JP2016021607A - タッチセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】1つの検知電極を用いて人体の近接又は接触を検知すると共に外来電磁ノイズを検出し、外来ノイズによる近接又は接触の誤判定を防止するタッチセンサを提供する。
【解決手段】本タッチセンサは、検知電極3と、電源と、検知電極を充電状態又は浮動状態に切り替えるスイッチ手段4と、検知電極の電気量を、充電時電気量、及び浮動時電気量として計測する電気量検出手段5と、浮動時電気量の一次遅れ信号を生成するフィルタ手段6と、所定周期の期間毎に浮動時電気量のピーク信号を生成するピークホールド手段7と、スイッチ手段により充電状態と浮動状態とを交互に切り替え、電気量検出手段により計測される充電時電気量の変化と浮動時電気量の変化と、に基づいて人体の近接又は接触を判定する判定手段8と、を備え、判定手段は、一次遅れ信号がピーク信号と交差した場合には、人体の近接又は接触はないと判定することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、人体の近接又は接触を検出するタッチセンサに関する。詳しくは、1つの検知電極による検知結果から外来ノイズを検出することにより、外来ノイズによる近接又は接触の誤検知を防止するタッチセンサに関する。
従来、屋内・屋外、車両内等に設置される各種装置や設備において、人が操作する操作部分に1つ又は複数の検知電極を備え、人の指等の近接又は接触を検知する静電容量式タッチセンサ(タッチスイッチともいう。)が広く用いられている。多くのタッチセンサにおいては、検知電極に生じる浮遊容量又は接地との間の静電容量の変化を計測することによって、検知電極への人体の近接又は接触が検知されている。
このようなタッチセンサにおいて、単に静電容量に対応する電気量の変化をみて、その値が一定の基準値を超えたときに人体の近接又は接触があると判断するような場合には、検知電極に生じる静電容量のレベルが周囲環境等によって変化したり、検出される電気量が外来ノイズの影響によって変化したりすると、人体の近接又は接触の誤判断を生じてしまうという問題があった。
この問題の対策として、例えば、ノイズ等環境条件による影響を検出するためのダミー電極を設け、そのダミー電極に生じる静電容量の変化量に基づいてセンサの感度を調節するタッチセンサ装置が知られている(特許文献1を参照。)。このタッチセンサ装置は、人体の近接等を検出するための検知電極と、ノイズを検出するためのダミー電極とを備え、検知電極、ダミー電極をマルチプレクサにより切り替えて静電容量を計測し、ダミー電極で計測した静電容量の変化が閾値を超えたときに、電極の計測結果を破棄することでノイズによる誤検出を防止している。このダミー電極は、検知電極の近辺であり、且つ人体の近接等を生じない位置に配置される。
特開2010−20674号公報
しかし、特許文献1に開示されているようなタッチセンサ装置においては、検知電極とは別にダミー電極を設けなければならない。検知電極は、十分な検出感度を得るためには一定の面積が必要であり、ダミー電極は、検知電極に近い静電特性とするためには検知電極と同等以上の大きさにする必要がある。また、ダミー電極は、検知電極の近辺であって人体の近接等を生じない位置に配置する必要がある。これらのため、検知電極とダミー電極とを設けるタッチセンサ装置の構造が複雑になってしまい、サイズも大きくなるという問題がある。
また、上記タッチスイッチ装置では、ノイズを検出するために、周波数応答性に優れたノイズ検出用回路を備えなければならない。更に、検知電極とダミー電極とは、各電極からマルチプレクサまでの配線が異なることから、静電容量の計測条件を同一とすることは困難である。このため、ノイズとなる電界の変化による影響で計測値が変動した場合に、ノイズの影響を正確に検出できないおそれがある。
そこで、本発明者は、1つの検知電極のみを用いて外来電磁ノイズの有無を判断する手法を試み、外来ノイズによるタッチセンサの誤判定の防止を図った。しかし、外来ノイズの大きさによっては、ノイズに起因して人体のタッチがあると判定してしまう可能性があった。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、1つの検知電極を用いて人体の近接又は接触を検知すると共に外来電磁ノイズを検出し、外来ノイズによる近接又は接触の誤判定を防止するタッチセンサを提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本第1発明は、人体が近接又は接触する導電体である検知電極と、前記検知電極に生じる静電容量を充電するための電源と前記検知電極との接続回路に設けられ、該検知電極に該電源を供給する充電状態又は該検知電極と該電源とを切断した浮動状態に切り替えるスイッチ手段と、前記検知電極の静電容量に対応する電気量を、前記充電状態において充電時電気量として計測し、且つ前記浮動状態において浮動時電気量として計測する電気量検出手段と、前記浮動時電気量の信号に対して一次遅れフィルタ処理を施して一次遅れ信号を生成するフィルタ手段と、所定周期の期間毎に前記浮動時電気量のピーク値を保持したピーク信号を生成するピークホールド手段と、前記スイッチ手段により前記充電状態と前記浮動状態とを交互に切り替え、前記電気量検出手段により計測される前記充電時電気量の変化と前記浮動時電気量の変化と、に基づいて人体の近接又は接触を判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号と交差した場合には、人体の近接又は接触はないと判定することを要旨とする。
第2発明は、第1発明において、前記浮動時電気量のピーク値が保持される前記所定周期は、前記一次遅れフィルタの時定数の4分の1以下であることを要旨とする。
第3発明は、第1発明又は第2発明において、前記ピークホールド手段は、前記ピーク値として前記所定周期の期間毎の前記浮動時電気量の最大値及び最小値を保持した2つのピーク信号を生成し、前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記2つのピーク信号の少なくとも一方と交差した場合には、人体の近接又は接触はないと判定することを要旨とする。
第4発明は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号と交差した時点の前後にわたる所定期間において、人体の近接又は接触はないと判定することを要旨とする。
第5発明は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記判定手段は、前記充電時電気量が所定の閾値を超え、前記浮動時電気量又はその変動量が所定範囲内であり、且つ前記一次遅れ信号と前記ピーク信号との交差がない場合に、人体の近接又は接触があると判定することを要旨とする。
本発明のタッチセンサによれば、人体が近接又は接触する導電体である検知電極と、前記検知電極に生じる静電容量を充電するための電源と前記検知電極との接続回路に設けられ、該検知電極に該電源を供給する充電状態又は該検知電極と該電源とを切断した浮動状態に切り替えるスイッチ手段と、前記検知電極の静電容量に対応する電気量を、前記充電状態において充電時電気量として計測し、且つ前記浮動状態において浮動時電気量として計測する電気量検出手段と、前記スイッチ手段により前記充電状態と前記浮動状態とを交互に切り替え、前記電気量検出手段により計測される前記充電時電気量の変化と前記浮動時電気量の変化と、に基づいて人体の近接又は接触を判定する判定手段と、を備えるため、1つの検知電極を用いるだけで、人体及び外来ノイズのそれぞれによって検知電極に生じる電気量の変化を同一の条件で計測することができ、充電状態において人体の近接又は接触を検出し、浮動状態において外来ノイズを検出するようにすることができる。また、外来ノイズを検出するために特別の回路を備える必要もなく、構造が簡単で小型のタッチセンサとすることができる。
そして、前記浮動時電気量の信号に対して一次遅れフィルタ処理を施して一次遅れ信号を生成するフィルタ手段と、所定周期の期間毎に前記浮動時電気量のピーク値を保持したピーク信号を生成するピークホールド手段と、を備え、前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号と交差した場合には、人体の近接又は接触はないと判定するため、充電状態と浮動状態とで計測される電気量が異なる変動を示すような比較的弱いノイズ環境下においても、浮動状態における電気量の変動がノイズの影響によるものかどうかを判別することができ、安定して人体の近接又は接触の誤判定を防止することが可能となる。
前記浮動時電気量のピーク値が保持される前記所定周期は、前記一次遅れフィルタの時定数の4分の1以下である場合は、比較的弱い外来ノイズの影響があるときは確実に前記一次遅れ信号と前記ピーク信号とが交差するように設定することができる。
前記ピークホールド手段は、前記ピーク値として所定周期の期間毎の前記浮動時電気量の最大値及び最小値を保持した2つのピーク信号を生成し、前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記2つのピーク信号の少なくとも一方と交差した場合には、人体の近接又は接触はないと判定すれば、外来ノイズの影響があるときは前記一次遅れ信号と少なくとも一方の前記ピーク信号との交差が検出可能となるため、より確実に人体の近接又は接触の誤判定を防止することができる。
前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号と交差した時点の前後にわたる所定期間において、人体の近接又は接触はないと判定する場合は、交差した時点を含む一定の期間において人体の近接又は接触があるという判定がされないため、より安定に人体の近接又は接触の誤判定を防止することができる。
前記判定手段は、前記充電時電気量が所定の閾値を超え、前記浮動時電気量又はその変動量が所定範囲内であり、且つ前記一次遅れ信号と前記ピーク信号との交差がない場合に、人体の近接又は接触があると判定すれば、比較的強いノイズ環境においては浮動時電気量又はその変動量が所定範囲を超えることとなり、比較的弱いノイズ環境においては一次遅れ信号とピーク信号との交差が検出されるため、より広範なノイズ環境下において人体の近接又は接触の誤判定を防止することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
タッチセンサの構成例を表すブロック図である。 充電状態における回路構成を説明するためのブロック図である。 浮動状態における回路構成を説明するためのブロック図である。 放電状態における回路構成を説明するためのブロック図である。 外来ノイズがないときに人体の近接又は接触があった場合の、充電状態における電気量の変化及び浮動状態における電気量の変化を測定したグラフである。 比較的強い外来ノイズがあり、人体の近接又は接触はない場合の、充電状態における電気量の変化及び浮動状態における電気量の変化を模式したグラフである。 比較的弱い外来ノイズがあり、人体の近接又は接触はない場合において、充電状態における電気量の変化及び浮動状態における電気量の変化を測定したグラフである。 比較的弱い外来ノイズによる浮動状態における浮動時電気量の信号、一次遅れ信号及びピーク信号(最大値信号及び最小値信号)の変動を測定したグラフである。 図8において時刻t−時刻t間を拡大表示したグラフである。 図8の場合よりも大きい外来ノイズが加わったときの浮動時電気量の信号、一次遅れ信号及びピーク信号(最大値信号及び最小値信号)の変動を示すグラフである。 外来ノイズがなく、人体の近接又は接触があったときの浮動時電気量の信号、一次遅れ信号及びピーク信号(最大値信号及び最小値信号)の変動を示すグラフである。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.タッチセンサの構成
本実施形態に係るタッチセンサは、室内外、車両等に設けられる各種装置・設備等に備えられる操作部分に検知電極を備え、人体(使用者の指等)の検知電極への近接又は接触を検知する。検知電極への人体の「近接」とは、人体の掌や手指等を検知電極の表面に近づける形態の他、検知電極の表面を覆う絶縁物を介して人体が接触する形態も含み、「接触」とは、検知電極の表面に直接人体が接触する形態を意図している。この検知電極への近接又は接触を、以下「タッチ」という。
図1は、本実施形態に係るタッチセンサの構成を表すブロック図である。タッチセンサ1は、人体9がタッチ可能な導電体である検知電極3と、検知電極3に生じる静電容量を充電するための電源2と検知電極3との接続回路21に設けられ、検知電極3に電源2を供給する充電状態(S1)又は検知電極3と電源2とを切断した浮動状態(S2)に切り替えるスイッチ手段4と、検知電極3の静電容量に対応する電気量を、充電状態S1において充電時電気量として計測し、且つ浮動状態S2において浮動時電気量として計測する電気量検出手段5と、浮動時電気量の信号に対して一次遅れフィルタ処理を施して一次遅れ信号を生成するフィルタ手段6と、所定周期の期間毎に浮動時電気量のピーク値を保持したピーク信号を生成するピークホールド手段7と、スイッチ手段4により充電状態S1と浮動状態S2とを交互に切り替え、電気量検出手段5により計測される充電時電気量の変化と浮動時電気量の変化と、に基づいて人体のタッチを判定する判定手段8と、を備えている。タッチセンサ1は、各上記手段を動作させるための電源(図示せず。)から電源の供給を受ける。
検知電極3は、その表面に、又は絶縁層を介して、人体9がタッチ可能に配設される導電体である。導電体の材質は特に限定されず、金属の他、導電布等が使用されてもよい。人体のタッチの有無により、検知電極3に生じる浮遊容量や検知電極3と大地(接地)との間の静電容量(Cx)は変化する。また、周辺の商用電源、電力機器、電子機器等からの電磁的ノイズが発生する場合、空間又は人体を介してノイズが誘導等されることによって、検知電極3には電気信号が生じる。タッチセンサ1は、人体のタッチによる静電容量の変化及び外来ノイズにより生じる電気信号を、同じ手段により検知するように構成される。
検知電極3の形状、大きさ、構造等は特に限定されない。また、操作部分に設けられる検知電極3の数も問わず、複数の検知電極3を設け、検知電極3毎にスイッチ手段4を備えることによって、検知電極3毎にタッチを判定するように構成することができる。
電源2は、検知電極3に生じている静電容量を充電するための電源である。検知電極3は、接続回路21を介して電源2と電気的に接続可能とされている。電源2の電圧や種類等は、検知電極3の静電容量を充電することができれば特に限定されないが、直流電源(Vcc)を用いることが好ましい。
接続回路21は、検知電極3と電源2及び電気量検出手段5とを接続する電気回路である。その具体的な構成は特に限定されず、切り替えによって検知電極3の静電容量を充電可能であり、検知電極3に生じた静電容量に対応する電気量を電気量検出手段5により計測可能であればよい。本例においては、検知電極3は、キャパシタC1及び抵抗素子を直列に介して電源2に接続可能に構成されている。また、検知電極3は、抵抗素子を直列に介して電気量検出手段5と接続可能とされている。
スイッチ手段4は、少なくとも検知電極3と電源2とを接続及び切断するために設けられているスイッチ回路である。スイッチ手段4は、接続回路21を介して検知電極3と電源2とが電気的に接続された充電状態S1、及び検知電極3と電源2とが電気的に切断された浮動状態S2の2つの状態を切り替え可能に構成される。本例においては、スイッチ手段4は、接続回路21を介して電源2と検知電極3とを接続し及び切断するスイッチSW1を備えている。この他、スイッチ手段4には、接続回路21を介して検知電極3と電気量検出手段5とを接続し、又は接続回路21を介して検知電極3を接地電位に接続するスイッチSW2を備えることができる。
スイッチSW1及びSW2の種類は特に問わない。スイッチ手段4(スイッチSW1、SW2)は、それぞれ判定手段8によって切り替えられるように構成される。
上記充電状態S1は、検知電極3と電源2とが接続回路21により電気的に接続され、電源2により検知電極3に生じている静電容量が充電される状態をいう。上記浮動状態S2は、検知電極3と電源2とが電気的に切り離されている状態をいう。
図2及び図3は、本例における充電状態S1及び浮動状態S2の回路構成を表している。充電状態S1は、図2に示されるように、スイッチSW1により電源2と接続回路21とが接続されて(SW1がオン)、電源2により検知電極3が充電される状態である。一方、浮動状態S2は、図3に示されるように、スイッチSW1により電源2と接続回路21とが切り離されて(SW1がオフ)、電源2により検知電極3が充電されない状態である。この浮動状態S2においては、電気量検出手段5の入力は高インピーダンスであるため、検知電極3を電気的にフローティング状態(浮動電位)とすることができる。
また、スイッチ手段4は、浮動状態S2において、接続回路21を介して検知電極3を接地電位(0V)に接続するように構成することができる。本例においては、図3に示されるように、スイッチSW1がオフのとき、検知電極3は接続回路21(抵抗素子及びキャパシタC1)を介して接地電位に接続される。
更に、スイッチ手段4は、検知電極3に生じた静電容量及びキャパシタC1に蓄積された電荷を速やかに放電させる放電状態(S3)に切り替え可能に構成することができる。図4は、本例における放電状態S3の回路構成を表す。スイッチ手段4には、放電状態S3とするためにスイッチSW2が備えられている。充電状態S1及び浮動状態S2においては、図2及び3に表されているように、検知電極3は接続回路21を介して電気量検出手段5に接続(SW2がオン)しておくことができる。この浮動状態S2に加え、スイッチSW2により、検知電極3が接続回路21(抵抗素子)を介して接地電位に接続(SW2がオフ)されるようにすることができる。図4に示されるようにスイッチSW1及びSW2を共に接地電位側に接続すれば、検知電極3の静電容量Cxに蓄積された電荷及びキャパシタC1に蓄積された電荷が速やかに放電される。
図1〜4に示されている電気量検出手段5は、検知電極3に生じる浮遊容量や、検知電極3と大地(接地)との間の静電容量Cxに対応する電気量を計測するように構成されている。静電容量Cxに対応する電気量は特に限定されず、例えば、接地電位に対する検知電極3の電位(電圧)とすることができる。電気量検出手段5の具体的な構成は特に問わないが、例えば、電気量検出手段5にアナログデジタル変換器(ADC)51等を備えることにより検知電極3の電位をデジタル値に変換して、電気量の計測値を得るように構成することができる。そして、後段のフィルタ手段6やピークホールド手段7は、電気量検出手段5から出力される前記計測値の信号を用いてデジタル処理を行うように構成することができる。AD変換器51によって前記電気量をデジタル変換する周期(サンプリング周期)は特に限定されず、例えば、0.5〜2ms程度とすることができる。
周辺に電磁的ノイズがある場合、空間を介して直接に又は人体を介してノイズが誘導等されることによって、検知電極3には電気信号が生じる。電気量検出手段5は、静電容量に対応する電気量を計測するのと同じ回路によって、外来ノイズに起因して検知電極3に生じる電気量を計測することができる。
尚、電気量検出手段5として増幅回路等を備え、フィルタ手段6及びピークホールド手段7をアナログ回路によって構成しても同様の作用を得ることが可能である。
通常、タッチセンサでは、検出された電気量の信号から外来ノイズ成分を除去するために、フィルタ(例えば、低域通過フィルタ)処理が施される。そして、フィルタ処理によりノイズ成分が除去された信号の値を閾値と比較する等の方法によって、タッチの有無が判定されている。しかし、外来電磁ノイズの影響をフィルタ処理によって完全に除去することは困難である。このため、本タッチセンサ1においては、電気量検出手段5により、検知電極3に生じる電気量を、充電状態S1において充電時電気量として計測し、浮動状態S2において浮動時電気量として計測するようにしている。この充電時電気量の信号及び浮動時電気量の信号に対しては、それぞれ別に又は共通に、フィルタ処理を施すことができる。すなわち、充電時電気量の信号を処理する充電時フィルタ手段と、浮動時電気量の信号を処理する浮動時フィルタ手段とを備え、それぞれ特性が異なるように構成することができる。また、共通のフィルタ処理を行うように、充電時フィルタ手段と浮動時フィルタ手段を1つのフィルタ手段としてもよい。後述の判定手段8は、充電状態S1及び浮動状態S2において上記フィルタ手段によりフィルタ処理が施された信号を用いて、タッチの有無を判断するように構成される。
図1以下に示されているフィルタ手段6は、電気量検出手段5(AD変換器51)の出力信号に対して一次遅れフィルタ処理を施した信号を、一次遅れ信号として出力するように構成される。一次遅れフィルタの時定数は、外来ノイズの種類や強度、周波数等に応じて、適宜設定することができる。
フィルタ手段6は、上記浮動時フィルタ手段と共通としてもよいし、別個に備えられてもよい。また、フィルタ手段6は、少なくとも浮動時電気量の信号に対して作用すればよいが、充電時電気量の信号に対して共通に作用するように構成されてもよい。すなわち、上記充電時フィルタ手段及び浮動時フィルタ手段として、一次遅れフィルタ処理を行うフィルタ手段6を用いることもできる。
ピークホールド手段7は、所定周期毎に浮動時電気量のピーク値を保持したピーク信号を生成する手段である。ピークホールド手段7は、所定周期の各期間において、浮動時電気量の最大値を保持したピーク信号(最大値信号)を生成するようにすることができる。また、所定周期の各期間において、浮動時電気量の最小値を保持したピーク信号(最小値信号)を生成するようにすることもできる。ピークホールド手段7は、ピーク信号として、前記最大値信号及び前記最小値信号の2つのピーク信号を発生するように構成されてもよいし、いずれか一方を発生するように構成されてもよい。
浮動時電気量のピーク値を保持する前記所定周期は適宜設定されればよいが、フィルタ手段6に備えられる一次遅れフィルタの時定数の4分の1以下とすることが好ましい。また、前記所定周期は、電気量検出手段5における前記サンプリング周期の10倍以上(例えば、20〜50倍)とすることが好ましい。
判定手段8は、スイッチ手段4を制御することにより、充電状態S1と浮動状態S2とを切り替えるように構成することができる。各状態を切り替えるタイミングや切り替え周期、それぞれの状態を継続する時間等については、適宜選択することができる。判定手段8は、充電状態S1及び浮動状態S2のそれぞれの期間において、電気量検出手段5を用いて検知電極3に生じている電気量を一定の周期でサンプリングさせ、フィルタ手段6により生成された一次遅れ信号、及びピークホールド手段7により生成されたピーク信号を入力するように構成される。また、フィルタ手段6とは別のフィルタ手段が設けられている場合には、その別のフィルタ手段によって生成された信号を入力するように構成することができる。
そして、判定手段8は、充電状態S1と浮動状態S2とを交互に切り替え、充電状態S1で計測された充電時電気量の変化と、浮動状態S2で計測された浮動時電気量の変化とに基づいて、人体のタッチの有無を判定するように構成されている。
更に、判定手段8は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号(最大値信号及び/又は最小値信号)と交差した場合、即ち一次遅れ信号と前記ピーク信号との大小関係が変化した場合には、外来ノイズの影響を受けている可能性があるため、人体のタッチはないと判定するように構成されている。ここで「タッチはないと判定する」方法は問わず、人体のタッチがあるという判定を禁止又は無効にする方法、判定を停止する方法、判定結果の外部への出力を禁止する方法等が挙げられる。
判定手段8は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号と交差した時点の前後にわたる所定期間(禁止期間)において、人体のタッチがあると判定しないように構成することが好ましい。前記禁止期間は適宜設定することができ、例えば、交差が生じたときを基準として−40ms〜+40msの間等とすることができる。
以上の電気量検出手段5、フィルタ手段6、ピークホールド手段7及び判定手段8は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによって実現されてもよく、好適には、図示しないCPU、メモリ(ROM、RAM等)、入出力回路等を備えるマイクロコントローラ(マイクロコンピュータ)を中心に、入出力インターフェース等周辺回路を備えることにより構成することができる。また、プログラム可能な論理回路、ゲートアレーその他の論理回路を用いて構成されてもよい。このマイクロコントローラ等にAD変換器51等が内蔵されていてもよい。
判定手段8は、各種装置・設備(例えば、照明、空調、AV機器、自動開閉式窓等)と電気的に接続され、検知電極3に対して人体のタッチがあると判定した場合には、その判定又は判定による動作をさせるための近接検出信号Sを、それら装置等に出力するように構成することができる。
2.タッチセンサの作用
(1)充電状態における計測処理
検知電極3に生じる浮遊容量や検知電極3と大地(接地)との間の静電容量Cxは、人体9のタッチの有無によって変化する。このため、検知電極3に生じる静電容量Cxの充電(又は放電)特性を計測することによって、人体9のタッチの有無を検知することができる。
タッチセンサ1は、検知電極3に電源2を接続した充電状態S1において、検知電極3に生じる静電容量Cxに対応する電気量(検知電極3の電位)を計測するようにすることができる。そして、例えば、判定手段8により、その計測値を所定の閾値と比較し、閾値を超える場合にはタッチがある(タッチがされている可能性がある)と検知することができる。また、閾値を一定時間以上超えたときに、タッチがあると検知するようにしてもよい。これに限らず、判定手段8は、充電状態S1の開始後に電位が所定値まで上昇する時間(時定数)等を計測することによって、タッチの有無を検知してもよい。
具体的には、図2に示した充電状態S1の回路において、スイッチ手段4のスイッチSW1はオン(電源2側に接続)とされ、電源2からスイッチSW1及び接続回路21を介して電流が検知電極3に流れ、検知電極3に生じている静電容量Cxが充電される。充電される量は、検知電極3の静電容量等Cxにより変化するため、これを電気量検出手段5によって計測する。電気量検出手段5は接続回路21を介して検知電極3に接続されており、検知電極3の電位(Vd)を計測することができる。電源2の供給電圧がVccである場合、キャパシタC1と検知電極3の静電容量Cxによって分圧されるため、電気量検出手段5により検出される電位Vd=Vcc・C1/(C1+Cx)となる。人体9が接近すると、検知電極3と接地との間の静電容量Cxが増加するので、計測される電位Vdは低下する。計測された充電時電気量は、前記充電時フィルタ手段又はフィルタ手段6によりノイズ除去を行って判定手段8に送られる。
通常、タッチの有無の他、温度や湿度等の環境によっても検知電極3に生じる充電時電気量が変化し、その結果、電気量検出手段5による計測値のレベルが変化する。このため、判定手段8は、タッチの有無を検知するための前記閾値は、計測値の時間的変動に基づいて逐次算出して設定するように構成することが好ましい。また、タッチの有無をより確実に検知するために、計測値が一定の時間閾値を超えた場合にタッチがあると検知する等、種々の検知方法を適用することができる。
(2)浮動状態における計測処理
一方、検知電極3の周辺に電磁的ノイズがある場合、検知電極3にはそのノイズによって電気量の変化が生じる。外来ノイズのある環境においては、検知電極3について計測される電気量には、人体のタッチ有無により変化する静電容量Cxに対応する電気量と、ノイズによって生じる電気量とが重畳されることとなる。したがって、外来ノイズがある場合には、充電状態S1における充電時電気量の変化には、ノイズに起因する電気量の変化が重畳される。このため、充電状態S1で行う計測において、外来ノイズがある場合には充電時電気量の計測値が変動し、人体のタッチがあると誤検知する場合が生じる。
このため、タッチセンサ1は、検知電極3から電源2を切り離した浮動状態S2においても、検知電極3に生じる浮動時電気量(検知電極3の電位)を計測する。充電状態S1での計測と浮動状態S2での計測とは、連続して繰り返し行われることが好ましい。
浮動状態S2においては、図3に示されたように、スイッチ手段4のスイッチSW1はオフとされ、検知電極3は電源2によって充電駆動されない状態となる。また、充電状態S1から浮動状態S2に切り替える場合には、検知電極3が充電状態S1において充電された状態となる。このとき検知電極3に人体9が接近しても、検知電極3は更に充電が生じないため、静電容量Cxの変化に対応する浮動時電気量の変化は生じない。そして、キャパシタC1及び検知電極3の一端は電気量検出手段5に接続されているため、検知電極3に外来ノイズによる電界が加わると、それによって検知電極3の電位が変化する(図6参照)。すなわち、浮動状態S2で計測される浮動時電気量の変化は、主として外来ノイズに起因するものと考えることができる。
(3)判定処理1
判定手段8は、一定時間の充電状態S1と浮動状態S2とを繰り返し切り替え、各状態において検知電極3に生じている電気量をサンプリングして取得するようにすることができる。また、充電状態S1から浮動状態S2に切り替えるに際して、一旦放電状態S3とし、充電状態S1において充電された静電容量を速やかに放電させるようにすることができる(図4参照)。これによって、浮動状態S2において蓄積電荷の影響をなくし、ノイズの影響をより確実に計測することができる。
判定手段8は、充電状態S1で計測された電気量又はその変化と、浮動状態S2で計測された電気量又はその変化とに基づいて、ノイズの影響を判断し、人体のタッチの有無を判定するようにすることができる。
例えば、充電状態S1における計測値から人体のタッチがあると検知され、且つ、浮動状態S2における計測値からノイズの影響がないと検知された場合には、人体のタッチがあると判定するようにすることができる。すなわち、充電状態S1における計測値からはタッチがあると検知される場合であっても、浮動状態S2における計測値から外来ノイズがあると検知される場合には、最終的に人体のタッチがあるという判定をしないようにすることができる。これにより、外来ノイズの影響による人体のタッチの誤判定を防止することができる。
図5及び6は、充電状態S1における電気量の計測値(充電時電気量)の変化と、浮動状態S2における電気量の計測値(浮動時電気量)の変化を模したグラフである。充電時電気量は、電源2により検知電極3が充電されるため、外来ノイズがない場合には、検知電極3に生じる静電容量Cxに対応する値となる。図の下方ほど大きな静電容量Cxに対応している。ここでは、判定手段8は、充電時電気量が閾値Thを超える(下回る)とき、タッチがあると検知するものとする。
また、浮動時電気量は、検知電極3は電源2とは切り離されてフローティング状態とされているため、外来ノイズ等が存在しなければ、計測される電気量に大きな変化が生じることはない。ここでは、判定手段8は、浮動時電気量が閾値Thを超える(下回る)とき、ノイズがあると検知するものとする。
尚、図5及び6は、充電状態S1及び浮動状態S2における電気量の計測値(フィルタ処理後)の時間変化を連続的に示した図であり、実際にタッチセンサ1が充電状態S1と浮動状態S2を切り替えるタイミングやその繰り返し周期、電気量のサンプリング周期等は、適宜とすることができる。
図5は、外来ノイズがないときに人体のタッチがあった場合の計測値を示している。本図において、時刻t、t、t及びtにおいて、指により検知電極3がタッチされている。タッチがされたとき、充電時電気量が閾値Thを超える(下回る)ため、判定手段8はタッチがあると検知する。一方、浮動時電気量は所定範囲内(閾値Th以上)であるため、ノイズはないと検知する。この充電状態S1における検知結果と浮動状態S2における検知結果に基づいて、判定手段8は、時刻t、t、t及びtにおいてタッチがあると判定することができる。
図6は、タッチはされておらず、外来ノイズがあった場合の例を示している。本図において、充電時電気量はノイズの影響を受けて期間tにおいて閾値Thを超えて変化しているため、判定手段8はタッチがあると検知する。一方、浮動時電気量もまた、ノイズの影響を受けて期間tにおいて大きく変化し、所定範囲を超える(閾値Thを下回る)変化を示している。このため、判定手段8は、期間tにおいてタッチがあるという検知を無効とし、タッチがあるとは判定しないようにすることができる。
上記のように、人体のタッチの有無は、充電状態S1で計測される充電時電気量の変化に基づいて検出することができるが、外来ノイズによって充電時電気量の計測値が変化しているような場合には、タッチがあるという判定をしないようにする必要がある。判定に影響を及ぼす外来ノイズは、充電時電気量の計測値からタッチがあると検知されるのと同時期における浮動時電気量の変化によって検知することができる。すなわち、浮動時電気量又はその変化量が所定範囲内である場合には、判定に影響を及ぼす外来ノイズはないと判断することができる。
例えば、浮動時電気量の計測値が所定の閾値を超える場合には、ノイズがあると検知して、人体のタッチがあるという充電時電気量による検知を無効とするようにすることができる。また、浮動時電気量の計測値の変化量が所定の範囲を超えているときは、ノイズがあると検知して、人体のタッチがあるという充電時電気量による検知を無効とするようにすることもできる。また、図6に示されるように、充電時電気量の計測値の時間的変化と、浮動時電気量の計測値の時間的変化とが相関するときは、ノイズがあると検知するようにしてもよい。
(4)判定処理2
しかし、環境条件の変化や検知電極3による検出感度の変化等により、浮動状態S2で計測される浮動時電気量のレベルは変化する。また、電気量検出手段5の計測レンジの制限により、検知電極3に生じている電気量を浮動時電気量として正確に計測することができない場合が生じる。このような場合には、以上に説明したような浮動時電気量の計測値やその変化量に基づいてノイズの有無を検知することが困難となる。
例えば、図7は、検知電極3に対して、時刻tn1、tn2及びtn3において比較的弱いノイズが加わったときの充電時電気量及び浮動時電気量の信号と、それぞれに対するフィルタ処理後の信号を表している。ノイズとして、検知電極3に対し1mの距離に置かれたアンテナから、周波数120MHz、電界強度100V/mの高周波ノイズを放射している(以下の例において同様)。本例においては、ノイズがあったとき充電時電気量及び浮動時電気量が共に大きく変化している。また、浮動時電気量の信号レベルが低く、その電気量をユニポーラ型AD変換器51を用いて変換しているため、計測値は一定値(ゼロ)が下限となっている(以下の例において同様)。このような場合には、人体のタッチ有無の判断が困難となる。
図8は、人体のタッチがなく、ノイズがある場合の、浮動時電気量の信号、一次遅れ信号及びピーク信号(最大値信号及び最小値信号)の変動を表している。図9に、図8における時刻tとtの間を拡大して表す。ピーク信号は、所定周期の各期間における最大値及び最小値を保持して生成されるが、本例の場合、判定手段8において、一次遅れ信号(及び浮動時電気量の計測値)に対して1周期分時間軸を前にずらして重ね合わせるようにして処理されている(以下の例において同様)。
図8及び図9に表されている例では、期間tにノイズがあり、それによって点X1、X2等において一次遅れ信号とピーク信号との交差が生じている。すなわち、点X1では、その後一次遅れ信号の値がピーク信号(最大値信号)の値を上回るように交差しており、点X2では、その後一次遅れ信号の値がピーク信号(最大値信号)の値を下回るように交差している。ノイズの影響の有無を検知するために、最大値信号や最小値信号、一次遅れ信号との交差の向き等を、どのように選択したり組み合わせたりして用いるかは適宜とすることができる。例えば、一次遅れ信号の値がピーク信号(最大値信号)の値を超えるように交差が生じたか否かによって検知してもよいし、交差の向きを問わず一次遅れ信号とピーク信号(最大値信号及び最小値信号)との交差が生じたか否かによって検知してもよい。
図10は、図8に示した場合よりも大きい外来ノイズが期間tn1及びtn2に加わったときの浮動時電気量の信号、一次遅れ信号及びピーク信号(最大値信号及び最小値信号)の変動を表している。前記のとおり、浮動時電気量は電気量検出手段5(ユニポーラ型AD変換器)によって変換された値であるため、その変動はノイズが加わっているときに変換レンジの下限に達している(L点)。その制限された浮動時電気量の値を用いて、一次遅れ信号及びピーク信号が生成されている。このような場合、単に計測された充電時電気量の変化と浮動時電気量の変化(図5、6参照)とに基づいて人体のタッチを検知するのでは、ノイズに起因する変動であるにもかかわらず、人体のタッチがあったという誤判定が生じるおそれがある。
上記の場合、浮動時電気量の一次遅れ信号とピーク信号との交差が生じたか否かによって、ノイズの影響を検知することができる。図10において、浮動時電気量の一次遅れ信号は、ピーク信号(最大値信号)と5点(X1〜X5)において交差している。
一方、図11は、ノイズはなく、人体のタッチがあった(時刻t、t、t、t、t)ときの浮動時電気量の信号、一次遅れ信号及びピーク信号(最大値信号及び最小値信号)の変動を表している。本図で明らかなように、浮動時電気量の一次遅れ信号とピーク信号(最大値信号及び最小値信号)との交差は生じていない。
したがって、浮動時電気量の一次遅れ信号とピーク信号との交差が生じたときは、人体のタッチではないと判定することによって、電気量検出手段5の計測レンジの制限を受ける場合であっても誤判定を防止することができる。ノイズを検知するために、ピーク信号として最大値信号及び最小値信号の両方を用いてもよいし、いずれか一方を用いてもよい。
また、一次遅れ信号とピーク信号との交差が生じたときは、その時点の前後にわたる所定期間において、人体のタッチがあると判定することを禁止するようにすることができる。
以上のとおり、人体のタッチの有無は、判定手段8において種々の基準により判定することができる。例えば、
(a)充電時電気量が所定の閾値を超える期間があり、且つ当該期間において浮動時電気量の一次遅れ信号とピーク信号との交差がない場合に、人体のタッチがあると判定することができる。
(b)充電時電気量が所定の閾値を超える期間があり、当該期間において浮動時電気量又はその変動量が所定範囲内であり、且つ浮動時電気量の一次遅れ信号とピーク信号との交差がない場合に、人体のタッチがあると判定することができる。
(c)充電時電気量が所定の閾値を超える期間があり、且つ当該期間において浮動時電気量又はその変動量が所定範囲内であるときは人体のタッチがあると一次判定するが、当該期間において浮動時電気量の一次遅れ信号とピーク信号との交差がある場合には、上記一次判定を無効にすることができる。
これらに限らず、判定手段8は、充電時電気量の変化、浮動時電気量の変化、一次遅れ信号とピーク信号との交差の有無、を任意に選択し組み合わせた条件によって、人体のタッチの有無を判定するようにすることができる。判定手段8は、最終的にタッチがあると判定したときは、近接検出信号Sを外部に出力することができる。
尚、本発明においては、以上に示した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した態様とすることができる。本タッチセンサは、車両に搭載される近接センサの他、屋内外に設置される装置・機器に使用することができる。また、照明、エアコン、AV機器、電動装置等、各種装置・機器を操作するためのタッチセンサとして広く適用可能である。
1;タッチセンサ、2;充電用電源、21;接続回路、3;検知電極、4;スイッチ手段、5;電気量検出手段、6;フィルタ手段、7;ピークホールド手段、8;判定手段、9;人体。

Claims (5)

  1. 人体が近接又は接触する導電体である検知電極と、
    前記検知電極に生じる静電容量を充電するための電源と前記検知電極との接続回路に設けられ、該検知電極に該電源を供給する充電状態又は該検知電極と該電源とを切断した浮動状態に切り替えるスイッチ手段と、
    前記検知電極の静電容量に対応する電気量を、前記充電状態において充電時電気量として計測し、且つ前記浮動状態において浮動時電気量として計測する電気量検出手段と、
    前記浮動時電気量の信号に対して一次遅れフィルタ処理を施して一次遅れ信号を生成するフィルタ手段と、
    所定周期の期間毎に前記浮動時電気量のピーク値を保持したピーク信号を生成するピークホールド手段と、
    前記スイッチ手段により前記充電状態と前記浮動状態とを交互に切り替え、前記電気量検出手段により計測される前記充電時電気量の変化と前記浮動時電気量の変化と、に基づいて人体の近接又は接触を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号と交差した場合には、人体の近接又は接触はないと判定することを特徴とするタッチセンサ。
  2. 前記浮動時電気量のピーク値が保持される前記所定周期は、前記一次遅れフィルタの時定数の4分の1以下である請求項1記載のタッチセンサ。
  3. 前記ピークホールド手段は、前記ピーク値として前記所定周期の期間毎の前記浮動時電気量の最大値及び最小値を保持した2つのピーク信号を生成し、
    前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記2つのピーク信号の少なくとも一方と交差した場合には、人体の近接又は接触はないと判定する請求項1又は2に記載のタッチセンサ。
  4. 前記判定手段は、前記一次遅れ信号が前記ピーク信号と交差した時点の前後にわたる所定期間において、人体の近接又は接触はないと判定する請求項1乃至3のいずれかに記載のタッチセンサ。
  5. 前記判定手段は、前記充電時電気量が所定の閾値を超え、前記浮動時電気量又はその変動量が所定範囲内であり、且つ前記一次遅れ信号と前記ピーク信号との交差がない場合に、人体の近接又は接触があると判定する請求項1乃至4のいずれかに記載のタッチセンサ。
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