、光透過性を有する第2の導電層8、水素化金属層7、触媒層6、プロトン伝導層5、プロトン保持層4及び光透過性を有する第1の導電層3を順次積層している。第1の導電層3と第2の導電層8との間に直流電圧9を印加している。
以下、具体的に実施例を用いて説明するが、例示する実施例に限定されるものではない。
反射調光エレクトロクロミック素子を製造するにあたって、複合装置を使用した。複合装置は、成膜装置である多ガンのマグネトロンスパッタ装置と、マグネトロンスパッタ装置により成膜した膜の最大表面粗さを測定するAFM装置(AFM:原子間力顕微鏡)とを組み合わせて、マグネトロンスパッタ装置とAFM装置との間に試料室を設けた装置である。
まず、マグネトロンスパッタ装置のチャンバ内部の試料フォルダに、反射調光エレクトロクロミック素子作成用のガラス基板と、各層の最大表面粗さ測定用のガラス基板と、を一緒にセットした。その後、放電して各ガラス基板上に第1層を成膜した。なお、この時にガラス基板上に成膜される第1層の厚さは、水晶振動子によりモニタされており、第1層の厚さが予め設定した厚さになると、シャッタが閉じるように設定される。
次に、成膜後の最大表面粗さ測定用のガラス基板は、自動送り装置によって、マグネトロンスパッタ装置から試料室を経由してAFM装置の測定室にまで送り出される。その後、AFM装置で第1層の表面像を取り込み、最大表面粗さを測定する。一方、反射調光エレクトロクロミック素子作成用のガラス基板は、そのまま試料フォルダに固定されて、第2層の成膜段階になると、前述の最大表面粗さ測定用のガラス基板は、AFM装置の測定室から試料室を経由してマグネトロンスパッタ装置のチャンバ内部に送り出されて、再度、試料フォルダにセットされる。このサイクルを繰返し行い、反射調光エレクトロクロミック素子を作製すると共に、最大表面粗さ測定用基板を得た。ここでは、ガラス基板の温度を25℃と一定として、スパッタ時の蒸着速度(スパッタ速度)を変えることにより、最大表面粗さをそれぞれ変えて、以下に示す実施例1〜実施例20及び比較例1〜比較例15の各試料を製造した。なお、繰返し応答性の性能を決定づける要因は、両導電層の電極界面の最大表面粗さであることから、第1の導電層3とプロトン保持層4との接合界面の最大表面粗さと、水素化金属層7と第2の導電層8との接合界面の最大粗さとを出力した。
まず、第1の導電層3の厚さdaとプロトン保持層4の厚さdpkの和(da + dpk)と、第1の導電層3とプロトン保持層4の界面における表面最大粗さRa-pkとの比(Ra-pk/(da + dpk))を変えて、反射調光エレクトロクロミック素子の繰り返し応答性を評価した。
実施例1
まず、ガラス基板上にITO層を形成した後、ITO層上にWO3層、Ta2O5層、Pd層、MgNiy層を順次積層した。なお、この時のWO3層の成膜速度は5Å/secとした。
得られたMgNiy/Pd/Ta2O5/WO3/ITO/ガラス基板をマグネトロンスパッタ装置のチャンバ内に設置した後、チャンバ内に水素を導入して、MgNiy層に水素をドープした後、MgNiy層上にITO層を形成した。これにより、ガラス基板上に、ITO層、WO3層、Ta2O5層、Pd層、MgNiyHx層、ITO層を順次積層した反射調光エレクトロクロミック素子とした。なお、各層の厚さは、別途表1に示した。
実施例2
実施例2では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を10Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例3
実施例3では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を20Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例4
実施例4では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を30Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例5
実施例5では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を36Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例6
実施例6では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を20Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例7
実施例7では、ガラス基板上にZnO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を5Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例8
実施例8では、ガラス基板上にZnO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を20Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例9
実施例9では、ガラス基板上にZnO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を40Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例10
まず、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を10Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、MgNiy/Pd/Ta2O5/WO3/ITO/ガラス基板を得た。
得られたMgNiy/Pd/Ta2O5/WO3/ITO/ガラス基板をスパッタ装置のチャンバ内に設置した後、チャンバ内に水素を導入し、MgNiy層に水素をドープした。その後、MgNiy層上に、π共役系高分子のPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン):PSS(ポリスチレンスルフォン酸)の水分散溶液をスピンコート法により塗布し、乾燥した後、ガラス基板上に、ITO層、WO3層、Ta2O5層、Pd層、MgNiyHx層、PEDOT:PSS層を順次積層した反射調光エレクトロクロミック素子とした。
比較例1
比較例1では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を42Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例2
比較例2では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を55Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例3
比較例3では、ガラス基板上にZnO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を50Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例4
比較例4では、ガラス基板上にZnO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を55Å/secとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例5
比較例5では、ガラス基板上にITO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を50Å/sec、基板温度を80℃とした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例6
比較例6では、ガラス基板上にZnO基板をコートしたものを用いて、WO3層の成膜速度を60Å/sec、基板温度を60℃とした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
得られた各反射調光エレクトロクロミック素子に、直流電源(印加電界E=±105V/cm)とパルスジェネレータを使って電界の極性を変化させて、波長670 nmでの光透過率Tをモニタすることにより、繰返し応答回数Nを測定した。なお、光透過率Tは50%を達成した時に、直流電源の極性が反転するように設定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 2007101885
表1に示すように、比較例1比較例6の試料では、Ra-p /(da + dpk)≦0.65の関係は成立しないため、電解集中が発生し易くなり、繰り返し応答回数Nが低下し、実用化レベル(103回以上)にまで達していないことが判明した。これに対して、実施例1〜実施例10の各試料では、いずれもRa-p/(da + dpk)≦0.65の関係を満たしており、電界集中の発生確率が大幅に低下して、繰返し応答回数Nも実用化レベル(103回以上)にまで達することが判明した。
次に、第2の導電層8の厚さdbと水素化金属層7の厚さdhの和(db + dh)と、第2の導電層8と水素化金属層7の界面における表面最大粗さRb-hと比(Rb-h/(db + dh))を変えて、反射調光エレクトロクロミック素子の繰り返し応答性を評価した。
実施例11
まず、ガラス基板上にITO層を形成した後、ITO層上に、WO3層、Ta2O5層、Pd層、MgNiy層を順次積層した。なお、この時、WO3層の成膜速度は5Å/sec、MgNiy層は、スパッタ法を用いて成膜速度を3.5Å/secとして成膜した。
得られたMgNiy/Pd/Ta2O5/WO3/ITO/ガラス基板を、スパッタ装置のチャンバ内に配置した後、チャンバ内に水素を導入し、MgNiy層に水素をドープした。その後、MgNiyHx層上にITO層を形成し、ガラス基板上に、ITO層、WO3層、Ta2O5層、Pd層、MgNiyHx層、ITO層を積層した反射調光エレクトロクロミック素子とした。なお、各層の厚さは、別途表2に示した。
実施例12
実施例12では、MgNiy層の成膜速度を8Å/secとして成膜条件を変えた以外は、実施例11と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例13
実施例13では、MgNiy層の成膜速度を16Å/secとして成膜条件を変えると共に、ITO層の厚さを200nmとした以外は、実施例11と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例14
実施例14では、MgNiy層の成膜速度を26Å/secとして成膜条件を変えると共に、導電層としてZnOを使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例15
実施例15では、MgNiy層の成膜速度を32Å/secとして成膜条件を変えると共に、第2の導電層としてPEDOT:PSS層とした以外は、実施例11と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例7
比較例7では、MgNiy層の成膜速度を42Å/secとして成膜条件を変えた以外は、実施例11と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例8
比較例8では、MgNiy層の成膜速度を55Å/secとして成膜条件を変えた以外は、実施例11と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例9
比較例9では、MgNiy層の成膜速度を50Å/secとして成膜条件を変えると共に、第2の導電層であるITO層の厚さを200 nmとした以外は、実施例11と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例10
比較例10では、MgNiy層の成膜速度を55Å/secとして成膜条件を変えた以外は、実施例14と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例11
比較例11では、MgNiy層の成膜速度を50Å/secとして成膜条件を変えた以外は、実施例15と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
得られた各反射調光エレクトロクロミック素子に、直流電源(印加電界E=±105V/cm)とパルスジェネレータを使って電界の極性を変化させて、波長670 nmでの光透過率Tをモニタすることにより、繰返し応答回数Nを測定した。なお、光透過率Tは50%を達成した時に、直流電源の極性が反転するように設定した。
測定結果を表2に示す。
Figure 2007101885
表2に示すように、Rb-h/(db + dh)の値が0.65を超える比較例7〜比較例11では、いずれも、繰返し応答回数が低い値であり、反射調光エレクトロクロミック素子の繰返し応答性が低下していたが、Rb-h/(db + dh)の値が0.65以下の実施例11〜実施例15では、いずれも繰返し応答回数Nも実用化レベル(103回以上)にまで達しており、繰返し応答性が向上していることが判明した。
最後に、第1の導電層3の厚さdaとプロトン保持層4の厚さdpkとプロトン伝導層5の厚さdpcと触媒層6の厚さdcと水素化金属層7の厚さdhと第2の導電層8の厚さdbとの和(da + dpk + dpc +dc + dh + db)と、第1の導電層3とプロトン保持層4の界面における表面最大粗さRa-pkと、第2の導電層8と水素化金属層7の界面における表面最大粗さRb-hの和(Ra-pk + Rb-h)との比(Ra- pk + Rb-h)/(da + dpk + dpc + dc + dh + db)を変えて、反射調光エレクトロクロミック素子の繰り返し応答性を評価した。
実施例16
まず、ガラス基板上にITO層を形成した後、スパッタ法を用いて、ITO層上にWO3層、Ta2O5層、Pd層、MgNiy層を順次積層した。なお、この時のWO3層の成膜速度は5Å/secとし、MgNiy層の成膜速度は3.5Å/secとした。
その後、得られたMgNiy/Pd/Ta2O5/WO3/ITO/ガラス基板をマグネトロンスパッタ装置のチャンバ内に設置した後、チャンバ内に水素を導入し、MgNiy層に水素をドープした。その後、MgNiyHx層上にITO層を形成して、反射調光エレクトロクロミック素子とした。なお、各層の厚さは、別途表3に示した。
実施例17
実施例17では、WO3層の成膜速度を10Å/secとすると共に、MgNiy層の成膜速度を8Å/secとして成膜条件を変えた以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例18
実施例18では、WO3層の成膜速度を20Å/sec、MgNiy層の成膜速度を16Å/secとすると共に、第2の導電層であるITO層を200nmとした以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例19
実施例19では、WO3層の成膜速度を30Å/sec、MgNiy層の成膜速度を26Å/secとすると共に、第2の導電層であるZnO層の厚さ100nmとした以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
実施例20
実施例20では、WO3層の成膜速度を36Å/sec、MgNiy層の成膜速度を32Å/secとすると共に、第2の導電層としてPEDOT:PSS層を使用した以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例12
比較例12では、WO3層の成膜速度を42Å/sec、MgNiy層の成膜速度を40Å/secとした以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例13
比較例13では、WO3層の成膜速度を55Å/sec、MgNiy層の成膜速度52Å/secとした以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例14
比較例14では、WO3層の成膜速度を50Å/sec、MgNiy層の成膜速度50Å/sec、第1の導電層と第2の導電層とをZnOとした以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
比較例15
比較例15では、WO3層の成膜速度を50Å/sec、MgNiy層の成膜速度56Å/sec、第1の導電層と第2の導電層をPEDOT:PSS層とした以外は、実施例16と同様の方法を用いて、反射調光エレクトロクロミック素子を製造した。
得られた反射調光エレクトロクロミック素子に、直流電源(印加電界E=±105V/cm)とパルスジェネレータを使って電界の極性を変化させて、波長670 nmでの光透過率Tをモニタすることにより、繰返し応答回数Nを測定した。なお、光透過率Tは50%を達成した時に、直流電源の極性が反転するように設定した。
測定結果を表3に示す。
Figure 2007101885
表3に示すように、(Ra- pk + Rb-h)/(da + dpk + dpc + dc + dh + db)の値が0.65を超える比較例12〜比較例15では、いずれも繰り返し応答回数が低い値であり、繰返し応答性が低下していたが、これに対して、(Ra- pk + Rb-h)/(da + dpk + dpc + dc + dh + db)の値が0.65以下の実施例16〜実施例20では、いずれも繰返し応答回数Nも実用化レベル(103回以上)にまで達していた。特に、表1、表2に示した各反射調光エレクトロクロミック素子よりも、表3に示した反射調光エレクトロクロミック素子の繰返し回数が増加しているため、(Ra- pk + Rb-h)/(da + dpk + dpc + dc + dh + db)の値を0.65以下にすると、両導電層での電界が均一となり、繰返し応答性が向上することが判明した。
本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子の断面図である。 図1に示す反射調光エレクトロクロミック素子の各層の厚さを説明する断面図である。 本発明の実施に形態に係る第1の導電層とプロトン保持層との接合界面における最大表面粗さRa-pkと、第2の導電層と水素化金属層との接合界面における最大表面粗さRb-hとを説明する模式図である。 本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子の第1の導電層と第2の導電層との間に、極性を変えた電圧を印加した際に観測される、電流と光透過率の応答波形を説明する模式図である。 電界強度をパラメータとしたときの、本発明の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子の繰返し応答回数Nと最大表面粗さとの関係を示す図である。 本発明における他の実施の形態に係る反射調光エレクトロクロミック素子の断面図である。
符号の説明
1…反射調光エレクトロクロミック素子,
2…基板,
3…第1の導電層,
4…プロトン保持層,
5…プロトン伝導層,
6…触媒層,
7…水素化金属層,
8…第2の導電層,
9…直流電圧,

Claims (24)

  1. 透明基材上に順次積層された光透過性を有する第1の導電層、プロトン保持層、プロトン伝導層、触媒層、水素化金属層及び光透過性を有する第2の導電層を備え、
    前記第1の導電層の厚さdaと前記プロトン保持層の厚さdpkの和(da + dpk)と、前記第1の導電層と前記プロトン保持層の界面における表面最大粗さRa-pkとが、
    Ra-pk/(da + dpk)≦0.65の関係を有することを特徴とする反射調光エレクトロクロミック素子。
  2. 前記第1の導電層と前記プロトン保持層の界面において、前記プロトン保持層側の最大表面粗さRpkと前記第1の導電層側の最大表面粗さRaとが、Ra≧Rpkであることを特徴とする請求項1記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  3. さらに、前記第2の導電層の厚さdbと前記水素化金属層の厚さdhの和(db + dh)と、前記第2の導電層と前記水素化金属層の界面における表面最大粗さRb-hが、Rb-h/(db + dh)≦0.65の関係を有することを特徴とする請求項1又は2記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  4. 前記第2の導電層と前記水素化金属層との界面において、前記第2の導電層側の最大表面粗さRbと前記水素化金属層側の最大表面粗さRhとが、
    Rb≧Rであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  5. 前記第1の導電層の厚さdaと前記プロトン保持層の厚さdpkと前記プロトン伝導層の厚さdpcと前記触媒層の厚さdcと前記水素化金属層の厚さdhと前記第2の導電層の厚さdbとの和(da + dpk + dpc +dc + dh + db)と、前記第1の導電層と前記プロトン保持層の界面における表面最大粗さRa-pkと、前記第2の導電層と前記水素化金属層の界面における表面最大粗さRb-hの和(Ra-pk + Rb-h)とが、(Ra- pk + Rb-h)/(da + dpk + dpc + dc + dh + db)≦0.65の関係を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  6. 前記第1の導電層及び前記第2の導電層の可視光領域における全光線透過率が、50%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  7. 前記第1の導電層及び第2の導電層の表面抵抗値が、100Ω/□以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  8. 前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、金属、酸化物半導体及びπ共役系高分子の中から選択される薄膜であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  9. 前記金属は、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Pt、Pd、Zn、Pb、Ti、W及びこれらの複合物の中から選択されることを特徴とする請求項8記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  10. 前記酸化物半導体は、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)及びこれらの複合物の中から選択されることを特徴とする請求項8記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  11. 前記π共役系高分子は、ドーピングされたポリピロール、ドーピングされたポリアニリン、ドーピングされたポリチオフェン、ドーピングされたポリアセチレン、ドーピングされたポリイソチアナフテン及びこれらの誘導体の中から選択されることを特徴とする請求項8記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  12. 前記π共役系高分子は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリプロピレンオキシド(PO)及びこれらの誘導体の中から選択されることを特徴とする請求項8記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  13. 前記第1の導電層及び第2の導電層は、導電性ナノ粒子とバインダ樹脂とを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  14. 前記プロトン保持層は、WO3、MoO3、VO2、V2O5、NbO5、TiO2 及びWO3-MoO3の中から選択されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  15. 前記プロトン伝導層は、Ta2O5、MgF2、SiO、ZrO2、Cr2O3、LiF、MgF2、CaF2、LiAlF4、RbAg4I5及びLi3Nの中から選択されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  16. 前記触媒層は、PdまたはPtのいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  17. 前記水素化金属層は、YbHx、RnHx、LnMgyHx、GdMgyHx及びMgNiyHx
    (x, yは、化学量論的数値)の中から選択されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  18. 前記透明基板は、可視光線領域における全光線透過率が80%以上であるガラス、セラミックス及び高分子樹脂フィルムのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  19. 前記高分子樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルサルフォン(PES)及びこれらの誘導体の中から選択されることを特徴とする請求項18記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  20. 前記高分子樹脂フィルムの面内の複屈折をΔnとすると、
    Δn≦0.1であることを特徴とする請求項18又は19記載の反射調光エレクトロクロミック素子。
  21. 請求項1乃至20のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子を用いた物品。
  22. 請求項1乃至20のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子を用いた調光体、表示体又は照明体のいずれかの物品。
  23. 請求項1乃至20のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子を用いた車両用調光ガラス。
  24. 請求項1乃至20のいずれか1項に記載の反射調光エレクトロクロミック素子を用いた建築用調光ガラス。
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