JP2016022654A - インクジェットヘッドおよび液体噴射記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、インクジェットヘッドは、ノズルプレートを保護するために、このノズルプレートを覆うように形成されたノズルガードを備えたものがある。ノズルガードは、例えばステンレス等の薄板にプレス加工を施して形成されるものである。ノズルガードのノズル列に対応する箇所には、このノズル列を露出させる開口部が形成されている。
このような場合、濡れ広がったインクに作用する表面張力により、開口部全体をインクが覆ったまま膜を張り、その状態が保持され続けてしまう。そして、ノズルプレートのノズル孔に適正なメニスカスが形成されず、インクの吐出が不能になってしまうという課題がある。
図1は、液体噴射記録装置1の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、液体噴射記録装置1は、記録紙等の被記録媒体Sを搬送する一対の搬送手段2、3と、被記録媒体Sに図示しないインクを噴射するインクジェットヘッド4と、インクジェットヘッド4にインクを供給するインク供給手段5と、インクジェットヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向Yと直交する走査方向Xに走査させる走査手段6と、を備える。
なお、本実施形態では、搬送方向Yおよび走査方向Xの2方向に直交する方向を上下方向Zとする。
そして、一対の搬送手段2,3のグリッドローラ2a,3aを回転させることで、被記録媒体Sを搬送方向Yに沿った矢印A方向に搬送することが可能とされている。
図示の例では、インクタンク10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の四色のインクがそれぞれ収容されたインクタンク10Y、10M、10C、10Bが搬送方向Yに並んで配置されている。インク配管11は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースであり、インクジェットヘッド4を支持するキャリッジ16の動作(移動)に追従可能とされている。
駆動機構17は、一対のガイドレール15の間に配置され、走査方向Xに間隔をあけて配置された一対のプーリ18と、これら一対のプーリ18の間に巻回されて走査方向Xに移動する無端ベルト19と、一方のプーリ18を回転駆動させる駆動モータ20と、を備えている。
図示の例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各インクをそれぞれ噴射する4つのインクジェットヘッド4、すなわちインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bが搭載されている。
次に、インクジェットヘッド4について詳細に説明する。
図2は、インクジェットヘッド4の斜視図である。
同図に示すように、インクジェットヘッド4は、キャリッジ16に固定される固定プレート25と、この固定プレート25上に固定されたヘッドチップ26と、インク供給手段5から供給されたインクを、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41aにさらに供給するインク供給部27と、ヘッドチップ26に駆動電圧を印加する制御手段28と、を備えている。
なお、これら流路部材31、圧力緩衝器32およびインク連結管33は、上記インク供給部27として機能する。
なお、これら制御回路35が搭載されたIC基板36、およびフレキシブル基板37は、上記制御手段28として機能する。
続いて、ヘッドチップ26について詳細に説明する。
図3は、ヘッドチップ26の斜視図、図4は、ヘッドチップ26の分解斜視図である。
図3、図4に示すように、ヘッドチップ26は、アクチュエータプレート40、カバープレート41、支持プレート42、ノズルプレート43、および、このノズルプレート43を保護するノズルガード61を備えている。ヘッドチップ26は、後述する液体噴射チャネル45Aの長手方向端部に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプとされている。
このアクチュエータプレート40は、厚さ方向L1に直交する第1方向(配列方向)L2に長く、厚さ方向L1および第1方向L2に対して直交する第2方向L3に短い、平面視略長方形状に形成されている。
このうち、液体噴射チャネル45Aは、アクチュエータプレート40の上端面40b側に開口することなく、下端面40a側にだけ開口した状態で形成されている。一方、ダミーチャネル45Bについては、アクチュエータプレート40の下端面40a側だけでなく、上端面40b側にも開口するように形成されている。
一方、ダミーチャネル45Bの内壁面のうち、第1方向L2に向かい合う一対の側壁面には、不図示のダミー電極がそれぞれ形成されている。これらダミー電極は、ダミーチャネル45Bに沿って第2方向L3に延び、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に形成されたダミー端子(電極端子部)53に導通している。
このインク導入孔41aには、流路部材31を介して供給されてきたインクを液体噴射チャネル45A内に導入させ、かつダミーチャネル45B内への導入を規制する複数のスリット55aが形成されたインク導入板55が形成されている。つまり、複数のスリット55aは、液体噴射チャネル45Aに対応する位置に形成されており、各液体噴射チャネル45A内にのみインクを充填することが可能とされる。
ノズルプレート43は、例えばポリイミド等のフィルム材からなるシートで、その外形状は、第2段差部42Cの外形状に対応する大きさに形成されている。なお、ノズルプレート43における被記録媒体Sに対向する対向面(下端面)には、例えばインクの付着等を防止するための撥水膜がコーティングされている。
図5は、ノズルガード61の平面図である。
図3〜図5に示すように、ノズルプレート43を保護するノズルガード61は、例えばステンレス等の薄板材にプレス加工を施すことによって形成されたものである。また、ノズルガード61は、ノズルプレート43を下端側から覆うように、このノズルプレート43側が開口された箱状に形成されている。さらに、ノズルガード61は、支持プレート42の第1段差部42Bの外形状に対応するように形成されており、この第1段差部42Bの外側面にノズルガード61の周壁61aが嵌合した状態で、例えば接着等により固定されている。なお、ノズルガード61の板厚は、例えば約0.2mm程度に設定されている。
さらに、ノズルガード61には、開口部62の長手方向(第1方向L2)の両端で、かつ開口部62の短手方向(ヘッドチップ26の厚さ方向L1)の両側に、それぞれインク溜まり部63が形成されている。
なお、以下の説明では、ノズルガード61、およびノズルプレート43のワイピングされる表面を、単にワイピング面と称して説明する。
次に、上記のように構成された液体噴射記録装置1により、被記録媒体Sに情報を記録する場合の作用について説明する。
その結果、被記録媒体Sに4色のインクを利用して、文字や図形等の各種情報を記録することができる。
次に、図6に基づいて、インク溜まり部63および突起部64の作用について、ワイピングの説明と共に詳述する。
図6は、ワイピングの説明図であって、(a)〜(d)は、ワイパ71の挙動の変化を示す。ここで、図6(a)〜図6(d)に示すように、ワイピングは、ワイパ71をノズルガード61の長手方向(第1方向L2)に沿って走査させることにより行われる。また、ワイパ71は、ノズルガード61の長手方向一端から他端に至るまで往復動作する。
そのままワイパ71が走査していくと、図6(c)に示すように、ノズルガード61の開口部62、およびインク溜まり部63にインクIが入り込む。
このため、ワイパ71が走査し続けると、図6(d)に示すように、開口部62、およびインク溜まり部63に入り込んだインクIが突起部64によって分断される。
その後、開口部62に滞留するインクIは、ワイパ71によってノズルガード61の下流側端から外部へと排出され、ワイピングが完了する。
また、インク溜まり部63は、ノズルガード61に形成されている開口部62の長手方向の両端、つまり、開口部62におけるワイピングする方向の上流側に形成されている。このため、ノズルガード61に付着したインクが開口部62に濡れ広がる前にインク溜まり部63に溜まるので、開口部62に余剰インクが膜を張ってしまうことを効率よく防止できる。
例えば、上述の実施形態では、エッジシュートタイプのヘッドチップ26を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、液体噴射チャネル45Aの長手方向中央に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプとしても構わない。
この場合、例えばアクチュエータプレート40の他方の主面側にノズルプレート43を重ね合せ、その上からノズルガード61を取り付ければよい。また、液体噴射チャネル45Aの長手方向中央部分に、ノズル孔43aに連通する連通口を形成する等すればよい。
その他、ノズルガード61の開口部62に入り込むインクの量を低減できる形であれば、インク溜まり部63の形状は、上述の実施形態の形状に限られるものではない。以下に、ノズルガード61の変形例について具体的に説明する。
図7は、第1変形例におけるノズルガード61の平面図であって、上述の図5に対応している。
同図に示すように、第1変形例では、ノズルガード61の突起部64の先端に、丸面取り部64aが形成されている。
このように構成することで、突起部64の先端にワイパ71(図6参照)が引っ掛かるなどして、ワイパ71が損傷してしまうことを防止できる。また、突起部64の先端に丸面取り部64aを形成することによって、突起部64の剛性を高めることができ、ノズルガード61の使用寿命を高めることが可能になる。
図8は、第2変形例におけるノズルガード61の平面図であって、上述の図5に対応している。図9は、図8のA−A線に沿う断面図である。
図8、図9に示すように、第2変形例では、ノズルガード61に形成されている開口部62およびインク溜まり部63の周縁には、それぞれテーパ部81が形成されている。テーパ部81は、下面に向かうに従って、つまり、被記録媒体S(図1参照)に対向する対向面側に向かうに従って拡がるように形成されている。
図10は、第3変形例におけるノズルガード61の平面図であって、上述の図5に対応している。図11は、ノズルガード61の側面図である。
図10、図11に示すように、第3変形例のインク溜まり部63は、それぞれノズルガード61の短手方向両側に至るまで延出形成されている。より具体的には、インク溜まり部63は、開口部62におけるワイピングする方向の上流側端から下流側に向かって斜めに延出している。
また、インク溜まり部63は、開口部62におけるワイピングする方向の上流側端から下流側に向かって斜めに延出している。このため、ワイパ71(図6参照)を走査させたときにインク溜まり部63のインクが、インク溜まり部63の内周縁に沿って自然とノズルガード61の短手方向両側に押し出される。よって、インク溜まり部63のインクを、スムーズに排出することができる。
図12は、第4変形例におけるノズルガード61の平面図であって、上述の図5に対応している。
同図に示すように、第4変形例のインク溜まり部63は、開口部62とは連通形成されておらず、さらに、複数の孔63aにより構成されている。
このように構成した場合であっても、ノズルガード61に付着したインクの一部が開口部62に入り込む前にインク溜まり部63に溜まるので、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
図13は、第5変形例におけるノズルガード61の平面図であって、上述の図5に対応している。
同図に示すように、第5変形例のインク溜まり部63は、孔ではなく、ノズルガード61のワイピング面から突出するように形成された凸部である。また、インク溜まり部63は、ノズルガード61の長手方向外側(ワイピングする方向の上流側)が開口するように平面視略C字状に形成されている。このため、ワイピングの際、ノズルガード61に付着したインクの一部がインク溜まり部63に留まる。よって、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
図14は、第6変形例におけるノズルガード61の平面図であって、上述の図5に対応している。
ここで、同図に示すように、第5変形例と第6変形例との相違点は、第5変形例のインク溜まり部63は、ノズルガード61の短手方向両側に至るまで延出形成されていないが、第6変形例のインク溜まり部63は、ノズルガード61の短手方向両側に至るまで延出形成されている点にある。
Claims (10)
- 複数のノズル孔からなるノズル列を有するノズルプレートと、
インクが充填されると共に前記ノズル孔に連通する複数のチャネルを有するアクチュエータプレートと、
前記ノズルプレートを覆うように設けられ、前記ノズルプレートを保護するためのノズルガードと、
を備え、
前記ノズルガードは、
前記ノズル列を露出させるように、該ノズル列の方向に沿って長く形成された開口部と、
前記ノズルガードのワイピング面で、かつ前記開口部の周囲に設けられたインク溜まり部と、
を備えていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記インク溜まり部は、前記開口部における前記ノズルガードをワイピングする方向の上流側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インク溜まり部は、前記ノズルガードの前記ワイピング面に形成された孔であることを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インク溜まり部は、前記開口部の短手方向両側に、該開口部と連通するように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
- 少なくとも前記インク溜まり部の周縁には、前記ワイピング面に対する垂直方向の外側に向かうに従って拡がるように、テーパ部が形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インク溜まり部は、前記ノズルガードの前記ワイピング面に付着したインクを、前記インク溜まり部に導くインク分離部を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インク分離部は、ワイピングする方向の上流側に向かって突出する突起であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
- 前記突起の先端に、面取り部を形成したことを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インク溜まり部は、少なくとも一部が前記ノズルガードの外周部にかかるように設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
- 請求項1〜請求項9の何れか1項に記載のインクジェットヘッドを備えた液体噴射記録装置。
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