JP2016023829A - 熱交換器およびヒートポンプ式加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒の漏洩を容易に発見することが可能な熱交換器、を提供する。
【解決手段】熱交換器(12)は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管(71)と、内外を連通させる開口部(82)を有し、被加熱流体配管(71)の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管(81)と、中間配管(81)の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管(61)と、開口部(82)を閉塞するように中間配管(81)に設けられる蓋部材(51)とを備える。蓋部材(51)は、冷媒配管(61)からの冷媒の漏洩時に、開口部(82)を閉塞する第1状態から開口部(82)の閉塞を解除する第2状態に変化する。
【選択図】図4
【解決手段】熱交換器(12)は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管(71)と、内外を連通させる開口部(82)を有し、被加熱流体配管(71)の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管(81)と、中間配管(81)の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管(61)と、開口部(82)を閉塞するように中間配管(81)に設けられる蓋部材(51)とを備える。蓋部材(51)は、冷媒配管(61)からの冷媒の漏洩時に、開口部(82)を閉塞する第1状態から開口部(82)の閉塞を解除する第2状態に変化する。
【選択図】図4
Description
この発明は、一般的には、熱交換器およびヒートポンプ式加熱装置に関し、より特定的には、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器、およびそのような熱交換器を備えるヒートポンプ式加熱装置に関する。
従来の熱交換器に関して、たとえば、特開2013−96656号公報には、熱交換器を含む装置のAPF(Annual Performance Factor)を向上させることを目的とした、熱交換器およびヒートポンプ給湯装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された熱交換器は、互いに絡み合う一対の螺旋状の内管で構成され、冷媒が流れる捩り管と、捩り管を収容し、水が流れる外管とを有する。外管の内周面には、一対の内管とは逆向きの螺旋状のリブが2〜18本設けられている。内管は、大径管内に小径管が挿入された2重管構造を有する。
また、特開2007−101030号公報には、密閉構造とすることでコストを低減し、蓄熱手段の漏れを防止することを目的とした、熱交換器が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された熱交換器は、複数の内管と、中間管と、外管とによって構成されている。内管には、加熱流体が流れる。内管と中間管との間には、蓄熱剤が充填されている。中間管と外管との間には、水が流れる。
また、特開昭57−31796号公報には、熱交換の効率を向上させることを目的とした、蓄熱槽が開示されている(特許文献3)。特許文献3に開示された蓄熱槽は、中心パイプと、中間パイプと、外側パイプとからなる三重管構造を有する。中心パイプには、収熱用の熱媒体が流れ、中間パイプには、潜熱型蓄熱材が充填され、外側パイプには、熱を取り出すための熱媒体が流れる。
上述の特許文献1〜3に開示されるように、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、水等の被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器が知られている。
このような熱交換器において、冷媒配管から冷媒が漏洩する場合が想定されるが、漏洩する冷媒はガス状であるため、冷媒の漏洩を発見することは困難である。冷媒の漏洩の発見が遅れると、効率の悪い運転が継続して行われることとなる。また、ヒートポンプサイクルの経路上に設置される圧縮機に過大な負荷がかかったり、圧縮機のオイルが冷媒と一緒に漏れ出したりするおそれがある。
そこでこの発明の1つの目的は、上記の課題を解決することであり、冷媒の漏洩を容易に発見することが可能な熱交換器およびヒートポンプ式加熱装置を提供することである。
次に、熱交換器において効率のよい運転を行なうには、冷媒および被加熱流体間で熱交換を高効率に行なう必要がある。このような高効率な熱交換を実現する手段として、上述の特許文献2には、内管と中間管との間に蓄熱剤を充填する構造が開示され、上述の特許文献3には、中心パイプと中間パイプとの間に潜熱型蓄熱材を充填する構造が開示されている。
しかしながら、これらの構造では、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が配置される空間が、冷媒が流れる冷媒配管と、被加熱流体が流れる被加熱流体配管とにより区画形成されているため、配管の破損時に充填材が冷媒や被加熱流体と混合するおそれがある。
そこでこの発明の別の目的は、上記の課題を解決することであり、熱効率に優れるとともに、配管の破損時に充填材が冷媒や被加熱流体と混合することを防ぐ熱交換器を提供することである。
この発明の1つの局面に従った熱交換器は、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器である。熱交換器は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管と、内外を連通させる開口部を有し、被加熱流体配管の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管と、中間配管の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管と、開口部を閉塞するように中間配管に設けられる蓋部材とを備える。蓋部材は、冷媒配管からの冷媒の漏洩時に、開口部を閉塞する第1状態から開口部の閉塞を解除する第2状態に変化する。
また好ましくは、冷媒配管は、蓋部材を貫通して中間配管から延出する。蓋部材は、中間配管に嵌め合わされ、冷媒配管と一体となって開口部を閉塞する栓構造を有する。
また好ましくは、蓋部材は、第1状態から第2状態への変化時、中間配管の内圧上昇により移動することによって、開口部に隙間を生じさせる。
また好ましくは、蓋部材は、第1状態から第2状態への変化時、中間配管の内圧上昇により破損する破損部を有する。
また好ましくは、中間配管は、冷媒配管の外周上で管状に延びる主管部と、主管部から冷媒配管より遠ざかる方向に延伸するリード管部とをさらに有する。開口部は、主管部から延伸するリード管部の先端に設けられる。
また好ましくは、中間配管は、冷媒配管の外周上で管状に延びる主管部と、主管部から鉛直上方向に延伸するリード管部とをさらに有する。開口部は、主管部から延伸するリード管部の先端に設けられる。
また好ましくは、中間配管は、蓋部材に向かって移動する充填材を捕獲するトラップ部をさらに有する。
この発明の別の局面に従った熱交換器は、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器である。熱交換器は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管と、被加熱流体配管の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管と、中間配管の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管と、冷媒配管からの冷媒の漏洩時に、中間配管からの冷媒または充填材の漏れを検出するセンサ部とを備える。
また好ましくは、センサ部は、ガス冷媒を検知して冷媒の漏れを検出するガスセンサ、圧力変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する圧力センサ、冷媒または充填材と接触して冷媒または充填材の漏れを検出する接触式センサ、および、温度変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する温度センサの少なくとも1つである。
また好ましくは、中間配管は、その内外を連通させる開口部を有する。熱交換器は、開口部を閉塞するように中間配管に設けられる蓋部材をさらに備える。蓋部材は、冷媒配管からの冷媒の漏洩時に、中間配管の内圧上昇により破損する破損部を有する。センサ部は、破損部の破損を検出することによって、冷媒または充填材の漏れを検出する。
この発明に従ったヒートポンプ式加熱装置は、上述のいずれかに記載の熱交換器と、ヒートポンプサイクルの経路上に設けられ、冷媒を圧縮して熱交換器に送り出す圧縮機と、圧縮機の作動を制御する制御部とを備える。制御部は、センサ部により冷媒または充填材の漏れが検出された場合に圧縮機の作動を停止する。
この発明のさらに別の局面に従った熱交換器は、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器である。熱交換器は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管と、被加熱流体配管の内側に設けられる中間配管と、中間配管の内側に中間配管と接触して設けられ、冷媒が流れる冷媒配管と、中間配管の内側に冷媒配管と接触して設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される充填材配管とを備える。
また好ましくは、冷媒配管および充填材配管は、互いに接触しつつ中間配管の内周面に接触しながら、中間配管の延伸方向に沿って螺旋状に延びる。
また好ましくは、冷媒配管は、充填材配管の外周面に接触しつつ中間配管の内周面に接触しながら、中間配管の延伸方向に沿って螺旋状に延びる。
また好ましくは、冷媒配管は、冷媒が分流して流れ、中間配管の内側で並列に延びる複数の分流管を有する。
以上に説明した1つの局面に従った発明によれば、冷媒の漏洩を容易に発見することが可能な熱交換器を提供することができる。
また、別の局面に従った発明によれば、冷媒の漏洩を容易に発見することが可能な熱交換器およびヒートポンプ式加熱装置を提供することができる。
また、さらに別の局面に従った発明によれば、熱効率に優れるとともに、配管の破損時に充填材が冷媒や被加熱流体と混合することを防ぐ熱交換器を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における水熱交換器を備えるヒートポンプ式給湯機の回路構成を示す図である。
図1は、この発明の実施の形態1における水熱交換器を備えるヒートポンプ式給湯機の回路構成を示す図である。
図1を参照して、ヒートポンプ式給湯機10は、その回路構成として、ヒートポンプサイクルを構成し、冷媒が循環する冷凍回路21と、被加熱流体としての水が流通する給湯回路31とを有する。給湯回路31を流通する水は、冷凍回路21を循環する冷媒との熱交換によって加熱される。
冷凍回路21は、冷媒が循環する循環路をなす。冷媒としては、たとえば、HC(ハイドロカーボン:イソブタンやプロパンなど)やHFC(ハイドロフルオロカーボン:R410AやR32など)、炭酸ガス(CO2)が利用される。
冷凍回路21には、室外空気(空気−冷媒)熱交換器25、水(水−冷媒)熱交換器12、圧縮機22および膨張弁24が設けられている。室外空気熱交換器25は、冷凍回路21を循環する冷媒と、室外空間の空気との間で熱交換を行なう。水熱交換器12は、冷凍回路21を循環する冷媒と、給湯回路31を流通する水との間で熱交換を行なう。
冷凍回路21の経路上において、圧縮機22は、室外空気熱交換器25と水熱交換器12との間に配置されている。圧縮機22は、室外空気熱交換器25から送られる冷媒を圧縮し、水熱交換器12に向けて送り出す。冷凍回路21の経路上において、膨張弁24は、水熱交換器12と室外空気熱交換器25との間に配置されている。膨張弁24は、室外空気熱交換器25および水熱交換器12を挟んで、圧縮機22の反対側に配置されている。膨張弁24は、水熱交換器12から送られる冷媒を減圧し、室外空気熱交換器25に向けて送り出す。
給湯回路31の経路上には、前述の水熱交換器12が設けられている。給湯回路31の一端(給湯回路31における水流れの上流端)には、給湯回路31を水の供給源に接続するための水接続口35が設けられ、給湯回路31の他端(給湯回路31における水流れの下流端)は、シャワーや浴槽などの給湯端末34に接続されている。
なお、このような回路構成に限られず、給湯回路31の経路上には、温水を貯留するための貯湯タンクが設けられてもよい。
冷凍回路21における冷媒流れについて説明すると、まず、圧縮機22にて冷媒が断熱圧縮される。圧縮されるに従って冷媒の圧力と温度とが上昇し、高温高圧の過熱蒸気になって、冷媒は圧縮機22から吐出される。圧縮機22から流出した冷媒は、水熱交換器12に流入する。冷媒は、水熱交換器12において、給湯回路31を流通する水に放熱し、冷却されることによって、凝縮(液化)する。水熱交換器12において加熱された水は、温水となって給湯端末34に供給される。
水熱交換器12から流出した冷媒は、膨張弁24に向かう。膨張弁24において、過冷却液状態の冷媒は絞り膨張され、温度と圧力とが低下して、低温低圧の気液混合状態の湿り蒸気となる。膨張弁24から流出した冷媒は、室外空気熱交換器25に向かう。膨張弁24から送られた気液混合状態の冷媒は、室外空気熱交換器25において室外空間の空気から吸熱することによって、蒸発する。その後、気相の冷媒は、圧縮機22において再び断熱圧縮される。
冷媒はこのようなサイクルに従って、圧縮、凝縮、絞り膨張、蒸発の状態変化を連続的に繰り返す。
なお、図1中の矢印に示すように、水熱交換器12においては、冷凍回路21の冷媒の流れ方向と、給湯回路31の水の流れ方向とが、逆方向に設定されるのが一般的である。
続いて、水熱交換器12の構造について説明する。図2は、図1中の水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図3は、図1中の水熱交換器の配管構造を示す別の斜視図である。図4は、図1中の水熱交換器の配管構造を示す断面図である。
図2から図4を参照して、水熱交換器12は、冷媒配管61、中間配管(漏洩検知配管)81および温水配管71を有する。
冷媒配管61、中間配管81および温水配管71は、パイプ形状を有する。冷媒配管61、中間配管81および温水配管71は、挙げた順に内側から外側に重ね合わされた多重管構造を有する。冷媒配管61、温水配管71および中間配管81の断面形状は、特に限定されないが、本実施の形態では円形である。冷媒配管61、温水配管71および中間配管81は、高い熱伝導性を有する金属、たとえば、銅から形成されている。
なお、図中の範囲には示されていないが、冷媒配管61、中間配管81および温水配管71からなる多重管は、渦巻き形状やミアンダ形状に延びることにより平面的に配索されている。
温水配管71には、図1中の給湯回路31を流通する水(温水)が流れる。温水配管71は、水熱交換器12において給湯回路31を構成している。温水配管71の内側には、中間配管81が設けられている。水は、温水配管71および中間配管81により区画形成された内部空間70を流れる。温水配管71は、水(温水)を排出する排出部72を有する。
なお、温水配管71は、パイプ形状に限られず、たとえば、平面的に配索された中間配管81および冷媒配管61を収容する筐体形状を有してもよい。
中間配管81には、冷媒配管61を流れる冷媒から温水配管71を流れる水に向けて熱を伝える充填材が充填されている。充填材としては、酢酸ナトリウム水和物や硫酸ナトリウム水和物などの、固液相転移する潜熱蓄熱材を用いることができる。潜熱蓄熱材は、ヒートポンプ式給湯機10の運転時、冷媒からの熱を一時的に蓄えて液相となる。また、充填材として、高熱伝導性を有する液体を用いてもよい。
中間配管81の内側には、冷媒配管61が設けられている。充填材は、中間配管81および冷媒配管61により区画形成された内部空間80に設けられている。
中間配管81は、開口部82を有する。開口部82は、中間配管81の内外を連通させるように設けられている。開口部82は、充填材が設けられた内部空間80と、その外側の外部空間とを互いに連通させるように設けられている。本実施の形態では、パイプ形状に延びる中間配管81の端部が開口端であり、開口部82は、その開口端に設けられている。中間配管81は、温水配管71から外部空間に延出する延出部81pを有する。開口部82は、温水配管71から延出する延出部81pの先端に設けられている。
水熱交換器12は、蓋部材51をさらに有する。蓋部材51は、開口部82を閉塞するように中間配管81に設けられている。充填材が設けられた内部空間80は、蓋部材51により密閉空間とされている。充填材は、蓋部材51によって内部空間80に封入されている。
冷媒配管61には、図1中の冷凍回路21を循環する冷媒が流れる。冷媒配管61は、水熱交換器12において冷凍回路21を構成している。冷媒配管61は、中間配管81から蓋部材51を貫通して外部空間に延出している。
本実施の形態では、冷媒配管61が、主流管62および複数の分流管63を有する。主流管62は、外部空間に設けられている。複数の分流管63は、主流管62の端部から分岐し、蓋部材51を貫通し、中間配管81の内側に進入している。複数の分流管63は、中間配管81の内側で並列に延びている。冷媒は、主流管62から複数の分流管63に分流して流れる。このような分流管構造によれば、冷媒および充填材の間の接触面積を拡大して、水熱交換器12の熱効率を高めることができる。
蓋部材51は、中間配管81に嵌め合わされ、冷媒配管61(複数の分流管63)と一体となって開口部82を閉塞する栓構造を有する。
図5は、図4中の2点鎖線Vで囲まれた範囲を拡大して示す断面図である。図6は、冷媒漏洩時における図5中の蓋部材を示す断面図である。
図4から図6を参照して、蓋部材51は、冷媒配管61からの冷媒の漏洩時に、中間配管81の開口部82を閉塞する第1状態(図5に示す状態)から、中間配管81の開口部82の閉塞を解除する第2状態(図6に示す状態)に変化する。
より具体的に説明すると、蓋部材51は、その構成部位として、平板部51mおよび折り返し部51nを有する。平板部51mは、平板形状を有し、開口部82の開口面を塞ぐように配置されている。折り返し部51nは、平板部51mの周縁が折り返されて設けられている。折り返し部51nが中間配管81の外周上に圧入されることによって、蓋部材51が中間配管81に嵌め合わされている。
中間配管81には、溝83および貫通孔84が形成されている。溝83は、中間配管81の外周面から凹み、周方向に延びている。貫通孔84は、中間配管81の内外を連通させるように設けられている。貫通孔84は、中間配管81の内壁から溝83の壁面に向けて延びている。
蓋部材51は、その構成部位として、突起部52をさらに有する。突起部52は、折り返し部51nから内周側に凸となる突起形状を有する。突起部52は、溝83に係合されている。蓋部材51は、突起部52が溝83内で移動することにより、中間配管81の軸方向にスライド可能に設けられている。
図5に示す第1状態において、貫通孔84は、突起部52によって塞がれている。このとき、開口部82は、蓋部材51によって閉塞されている。
冷媒配管61の破損などにより冷媒が漏洩した場合、冷媒が冷媒配管61から内部空間80に流出することによって、中間配管81の内圧が上昇する。中間配管81の内圧上昇により、蓋部材51は、中間配管81の軸方向(図6中の矢印110に示す方向)にスライド移動して、図6中に示す第2状態に変化する。このとき、突起部52が貫通孔84からずれた位置に移動することにより、開口部82に隙間が生じて、蓋部材51による開口部82の閉塞が解除される。内部空間80に流出した冷媒または内部空間80に封入された充填材は、開口部82に生じた隙間(貫通孔84)から外部空間に漏れ出る。
本実施の形態では、ユーザが、スライド移動した蓋部材51や、貫通孔84から漏れ出た液状の充填材を確認することによって、冷媒の漏洩を容易に発見することができる。また、冷媒は、蓋部材51による開口部82の閉塞が解除されることにより外部空間に漏れ出るため、冷媒が、温水配管71を流れる水(温水)に混合するおそれがない。
また、中間配管81には、冷媒配管61を流れる冷媒から温水配管71を流れる水に向けて熱を伝える充填材が充填されている。このような構成により、冷媒から水への熱伝達にロスが生じることを抑制して、水熱交換器12の熱効率を高めることができる。また、中間配管81の内側を充填材により満たすことによって、配管の剛性を高めることができる。これにより、配管の配索時に管の扁平折れ等を防いで、水熱交換器12の製造を容易にできる。
なお、充填材として用いられる潜熱蓄熱材は、固相から液相に状態変化する際に体積膨張する(たとえば、酢酸ナトリウム水和物の場合、4%以下)。潜熱蓄熱材の状態変化に伴って中間配管81の内圧が著しく上昇することを防ぐため、潜熱蓄熱材の充填量は、液相の潜熱蓄熱材が内部空間80を満たす程度とすることが好ましい。
冷媒の漏洩時、中間配管81の内圧は、たとえば、20kPa程度まで上昇する。蓋部材51が第1状態から第2状態に変化する時の圧力は、平常運転時の中間配管81の内圧と、冷媒漏洩時の中間配管81の内圧とを考慮して決定すればよい。一例として、中間配管81の内圧が3kPa以上になった時に、蓋部材51が第1状態から第2状態に変化する。
なお、水熱交換器12は、実施の形態6において説明する、開口部82を通じた中間配管81からの冷媒または充填材の漏れを検出するセンサ部41をさらに有してもよい(図15および図16を参照のこと)。
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるヒートポンプ式給湯機10および水熱交換器12によれば、冷媒の漏洩を早期に発見することにより、ヒートポンプ式給湯機10において効率の悪い運転が継続して行われることを防止できる。また、冷凍回路21上の圧縮機22に過大な負荷がかかったり、圧縮機22のオイルが冷媒と一緒に漏れ出したりすることを防止できる。
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2における水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図8は、冷媒漏洩時における図7中の蓋部材を示す断面図である。図7および図8は、それぞれ、実施の形態1における図5および図6に対応する。
図7は、この発明の実施の形態2における水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図8は、冷媒漏洩時における図7中の蓋部材を示す断面図である。図7および図8は、それぞれ、実施の形態1における図5および図6に対応する。
本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態1における水熱交換器12と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図7および図8を参照して、本実施の形態における水熱交換器では、蓋部材51が、冷媒配管61からの冷媒の漏洩時に、中間配管81の開口部82を閉塞する第1状態(図7に示す状態)から、中間配管81の開口部82の閉塞を解除する第2状態(図8に示す状態)に変化する。
より具体的に説明すると、蓋部材51は、平板形状を有する。蓋部材51は、開口部82の開口面に対応する平面視(本実施の形態では、円形)を有する。蓋部材51は、中間配管81の内側に嵌め合わされている。本実施の形態では、中間配管81に、図5および図6中の溝83および貫通孔84が形成されていない。
図7に示す第1状態において、開口部82は、蓋部材51によって閉塞されている。冷媒の漏洩時、中間配管81の内圧上昇により、蓋部材51は、中間配管81の軸方向(図8中の矢印110に示す方向)にスライド移動して、図8中に示す第2状態に変化する。このとき、蓋部材51が中間配管81から離間することにより、開口部82に隙間が生じて、蓋部材51による開口部82の閉塞が解除される。
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるヒートポンプ式給湯機および水熱交換器によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
(実施の形態3)
図9は、この発明の実施の形態3における水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図10は、冷媒漏洩時における図9中の蓋部材を示す断面図である。図9および図10は、それぞれ、実施の形態1における図5および図6に対応する。
図9は、この発明の実施の形態3における水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図10は、冷媒漏洩時における図9中の蓋部材を示す断面図である。図9および図10は、それぞれ、実施の形態1における図5および図6に対応する。
本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態1における水熱交換器12と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図9および図10を参照して、本実施の形態における水熱交換器では、蓋部材51が、冷媒配管61からの冷媒の漏洩時に、中間配管81の開口部82を閉塞する第1状態(図9に示す状態)から、中間配管81の開口部82の閉塞を解除する第2状態(図10に示す状態)に変化する。
より具体的に説明すると、蓋部材51は、その構成部位として、平板部51mおよび折り返し部51nを有する。平板部51mは、平板形状を有し、開口部82の開口面を塞ぐように配置されている。折り返し部51nは、平板部51mの周縁が折り返されて設けられている。折り返し部51nが中間配管81の外周上に圧入されることによって、蓋部材51が中間配管81に嵌め合わされている。
蓋部材51は、破損部53を有する。破損部53は、内部空間80に隣接して設けられている。破損部53は、平板部51mに設けられている。破損部53は、平板部51mにおいて薄肉状に設けられている。破損部53の厚みは、冷媒漏洩時の中間配管81の内圧上昇によって破損が可能なように決定される。
本実施の形態では、中間配管81に、図5および図6中の溝83および貫通孔84が形成されていない。
図9に示す第1状態において、開口部82は、蓋部材51によって閉塞されている。冷媒の漏洩時、中間配管81の内圧上昇により、破損部53が破損して、図10中に示す第2状態に変化する。このとき、内部空間80とその外側の外部空間との間が連通することにより、蓋部材51による開口部82の閉塞が解除される。
なお、水熱交換器は、実施の形態7において説明する、破損部53の破損を検出することにより、中間配管81からの冷媒または充填材の漏れを検出するセンサ部41(図17および図18を参照のこと)をさらに有してもよい。
このように構成された、この発明の実施の形態3におけるヒートポンプ式給湯機および水熱交換器によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
(実施の形態4)
図11は、この発明の実施の形態4における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図12は、図11中のXII−XII線上に沿った水熱交換器の配管構造を示す断面図である。
図11は、この発明の実施の形態4における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図12は、図11中のXII−XII線上に沿った水熱交換器の配管構造を示す断面図である。
本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態1における水熱交換器12と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図11および図12を参照して、本実施の形態における水熱交換器では、中間配管81が、主管部86およびリード管部87を有する。
主管部86は、冷媒配管61の外周上で管状に延びている。主管部86の内側には、複数の分流管63が設けられている。温水配管71の内側には、主管部86が設けられている。温水配管71から外部空間に延出する延出部81pは、主管部86の一部である。本実施の形態では、パイプ形状に延びる中間配管81の端部が、閉塞端54として設けられている。複数の分流管63は、中間配管81から主管部86の閉塞端54を貫通して外部空間に延出している。
リード管部87は、主管部86から冷媒配管61(分流管63)から遠ざかる方向に延伸している。リード管部87は、主管部86の延出部81pから延伸している。リード管部87は、主管部86から鉛直上方向に延伸している。
充填材は、主管部86およびリード管部87のうち少なくとも主管部86を満たすように充填されている。
開口部82は、主管部86から延伸するリード管部87の先端に設けられている。開口部82は、リード管部87の先端で鉛直上方向を向いて開口している。蓋部材51は、開口部82を閉塞するように中間配管81に設けられている。蓋部材51は、実施の形態3において説明した破損部53を有する。
冷媒の漏洩時、中間配管81の内圧上昇により、破損部53が破損する。このとき、内部空間80とその外側の外部空間との間が連通することにより、蓋部材51による開口部82の閉塞が解除される。
本実施の形態では、開口部82がリード管部87の先端に設けられるため、冷媒配管61(分流管63)を、開口部82を閉塞する蓋部材51に貫通させる必要がない。このたため、冷媒の漏洩時に開口部82の閉塞を解除可能な蓋構造を、より簡易な構成にできる。
また、蓋部材51による開口部82の閉塞が解除されて、冷媒と一緒に充填材が中間配管81から漏れ出た場合、冷媒の漏洩発見が一層容易になるものの、熱交換器のメンテナンスに過大な負担が生じたり、熱交換器の交換が必要となったりする。これに対して、本実施の形態では、リード管部87が主管部86から鉛直上方向に延伸し、その先端に開口部82が設けられている。このような構成により、冷媒漏洩時、蓋部材51が開口部82の閉塞を解除する第2状態に変化した場合においても、充填材が中間配管81から漏れ出ることを抑制できる。
なお、蓋部材51は、図12中に示す破損部53を有する形態に限られず、実施の形態1および2において説明した形態で設けられてもよい。
このように構成された、この発明の実施の形態4におけるヒートポンプ式給湯機および水熱交換器によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
(実施の形態5)
図13は、この発明の実施の形態5における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態4における水熱交器と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図13は、この発明の実施の形態5における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態4における水熱交器と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図13を参照して、本実施の形態における水熱交換器においては、中間配管81が、蓋部材51に向かって移動する充填材を捕獲するトラップ部88をさらに有する。
トラップ部88は、パイプ形状を有する。トラップ部88の通路面積は、リード管部87の通路面積よりも小さい。トラップ部88は、リード管部87の先端に接続されている。トラップ部88は、リード管部87の先端から上下方向に蛇行しながら延びている。開口部82は、トラップ部88が鉛直上方向に延びる先端に設けられている。蓋部材51は、開口部82を閉塞するように設けられている。
このような構成によれば、リード管部87からトラップ部88を通じて開口部82に向かう通路の抵抗が増大する。これにより、冷媒漏洩時、蓋部材51が開口部82の閉塞を解除する第2状態に変化した場合においても、充填材が中間配管81から漏れ出ることをより効果的に抑制できる。
なお、充填材を捕獲するトラップ部としては、図13中に示すパイプ形状のものに限られず、たとえば、充填材の移動を妨げることが可能なメッシュが用いられてもよい。
このように構成された、この発明の実施の形態5における水熱交換器によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
本発明の構成および作用効果についてまとめて説明すると、以下のとおりである。なお、発明の構成に実施の形態1〜5に記載の参照番号を付すが、これは一例である。
この発明の1つの局面に従った熱交換器は、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器(12)である。熱交換器(12)は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管(71)と、内外を連通させる開口部(82)を有し、被加熱流体配管(71)の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管(81)と、中間配管(81)の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管(61)と、開口部(82)を閉塞するように中間配管(81)に設けられる蓋部材(51)とを備える。蓋部材(51)は、冷媒配管(61)からの冷媒の漏洩時に、開口部(82)を閉塞する第1状態から開口部(82)の閉塞を解除する第2状態に変化する。
このように構成された熱交換器によれば、蓋部材が第1状態から第2状態に変化することにより、冷媒の漏洩を容易に発見することができる。
また好ましくは、冷媒配管(61)は、蓋部材(51)を貫通して中間配管(81)から延出する。蓋部材(51)は、中間配管(81)に嵌め合わされ、冷媒配管(61)と一体となって開口部(82)を閉塞する栓構造を有する。
このように構成された熱交換器によれば、蓋部材により中間配管に充填材を封入するとともに、その充填材が封入された中間配管から冷媒配管を取り出す構造を実現することができる。
また好ましくは、蓋部材(51)は、第1状態から第2状態への変化時、中間配管(81)の内圧上昇により移動することによって、開口部(82)に隙間を生じさせる。
このように構成された熱交換器によれば、冷媒が冷媒配管から中間配管に漏れ出すことにより中間配管の内圧が上昇する。この内圧上昇を利用して蓋部材を移動させることにより、蓋部材を第1状態から第2状態に変化させることができる。
また好ましくは、蓋部材(51)は、第1状態から第2状態への変化時、中間配管(81)の内圧上昇により破損する破損部(53)を有する。
このように構成された熱交換器によれば、冷媒が冷媒配管から中間配管に漏れ出すことにより中間配管の内圧が上昇する。この内圧上昇を利用して破損部を破損させることにより、蓋部材を第1状態から第2状態に変化させることができる。
また好ましくは、熱交換器は、破損部(53)の破損を検出するセンサ部(41)をさらに備える。このように構成された熱交換器によれば、冷媒の漏洩をより容易に発見することができる。
また好ましくは、中間配管(81)は、冷媒配管(61)の外周上で管状に延びる主管部(86)と、主管部(86)から冷媒配管(61)より遠ざかる方向に延伸するリード管部(87)とをさらに有する。開口部(82)は、主管部(86)から延伸するリード管部(87)の先端に設けられる。
このように構成された熱交換器によれば、開口部が、冷媒配管が設けられる主管部とは別のリード管部の先端に設けられる。このため、蓋部材により開口部を閉塞する構造をより簡易な構成とできる。
また好ましくは、中間配管(81)は、冷媒配管(61)の外周上で管状に延びる主管部(86)と、主管部(86)から鉛直上方向に延伸するリード管部(87)とをさらに有する。開口部(82)は、主管部(86)から延伸するリード管部(87)の先端に設けられる。
このように構成された熱交換器によれば、開口部が、主管部から鉛直上方向に延出するリード管部の先端に設けられる。このため、蓋部材が開口部の閉塞を解除する第2状態に変化した場合であっても、充填材が中間配管から漏れ出ることを抑制できる。
また好ましくは、中間配管(81)は、蓋部材(51)に向かって移動する充填材を捕獲するトラップ部(88)をさらに有する。
このように構成された熱交換器によれば、蓋部材が開口部の閉塞を解除する第2状態に変化した場合であっても、充填材が中間配管から漏れ出ることを抑制できる。
また好ましくは、開口部(82)を通じた中間配管(81)からの冷媒または充填材の漏れを検出するセンサ部(41)をさらに備える。
このように構成された熱交換器によれば、冷媒の漏洩をより容易に発見することができる。
また好ましくは、充填材は、固液相転移する潜熱蓄熱材である。このように構成された熱交換器によれば、冷媒および被加熱流体の間における熱交換の効率を向上させることができる。
(実施の形態6)
図14は、この発明の実施の形態6における水熱交換器を備えるヒートポンプ式給湯機の回路構成を示す図である。
図14は、この発明の実施の形態6における水熱交換器を備えるヒートポンプ式給湯機の回路構成を示す図である。
図14を参照して、本実施の形態におけるヒートポンプ式給湯機14は、実施の形態1において説明したヒートポンプ式給湯機10と比較して、基本的には同様の構造を有する。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
ヒートポンプ式給湯機14は、実施の形態1における水熱交換器12に対応する水熱交換器15を有する。ヒートポンプ式給湯機14は、制御部40およびセンサ部41をさらに有する。
図15は、図14中の水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図16は、図15中のXVI−XVI線上に沿った水熱交換器の配管構造を示す断面図である。
図15および図16を参照して、水熱交換器15は、冷媒配管61、中間配管(漏洩検知配管)81および温水配管71を有する。
冷媒配管61、中間配管81および温水配管71は、パイプ形状を有する。冷媒配管61、中間配管81および温水配管71は、挙げた順に内側から外側に重ね合わされた多重管構造を有する。冷媒配管61、温水配管71および中間配管81の断面形状は、特に限定されないが、本実施の形態では円形である。冷媒配管61、中間配管81および温水配管71は、高い熱伝導性を有する金属、たとえば、銅から形成されている。
なお、図中の範囲には示されていないが、冷媒配管61、中間配管81および温水配管71からなる多重管は、渦巻き形状やミアンダ形状に延びることにより平面的に配索されている。
温水配管71には、図14中の給湯回路31を流通する水(温水)が流れる。温水配管71は、水熱交換器15において給湯回路31を構成している。温水配管71の内側には、中間配管81が設けられている。水は、温水配管71および中間配管81により区画形成された内部空間70を流れる。温水配管71は、水(温水)を排出する排出部72を有する。
なお、温水配管71は、パイプ形状に限られず、たとえば、平面的に配索された中間配管81および冷媒配管61を収容する筐体形状を有してもよい。
中間配管81には、冷媒配管61を流れる冷媒から温水配管71を流れる水に向けて熱を伝える充填材が充填されている。充填材としては、たとえば、酢酸ナトリウム水和物や硫酸ナトリウムなどの、固液相転移する潜熱蓄熱材を用いることができる。潜熱蓄熱材は、ヒートポンプ式給湯機14の運転時、冷媒からの熱を一時的に蓄えて液相となる。また、充填材として、高熱伝導性を有する液体を用いてもよい。
中間配管81の内側には、冷媒配管61が設けられている。充填材は、中間配管81および冷媒配管61により区画形成された内部空間80に設けられている。
パイプ形状に延びる中間配管81の端部は、閉塞端54として設けられている。中間配管81は、温水配管71から外部に延出する延出部81pを有する。閉塞端54は、温水配管71から延出する延出部81pの先端に設けられている。
冷媒配管61には、図14中の冷凍回路21を循環する冷媒が流れる。冷媒配管61は、水熱交換器15において冷凍回路21を構成している。冷媒配管61は、中間配管81から閉塞端54を貫通して外部空間に延出している。
本実施の形態では、冷媒配管61が、主流管62および複数の分流管63を有する。主流管62は、外部空間に設けられている。複数の分流管63は、主流管62の端部から分岐し、閉塞端54を貫通し、中間配管81の内側に進入している。複数の分流管63は、中間配管81の内側で並列に延びている。冷媒は、主流管62から複数の分流管63に分流して流れる。このような分流管構造によれば、冷媒および充填材の間の接触面積を拡大して、水熱交換器12の熱効率を高めることができる。
中間配管81は、主管部86およびリード管部87を有する。主管部86は、冷媒配管61の外周上で管状に延びている。主管部86の内側には、複数の分流管63が設けられている。温水配管71の内側には、主管部86が設けられている。温水配管71から外部空間に延出する延出部81pは、主管部86の一部である。
リード管部87は、主管部86から冷媒配管61(分流管63)から遠ざかる方向に延伸している。リード管部87は、主管部86の延出部81pから延伸している。リード管部87は、主管部86から鉛直上方向に延伸している。
充填材は、主管部86およびリード管部87のうち少なくとも主管部86を満たすように充填されている。
中間配管81は、その内外を連通させる開口部82を有する。開口部82は、主管部86から延伸するリード管部87の端部に設けられている。水熱交換器15は、蓋部材91をさらに有する。蓋部材91は、平板形状を有する。蓋部材91は、開口部82の開口面に対応する平面視(本実施の形態では、円形)を有する。蓋部材91がリード管部87のの内側に嵌め合わされることによって、開口部82が閉塞されている。
図14から図16を参照して、センサ部41は、冷媒配管61からの冷媒の漏洩時に、中間配管81からの冷媒または充填材の漏れを検出する。
より具体的に説明すると、蓋部材91は、蓋部材91とリード管部87の内周面との間に微小な隙間92が生じるように設けられている。センサ部41は、その隙間92に対向して設けられている。
センサ部41としては、ガス冷媒を検知して冷媒の漏れを検出するガスセンサ、圧力変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する圧力センサ、冷媒または充填材と接触して冷媒または充填材の漏れを検出する接触式センサ、または、温度変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する温度センサを用いることができる。また、センサ部41として、複数種類のセンサを組み合わせて用いてもよい。
センサ部41により冷媒または充填材の漏れが検出された場合に、アラームや表示によって、その検出結果をユーザに知らせる構成としてもよい。本実施の形態では、制御部40が、センサ部41により冷媒または充填材の漏れが検出された場合に圧縮機22の作動を停止する。
冷媒配管61の破損などにより冷媒が漏洩した場合、冷媒が冷媒配管61から内部空間80に流出する。内部空間80に流出した冷媒または内部空間80に封入された充填材は、蓋部材91とリード管部87の内周面との間に形成された微小な隙間92から外部空間に漏れ出る。
本実施の形態では、センサ部41により中間配管81からの冷媒または充填材の漏れを検出することによって、冷媒の漏洩を容易に発見することができる。この際、センサ部41により冷媒または充填材の漏れが検出された場合に圧縮機22の作動を停止することによって、効率の悪い運転が継続することを確実に防止できる。また、圧縮機22の作動をいち早く停止させることにより、充填材が水熱交換器15内に散乱することを防止する。これにより、熱交換器のメンテナンスに過大な負担が生じたり、熱交換器の交換が必要となったりすることを回避できる。
また、中間配管81には、冷媒配管61を流れる冷媒から温水配管71を流れる水に向けて熱を伝える充填材が充填されている。このような構成により、冷媒から水への熱伝達にロスが生じることを抑制して、水熱交換器15の熱効率を高めることができる。また、中間配管81の内側を充填材により満たすことによって、配管の剛性を高めることができる。これにより、配管の配索時に管の扁平折れ等を防いで、水熱交換器15の製造を容易にできる。
このように構成された、この発明の実施の形態6におけるヒートポンプ式給湯機14および水熱交換器15によれば、冷媒の漏洩を早期に発見することにより、ヒートポンプ式給湯機14において効率の悪い運転が継続して行われることを防止できる。また、冷凍回路21上の圧縮機22に過大な負荷がかかったり、圧縮機22のオイルが冷媒と一緒に漏れ出したりすることを防止できる。
(実施の形態7)
図17は、この発明の実施の形態7における水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図18は、冷媒漏洩時における図17中の蓋部材を示す断面図である。図17および図18は、実施の形態6における図16に対応する。
図17は、この発明の実施の形態7における水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図18は、冷媒漏洩時における図17中の蓋部材を示す断面図である。図17および図18は、実施の形態6における図16に対応する。
本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態6における水熱交換器15と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態6における蓋部材91に替えて、蓋部材51を有する。蓋部材51は、開口部82を閉塞するように中間配管81に設けられている。蓋部材51は、冷媒配管61からの冷媒の漏洩時に、中間配管81の開口部82を閉塞する第1状態(図17に示す状態)から、中間配管81の開口部82の閉塞を解除する第2状態(図18に示す状態)に変化する。
より具体的に説明すると、蓋部材51は、破損部53を有する。破損部53は、内部空間80に隣接して設けられている。破損部53は、蓋部材51において薄肉状に設けられている。破損部53の厚みは、冷媒漏洩時の中間配管81の内圧上昇によって破損が可能なように決定される。
図17に示す第1状態において、開口部82は、蓋部材51によって閉塞されている。冷媒配管61の破損などにより冷媒が漏洩した場合、冷媒が冷媒配管61から内部空間80に流出することによって、中間配管81の内圧が上昇する。これにより、破損部53が破損して、図18中に示す第2状態に変化する。このとき、内部空間80とその外側の外部空間との間が連通することにより、蓋部材51による開口部82の閉塞が解除される。
センサ部41は、破損部53の破損を検出することによって、中間配管81からの冷媒または充填材の漏れを検出する。センサ部41としては、たとえば、破損に伴って破損部53の接近を検出する近接センサや、破損した破損部53との接触を検出する接触式センサを用いることができる。
なお、上記の破損部53を有する蓋部材51に、実施の形態6において説明した各種のセンサを組み合わせることも可能である。
このように構成された、この発明の実施の形態7におけるヒートポンプ式給湯機および水熱交換器によれば、実施の形態6に記載の効果を同様に奏することができる。
本発明の構成および作用効果についてまとめて説明すると、以下のとおりである。なお、発明の構成に実施の形態6〜7に記載の参照番号を付すが、これは一例である。
この発明の別の局面に従った熱交換器は、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器(15)である。熱交換器(15)は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管(71)と、被加熱流体配管(71)の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管(81)と、中間配管(81)の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管(61)と、冷媒配管(61)からの冷媒の漏洩時に、中間配管(81)からの冷媒または充填材の漏れを検出するセンサ部(41)とを備える。
このように構成された熱交換器によれば、センサ部により中間配管からの冷媒または充填材の漏れを検出することによって、冷媒の漏洩を容易に発見することができる。
また好ましくは、センサ部(41)は、ガス冷媒を検知して冷媒の漏れを検出するガスセンサ、圧力変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する圧力センサ、冷媒または充填材と接触して冷媒または充填材の漏れを検出する接触式センサ、および、温度変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する温度センサの少なくとも1つである。
このように構成された熱交換器によれば、これらのセンサにより冷媒または充填材の漏れを検出することによって、冷媒の漏洩を容易に発見することができる。
また好ましくは、中間配管(81)は、その内外を連通させる開口部(82)を有する。熱交換器は、開口部(82)を閉塞するように中間配管(81)に設けられる蓋部材(51)をさらに備える。蓋部材(51)は、冷媒配管(61)からの冷媒の漏洩時に、中間配管(81)の内圧上昇により破損する破損部(53)を有する。センサ部(41)は、破損部(53)の破損を検出することによって、冷媒または充填材の漏れを検出する。
このように構成された熱交換器によれば、破損部の破損を検出するセンサ部により冷媒または充填材の漏れを検出することによって、冷媒の漏洩を容易に発見することができる。
また好ましくは、充填材は、固液相転移する潜熱蓄熱材である。このように構成された熱交換器によれば、冷媒および被加熱流体の間における熱交換の効率を向上させることができる。
この発明に従ったヒートポンプ式加熱装置(14)は、上述のいずれかに記載の熱交換器(15)と、ヒートポンプサイクルの経路上に設けられ、冷媒を圧縮して熱交換器(15)に送り出す圧縮機(22)と、圧縮機(22)の作動を制御する制御部(40)とを備える。制御部(40)は、センサ部(41)により冷媒または充填材の漏れが検出された場合に圧縮機(22)の作動を停止する。
このように構成されたヒートポンプ式加熱装置によれば、センサ部により冷媒または充填材の漏れが検出された場合に圧縮機の作動を停止することによって、効率の悪い運転が継続することを防止できる。
(実施の形態8)
図19は、この発明の実施の形態8における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図20は、図19中の水熱交換器の配管構造を示す側面図である。図21は、図19中のXXI−XXI線上に沿った水熱交換器の配管構造を示す断面図である。
図19は、この発明の実施の形態8における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図20は、図19中の水熱交換器の配管構造を示す側面図である。図21は、図19中のXXI−XXI線上に沿った水熱交換器の配管構造を示す断面図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態8における水熱交換器18を備えるヒートポンプ式給湯機16の回路構成は、実施の形態1において説明したヒートポンプ式給湯機10の回路構成と同じである。
図19から図21を参照して、水熱交換器18は、冷媒配管61、中間配管(漏洩検知配管)81、温水配管71および充填材配管76を有する。
冷媒配管61、中間配管81、温水配管71および充填材配管76は、パイプ形状を有する。冷媒配管61および充填材配管76と、中間配管81と、温水配管71とは、挙げた順に内側から外側に重ね合わされた多重管構造を有する。冷媒配管61、中間配管81、温水配管71および充填材配管76の断面形状は、特に限定されないが、本実施の形態では円形である。冷媒配管61、中間配管81および温水配管71は、高い熱伝導性を有する金属、たとえば、銅から形成されている。充填材配管76は、耐熱性を有する樹脂やフィルムから形成されている。充填材配管76は、他の配管と同様の金属から形成されてもよい。
なお、図中の範囲には示されていないが、冷媒配管61、中間配管81、温水配管71および充填材配管76からなる多重管は、渦巻き形状やミアンダ形状に延びることにより平面的に配索されている。
温水配管71には、図1中の給湯回路31を流通する水(温水)が流れる。温水配管71は、水熱交換器18において給湯回路31を構成している。温水配管71の内側には、中間配管81が設けられている。水は、温水配管71および中間配管81により区画形成された内部空間70を流れる。
なお、温水配管71は、パイプ形状に限られず、たとえば、平面的に配索された中間配管81、冷媒配管61および充填材配管76を収容する筐体形状を有してもよい。
中間配管81の内側には、冷媒配管61および充填材配管76が設けられている。中間配管81と、冷媒配管61および充填材配管76とにより区画形成された内部空間80は、空隙とされている。パイプ形状に延びる中間配管81の端部は、開口端として設けられている。
冷媒配管61は、中間配管81に接触して設けられている。充填材配管76は、冷媒配管61に接触して設けられている。冷媒配管61および充填材配管76は、互いに接触しつつ中間配管81の内周面に接触しながら、中間配管81の延伸方向に沿って螺旋状に延びている。本実施の形態では、複数本の冷媒配管61(後述する分流管63)と、複数本の充填材配管76とが、螺旋状に延びている。
冷媒配管61には、図1中の冷凍回路21を循環する冷媒が流れる。冷媒配管61は、水熱交換器18において冷凍回路21を構成している。冷媒配管61は、中間配管81から外部空間に延出している。
本実施の形態では、冷媒配管61が、主流管(不図示)および複数の分流管63を有する。主流管は、外部空間に設けられている。複数の分流管63は、主流管の端部から分岐し、中間配管81の内側に進入している。複数の分流管63は、中間配管81の内側で並列に延びている。冷媒は、主流管から複数の分流管63に分流して流れる。このような分流管構造によれば、冷媒および充填材の間の接触面積を拡大して、水熱交換器12の熱効率を高めることができる。
充填材配管76には、冷媒配管61を流れる冷媒から温水配管71を流れる水に向けて熱を伝える充填材が充填されている。充填材としては、酢酸ナトリウム水和物や硫酸ナトリウム水和物などの、固液相転移する潜熱蓄熱材を用いることができる。潜熱蓄熱材は、ヒートポンプ式給湯機16の運転時、冷媒からの熱を一時的に蓄えて液相となる。また、充填材として、高熱伝導性を有する液体を用いてもよい。
充填材配管76に充填材を封入するため、パイプ形状に延びる充填材配管76の端部は、閉塞端として設けられている。
このような構成によれば、冷媒配管61を流れる冷媒から内部空間80に放熱された熱を、充填材配管76内の充填材に一時的に蓄熱して、そのあと、温水配管71を流れる水に伝えることができる。これにより、冷媒から水への熱伝達にロスが生じることを抑制して、水熱交換器18の熱効率を高めることができる。また、充填材は、充填材配管76により、中間配管81内部に閉ざされた形態で収容されている。このため、仮に配管が破損することがあっても、充填材が冷媒や水と混合することを防止できる。
なお、本実施の形態では、冷媒配管61からの冷媒の漏洩時、冷媒は中間配管81内を通って外部空間に放出される。
このように構成された、この発明の実施の形態8におけるヒートポンプ式給湯機16および水熱交換器18によれば、伝熱ロスしていた熱を充填材により補填することによって、水熱交換器18の熱効率を向上させることができる。また、充填材を充填する充填材配管76は、独立して閉鎖空間を形成しているため、配管の破損時に充填材が冷媒や水と混合することを防ぐことができる。
(実施の形態9)
図22は、この発明の実施の形態9における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態8における水熱交換器18と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図22は、この発明の実施の形態9における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態8における水熱交換器18と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図22を参照して、本実施の形態における水熱交換器においては、冷媒配管61および充填材配管76が、中間配管81の延伸方向に交互に隣り合って、全体として、螺旋状に延びている。冷媒配管61および充填材配管76は、中間配管81の延伸方向において、連続的に接触している。
このように構成された、この発明の実施の形態9における水熱交換器によれば、実施の形態8に記載の効果を同様に奏することができる。
(実施の形態10)
図23は、この発明の実施の形態10における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図24は、図23中のXXIV−XXIV線上に沿った水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図23および図24は、実施の形態8における図19および図21に対応する。
図23は、この発明の実施の形態10における水熱交換器の配管構造を示す斜視図である。図24は、図23中のXXIV−XXIV線上に沿った水熱交換器の配管構造を示す断面図である。図23および図24は、実施の形態8における図19および図21に対応する。
本実施の形態における水熱交換器は、実施の形態8における水熱交換器18と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図23および図24を参照して、本実施の形態における水熱交換器においては、充填材配管76が、中間配管81の延伸方向に平行に延びる。充填材配管76は、中間配管81の断面中心に配置されている。冷媒配管61は、充填材配管76の外周面に接触しつつ中間配管81の内周面に接触しながら、中間配管81の延伸方向に沿って螺旋状に延びている。
このように構成された、この発明の実施の形態10における水熱交換器によれば、実施の形態8に記載の効果を同様に奏することができる。
本発明の構成および作用効果についてまとめて説明すると、以下のとおりである。なお、発明の構成に実施の形態8〜10に記載の参照番号を付すが、これは一例である。
この発明のさらに別の局面に従った熱交換器は、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器(18)である。熱交換器(18)は、被加熱流体が流れる被加熱流体配管(71)と、被加熱流体配管(71)の内側に設けられる中間配管(81)と、中間配管(81)の内側に中間配管(81)と接触して設けられ、冷媒が流れる冷媒配管(61)と、中間配管(81)の内側に冷媒配管(61)と接触して設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される充填材配管(76)とを備える。
このように構成された熱交換器によれば、冷媒配管を、被加熱流体配管の内側に設けられる中間配管と接触して設けるとともに、その冷媒配管と接触して充填材配管を設けることによって、冷媒から中間配管内に放熱した熱を、充填材に回収し、そのあと被加熱流体に伝えることができる。また、充填材が流れる充填材配管は、冷媒や被加熱流体が流れる配管とは独立して設けられている。したがって、熱効率に優れるとともに、配管の破損時に充填材が冷媒や被加熱流体と混合することを防ぐ熱交換器を実現できる。
また好ましくは、充填材配管(76)は、円形パイプ形状を有する。このように構成された熱交換器によれば、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材を、円形パイプ形状を有する充填材配管に充填する。
また好ましくは、冷媒配管(71)および充填材配管(76)は、互いに接触しつつ中間配管(81)の内周面に接触しながら、中間配管(81)の延伸方向に沿って螺旋状に延びる。
このように構成された熱交換器によれば、冷媒から中間配管内に放熱した熱を、効率的に充填材に回収することができる。これにより、熱交換器の熱効率をより高めることができる。
また好ましくは、冷媒配管(71)は、充填材配管(76)の外周面に接触しつつ中間配管(81)の内周面に接触しながら、中間配管(81)の延伸方向に沿って螺旋状に延びる。
このように構成された熱交換器によれば、冷媒から中間配管内に放熱した熱を、効率的に充填材に回収することができる。これにより、熱交換器の熱効率をより高めることができる。
また好ましくは、冷媒配管(61)は、冷媒が分流して流れ、中間配管(81)の内側で並列に延びる複数の分流管(63)を有する。
このように構成された熱交換器によれば、冷媒を分流させることによって、熱交換器の熱効率をより高めることができる。
また好ましくは、充填材は、固液相転移する潜熱蓄熱材である。このように構成された熱交換器によれば、冷媒および被加熱流体の間における熱交換の効率を向上させることができる。
なお、以上に説明した、実施の形態1〜10に記載のヒートポンプ式給湯機または水熱交換器の構造を適宜組み合わせて、新たなヒートポンプ式給湯機または熱交換器を構成してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、たとえば、家庭用のヒートポンプ式給湯機に適用される。
10,14,16 ヒートポンプ式給湯機、12,15,18 水熱交換器、21 冷凍回路、22 圧縮機、24 膨張弁、25 室外空気熱交換器、31 給湯回路、34 給湯端末、35 水接続口、40 制御部、41 センサ部、51,91 蓋部材、51m 平板部、51n 折り返し部、52 突起部、53 破損部、54 閉塞端、61 冷媒配管、62 主流管、63 分流管、70,80 内部空間、71 温水配管、72 排出部、76 充填材配管、81 中間配管、81p 延出部、82 開口部、83 溝、84 貫通孔、86 主管部、87 リード管部、88 トラップ部、92 隙間。
Claims (15)
- ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器であって、
被加熱流体が流れる被加熱流体配管と、
内外を連通させる開口部を有し、前記被加熱流体配管の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管と、
前記中間配管の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管と、
前記開口部を閉塞するように前記中間配管に設けられる蓋部材とを備え、
前記蓋部材は、前記冷媒配管からの冷媒の漏洩時に、前記開口部を閉塞する第1状態から前記開口部の閉塞を解除する第2状態に変化する、熱交換器。 - 前記冷媒配管は、前記蓋部材を貫通して前記中間配管から延出し、
前記蓋部材は、前記中間配管に嵌め合わされ、前記冷媒配管と一体となって前記開口部を閉塞する栓構造を有する、請求項1に記載の熱交換器。 - 前記蓋部材は、前記第1状態から前記第2状態への変化時、前記中間配管の内圧上昇により移動することによって、前記開口部に隙間を生じさせる、請求項1または2に記載の熱交換器。
- 前記蓋部材は、前記第1状態から前記第2状態への変化時、前記中間配管の内圧上昇により破損する破損部を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 前記中間配管は、前記冷媒配管の外周上で管状に延びる主管部と、前記主管部から前記冷媒配管より遠ざかる方向に延伸するリード管部とをさらに有し、
前記開口部は、前記主管部から延伸する前記リード管部の先端に設けられる、請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記中間配管は、前記冷媒配管の外周上で管状に延びる主管部と、前記主管部から鉛直上方向に延伸するリード管部とをさらに有し、
前記開口部は、前記主管部から延伸する前記リード管部の先端に設けられる、請求項1から5のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記中間配管は、前記蓋部材に向かって移動する充填材を捕獲するトラップ部をさらに有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の熱交換器。
- ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器であって、
被加熱流体が流れる被加熱流体配管と、
前記被加熱流体配管の内側に設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される中間配管と、
前記中間配管の内側に設けられ、冷媒が流れる冷媒配管と、
前記冷媒配管からの冷媒の漏洩時に、前記中間配管からの冷媒または充填材の漏れを検出するセンサ部とを備える、熱交換器。 - 前記センサ部は、ガス冷媒を検知して冷媒の漏れを検出するガスセンサ、圧力変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する圧力センサ、冷媒または充填材と接触して冷媒または充填材の漏れを検出する接触式センサ、および、温度変化を検知して冷媒または充填材の漏れを検出する温度センサの少なくとも1つである、請求項8に記載の熱交換器。
- 前記中間配管は、その内外を連通させる開口部を有し、
前記開口部を閉塞するように前記中間配管に設けられる蓋部材をさらに備え、
前記蓋部材は、前記冷媒配管からの冷媒の漏洩時に、前記中間配管の内圧上昇により破損する破損部を有し、
前記センサ部は、前記破損部の破損を検出することによって、冷媒または充填材の漏れを検出する、請求項8または9に記載の熱交換器。 - 請求項8から10のいずれか1項に記載の熱交換器と、
前記ヒートポンプサイクルの経路上に設けられ、冷媒を圧縮して前記熱交換器に送り出す圧縮機と、
前記圧縮機の作動を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記センサ部により冷媒または充填材の漏れが検出された場合に前記圧縮機の作動を停止する、ヒートポンプ式加熱装置。 - ヒートポンプサイクルを循環する冷媒と、被加熱流体との間で熱交換を行なう熱交換器であって、
被加熱流体が流れる被加熱流体配管と、
前記被加熱流体配管の内側に設けられる中間配管と、
前記中間配管の内側に前記中間配管と接触して設けられ、冷媒が流れる冷媒配管と、
前記中間配管の内側に前記冷媒配管と接触して設けられ、冷媒から被加熱流体に向けて熱を伝える充填材が充填される充填材配管とを備える、熱交換器。 - 前記冷媒配管および前記充填材配管は、互いに接触しつつ前記中間配管の内周面に接触しながら、前記中間配管の延伸方向に沿って螺旋状に延びる、請求項12に記載の熱交換器。
- 前記冷媒配管は、前記充填材配管の外周面に接触しつつ前記中間配管の内周面に接触しながら、前記中間配管の延伸方向に沿って螺旋状に延びる、請求項12または13に記載の熱交換器。
- 前記冷媒配管は、冷媒が分流して流れ、前記中間配管の内側で並列に延びる複数の分流管を有する、請求項12から14のいずれか1項に記載の熱交換器。
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