JP6183042B2 - タッチセンサ - Google Patents
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Description
このようなタッチセンサにおいて、単に静電容量に対応する電気量の変化をみて、その値が一定の基準値を超えたときに人体の近接又は接触があると判断する場合には、検知電極に生じる静電容量のレベルが周囲環境等によって変化したり、検出される電気量が外来ノイズの影響によって変化したりすると、人体の近接又は接触の誤判断を生じてしまうという問題があった。
この問題の対策として、例えば、ノイズ等環境条件による影響を検出するためのダミー電極を設け、そのダミー電極に生じる静電容量の変化量に基づいてセンサの感度を調節するタッチセンサ装置が知られている(特許文献1を参照。)。このタッチセンサ装置は、人体の近接等を検出するための検知電極と、ノイズを検出するためのダミー電極とを備え、検知電極、ダミー電極をマルチプレクサにより切り替えて静電容量を計測し、ダミー電極で計測した静電容量の変化が閾値を超えたときに、電極の計測結果を破棄することでノイズによる誤検出を防止している。また、ダミー電極は、検知電極の近辺であり、且つ人体の近接等を生じない位置に配置される。
また、上記タッチスイッチ装置では、ノイズを検出するために、周波数応答性に優れたノイズ検出用回路を備えなければならないという問題がある。更に、検知電極とダミー電極とは、各電極からマルチプレクサまでの配線が異なることから、静電容量の計測条件を同一とすることは困難である。このため、ノイズとなる電界の変化による影響で計測値が変動した場合に、ノイズの影響を正確に検出できないおそれがある。
本第2発明は、第1発明において、前記判定手段は、前記充電状態で計測された前記電圧に基づいて人体の近接又は接触があると検出され、且つ前記浮動状態で計測された前記電圧又はその変動量が所定範囲内である場合に、人体の近接又は接触があると判定することを要旨とする。
本第3発明は、第1又は2発明において、前記スイッチ手段は、前記浮動状態において前記接続回路を介して前記検知電極を接地電位に接続することを要旨とする。
本第4発明は、第1乃至3発明において、前記スイッチ手段は、前記検知電極を接地電位に接続する放電状態に切り替え可能であり、前記判定手段は、前記放電状態を介して前記充電状態から前記浮動状態に切り替えるように制御することを要旨とする。
本第5発明は、第1乃至3発明において、前記判定手段は、前記充電状態で計測された前記電圧が所定の閾値を超え、且つ前記浮動状態で計測された前記電圧が所定の閾値を超えない場合に、人体の近接又は接触があると判定することを要旨とする。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本実施形態に係るタッチセンサは、室内外、車両等に設けられる各種装置・設備等に備えられる操作部分に検知電極を備え、使用者の指等(人体)の検知電極への近接又は接触を検知する。
図1は、タッチセンサの構成例を表すブロック図である。タッチセンサ1は、人体9が近接又は接触する導電体である検知電極3と、検知電極3に生じる静電容量を充電するための電源2と検知電極3との接続回路21に設けられ、電源2と検知電極3を接続する充電状態(S1)又は電源2と検知電極3を切断する浮動状態(S2)に切り替えるスイッチ手段4と、検知電極3に生じる電気量の変化を計測する計測手段5と、スイッチ手段4を制御して、計測手段5による前記電気量の計測値に基づいて人体の近接又は接触の判定を行う判定手段7と、を備えている。タッチセンサ1は、各上記手段を動作させるための電源(図示せず。)から電源の供給を受ける。
スイッチSW1及びSW2の種類は問わない。
上記浮動状態S2は、検知電極3と電源2とが電気的に切り離されている状態をいう。
図2及び図3は、本例における充電状態S1及び浮動状態S2の回路構成を表している。充電状態S1は、図2に示されるように、スイッチSW1により電源2と接続回路21とが接続(SW1がオン)され、電源2により検知電極3が充電される状態である。一方、浮動状態S2は、スイッチSW1により電源2と接続回路21とが切り離されて(SW1がオフ)、電源2により検知電極3が充電されない状態である。この浮動状態S2において、計測手段5の入力は高インピーダンスであるため、検知電極3を電気的にフローティング状態(浮動電位)とすることができる。
スイッチ手段4(スイッチSW1、SW2)は、判定手段7によって充電状態S1又は浮動状態S2に切り替えられるように構成することができる。
また、周辺に電磁的ノイズがある場合、直接に又は人体を介してノイズが誘導等されることによって、検知電極3には電気信号が生じる。計測手段5は、静電容量に対応する電気量を計測するのと同じ回路によって、外来ノイズによって検知電極3に生じる電気量を計測することができる。
計測手段5は、判定手段7により制御されるタイミングで電気量の計測を行い、得られた計測値を判定手段7に送出可能(判定手段7により読み取り可能)に構成することができる。
判定手段7は、各種装置・設備(例えば、照明、空調、AV機器、自動開閉式窓等)と電気的に接続され、検知電極3に対して人体のタッチがあると判定した場合には、その判定又は判定による動作をさせるための近接検出信号Sを、それら装置等に出力するように構成することができる。
(1)充電状態における計測処理
検知電極3に生じる浮遊容量や検知電極3と大地(接地)との間の静電容量Cxは、人体9のタッチの有無によって変化する。このため、検知電極3に生じる静電容量Cxの充電(又は放電)特性を計測することによって、人体9のタッチの有無を検知することができる。
タッチセンサ1は、検知電極3に電源2を接続する充電状態S1において、検知電極3に生じる静電容量Cxに対応する電気量(検知電極3の電位)を計測するようにすることができる。そして、例えば、判定手段7により、その電気量を所定の閾値と比較し、閾値を超える場合にはタッチがある(タッチがされている可能性がある)と検出することができる。また、閾値を一定時間以上超えたときに、タッチがあると検出するようにしてもよい。これに限らず、判定手段7は、充電状態の開始後に電位が所定値まで上昇する時間(時定数)等を計測することによって、タッチがあると検出してもよい。
一方、検知電極3の周辺に電磁的ノイズがある場合、検知電極3にはそのノイズによって電気量の変化が生じる。したがって、ノイズ環境において、検知電極3について計測される電気量には、人体のタッチ有無により変化する静電容量Cxに対応する電気量と、ノイズによって生じる電気量とが重畳されることとなる。したがって、外来ノイズがある場合には、充電状態S1における電気量の変化には、ノイズによって生じる電気量の変化が重畳される。このため、充電状態S1で行う前記計測において、外来ノイズがある場合には電気量の計測値が変化し、人体のタッチがあると誤検知する場合が生じる。
具体的には、図3に示した浮動状態S2の回路のように、スイッチ手段4のスイッチSW1はオフとされ、検知電極3は電源2によって充電駆動されない状態となる。また、充電状態S1から浮動状態S2に切り替える場合には、検知電極3が充電状態S1において充電された状態となる。このとき検知電極3は更に充電が生じないため、検知電極3に人体9が接近しても、静電容量Cxの変化に対応する電気量の変化は生じない。そして、キャパシタC1及び検知電極3の一端は計測手段5に接続されているため、検知電極3に交流ノイズや電界が加わると、それによって検知電極3の電位が変化する。すなわち、浮動状態S2で計測される電気量の変化は、主として外来ノイズに起因するものとみなすことができる。
判定手段7は、充電状態S1で計測された電気量又はその変化と、浮動状態S2で計測された電気量又はその変化とに基づいて、ノイズの影響を判断し、人体のタッチの有無を判定するようにすることができる。
例えば、充電状態S1における計測値からタッチがされている可能性があると検出され、且つ、浮動状態S2における計測値からノイズの影響がないと判断される場合には、人体のタッチがあると判定するようにすることができる。すなわち、充電状態S1における計測値からタッチがされていると判断される場合であっても、浮動状態S2における計測値からノイズがあると判断される場合には、人体のタッチがされているという判断を無効にするようにすることができる。これにより、外来ノイズの影響による人体のタッチの誤判定を防止することができる。
なお、図5及び6は、充電状態S1及び浮動状態S2における計測値の時間変化を連続的に示した図であり、実際にタッチセンサ1が充電状態S1と浮動状態S2を切り替えるタイミングやその繰り返し周期、各状態の期間、更に電気量の計測タイミング等は、任意とすることができる。
具体的には、放電状態S3に切り替えると、図4に示したようにスイッチ手段4のスイッチSW1、SW2が共に接地側となり、キャパシタC1及び検知電極3が速やかに放電される。これによって、浮動状態S2における静電容量の蓄積電荷の影響をなくし、ノイズの影響をより確実に計測することができる。
Claims (5)
- 人体が近接又は接触する導電体である検知電極と、
前記検知電極と前記検知電極に生じる静電容量を充電するための電源とをキャパシタを直列に介して接続する接続回路と、
前記電源と前記接続回路との間に設けられ、該電源と該検知電極を接続する充電状態、又は該電源と該検知電極を電気的に切り離した浮動状態に切り替えるスイッチ手段と、
前記検知電極の静電容量に対応する電圧の変化を計測する計測手段と、
前記スイッチ手段を制御して、前記計測手段による前記電圧の計測値に基づいて人体の近接又は接触の判定を行う判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記充電状態で計測された前記電圧の変化と、前記浮動状態で計測された前記電圧の変化と、に基づいて人体の近接又は接触を判定することを特徴とするタッチセンサ。 - 前記判定手段は、前記充電状態で計測された前記電圧に基づいて人体の近接又は接触があると検出され、且つ前記浮動状態で計測された前記電圧又はその変動量が所定範囲内である場合に、人体の近接又は接触があると判定する請求項1記載のタッチセンサ。
- 前記スイッチ手段は、前記浮動状態において前記接続回路を介して前記検知電極を接地電位に接続する請求項1又は2に記載のタッチセンサ。
- 前記スイッチ手段は、前記検知電極を接地電位に接続する放電状態に切り替え可能であり、
前記判定手段は、前記放電状態を介して前記充電状態から前記浮動状態に切り替えるように制御する請求項1乃至3のいずれかに記載のタッチセンサ。 - 前記判定手段は、前記充電状態で計測された前記電圧が所定の閾値を超え、且つ前記浮動状態で計測された前記電圧が所定の閾値を超えない場合に、人体の近接又は接触があると判定する請求項1乃至4のいずれかに記載のタッチセンサ。
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