JP2016022656A - インクジェットヘッドのメンテナンス方法、液体噴射記録装置、およびメンテナンス装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェットヘッド3のメンテナンスを行う際、ヘッド本体14の外部からヘッド本体14の内部に、ノズルプレート17を介して空気を吸引する吸引工程と、ヘッド本体14の内部に、第2供給路12を介してインクIを圧送する圧送工程と、を少なくとも1回ずつ行う。
【選択図】図1
Description
また、本発明に係るインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、前記吸引工程における前記洗浄用流体を吸引する圧力は、前記圧送工程における前記インクを圧送する圧力よりも高く設定されていてもよい。
(液体噴射記録装置およびメンテナンス装置)
図1は、液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、液体噴射記録装置1は、不図示の被記録媒体(例えば、紙面)にインクを噴射するインクジェットヘッド3と、このインクジェットヘッド3にインクIを供給するインク供給手段4と、を主構成とし、メンテナンス装置2は、インクジェットヘッド3の後述のノズルプレート17を外側から封止するキャップ5を備えている。
第1供給路7には、メインタンク6からサブタンク8へとインクIを供給するための第1ポンプ9が設けられている。
また、第1供給路7や第2供給路12は、例えば可撓性を有するフレキシブルホース等により構成されている。これは、インクジェットヘッド3の動作(移動)に追従可能とするためである。
ヘッドチップ16は、駆動電圧を印加することにより変形する圧電基板(例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板)であり、複数のチャネル(不図示)が形成されている。これらチャネルに、圧力緩衝器15を介して供給されたインクIが充填される。
また、ヘッドチップ16の圧力緩衝器15側に設けられたフィルタ18は、ステンレス等により形成されている。フィルタ18を設けることによって、インクI内に混入する異物がヘッドチップ16に供給されてしまうことを防止できる。
さらに、キャップ5は、リターン路21を介してメインタンク6に接続されている。リターン路21には、キャップ5側から順にインクバルブ22、第3ポンプ23が設けられている。リターン路21は、キャップ5に滞留する余剰インクをメインタンク6に戻すためのものである。
次に、インクジェットヘッド3のメンテナンス方法について説明する。
ここで、上述した通り、液体噴射記録装置1の使用期間中は、第2ポンプ13を駆動させてサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIが供給される。このとき、インクI内に混入する異物等は、インクジェットヘッド3に設けられたフィルタ18によって行く手を阻まれ、このフィルタ18のインク上流側の面(フィルタ18における第2供給路12側の面)に付着する。また、長時間の使用によって生成されるインクの凝固物も、フィルタ18によって行く手を阻まれ、このフィルタ18のインク上流側の面に付着する。
次に、第2大気開放バルブ19を開放すると共に、インクバルブ22を閉塞する。
次に、第2ポンプ13を駆動させてインクジェットヘッド3内のインクIをサブタンク8側に吸引する(吸引工程)。
サブタンク8では、攪拌機10が駆動されており、サブタンク8内に到達した凝固物が撹拌されることにより、分散、最溶解される。また、サブタンク8内に到達した異物もサブタンク8内に分散される。
このとき、第2大気開放バルブ19が開放されているので、インクIの供給に伴って、インクジェットヘッド3内の空気が第2大気開放バルブ19を介して大気に放出される。このため、キャップ5内の空気圧が高まるのを防止できる。また、インクIがフィルタ18を通過する際の衝撃で、吸引工程によって引き剥がしきれなかった異物や凝固物が、引きはがれやすい状態にすることができる。
また、圧送工程によるインクIへの圧力よりも、吸引工程によるインクI(空気)への圧力を、高く設定することが望ましい。このように設定することで、フィルタ18に付着した異物や凝固物の引き剥がし力を高めることができる。
なお、吸引工程時の圧力、および圧送工程時の圧力は、例えば、約10kpa前後の範囲で設定される。
そして、上記吸引工程と上記圧送工程を交互に複数回(例えば、10回程度)繰り返す。これにより、1回のメンテナンス作業が完了する。
その後、再び、ヘッドチップ16へのインクIの充填作業を行う。この際、ノズルプレート17のノズル孔(不図示)に、適正なメニスカス(液体表面形状)を形成するようにする。このようにすることで、インク充填後におけるインクジェットヘッド3の吐出を安定させることができる。
また、吸引工程において、異物や凝固物をサブタンク8に戻すことで、これら異物や凝固物の分散、再溶解が可能になる。このため、インクジェットヘッド3の吐出不良を確実に防止できる。
このため、フィルタ18の詰まりを確実に防止でき、インクジェットヘッド3の吐出不良を確実に防止できる。
(液体噴射記録装置およびメンテナンス装置)
次に、図2に基づいて、この発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
図2は、第2実施形態における液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、第2実施形態では、インクジェットヘッド3のメンテナンス時の吸引工程において、インクジェットヘッド3から吸引したインクIを、サブタンク8に戻さず、メインタンク6に戻す構成となっている。この点、前述の第1実施形態と相違する。
第2実施形態における液体噴射記録装置1には、サブタンク8とインクジェットヘッド3とを接続する第2供給路12から分岐され、第2供給路12とメインタンク6とを接続するメンテナンス路31が設けられている。そして、メンテナンス路31とメインタンク6との分岐部には、三方切換バルブ32が設けられている。
そして、第2実施形態の第2供給路12には、前述の第1実施形態のように、第2ポンプ13が設けられていない。さらに、前述の第1実施形態でサブタンク8に設けられていた第1大気開放バルブ11および攪拌機10は、第2実施形態では、それぞれメインタンク6に設けられている。
このような構成のもと、通常、液体噴射記録装置1を使用する際は、三方切換バルブ32により、サブタンク8からインクジェットヘッド3に至る流路(第2供給路12)を開放(連通)する。一方、メンテナンス路31への流路を閉塞する。そして、圧送用ポンプ33を駆動し、空気をサブタンク8内に圧送する。すると、サブタンク8内の空気圧が高まり、サブタンク8からインクジェットヘッド3へとインクIが圧送される。これにより、インクジェットヘッド3にインクIが供給され、インクジェットヘッド3から不図示の被記録媒体にインク滴が吐出される。
まず、吸引工程について説明する。
吸引工程を行う場合、三方切換バルブ32により、メンテナンス路31から第2供給路12の下流側を経てインクジェットヘッド3に至る流路を開放(連通)する。一方、第2供給路12の上流側(サブタンク8側)への流路を閉塞する。また、第2大気開放バルブ19を開放すると共に、インクバルブ22を閉塞する。そして、この状態でメンテナンスポンプ34を駆動させてインクジェットヘッド3内のインクIをメインタンク6側に吸引する。このとき、三方切換バルブ32により、インクジェットヘッド3内のインクIと、ノズルプレート17を介して吸引された空気とがサブタンク8側に送られることがなく、メインタンク6側に送られる。
メインタンク6では、攪拌機10が駆動されており、メインタンク6内に到達した凝固物が撹拌されることにより、分散、最溶解される。また、メインタンク6内に到達した異物もメインタンク6内に分散される。
圧送工程を行う場合、液体噴射記録装置1を使用する場合と同様に、三方切換バルブ32により、サブタンク8からインクジェットヘッド3に至る流路(第2供給路12)を開放(連通)する。一方、メンテナンス路31への流路を閉塞する。そして、圧送用ポンプ33を駆動し、サブタンク8からインクジェットヘッド3へとインクIを供給する。そして、これら吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行うことにより、インクジェットヘッド3のメンテナンスが終了する。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(液体噴射記録装置およびメンテナンス装置)
次に、図3に基づいて、この発明の第3実施形態について説明する。
図3は、第3実施形態における液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、前述の第1実施形態と第3実施形態との相違点は、前述の第1実施形態では、第2供給路12に第2ポンプ13を設け、この第2ポンプ13によりサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを圧送したり、インクジェットヘッド3内に滞留するインクIを吸引したりしたが、第3実施形態では、サブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを圧送するポンプと、インクジェットヘッド3内に滞留するインクIをサブタンク8に圧送して戻すポンプとが別々に設けられている点にある。
すなわち、第3実施形態の第2供給路12には、前述の第1実施形態のように、第2ポンプ13が設けられていない。そして、サブタンク8に、このサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを供給するための第1圧送用ポンプ43が設けられている。
一方、メンテナンス装置2の第2大気開放バルブ19とエアフィルタ20との間には、インクジェットヘッド3のヘッド本体14に空気(洗浄用流体)を圧送するための第2圧送用ポンプ44が設けられている。
次に、インクジェットヘッド3のメンテナンス方法について説明する。
なお、第3実施形態における液体噴射記録装置1の通常の使用方法については、前述の第2実施形態の方法と実質同様であるので、詳細な説明を省略する。すなわち、前述の第2実施形態では、圧送用ポンプ33を用いてインクジェットヘッド3にインクIを供給していたが、第3実施形態では、圧送用ポンプ33に代えて第1圧送用ポンプ43が用いられている。
吸引工程を行う場合、第2大気開放バルブ19を開放すると共に、インクバルブ22を閉塞する。そして、この状態で第2圧送用ポンプ44を駆動し、エアフィルタ20を介して第2圧送用ポンプ44に取り込まれた空気を、第2大気開放バルブ19、キャップ5、ノズルプレート17を介してヘッド本体14内に圧送する。すると、ヘッド本体14内のインクIが、空気に押圧されてサブタンク8に戻る。
圧送工程を行う場合、液体噴射記録装置1を使用する場合と同様に、圧送用ポンプ43を駆動し、サブタンク8からインクジェットヘッド3へとインクIを供給する。
そして、これら吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行うことにより、インクジェットヘッド3のメンテナンスが終了する。
次に、図4に基づいて、この発明の第4実施形態について説明する。
図4は、第4実施形態における液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、前述の第2実施形態と第4実施形態との相違点は、前述の第2実施形態では、メンテナンス路31にメンテナンスポンプ34を設け、このメンテナンスポンプ34により吸引工程を行ったが、第4実施形態では、吸引工程用のポンプをメンテナンス路31とは別に設ける点にある。
すなわち、第4実施形態のメンテナンス路31には、前述の第2実施形態のように、メンテナンスポンプ34が設けられていない。
一方、メンテナンス装置2の第2大気開放バルブ19とエアフィルタ20との間には、インクジェットヘッド3のヘッド本体14に空気(洗浄用流体)を圧送するためのメンテナンスポンプ51が設けられている。
次に、インクジェットヘッド3のメンテナンス方法について説明する。
なお、第4実施形態における液体噴射記録装置1の通常の使用方法、およびインクジェットヘッド3のメンテナンス時における圧送工程については、前述の第2実施形態の方法と同様であるので、説明を省略する。
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
例えば、上述の実施形態では、ヘッドチップ16の圧力緩衝器15側に、フィルタ18を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではない。
すなわち、第1、第3実施形態においては、サブタンク8からインクジェットヘッド3に至る間のインク流路の途中であれば、何れの箇所にフィルタ18を設けてもよい。また、第2、第4実施形態においては、三方切換バルブ32からインクジェットヘッド3に至る間のインク流路の途中でれば、何れの箇所にフィルタ18を設けてもよい。
さらに、上述の実施形態では、インクジェットヘッド3のメンテナンス時における吸引工程において、インクIの吸引時間を、サブタンク8、またはメインタンク6に空気が戻るまでの時間に設定した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、吸引工程において、サブタンク8、またはメインタンク6まで空気を戻さなくてもよい。このような場合でも、吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行うことにより、インク供給路内で異物や凝固物が撹拌され、分解、再溶解される。
Claims (7)
- インクタンクからインク供給流路を介して供給されるインクを、ノズルプレートを介して被記録媒体に噴射させるヘッド本体を備えたインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
前記ヘッド本体の外部から前記ヘッド本体の内部に、前記ノズルプレートを介して洗浄用流体を吸引する吸引工程と、
前記ヘッド本体の内部に、前記インク供給流路を介して前記インクを圧送する圧送工程と、
を有し、
前記吸引工程と前記圧送工程とを、少なくとも1回ずつ行うことを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。 - 前記吸引工程において、前記ノズルプレートを介して吸引された前記洗浄用流体を、前記インクタンクまで送ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
- 前記吸引工程の作動時間を、前記圧送工程の作動時間よりも長く設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
- 前記吸引工程における前記洗浄用流体を吸引する圧力は、前記圧送工程における前記インクを圧送する圧力よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
- 前記吸引工程と前記圧送工程とを、それぞれ交互に複数回行うことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
- 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法を用いたインクジェットヘッドを備えることを特徴とする液体噴射記録装置。
- インクタンクからインク供給流路を介して供給されるインクを、ノズルプレートを介して被記録媒体に噴射させるヘッド本体を備えたインクジェットヘッドをメンテナンスするためのメンテナンス装置において、
前記ノズルプレートを外側から封止するキャップと、
前記キャップに洗浄用流体を圧送し、前記インクタンクに、前記キャップ、前記ノズルプレート、および前記インク供給流路を介して前記洗浄用流体を圧送する流体圧送手段と、
を備えたことを特徴とするメンテナンス装置。
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