JP2016021154A - 印字制御システムにおける省電力モード制御手段及び制御方法 - Google Patents

印字制御システムにおける省電力モード制御手段及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印字制御装置とHUBの組み合わせでEEEをサポートしている場合とサポートしていない場合が、コンピュータネットワーク環境中で混在しても、EEE機能を有効にする事で得られるネットワーク省電力効果を加味して、サーバ側が、分散処理の対象機器を適切に選択できるような、省電力モード制御手段を提供する。【解決手段】印字制御装置とHUB間のオートネゴシエーション結果に基づき、EEEをサポートしているか否かを示すフラグを印字制御装置内に保存する保存手段と、サーバもしくはクライアントPC側で、前記フラグ情報を分散処理の対象機器毎に収集する情報収集手段と、前記印字制御装置毎に現在の電力状態ステータス、具体的には、通常状態か省電力状態かのそれぞれで、前記情報収集手段中の前記フラグ情報に基づき対象機器の選択条件を切り替える対象機器選択手段、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、省電力型イーサネット(Energy Efficient Ethernet(登録商標)、以降EEEと記載)に対応したレーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等の印字制御装置における、待機中の消費電力を低減するための省電力モード制御手段に関する。
従来、省電力モードをもつレーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等の印字制御装置を、コンピュータネットワークに複数接続する環境で、クライアントPCから依頼されるジョブを処理する場合に、サーバ経由で分散処理管理する印刷制御が用いられる事がある。
前記印刷制御では、クライアントPCがプリントリクエストを発行すると、前記分散管理サーバ内のダイナミックジョブスケジューラが、前記印字制御装置の機器情報及び動作状況を取得・参照する。
そして、前記ダイナミックジョブスケジューラが、分散処理の対象機器を選択して、選択結果をクライアントPCのタスクマネージャに返送する(特許文献1参照)。
従来例では、コンピュータネットワークに接続される印字制御装置それぞれについて、省電力モード及び省電力モードへの移行が考慮されるので、分散処理を行う際に、最適に対象機器を選択でき、最大限の省エネルギー効果が得られる。
一方、近年、EEEと呼ばれる省電力型イーサネットの規格に基づく印字制御装置も一般的となり、従来の省電力モード時の消費電力値に、前記EEEによるネットワーク省電力効果が加味されて、更なる消費電力値の低減が実現されるようになった。
なお、EEEとは、ネットワークのトラフィックが少ないときにイーサネット(登録商標)機器の消費電力を減らすものであり、具体的には、データが流れなくなるとデータリンク層の機能の一部を停止する、LPI(Low Power Idle)という手法を採用している。
また、EEE機能を有効にするためには、印字制御装置と前記印字制御装置に接続される対抗機(HUB)の双方の機器がEEE規格に対応しなければならないという制約がある。
よって、いずれかが前記EEE規格に対応していないと、ネットワーク省電力効果を加味した最大限の消費電力値の低減が得られなかった。
特開2006−343955号公報
しかしながら、従来例では、サーバ側で、分散処理の対象機器を選択する際に、EEE機能を有効にする事で得られるネットワーク省電力効果分を考慮して、印字制御装置の機器情報及び動作状況を取得・参照する事ができないという課題があった。
また、サーバ側で、分散処理の対象機器を選択する際に、印字制御装置とHIBの組み合わせで、EEEをサポートしている場合とサポートしていない場合が、コンピュータネットワーク環境中で混在すると、機器選択が適切に行われないという課題もあった。
したがって、本発明の目的は、印字制御装置とHUBの組み合わせでEEEをサポートしている場合とサポートしていない場合が、コンピュータネットワーク環境中で混在しても、EEE機能を有効にする事で得られるネットワーク省電力効果を加味して、サーバ側が、分散処理の対象機器を適切に選択できるような、省電力モード制御手段を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、印字制御装置とHUB間のオートネゴシエーション結果に基づき、EEEをサポートしているか否かを示すフラグを印字制御装置内に保存する保存手段と、サーバもしくはクライアントPC側で、前記フラグ情報を分散処理の対象機器毎に収集する情報収集手段と、前記印字制御装置毎に現在の電力状態ステータス、具体的には、通常状態か省電力状態かのそれぞれで、前記情報収集手段中の前記フラグ情報に基づき対象機器の選択条件を切り替える対象機器選択手段、を含む事を特徴とする。
本発明は、特徴的な保存手段、情報収集手段、対象機器選択手段により構成される。これより、印字制御装置とHUBの組み合わせでEEEをサポートしている場合とサポートしていない場合が、コンピュータネットワーク環境中で混在しても、EEE機能を有効にする事で得られるネットワーク省電力効果を加味して、サーバ側が、分散処理の対象機器を適切に選択できるという効果がある。
印字制御システム構成を示すブロック図 印字制御装置105〜110の構成図 クライアントPC100の構成図 分散処理構成を示すブロック図 印字制御装置105〜110の動作フローチャート 分散管理サーバ101の動作フローチャート 消費電力値の推移 分散処理の対象機器選択アルゴリズム 分散処理の対象機器選択を促す表示画面
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図2は本発明の印字制御装置の構成図である。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。例えば、本実施形態では、表示ユニットからの指示に応じて画像形成・画像入出力動作を行う複写機を想定しているが、プリント機能に特化したレーザープリンタやFAX機能に特化したファクシミリにも適用できる事は言うまでも無い。
図2において、201は、スキャナIP203やプリンタIP206に接続され、表示制御部209からの指示に応じて、スキャナ部202やプリンタ部207をアクセス制御して画像形成動作を行ない、また、外部I/Fと通信を行なう、コア部である。コア部201は、本印字制御装置全体を統括的に制御する。
なお、スキャナIP/プリンタIPのIPとは、IPコアの事であり、制御回路をLSI等で構成する際に機能単位でまとめられる部分的なハードウェア回路のことである。
コア部201の内部にはROMが含まれ、OSを起動するためのBootプログラムや、装置全体を統括的に制御するためのSystem用Bootableプログラムが格納される。また、スキャン機能/プリント機能/FAX機能/ファイル送信(SEND)の各機能を実現するための制御手順を記憶したBootableプログラムが格納される。また、外部の情報機器との間の通信制御手順を記憶したNIC用Bootableプログラム、ラスターデータ生成手順を記憶したPDL用Bootableプログラム等も含まれる。高機能CPUと機能ブロック単位でまとめられたハードウェア回路を同一パッケージで構成したLSIもコア部201に含まれる事は言うまでも無い。
202は、原稿画像を光電変換素子で読み取りA/D変換・シェーディング補正を行いRGBデジタル画像を生成するスキャナ部である。スキャナ部202の内部には、スキャン動作に関連する給紙・搬送・光学系の駆動や各種センサの制御、入出力画像データの補正・制御・転送等を行うためのプログラムが記憶されているROMが含まれる。
203は、スキャナ部202から出力されるRGBデジタル画像データにリーダー系の画像処理を施すための回路ブロックを含むスキャナIP部である。
204は、コア部201の主メモリとして機能し、且つ描画処理に係るワーク領域、印字出力情報の展開領域に使用される読み書き可能な記憶装置であるメモリ部である。
205は、画像蓄積用及び外部I//Fからのデータを送受信する際のバッファ領域として使用するためのボックス部である。
206は、コア部201から出力されるYMCKの各色成分信号にプリント系の画像処理を施し出力ビデオ信号を生成するための回路ブロックを含むプリンタIP部である。
207は、プリント動作開始に合わせて記録紙に出力ビデオ信号を現像・転写・定着するプリンタ部である。
プリンタ部207は、プリント動作に関連する給紙・搬送・光学系の駆動や各種センサの制御、画像形成用の高圧制御、レーザスキャナ・現像・定着の各ユニット制御、出力ビデオデータの制御、後述するフィニッシング機能の制御等を行う。また、前記制御のためのプログラムが記憶されているROMを含む。
208は、プリンタ部207から出力する記録紙に対して、ソート・ステープル等の後処理を加えるためのフィニッシャ部である。
209は、コア部201と通信を行い、キーが押されたことなどを検知したり、各種システム状態を示すステータスを表示するために、スイッチ及びLED表示器、LCDモジュールなどが配置されている表示制御部である。
210は、外部の情報機器からの印字情報を元にラスタパターンデータを生成するRIP部である。
211は、アナログ/デジタルの公衆回線に接続されて画像の送受信を可能とするFAX部である。FAX部211の内部には、公衆回線制御、送受信画像データの制御・転送、転送設定の制御等を行うためのプログラムが記憶されているROMが含まれる。
212は、USB I/Fを介して外部の情報機器との間の通信制御を行たり、印刷データの受信を行なうUSB−D部である。
213は、ネットワークI/Fを介して外部の情報機器との間の通信制御を行たり、各種アプリケーションの記録情報処理を行うNIC部である。
前記NIC用Bootableプログラムにより通信制御を行い、内部にEEE規格を実現するための物理層制御チップ(PHY)を含む。
NIC部213は、ネットワークI/F上の別の機器からデータパケットを受信し、そのデータパケットから特定のビットパターン検出した場合、コア部201へその旨を割り込みで通知する。なお、前記特定のビットパターンを検出したパケットには、マジックパケットや、分散処理の開始を示すパケットが含まれ、それらのビットパターンは内部に予め保持されている。なお、分散処理の開始を示すパケットのビットパターンは、予めクライアントPCおよび印字制御装置の間で設定されているものとする。
なお、本実施例では、この分散処理の開始を示す特定のビットパターンを有するパケットをグリッドパケットと呼ぶことにする。
214は、USBストレージユニット等の挿抜可能な記憶装置、撮像装置、課金制御や部門指定制御を可能とするカードリーダ、人感センサ/照度センサ等の各種センサに代表されるオプションを制御するための専用I/Fを内部にもつI/F部である。215は、I/F部214を介してコア部201との間で通信制御を行う、先述の各種オプションである。
216は、画像形成動作を行うためのプリントエンジンであり、内部に前述のプリンタ部207、フィニッシャ部208を含む。217は、本印字制御装置のシステム制御の中心となるコントロール部である。
図3は本発明のクライアントPCの構成図である。ホストコンピュータ301は、プリントデータおよび制御コードからなる印刷データを各印字制御装置に出力する。ホストコンピュータ301は、入力装置としてのキーボード302やマウス303、表示装置であるディスプレイモニタ304が接続された一つのコンピュータシステムとして構成されている。
なお、ホストコンピュータ301は、CPU、ROM、RAM、HDD、各種入出力制御部などのハードウェアの基で、Windows(登録商標)(R)などの基本ソフト(OS)がその制御を司る。前記基本ソフトにより、それぞれのアプリケーションソフトウェアやサブシステムプロセスが機能モジュールとして動作する。
ホストコンピュータ301の機能部は、アプリケーションソフトウェア305、グラフィックサブシステム306、スプーラ307および印字制御装置と通信を行うNIC部308に区分される。
アプリケーションソフトウェア305は、例えばワープロや表計算などのOS上で動作する、一般的なドキュメントを作成するアプリケーションソフトウェアである。
グラフィックサブシステム306は、OSの機能の一部であるGraphics Device Interface(以後「GDI」と記す)309を内部に持つ。更に、GDI 309から動的にリンクされるデバイスドライバであるプリンタドライバ310、バンドスプーラ311および積算データ312により構成される。バンドスプーラ311及び積算データ312は、例えば、ともにRAMの所定領域に格納される。
プリンタドライバ310は、GDI 309からDevice Driver Interface(以降「DDI」と記す)313を介してコールされ、印字制御装置に応じた処理を描画オブジェクトごとに行う。
本実施例におけるホストコンピュータ301は、DDI関数に渡された情報を印字制御装置が高速に処理可能な印刷命令データ(PDL)形式に変換して直接スプーラ307に送出する。もしくは、生成した印刷命令データをバンド単位に分割してバンドスプーラ311に第一のバンドから順に一頁分保持し、頁の最後にまとめてスプーラ307に送出する。
スプーラ307は、OSが管理するスプールファイルシステムで、設定により一頁単位またはジョブ単位で印刷データをスプールファイル314(例えば、HDDに格納領域が割り当てられる)として格納する。そして、I/F 315および NIC部308を介してネットワーク通信路に接続された印字制御装置に送信する。
OSによって、上述した各部の名称や機能的な枠組みが若干異なる場合もあるが、これら名称や枠組みの相違は本実施例の効果には影響しない。例えば、本実施例でスプーラやスプールファイルと呼ぶモジュールは、別のOSにおいてはプリントキューと呼ばれるモジュールを用いて実現可能である。
図4は、印字制御システムにおける分散処理構成を示すブロック図である。印字制御システムは、クライアントPC 100と分散管理サーバ101と複数の印字制御装置401,402,403により構成される。
101は分散管理サーバであり、取得した印字制御装置毎の機器情報および動作状況により、分散処理の対象機器を選択するダイナミックジョブスケジューラ(DJS)404を含む。
分散管理サーバ101の構成は、前述したホストコンピュータ301の構成と基本的に同一である。処理能力・耐障害性・拡張性に優れた制御を実現するために、高機能化CPUを使用したり、ミラーリングで多重構造となっているHDDを使用したりする違いはあるが、前記構成が本実施例に影響を及ぼさない事は言うまでも無い。
なお、以下の説明では、タスクマネージャ(TM)405は、クライアントPC 100のCPUが実行する基本ソフト上に実装されたソフトウェアによって機能するものとする。また、ダイナミックジョブスケジューラ(DJS)404は、分散管理サーバ101のCPUが実行する基本ソフト上に実装されたソフトウェアによって機能するものとする。また、ブローカ406,408,410およびリソースマネージャ(RM)407,409,411は、各印字制御装置401,402,403のコア部201に含まれるCPUが実行する基本ソフト上に実装されたソフトウェアによって機能するものとする。
まず、クライアントPC 100がジョブを開始すると(本実施例のジョブとは、プリントジョブ)、ジョブを受信したTM 405は、ジョブリクエストをDJS 404に送る。TM 405は、DJS 404にリソース分析を依頼し、DJS 404からの分析結果(最適なブローカを示す通知を含む)に基づき、ジョブを各印字制御装置のブローカへ投入する(図4は印字制御装置2 402のブローカ408へジョブが投入された状態を示している。)。
なお、DJS 404は、定期的にブローカ406,408,410へ状況を問い合わせてリソース(印字制御装置の空き状況)の状況および印字制御システム全体の状況を常に把握し、最適なブローカを選択する。なお、DJS 404は、ジョブをハードウェアによって処理するのか、ソフトウェアによって処理するのかの判断も合わせて行う。
各印字制御装置のブローカ406,408,410は、同じ装置のRM 407,409,411からリソース状況などを吸い上げ、DJS 404に登録する。また、各ブローカ406,408,410は、TM 405からジョブを投入されると、最適なリソースを探し、そのリソースにRMを介してジョブを投入し、RMからのジョブ完了通知(および処理結果)をTM 405に通知する。また、各RM407,409,411は、リソースに異常があれば、その旨を同じ装置のブローカへ通知する。
なお、異常とは、他のクライアントPCからジョブを投入されて、TM 405から投入される/されたジョブを継続して処理することができない場合などに当たる。
図1は、本実施例の印字制御システムの構成を示すブロック図である。前記印字制御システムは、クライアントPC 100と分散管理サーバ101と複数の印字制御装置 105〜110がHUB 102〜104を介して、ネットワーク通信路上に相互に接続された構成を有する。
なお、図1には、計6台の印字制御装置を記載したが、印字制御装置及びHUBの台数については問わない。なお、各構成要素については、前述した通りなので、詳細は割愛する。
図5及び図6のフローチャートを用いて本発明の実施例の動作を説明する。本実施例は、ネットワーク環境に同種の印字制御装置が接続された場合の選択フローとなる。
図5記載の印字制御装置側の動作については、コア部201内のROMに格納されたプログラムデータをメモリ部204に展開して、コア部201で実行するソフトウェアの動作フローとなる。
図6記載の分散管理サーバ側の動作については、内部のCPUが実行する基本ソフト上に実装されたソフトウェアによる動作フローとなる。
まず、印字制御装置側は、通常状態・省電力状態のそれぞれについて、標準の電力値情報をあらかじめメモリ部に格納しておく(S101)。そして、ネットワークI/Fをアクティブにするために、対応している通信規格や通信モードの違いを自動判定し、最適な設定で通信を行うオートネゴシエーションを、対抗機であるHUBとの間で行う(S102)。その際に、対抗機含めてEEE規格をサポートしているか否かの省電力規格サポートフラグを用意して、EEE規格サポート時には前記フラグを‘ON’、EEE規格非サポート時には前記フラグを‘OFF’と定義する。もちろん、印字制御装置側は、EEE規格サポートしていても、HUB側でEEE規格非サポートの場合、前記フラグは‘OFF’となるし、逆の場合でも同様に前記フラグは‘OFF’となる事は言うまでも無い。
前記フラグ‘ON’の場合、通常状態・省電力状態関わらず、例えば1000Base通信規格でネゴシエーションした時に、前記LPI動作によりネットワーク省電力効果が得られる。よって、1000Base通信規格に固定したままで動作する。
一方、前記フラグ‘OFF’の場合、同様に1000Base通信規格でネゴシエーションした時に、省電力状態でLPI動作が働かない事で、印字制御装置の電力スペックを満足する事ができない。よって、省電力状態では、10Base通信規格に切り替えて前記スペックを満足するよう動作する。
なお、印字制御装置の省電力状態とは、プリント動作やスキャン動作、FAX動作、表示制御動作等が稼働していない時に、特定ブロックの電源供給もしくは動作クロック供給を局所的に停止するものである。印字制御装置中、スキャナ部202、プリントエンジン216、表示制御部209、及び各種オプション215等が前記特定ブロックに該当する。
前述のオートネゴシエーション結果により、各印字制御装置は、通常状態・省電力状態のそれぞれで、前記標準電力値情報を補正するか否かを前記フラグにより判定する(S103)。
前記フラグ‘ON’の場合(S103−ON)、前記LPI動作によるネットワーク省電力効果を加味して、前記標準電力値情報を補正する(S104)。前記フラグ‘OFF’の場合(S103−OFF)、前記標準電力値情報を補正しない。
前記により確定した電力値情報は、メモリ部204に再格納される。もちろん、前記電力値情報は機種毎に異なる値となる事は言うまでも無い。
分散管理サーバ101上で稼働するDJS 404からの要求で、印字制御装置は、前記補正電力値情報を含む機種情報を送信する(S105)。
分散管理サーバ101のDJS 404は、印字制御装置毎に取得した前記機器情報及び前記電力値情報を、登録済みのネットワーク接続機器全てについて集約し、通常状態・省電力状態それぞれの電力値テーブルを生成する(S201,S202,S203)。
クライアントPC 100がジョブを開始すると、TM 405は前記ジョブの処理時間を予測して、予測結果から分散処理するか否かを判定する。処理時間は、コマンド数やコマンド種類に応じ、所定の計算式で計算したデータサイズを積算した前記積算データ312から予測することができる。
次に、TM 405は、分散処理したほうが速いと判断すると、予め指定された機器にジョブから分割した処理を投入する。すなわち、グリッドパケットを前記指定された機器に発行する。なお、処理の分割方法は、バンド単位、頁単位などが可能である。勿論、複数の機器に分割した処理を分散投入してもよいし、ある機器ですべてを処理した方が速ければその機器にジョブを丸ごと投入してもよい。
その際に、DJS 404は、定期的にネットワークに接続された各印字制御装置のブローカに状況を問い合わせて、ネットワークに接続されているリソース(印字制御装置の空き情報等)状態を把握し、この把握した情報を内部に保持している。このため、DJS 404 が保持しているネットワーク上のリソース状態を元に、印字制御装置を選択して、ジョブを投入することが可能である(S204)。
本実施例で、DJS 404は、ネットワークに接続された印字制御装置毎の現在のステータス、具体的には通常状態なのか、省電力状態なのかを判定する事で、該当する前記電力値情報を取得する(S205,S206,S207,S208)。
ここで図1の場合、HUB1 102及びHUB3 104がEEE規格サポート、HUB2 103がEEE規格非サポートである。よって、印字制御装置1,2,5,6(105,106,109,110)の前記省電力規格サポートフラグは‘ON’、印字制御装置3,4(107,108)のそれは’OFF’となる。
よって、前述した通り、印字制御装置1,2,5,6は、補正した電力値情報を、印字制御装置3,4は標準電力値情報を、それぞれDJS 404に送信する。
図7に、通常状態及び省電力状態での、EEE対応機(印字制御装置1,2,5,6)とEEE非対応機(印字制御装置3,4)の消費電力値推移を示す。
通常モード時に、EEE規格をサポートする印字制御装置にジョブ処理させる場合と、EEE規格非サポートの印字制御装置にジョブ処理させる場合を比較する。
前者は、1000Base通信規格でEEE機能有効なので、印刷制御に係るパケット処理を行うためにLPI効果が一次的に停止するので、その分だけ消費電力をロスする。
一方、後者は、1000Base通信規格でEEE機能無効なので、LPI効果も無効となり、印刷制御に係るパケット処理を行う事で、ネットワークトラフィックが増えても消費電力が変化しない。
よって、本実施例におけるDJS 404は、通常状態にいる複数の対象機器において、前記省電力サポートフラグが‘OFF’の機器を’ON’の機器より優先して選択する事で、NW環境全体で見た時の省エネ効果を得るものである。
次に、省電力モード時に、EEE規格をサポートする印字制御装置にジョブ処理させる場合と、EEE規格非サポートの印字制御装置にジョブ処理させる場合を比較する。
前者は、通常モード時同様、1000Base通信規格でEEE機能有効なので、印刷制御に係るパケット処理を行うためにLPI効果が一時的に停止するので、その分だけ消費電力をロスする。
しかしながら、後者は、省電力状態時10Base通信規格で動作するために、印刷制御に係るパケット処理を行う際に、リンクダウンアップを経て1000Base規格で再接続して通常状態に復帰する仕様となる。前記、10Base通信規格から1000Base通信規格へのリンクスピード変更による消費電力ロスは、前者の消費電力ロスより大きい事が、実験結果より確認されている。
よって、本実施例におけるDJS 404は、省電力状態にいる複数の対象機器において、前記省電力サポートフラグが‘ON’の機器を’OFF’の機器より優先して選択する事で、NW環境全体で見た時の省エネ効果を得るものである。
また、EEE規格をサポートする印字制御装置が通常状態、EEE規格非サポートの印字制御装置が省電力状態の場合に、プリントジョブ処理させるケースがある。このケースでは、省電力状態にいる印字制御装置を通常状態に復帰させる際の、該当ブロックへの電源供給・動作クロック供給による消費電力ロスが大きい。
同様に、EEE規格をサポートする印字制御装置が省電力状態、EEE規格非サポートの印字制御装置が通常状態の場合に、プリントジョブ処理させるケースもある。このケースでも、省電力状態にいる印字制御装置を通常状態に復帰させる際の、該当ブロックへの電源供給・動作クロック供給による消費電力ロスが大きい。
よって、本実施例におけるDJS 404は、通常状態にいる印字制御装置を、省電力状態にいる印字制御装置より優先して選択する事で、NW環境全体で見た時の省エネ効果を得るものである。
前述の通り、本実施例におけるDJS 404は、ネットワーク接続機器全てについて、受信した電力値情報と、現在のステータスを、前記ルールに基づき解析して、分散処理の対象機器を適切に選択するものである。図8に、接続機器のステータス毎の、分散処理の対象機器選択アルゴリズムを示す。
そして、DJS 404は、TM 405の分散処理要求に対して、前記分析結果(最適なブローカを示す通知を含む)を応答する(S209)。
次に、TM 405は、分割した処理を投入した前記印字制御装置から返される処理結果(ここでは、レンダリングされ、ビットマップデータに変換された画像データ)を結合し、ジョブに指定された印字制御装置に画像を印刷させてジョブを終了する。勿論、一台の印字制御装置に丸ごとジョブを投入した場合は処理結果を結合する必要はない。
また、ジョブに指定された印字制御装置で処理した方が速い、分散処理した方が速くても予め指定された機器のリソースが他のジョブの処理中で処理の高速化が期待できない場合が考えられる。さらに、ジョブが比較的軽く指定された印字制御装置の処理速度で充分処理できる場合も考えられる。これらの場合には、ジョブに指定された印字制御装置に処理(レンダリングおよびビットマップデータへの変換)および画像の印刷を行わせ、ジョブを終了する。
以上説明したように、本実施例によれば、印字制御装置とHUBの組み合わせでEEEをサポートしている場合とサポートしていない場合が、コンピュータネットワーク環境中で混在しても、EEE機能を有効にする事で得られるネットワーク省電力効果を加味して、サーバ側が、分散処理の対象機器を適切に選択できるという効果がある。
なお、本実施例では、同種の印字制御装置が接続された場合の選択フローを記述した。しかし、複数種の印字制御装置が接続された場合でも、分散管理サーバ内で生成される電力値テーブルより、接続機器毎のステータスが判別できれば、固有電力値が比較可能となり、本実施例と同様の効果が得られる事は言うまでも無い。
また、本実施例は、クライアントPC 100がジョブリクエストを発行して、分散管理サーバ101のDJS 404が対象機器を選択、選択した結果をクライアントPC 100のTM 405に通知するものである。
しかし、プリンタドライバ310もしくは、アプリケーションソフトウェア305経由で、クライアントPC 100が、前記ネットワーク省電力効果を加味する別の実施例も考えられる。すなわち、分散管理サーバ101のDJS 404で実現した機能を、クライアントPC 100で実現するものである。
本実施例は、クライアントPC 100のディスプレイモニタ304に、図9のような表示画面を用意して、ネットワーク接続機器のステータス(通常状態もしくは省電力状態)とともに、ネットワーク省電力効果を表示する。これにより、ステータスが同レベルの接続機器に対する選択優先順位を、クライアントPC 100を使用するユーザが判別可能とするものである。
本実施例の選択優先順位を決定するルールは、ネットワーク接続機器全てについて、受信した電力値情報と、現在のステータスを基に解析するもので、基本的に、前述した分散処理の対象機器を選択するアルゴリズムと同一である。
以上説明したように、本実施例によれば、印字制御装置とHUBの組み合わせでEEEをサポートしている場合とサポートしていない場合が、コンピュータネットワーク環境中で混在しても、EEE機能を有効にする事で得られるネットワーク省電力効果を加味して、クライアントPC側が、ジョブ投入に最適な機器を適切に選択できるという効果がある。
100 クライアントPC、101 分散管理サーバ、102 HUB1、
103 HUB2、104 HUB3、105 印字制御装置1、
106 印字制御装置2、107 印字制御装置3、108 印字制御装置4、
109 印字制御装置5、110 印字制御装置6

Claims (3)

  1. 印字制御装置とHUB間のオートネゴシエーション結果に基づき、省電力型イーサネット(Energy Efficient Ethernet、以降EEEと記載)規格をサポートしているか否かを示すフラグを印字制御装置内に保存する保存手段と、サーバもしくはクライアントPC側で、前記フラグ情報を分散処理の対象機器毎に収集する情報収集手段と、前記印字制御装置毎に現在の電力状態ステータス、具体的には、通常状態か省電力状態かのそれぞれで、前記情報収集手段中の前記フラグ情報に基づき対象機器の選択条件を切り替える対象機器選択手段、を含むことを特徴とする省電力モード制御手段および制御方法。
  2. 前記対象機器選択手段は、通常状態にいる複数の対象機器において、前記情報収集手段中の前記フラグ情報が‘OFF’、EEE規格非サポートの機器を、前記フラグ情報が‘ON’、EEE規格サポートの機器より優先して選択することを特徴とする請求項1に記載の省電力モード制御手段および制御方法。
  3. 前記対象機器選択手段は、省電力状態にいる複数の対象機器において、前記情報収集手段中の前記フラグ情報が‘ON’、EEE規格サポートの機器を、前記フラグ情報が‘OFF’、EEE規格非サポートの機器より優先して選択することを特徴とする請求項1に記載の省電力モード制御手段および制御方法。
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