JP2016022326A - 被検体情報取得装置 - Google Patents

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Keiki Baba
慶貴 馬場
大古場 稔
Minoru Okoba
稔 大古場
征二 吉村
Seiji Yoshimura
征二 吉村
山本 毅
Takeshi Yamamoto
毅 山本
長尾 大輔
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大輔 長尾
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Abstract

【課題】被検体情報取得装置において、音響マッチング液によって被検者に与える不快感を抑制することができる装置を提供する。
【解決手段】被検者を支持する支持部材9であって、被検者の一部である被検部位を挿入する挿入口を有する支持部材と、音響マッチング液35を貯留し、かつ、挿入口に挿入された被検部位を保持する保持部材31と、光源1と、光源で発生した光に起因して被検部位内で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する複数の音響素子331と、複数の音響素子のうち、少なくとも一部の音響素子の指向軸が集まるように複数の音響素子を支持する支持体と、電気信号に基づいて、被検部位内の特性情報を取得する信号処理手段と、を有し、支持部材は、挿入された被検部位を保持部材が保持する際に、保持部材内からあふれ出た音響マッチング液の、支持部材上への拡散を防止する構成を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検体内部の情報を取得する被検体情報取得装置に関する。
近年、光音響効果を利用して被検体内の情報を画像化する光音響イメージング装置の研究が、医療分野で積極的に進められている。
パルスレーザ光などの計測光を被検体である生体に照射すると、計測光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波が発生する。この音響波(典型的には超音波)を受信し、解析することにより、生体内部の光学特性に関連した情報を画像化することができる。このような音響波を光音響波と呼び、光音響波を用いた技術は、光音響トモグラフィ(PAT:Photoacoustic Tomography)と呼ばれている。
光音響イメージング装置は、例えば、乳がんの早期発見のために人の乳房を観察する装置として研究開発されており、具体的な構成は、例えば特許文献1に開示されている。また、特許文献2には、被検体を保持する半球状の保持部材と、当該保持部材上に配置された複数の音響素子を有する光音響イメージング装置が開示されている。
特開2012−179348号公報 特許第4341987号公報
光音響イメージング装置は、被検体の内部で発生した音響波を受信して解析を行う装置であるため、音響波の伝播経路の音響インピーダンスを整合させる必要がある。このため、音響インピーダンスを整合させるための液体(音響マッチング液)が一般的に用いられている。例えば、特許文献2に記載の装置のように、保持部材が半球状である場合、その内部に音響マッチング液を貯留した状態で被検体を挿入する。
従来の光音響イメージング装置は、このように、音響インピーダンスを整合させるために、被検者に直接接触する液体を用いているため、被検者に与える快適性という面において改善の余地があった。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、被検体情報取得装置において、音響マッチング液によって被検者に与える不快感を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る被検体情報取得装置は、
被検者を支持する支持部材であって、前記被検者の一部である被検部位を挿入する挿入口を有する支持部材と、音響マッチング液を貯留し、かつ、前記挿入口に挿入された前記被検部位を保持する保持部材と、光源と、前記光源で発生した光に起因して前記被検部位内で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する複数の音響素子と、前記複数の音響素子のうち、少なくとも一部の音響素子の指向軸が集まるように前記複数の音響素子を支持する支持体と、前記電気信号に基づいて、前記被検部位内の特性情報を取得する信号処理手段と、を有し、前記支持部材は、挿入された被検部位を前記保持部材が保持する際に、
前記保持部材内からあふれ出た音響マッチング液の、前記支持部材上への拡散を防止する構成を有することを特徴とする。
本発明によれば、被検体情報取得装置において、音響マッチング液によって被検者に与える不快感を抑制することができる。
第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成図。 第一の実施形態における測定ユニットを説明する図。 第一の実施形態における水循環系を説明する図。 第一の実施形態における接触部材と保持部材の接続部を拡大した図。 第一の実施形態における漏出防止壁の形状を説明する図。 第一の実施形態における漏出防止壁の変形例を説明する図。 第一の実施形態における漏出防止壁の変形例を説明する図。 第一の実施形態における漏出防止壁の変形例を説明する図。 第一の実施形態における漏出防止壁の変形例を説明する図。 第一の実施形態における漏出防止壁の変形例を説明する図。 第二の実施形態における接触部材と保持部材の接続部を拡大した図。 第二の実施形態における吸収部材の変形例を説明する図。 第二の実施形態における吸収部材の構造を説明する図。 第三の実施形態における固定部材の配置を説明する図。 第四の実施形態における吸収部材の構造を説明する図。 第四の実施形態における吸収部材の変形例を説明する図。 第五の実施形態における接触部材と保持部材の接続部を拡大した図。 第五の実施形態における吸収部材の構造を説明する図。 第五の実施形態における吸収部材の変形例を説明する図。 第六の実施形態における接触部材と保持部材の接続部を拡大した図。 第六の実施形態における排水口の位置を説明する図。 第六の実施形態における排水溝の構成を説明する図。 第七の実施形態における接触部材と保持部材の接続部を拡大した図。 第七の実施形態における排水領域の位置を説明する図。 第七の実施形態における排水領域の変形例を説明する図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、実施形態の説明で用いる数値や材質等は、発明の範囲を限定するものではない。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る被検体情報取得装置は、パルス光を被検部位に照射し、当該パルス光に起因して被検部位内で発生した音響波を解析することで、被検部位内の光学特性に関連した機能情報を可視化、すなわち画像化する装置(光音響測定装置)である。被検部位とは被検者の一部であり、本実施形態では乳房である。本明細書では、被検体と称する。
<システム構成>
まず、図1を参照しながら、第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する。本実施形態に係る光音響測定装置は、光源1、導光部11、制御部2、測定ユニット3、信号処理部4、画像生成部5、表示部6、水循環系7と、支持部材であるベッド8を有し
ている。本実施形態では、ベッド8のうち、被検者の胸壁が接触する部分を接触部材9と称する。
符号Eは被検者である。被検者は、ベッド8の上に伏臥位の姿勢をとり、被検体である乳房を下垂させ、接触部材9に設けられた開口部に乳房を挿入し、乳房を、測定ユニット3内の保持部材31に接触させる。
測定ユニット3は、挿入された被検体を保持する手段と、被検体に光を照射する手段と、被検体内で発生した音響波を受信する手段からなるユニットである。
以下、第一の実施形態に係る光音響測定装置を構成する各手段を説明しながら、測定の方法について概要を説明する。
<<光源1>>
光源1は、被検体に照射するパルス光を発生させる装置である。光源は、大出力を得るためレーザ光源であることが望ましいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプ等を用いることもできる。光源としてレーザを用いる場合、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なものが使用できる。照射のタイミング、波形、強度等は不図示の光源制御部によって制御される。この光源制御部は、光源と一体化されていても良い。
また、パルス光の波長は、被検体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長であって、被検体内部まで光が伝搬する波長であることが望ましい。具体的には、被検体が生体である場合、500nm以上1200nm以下であることが望ましい。
また、光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は10ナノから100ナノ秒程度が好適である。
<<導光部11>>
導光部11は、光源1で発生したパルス光を、所望の光分布形状に加工しながら測定ユニット3まで導く手段である。導光部11には、光ファイバや、光ファイバを束ねたバンドルファイバ、鏡筒にミラーなどを組み込んだArticulating armなどの光導波路を用いてもよい。また、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズ、光を拡散させる拡散板などを用いてもよい。このような光学部品は、光源から発せられた光を、所望の形状で乳房に照射できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。
なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が、乳房の診断領域を広げられるという観点で好ましい。なお、光源1から発せられたパルス光が乳房へ直接入射可能な場合は、導光部11は必ずしも用いる必要はない。
<<制御部2>>
制御部2は、光音響測定装置が有する各構成要素を制御する手段である。具体的には、被検体に照射する光の強度や、光の照射タイミング、音響波の受信タイミング、受信した音響波に基づいて被検体内の情報を取得する処理等を制御する。
<<測定ユニット3>>
測定ユニット3の拡大図である図2を参照しながら、測定ユニット3を構成する要素について説明する。図2は、測定ユニット3をY軸方向から見た断面図である。測定ユニット3は、挿入された被検体を保持すると同時に、光源1で発生したパルス光を被検体に照射し、また、被検体内で発生した音響波を受信するユニットである。
保持部材31は、お椀型の形状をしており、被検体である乳房を保持する部材である。被検者Eは、接触部材9に主に胸部付近を接触させ、乳房を下垂させて、接触部材9に設
けられた乳房挿入口に乳房を挿入し、乳房を保持部材31に接触させる。
保持部材31は、完全な球面である必要はなく、乳房および腋窩部の形状にマッチした形状であればよい。また、保持部材31は、乳房の大きさに応じて複数のサイズから選択可能であることが好ましく、かつ、接触部材9に適合する寸法で形成されることが好ましい。
保持部材31は、乳房の大きさに応じて交換可能な部材である。保持部材31は、超音波を透過しやすいように薄く(0.1〜0.5mm)、光を透過する透明の部材であり、かつ、被検者Eの体重に耐えうる強度を有する部材で構成されることが好ましい。このような特性を有する材料として、PET(ポリエチレンテレフタレート)が挙げられる。もしくは、保持部材31を伸縮性のある素材で構成しても良い。
また、保持部材31には、超音波が透過しやすい液体である音響整合材311が貯留される。すなわち、被検体である乳房と、保持部材31との間には、音響整合材311が介在する。音響整合材311としては、例えば、水、ゲル、ジェル等を用いることができる。
光照射部32は、光源1より導光部11を経由して導かれたレーザ光を乳房に照射する手段である。光照射部32は、被検体(乳房)に正対する位置に配置されている。
検出部33は、二つ以上の音響素子(超音波変換器)を有し、乳房の内部で発生した音響波を受信する手段である。検出部33は、光音響波を受信する複数の音響素子のうち少なくとも一部の受信面がそれぞれ異なる角度を向くように設けられている。より好ましくは、複数の音響素子の最も高い受信感度を持つ方向(指向軸)が、球の中心側に向くように設けられている。このような多次元配列素子を用いることで、同時に複数の場所で音響波を検出することができ、測定時間を短縮することができる。
検出部33は、乳房を取り囲む閉曲面上に複数の音響素子を配置することで構成することが好ましいが、乳房を取り囲むすべての閉曲面上に複数の音響素子を配置することは、コスト的に困難である。そこで、本実施形態では、半球状の支持体の表面に複数の音響素子を配置する。その配置は、特許文献2に記載されたようなスパイラル状の配置であることが好ましい。
音響素子は、音響波を受信すると、当該音響波を、アナログの電気信号に変換する。音響素子には、圧電現象を用いた変換素子、光の共振を用いた変換素子、容量の変化を用いた変換素子など、音響波を検知できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。
各音響素子は、音響整合材容器34の内側に配置される。また、音響整合材容器34の内部には、音響整合材311と同様の性質を持つ液体である、音響マッチング液35が満たされている。音響マッチング液35には、音響インピーダンスが人体に近い水などが用いられる。これにより、保持部材31と、音響素子との間の音響インピーダンスの整合をとることができる。
ステージ機構36は、音響整合材容器34を、三次元方向に移動させるための三軸ステージ機構である。三軸ステージは、リニアガイドおよび送りネジ機構、および、モーター(いずれも不図示)の組み合わせによって構成される。
ステージ機構36によって、測定ユニット3の位置を移動させることで、もっとも受信感度の良い位置で音響波を受信することができる。また、音響波の受信を複数の位置で行うことで、二次元あるいは三次元走査を行うことができる。
また、光照射部32と、検出部33は、音響整合材容器34上に配置されているため、ステージ機構36が移動すると、連動して移動する。これにより、音響波の検出位置と光の照射位置との関係が一定に保たれるため、より均質な音響波情報を取得することができる。
乳房へ照射できるレーザ光の面積は、American National Standards Institute(AN
SI)の規格で制限される。そのため、乳房内へ伝搬する光量を増加させるためには、照射強度と照射面積を大きくすることが好ましいが、コストなどの観点から照射面積は制限される。また、音響素子には指向性があるため、感度が小さい領域へ光を照射しても光の利用効率が低い。そのため、乳房全体へ光を照射することは効率的ではない。
本実施形態では、ステージ機構36によって、光照射部32と検出部33を移動させることで、音響素子の感度が高い領域のみに光を照射すれることが可能になる。
なお、音響整合材容器34は、ステージ機構36によって移動可能であるため、図2に示したように、検出部が配置される半球状の部分と、そこから外周方向に延長した部分から構成された形状であることが好ましい。また、音響整合材容器34は一つの部品で構成されてもよいし、複数の部品の組み合わせから構成されてもよい。
カメラ37は、乳房の保持状態を観察するためのカメラである。保持部材31内に乳房を挿入すると、外部から保持部材内が見えなくなるため、乳房の接触状態を確認するためにカメラ37が用いられる。カメラ37によって撮像された映像は、表示部6に出力される。
本実施形態では、測定ユニット3を以上のように構成することで、レーザ光を乳房に照射し、光音響効果によって乳房の内部で発生した光音響波を検出する。
図1に戻って、本実施形態に係る光音響測定装置の構成について説明を続ける。
<<信号処理部4>>
信号処理部4は、検出部33で得られた電気信号を増幅してデジタル信号に変換する手段である。信号処理部4は、典型的には、増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成される。検出部33から得られる信号が複数で
ある場合は、同時に複数の信号を処理できることが望ましい。
<<画像生成部5>>
画像生成部5は、デジタル信号を処理して画像を生成(再構成)する手段でもある。画像再構成方法には、例えば、フーリエ変換法、ユニバーサルバックプロジェクション法やフィルタードバックプロジェクション法、逐次再構成法などがあるが、どのような画像再構成方法を用いても構わない。
なお、画像生成部5は、CPUと主記憶装置、および補助記憶装置を有するコンピュータであってもよいし、専用に設計されたハードウェアであってもよい。
<<表示部6>>
表示部6は、画像生成部5が生成した画像を表示する装置であり、典型的には液晶ディスプレイなどである。なお、表示部6は、必ずしも光音響測定装置の一部である必要はなく、外部に接続されていてもよい。
<<水循環系7>>
水循環系7は、音響マッチング液35を循環させる手段である。図3は、水循環系7の構成をより詳しく説明する図である。水循環系7は、ポンプ71、タンク72、流路切り替え装置73、脱気装置74、加温装置75、流量計76aおよび76b、配管70aおよび70b、液面センサ77を備えている。
タンク72は、音響マッチング液35を貯留する手段である。貯留された音響マッチング液35は、ポンプ71により、流路切り替え装置73を介して、音響マッチング液35
に溶け込んだ空気や泡を取り除く装置である脱気装置74に送られる。音響マッチング液の中に気泡が発生すると音響波の受信に影響するため、脱気装置74によって、気泡および液に溶け込んだ気体成分が取り除かれる。
その後、音響マッチング液35は、液を加温する加温装置75に送られる。音響マッチング液35が過度に冷たいと被検者に不快感を与えるため、加温装置75によって、音響マッチング液35が、体温程度まで加温される。また、音響マッチング液35の温度を一定に保つことで、音速の変化を防ぎ、受信音波の影響を減らす効果を得ることができる。
その後、音響マッチング液35は、配管70aを経由して音響整合材容器34内に供給される。
音響整合材容器34に供給された音響マッチング液35の量と流速は、流量計76aで計測され、制御される。また、音響整合材容器34に供給された音響マッチング液35が、常に十分な水位まで満たされているかを液面センサ77が確認し、水位が低下した場合、表示部6を介してエラーや警告を発する。
一方、音響マッチング液35の高さが液面センサ77の高さ以上になってあふれ出た場合、音響マッチング液35は配管70bから流出する。配管70bから流出する音響マッチング液35の量は流量計76bで計測され、これにより、循環する液の量を計測することができる。なお、配管76bより流れ出た音響マッチング液35は、タンク72に戻してもよいし、配管70cを用いて外部に排水するようにしてもよい。
また、音響整合材容器34は、配管70bおよび70cとは別に不図示の排水口を持ち、容器内に存在する音響マッチング液35を容器外へ排水する構成を有している。
なお、ポンプ71は、必要に応じて複数台設置してもよい。これにより、給水しながらの排水が可能になる。なお、ポンプの種類は、音響マッチング液35を流すことのできるポンプであれば、どのようなものであってもよい。例えば、ギアポンプやチューブポンプのようなポンプを用いると、モータの逆転によって、供給と排水の両方向に音響マッチング液35を流すことができる。すなわち、流路切り替え装置73の切り替え数を少なくすることができる。
流路切り替え装置73は、電磁バルブ等の組み合わせであり、ポンプに送り込む配管と、ポンプから送り出す配管を選択する手段である。
また、タンク72は、音響整合材容器34を含め、水循環系7を流れる音響マッチング液35を全て貯めることのできる容積を持ったタンクであり、不図示の給水口および排水口を備える。なお、脱気装置74、加温装置75は、タンク72内に設置してもよい。また、脱気装置74、および加温装置75は必要に応じて設置すればよく、どちらか一方、もしくは両方を省略することも可能である。また、ポンプ71、タンク72、流路切り替え装置73、脱気装置74、加温装置75は、必要に応じて接続の順番を変更し、最適化してもよい。
<被検体の測定方法>
次に、本実施形態に係る光音響測定装置によって、被検体である乳房を測定する方法について説明する。
まず、挿入された乳房を保持部材31によって保持する。次に、光源1から発せられたパルス光を乳房に照射する。乳房の内部を伝搬した光のエネルギーの一部が血液などの光吸収体に吸収されると、熱膨張によって当該光吸収体から音響波が発生する。乳房内にがんが存在する場合は、がんの新生血管において他の正常部の血液と同様に光が特異的に吸収され、音響波が発生する。この、生体内で発生した光音響波は、検出部33を構成する複数の音響素子によって受信される。
検出部33で受信された信号は、画像生成部5で解析される。解析結果は、生体内の特性情報(例えば、初期音圧分布や吸収係数分布)を表す画像データに変換され、表示部6を通して出力される。画像は、例えば、三次元データであってもよいし、二次元データであってもよい。
<従来技術の問題点>
従来の光音響測定装置においては、被検体の挿入にともなって、保持部材31に貯留されていた音響マッチング液があふれ出る場合がある。音響マッチング液があふれ出て、被検者の体(特に乳房以外の部位)に付着すると、被検者に不快感を与えるおそれがあるほか、装置に付着すると、装置が汚れたり壊れたりするおそれがある。そこで、本実施形態に係る光音響測定装置では、接触部材9上に、あふれた音響マッチング液の拡散を防ぐ構成を付加することでこの問題を解決する。
<音響マッチング液の拡散を防ぐ構成>
第一の実施形態における、音響マッチング液の拡散を防ぐ構成について説明する。図4は、第一の実施形態に係る光音響測定装置の、接触部材9と保持部材31の接続部を拡大した断面図である。本実施形態では、接触部材9上に、くぼみ領域50が形成されており、当該くぼみ領域内に保持部材31をはめ込んで配置する。くぼみ領域50の外周には、壁状の構造物である漏出防止壁40が形成されており、音響整合材311が保持部材31からあふれ出た場合に、当該音響整合材311の、支持部材上(ベッド8および接触部材9上)への拡散を防ぐ構成となっている。
これにより、測定中にあふれた音響整合材311が被検者Eに付着し、不快感を与えることを防止することができる。さらには、あふれた音響整合材311による装置の汚損を防止することができる。
なお、本例では漏出防止壁40の角を直角としたが、被検者Eに不快感を与えないよう、角に丸みを持たせる等の構造としてもよい。
次に、第一の実施形態における接触部材9の構造を、当該接触部材9を俯瞰した図である、図5を参照しながら説明する。ここでは、二つのタイプのくぼみ領域50を例示する。
図5(A)は、くぼみ領域50および漏出防止壁40を、接触部材9に対して円形に形成した場合の例である。保持部材31は、円形に形成された漏出防止壁40の内部に配置される。また、図5(B)は、くぼみ領域50および漏出防止壁40を、接触部材9に対して四角形に形成した場合の例である。保持部材31は、四角形に形成した漏出防止壁40の内部に配置される。
なお、ここでは、くぼみ領域50および漏出防止壁40を円形および四角形に形成する例を挙げたが、他の形状であってもよい。被検者Eに不快感を与えなければ、どのような形状をも採用することができる。
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、以上のような構成を有することにより、音響整合材311が保持部材31からあふれ出た場合であっても、その拡散を防ぐことができる。これにより、被検者に与える不快感を軽減させ、さらには、装置の汚損を防止することができる。
(第一の実施形態の変形例)
なお、第一の実施形態では、漏出防止壁40を、接触部材9に対してほぼ直角に形成したが、必ずしもこのように構成する必要はない。例えば、図6に示したように、接触部材9に対して直角以外の角度をなすように形成してもよい。
また、漏出防止壁40は、第一の実施形態で例示したように、くぼみ領域50の辺縁部のみに形成される必要はない。例えば、図7に示すように、くぼみ領域50の内側(くぼみ領域内漏出防止壁41)に設けてもよいし、図8に示すように、くぼみ領域50の外側(くぼみ領域外漏出防止壁42)に設けてもよい。
図7に示した、くぼみ領域内漏出防止壁41、および、図8に示した、くぼみ領域外漏出防止壁42の形状は、図示した形状に限定されない。被検者Eが横たわった際に、不快感を与えない構造であり、かつ音響整合材311が、接触部材9上に拡散することを防ぐことができれば、どのような形状であってもよい。
例えば、図9に示すように、くぼみ領域内漏出防止壁41を、漏出防止壁40に対して段構造を持つように設けてもよい。このようにすることで、被検者Eに与える不快感を軽減することができる。また、図10に示すように、くぼみ領域外漏出防止壁42を、漏出防止壁40に対して段構造を持つように設けるようにしてもよい。このようにしても、同様に被検者Eに与える不快感を軽減することができる。
なお、くぼみ領域内に設けた漏出防止壁と、くぼみ領域外に設けた漏出防止壁を併用するようにしてもよい。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、接触部材上に設けた漏出防止壁によって、あふれ出た音響整合材の拡散を防止した。これに対し、第二の実施形態は、あふれ出た音響整合材を吸収する部材を併用する実施形態である。
図11は、第二の実施形態に係る光音響測定装置の、接触部材9と保持部材31の接続部を拡大した断面図である。第二の実施形態では、図4で例示した漏出防止壁40に加え、音響整合材311を吸収する性質を有する部材である吸収部材60を配置する。これにより、あふれ出た音響整合材を吸収することができるため、音響整合材311の接触部材9上への拡散をより確実に防ぐことができる。
なお、図11では、吸収部材60を、漏出防止壁40の内側に配置したが、必ずしもこのように構成する必要はない。例えば、図12のように、漏出防止壁40の角を覆うように配置してもよい。このようにすることで、漏出防止壁40の角が被検者に直接接触することを防ぎ、被検者に与える不快感を軽減することができる。
また、図7〜図10で例示したような、くぼみ領域内漏出防止壁、または、くぼみ領域外漏出防止壁が存在する場合、当該漏出防止壁の角を覆うように吸収部材を配置してもよい。また、吸収部材60は、ディスポーザブルなものであることが好ましい。被検者ごとに吸収部材を取り替え可能とすることで、衛生状態を保つことができる。
次に、第二の実施形態における吸収部材60の形状について、図13を参照しながら説明する。図13(A)〜(C)は、円形に形成された漏出防止壁に適合する吸収部材の例であり、図13(D)〜(F)は、四角形に形成された漏出防止壁に適合する吸収部材の例である。図13(A)〜(C)に示した吸収部材は、図5(A)に示したくぼみ領域50内に配置され、図13(D)〜(F)に示した吸収部材は、図5(B)に示したくぼみ領域50内に配置される。
図13に示した各吸収部材は、接触部材9に設けられた漏出防止壁40の形状に適合する形状となっているが、内側に形成された穴の大きさがそれぞれ異なる。このように、穴のサイズが異なる複数の吸収部材を用意することで、保持部材31や被検者の乳房のサイズに適合した、最適なサイズの吸収部材を選択することができる。
また、最適なサイズの吸収部材を選択することで、挿入された乳房が保持部材31の中で動くことを防ぎ、かつ、その形状を撮像に適した状態に保つことができる。また、被検
者の体動を抑制することができる。これにより、撮像状態が良好に保たれ、その結果、取得された画像の画質が向上し、測定精度が向上するという効果を得ることができる。
なお、図13では、吸収部材について、それぞれ三種類のサイズを例示したが、被検者の体動を吸収し、保持部材31の中での乳房の配置状態を一定に保つことができれば、撮像に影響を及ぼさない範囲において、どのような大きさの吸収部材を用いてもよい。また、例示した形状以外のものを用いてもよい。
また、吸収部材60の材質は、音響整合材311を吸収可能なものであれば、特定の材質に限定されない。また、吸収部材60の、被検者と接触する面は、音響整合材311が透過しにくい材質とすることが好ましく、被検者と接触する面と反対側の面は、音響整合材311の透過・吸収が容易な材質とすることが好ましい。例えば、被検者と接触する面のみをビニール加工してもよい。このようにすることで、吸収された音響整合材311が被検者の皮膚まで到達し、不快感を与えることを防止できる。
また、吸収部材60には、複数の部材を組み合わせたものを用いてもよい。例えば、物理的に複数の吸収部材を組み合わせることで吸収部材60を構成してもよい。
以上に説明したように、第二の実施形態によると、吸収部材60をくぼみ領域50の内部に配置することで、測定中にあふれた音響整合材311を吸収することができ、被検者に与える不快感をより低減することができる。また、漏出防止壁と組み合わせる場合、適切な位置に配置することで、接触による不快感を低減することができる。
また、吸収部材が被検体と接触することで、被検者の体動や、乳房の揺動を抑制することができる。これにより、撮像状態が良好に保たれるため、測定画像の画質が向上し、測定の精度が向上するという効果を得ることができる。
なお、第二の実施形態では、円形の吸収部材と、四角形の吸収部材を例示したが、音響整合材の吸収機能を損なわない範囲、および、撮像に影響を及ぼさない範囲において、どのような形状の吸収部材を用いてもよい。例えば、多角形の吸収部材を採用してもよい。
(第三の実施形態)
第三の実施形態は、第二の実施形態に対して、吸収部材60を固定する手段をさらに追加した実施形態である。吸収部材60を装置に固定することで、乳房を固定する効果、および、被検者の体動を抑制する効果をより高めることができる。
図14は、吸収部材60を固定する部材(固定部材61)の配置を説明する図である。本実施形態では、くぼみ領域50の付近に、固定部材61A〜61Fを設け、吸収部材60の固定位置が、接触部材9に対して一定となるようにする。
固定部材61は、吸収部材60を接触部材9に固定することができるものであれば、例えばマジックテープ(登録商標)や取り付け金具など、どのようなものを用いてもよい。
また、固定部材61は、撮像に支障がないように吸収部材60を固定できれば、どのような形状であってもよい。また、固定部材61は、吸収部材側と接触部材側の両方に配置されていてもよい。
固定部材61を配置する位置は、例えば、漏出防止壁40の側面(固定部材61A,61F)、漏出防止壁40に囲まれた平面上(固定部材61B,61E)、保持部材31上(固定部材61C,61D)といった位置が考えられる。固定部材は、撮像に支障がないように吸収部材60を固定できれば、どのような場所に設置してもよい。
例えば、例示した箇所以外に設置してもよいし、例示した箇所のうち一部のみに設置してもよい。また、図14では、固定部材を6つに分けて配置したが、各固定部材は繋がっていてもよい。
第三の実施形態によると、被検者の体動によって発生する吸収部材60のずれを防止することができ、乳房のずれを防止することができる。また、被検者の体動によって吸収部材60がずれ、保持部材31の内部に侵入して、乳房の撮像に悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
(第四の実施形態)
第四の実施形態は、第三の実施形態に対して、固定部材を固定する位置を示すインジケータをさらに追加した実施形態である。固定部材を固定する位置を明示することで、固定部材の脱着作業を容易に行うことができる。
図15(A)は、第四の実施形態における吸収部材60の、被検者と接触する側の面を示した図であり、図15(B)は、当該吸収部材60の、被検者と接触する面と反対側の面を示した図である。第四の実施形態では、吸収部材60上に、インジケータ60Aおよび60Bが配置される。
第四の実施形態では、図15(C)に示したように、接触部材9側にもインジケータ60A’および60B’が配置されており、当該インジケータ同士が符号するように吸収部材の取り付けを行う。取り付けられた吸収部材60は、固定部材61Gおよび61G’が篏合することで固定される。
第四の実施形態では、このようなインジケータを用いることで、吸収部材60を接触部材9に対して正しい位置で固定することが可能になる。
なお、図15の例では、吸収部材60が回転することで、既定の位置以外(すなわち、インジケータが符号していない状態)で固定されてしまうおそれがある。これに対応するため、吸収部材の位置を物理的に既定するための立体構造を追加してもよい。図16は、吸収部材および漏出防止壁に、吸収部材の位置を定めるためのくぼみ(点線で図示)を加えた例である。このように構成することにより、吸収部材が誤った位置(方向)で固定されてしまうことを防ぐことができる。
また、吸収部材60の位置および方向を定め、撮像に支障がないように吸収部材を固定することができれば、例示した構成以外の構成を採用してもよい。例えば、くぼみの形状および個数は、例示したもの以外であってもよい。また、吸収部材側のくぼみの個数と、接触部材9側のくぼみの個数は、必ずしも同一でなくてもよい。また、吸収部材の固定位置を示すインジケータは、必ずしも矢印である必要ではない。正しい固定位置を示すことができれば、例えば、何らかの記号、図形、注意書きなどであってもよい。
また、本実施形態では、接触部材9上にインジケータやくぼみを設けたが、インジケータやくぼみは、吸収部材を固定する位置を明示することができれば、他の箇所に設けられてもよい。例えば、保持部材31上に設けられてもよい。
(第五の実施形態)
第五の実施形態は、漏出防止壁40を形成せず、吸収部材60のみを配置し、固定部材61によって固定を行う実施形態である。
図17は、第五の実施形態に係る光音響測定装置の、接触部材9と保持部材31の接続部を拡大した断面図である。第五の実施形態において配置される吸収部材60は、前述した実施形態と比較して、ある程度の厚みを有している。これにより、音響整合材311が保持部材31からあふれ出た場合であっても、接触部材9上への拡散を防ぐことができる。
次に、第五の実施形態における吸収部材60および接触部材9の構造を、吸収部材60
および接触部材9を俯瞰した図である、図18を参照しながら説明する。
図18(A)は、吸収部材60の、被検者と接触する面を示した図であり、図18(B)は、吸収部材60の、被検者と接触する面の反対側の面を示した図である。吸収部材60の、接触部材側の面には、固定部材61Hおよび61Iが設けられている。
図18(C)は、第五の実施形態における、接触部材9を示した図である。本実施形態では、接触部材9は、くぼみ領域50および漏出防止壁40を有さず、保持部材31を直接配置する構成となっている。また、保持部材31の周囲に、固定部材61H’および61I’が設けられている。当該固定部材は、吸収部材60側に設けられた固定部材61Hおよび61Iとそれぞれ篏合する。
図18(D)は、接触部材9に吸収部材60を取り付けた状態を示した図である。
第五の実施形態によると、第一ないし第四の実施形態と同様に、保持部材31内からあふれ出た音響整合材の、接触部材上への拡散を防ぐことができる。また、漏出防止壁による段差が無いため、被検者に与える不快感を軽減することができる。
なお、接触部材9と保持部材31との間に段差が生ずる場合は、図19のように、吸収部材60の形状を、段差に合わせた形状としてもよい。このようにすることで、被検者に与える不快感を軽減させることができる。
なお、本実施形態に、第四の実施形態で例示したようなインジケータやくぼみなど、正しい位置に吸収部材を固定するための構成を追加してもよい。また、本例では、吸収部材60が円形である例を示したが、吸収部材は他の形状であってもよい。保持部材31の中での乳房の配置状態を一定に保つことができれば、撮像に影響を及ぼさない範囲において、どのような形状の吸収部材を用いてもよい。また、吸収部材のサイズや、吸収部材の穴のサイズについても同様である。
また、吸収部材60の厚みを、被検体に応じて変更してもよい。このため、吸収部材60に厚みの調整ができる機構を設けてもよいし、もしくは様々な厚みを持つ吸収部材60を用意し、適宜選択できるようにしてもよい。吸収部材60の厚みを変えることで、乳房が保持部材31に挿入される深さを調整することができる。
(第六の実施形態)
第六の実施形態は、測定中にあふれた音響整合材311を回収し、排出する機構を追加した実施形態である。
図20は、第六の実施形態における接触部材9の断面を示した図である。本実施形態では、漏出防止壁40に排水口14を設け、接触部材9の内部に、音響整合材311を排出するための排出経路を形成する。乳房を挿入した際に保持部材31からあふれ出た音響整合材311は、排水口14と当該排出経路を経由して、外部に排出される構成となっている。
排水口14の配置方法について説明する。
図21は、第六の実施形態における排水口14の配置位置を説明する図である。図21(A)は、漏出防止壁40が円形に形成される場合の例であり、図21(B)は、漏水防止壁40が四角形に形成される場合の例である。いずれの場合も、漏水防止壁40の下部に排水口14が設けられている(排水口14は、一つの穴のみを符号で図示)。
なお、くぼみ領域50内の音響整合材を、排水口14に誘導するための溝を形成してもよい。図21(C)および図21(D)に示した排水溝15は、くぼみ領域内の音響整合材を排水口14に誘導するための溝である。保持部材31からあふれ出た音響整合材31
1は、排水溝15に沿って、排水口14まで誘導される。
図22を参照して、排水溝15の構成をより詳しく説明する。
図22(A)は、第六の実施形態における、排水溝15の構成を示した図である。保持部材31からあふれ出た音響整合材311は、排水溝15へ流入し、排水口14の方向へ流れる。また、図22(B)は、排水溝15の変形例を示した図である。本例では、排水溝15の上に、多孔板16を配置している。多孔板16を配置することで、吸水部材や被検体が排水溝15の中に落ち込んで、音響整合材の排出を妨げてしまうことを防止できる。
図22(C)は、排水溝15のさらなる変形例を示した図である。本例では、排水溝15の上に、多孔の半円柱(符号17)を配置している。多孔半円柱17を配置することで、吸水部材や被検体の、排水溝15への落ち込みを同様に防止できる。なお、多孔半円柱17に合わせて、吸収部材60上にへこみを形成してもよい。このようにすることで、多孔半円柱17が、吸収部材60の位置合わせ用の突起として機能するほか、吸収部材60の位置ずれを防止するストッパーとしても機能する。
なお、多孔半円柱17は、必ずしも半円柱の形状である必要はない。音響整合材311の排出を効率よく行え、かつ、被検者に不快感を与えなければ、撮像に影響を及ぼさない範囲において、どのような形状のものを用いてもよい。例えば、多孔半円柱17は、Z軸の負方向に突き出た形状であってもよい。
第六の実施形態によると、保持部材31からあふれ出た音響整合材311を効率良く排出することができ、接触部材9上への拡散を防ぐ効果を高めることができる。また、排水溝15を設けた場合、吸収部材60の位置合わせを行うための突起として利用することができ、同時に、ずれを防止するストッパーとして利用することができる。
(第六の実施形態の変形例)
第六の実施形態では、排水口14に流入した音響整合材311が重力によって排出される構成としたが、ポンプ(不図示)を追加し、流入した音響整合材を吸引する構成としてもよい。ポンプを追加することで、排出経路中の音響整合材の排出を促すことができる。
また、吸収部材60を負圧によって吸着し、固定することができる。ポンプによって吸収部材60を吸着する場合、吸収部材の排水口側の面に、例えば防水部材など、真空吸引に適した部材を配置してもよい。また、当該部材には、排水溝の形状に合わせてへこみやでっぱりを設けてもよい。
また、複数個ある排水口14の全てを音響整合材の排出に用いるのではなく、その一部を、吸収部材の吸引専用としてもよい。この場合、音響整合材の排出用のポンプと、吸収部材の吸引用のポンプを分けてもよい。
また、第六の実施形態では、図21(C)および(D)に示したように、排水溝15を、保持部材31の手前まで形成した例を挙げたが、保持部材31上に排水溝を形成し、排水溝15と連結させてもよい。このようにすることで、音響整合材311が接触部材9上に拡散することを防ぐ効果を高めることができる。なお、排水溝15と、保持部材31上に形成された排水溝は、密に嵌合する構造であることが望ましい。また、保持部材31上に形成される排水溝は、上述した排水溝15と同様の構造としてもよい。
本変形例によると、吸収部材をより強固に固定することができるため、保持部材31中での乳房形状を、より撮像に適した状態に保つことができる。また、被検者の体動を吸収し、保持部材31中での乳房の配置状態を一定に保つことができるため、測定の精度を向上させることができる。
(第七の実施形態)
第七の実施形態は、第六の実施形態と同様に、あふれ出た音響整合材311を排出する機構を設けた実施形態であるが、排出機構の構造が異なる。
図23は、第七の実施形態における接触部材9の断面を示した図である。本実施形態では、漏出防止壁40に囲まれた領域の底面に排水領域18を設け、当該排水領域にあふれ出た音響整合材を、排水経路19経由で外部に排出する構成となっている。
排水領域18の配置方法について説明する。
図24は、第七の実施形態における排水領域18の配置位置を説明する図である。図24(A)は、漏出防止壁40が円形に形成される場合の例であり、図24(B)は、漏水防止壁40が四角形に形成される場合の例である。いずれの場合も、漏水防止壁40に囲まれた領域に排水領域18(点線の二重円で図示)が設けられている。
なお、排水領域18の上面には、図22で例示したような多孔板を配置することが好ましい。排水領域18の上面に多孔板を配置することで、吸水部材や被検体が排水領域18内に落ち込んで、音響整合材の排出を妨げてしまうことを防止できる。
また、多孔板を配置する場合、吸収部材の位置合わせや、吸収部材のずれを防止するストッパーとして用いるためのへこみやでっぱりを設けてもよい。さらに、多孔板にへこみやでっぱりを設ける場合、吸収部材にもへこみやでっぱりを形成してもよい。
第七の実施形態によると、第六の実施形態と同様に、あふれ出た音響整合材311を効率良く排出することができ、接触部材9上への拡散を防ぐ効果を高めることができる。また、多孔板にへこみやでっぱりを設けた場合、吸収部材の位置合わせが容易になり、吸収部材の位置ずれを効果的に防ぐことができる。
なお、第七の実施形態においても、第六の実施形態の変形例と同様に、ポンプ(不図示)を追加し、流入した音響整合材を吸引する構成としてもよい。また、吸収部材を空気圧によって吸着し、固定する構成としてもよい。
また、排水領域18は、複数の領域に分割してもよい。図25は、排水領域18を複数に分割した場合の例である。また、排水領域18を複数に分割した場合、全てを音響整合材の排出に用いるのではなく、その一部を、吸収部材の吸引専用としてもよい。この場合、音響整合材の排出用のポンプと、吸収部材の吸引用のポンプを分けてもよい。
また、第七の実施形態では、保持部材31を囲うように排水領域18を形成したが、保持部材31上に排水溝を形成し、排水領域18と連結させてもよい。このようにすることで、音響整合材311が接触部材9上に拡散することを防ぐ効果を高めることができる。なお、排水領域18と、保持部材31上に形成された排水溝は、密に嵌合する構成であることが望ましい。
また、排水領域18の形状は、例示したものに限られない。あふれ出た音響整合材311を効率良く排出できれば、どのような形状をとってもよい。
(変形例)
なお、実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。例えば、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む被検体情報取得装置として実施することもできる。上述した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、実施形態の説明では、伏臥位の被検者が、装置に乳房を挿入する構成について例
示したが、測定の対象は必ずしも胸部(乳房)でなくてもよい。また、被検者の姿勢は、必ずしも伏臥位でなくてもよい。例えば、ベッド8よりも小型の支持部材を設け、体を丸めて当該支持部材を抱きかかえるような姿勢で、乳房を装置に挿入する構成としてもよい。被検者および被検体を保持することができれば、支持部材はどのように構成してもよい。
また、各実施形態では、光音響測定を行う装置を例に説明を行ったが、音響マッチングをとるために液体を用いる装置であれば、他のモダリティに適用することもできる。例えば、従来の超音波エコーによる測定装置や、拡散光トモグラフィによる測定装置にも適用することができる。
また、例示した各実施形態を組み合わせて実施してもよい。例えば、例示した、漏出防止壁、吸収部材、固定部材、排水口、排水経路、排水領域は、自由に組み合わせてもよい。測定中にあふれた音響整合材311の拡散を防ぐことができれば、撮像に影響を及ぼさない範囲において、どのような組み合わせを用いてもよい。
1・・・光源、4・・・信号処理部、5・・・画像生成部、9・・・接触部材、31・・・保持部材、33・・・検出部、40・・・漏出防止壁

Claims (8)

  1. 被検者を支持する支持部材であって、前記被検者の一部である被検部位を挿入する挿入口を有する支持部材と、
    音響マッチング液を貯留し、かつ、前記挿入口に挿入された前記被検部位を保持する保持部材と、
    光源と、
    前記光源で発生した光に起因して前記被検部位内で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する複数の音響素子と、
    前記複数の音響素子のうち、少なくとも一部の音響素子の指向軸が集まるように前記複数の音響素子を支持する支持体と、
    前記電気信号に基づいて、前記被検部位内の特性情報を取得する信号処理手段と、
    を有し、
    前記支持部材は、挿入された被検部位を前記保持部材が保持する際に、前記保持部材内からあふれ出た音響マッチング液の、前記支持部材上への拡散を防止する構成を有する
    ことを特徴とする、被検体情報取得装置。
  2. 前記支持部材は、あふれ出た前記音響マッチング液をせき止めるための、前記保持部材を囲む壁状の構造物を有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記支持部材は、あふれ出た前記音響マッチング液を吸収する吸収体を取り付ける取り付け部を有する
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記支持部材は、前記吸収体を取り付ける位置を示すインジケータを有する
    ことを特徴とする、請求項3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記支持部材は、前記吸収体を取り付ける位置を示す立体構造を有する
    ことを特徴とする、請求項3に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記支持部材は、あふれ出た前記音響マッチング液を排出する排出経路を有する
    ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記排出経路中の音響マッチング液を吸引する吸引手段をさらに有する
    ことを特徴とする、請求項6に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記支持部材は、あふれ出た前記音響マッチング液を吸収する吸収体を取り付ける取り付け部を有し、
    前記吸引手段は、前記取り付け部に取り付けられた吸収体を吸引することによって固定する
    ことを特徴とする、請求項7に記載の被検体情報取得装置。
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