本発明に関する冷蔵庫の実施例1を、図1から図6を参照して説明する。
図1は実施例1に関する冷蔵庫1の側断面図である。冷蔵庫1は、貯蔵室として上方から順に、冷蔵室2、野菜室3、冷凍室4を備えている。冷蔵室2及び野菜室3は冷蔵温度帯(0℃以上)の第一の貯蔵室で、冷凍室4は冷凍温度帯(0℃以下)の第二の貯蔵室である。本実施例では、冷蔵室2は約4℃前後、野菜室3は約7℃前後、冷凍室4は約−18℃前後になるように制御しているが、これに限定するものではない。すなわち、第一の貯蔵室は貯蔵物を冷蔵保存可能な温度帯、第二の貯蔵室は貯蔵物を冷凍保存可能な温度帯であれば良い。冷蔵庫1は、一例として外箱10aと内箱10bの間に断熱材を有する断熱箱体10と、貯蔵室扉(冷蔵室扉2a、野菜室扉3a及び冷凍室扉4a)を備えて構成されている。
外箱10aと内箱10bの間の断熱材は、一例として発泡断熱材を採用する。発泡断熱材としては公知の構成を採用できるが、その一例としてポリウレタンフォームを充填発泡することにより形成される。また、発泡断熱材以外にも、真空断熱材を採用することで、断熱性能を向上することができる。真空断熱材は、一般的にガスバリア性を有する外被材内部にグラスウールや樹脂繊維で構成した芯材を配置して、外被材内部を減圧密封した構成が知られており、本実施例では公知の構成を採用することができる。
野菜室扉3a及び冷凍室扉4aは、それぞれ前後に移動する引き出し扉を構成している。また、野菜室3及び冷凍室4には、それぞれ野菜室扉3a、冷凍室扉4aと一体に引き出される収納容器3b、4bを備えている。
冷蔵室扉2aは、冷蔵庫1本体にヒンジを介して回動自在に設けられた回動式の扉を構成している。冷蔵室2には、冷蔵室2内を上下方向に複数に区画する棚2cを複数設け、また、冷蔵室扉2aの冷蔵室2側に複数の収納容器2dを設けている。
なお、貯蔵室(冷蔵室2、野菜室3及び冷凍室4)及び貯蔵室扉(冷蔵室扉2a、野菜室扉3a及び冷凍室扉4a)の構成は上記構成に限定するものではない。冷蔵室2、野菜室3及び冷凍室4の上下方向や左右方向のレイアウトを変更して、例えば上から冷蔵室2、冷凍室4及び野菜室3とする構成、野菜室3を省略して冷凍室4及び冷蔵室2とする構成、冷蔵室2及び冷凍室4を左右に配置したサイドバイサイドの構成等を採用できる。また、貯蔵室扉は、公知の引き出し扉や回動扉の構成を適用でき、その組み合わせを限定するものではない。
冷蔵室2と野菜室3の間には第一の区画部31を設け、野菜室3と冷凍室4の間には第二の区画部32を設けている。第一の区画部31は、貯蔵温度帯が近い冷蔵室2と野菜室3を区画するため、必ずしも断熱性を高める必要はなく、必要な剛性を有して冷蔵室2と野菜室3を区画する構成であればよい。なお、第一の区画部31の断熱性を高める場合、発泡断熱材や真空断熱材を採用することができ、この場合は冷蔵室2と野菜室3との互いの温度や湿度の影響を低減することができる。
また、第二の区画部32は、冷蔵温度帯の野菜室3と冷凍温度帯の冷凍室4を区画するため、発泡断熱材や真空断熱材を採用して断熱性を高めた構成とする。
第一の区画部31には、冷蔵室2と野菜室3を連通する連通風路13が形成されている。連通風路13によって、冷蔵室2の空気が野菜室3に流入するように構成している。連通風路13は、第一の区画部31の前後方向の前方寄りに設けることで、冷蔵室2の後方から前方に吹出された後に降下した空気が流入し易くなる。さらに、連通風路13を棚2cの前端よりも前方に設けることで、棚2c及び収納容器2dを冷却した後に下降する空気が、より連通風路13に流入しやすくなる。また、連通風路13を第一の区画部31の前後方向の後方寄り、又は冷蔵室2後方の第一の仕切り部材5(詳細は後述)に設ける構成とした場合、最下段の棚2cと第一の区画部31との間に空気が流れるため、冷蔵室2の空間の温度むらを低減できる。
第二の区画部32の上部で野菜室3側には、野菜室ヒータ35を設けている。野菜室3が隣接する冷凍室4の影響で低温になる場合に、野菜室ヒータ35によって野菜室3を加熱し、所定の温度に保持している。
冷蔵室2及び野菜室3の後方には仕切り部材5が配置されており、野菜室3の背面側であって仕切り部材5の後方には第一の蒸発器7aを設けている。冷凍室4の後方には仕切り部材6が配置されており、冷凍室4の背面側であって第二の仕切り部材6の後方には第二の蒸発器7bを設けている。また、第一の仕切り部材5と内箱10bとの間には、第一の風路(冷蔵室送風風路)12が形成されており、第二の仕切り部材6と内箱10bとの間には、第二の風路(冷凍室送風風路)15が形成されている。そして、第一の蒸発器7aの上方であって第一の風路12内には第一のファン9aを設けており、第二の蒸発器7bの上方であって第二の風路15内には第二のファン9bを設けている。
冷凍室4の背面側にあたる冷蔵庫1の下部には、圧縮機24を備える機械室20を設けている。冷蔵室2、野菜室3及び冷凍室4の庫内背面側には、それぞれ冷蔵室温度センサ42、野菜室温度センサ43及び冷凍室温度センサ44を設けており、各貯蔵室の温度を検知している。また、第一の蒸発器7aの上部には第一の蒸発器温度センサ47aを設け、第二の蒸発器7bの上部には第二の蒸発器温度センサ47bを設けており各蒸発器の温度を検知している。なお、各温度センサの位置はこれに限定するものではなく、各部の温度を検知可能な位置であればよい。
冷蔵庫1の上部には、制御装置の一例であるCPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御基板33を配置している。制御基板33は、温度センサ(冷蔵室温度センサ42、野菜室温度センサ43、冷凍室温度センサ44、第一の蒸発器温度センサ24a及び第二の蒸発器温度センサ47b)等と接続されている。前述のCPUは、これらの出力値と前述のROMに予め記録したプログラムを基に、圧縮機24や第一のファン9a、第二のファン9b、図2で後述する三方弁201、二方弁202の制御等を行っている。
これらの温度センサ42、43、44、47a、47bにより、各貯蔵室2、3、4、及び蒸発器7a、7bの温度を検知して、各貯蔵室の温度を制御している。
次に、実施例1の冷蔵庫1の風路構成と、第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bで冷却された空気の流れを説明する。
実施例1の冷蔵庫1では、第一の蒸発器7aで冷却された空気を冷蔵室2と野菜室3に送風する冷蔵室風路12と、第二の蒸発器7bで冷却された空気を冷凍室4に送風する冷凍室風路15があり、それぞれの風路は独立している。
まず、第一の蒸発器7aで冷却された空気を送風する第一の風路12について説明する。第一の蒸発器7aで冷却された空気は、第一の蒸発器7aの上方に設けた第一のファン9aにより昇圧される。昇圧された空気は第一の風路12を上方に流れ、第一の仕切り部材5に形成した複数の冷蔵室吐出口61から冷蔵室2に流入し、冷蔵室2内を冷却する。冷蔵室2を冷却した後の空気は、第一の区画部31に設けた第一の区画部風路13から野菜室3に流入し、野菜室3内を冷却する。その後、空気は野菜室3の下部背面側の第一の仕切り部材5に形成した第一の戻り口64に流入し、第一の戻り口64と繋がる第一の戻り風路(野菜室戻り風路)14に流入して第一の蒸発器7aに戻り、再び冷却されて第一の風路12を上方へ流れる。
次に、第二の風路15について説明する。第二の蒸発器7bで冷却された空気は、第二の蒸発器7bの上方に設けた第二のファン9bにより昇圧される。昇圧された空気は、第二の風路15を上方に流れ、第二の仕切り部材6に形成した複数の冷凍室吐出口65から冷凍室4に流入し、冷凍室4内を冷却する。冷凍室4を冷却した後の空気は、冷凍室4の下部背面側の第二の仕切り部材6に形成した第二の戻り口66から第二の戻り風路(冷凍室戻り風路)16に流入して第二の蒸発器7bに戻り、再び冷却される。
次に、図2は実施例1に関する冷凍サイクルの構成図である。
圧縮機24と放熱器(放熱手段)25は冷媒配管71により接続され、放熱器25とキャピラリチューブ(減圧手段)26は冷媒配管72により接続されている。キャピラリチューブ26は、冷媒配管73により三方弁201の流入口201iと接続されている。
三方弁201は冷媒流路の分岐部に備えられ、流入口201iから三方弁201内部に流入した冷媒を、第一の流出口201a側と第二の流出口201b側に切り替えて流すように構成している。
三方弁201の第一の流出口201aと第一の蒸発器7aは、冷媒配管74aにより接続され、第一の蒸発器7aの下流側は冷媒配管75aにより二方弁202と接続されている。一方、三方弁201の第二の流出口201bと第二の蒸発器7bは、冷媒配管74bにより接続され、第二の蒸発器7bの下流側は冷媒配管75bにより逆止弁203と接続されている。
二方弁202の下流側に接続する冷媒配管76aと、逆止弁203の下流側に接続する冷媒配管76bは、冷媒流路合流部204で接続されている。冷媒流路合流部204は、次の並列の冷媒流路が接続する部分である。すなわち、三方弁201、冷媒配管74a、第一の蒸発器7a、冷媒配管75a、二方弁202、冷媒配管76aを含む構成の冷媒流路(第一の冷媒流路p1)と、三方弁201、冷媒配管74b、第二の蒸発器7b、冷媒配管75b、逆止弁203、冷媒配管76bを含む構成の冷媒流路(第二の冷媒流路p2)が冷媒流路合流部204で接続している。第一の冷媒流路p1の下流側の冷媒配管76aと、第二の冷媒流路p2の下流側の冷媒配管76bが冷媒流路合流部204で接続して、この冷媒流路合流部204の下流には冷媒配管77が接続している。そして、冷媒配管77の下流側が圧縮機24と接続されており、以上の構成で冷凍サイクルを構成している。
三方弁201は、流入口201iと、第一の流出口201a、第二の流出口201bのうちの何れか又は両方を連通させる第一の冷媒制御手段であり、二方弁202は冷媒流路の開閉を行う第二の冷媒制御手段である。また、逆止弁203が常に上流側から下流側の1方向のみに冷媒を通過させるのに対し、冷媒制御手段である三方弁201及び二方弁202は、前述のCPU(図示せず)やユーザの冷却設定操作により、冷媒流路の連通や開閉を任意に行うことができる。なお本実施例では、冷媒にイソブタン(R600a)を用いている。
次に冷媒の流れについて説明する。
まず、三方弁201の出口を第一の流出口201a側(流入口201iと第一の流出口201aを連通した状態)にして、二方弁202を開にして、第一の蒸発器7a側に冷媒を流す第一の冷媒流路p1を説明する。圧縮機24から高温高圧となって吐出された冷媒は、放熱器25で冷却された後、キャピラリチューブ26を通過する際に減圧される。減圧されて低圧となった冷媒は、三方弁201の流入口201iと第一の流出口201aを通過して、第一の流出口201aと接続されている第一の蒸発器7aに流入する。この時、冷媒は第一の蒸発器7aの周囲の空気と熱交換して空気を冷却する。その後、冷媒は二方弁202、冷媒流路合流部204の順に通過して、圧縮機24に戻る。
次に、三方弁201の出口を第二の流出口201b側(流入口201iと流出口201bを連通した状態)にして、第二の蒸発器7b側に冷媒を流す第二の冷媒流路p2を説明する。この時の冷媒流路は、三方弁201の出口を第二の流出口201b側にしているので、三方弁201を通過した冷媒は、第二の流出口201bと接続されている第二の蒸発器7bに流入し、第二の蒸発器7bの周囲の空気と熱交換して、空気を冷却する。その後、冷媒は逆止弁203、冷媒流路合流部204の順に通過して、圧縮機24に戻る。
なお、三方弁201を全開(流入口201iと、第一の流出口201a、第二の流出口201bの両方を連通した状態)にすることで、第一の蒸発器7aと第二の蒸発器7bの何れにも冷媒を流し、第一の蒸発器7aによる冷蔵室2の冷却と、第二の蒸発器7bによる冷凍室4の冷却を同時に行うこともできる。
次に、図3は冷蔵庫の冷凍サイクルの状態を示すモリエル線図である。横軸は冷媒の比エンタルピー、縦軸は冷媒の圧力である。図3中の符号A、B、C、Dは、図2に同じ符号を付して示した冷媒配管中の冷媒の状態を表している。Aは圧縮機24の入口(冷媒配管77)、Bは圧縮機24の出口(冷媒配管71)、Cは放熱器25の出口(冷媒配管72)、Dはキャピラリチューブ44の出口(冷媒配管73)における、それぞれの冷媒の状態を表す。また、図3中のEは飽和蒸気線上にあり、第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7b内の冷媒が、液冷媒とガス冷媒の混在した気液二相域から、ガス冷媒のみとなるガス域に変わる時の状態を示す。すなわち、状態Dから状態Eが気液二相域、状態EからAがガス域である。また、図中の状態A、B、Cの比エンタルピーをh_A、h_B、h_Cとし(状態Cと状態Dではh_Cで共通)、状態B、Cの圧力を凝縮圧力Pdとし、状態D、Aの圧力を蒸発圧力Psとする。なお、ここでは冷媒配管内の圧力損失は無視し、図中の状態BからCまでの圧力変化や、状態DからAまでの圧力変化はゼロと見なしている。また、冷媒が減圧する際の熱交換等も無視し、状態CからDまでの比エンタルピー変化はゼロと見なしている。
圧縮機24に流入した状態Aの冷媒は、圧縮機24により圧縮され、冷媒の比エンタルピーはh_Aからh_Bに増加し、圧力はPsからPdに増加する(状態Aから状態B)。圧縮されて高温高圧となった冷媒は、放熱器25により放熱して、冷媒の比エンタルピーはh_Bからh_Cに減少する(状態Bから状態C)。状態Cに至った冷媒はキャピラリチューブ26を通過する際に減圧され、圧力はPsからPdに減少する(状態Cから状態D)。その後、蒸発器(第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bの少なくともいずれか)内の冷媒(状態D)は、各貯蔵室からの戻り空気と熱交換して吸熱し、比エンタルピーはh_Cからh_Aに増加する(状態Dから状態A)。この時、状態Eは飽和蒸気線上にあるので、冷媒は第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bの少なくともいずれかを通過する間に、各貯蔵室からの戻り空気の熱により液冷媒の状態Dから状態Eまで徐々に気化し、状態Eにおいて気液二相域からガス域に変化する。そして、状態Aの冷媒は圧縮機24に戻り、再び圧縮される。
以上が実施例1の冷蔵庫1の基本的な構成と、冷凍サイクルである。
次に、実施例1の第一の蒸発器7aの除霜運転について説明する。第一の蒸発器7aは、冷蔵室2及び野菜室3を冷却している間に霜が生じる。この霜が成長すると、第一の蒸発器7aの通風抵抗と熱抵抗が増加して、それに伴い冷却性能が低下する。そのため、定期的に第一の蒸発器7aに付着して成長した霜を解かす除霜運転を行っている。
図4は実施例1に関する第一の蒸発器7aを除霜する場合の温度チャートの例である。
横軸は時間、縦軸は各温度センサが示す温度を表している。第一の除霜モードd1及び第二の除霜モードd2における各構成部材の状態は、図中下部の表にまとめて示している。なお、図2で示したように、実施例1の冷蔵庫1は、冷蔵室2と野菜室3が連通されており、それぞれを一体に制御するため、以下では野菜室3を省略して説明することがある。
まず、図4下部の表に示す2つの除霜運転、すなわち第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2における、各構成部材の状態について説明する。
第一の除霜モードd1は、圧縮機24と第二のファン9bをOFF、第一のファン9aをON、三方弁201の出口を第二の流出口201b側に切替、二方弁202を閉としている。この第一の除霜モードd1では、三方弁201及び二方弁202を制御することで、第一の蒸発器7aの上流側及び下流側の冷媒流路をそれぞれ閉塞させる。第一の除霜モードd1は各構成部材を以上のような状態に制御することで、第一の蒸発器7aを冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気と熱交換して除霜する間、冷凍室4の冷却を行わないモードである。さらに第一の除霜モードd1では、第一の蒸発器7aの上流側及び下流側の冷媒流路をそれぞれ閉塞させることによって、第一の蒸発器7aに低温冷媒が流入して除霜が遅延することを抑制している。
なお、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気は、第一の蒸発器7aと熱交換することで低温となり、この低温の空気で冷蔵室2の冷却が行われる。一方、冷凍室4の冷却は行わない。冷凍室4の冷却を行わないのは、冷凍室4が所定の下限温度に達して冷却の必要がない場合等が想定される。
次に第二の除霜モードd2は、第一の除霜モードd1と同様に、三方弁201の出口を第二の流出口201b側に切替、二方弁202を閉として、第一の蒸発器7aの上流側及び下流側の冷媒流路を閉塞させている。さらに圧縮機はONにした状態で、冷媒が第二の蒸発器7b側に流れるように制御する。また、第一のファン9aをONにして第一の蒸発器7aの周囲の空気を冷蔵室2に送風し、第二のファン9bをONにして第二の蒸発器7bの周囲の空気を冷凍室4に送風する。第二の除霜モードd2では各構成部材を以上のような状態に制御することで、第一の蒸発器7aを冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気と熱交換して除霜する間に、冷凍室4の冷却を行うモードである。
なお、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気は、第一の蒸発器7aと熱交換することで低温となり、この低温の空気で冷蔵室2が冷却される。一方、冷凍室4は、冷凍サイクルの稼働によって第二の蒸発器7bと熱交換した周囲の空気で冷却する。さらに、第一の蒸発器7aの上流側及び下流側の冷媒流路を閉塞させることで、圧縮機24をONにしても第一の蒸発器7a側に冷媒が流れないようにしている。この構成によって、時刻bから時刻cの間に、第一の蒸発器7aに低温冷媒が流入して除霜が遅延することを抑制している
次に、図4に示す第一の蒸発器7aを除霜する場合の温度チャートの一例を用いて、各除霜モードd1、d2の制御について説明する。
時刻aは除霜運転開始のタイミングである。まず、冷凍室温度センサ44の検知温度が温度TF1未満である時刻bまで、第一の除霜モードd1にて第一の蒸発器7aの除霜を行う。この間、冷蔵室温度センサ42の検知温度は、点線で示す第一のファン9aをOFFにした場合よりも低くなっている。また、第一の蒸発器温度センサ47aの検知温度は上昇している。この理由を以下で説明する。
第一の除霜モードd1では、第一のファン9aをONにしているので、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気が第一の蒸発器7aを通過する際に0℃以下の霜で冷却されて、その冷却された空気によって冷蔵室2は冷却される。従って、点線で示す第一のファン9aをOFFにした場合よりも、冷蔵室温度センサ42の温度は低くなっている。なお、第一のファン9aの回転数が高過ぎると、第一のファン9aが熱負荷となり、第一の蒸発器7aを通過した後の空気の温度が上昇する。そのため、第一のファン9aは、冷蔵室2及び野菜室3を冷却できる空気温度が得られる範囲の回転数に制御している。
一方、0℃以上(一例として約4℃)の冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気が第一の蒸発器7aに流れることで、0℃以下であった第一の蒸発器7aは加熱されて温度が上昇する。この時、圧縮機24をOFFにしているので、第一の蒸発器7aは冷凍サイクル稼働による冷媒で冷却されることはない。
次に、時刻bから時刻cについて説明する。時刻bは、時刻aから時刻bの間に冷凍室4の温度が上昇し、冷凍室温度センサ44が温度TF1以上に到達したタイミングである。冷凍室4の冷却が必要と判断される温度TF1に到達したので、第二の除霜モードd2、すなわち第一の蒸発器7aを除霜しながら、第二の蒸発器7bで冷凍室4を冷却するモードに切換える。時刻bから時刻cにおいて、冷蔵室温度センサ42の検知温度は点線で示す第一のファン9aをOFFにした場合よりも低く、第一の蒸発器温度センサ47aの温度は途中まで上昇している。加えて、時刻bから時刻cでは、第二の蒸発器温度センサ47bの温度が低下し、冷凍室温度センサ44の温度も低下している。これは、第一の除霜モードd1と同様、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気が第一の蒸発器7aを通過する際に0℃以下の霜で冷却されて、その冷却された空気によって冷蔵室2が冷却されることによる。また、0℃以上の冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気が第一の蒸発器7aに流れることで、0℃以下であった第一の蒸発器7aが加熱されて温度が上昇することによる。
第二の除霜モードd2は第一の除霜モードd1と同様、三方弁201と二方弁202によって、第一の蒸発器7aの上流側と下流側の冷媒流路をそれぞれ閉塞させており、圧縮機24をONにしても第一の蒸発器7a側に冷媒が流れないようにしている。この構成によって、時刻aから時刻bと同様に、第一の蒸発器7aは冷凍サイクルの稼働による冷媒との熱交換で冷却されることを抑制している。 一方、第二の除霜モードd2では、第二のファン9bを駆動させ、第二の蒸発器7bを通過して冷却された空気を冷凍室4に送風している。この時、三方弁201の出口を第二の流出口201b側にして、第二の蒸発器7b側に冷媒が流れる第二の冷媒流路p2を構成した状態で、圧縮機24をONにして第二の蒸発器7bに冷媒を流す。これにより、第二の蒸発器7bに低温冷媒が流入して第二の蒸発器7bの周囲の空気を冷却している。すなわち、冷凍室4を冷却するために、冷凍室4よりも第二の蒸発器7bを低温にしている。このため、時刻bから時刻cでは、第二の蒸発器温度センサ47bと冷凍室温度センサ44の温度が低下している。
なお、時刻bから時刻cの途中で第一の蒸発器7aの温度が一定になるが、これは霜が融解する間は霜の温度が融点(0℃)で一定になるためである。
第一の蒸発器温度センサ47aの温度は上昇していないが、この間も第一の蒸発器7aは加熱され、徐々に霜が解けている。なお、この霜が液体に変化する際の潜熱のエネルギーによって第一の蒸発器7aの周囲の空気は冷却されるので、この空気によって冷蔵室2を冷却又は温度維持することが可能である。
この第二の除霜モードd2により、冷凍室4を冷却し、冷凍室温度センサ44が温度TF2以下である時刻cに到達すると、冷凍室4の冷却を止めて第一の除霜モードd1に戻る。時刻c以降は第一の除霜モードd1により、第一の蒸発器7aの除霜運転を続け、第一の蒸発器7aに付着した霜を解かし、第一の蒸発器温度センサ47aが温度Tdf(0℃以上の温度で、例えば2℃)に到達する時刻dで、第一の蒸発器7aの除霜運転を終了する。なお、時刻cから時刻dの間の後半部分で、第一の蒸発器温度センサ47aの検知温度が上がっているが、この温度は例えば最大でTDfの値(一例として2℃程度)である。そのため、第一の蒸発器温度センサ47aの検知温度が時刻dの温度TDfに至るまでは、冷蔵室2を冷却又は温度維持する程度の低温空気が第一の蒸発器7aとの熱交換で得られるので、冷蔵室温度センサ42の検知温度は上昇しないか維持されて、第一の除霜モードd1を継続している。
時刻cから時刻dの間に、冷凍室温度センサ44が再び温度TF1以上となった場合は、第二の除霜モードd2を用いて時刻bから時刻cと同様の運転を行う。
以上が実施例1の第一の蒸発器7aの基本的な除霜運転である。このように、実施例1の第一の蒸発器7aの除霜運転では、冷蔵室2(及び野菜室3)の空気を熱源として、第一の蒸発器7aに付着した霜を解かしている。
蒸発器の霜を解かす手段としては、例えば、電気ヒータを用いることもあるが、電気ヒータによる除霜は、一般的に霜の加熱に多くの電力を消費(一般的に約100〜200W)する。
一方、実施例1の冷蔵庫1の除霜手段は、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気を熱源とすることで、第一のファン9aの消費電力(約1〜2W)のみで第一の蒸発器7aの霜を解かすことができ、除霜時の消費電力量を抑えることができる。さらに、除霜運転中に、冷凍サイクルを用いることなく(圧縮機24を駆動せずに)冷蔵室2を冷却することができるので、省エネルギー性能が高い除霜方法である。
また、実施例1の冷蔵庫1は、第一の蒸発器7aを除霜しながら、冷凍室4を冷却する第二の除霜モードd2を備えている。第一の蒸発器7aの除霜中に冷蔵室2は冷却され、一方、冷凍室4は第二の蒸発器7bの冷却運転(圧縮機24を駆動して冷凍サイクルで冷却する通常の運転)によって冷却される。除霜用の電気ヒータを用いない実施例1の第一の蒸発器7aの除霜運転は、電気ヒータを用いる場合に比べて加熱量が少ないので時間が比較的長くなり易いが、第二の蒸発器7bを用いた冷却運転を同時に実施できるので、冷凍室4の温度を適切に制御することができる。
このように、実施例1の冷蔵庫1では、第二の除霜モードd2、すなわち第一の蒸発器7aの除霜運転を行い、同時に第二の蒸発器7bによる冷凍室4の冷却運転を行う。
この時、第一の蒸発器7aは、霜を解かすために最低限0℃以上にする必要がある。一方、冷凍室4を0℃より低い所定温度(本実施例では約−18℃)に冷却維持できるように、第二の蒸発器7bを0℃より低い所定温度(本実施例では約−18℃以下)にする必要がある。
従って、図4の時刻aから時刻d、特に第二の除霜モードd2が行われる時刻bから時刻cでは、第一の蒸発器温度センサ47aと第二の蒸発器温度センサ47bの検知温度帯が大きく異なっていることが分かる。これを踏まえて、次に第二の除霜モードd2の場合の、蒸発器内の冷媒の状態を検討する。
図5は実施例1に関する第二の除霜モードd2における第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7b内の冷媒の流れである。
冷媒配管内の矢印は、冷媒の流れを示している。第二の除霜モードd2では、三方弁201の出口を第二の流出口201b側にし、また二方弁202を閉にして、第二の蒸発器7b側に冷媒が流れる第二の冷媒流路p2を構成している。キャピラリチューブ26を通過した冷媒は、冷媒配管73、三方弁201の流入口201i、第二の流出口201b、冷媒配管74b、第二の蒸発器7b、冷媒配管75b、逆止弁203、冷媒配管76bの順(第二の冷媒流路p2)に流れる。その後、冷媒流路合流部204で第一の蒸発器7a側の冷媒配管76aと合流した冷媒は、冷媒配管77、圧縮機24の順に流れる。
一方、第一の蒸発器7a側では、三方弁201の出口を第二の流出口201b側にし、二方弁202を閉にしているので、第一の蒸発器7aに接続する上流側と下流側の冷媒配管74a、75aは閉塞され、第一の蒸発器7aの冷媒の流出や流入が抑制されている。
第二の蒸発器7bの冷媒と熱交換した空気によって冷凍室4を冷却するため、第二の蒸発器7bを流れる冷媒の温度は、上述の通り0℃未満の所定温度(本実施例では少なくとも−18℃以下)にしている。
第二の蒸発器7b内を流れる冷媒は、図3のモリエル線図上に示したように、空気側の熱によって冷媒を気化させて気液二相域の状態Dから状態Eに変化する。気液二相域では冷媒の温度が決まると蒸発圧力も一意的に決まるので、ここでは一例として、第二の蒸発器7b内の冷媒温度を−25℃とする時の蒸発圧力をPs_−25とする。
一方、第一の蒸発器7a側に冷媒を流す場合、例えば、冷蔵室2の冷却運転(圧縮機24を駆動して冷凍サイクルで冷却する運転)を行う場合も同様に、気液二相域の状態Dで第一の蒸発器7aに流入した冷媒が、徐々に状態Eに変化する(図3参照)。すなわち、冷凍サイクルによる冷却運転中の第一の蒸発器7a内には、液冷媒とガス冷媒が混在する。通常、冷凍サイクルによる冷却運転を実施した後に除霜運転に移行することになり、冷媒の流れを止めると、第一の蒸発器7a側の冷媒流路内にはこの液冷媒とガス冷媒が混在した気液二相域の状態の冷媒が残る。よって、除霜運転中も冷媒の温度が決まると蒸発圧力が一意的に決まるので、ここでも一例として、第一の蒸発器7aの除霜運転を行い、冷媒温度が霜の融解温度の0℃に到達した時の蒸発圧力をPs_0とする。
気液二相域の冷媒は温度が高いほど圧力が高くなるので、第一の蒸発器7a内の蒸発圧力Ps_0の方が、第二の蒸発器7b内の蒸発圧力Ps_−25よりも高くなる。このため、第一の蒸発器7a側の冷媒圧力は、第二の蒸発器7b側に比べて高い状態にする必要がある。
ここで、改めて従来の冷蔵庫における課題を検討する。まず、従来の冷蔵庫として、二方弁202を備えていない冷凍サイクル(例えば特許文献1の図2参照)について検討する。第一の蒸発器7aの下流側に冷媒制御手段(二方弁202)を備えていない場合、第一の蒸発器7aと冷媒流路合流部204は常に連通された状態になる。この状態で、第二の蒸発器7b側に冷媒を流して、第二の蒸発器7b内の冷媒の温度を−25℃(蒸発圧力をPs_−25)にすると、冷媒が流れる冷媒流路合流部204内の冷媒圧力がPs_−25になり、この冷媒流路合流部204と連通された第一の蒸発器7a内の冷媒圧力も同じになる。従って、第一の蒸発器7aの冷媒圧力が低下して冷媒温度が上がらなくなるので、第一の蒸発器7aの霜を解かすことができないか遅延することになる。
このような現象は、仮に第一の蒸発器7aの下流側に逆止弁を備えた場合(例えば特許文献2の図22)でも生じる。逆止弁は、圧縮機24を稼働した際の冷凍サイクルによる冷却運転時の流れと逆方向に、冷媒が流れないようにするものである。ここでは、図5の二方弁202を逆止弁に置き換えた場合を検討する。第一の蒸発器7a側の蒸発圧力をPs_0、第二の蒸発器7b側の蒸発圧力をPs_−25とした時、逆止弁を挟んで配置した冷媒配管75aと冷媒配管76aの冷媒圧力を比較すると、第一の蒸発器7a側に接続している冷媒配管75aの方が高くなる。従って、二方弁202の箇所に逆止弁を備えても、冷媒配管75aから冷媒配管76aの向きに冷媒が流れて圧力差が解消してしまうので、第一の蒸発器7aの蒸発圧力Ps_0を維持できず、第一の蒸発器7a内の冷媒が0℃以下になる。
以上のように、二方弁202を備えていない冷凍サイクルでは、冷蔵室2の空気を熱源とした第一の蒸発器7aの除霜運転と、第二の蒸発器7bによる冷凍室4の冷却運転が同時に実施できない場合がある。
これに対し、本実施例1では、並列接続した冷媒流路の上流(冷媒流路分岐部)に三方弁201を設け、さらに、第一の蒸発器7aの下流であって冷媒流路合流部204に至るまでの冷媒流路に二方弁202を設けている。これによって、三方弁201の出口を第二の流出口201b側に切替、二方弁202を閉にすると、第一の蒸発器7a側への冷媒の流出や流入を抑制することができる。
また、第一の蒸発器7aの蒸発圧力と、第二の蒸発器7bの蒸発圧力を独立して制御することができる。すなわち、第一の蒸発器7aの霜を解かしながら、同時に第二の蒸発器7bに冷媒を流して冷凍室4の冷却を行うことができる。これにより、電気ヒータ等を用いることなく第一の蒸発器7aの霜を冷蔵室2からの戻り冷気によって解かし、加えて、第一の蒸発器7aの除霜運転中に第一の蒸発器7aによって冷やされた空気を冷蔵室2に送風して冷却することができるため、省エネルギー性能の高い除霜運転が可能となる。
以上のように、並列接続した冷媒流路の上流(冷媒流路分岐部)に三方弁201を設け、第一の蒸発器7aから冷媒流路合流部204に至るまでの冷媒流路に二方弁202を設けた実施例1により、冷蔵室2の空気を熱源に用いた省エネルギー性能が高い除霜運転を行いながら、各貯蔵室の温度を適切に保持する冷蔵庫を提供することができる。
また、第一の蒸発器7aの除霜終了直後は、三方弁201を流路p1側にして、二方弁202を開として冷媒を流す。送風は冷蔵室2(及び野菜室3)側のみ又はいずれの貯蔵室にも行わないように制御する。これにより、冷凍室4に温度が比較的高い空気を送風しないことで、冷凍室4の温度上昇を抑えることができる。また、逆止弁203によって、第二の蒸発器7bの下流側から第二の蒸発器7bに冷媒が流入することを抑制し、第二の蒸発器7bの圧力(温度)が上昇することを抑制することができる。
ここまでで、実施例1の冷蔵庫が有する効果を説明した。次に、同様の効果が得られる他の冷凍サイクルの例を図6に示す。図6は本発明の実施例1に関する図2と異なる冷凍サイクルの構成図である。
図6に示した冷凍サイクルは、図2に示した冷凍サイクルの三方弁201の代わりに、冷媒流路分岐部205の下流であって第一の蒸発器7aの上流に二方弁206を設けて、冷媒流路分岐部205の下流であって第二の蒸発器7bの上流に二方弁207を設けたものである。その他の構成は図2に示した冷凍サイクルと同様であるため、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。冷媒流路分岐部205は、冷媒配管73、78a、78bを接続し、冷媒配管73の下流側の冷媒流路が第一の蒸発器7a側と第二の蒸発器7b側に分岐している。冷媒配管78aは、二方弁206と接続され、二方弁206と第一の蒸発器7aは接続配管79aにより接続されている。一方、冷媒配管78bは二方弁207と接続され、二方弁207と第二の蒸発器7bは接続配管79bにより接続されている。
図6に示した冷凍サイクルは、図2で示した三方弁201を設けた冷凍サイクルと同等の制御を行うことができるので、図2で示した実施例1の冷蔵庫1と同様の効果が得られる。例えば、二方弁206を開、二方弁207を閉とすることで、図2において、三方弁201の出口を第一の流出口201a側に切り替えた場合の冷媒流路と同等になり、また、二方弁206を閉、二方弁207を開とすることで、図2において、三方弁201の出口を第二の流出口201b側に切り替えた場合の冷媒流路と同等になる。また、二方弁206と二方弁207の何れも開とすることで、三方弁201を全開にした場合の冷媒流路と同等にすることもできる。
すなわち、冷媒流路分岐部205から第一の蒸発器7aに至る冷媒流路、及び冷媒流路分岐部205から第二の蒸発器7bに至るまでの冷媒流路に、第一の冷媒制御手段である二方弁206、207をそれぞれ設け、第一の蒸発器7aから冷媒流路合流部204に至るまでの冷媒流路に、第二の冷媒制御手段である二方弁202を設ける。これにより、冷蔵室2の空気を熱源として第一の蒸発器を除霜する省エネルギー性能が高い除霜運転を行いながら、各貯蔵室の温度を適切に保持する冷蔵庫を提供することができる。
なお、図6と図2に示した冷凍サイクルではそれぞれ同様の効果が得られるが、図2では図6の二方弁206、207を三方弁201に集約しているので、図2に示した冷凍サイクルの方が省スペースと低コストの観点で有利となる。一方、図6の冷凍サイクルでは、並列接続した冷媒流路を、二方弁206、207によってそれぞれ独立して開閉制御できるので、各蒸発器や各貯蔵室の温度に応じた冷媒流量の調整が容易となる。
次に、本発明に関する冷蔵庫の実施例2を、図7から図11を参照して説明する。なお、実施例1と同一の部材については、同一符号を付して説明を省略する。
実施例2の冷蔵庫では、第一の貯蔵室(冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室2及び野菜室3)と第二の貯蔵室(冷凍温度帯の貯蔵室である冷凍室4)のそれぞれの冷却を、第一の蒸発器7aと第二の蒸発器7bの何れか、または両方の蒸発器を用いて行う構成である。すなわち、風路を切換えることによって、第一の蒸発器7aで冷却された空気を、第一の貯蔵室(冷蔵室2、野菜室3)と第二の貯蔵室(冷凍室4)の何れにも送風することができ、また、第二の蒸発器7bで冷却された空気も、第一の貯蔵室と第二の貯蔵室の何れにも送風することができる。
実施例1では、第一の蒸発器7aに対して冷蔵室2の空気を熱源に用いた除霜運転を説明した。実施例2では、第一の蒸発器7aに加えて第二の蒸発器7bに対しても冷蔵室2及び野菜室3の空気を熱源に用いた除霜運転を行う。その際に、第一の蒸発器7aと同様に、第二の蒸発器7bの上流側と下流側に冷媒流路を閉塞させる冷媒制御手段(三方弁201、二方弁208)を設けることで、第二の蒸発器7bの除霜運転中に冷凍室4の冷却が可能となる。これにより、第二の蒸発器7bに対しても、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気を熱源に用いた省エネルギー性能の高い除霜運転が可能となる。
次に、実施例2の冷凍サイクルについて説明する。図7は実施例2に関する冷凍サイクルの構成図である。
図7に示した冷凍サイクルは、実施例1の図2に示した冷凍サイクルの逆止弁203の代わりに、二方弁208を設けたもので、その他は図2に示した冷凍サイクルと同じである。実施例2の第二の冷媒制御手段は、二方弁202と二方弁208である。
第一の蒸発器7aの出口側は冷媒配管75aにより二方弁202と接続され、第二の蒸発器7bの出口側は、接続配管75bにより二方弁208と接続されている。また、二方弁202の下流に接続した冷媒配管76aと、二方弁208の下流に接続した冷媒配管76bとは、冷媒流路合流部204で接続されている。
第一の蒸発器7aの上流側の冷媒流路に設けた三方弁201(第一の冷媒制御手段)と、下流側の冷媒流路に設けた二方弁202(第二の冷媒制御手段)で第一の冷媒流路p1を制御することで、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気を熱源に用いた第一の蒸発器7aの除霜運転を実施できる。さらに、第二の蒸発器7bの上流側の冷媒流路に設けた三方弁201(第一の冷媒制御手段)と、下流側の冷媒流路に設けた二方弁208(第二の冷媒制御手段)で第二の冷媒流路p2を制御することで、第二の蒸発器7bも冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気を熱源に用いた除霜運転が実施できる。
次に、実施例2の冷蔵庫1における風路構成と、第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bで冷却された空気の流れを説明する。
図8は、実施例2に関する各蒸発器7a、7bから各貯蔵室2、3、4への空気送風を説明する概略図である。図中の空気の流れは、風路開閉手段である複数の電動ダンパを全て開にした場合を示している。
実施例2の冷蔵庫1では、送風制御手段(電動ツインダンパ)51、52、53、54により、第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bで冷却された空気の流れを制御している。
電動ツインダンパとは、送風制御手段(開口を開閉する開閉体)を2つ備え、この2つの送風制御手段を1つのステッピングモータで制御する構成である。例えば、電動ツインダンパ51は、送風制御手段(開閉体)51a、51bの2つの送風制御手段を備え、1つのステッピングモータ(図示せず)でこの2つの送風制御手段51a、51bを制御できる構成であり、複数の風路の開閉を制御することができる。本実施例の冷蔵庫1では送風制御手段(開閉体)を8つ備えているが、電動ツインダンパを用いることで4つのステッピングモータで8つの送風制御手段を制御し、省スペース化と低コスト化を図っている。なお、電動ツインダンパに限定されず、通常の電動シングルダンパ(1つの送風制御手段(開閉体)を1つのモータで駆動する風路開閉手段)やダンパサーモ等、公知の風路開閉手段を採用することができる。
まず、第一の蒸発器7aで冷却された空気を冷蔵室2に送風する場合の空気の流れを説明する。第一の蒸発器7aの下流側の風路(第一の蒸発器下流風路)102aと第二の蒸発器7bの下流側の風路(第二の蒸発器下流風路)102bの下流には、送風制御手段51a,51b(冷蔵室上流送風制御手段51)が配置されている。送風制御手段51a,51bの下流は冷蔵室2と連通する風路(冷蔵室送風風路)103に接続している。
第一の蒸発器7aの下流側の風路(第一の蒸発器下流風路)102aと第二の蒸発器7bの下流側の風路(第二の蒸発器下流風路)102bの下流には、冷蔵室送風制御手段51とは別に送風制御手段53a,53b(冷凍室上流送風制御手段53)が配置されている。送風制御手段53a,53bの下流は冷等室4と連通する風路(冷凍室送風風路)107に接続している。
第一の蒸発器7aの上流側の風路(第一の蒸発器上流風路)106aと第二の蒸発器7bの上流側の風路(第二の蒸発器上流風路)106bの上流には、送風制御手段52a,52b(冷蔵室下流送風制御手段52)が配置されている。送風制御手段52a,52bの上流は野菜室3と連通する風路(野菜室戻り風路)105に接続している。
なお、冷蔵室2と野菜室3は連通風路104で接続しており、冷蔵室2の空気が連通風路104を介して野菜室3に流入する構成である。
第一の蒸発器7aの上流側の風路(第一の蒸発器上流風路)106aと第二の蒸発器7bの上流側の風路(第二の蒸発器上流風路)106bの上流には、冷蔵室送上流風制御手段52とは別に、送風制御手段54a,54b(冷凍室下流送風制御手段54)が配置されている。送風制御手段54a,54bの上流は冷凍室3と連通する風路(冷凍室戻り風路)108に接続している。
第一の蒸発器7aで冷却された空気を冷蔵室2に送風する場合、送風制御手段51a,52aを開とし、送風制御手段53a,54aを閉とする。第一の蒸発器7aで冷却された空気は、第一の蒸発器7aが設けられた冷却室101aを介して、第一のファン9aにより昇圧される。昇圧された空気は、第一の蒸発器7aの下流側の風路(第一の蒸発器下流風路)102a、送風制御手段51a、風路(冷蔵室送風風路)103を介して、冷蔵室吐出口61から冷蔵室2に流入し、冷蔵室2内を冷却する。冷蔵室2を冷却した空気は、冷蔵室戻り口62、連通風路104を介して、野菜室吐出口63から野菜室3に流入し、野菜室3内を冷却する。その後、空気は野菜室戻り口64から、風路(野菜室戻り風路)105、送風制御手段52a、風路(第一の蒸発器上流風路)106aを介して第一の蒸発器7aに戻る。
次に、第一の蒸発器7aで冷却された空気を冷凍室4に送風する場合の空気の流れを説明する。この時、送風制御手段51a,52aを閉とし、送風制御手段53a,54aを開とする。第一の蒸発器7aで冷却された空気は、冷却室101aを通過し、第一のファン9aにより昇圧され、第一の蒸発器7aの下流側風路(第一の蒸発器下流風路)102a、送風制御手段53a、風路(冷凍室送風風路)107を介して、冷凍室吐出口65から冷凍室4に流入し、冷凍室4内を冷却する。冷凍室4を冷却した空気は、風路(冷凍室戻り風路)108、送風制御手段54a、風路(第一の蒸発器上流風路)106aを介して、第一の蒸発器7aに戻る。
第二の蒸発器7bから各貯蔵室への冷気の流れも、基本的には第一の蒸発器7aと同様である。
送風制御手段51b,52bを開とし、送風制御手段53b,54bを閉として、第二の蒸発器7bで冷却された空気を冷蔵室2に送風する場合の空気の流れを説明する。第二の蒸発器7bで冷却された空気は、第二の蒸発器7bが設けられた冷却室101bを介して、第二のファン9bにより昇圧される。昇圧された空気は、風路(第二の蒸発器下流風路)102b、送風制御手段51b、風路(冷蔵室送風風路)103に至る。風路(冷蔵室送風風路)103から風路(野菜室戻り)105までの空気の流れは第一の蒸発器7aでの説明と同様で、この間に冷蔵室2内と野菜室3内を冷却する。風路(野菜室戻り風路)105に至った空気は、送風制御手段52b、風路(第二の蒸発器上流風路)106bを介して第二の蒸発器7bに戻る。
次に、送風制御手段51b,52bを閉とし、送風制御手段53b,54bを開として、第二の蒸発器7bで冷却された空気を冷凍室4に送風する場合の空気の流れを説明する。第二の蒸発器7bで冷却された空気は、冷却室101bを通過し、第二のファン9bにより昇圧され、風路(第二の蒸発器下流風路)102b、送風制御手段53b、風路(冷凍室送風風路)107、冷凍室吐出口65を介して冷凍室4に流入し、冷凍室4内を冷却する。その後、空気は風路(冷凍室戻り風路)108、送風制御手段54b、風路(第二の蒸発器上流風路)106bを介して、第二の蒸発器7bに戻る。
以上のように、実施例2の冷蔵庫1は、各送風制御手段を制御することで、第一の蒸発器7aで冷却された空気を、第一の貯蔵室(冷蔵室2、野菜室3)と第二の貯蔵室(冷凍室4)の何れにも送風することができ、また第二の蒸発器7bで冷却された空気も、第一の貯蔵室と第二の貯蔵室の何れにも送風することができる。
次に、実施例2に関する第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bの除霜運転の制御について説明する。
図9は実施例2に関する第一の蒸発器7aを除霜する場合の温度チャートの例である。図10は実施例2に関する第二の蒸発器7bを除霜する場合の温度チャートの例である。
第一の蒸発器7aの除霜運転では、第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2(図9参照)を、第二の蒸発器7bの除霜運転では第三の除霜モードd3と第四の除霜モードd4(図10参照)をそれぞれ実施する。従って、実施例2では、第一の蒸発器7aと第二の蒸発器7bに対する除霜運転として、少なくとも第一の除霜モードd1から第四の除霜モードd4までの4通りの除霜運転を行う。
実施例2における、第一の蒸発器7aの第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2は、実施例1の第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2と同様である(図4参照)。但し、図7に示したように、実施例2では新たに二方弁208、冷蔵室上流送風制御手段51、冷蔵室下流送風制御手段52、冷凍室上流送風制御手段53及び冷凍室下流送風制御手段54を備えており、これらの制御が追加されている。図9及び図10の下部に記載の表では、送風制御手段が開状態のものを○で示している。
次に、図9、図10を用いて、各除霜モードの制御について説明する。
図9に示した第一の蒸発器7aの第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2の切換えは、実施例1の第一の蒸発器7aの第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2の切換えと同じ制御(図4参照)を行うので、ここでは説明を省略する。なお、実施例2で追加した二方弁208は、第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2のいずれの場合も開とする。また、第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2のいずれの場合も、第一の蒸発器7aで冷却された空気は冷蔵室2に送風するため、送風制御手段51a,52aを開、送風制御手段53a,54aを閉とし、除霜モードd2では、第二の蒸発器7bで冷却された空気は冷凍室4に送風するため、送風制御手段51b,52bを閉、送風制御手段53b,54bを開とする。なお、第一の除霜モードd1の送風制御手段51b,52b,53b,54b、及び後述する第三の除霜モードd3の送風制御手段51a,52a,53a,54aの状態は、それぞれ第二の除霜モードd2、第四の除霜モードd4と同じにしている。
一方、図10に示した第二の蒸発器7bの第三の除霜モードd3と第四の除霜モードd4は、第一の蒸発器7aで実施される第一の除霜モードd1と第二の除霜モードd2に対応する除霜運転となる。第二の蒸発器7bの除霜運転を実施するので、第二の蒸発器温度センサ47bで測定される温度は、除霜運転開始(時刻e)から徐々に温度が上昇し、除霜終了時(時刻h)には温度TDfに到達する。
時刻eから時刻f、及び時刻gから時刻hの第三の除霜モードd3では、送風制御手段51b,52bを開、送風制御手段53b,54bを閉として第二のファン9bをONにしているので、冷蔵室2の空気が第二の蒸発器7bを通過する際に霜で冷却され、冷蔵室温度センサ42の温度は徐々に低くなっている。この間、第一のファン9aはOFF、三方弁201の出口は第一の流出口201a側(流入口201iと第一の流出口201aを連通)、二方弁202は開、二方弁208は閉にして、第二の蒸発器7bの上流側と下流側の冷媒流路を閉塞させる。なお、圧縮機24はOFFである。
時刻fで冷凍室温度センサ44の検知温度が温度TF1以上になったので、時刻fから時刻gの第四の除霜モードd4では、圧縮機24をONにして第一の蒸発器7aを冷却し、冷凍室4を冷やす。この間、三方弁201の出口を第一の流出口201a側、二方弁202を開、二方弁208を閉にして、第二の蒸発器7bの上流側と下流側の冷媒流路を閉塞させながら、第一の蒸発器7a側に冷媒を流して低温にする。そして、送風制御手段51a,52aを閉、送風制御手段53a,54aを開として第一のファン9aをONにして、この第一の蒸発器7aで冷却された空気を冷凍室4に送風しているので、冷凍室温度センサ44の検知温度も徐々に低くなっている。
このように、実施例2では第一の蒸発器7aに加え、第二の蒸発器7bに対しても、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気を熱源に用いた省エネルギー性能が高い除霜運転を行いながら、他方の蒸発器で冷凍室4を冷却して除霜運転中の温度上昇を抑え、各貯蔵室の温度を適切に保持することができる。
なお、実施例2の第四の除霜モードd4は、第二の除霜モードd2と同様に、一方の蒸発器の除霜運転と同時に、他方の蒸発器による冷凍室4の冷却運転を実施している。この場合、実施例1で説明したように、第一の蒸発器7a内と第二の蒸発器7b内の圧力を独立して制御する必要がある。これに対し、実施例2では新たに二方弁208を第二の冷媒流路p2に設けているので、三方弁201の出口を第一の流出口201a側にし、二方弁208を閉にすることができる。これにより、第二の蒸発器7bへの冷媒の流出や流入を抑制できるようになり、第一の蒸発器7a内と第二の蒸発器7b内の圧力を独立して制御することができる。
以上のように、第一の貯蔵室(冷蔵室2、野菜室3)と第二の貯蔵室(冷凍室4)のそれぞれの冷却を、第一の蒸発器7aと第二の蒸発器7bの何れかまたは両方の蒸発器を用いて行うことができる冷蔵庫において、並列の冷媒流路の上流側の分岐部(冷媒流路分岐部)に第一の冷媒制御手段である三方弁201を設け、第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bから下流側の冷媒流路合流部204に至るまでの冷媒流路に、第二の冷媒制御手段である二方弁202,208をそれぞれ設けることで、第一の蒸発器7a及び第二の蒸発器7bの何れの蒸発器を除霜する場合も、冷蔵室2及び野菜室3からの戻り空気を熱源に用いた省エネルギー性能が高い除霜運転を行いながら、各貯蔵室の温度を適切に保持することができる。
また、第一の蒸発器7aの除霜後、すぐに第一の蒸発器7aと第二の蒸発器7bに同時に冷媒を流し、冷凍室4に送風した場合、第一の蒸発器7aと第二の蒸発器7bの圧力差を解消するように、第二の蒸発器7bの温度が上昇し、冷凍室4の温度が上昇してしまう。また、第二の蒸発器7bの温度が上昇すると、再度低温にするためのエネルギー消費が増大する。
そこで本実施例では、第一の蒸発器7aの除霜終了直後は、三方弁201を流路p1側にして、二方弁202を開、二方弁208を閉として冷媒を流す。送風は冷蔵室2(及び野菜室3)側のみ又はいずれの貯蔵室にも行わないように制御する。なお、第二の蒸発器7bの除霜終了直後の場合は、これとは逆に三方弁201を流路p2側にして、二方弁202を閉、二方弁208を開として冷媒を流す。これにより、冷凍室4に温度が比較的高い空気を送風しないことで、冷凍室4の温度上昇を抑えることができる。また、二方弁208によって、第二の蒸発器7bの下流側から第二の蒸発器7bに冷媒が流入することを抑制し、第二の蒸発器7bの圧力(温度)が上昇することを抑制することができる。
ここまでで、実施例2の冷蔵庫が有する効果を説明した。次に、同様の効果が得られる他の冷凍サイクルの例を図11に示す。
図11は本発明の実施例2に関する図7と異なる冷凍サイクルの構成図である。
図11に示す冷凍サイクルは、図7に示した冷凍サイクルの二方弁202、二方弁208及び冷媒流路合流部204の代わりに、三方弁209を設けたものである。その他の構成は図7に示した冷凍サイクルと同じである。三方弁209は、第一の流入口209a、第二の流入口209bのうちの何れか、又は両方と、流出口209oとを連通させる部材で、図11における第二の冷媒制御手段である。
三方弁201の第一の流出口201aは、冷媒配管74aにより第一の蒸発器7aと接続し、第一の蒸発器7aは冷媒配管80aにより三方弁209の第一の流入口209aと接続されている。一方、三方弁201の第二の流出口201bは、冷媒配管74bにより第二の蒸発器7bと接続し、第二の蒸発器7bは冷媒配管80bにより三方弁209の第二の流入口209bと接続されている。また、三方弁209の流出口209oは、冷媒配管77により圧縮機24に接続されている。
三方弁209を設けた図11の冷凍サイクルは、図7で示した二方弁202、二方弁208を設けた冷凍サイクルと同等の制御を行うことができる。三方弁209の入口を第二の流入口209b側(第二の流入口209bと流出口209oを連通した状態)にすることで、図7において、二方弁208を開、二方弁202を閉にした場合と同様の冷媒流路になる。また、三方弁209の入口を第一の流入口209a側(第一の流入口209aと流出口209oを連通)にすることで、図7において、二方弁202を開、二方弁208を閉にした場合と同様の冷媒流路になり、三方弁209を全開(第一の流入口209a、第二の流入口209bの何れも流出口209oと連通)にすることで、図7において、二方弁202、208の何れも開にした場合と同様の冷媒流路になる。従って、図7に示した実施例2の冷蔵庫1と同様の制御ができ、第一の蒸発器7aを除霜する場合には、三方弁201の出口を第二の流出口201b側、三方弁209の入口を流入口209b側にし、第二の蒸発器7bを除霜する場合には、三方弁201の出口を第一の流出口201a側、三方弁209の入口を第一の流入口209a側にすることで、同様の効果が得られる。
すなわち、第一の貯蔵室(冷蔵室2、野菜室3)、第二の貯蔵室(冷凍室4)のそれぞれの冷却を、第一の蒸発器7a、第二の蒸発器7bの何れか、または両方の蒸発器を用いて行うことができる冷蔵庫において、並列の冷媒流路の上流側の分岐部(冷媒流路分岐部)に第一の冷媒制御手段である三方弁201を設け、並列の冷媒流路の下流側の合流部(冷媒流路合流部)に第二の冷媒制御手段である三方弁209を設けることでも、第一の蒸発器7a、第二の蒸発器7b、何れの蒸発器を除霜する場合も、冷蔵室2及び野菜室4からの戻り空気を熱源に用いた省エネルギー性能が高い除霜運転を行いながら、各貯蔵室の温度を適切に保持する冷蔵庫を提供することができる。
なお、図11では図10の二方弁202、二方弁208を三方弁209に集約しているので、図11に示した冷凍サイクルの方が省スペースと低コストの観点で有利となる。