JP2014035705A - タッチセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】指等人体が近接又は接触する検出電極2と、検出電極に生じた静電容量に対応する電気量を計測する計測回路3と、一定周期で計測回路により計測を行い、その計測値を設定された閾値と比較することによって人体のタッチを判断する判断部4と、を備え、判断部4には、所定期間内において計測回路3による計測値が閾値を超えた時間の合計が、所定期間に対して所定の比率以上の時間となったときに人体のタッチがあると判断する合計時間検知手段41を備える。このようなタッチセンサは確実に人体のタッチを検知し、強力なフィルタ手段によりノイズを除去する場合に比べて、タッチセンサの検出感度及び応答性を維持することが容易となる。
【選択図】図1
Description
このようなタッチセンサでは、単に静電容量に対応する電気量の変化をみて、その値が一定の閾値を超えた(若しくは下回った)ときに人体の接触があると判断すると、検出電極に生じる静電容量が環境等により変化したり、検出される電気量がノイズの影響により変化したりするため、誤判断を生じてしまうという問題がある。
この問題の対策として、例えば、静電容量に対応する電気量が一定時間以上閾値を超えている場合に人体の接触があると判断する等、さまざまな手法が用いられている。また、温度等の環境変化によらず正確なタッチ検出を行うため、検出電極間の静電容量変化を検出してその変化速度を求め、所定の変化速度以上の変化が生じた時点からその所定の変化速度以上の変化が所定時間以上継続したときにタッチ検出を確定するようにしたタッチセンサが知られている(特許文献1を参照。)。
本第2発明は前記第1発明において、前記計測回路による計測値の変動に既知の周期のノイズが含まれる場合において、前記所定期間は前記ノイズの1周期を超える時間であることを要旨とする。
本第3発明は前記第1発明又は第2発明において、前記判断部は、前記計測回路による計測値が設定された閾値を第2の所定時間連続して超えたときにも人体の近接又は接触があると判断することを要旨とする。
本第4発明は前記第1発明乃至前記第3発明において、前記閾値は、前記計測回路による計測値の変動から前記ノイズ成分を阻止するフィルタ手段を介して生成された信号に基づいて設定されることを要旨とする。
また、前記判断部は、前記計測回路による計測値が設定された閾値を第2の所定時間連続して超えたときにも人体の近接又は接触があると判断する場合には、計測値の変動に大きなノイズが含まれていない場合にも、人体のタッチを速やかに安定して検知することができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
図1は、本実施形態に係るタッチセンサの構成を表わすブロック図である。本タッチセンサ1は、人体の近接又は接触(タッチ)を検出するタッチセンサであって、人体9がタッチする検出電極2と、検出電極2に生じる静電容量又はその変化に対応する電気量を計測する計測回路3と、周期的に計測回路3により計測された計測値を用いて人体9のタッチを判断する判断部4と、を備える。また、タッチセンサ1は計測回路3及び判断部4を動作させるための図示されない電源等を備える。
計測回路3は、得られた計測値(Cx)を判断部4に送出する。
そして、判断部4は、設定した閾値と計測値との比較、計測値が連続して閾値を超えた時間(連続時間)の算出、計測値が閾値を超えた時間の合計の時間(合計時間)の算出等の処理を行うことによって、検出電極2への人体のタッチの有無を判定するように構成される。尚、以下の図面においては、タッチがあるとき、計測回路3による計測値が閾値を下回っているが、計測値がタッチがある場合の方向に閾値を超えている状態を「閾値を超えている」という。
その他、判断部4は、各種装置・設備(例えば、照明、空調、AV機器、自動開閉式窓等)と電気的に接続され、人体の近接又は接触状態と判定した場合には、その判定又は判定による動作をさせるための近接検出信号Sをそれら装置等に出力するように構成することができる。
前記フィルタ手段は特に限定されず、例えば、計測回路3による計測値の変動を、判断部4に備えるソフトウェアによりフィルタ処理するように構成することができる。また、計測回路3において、検出電極2に生じた電気量の信号から低域フィルタ回路を介してフィルタ信号を生成し、そのフィルタ信号を用いて閾値を設定するように構成してもよい。いずれにしても、フィルタの特性や段数は任意に設定することができ、ノイズを一定限除去した計測値の変動を基に、適宜の演算によりタッチ判定のための調整を施すことによって、前記閾値を設定するように構成することができる。
図5は、計測回路3による計測値Cxの変動と、従来のフィルタ処理によって設定された閾値の変動を表している。縦軸は計測値及び閾値のレベルであり、横軸は時間である。本図の範囲においては3回(a部)、検出電極2に人体がタッチされているが、計測値には大きなノイズが含まれているため、計測値が一定時間連続して閾値を超える(下回る)ことがなく、タッチの検知が困難となる。尚、計測値の変動から充分にノイズ成分を除去すればタッチが検出可能となるものの、タッチセンサの応答性(例えば、閾値の追従性)が低下する等の問題が生じる。
周期的なノイズとして交流誘導ノイズを挙げることができ、以下では周波数60Hzの商用電源に起因する交流誘導ノイズ(周期Tn=17ms)の場合を例に説明する。
前記交流誘導ノイズの場合、例えば、対象期間Tatを55ms(ノイズ周期の3.3倍)とし、判断部4は、55ms内に前記合計時間が20ms(対象期間の36%、すなわちノイズ周期の1.2倍)以上あったときに、人体のタッチがあったと判断することができる。
判断部4は、計測回路3により検出電極2に生じた静電容量に対応する電気量を計測する(ステップS1)。このステップS1以下の処理は、一定のサンプリング間隔で行われる。
ステップS1により計測された計測値Cxを導入してフィルタ手段によりフィルタ処理を行い、閾値を算出する(ステップS2)。フィルタ処理は、例えば、過去の計測値(フィルタ処理の結果)と今回の計測値Cxとを用いた一次遅れ演算によって行うことができる。タッチの有無を判定する基準となる閾値は、フィルタ処理の出力に調整を施して設定することができる。
計測値Cxが閾値を超えていない場合、連続時間を0に初期化する(ステップS4)。一方、計測値Cxが閾値を超えていた場合は、連続時間及び合計時間を計時する(ステップS5)。具体的には、連続時間及び合計時間に1サンプリング周期を加算して更新する。合計時間は、始めに閾値を超えた時から対象期間の時間の範囲内で、計測値Cxが閾値を超えていた時間を積算することとなる。
次いで、合計時間検知手段41により、合計時間が一定値以上となったかどうかを判断する(ステップS7)。合計時間が一定値以上となったときは、タッチがあると判定して、検出信号Sを出力する(ステップS8)。
連続時間検知手段42及び合計時間検知手段41のいずれによってもタッチがあると決定されなかった場合は、ステップS1に戻ってサンプリングタイミングで計測回路3による計測を行う。
以上のようなタッチセンサ1の合計時間検知手段41により人体のタッチを検知できるかを確認するため、検知試験を行った。この試験は、検出電極2に60Hzのノイズを与えた状態で、検出電極2に人体9を触れたとき、55msの対象期間内に計測値Cxが閾値を超えた合計時間を測定することによって行った。この試験結果は、表1に示すとおりであった。尚、計測値Cxは、1msのサンプリング周期で検出電極2の電位を検出し、計測回路3に設けたAD変換器を用いて得た値である。
(1)連続時間検知手段42により、前記3.と同じ条件でタッチの検知をしたところ、計測値Cxは交流ノイズの1周期17msのうち6〜7msの間閾値を超えた(図5参照)。しかし、仮に計測値Cxが連続して閾値を超えた時間が20msを超えたときタッチがあると判定するとした場合、連続時間検知手段42ではタッチの検知ができないことがわかる。
(2)また、前記(1)の比較例と同じ条件で、計測値Cxの変動に一次遅れフィルタを更に強くかけて、周期的なノイズを除去した場合を図6に示す。この結果からは、初回にタッチがされたときには約10msの間計測値Cxが閾値を超えているが、フィルタ処理によって算出される閾値の計測値の変動に対する追従性が低下し、タッチが繰り返された場合に検知ができなくなることがわかる。
Claims (4)
- 人体の近接又は接触を検出するタッチセンサであって、
人体が近接又は接触する検出電極と、
前記検出電極に生じた静電容量に対応する電気量を計測する計測回路と、
一定周期で前記計測回路により計測を行い、その計測値を設定された閾値と比較することによって人体の近接又は接触を判断する判断部と、
を備え、
前記判断部は、所定期間内において前記計測回路による計測値が前記閾値を超えた時間の合計が、前記所定期間に対して所定の比率以上の時間となったときに人体の近接又は接触があると判断することを特徴とするタッチセンサ。 - 前記計測回路による計測値の変動に既知の周期のノイズが含まれる場合において、
前記所定期間は前記ノイズの1周期を超える時間である請求項1記載のタッチセンサ。 - 前記判断部は、前記計測回路による計測値が設定された閾値を第2の所定時間連続して超えたときにも人体の近接又は接触があると判断する請求項1又は2に記載のタッチセンサ。
- 前記閾値は、前記計測回路による計測値の変動から前記ノイズ成分を阻止するフィルタ手段を介して生成された信号に基づいて設定される請求項1乃至3のいずれかに記載のタッチセンサ。
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