JP2016022459A - 粒子層の塗布方法、及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピッチ分散の良好な粒子の配列を得る。
【解決手段】実施形態によれば、表面に第1の高分子材料を用いて形成された第1の被覆層を有する粒子を溶媒中に分散させ、粒子塗布液を作製し、及び第1の高分子材料と同じ骨格を有する第2の高分子材料を用いて形成された第2の被覆層を有する基板上に粒子塗布液を塗布し、単粒子層を形成する粒子層の塗布方法が得られる。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、粒子層の塗布方法、及び磁気記録媒体の製造方法に関する。
数nmから数百nmの周期で規則的に配列した微細構造は、磁気記録媒体をはじめ、半導体デバイスやフォトニック結晶、反射防止膜や吸着基板等の技術に応用することができる。
そのような構造を作製するためには、電子線や紫外線等の描画装置などを用い、レジスト上にパターンを描画する方法や、ジブロックコポリマーや粒子の自己組織化現象を利用する方法などがあげられる。特に粒子を用いたパターン形成方法においては、レジストやジブロックコポリマーなどの有機材料とは異なり、無機材料、特に金属材料を使用することができ、後に続く転写エッチングプロセスにおいて、エッチング選択比を好ましいものにすることができる。しかし、従来の塗布技術においては、基板上への単粒子層を形成する際、粒子配列の改善に伴い粒子間にクラックが生じてピッチ分散を悪化させてしまっていた。
粒子を最密に配列させるには、例えば公知文献1のように、ディップコート法を用い毛細管力を利用し粒子を単層にかつ最密に配列させる技術がある。しかし、この方法では、粒子が最密に配列する際に粒子がわずかに移動し、粒子間にクラックが発生する。
また、そのようなクラックを改善する方法として、例えば公知文献2のように、余剰の有機安定化剤を添加した粒子溶液を用い、加熱処理を施すことで平坦性及び配列性を改善させている。しかし、この方法では、粒子間に存在する有機安定化剤の量に分散が存在するため、粒子間の距離が変化してしまう。そのため、粒子間に均一な相互作用を働かせることが難しく、配列を悪化させてしまう。
S. Sivaraman ら ナノテクノロジー 23 (2012) 255603 (13pp)
本発明の実施形態は、ピッチ分散の良好な粒子の配列を得ることを課題とする。
実施形態によれば、表面に第1の高分子材料を用いて形成された第1の被覆層を有する粒子を溶媒中に分散させ、粒子塗布液を作製する工程、及び前記第1の高分子材料と同じ骨格を有する第2の高分子材料を用いて形成された第2の被覆層を有する基板上に粒子塗布液を塗布し、単粒子層を形成する工程を含む粒子層の塗布方法が提供される。
実施形態に係る粒子層の塗布方法は、表面に第1の高分子材料を用いて形成された第1の被覆層を有する粒子を溶媒中に分散させ、粒子塗布液を作製する工程と、第1の高分子材料と同じ骨格を有する第2の高分子材料を用いて形成された第2の被覆層を有する基板上に粒子塗布液を塗布し、単粒子層を形成する工程とを含む。
実施形態に係る粒子層の塗布方法によれば、第1の高分子材料で被覆された粒子を溶媒に分散させて、第1の高分子材料と同じ骨格を有する第2の高分子材料で被覆された基板上に塗布することにより、基板上にピッチ分散の良好な粒子の配列を有する単粒子層を容易に形成することができる。
実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法は、表面に第1の高分子材料を用いて形成された第1の被覆層を有する粒子を溶媒中に分散させ、粒子塗布液を作製する工程、第1の高分子材料と同じ骨格を有する第2の高分子材料を用いて形成された第2の被覆層を有する基板上に粒子塗布液を塗布し、単粒子層を形成する工程、及び単粒子層上に磁気記録層を形成する工程を含む。
実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法によれば、第1の高分子材料で被覆された粒子を溶媒に分散させて、第1の高分子材料と同じ骨格を有する第2の高分子材料で被覆された基板上に塗布することにより、基板上にピッチ分散の良好な粒子の配列を得る単粒子層を容易に形成することが可能であり、この単粒子層をシード層として、その上に磁気記録層を形成することにより、ピッチ分散の良好な微細パターンを有する磁気記録層を備えた磁気記録媒体が得られる。
粒子
実施形態に使用される粒子は、1nm〜1μm程度の平均粒径を有し得る。粒子の形状は多くが球形であるが、四面体、直方体、八面体、三角柱、六角柱、円筒形等の形をしていてもよい。粒子を最密に配列させることを考えた場合、形の対称性が高い方が好ましい。粒子は、塗布時の配列性を上げるため、粒径分散が小さいことが好ましい。粒径分散と配向分散(ピッチ分散)との間には比例関係があり、例えば、粒径分散が10%程度の場合、その粒子が配列し形成した単粒子層の粒子のピッチ分散は7%程度となり、粒径分散が15%程度の場合、ピッチ分散は10%、粒径分散30%程度の場合は、ピッチ分散は17%となる。そのため、粒子分散は、粒径分散は好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
実施形態に使用される粒子は、1nm〜1μm程度の平均粒径を有し得る。粒子の形状は多くが球形であるが、四面体、直方体、八面体、三角柱、六角柱、円筒形等の形をしていてもよい。粒子を最密に配列させることを考えた場合、形の対称性が高い方が好ましい。粒子は、塗布時の配列性を上げるため、粒径分散が小さいことが好ましい。粒径分散と配向分散(ピッチ分散)との間には比例関係があり、例えば、粒径分散が10%程度の場合、その粒子が配列し形成した単粒子層の粒子のピッチ分散は7%程度となり、粒径分散が15%程度の場合、ピッチ分散は10%、粒径分散30%程度の場合は、ピッチ分散は17%となる。そのため、粒子分散は、粒径分散は好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
微粒子の材料は、金属あるいは無機物、またはそれらの化合物であることが好ましい。具体的には、微粒子の材料としてAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Y、Zr、Sn、Mo、Ta、W、Au、Ag、Pd、Cu、Pt等が挙げられる。また、これらの酸化物、窒化物、硼化物、炭化物、硫化物等も用いることができる。粒子は結晶性でも、アモルファスでも良い。例えば、Feの周囲にFeOx(x=1〜1.5)で覆われた構造のように、コアシェル型の粒子でも良い。コアシェル型の場合、Fe3O4の周囲をSiO2が覆うような、組成の異なる材料でも良い。さらに、Co/Feのような金属コアシェル型の表面が酸化され、Co/Fe/FeOxのような3層以上の構造となっても良い。主成分が上記に挙げたものであれば、例えばFe50Pt50のように、PtやAg等の貴金属との化合物でも良い。
微粒子の配列は溶液系で行われるため、微粒子は後述する保護基をつけた状態で、溶液に安定に分散した状態で用いられる。
保護基(第1の高分子材料)
第1の高分子材料として使用可能な保護基として、末端にカルボキシ基あるいはチオール基等の反応性官能基がついた有機物があげられる。
第1の高分子材料として使用可能な保護基として、末端にカルボキシ基あるいはチオール基等の反応性官能基がついた有機物があげられる。
一般に、カルボキシ基はAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Y、Zr、Sn、Mo、Ta、W等の粒子とよく反応し、チオール基はAu、Ag、Pd、Cu、Pt等の粒子と反応する。2種類の合金であれば、含有量の多い方の材料を用いるか、あるいはFe50Pt50のように組成比が同程度の場合、両者を同時に用いることもできる。その場合、Fe側にはカルボキシ基が、Pt側にはチオール基がつくと考えられる。
保護基の反応性官能基を微粒子と結合させ、保護基の主鎖を粒子間隔調整や配列のための極性調整に用いることができる。極性は一般的に溶解度パラメータ(SP値)を用いてうまく説明できる。SP値は、例えば水のように極性が大きいものの場合、値が大きくなり、極性の小さなものでは値が小さくなる。カーボン(C)やシリコン(Si)表面の場合、SP値は25MPa1/2以下であることが望ましい。有機物の主鎖は、一般的な炭化水素(CnH2n+1)や二重結合や三重結合を1個あるいは複数個含むもの、ポリスチレンをはじめとする芳香族炭化水素、ポリエステルやポリエーテル類が好ましい。例えば、カルボキシ基を持つものについては、飽和炭化水素であればカプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、不飽和炭化水素であれば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。チオール基についても、同様にCnH2n+1−チオールや、CnH2n−チオール等があげられる。また、主鎖はポリエステルやポリエチレン、エポキシ、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等のポリマーを使用することができる。保護基を後から反応させるプロセスのため、枝分かれの少ない直鎖状構造を持つことができる。特に、ポリスチレン類を用いる場合、そのSP値が塗布溶媒と近い値をとるため、溶解性および塗布性が良好である。
保護基は粒子間隔を広げるだけではなく、粒子の配列を改善させる効果がある。粒子の配列には、溶媒乾燥時に粒子が自由に移動できる物理的な空間が必要となる。粒子間隔が狭い場合、粒子同士のファンデルワールス力の影響が強く、粒子の運動を妨げてしまう。特に保護基がなく粒子同士がむき出しとなっている場合、粒子同士が凝集し、粒子が移動することができない。粒子の表面に保護基を修飾し、粒子同士の間隔を広げることで、粒子間にかかるファンデルワールス力の影響を抑制し、粒子の運動を妨げることなく、配列を改善させることができる。
図1はポリスチレンを保護基とした場合について、保護基の重量平均分子量と粒子間隔との関係を表すグラフ図である。
図中、グラフ101に示すように、保護基の分子量が高くなると粒子間隔が大きくなる。
粒子をメモリやストレージなどの記録パターンとして使用する場合、粒子間隔が広くなることでパターン密度が低下する。粒子間隔は、粒子の直径に対し10%から200%の間であることが好ましい。そのため、保護基の分子量は、100〜50,000の範囲にすることができる。さらに、第1の高分子材料として1000から50,000の間の分子量を有するポリスチレンを用いることが好ましい。なお、特に明記の明記しない分子量は数平均分子量のことをさす。
基板処理剤(第2の高分子材料)
基板処理剤として使用可能な第2の高分子材料は、粒子の表面を被覆する保護基(第1の高分子材料)と同じ材料であることが好ましい。具体的には、基板処理剤に用いられる有機物の主鎖が、一般的な炭化水素(CnH2n+1)や二重結合や三重結合を1個あるいは複数個含むものであって、ポリスチレンをはじめとする芳香族炭化水素、ポリエステルやポリエーテル類であることが好ましい。例えば、主鎖がポリエステルやポリエチレン、エポキシ、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリプロピレン等の高分子でもよい。基板と基板処理剤との反応には、ヒドロキシル基を用いて加水分解反応させる方法や、シランカップリングによる反応などを用いることができる。
基板処理剤として使用可能な第2の高分子材料は、粒子の表面を被覆する保護基(第1の高分子材料)と同じ材料であることが好ましい。具体的には、基板処理剤に用いられる有機物の主鎖が、一般的な炭化水素(CnH2n+1)や二重結合や三重結合を1個あるいは複数個含むものであって、ポリスチレンをはじめとする芳香族炭化水素、ポリエステルやポリエーテル類であることが好ましい。例えば、主鎖がポリエステルやポリエチレン、エポキシ、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリプロピレン等の高分子でもよい。基板と基板処理剤との反応には、ヒドロキシル基を用いて加水分解反応させる方法や、シランカップリングによる反応などを用いることができる。
分子量は保護基と異なり制約はないが、1,000から50,000の間であることが好ましい。基板表面の反応基が少ない場合、分子量が3,000未満では基板表面の被覆率が悪くなり、粒子の配列を悪化させる可能性がある。そのため、分子量は3,000以上であることがより好ましい。
さらに好ましくは、第2の高分子材料は1,000から50,000の間の分子量を有するポリスチレンである。
基板処理剤を粒子の保護基と同一材料とすることにより、粒子−基板間の相互作用を強め、溶媒乾燥時に発生するクラックを抑制することができる。
ここで、基板処理剤に使用する粒子の表面を被覆する保護基と同じ材質の高分子とは、骨格の主たる部分が同一の高分子であればよく、粒子の表面を被覆する保護基がポリスチレンの場合、下記化学式(1)ないし(4)に示した構造の材料を使用することができる。
上記式中、Xとしては、様々な官能基をとることができる。このような官能基として、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン基等があげられる。
また、上記式中、Yとしては、Xと同様様々な官能基のほか、主たる高分子の割合が50%以上であれば、高分子を使用することができる。例えば、YとしてPMMA(ポリメチルメタクリレート)を用い、PS(ポリスチレン)とPMMAが結合したブロック共重合体でもよい。
溶媒
粒子を分散させる溶媒には、前述の粒子保護基との親和性が高いものが好ましい。スピンコート法により塗布する場合、沸点が150℃程度の溶媒が好ましく、ディップコート法により粒子を塗布する場合、沸点が80℃程度であることが好ましい。
粒子を分散させる溶媒には、前述の粒子保護基との親和性が高いものが好ましい。スピンコート法により塗布する場合、沸点が150℃程度の溶媒が好ましく、ディップコート法により粒子を塗布する場合、沸点が80℃程度であることが好ましい。
たとえば、スピンコート法を用いる場合、キシレン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルアセテート、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングルコールジメチルエーテル、などが用いられる。また、ディップコート法を用いる場合、ヘキサン、MPK(メチルプロピルケトン)、MEK(メチルエチルケトン)、酢酸エチル、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、THF(テトラヒドロフラン)、シクロヘキサン、ジクロロエタン等が用いられる。特にディップコートで使用する溶媒としては、鎖状の構造を持つ溶媒が好ましい。鎖状の構造を持つ溶媒としては、例えばMPK、MEKと酢酸エチル、エチレングリコールジメチルエーテルなどがあげられる。鎖状の構造を持つ溶媒の中でもケトン構造を有する溶媒例えばMPK、MEK、酢酸エチルが好ましい。さらに10以上の比誘電率を有する溶媒例えばMPK、MEKがより好ましい。
下記表1に、実施形態に使用可能な溶媒のいくつかの例について粒子の被覆性、SP値、比誘電率、及び構造式を示す。
なお、粒子の被覆性は、原子間力顕微鏡(AFM)または、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定することにより評価できる。
塗布方法
粒子を基板に塗布するには、スピンコート法、ディップコート法、L(ラングミュア)法等を用いることができる。
粒子を基板に塗布するには、スピンコート法、ディップコート法、L(ラングミュア)法等を用いることができる。
スピンコート法では、濃度を調整した粒子塗布液を基板上へ滴下し、基板を回転させて溶媒を乾燥させる。このとき回転数で膜厚を制御することができる。
ディップコート法では、濃度を調整した粒子塗布液を容器に収容し、容器内の粒子塗布液に基板を浸漬し、基板を引き上げる際の粘性力および分子間力で基板上に微粒子を付着させる。また引き上げの速度により膜厚を制御することができる。スピンコート法では、回転数で膜厚を制御する際に余分な粒子塗布液は廃棄されるが、ディップコート法では、引き上げによって膜厚を制御する際に余分な粒子塗布液は容器に戻されるので廃棄分が少ない。
L法では、粒子保護基の極性と溶媒の極性を解離させ、表面に粒子が単層で浮くような状態を作った後、浸漬した基板を引き上げることで基板上に微粒子を配列させることができる。
引き上げ速度
下記表2に、粒子保護基として分子量5000のPS、3インチのシリコン基板の表面処理として、分子量14000のPS粒子を分散させる溶媒としてDME(エチレングルコールジメチルエーテル)を使用し、直径10nmの金微粒子を濃度3g/ccに調整した粒子溶液を用いて、100枚の基板を各引き上げ速度で引き上げた場合に形成される粒子の被覆性の評価、および歩留まりとして、基板100枚中の面内分布の無いサンプル数を示す。面内分布は、光学顕微鏡のほか、分光エリプソメータを用い計測し、基板の8〇%の領域において、膜厚分布が±10%以内である場合について、膜厚分布がないと判定した。
下記表2に、粒子保護基として分子量5000のPS、3インチのシリコン基板の表面処理として、分子量14000のPS粒子を分散させる溶媒としてDME(エチレングルコールジメチルエーテル)を使用し、直径10nmの金微粒子を濃度3g/ccに調整した粒子溶液を用いて、100枚の基板を各引き上げ速度で引き上げた場合に形成される粒子の被覆性の評価、および歩留まりとして、基板100枚中の面内分布の無いサンプル数を示す。面内分布は、光学顕微鏡のほか、分光エリプソメータを用い計測し、基板の8〇%の領域において、膜厚分布が±10%以内である場合について、膜厚分布がないと判定した。
下記表3に、粒子保護基として分子量5000のPS、3インチのシリコン基板の表面処理として、分子量14000のPS粒子を分散させる溶媒としてMEKを使用し、直径10nmの金微粒子を3mg/ccの濃度に粒子塗布液を調製して、各引き上げ速度で引き上げた場合に形成される粒子の被覆性を評価した。また、歩留まりとして、100枚中の3インチシリコン基板の面内分布の無いサンプル数を示す。
上記表から、DMEおよびMEKの両溶媒とも、引き上げ速度0.1mm/秒から10mm/秒の領域で歩留まりが50%以上であることがわかる。また、引き上げ速度が0.5mm/秒から5mm/秒の領域では、歩留まりが80%となりさらに好ましい。
引き上げ速度を10mm/秒より速くすると、溶媒の乾燥が基板引上げ後に完了するため、気流などの外乱の影響を受け、歩留まりおよび粒子の被覆性を妨げる結果となる。一方、速度を0.1mm/秒より遅くすると、基板を引き上げる時間が長時間となり、引き上げ中に発生する外乱の影響により、液面が振動し歩留まりが低下する。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施例1
粒子塗布液の作製
以下のようにして、粒子塗布液を作製する。
粒子塗布液の作製
以下のようにして、粒子塗布液を作製する。
まず、粒子表面にポリスチレン(PS)からなる保護基を形成する。
Aldrich社製のデカンチオール末端基を有するAu粒子(平均粒径10nm)のトルエン分散液を用意した。このAu粒子のトルエン溶液をさらにトルエンで希釈し、濃度0.1wt%とした粒子溶液Aを作製する。
また、第1の高分子材料として、末端にチオール基(−SH基)を有し、分子量が5000のPSを用意し、これをトルエン中に濃度1.0wt%で溶解させ、PS溶液Xを作製する。
その後、粒子溶液AとPS溶液Xを体積比1:1で混合し、粒子溶液Bを作製し、室温中で24時間反応させる。この反応によりデカンチオール末端のAu粒子の表面とポリスチレンのチオール基が反応し、粒子の表面にPS層が形成される。反応後、PSの貧溶媒であるエタノールを粒子溶液Bに混合し、遠心分離を行うことで溶媒と粒子を分離し、第1の高分子としてポリスチレンで被覆されたAu粒子を得る。
Au粒子を再分散させるために、溶媒として2−ブタノン(MEK)を使用し、MEKに溶解させ、Au粒子濃度3mg/ccの粒子塗布液Cを作製する。
基板表面処理
続いて、基板の表面処理を行う。
続いて、基板の表面処理を行う。
基板は3インチのSi基板を使用し、実験に供する前にUV洗浄機で10分間洗浄を行った後、第2の高分子として末端にヒドロキシル基を有する分子量9,800PSを用意し、PGMEAにより、質量パーセント濃度1%に希釈して滴下し、スピンコートにより塗布膜を形成した。その後、真空雰囲気下で170℃20時間熱処理を行い、基板上にPSの化学吸着層を形成した。その後、基板にPGMEAを滴下し、化学吸着に使用されなかった余剰なPSを溶解させるとともに、基板の洗浄を行った。その後、溶媒を振り切り回転により揮発させ、表面にPSの化学吸着層を有する基板を得た。化学吸着層の膜厚は、PSの分子量で制御することができ、ここではPSの分子量9,800のものを使用し、膜厚7.5nmの化学吸着層を形成した。
必要に応じ、基板の裏面においても、同様の表面処理を行ってもよい。
単粒子層の形成
次に、ディップコート法により、粒子層を形成する。
次に、ディップコート法により、粒子層を形成する。
ディップコート法による単粒子層の塗布工程の一例を表す模式図を図2に示す。
図2の領域13の部分拡大図を図3に示す。
図示するように、容器14の中に粒子塗布液Cが収容されている。
粒子塗布液Cには、Au粒子10とAu粒子10表面に被覆されたポリスチレン保護基1とからなる粒子11が溶媒6(MEK)に分散されている。
ポリスチレン保護基の材料とは分子量が異なるポリスチレン被覆層2で表面処理した基板20を、粒子塗布液Cの液面に対し垂直に浸漬し、基板20全体を浸漬する。その後、浸漬時に発生する液面の振動を抑えるため30秒間静止し、速度1mm/秒の速度で引き上げ、基板20全域に粒子層5を形成する。
この時、1mm/秒の引き上げ速度では、液面4から2〜5mm程度引き上げられた位置で溶媒の乾燥が発生し、乾燥に伴う干渉縞が基板上に発生する。基板上の干渉縞がなくなり溶媒が乾燥した後、原子間力顕微鏡(AFM)を用い、表面性を確認したところ、10μmの範囲で単粒子層が形成されている様子を確認された。また、走査型電子顕微鏡(SEM)で粒子配列を確認したところ、各粒子は最密充填しており、ピッチ分散が7.8%であることが分かった。引き上げ速度により、基板上に形成する粒子の膜厚(層数)を制御することが可能であり、基板上に多層になった場合には、引き上げ速度を遅くし基板上に塗布する液量を減らすことができ、基板上に粒子のない領域(ボイド)が発生した場合には、引き上げ速度を早くすることで基板上に塗布する液量を増加させ、ボイドを改善させることが可能である。また、1mm/秒の速度での引き上げにおいて、基板上に形成される粒子層が、狙いの単層から大幅にずれていた場合、粒子溶液の濃度を調整することでも改善することができる。例えば、基板上に多層の粒子層が形成された場合には粒子の濃度を低くすればよく、基板上にボイドが発生した場合には粒子の濃度を高くすればよい。
ディップコート法により作製した粒子層は、基板両面に作製される。本実施例の場合、基板表面処理工程において、基板への表面処理を片面しか行っていないため、表面処理を行った表面においては単粒子層が形成され、表面処理を行っていない面では、Si表面が露出しているため、単粒子層の領域が全体の50%程度であった。
なお、別途、PMMA処理を施した基板を使用し、粒子塗布液Cの代わりに、粒子の表面処理としてPMMAを使用した塗布溶液を用いた場合について、粒子層形成後の粒子の被覆性をAFMで評価したところ、基板の表面処理としてPMMA処理を施すことで、基板上の粒子層全体の面積に対する単粒子層部分(1層部)の面積の比率を100%にすることが可能であることが分かった。
比較例1−1〜1−5
比較例1−1〜1−5として、粒子表面と基板表面の処理高分子層の材料が異なる例を示す。
比較例1−1〜1−5として、粒子表面と基板表面の処理高分子層の材料が異なる例を示す。
基板として、UV洗浄を施したSi基板及びポリメタクリル酸メチル(PMMA)で表面処理を施したSi基板を用いること以外は実施例1と同様にして単粒子層を形成した。つまり、粒子表面の保護基には、PSを利用した。
その結果、PMMA処理を施した基板(比較例1−1)では、概ね一層には塗布できているものの、ところどころに粒子の存在しないボイド領域と、粒子同士が積層された多層の領域が混在していることが分かった。また、UV洗浄した基板(比較例1−2)においては、単粒子層部が減少し、二層以上になる多層部が増加することが分かった。AFMを用い、30μm×30μmの領域で粒子の被覆性を評価し、0層部(ボイド部)、1層部(単粒子層部)、2層部以上(多層部)の比率を測定した。
以下の三種類の粒子塗布液を作製した。
PS溶液Xのポリスチレンの代わりにデカンを使用すること以外は、実施例1と同様にして粒子塗布液を作製した。
また、PS溶液Xのポリスチレンの代わりにPMMAを使用すること以外は、実施例1と同様にして粒子塗布液を作製した。
さらに、PS溶液Xのポリスチレンの代わりにポリエチレングリコール(PEG)を用いること以外は、実施例1と同様にして粒子塗布液を作製した。
それぞれの粒子塗布液を、PS処理を施した基板上に適用し、単粒子層を形成した。
比較例2
比較例2として、高分子を被覆していないシリカ粒子を用いた例を示す。
比較例2として、高分子を被覆していないシリカ粒子を用いた例を示す。
粒子としてポリスチレンで被覆されたAu粒子の代わりに、表面に高分子材料を修飾していない直径50nmのシリカ粒子を用いること以外は実施例1と同様にして、基板上へ粒子層を形成した。その結果、単粒子層の形成は基板全域の10%以下となり、その他の領域は2層以上の多層構造が確認された。
実施例2
実施例2として、Au粒子を再分散させるための溶媒を変更した場合について示す。
実施例2として、Au粒子を再分散させるための溶媒を変更した場合について示す。
まず、粒子表面に実施例1と同様にしてポリスチレン(PS)からなる保護基を形成する。
Au粒子を再分散させるために、溶媒として、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、メチルプロピルケトン(MPK)、MEK、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、及びシクロヘキサンを、各々使用すること以外は、実施例1と同様にして、粒子塗布液を各々作製した。上記溶媒の沸点は、60℃から90℃程度であり、ディップコートに最適な沸点である。
その後、各粒子塗布液に対し、実施例1と同様にPSで表面処理を施した基板を浸漬および引き上げを行うことで、基板上に粒子層を形成した。
この時、溶液の濃度は3mg/ccとし、引き上げ速度は1mm/秒とした。この条件は、実施例1で使用したMEK溶媒の場合に、基板上に単粒子層が形成される条件である。
この結果から、1mm/秒の引き上げ速度では、鎖状構造を有するMPK、MEK、酢酸エチル、DMEにおいて、単層塗布が可能であることがわかる。その中でも、構造にケトンを有するMPK、MEK、酢酸エチルが一層部の割合が高く優れており、さらに誘電率の高いMPK、MEKが全域で一層部となりよい。
粒子を単層に塗布するためには、粒子を被覆する保護基を溶解し、鎖状の構造を有する溶媒を使用することができる。粒子保護基がPSの場合、PSを溶解し鎖状構造を有する溶媒を使用することができる。さらに誘電率が高い溶媒を使用することで粒子のゼータ電位が向上し、粒子同士が反発しやすくなるため、単層塗布しやすくなり、中でも構造中にケトン構造を有している溶媒が好ましい。
粒子がアルカンであるドデカンなどで被覆されている場合、非極性溶媒であるヘキサンなどを使用することができる。単層で基板の大面積を塗布することは可能だが、ヘキサンの誘電率が低いため、基板全域で単層の粒子層を形成することは、上記引き上げ速度では困難である。
なお、DME、トルエンを溶媒として使用した場合、引き上げ速度を0.001mm/秒〜0.1mm/秒に変化させたとき、単層の粒子層が基板全体の80%以上形成することができる。
また、1,3−ジオキソラン、THF、及びシクロヘキサンを溶媒として使用した場合、引き上げ速度を0.001mm/秒〜0.01mm/秒に変化させたとき、単層の粒子層を形成することができる。
これに対し、MPK、MEKを用いた場合には、0.001mm/秒〜15mm/秒で単層の粒子層を形成することができる。
実施例3
実施例3として、粒子を被覆するために使用される第1の高分子材料の分子量を変化させた例を示す。
実施例3として、粒子を被覆するために使用される第1の高分子材料の分子量を変化させた例を示す。
粒子の表面を被覆する第1の高分子材料の分子量を変更する以外は、実施例1と同様にして粒子塗布液を作製した。分子量1,000から20,000まで変化させたPSを粒子被覆用に使用した。分子量の変化に伴い、粒子表面を完全に被覆できるよう、添加するPSの量を適宜変更した。
粒子塗布液を実施例1と同様にして基板に適用し、粒子層を形成した。
得られた粒子層を、AFMおよびSEMを用い、粒子被覆性および粒子のピッチ、ピッチの標準偏差をそれぞれ評価した。
粒子を被覆するPSの分子量に伴い、ピッチが変化する。分子量5,000以上では、標準偏差が1nm以下であるのに対し、分子量が5,000より小さい分子量のPSでは、標準偏差が増加している。これにより、分子量低下により粒子同士の距離が近づくことで、粒子同士のファンデルワールス力が強くなり、粒子同士が凝集することにより分散が悪化する傾向があることがわかる。
実施例4
実施例4では、使用するAu粒子の平均粒径を5nmに変更し、調整する粒子溶液の濃度を変更すること以外は実施例3と同様にして、粒子を被覆する高分子の分子量を変化させて粒子塗布液を作製し、基板上にAu粒子層を形成した。分子量1,000から20,000まで変化させたPSを粒子被覆用に使用した。分子量の変化に伴い、粒子表面を完全に被覆できるよう、添加するPSの量を適宜変更した。
実施例4では、使用するAu粒子の平均粒径を5nmに変更し、調整する粒子溶液の濃度を変更すること以外は実施例3と同様にして、粒子を被覆する高分子の分子量を変化させて粒子塗布液を作製し、基板上にAu粒子層を形成した。分子量1,000から20,000まで変化させたPSを粒子被覆用に使用した。分子量の変化に伴い、粒子表面を完全に被覆できるよう、添加するPSの量を適宜変更した。
PSを被覆したAu粒子を2g/ccの濃度になるよう、MEKを用いて調整し粒子溶液を作製した後、引き上げ速度1mm/secの速度でディップコートを行った。
粒子を被覆するPSの分子量に伴い、ピッチが変化する。分子量3,000以上では、標準偏差が1nm以下であるのに対し、分子量が3,000より小さい分子量のPSでは、標準偏差が増加している。実施例3と異なり、粒子サイズの低下に伴い、粒子間にかかるファンデアワールス力が弱くなるため、実施例3より小さな分子量で配列改善を行うことができる。一方、粒子が大きい場合には、特に粒子サイズが30nm以上の粒子においては、5,000以上の分子量のPSによる被覆が好ましく、10,000以上の高分子材料で被覆することがさらに好ましい。
実施例5
実施例5では、粒子を被覆する高分子の分子量を変化させた場合について説明する。基板表面を被覆する高分子の分子量を変える以外は、実施例1と同じである。分子量1,000から20,000まで変化させたPSを使用した。実施例1に倣い、基板上に形成した粒子層を、AFMおよびSEMを用い、粒子被覆性および粒子のピッチ、ピッチの標準偏差をそれぞれ評価した。その結果を表9にまとめる。
実施例5では、粒子を被覆する高分子の分子量を変化させた場合について説明する。基板表面を被覆する高分子の分子量を変える以外は、実施例1と同じである。分子量1,000から20,000まで変化させたPSを使用した。実施例1に倣い、基板上に形成した粒子層を、AFMおよびSEMを用い、粒子被覆性および粒子のピッチ、ピッチの標準偏差をそれぞれ評価した。その結果を表9にまとめる。
基板を被覆するPSの分子量に伴い1層部の割合が変化する。分子量5,000以上では、基板の90%以上が1層の粒子で被覆されているのに対し、分子量を低下させると、1層部の割合が低下する傾向があることがわかる。
実施例6
実施例6では、ディップコート法により作製した単粒子層を、磁気記録媒体のシード層として使用する場合について説明する。
実施例6では、ディップコート法により作製した単粒子層を、磁気記録媒体のシード層として使用する場合について説明する。
図4に、実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法の一例を表す概略図を示す。
基板としてはガラス基板、Al系合金基板、セラミック、カーボンや酸化表面を有するSi単結晶基板、などを用いることができる。ここでは、ガラス基板(コニカミノルタ社製アモルファス基板MEL6、直径2.5インチ)を使用する。
DCマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ社製C−3010)を用い、基板表面に以下のように製膜を行った。
まず、ガラス基板20上に厚さ40nmの軟磁性層21(CoZrNb)を製膜した後、保護層としてSi層22を3nm製膜する。その後、軟磁性層21及びSi層22が形成された基板20表面をUV洗浄機により親水化する。続いて、第2の高分子材料として分子量5,000のヒドロキシル基を有するポリスチレンを1.0wt%の濃度で溶解したPGMEA溶液に10秒間浸漬した後、速度1mm/秒の速度で引き上げた。このようにして、ディップコート法により基板表面に第1の被覆層としてPS膜を形成した。その後、基板を、170℃で20時間加熱することにより、基板表面にPSを化学吸着させた。その後、基板をPGMEA溶液内に浸漬し、基板と反応せず余剰となったPSの洗浄リンスを行った。
得られた基板を、実施例1で作製した粒子溶液Cに浸漬し、引き上げ速度1mm/秒で基板上に粒子溶液Cを塗布することにより図4(a)に示すように粒子10と粒子10の周囲に埋め込まれた保護基1により構成される規則的な配列パターンを有する粒子層5を形成する。基板中心に存在する穴により、塗布粒子の膜厚分布が発生する場合、粒子溶液の濃度を低くし、引き上げ速度を3mm/秒程度まで速くすることで、膜厚分布を改善することができる。濃度、引き上げ速度を調整することにより、基板全域が単粒子層になるように調整する。
図4(b)に示すように、ドライエッチングにより、粒子10の周囲に結合している保護基15をエッチングし、粒子10同士を孤立させた。この工程は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)RIE装置により、プロセスガスとしてO2ガスを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび10Wとし、エッチング時間を10秒として行われる。Au粒子10はO2プラズマではほとんど削れないため、Au粒子10が保護層のSi層22が形成された基板表面に露出した形となる。このエッチングは、粒子10の周囲の保護基1をエッチングした後、保護層のSi層22がエッチングのストッパーとなり、エッチングが終了する。
粒子10が露出した基板20を、製膜装置(DCマグネトロンスパッタ装置)に戻し、真空排気後に粒子10表面に磁気記録層23を堆積する。まず、結晶配向制御用にAu層を5nm製膜した後、Ru層を10nmを順次積層製膜し、その後Co80Pt20磁気記録層23を15nm積層する。
最後に、CVD(化学気相堆積)により第2の保護層24を形成し、潤滑剤を塗布することでパターンド媒体110が得られる。
上記のような方法によって作製したパターンド媒体の平面構造をSEMによって観察したところ、CoPt粒径の分散が8.0%であった。この結果から、実施形態にかかる微細パターンから、サイズ分散の低い磁気記録媒体が得られることが判った。
このようにして作製した垂直磁気記録媒体において、米国GUZIK社製リードライトアナライザ1632およびスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性の評価を行った。また、記録再生用のヘッドは記録部に帆和磁束密度約2Tを有する単磁極ヘッド、及び再生素子には巨大磁気抵抗効果を利用したヘッドを用いた。再生信号出力/媒体ノイズ比(S/Nm)の評価においては、再生信号出力Sは線記録密度約50kFCIにおける振幅、Nmは線記録密度約400kFCIにおける2乗平均値を用いた。その結果、ディスク前面においてスパイク状の雑音は全く観察されず、S/Nmは19.8dBという良好な値が得られた。さらに、この記録媒体に対して線記録密度約100kFCIの信号を記録し、熱揺らぎによる出力劣化の評価を行った。記録捜査終了後から100,000秒間、再生出力を定期的に測定したが、再生出力の劣化は測定誤差の範囲内であり、信号減衰率としてはほぼ−0dB/decadeであった。
シードパターンとしては、実施例6のように、粒子をそのまま使用する方法のほか、保護層上に、保護基と同時にエッチングが可能なカーボンやSiなどの被加工層を製膜した後、粒子層を形成し、粒子層に形成されたパターンをドライエッチングにより被加工層にパターン転写し、得られた被加工層の凹凸パターンをシードパターンとして利用することができる。その場合、ドライエッチング後に粒子をウエット処理で剥離することにより、ヘッド浮上の妨げとなるパーティクルも同時に除去することができるほか、任意の材料の下地層を使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…第1の被覆層、2…第2の被覆層、4…液面、5…粒子層、6…溶媒、10…粒子、14…容器、20…基板
Claims (10)
- 表面に第1の高分子材料を用いて形成された第1の被覆層を有する粒子を溶媒中に分散させ、粒子塗布液を作製する工程、及び前記第1の高分子材料と同じ骨格を有する第2の高分子材料を用いて形成された第2の被覆層を有する基板上に粒子塗布液を塗布し、単粒子層を形成する工程を含む粒子層の塗布方法。
- 前記溶媒は鎖状構造を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記溶媒は、ケトン構造を有し、かつ10以上の比誘電率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記粒子は、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、スズ、モリブデン、タンタル、タングステン、金、銀、パラジウム、銅、白金からなる群から選択される少なくとも1種を含有する無機材料を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第1の高分子材料は、1000から50000の間の数平均分子量を有するポリスチレンであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第2の高分子材料は、1000から50000の間の数平均分子量を有するポリスチレンであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記溶媒は、メチルエチルケトンまたはメチルプロピルケトンである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記粒子塗布液は、ディップコート法により塗布することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
- 基板上に、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法を用いて単粒子層を形成する工程、及び該単粒子層上に磁気記録層を形成する工程を具備する磁気記録媒体の製造方法。
- 前記粒子塗布液は、ディップコート法により塗布することを特徴とする請求項9に記載の方法。
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