本発明は、車両のシートに取り付けられる収納部を備える車両用収納具に関する。
自動車の助手席シートに装着される収納具を底面部、前面部、後面部および左右の側面部を有して上面が開放する直方体の箱状に形成し、底面部がシートクッションの上面に載置され、後面部を上方に延長した部分がシートバックの前面に当接するように取り付けるものが、下記特許文献1により公知である。
また犬や猫のようなペットを運搬するためのペット用車載ケースを、底面および四つの側面を有して上面が開放する直方体の箱状に形成し、底面を助手席あるいは後席のシートクッションの上面に当接させた状態で取り付けるものが、下記特許文献2により公知である。
特許第4399867号公報
特開2002−159239号公報
ところで、上記特許文献1に記載された収納具は、不使用時に折り畳んで小型化するために、底面部に1本の折り返し線を備えるとともに、左右の側面部に各々3本の折り返し線を備えており、これらの折り返し線において底面部および左右の側面部を二つ折りにすることで、底面部および左右の側面部を挟んで前面部が後面部に重なる位置に折り畳むようになっている。
しかしながら、上記従来のものは、左右の側面部の剛性が折り返し線により低下するため、自動車の加速や減速に伴う慣性力で収納具の内部に収納した物品が移動したような場合に、左右の側面部が変形して収納具の形状を維持できなくなる可能性があった。
また上記特許文献2に記載されたペット用車載ケースは、箱体を構成する底面および四つの側面が全て剛性の高い板材で構成されているため、重量が増加するだけでなく、コンパクトに折り畳むことが難しいという問題があった。
しかも上記収納具および上記ペット用車載ケースは使用状態で直方体状の形状を有するため、それをシートクッションに上面に載置した状態でシートバックの前面との間に隙間が発生してしまい、シートへの取り付け姿勢が不安定になったり、強固に取り付けようとすると形状が歪んだりする可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、軽量で高剛性でありながらコンパクトに折り畳むことが可能であり、しかもシートに安定した姿勢で取り付けることが可能な車両用収納具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車両のシートに取り付けられる収納部を備える車両用収納具であって、前記収納部は、前記シートのシートクッションに当接する底面部と、前記シートのシートバックに当接する後面部と、少なくとも一部が剛性板状部よりなり、前記底面部の左右側縁に接続されて前記後面部の左右側縁に係合可能な左右一対の側面部と、前記底面部の前縁および前記後面部の上縁に接続され、前記左右一対の側面部に係合可能な上面部とからなり、前記左右一対の側面部は、前記底面部に接続する下縁および前記後面部に係合する後縁が成す角度が鈍角であり、前記上面部との係合を解除した状態で前記底面部の上方に折り畳み可能であることを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記左右一対の側面部の下縁には折り曲げ可能な帯状のヒンジ部が形成され、前記ヒンジ部は上下方向に所定幅を有することを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記ヒンジ部の幅は、前記左右一対の側面部をその後縁が車幅方向に沿うように折り畳んだとき、前記左右一対の側面部の前端が前記底面部の左右側縁から車幅方向外側に突出する突出量に略等しいことを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記左右一対の側面部の剛性板状部の上下方向高さは、前記底面部の車幅方向の幅と略等しいことを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記上面部は少なくとも前記後面部に接続する部分に車幅方向に延びる補強材を備えることを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記鈍角は略110゜であることを特徴とする車両用収納具が提案される。
尚、実施の形態の助手席シート11は本発明のシートに対応し、実施の形態の第2ヒンジ部24は本発明のヒンジ部に対応し、実施の形態の芯材31は本発明の補強材に対応する。
請求項1の構成によれば、車両のシートに取り付けられる収納部は、シートのシートクッションに当接する底面部と、シートのシートバックに当接する後面部と、少なくとも一部が剛性板状部よりなり、底面部の左右側縁に接続されて後面部の左右側縁に係合可能な左右一対の側面部と、底面部の前縁および後面部の上縁に接続され、左右一対の側面部に係合可能な上面部とからなるので、剛性板状部により側面部の剛性を高めることで収納部全体の剛性を高め、車両の加減速や収納物の移動による収納部の変形を防止することができる。
また左右一対の側面部は、底面部に接続する下縁および後面部に係合する後縁が成す角度が鈍角であるので、収納部の底面部をシートクッションに沿わせたときに、収納部の後面部とシートバックとの間に隙間が発生し難くなり、後面部に作用する荷重をシートバックで受けることで、後面部の剛性を高める必要をなくして軽量化を図りながら、収納部全体の剛性を確保することができるだけでなく、収納具を安定した姿勢でシートに取り付けることができる。
しかも左右一対の側面部は、上面部との係合を解除した状態で底面部の上方に折り畳み可能であるので、一部が折り曲げ難い剛性板状部で構成された側面部を支障なく折り畳むことができる。
また請求項2の構成によれば、左右一対の側面部の下縁には折り曲げ可能な帯状のヒンジ部が形成され、ヒンジ部は上下方向に所定幅を有するので、ヒンジ部の対角線に沿って側面部を折り畳むことで、折り曲げ難い剛性板状部を有する側面部の後縁が底面部の後縁から後方に突出し難くして収納部全体をコンパクトに折り畳むことができる。
また請求項3の構成によれば、ヒンジ部の幅は、左右一対の側面部をその後縁が車幅方向に沿うように折り畳んだとき、左右一対の側面部の前端が底面部の左右側縁から車幅方向外側に突出する突出量に略等しいので、左右一対の側面部を折り畳んだとき、側面部の後縁が底面部の後縁から後方に突出するのを確実に防止することができる。
また請求項4の構成によれば、左右一対の側面部の剛性板状部の上下方向の高さは、底面部の車幅方向の幅と略等しいので、剛性板状部の高さを充分に確保して収納部の剛性を高めながら、左右一対の側面部を折り畳んだときに剛性板状部が底面部の側縁から車幅方向外側にはみ出さないようにし、収納部全体をコンパクトに折り畳むことができる。
また請求項5の構成によれば、上面部は少なくとも後面部に接続する部分に車幅方向に延びる補強材を備えるので、収納部を組み立てた状態での捩じれ剛性を補強材により確保しながら、収納部を折り畳むときに補強材が邪魔になるのを回避することができる。
また請求項6の構成によれば、左右一対の側面部は、底面部に接続する下縁および後面部に係合する後縁が成す鈍角が略110゜であるので、収納部の底面部をシートクッションに隙間なく沿わせ、かつ収納部の後面部をシートバックに隙間なく沿わせることが可能となり、収納部を安定した姿勢でシートに支持することができる。
助手席シートに装着した収納具の斜視図。
図1の2方向矢視図。
図2の3方向矢視図。
図2の4方向矢視図。
後席シートに装着した収納具の部分側面図。
収納具の折り畳みの手順の説明図(その1)。
収納具の折り畳みの手順の説明図(その2)。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1〜図4に示すように、自動車の助手席シート11は、シートクッション12、シートバック13およびヘッドレスト14を備えており、ヘッドレスト14はシートバック13の上端に2本の支柱15,15を介して支持される。助手席シート11には着脱自在な収納具16が取り付けられており、この収納具16には犬・猫のようなペットや小型の荷物等の物品を収納可能である。
収納具16は、シートクッション12の上面に載置される収納部17と、収納部17から上方に延びてシートバック13の前面を覆うカバー部18とを備えており、箱状の収納部17はシートクッション12の上面に当接する矩形状の底面部19(図3および図4参照)と、底面部19の車幅方向両側縁から起立する左右一対の扇状の側面部20,20と、底面部19の後縁から斜め後方に起立する矩形状の後面部21(図3および図4参照)と、底面部19の前縁および後面部21の上縁を接続する矩形状の上面部22とで構成される。カバー部18の下端は後面部21の上端に連続する。
収納具16は、基本的に綿や発泡材からなる可撓性を有する芯材の表裏をナイロン等の布地を覆って外周部を縫製した積層生地で構成されるもので、その一部を除いて柔軟性を有しており、所定の形状に折り曲げて折り畳むことが可能である。全体が可撓性を有する底面部19、後面部21およびカバー部18は車幅方向に一定の幅W1(図2および図4参照)を有しており、底面部19の後縁および後面部21の下縁が接続する部分には、車幅方向に延びる第1ヒンジ部23(図3参照)が形成される、第1ヒンジ部23は、芯材の厚さを他の部分よりも薄くする等の手段により容易に折り曲げ可能に構成される。
扇状の側面部20は、その下縁に沿って前後方向に延びる幅W2の帯状の第2ヒンジ部24(図1および図3参照)を介して、底面部19の車幅方向側縁に接続される。第2ヒンジ部24は、第1ヒンジ部23と同様に、芯材の厚さを他の部分よりも薄くする等の手段により容易に折り曲げ可能に構成される。側面部20における第2ヒンジ部24より上側の部分は、綿や発泡材からなる可撓性を有する芯材の代わりに、所定の剛性を有するプラスチック板よりなる芯材45(図1および図3参照)を有しており、折り畳みは不能であるが平坦な自己の形状を維持可能な剛性板状部25を構成する。つまり、側面部20は、下側の第2ヒンジ部24と上側の剛性板状部25とからなる。
剛性板状部25の上下方向の高さH(図3参照)は、底面部19の車幅方向の幅W1(図2および図4参照)に略一致している。また側面部20の下縁および後縁が成す角度は、助手席シート11のシートクッション12の上面およびシートバック13の前面が成す一般的な角度である鈍角α(実施の形態では110゜)に一致している(図3参照)。
剛性板状部25の中央部にはナイロン製のメッシュを張った側面窓26が形成されており、ペットの視界の確保、乗員による収納部17の内側の視認性の確保および換気が可能になっている。また側面窓26の下方の側面部20には、小物を収納可能なポケット27が設けられる。
前端が底面部19の前縁に接続され、後端が後面部21の上縁に接続された上面部22は、前後方向中央部にナイロン製のメッシュを張った上面窓28が形成されており、ペットの視界の確保、乗員による収納部17の内側の視認性の確保および換気が可能になっている。上面窓28には左右両側縁および後縁に沿って第1スライドファスナー29が設けられており、第1スライドファスナー29を開いて上面窓28を前方に開放することで、ペットや物品を収納部17に出し入れすることが可能になり、また収納部17内のペットが車室内に頭を出すことが可能になる。上面窓28の前縁および後縁に沿って車幅方向に延びるプラスチック板よりなる芯材30,31が埋設されており、これらの芯材30,31により上面部22の剛性が高められる。
側面部20の円弧状の上縁および直線状の後縁は、それぞれ上面部22の車幅方向側縁および後面部21の車幅方向側縁に第2スライドファスナー32を介して結合可能である。即ち、収納具16を組み立てた状態で、側面部20は、下縁が第2ヒンジ部24を介して底面部19に接続され、上縁が第2スライドファスナー32を介して上面部22に接続され、後縁が第2スライドファスナー32を介して後面部21に接続される。
カバー部18の前面には、その一部をル−プ状に折り畳んだ状態で係止する第3スライドファスナー33が車幅方向に設けられる。第3スライドファスナー33を開くとカバー部18の上下方向長さが長くなり、第3スライドファスナー33を閉じるとカバー部18の上下方向長さが短くなる。またカバー部18の上端には、車幅方向に延びるプラスチック棒よりなる芯材34が埋設されており、この芯材34によりカバー部18の上端の剛性が高められる。
カバー部18の上端の車幅方向に離間した二つ位置に吊り紐35の両端部が固定されており、吊り紐35が構成するループの大きさは、吊り紐35に中間部にスライド自在に設けた締め具36により調整自在である。後面部21の後面には上下方向に延びるシートベルト挿通部37の上下両端部が固定されており、助手席シート11のシートベルトのショルダーベルト38がシートベルト挿通部37に挿通可能である。
後面部21の下部の車幅方向両端部には左右一対の固定ベルト39,39の一端が固定されており、固定ベルト39,39をシートバック13の下部に巻き付けた状態で、その他端に設けたクリップ40,40が相互に結合可能である。第1ヒンジ部23には矩形状の布片41を介して円筒状のアンカー部材42が接続されており、アンカー部材42はシートクッション12およびシートバック13間に隙間に挿入可能である。底面部19の前端には左右一対のゴム紐43,43を介してフック44,44が接続されており、これらのフック44,44はシートクッション12の下部のシ−トフレーム(図示せず)に係止可能である。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
組み立てた状態の収納具16を助手席シート11に取り付けるには、収納部17の底面部19を助手席シート11のシートクッション12の上に載置し、後面部21およびカバー部18を助手席シート11のシートバック13の前面に沿わせた状態で、カバー部18の上端に設けた吊り紐35をヘッドレスト14の支柱15,15に巻き掛け、締め具36で締め付けて固定する。このとき、カバー部18の上端に車幅方向に延びる芯材34を備えるので、吊り紐35で吊り下げられたカバー部18の上端の形状を芯材34により維持し、カバー部18に皺が発生するのを防止して美観を高めることができる。
収納具16を助手席シート11に取り付ける場合には、カバー部18に設けた第3スライドファスナー33を開いておくことで、カバー部18の上下方向長さを増加させて後席シートよりも背の高い助手席シート11のシートバック13の前面を完全に覆うことができ、カバー部18によりシートバック13の汚れを防止することができる。尚、図5に示すように、収納具16を背の低い後席シート11′に取り付ける場合には、カバー部18に設けた第3スライドファスナー33を閉じて上下方向長さを減少させることで、カバー部18の弛みを防止して美観を高めることができ、しかもスライドファスナーを採用したことでカバー部18の長さ調整を短時間で容易に行うことができる。
更に、後面部21に設けたシートベルト挿通部37に助手席シート11のシートベルトのショルダーベルト38を挿通してロックし、後面部21に設けた左右一対の固定ベルト39,39をシートバック13の下部に巻き付けてクリップ40,40が相互に結合し、第1ヒンジ部23に接続したアンカー部材42をシートクッション12およびシートバック13間に隙間に挿入し、底面部19に接続したゴム紐43,43を引き伸ばしながらフック44,44をシートクッション12の下部のシ−トフレームに係止することで、収納具16が助手席シート11に強固に固定される。
このようにして収納具16を助手席シート11に取り付けたとき、図3に示すように、鈍角αを成す側面部20の下縁および後面部21の後縁は、シートクッション12の上面およびシートバック13の前面に隙間なく当接するため、後面部21に加わるペットや荷物の荷重をシートバック13の前面で支持することが可能となり、後面部21の剛性を低下させて軽量化を図りながら、収納具16全体の剛性を高めて変形を防止することができる。しかも収納具16はシートクッション12の上面およびシートバック13の前面に隙間なく当接するため、助手席シート11に取り付けた収納具16の前後方向のぐらつきを防止して姿勢を安定させることができる。また左右一対の側面部20,20が折り曲げ不能な剛性板状部25,25を備えることで収納具16全体の剛性が更に高められ、車両の加減速や収納物の移動による収納具16の変形を防止することができる。
収納部17へのペットや物品の出し入れは、第1スライドファスナー29を開いて上面窓28を開放することによっても、あるいは第2スライドファスナー32を開いて側面部20を開放することによっても可能である。またペットを収納した状態で上面窓28を開放すれば、ペットが頭を車室内に出すことが可能になる。このとき、ペットが接触する可能性があるシートバック13はカバー部18で覆われるため、シートバック13の汚損が確実に防止される。
助手席シート11から取り外した収納具16(図6(A)参照)をコンパクトに折り畳むには、先ず左右の第2スライドファスナー32,32を開いて側面部20,20を上面部22および後面部21から分離し(図6(B)参照)、左右の側面部20を底面部19の上面に重なるように第2ヒンジ部24において車幅方向内側に折り畳む(図7(C)参照)。このとき、側面部20を底面部19の車幅方向側縁(ラインL1参照)に沿って折り畳むと、側面部20の後部上端aが底面部19および後面部21間の第1ヒンジ部23よりも後方に大きく突出してしまい、後面部21の折り畳みに支障が発生する可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、第2ヒンジ部24は上下方向に所定の幅W2を有する帯状に形成されるため、その第2ヒンジ部24の対角線(図7(C)のラインL2参照)に沿って側面部20を折り畳むことで、側面部20の後縁を底面部19の後縁(つまり第1ヒンジ部23)に沿わせることができる。但し、側面部20をラインL2に沿って斜めに折り畳むと、第2ヒンジ部24の前端が底面部19の車幅方向側縁から車幅方向外側に第2ヒンジ部24の幅W2と略等しい距離βだけ突出することになる(図7(D)参照)。
このように、側面部20が折り曲げ不能な剛性板状部25を備えていても、側面部20を第2ヒンジ部24のラインL2に沿って折り畳むことで、収納具16の折り畳みが阻害されることはない。また側面部20の剛性板状部25の高さHは、底面部19の車幅方向の幅W1と略等しいので、剛性板状部25の高さHを充分に確保して収納部17の剛性を高めながら、側面部20を折り畳んだときに剛性板状部25が底面部19の側縁から車幅方向外側にはみ出さないようにし、収納具16全体をコンパクトに折り畳むことができる。
続いて、折り畳んだ左右の側面部20,20の上に上面部22を重ね合わせ(図7(D)参照)、更に後面部21を第1ヒンジ部23を介して前方に折り畳むことで、収納具16全体の折り畳みが完了する(図7(E)参照)。上面部22には2個の芯材30,31が埋設されているため、収納具16を組み立てた状態での捩じれ剛性を補強材30,31により確保することができ、しかも芯材30,31は車幅方向に配置されているため、側面部20,20の上に上面部22を折り畳むときに芯材30,31が邪魔になることがない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態の収納具16はペットおよび物品に兼用可能であるが、ペット専用あるいは物品専用であっても良い。
また実施の形態では収納部17の側面部20の上縁が円弧状であるが、折れ線状であっても良い。
11 助手席シート(シート)
12 シートクッション
13 シートバック
17 収納部
19 底面部
20 側面部
21 後面部
22 上面部
24 第2ヒンジ部(ヒンジ部)
25 剛性板状部
31 芯材(補強材)
H 剛性板状部の上下方向の高さ
W1 底面部の車幅方向の幅
W2 ヒンジ部の上下方向の幅
α 側面部の下縁および後縁が成す鈍角
β 側面部の前端の底面部の側縁からの突出量
本発明は、車両のシートに取り付けられる収納部を備える車両用収納具に関する。
自動車の助手席シートに装着される収納具を底面部、前面部、後面部および左右の側面部を有して上面が開放する直方体の箱状に形成し、底面部がシートクッションの上面に載置され、後面部を上方に延長した部分がシートバックの前面に当接するように取り付けるものが、下記特許文献1により公知である。
また犬や猫のようなペットを運搬するためのペット用車載ケースを、底面および四つの側面を有して上面が開放する直方体の箱状に形成し、底面を助手席あるいは後席のシートクッションの上面に当接させた状態で取り付けるものが、下記特許文献2により公知である。
特許第4399867号公報
特開2002−159239号公報
ところで、上記特許文献1に記載された収納具は、不使用時に折り畳んで小型化するために、底面部に1本の折り返し線を備えるとともに、左右の側面部に各々3本の折り返し線を備えており、これらの折り返し線において底面部および左右の側面部を二つ折りにすることで、底面部および左右の側面部を挟んで前面部が後面部に重なる位置に折り畳むようになっている。
しかしながら、上記従来のものは、左右の側面部の剛性が折り返し線により低下するため、自動車の加速や減速に伴う慣性力で収納具の内部に収納した物品が移動したような場合に、左右の側面部が変形して収納具の形状を維持できなくなる可能性があった。
また上記特許文献2に記載されたペット用車載ケースは、箱体を構成する底面および四つの側面が全て剛性の高い板材で構成されているため、重量が増加するだけでなく、コンパクトに折り畳むことが難しいという問題があった。
しかも上記収納具および上記ペット用車載ケースは使用状態で直方体状の形状を有するため、それをシートクッションに上面に載置した状態でシートバックの前面との間に隙間が発生してしまい、シートへの取り付け姿勢が不安定になったり、強固に取り付けようとすると形状が歪んだりする可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、軽量で高剛性でありながらコンパクトに折り畳むことが可能であり、しかもシートに安定した姿勢で取り付けることが可能な車両用収納具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車両のシートに取り付けられる収納部を備える車両用収納具であって、前記収納部は、前記シートのシートクッションに当接する底面部と、前記シートのシートバックに当接する後面部と、少なくとも一部が剛性板状部よりなり、前記底面部の左右側縁に接続されて前記後面部の左右側縁に係合可能な左右一対の側面部と、前記底面部の前縁および前記後面部の上縁に接続され、前記左右一対の側面部に係合可能な上面部とからなり、前記左右一対の側面部は、前記底面部に接続する下縁および前記後面部に係合する後縁が成す角度が鈍角であり、前記上面部および前記後面部との係合を解除した状態で前記底面部の上方に折り畳み可能であることを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記左右一対の側面部の下縁には折り曲げ可能な帯状のヒンジ部が形成され、前記ヒンジ部は上下方向に所定幅を有することを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記ヒンジ部の幅は、前記左右一対の側面部をその後縁が車幅方向に沿うように折り畳んだとき、前記左右一対の側面部の前端が前記底面部の左右側縁から車幅方向外側に突出する突出量に略等しいことを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記左右一対の側面部の剛性板状部の上下方向高さは、前記底面部の車幅方向の幅と略等しいことを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記上面部は少なくとも前記後面部に接続する部分に車幅方向に延びる補強材を備えることを特徴とする車両用収納具が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記鈍角は略110゜であることを特徴とする車両用収納具が提案される。
尚、実施の形態の助手席シート11は本発明のシートに対応し、実施の形態の第2ヒンジ部24は本発明のヒンジ部に対応し、実施の形態の芯材31は本発明の補強材に対応する。
請求項1の構成によれば、車両のシートに取り付けられる収納部は、シートのシートクッションに当接する底面部と、シートのシートバックに当接する後面部と、少なくとも一部が剛性板状部よりなり、底面部の左右側縁に接続されて後面部の左右側縁に係合可能な左右一対の側面部と、底面部の前縁および後面部の上縁に接続され、左右一対の側面部に係合可能な上面部とからなるので、剛性板状部により側面部の剛性を高めることで収納部全体の剛性を高め、車両の加減速や収納物の移動による収納部の変形を防止することができる。
また左右一対の側面部は、底面部に接続する下縁および後面部に係合する後縁が成す角度が鈍角であるので、収納部の底面部をシートクッションに沿わせたときに、収納部の後面部とシートバックとの間に隙間が発生し難くなり、後面部に作用する荷重をシートバックで受けることで、後面部の剛性を高める必要をなくして軽量化を図りながら、収納部全体の剛性を確保することができるだけでなく、収納具を安定した姿勢でシートに取り付けることができる。
しかも左右一対の側面部は、上面部および後面部との係合を解除した状態で底面部の上方に折り畳み可能であるので、一部が折り曲げ難い剛性板状部で構成された側面部を支障なく折り畳むことができる。
また請求項2の構成によれば、左右一対の側面部の下縁には折り曲げ可能な帯状のヒンジ部が形成され、ヒンジ部は上下方向に所定幅を有するので、ヒンジ部の対角線に沿って側面部を折り畳むことで、折り曲げ難い剛性板状部を有する側面部の後縁が底面部の後縁から後方に突出し難くして収納部全体をコンパクトに折り畳むことができる。
また請求項3の構成によれば、ヒンジ部の幅は、左右一対の側面部をその後縁が車幅方向に沿うように折り畳んだとき、左右一対の側面部の前端が底面部の左右側縁から車幅方向外側に突出する突出量に略等しいので、左右一対の側面部を折り畳んだとき、側面部の後縁が底面部の後縁から後方に突出するのを確実に防止することができる。
また請求項4の構成によれば、左右一対の側面部の剛性板状部の上下方向の高さは、底面部の車幅方向の幅と略等しいので、剛性板状部の高さを充分に確保して収納部の剛性を高めながら、左右一対の側面部を折り畳んだときに剛性板状部が底面部の側縁から車幅方向外側にはみ出さないようにし、収納部全体をコンパクトに折り畳むことができる。
また請求項5の構成によれば、上面部は少なくとも後面部に接続する部分に車幅方向に延びる補強材を備えるので、収納部を組み立てた状態での捩じれ剛性を補強材により確保しながら、収納部を折り畳むときに補強材が邪魔になるのを回避することができる。
また請求項6の構成によれば、左右一対の側面部は、底面部に接続する下縁および後面部に係合する後縁が成す鈍角が略110゜であるので、収納部の底面部をシートクッションに隙間なく沿わせ、かつ収納部の後面部をシートバックに隙間なく沿わせることが可能となり、収納部を安定した姿勢でシートに支持することができる。
助手席シートに装着した収納具の斜視図。
図1の2方向矢視図。
図2の3方向矢視図。
図2の4方向矢視図。
後席シートに装着した収納具の部分側面図。
収納具の折り畳みの手順の説明図(その1)。
収納具の折り畳みの手順の説明図(その2)。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1〜図4に示すように、自動車の助手席シート11は、シートクッション12、シートバック13およびヘッドレスト14を備えており、ヘッドレスト14はシートバック13の上端に2本の支柱15,15を介して支持される。助手席シート11には着脱自在な収納具16が取り付けられており、この収納具16には犬・猫のようなペットや小型の荷物等の物品を収納可能である。
収納具16は、シートクッション12の上面に載置される収納部17と、収納部17から上方に延びてシートバック13の前面を覆うカバー部18とを備えており、箱状の収納部17はシートクッション12の上面に当接する矩形状の底面部19(図3および図4参照)と、底面部19の車幅方向両側縁から起立する左右一対の扇状の側面部20,20と、底面部19の後縁から斜め後方に起立する矩形状の後面部21(図3および図4参照)と、底面部19の前縁および後面部21の上縁を接続する矩形状の上面部22とで構成される。カバー部18の下端は後面部21の上端に連続する。
収納具16は、基本的に綿や発泡材からなる可撓性を有する芯材の表裏をナイロン等の布地を覆って外周部を縫製した積層生地で構成されるもので、その一部を除いて柔軟性を有しており、所定の形状に折り曲げて折り畳むことが可能である。全体が可撓性を有する底面部19、後面部21およびカバー部18は車幅方向に一定の幅W1(図2および図4参照)を有しており、底面部19の後縁および後面部21の下縁が接続する部分には、車幅方向に延びる第1ヒンジ部23(図3参照)が形成される、第1ヒンジ部23は、芯材の厚さを他の部分よりも薄くする等の手段により容易に折り曲げ可能に構成される。
扇状の側面部20は、その下縁に沿って前後方向に延びる幅W2の帯状の第2ヒンジ部24(図1および図3参照)を介して、底面部19の車幅方向側縁に接続される。第2ヒンジ部24は、第1ヒンジ部23と同様に、芯材の厚さを他の部分よりも薄くする等の手段により容易に折り曲げ可能に構成される。側面部20における第2ヒンジ部24より上側の部分は、綿や発泡材からなる可撓性を有する芯材の代わりに、所定の剛性を有するプラスチック板よりなる芯材45(図1および図3参照)を有しており、折り畳みは不能であるが平坦な自己の形状を維持可能な剛性板状部25を構成する。つまり、側面部20は、下側の第2ヒンジ部24と上側の剛性板状部25とからなる。
剛性板状部25の上下方向の高さH(図3参照)は、底面部19の車幅方向の幅W1(図2および図4参照)に略一致している。また側面部20の下縁および後縁が成す角度は、助手席シート11のシートクッション12の上面およびシートバック13の前面が成す一般的な角度である鈍角α(実施の形態では110゜)に一致している(図3参照)。
剛性板状部25の中央部にはナイロン製のメッシュを張った側面窓26が形成されており、ペットの視界の確保、乗員による収納部17の内側の視認性の確保および換気が可能になっている。また側面窓26の下方の側面部20には、小物を収納可能なポケット27が設けられる。
前端が底面部19の前縁に接続され、後端が後面部21の上縁に接続された上面部22は、前後方向中央部にナイロン製のメッシュを張った上面窓28が形成されており、ペットの視界の確保、乗員による収納部17の内側の視認性の確保および換気が可能になっている。上面窓28には左右両側縁および後縁に沿って第1スライドファスナー29が設けられており、第1スライドファスナー29を開いて上面窓28を前方に開放することで、ペットや物品を収納部17に出し入れすることが可能になり、また収納部17内のペットが車室内に頭を出すことが可能になる。上面窓28の前縁および後縁に沿って車幅方向に延びるプラスチック板よりなる芯材30,31が埋設されており、これらの芯材30,31により上面部22の剛性が高められる。
側面部20の円弧状の上縁および直線状の後縁は、それぞれ上面部22の車幅方向側縁および後面部21の車幅方向側縁に第2スライドファスナー32を介して結合可能である。即ち、収納具16を組み立てた状態で、側面部20は、下縁が第2ヒンジ部24を介して底面部19に接続され、上縁が第2スライドファスナー32を介して上面部22に接続され、後縁が第2スライドファスナー32を介して後面部21に接続される。
カバー部18の前面には、その一部をル−プ状に折り畳んだ状態で係止する第3スライドファスナー33が車幅方向に設けられる。第3スライドファスナー33を開くとカバー部18の上下方向長さが長くなり、第3スライドファスナー33を閉じるとカバー部18の上下方向長さが短くなる。またカバー部18の上端には、車幅方向に延びるプラスチック棒よりなる芯材34が埋設されており、この芯材34によりカバー部18の上端の剛性が高められる。
カバー部18の上端の車幅方向に離間した二つ位置に吊り紐35の両端部が固定されており、吊り紐35が構成するループの大きさは、吊り紐35に中間部にスライド自在に設けた締め具36により調整自在である。後面部21の後面には上下方向に延びるシートベルト挿通部37の上下両端部が固定されており、助手席シート11のシートベルトのショルダーベルト38がシートベルト挿通部37に挿通可能である。
後面部21の下部の車幅方向両端部には左右一対の固定ベルト39,39の一端が固定されており、固定ベルト39,39をシートバック13の下部に巻き付けた状態で、その他端に設けたクリップ40,40が相互に結合可能である。第1ヒンジ部23には矩形状の布片41を介して円筒状のアンカー部材42が接続されており、アンカー部材42はシートクッション12およびシートバック13間に隙間に挿入可能である。底面部19の前端には左右一対のゴム紐43,43を介してフック44,44が接続されており、これらのフック44,44はシートクッション12の下部のシ−トフレーム(図示せず)に係止可能である。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
組み立てた状態の収納具16を助手席シート11に取り付けるには、収納部17の底面部19を助手席シート11のシートクッション12の上に載置し、後面部21およびカバー部18を助手席シート11のシートバック13の前面に沿わせた状態で、カバー部18の上端に設けた吊り紐35をヘッドレスト14の支柱15,15に巻き掛け、締め具36で締め付けて固定する。このとき、カバー部18の上端に車幅方向に延びる芯材34を備えるので、吊り紐35で吊り下げられたカバー部18の上端の形状を芯材34により維持し、カバー部18に皺が発生するのを防止して美観を高めることができる。
収納具16を助手席シート11に取り付ける場合には、カバー部18に設けた第3スライドファスナー33を開いておくことで、カバー部18の上下方向長さを増加させて後席シートよりも背の高い助手席シート11のシートバック13の前面を完全に覆うことができ、カバー部18によりシートバック13の汚れを防止することができる。尚、図5に示すように、収納具16を背の低い後席シート11′に取り付ける場合には、カバー部18に設けた第3スライドファスナー33を閉じて上下方向長さを減少させることで、カバー部18の弛みを防止して美観を高めることができ、しかもスライドファスナーを採用したことでカバー部18の長さ調整を短時間で容易に行うことができる。
更に、後面部21に設けたシートベルト挿通部37に助手席シート11のシートベルトのショルダーベルト38を挿通してロックし、後面部21に設けた左右一対の固定ベルト39,39をシートバック13の下部に巻き付けてクリップ40,40が相互に結合し、第1ヒンジ部23に接続したアンカー部材42をシートクッション12およびシートバック13間に隙間に挿入し、底面部19に接続したゴム紐43,43を引き伸ばしながらフック44,44をシートクッション12の下部のシ−トフレームに係止することで、収納具16が助手席シート11に強固に固定される。
このようにして収納具16を助手席シート11に取り付けたとき、図3に示すように、鈍角αを成す側面部20の下縁および後面部21の後縁は、シートクッション12の上面およびシートバック13の前面に隙間なく当接するため、後面部21に加わるペットや荷物の荷重をシートバック13の前面で支持することが可能となり、後面部21の剛性を低下させて軽量化を図りながら、収納具16全体の剛性を高めて変形を防止することができる。しかも収納具16はシートクッション12の上面およびシートバック13の前面に隙間なく当接するため、助手席シート11に取り付けた収納具16の前後方向のぐらつきを防止して姿勢を安定させることができる。また左右一対の側面部20,20が折り曲げ不能な剛性板状部25,25を備えることで収納具16全体の剛性が更に高められ、車両の加減速や収納物の移動による収納具16の変形を防止することができる。
収納部17へのペットや物品の出し入れは、第1スライドファスナー29を開いて上面窓28を開放することによっても、あるいは第2スライドファスナー32を開いて側面部20を開放することによっても可能である。またペットを収納した状態で上面窓28を開放すれば、ペットが頭を車室内に出すことが可能になる。このとき、ペットが接触する可能性があるシートバック13はカバー部18で覆われるため、シートバック13の汚損が確実に防止される。
助手席シート11から取り外した収納具16(図6(A)参照)をコンパクトに折り畳むには、先ず左右の第2スライドファスナー32,32を開いて側面部20,20を上面部22および後面部21から分離し(図6(B)参照)、左右の側面部20を底面部19の上面に重なるように第2ヒンジ部24において車幅方向内側に折り畳む(図7(C)参照)。このとき、側面部20を底面部19の車幅方向側縁(ラインL1参照)に沿って折り畳むと、側面部20の後部上端aが底面部19および後面部21間の第1ヒンジ部23よりも後方に大きく突出してしまい、後面部21の折り畳みに支障が発生する可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、第2ヒンジ部24は上下方向に所定の幅W2を有する帯状に形成されるため、その第2ヒンジ部24の対角線(図7(C)のラインL2参照)に沿って側面部20を折り畳むことで、側面部20の後縁を底面部19の後縁(つまり第1ヒンジ部23)に沿わせることができる。但し、側面部20をラインL2に沿って斜めに折り畳むと、第2ヒンジ部24の前端が底面部19の車幅方向側縁から車幅方向外側に第2ヒンジ部24の幅W2と略等しい距離βだけ突出することになる(図7(D)参照)。
このように、側面部20が折り曲げ不能な剛性板状部25を備えていても、側面部20を第2ヒンジ部24のラインL2に沿って折り畳むことで、収納具16の折り畳みが阻害されることはない。また側面部20の剛性板状部25の高さHは、底面部19の車幅方向の幅W1と略等しいので、剛性板状部25の高さHを充分に確保して収納部17の剛性を高めながら、側面部20を折り畳んだときに剛性板状部25が底面部19の側縁から車幅方向外側にはみ出さないようにし、収納具16全体をコンパクトに折り畳むことができる。
続いて、折り畳んだ左右の側面部20,20の上に上面部22を重ね合わせ(図7(D)参照)、更に後面部21を第1ヒンジ部23を介して前方に折り畳むことで、収納具16全体の折り畳みが完了する(図7(E)参照)。上面部22には2個の芯材30,31が埋設されているため、収納具16を組み立てた状態での捩じれ剛性を補強材30,31により確保することができ、しかも芯材30,31は車幅方向に配置されているため、側面部20,20の上に上面部22を折り畳むときに芯材30,31が邪魔になることがない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態の収納具16はペットおよび物品に兼用可能であるが、ペット専用あるいは物品専用であっても良い。
また実施の形態では収納部17の側面部20の上縁が円弧状であるが、折れ線状であっても良い。
11 助手席シート(シート)
12 シートクッション
13 シートバック
17 収納部
19 底面部
20 側面部
21 後面部
22 上面部
24 第2ヒンジ部(ヒンジ部)
25 剛性板状部
31 芯材(補強材)
H 剛性板状部の上下方向の高さ
W1 底面部の車幅方向の幅
W2 ヒンジ部の上下方向の幅
α 側面部の下縁および後縁が成す鈍角
β 側面部の前端の底面部の側縁からの突出量