JP2012208925A - 印刷システム、印刷システムの電力制御方法及びプログラム - Google Patents

印刷システム、印刷システムの電力制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の描画処理装置の電力供給状態を動的に切り替えて節電効果を向上させる。
【解決手段】
描画処理が必要な印刷ジョブを複数同時に受け付ける情報処理装置と、情報処理装置からの指示に従い省電力モードを切り替え可能な複数の描画処理装置と、いずれかの描画処理装置で描画された画像情報を印刷する印刷装置とを含む印刷システムにおいて、受け付けた複数の印刷ジョブに対する一連の印刷処理を開始した後、受け付けた各印刷ジョブで必要なページ単位の描画処理を複数の描画処理装置のいずれかに割り当てる。そして、複数の描画処理装置のうち、割り当てた各ページの描画処理に供する描画処理装置と、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を動的に切り替えるための指示を対応する描画処理装置に行う(S417〜S427)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数のデータ処理装置を用いてPDLに含まれる描画命令やイメージを抽出し、当該抽出した描画命令から、ラスタイメージへと変換するRIP処理を行う印刷システム、印刷システムの電力制御方法及びプログラムに関する。
デジタル印刷機を利用した印刷システムでは、システムに入力されるPDLジョブデータに対して、RIPコントローラ(RIP:Raster Image Processor)でPDL解析を行い、PDLに含まれる描画命令やイメージを抽出する。さらに抽出した描画命令から、ラスタイメージへと変換するRIP処理を行う。その後、プリンタエンジンに対してラスタイメージを出力する。
写真印刷や出版印刷などの商業印刷に用いられる高速な印刷システムでは、生産性を確保するために、印刷機の定格印刷速度に合わせて、一定の速度で印刷データのRIP処理を行うことが重要である。そのために複数のRIPコントローラサーバを用いて、印刷ジョブや印刷ジョブの部分を単位として、分散RIP処理を行う技術が公開されている(特開2001−265556号公報)。
上記の分散RIP処理を行う印刷システムにおいて、省コストや省エネルギーの観点から、RIPサーバの消費電力の低減が求められている。商業印刷システムの分散RIP処理では、RIP処理のスループットを保つために、必要なRIPサーバを通電し、動作可能な状態に保つ必要がある。特に、多くのグラフィックスオブジェクトを有するページを含む印刷ジョブの処理は負荷が高いため、多数のRIPサーバを用いて分散処理を行う必要がある。その一方、省電力の観点からは、通電するRIPサーバの台数の削減が必要である。商業印刷システムにおける省電力技術には、このトレードオフの解消が求められる。
従来、複数サーバを用いたRIP処理の省電力に関して、以下の技術が提案されている。複数のプリンタを用いて印刷ジョブを投入する場合に、稼働中のプリンタに投入されている印刷ジョブが閾値を越えていない場合は、稼動中のプリンタ使って印刷ジョブを実行し、閾値以上ならば、節電中のプリンタに対して印刷ジョブを送信する(特開2001−33293号公報、特開2006−088590号公報)。今すぐに印刷物として得る必要がないジョブの印刷を、他のジョブの印刷と同じタイミングにまとめて行い、待機状態の時間を長くすることで、消費電力を少なくする(特開2004−074530号公報、特開2010−214697号公報)。印刷ジョブ毎に設定される制限時間内に処理を完了することが出来るサーバの中で、消費電力値が低いサーバに印刷ジョブを投入する(特開2004−046774号公報)
また、印刷ジョブをプレスキャンして、各ページのRIP処理に要する処理時間を事前に見積もる技術が存在する(特開2006−155308号公報)。
特開2001−265556号公報 特開2001−331293号公報 特開2006−088590号公報 特開2004−074530号公報 特開2010−214697号公報 特開2004−046774号公報 特開2006−155308号公報
前述の特開2001−331293号公報、特開2006−088590号公報、特開2004−074530号公報、特開2010−214697号公報で述べられている省電力技術は、いずれもオフィス内のプリンタの利用を想定しており、RIP処理のスループットについて考慮されていないため、商業印刷システムには適用することが出来ない。特開2004−046774号公報で述べられている省電力技術は、単純に印刷ジョブのページ数から、印刷ジョブ毎の処理時間を算出しており、ページ毎の処理負荷を考慮していない。
このように従来の印刷システムでは、複数のジョブの各ページをRIP処理手段を複数連係させてRIP処理する際に、各RIP処理手段に対して適正な電力制御が実行されておらず、無駄な電力を消費させてしまう課題があった。
本発明は、複数の描画処理装置のうち、各ページの描画処理に供する描画処理装置と、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を動的に切り替えることにより、節電効果を向上できる仕組みを提供することである。
上記目的を達成する本発明の印刷システムは以下に示す構成を備える。
描画処理が必要な印刷ジョブを複数同時に受け付ける情報処理装置と、前記情報処理装置からの指示に従い省電力モードを切り替え可能な複数の描画処理装置と、いずれかの描画処理装置で描画された画像情報を印刷する印刷装置とを含む印刷システムであって、前記情報処理装置は、受け付けた複数の印刷ジョブに対する一連の印刷処理を開始した後、受け付けた各印刷ジョブで必要なページ単位の描画処理を前記複数の描画処理装置のいずれかに割り当てる割り当て手段と、複数の描画処理装置のうち、前記割り当て手段が割り当てた各ページの描画処理に供する描画処理装置と、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を動的に切り替えるための指示を対応する描画処理装置に行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、各ページの描画処理に供する描画処理装置と、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を動的に切り替えることにより、節電効果を向上できる。
また、各ジョブの描画処理に伴う消費電力の変化状態を表示することにより、各ジョブの描画処理に伴う消費電力の変化状態を視覚的に確認できる。
本実施形態を示す印刷システムの構成を説明する図である。 図1に示した印刷システムの動作シーケンスを示す図である。 印刷システムのデータ処理方法を示すフローチャートである。 印刷システムのデータ処理方法を示すフローチャートである。 印刷システムのデータ処理方法を示すフローチャートである。 印刷システムの各RIPノードの電源状態を示す図である。 RIPノードの電源状態の遷移を示す図である。 印刷システムにおけるRIPノードの電源機構を示す図である。 印刷システムの電力消費状態画面を示す図である。 印刷システムの各RIPノードの電源状態を示す図である。 印刷システムの電力消費状態画面を示す図である。 印刷システムの電力オプション設定画面を示す図である。 印刷システムのRIPノードの構成を示すブロック図である。 印刷システムの構成を説明する図である。 印刷システムの各RIPノードの電源状態を示す図である。 印刷システムがモニタするスプール済みページ数態を示す図である。 印刷システムのジョブ割当ローテーションを説明する図である。 印刷システムにおけるリソース割当テーブルを示す図である。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
図1は、第1の実施形態を示す印刷システムの構成を説明する図である。本例は、RIPノード、プレスキャンノード、ヘッドノードをデータ処理装置で構成したシステム例である。ここで、データ処理装置は、CPU、ROM、RAM等の制御ボードと、入出力デバイス、表示装置、通信制御装置等を含んで構成されている。また、制御ボードには、節電制御モードを設定可能なBIOSを備えている。したがって、後述する各RIPノードは、ヘッドノード102の指示に従い個別的に節電制御を行うことが可能に構成されている。
なお、データ処理装置をサーバ装置として構成することも本発明の趣旨に沿うものである。以下、描画処理が必要な印刷ジョブを複数同時に受け付ける情報処理装置と、情報処理装置からの指示に従い省電力モードを切り替え可能な複数の描画処理装置とを含む印刷システムを例とする実施形態について説明する。なお、印刷機108は、いずれかの描画処理装置、具体的には、いずれかのRIPノードで描画された画像情報を印刷する印刷装置として機能する。
図1において、ストレージ101には、印刷ロット110、RIP処理の予測時間111、処理に必要なRIPノード数112、ジョブ毎に使用するRIPノード113、ページのRIP状態114の各種情報を格納する。
RIPノード104、105、106は、印刷ジョブのページのRIP処理を行う複数の計算ノードである。スプーラ107は、RIP済のデータをスプールするサーバである。ヘッドノード102は、RIPノード104、105、106にページを分配し、RIP処理を要求するノードであり、プレスキャンノード103はプレスキャン処理を行うノードである。印刷機108は、ローラ紙対応の印刷機である。フィニッシングデバイス109は、印刷の後工程を処理するシステムの一部である。なお、印刷機108は、UP3I(Universal printer pre− and post−processing interface)規格に対応した印刷ワークフロー処理を実行可能に構成されている。ここで、UP3I規格は、印刷後加工機のインライン接続のための規格である。
なお、情報処理装置としてのヘッドノード102は、受け付けた複数の印刷ジョブに対する一連の印刷処理を開始した後、受け付けた各印刷ジョブで必要なページ単位の描画処理を複数の描画処理装置(RIPノード104、105、106)のいずれかに割り当てる機能を備える。さらに、ヘッドノード102は、複数の描画処理装置のうち、割り当てた各ページの描画処理に供する描画処理装置と、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を動的に切り替えるための指示を対応する描画処理装置に行う機能を備える。より具体的な処理については、後述するフローチャートを参照して説明する。
また、情報処理装置としてのプレスキャンノード103は、受け付けた印刷ジョブの各ページの描画処理時間を予測する予測機能を備える。そして、プレスキャンノード103は、予測した各ページの描画処理時間に従い各ページを描画すべき描画処理装置を複数の描画処理装置の中から割り当てる処理を実行する。
図2は、図1に示した印刷システムの動作シーケンスを示す図である。
図2において、シーケンス番号1で、印刷ワークフローソフトウェアは印刷ロット110を指定して印刷システムに対して印刷要求を出す。
次に、シーケンス番号2で、システムはプレスキャンノード上で印刷ロット110中の全PDLジョブに対してプレスキャン処理を行う。システムはRIP処理時間算出手段を有し、プレスキャン処理の中でRIP処理時間を算出する。プレスキャン処理のフローチャートを図3に示す。
図3は、本実施形態を示す印刷システムのプレスキャン処理を示すフローチャートである。なお、各ステップはプレスキャンノード103のCPUがRAMにプログラムをロードして実行することで実現される。以下、説明上、制御主体をプレスキャンノード103として説明を行う。
まず、S301で、プレスキャンノード103は指示された印刷ロットをストレージ101から読み込む。そして、S302で、プレスキャンノード103は、各ジョブについてRIP処理に必要なRIPノード数を算出する処理を開始する。そして、S303で、プレスキャンノード103は、ページのRIP処理時間の予測値を算出する処理を開始する。そして、S304で、プレスキャンノード103は、算出したRIP処理時間は、RIP処理の予測時間111に記録する。なお、ページのRIP処理時間の見積もりには、既存のPDL処理負荷の算出手法を流用する。
次に、S305で、S303で開始したループを終了する。そして、S306で、プレスキャンノード103は、S304で求めた各ページの処理時間を用いて、対象ジョブを印刷機の処理速度以上でRIPするために必要なRIPノード数を算出して、ストレージ101内の処理に必要なRIPノード数112に記録する。そして、S307で、S302で開始したルールを終了する。
以下に、プレスキャンノード103がRIP処理時間の算出処理に用いる算出式を示す。なお、処理に余裕を持たせるために、下記の式に補正を行っても良い。
RIPノード数=ceil(ジョブ中の全ページの処理時間の和÷印刷速度)
ここで、ceil(x)はx以上の最小の整数(ceil( )は天井関数を示す)とする。
次にシステムは、図2のシーケンス番号3において、図4に示す印刷ロットの印刷処理を行う。
図4は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。なお、各ステップはヘッドノード102のCPUがRAMにプログラムをロードして実行することで実現される。ここで、ヘッドノード102は、いわゆるCPU、ROM、RAM等を備える制御ボード、通信制御部、表示装置、入力装置等を備えるコンピュータシステムで構築することが可能である。また、RIPノードについても同様のハードウエアを備えるデータ処理装置として構成されているものとする。以下、制御主体をヘッドノード102として説明を行う。
S401で、ヘッドノード102は、ストレージ101から印刷ロット110を読込み、S402で、処理に必要なRIPノード数112を用いて、RIP処理に用いるRIPノード群を決定して、ジョブ毎に使用するRIPノード113に記録する。なお、RIPノード群を決定するためのフローチャートを図5に示す。
次に、S403で、ヘッドノード102は、S402で決定した全RIPノード1〜Nの電源をONにする。このように、本実施形態においては、ヘッドノード102が受け付けた複数の印刷ジョブに対する一連の印刷処理を開始する前に、全てのRIPノードの電源供給をオフ状態からオン状態に遷移させる指示を行う制御を実行する。
そして、S404で、ヘッドノード102は、各ジョブについて印刷処理のループを開始し、対象ジョブで使用するRIPノードの集合をSCとする。
そして、S406で、ヘッドノード102は、各ページについての印刷処理を開始して、集合SCの中でキューに空きがあるRIPノードNeを選択する。そして、S408で、ヘッドノード102は、RIPノードNEに対して、ページのRIP要求を出す。そして、S409で、ヘッドノード102は、S406で開始した各ページのループを終了する。
そして、S410で、ヘッドノード102は、S404で、各ジョブについて開始したループを終了する。次に、S411で、ヘッドノード102は、全RIPノードのキューが空になるのを待つ。そして、S412で、ヘッドノード102は、全RIPノードを電源OFF状態にして、本処理を終了する。
S413で、各RIPノードNについてループ処理を開始する。そして、S414で、ヘッドノード102は、各RIPノードNが集合Scに含まれるか、もしくは各RIPノードNのキューが空でないかどうかを判断する。ここで、各RIPノードNが集合SCに含まれるか、もしくは各ノードNのキューが空でないとヘッドノード102が判断した場合は、S415で、ヘッドノード102は、S413で開始した各RIPノードNについてのループを終了する。
次に、S416へ進み、ヘッドノード102は、全ページがRIP要求済みであるかどうかを判断する。ここで、全ページがRIP要求済みでないと判断した場合は、S413へ戻り、全ページがRIP要求済みであると判断した場合は、処理をS410へ移す。
一方、S414で、各RIPノードNが集合Scに含まれるか、もしくは各ノードNのキューが空であるとヘッドノード102が判断した場合は、S417へ移る。
そして、S417で、ヘッドノード102は、RIPノードNの電源状態がON、スリープ、OFFのいずれの状態にあるかを判断する。本実施形態では、ヘッドノード102が以下の指示を描画処理装置に行う。具体的には、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を電源オン状態からスリープ状態、または電力供給状態を電源オン状態から電源オフ状態のいずれかの状態へ動的に切り替える指示を対応する描画処理装置に行う制御を実行する。
ここで、RIPノードNの電源状態がON状態であるとヘッドノード102が判断した場合は、S418で、以降のジョブでRIPノードNが使用されるかどうかを判断する。
ここで、以降のジョブでノードNが使用されないと判断した場合、S419で、ヘッドノード102は、RIPノードNの電源をオフ状態にする指示をRIPノードNに出し、S415へ進む。
一方、S418で、以降のジョブでRIPノードNが使用されるとヘッドノード102が判断した場合、S420で、ヘッドノード102は、後述する算出式に基づいて、RIPノードNが次に使用されるまでの時間Tnを算出する。
次に、S421で、ヘッドノード102は、RIPノードをスリープ状態にするのに必要な時間TSと、RIPノードを電源ON状態に復帰させるために必要な時間TRと、RIPノードをスリープ状態からON状態に遷移させる際のマージン時間TMを求める。そして、S422で、ヘッドノード102は、時間TNが時間TSと時間TRと時間TMとの加算時間よりも長いかどうかを判断する。ここで、時間Tnが時間TSと時間TRと時間TMとの加算時間よりも長くないと判断した場合は、S415へ進む。
一方、S422で、時間TNが時間TSと時間TRと時間TMとの加算時間よりも長いと判断した場合は、RIPノードNの電源をスリープ状態にする指示をRIPノードNに出して、処理をS415へ移す。
一方、S417で、RIPノードNの電源状態がスリープ状態であると判断した場合は、S424で、ヘッドノード102は、RIPノードNが次に使用されるまでの時間TNを算出する。そして、S425で、RIPノードを電源ON状態に復帰させるために必要な時間TRと、RIPノードをスリープ状態からON状態に制御にさせる際のマージン時間TMを求める。そして、S426で、ヘッドノード102は、時間TNが時間TMと時間TRとの加算時間よりも短いかどうかを判断する。ここで、時間TNが時間TMと時間TRとの加算時間よりも短くないと判断した場合は、S415へ進む。
一方、S426で、時間TNが時間TMと時間TRとの加算時間よりも短いと判断した場合は、S427で、RIPノードNの電源をON状態にする指示をRIPノードNに出して、処理をS415へ移す。
また、S417で、RIPノードNの電源状態がOFF状態であると判断した場合は、処理をS415へ移す。
図5は、本実施形態を示す印刷システムのデータ処理方法を説明するフローチャートである。本処理は、図4に示したS402のRIPノード決定処理の詳細手順に対応する。
なお、各ステップはヘッドノード102のCPUがRAMにプログラムを実行することで実現される。以下の説明では、ヘッドノード102を制御主体として説明を行う。ここで、ヘッドノード102は、いわゆるCPU、ROM、RAM等を備える制御ボード、通信制御部、表示装置、入力装置等を備えるコンピュータシステムで構築することが可能である。また、RIPノードについても同様のハードウエアを備えるデータ処理装置として構成されているものとする。以下、制御主体をヘッドノード102として説明を行う。
まず、S501で、ヘッドノード102は、各ジョブで使用するRIPノードを決定するための処理を開始する。
そして、S502で、ヘッドノード102は、ジョブで使用するRIPノード数iを決定し、S503で、1〜i番目のRIPノードをジョブで使用するRIPノードに設定する。次に、S504で、ヘッドノード102は、S501で開始したループの処理を終了する。
このように、本実施形態における印刷システムでは、印刷ジョブの境界で、RIPノードをスリープ状態から電源ON状態に遷移させる際に、遷移に一定時間(時間TM)を要する。
従って、S425では、事前にマージンを持って遷移を開始する必要がある(S425のTR、TM)が、マージンの間は実際にはRIPが行われず、余分な電力を消費する。このため図5に示すアルゴリズムは、状態遷移の回数を最小化するように動作する。なお、
各RIPノードの消費電力は同等とする。
また、上記S406〜S409は、RIPノードに各ページを分配する処理である。各RIPノード1〜Nは、ヘッドノード102からのRIP処理要求を保持するキューを有しており、ヘッドノード102からの問い合わせに応じて、キューの状態を通知する機能を持つ。S407では、この機能を利用して、各RIPノードのキューを監視し、S408において、キューに空きが出来たノードNeにRIP要求を出す。RIPノードはRIP処理要求をキューから取り出し、RIP処理実行機能を用いてRIP処理を実行すると共に、各ページのRIP処理の状態をヘッドノード102に通知する。ヘッドノード102はページのRIP状態114に記録する。
S413〜S416ではRIPノードの状態をポーリングし、各ジョブで使用しないRIPノードの電源をスリープ状態にする(S420〜S423)。さらに、次のジョブで使うRIPノードの電源をONにし(S424〜S427)、以後のジョブで使用しないRIPノードの電源をOFFにする(S419)。ポーリングの間隔はコンフィギュレーション可能である。
S420において、ヘッドノード120は、対象ノードが次に使用されるまでの時間TNは、処理中のジョブをi番目、対象ノードを次に使用するジョブをj番目とした場合、以下の式によって求められる。
Σn=i…j−1:(jobnのページで、未RIP状態のページの処理予測時間)
なお、上記式中のi,jの値は、ジョブ毎に使用するRIPノード113から求め、未RIP状態のページの処理予測時間は、RIP処理の予測時間111とページのRIP状態114から求める。
S404〜S410で、印刷ロット中の全ての印刷ジョブのページのRIP処理要求を出した後、ヘッドノードはS411で、RIPノードのキューが空になるのを待ち、812で全RIPノードを電源OFFの状態にする。
RIPノードへのページ分配と、電源制御の例を図6に示す。
図6は、本実施形態を示す印刷システムにおける各RIPノードの電源状態を示す図である。本例は、ジョブ1〜4の各ページが、順次右端のRIPノードに分配され、RIP処理が行われる例である。
図6において、RIP処理に使用しないRIPノードNの電源はスリープ状態になっている(縦線の部分)。またジョブ4では、以降使用しないRIPノードNの電源がOFF状態になっている(網掛け部分)。
各RIPノードは、WakeOnLAN機能を用いて電源を制御する電源制御機構を有しており、外部から電源制御要求を受けて、図7に示す状態遷移に従って、電源ON状態/スリープ状態/電源OFF状態の間を遷移する。なお、ACPI規格に従って、スリープ状態を複数設けても良い。
図8は、本実施形態を示す印刷システムにおけるRIPノードの電源機構を示す図である。図1に示したRIPノード104〜106も同様の構成を備え、ヘッドノード102からの指示に従い電力供給状態を電源オン状態、電源オフ状態、電源スリープ状態の3態様に変化させて節電制御を実行可能に構成されている。なお、各態様への遷移は、図7に示すACPI規格に従うものとする。
図8において、RIPノード601は有線LANでHub/ルータ602に接続されており、Ethernet(登録商標)カード603はPCIローカルバス604でマザーボード605に接続される。電源ユニット606はATX2.01に対応する。なお、マザーボード605には、BIOSを備えて電力制御モードを設定可能に構成されている。
また、本実施形態の印刷システムは消費電力表示機能を備え、プレスキャン後に、時刻毎の消費電力の予測値を算出する。
ヘッドノード102が備える表示装置に、例えば図9に示す電力消費状態画面を表示する。これにより、利用者は、各ジョブの電力消費の予測値を参照することが出来る。なお、印刷処理中に消費電力の現在値を表示する、或いは任意のタイミングで過去の履歴を表示/レポートしても良い。
つまり、ヘッドノード102は、割り当てられたRIPノードで特定される単位時間当たりの消費電力情報から各ジョブの描画処理に伴う消費電力量を算出する機能を備える。
そして、ヘッドノード102は、算出した各ジョブの描画処理に伴う消費電力量の変化状態と描画処理経過時間とを対応づけて表示する、図9に示すような画面を表示装置に表示する制御を実行する。
また、図1のシステム構成では、プレスキャン用のノードとヘッドノードを、別のノードとしているが、ヘッドノードを用いてプレスキャンを行う構成としてもよい。
第1実施形態では、印刷ロット110の印刷ジョブ順に従って印刷処理を行う場合について説明した。以下、印刷処理を実行する際に、使用するRIPノード数が多いジョブ順にRIP処理を行う、省電力オプションに関わる第2の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態を示す印刷システムにおける各RIPノードの電源状態を示す図である。本例は、ジョブ実行順序が使用するRIPノード数が多いジョブ順にRIP処理する例である。
本実施形態に示す印刷システムの印刷処理のアルゴリズムでは、以降のジョブで使用しないRIPノードの電源をOFFにするため、図10のように、使用しないRIPノードの電源が順次OFFになる。
これにより、印刷ロット中の以降の処理で電源ONあるいはスリープ状態にする必要がないため、省電力効果が最大化される。その結果、図11のように、消費電力量は図9と比べて減少する。なお、図9と、図10に示す状態図を両者をヘッドノード102が備える表示装置上に同時に表示して、削減した消費電力量を可視化しても良い。これにより、ユーザは、各ジョブの描画処理に伴う消費電力の変化状態を視覚的に確認できる。
なお、印刷ジョブの順番の入れ替えを後工程に通知するため、後工程のフィニッシング等において不都合は起こらない。また本実施形態ではジョブの入れ替えについて述べたが、省電力オプション設定手段を用いてジョブ内のページ順番の入れ替えを行っても良い。
具体的には、利用者は、図12に示すUI画面(オプション受付画面)を用いて、省電力の動作パラメータを設定することができるように構成されている。
省電力オプション設定手段は、設定ファイルもしくはAPI(Application Programming Interface)もしくは設定画面の形態をとる。
図12において、印刷ジョブの順序を自動で変更するオプション、元の印刷ロット中の印刷ジョブ順にRIP処理を行うオプション、印刷ジョブの順番を任意に変更するオプションの3通りのオプションが提供される。
本実施形態では、ヘッドノード102は、受け付けた各印刷ジョブに対する描画処理順序を変更するオプションを受け付ける機能を備える。この際、ヘッドノード102は、省電力効果のレベルに対応づけた第1のオプションOP1と、印刷ジョブを受け付けた順序に対応づけた第2のオプションOP2と、ユーザが設定する描画処理順序に対応づけた第3のオプションOP3のいずれかを受け付ける。
図12は、第1のオプションOP1、第2のオプションOP2、第3のオプションOP3を受け付けるためのオプション選択画面である。ユーザは、第1のオプションOP1、第2のオプションOP2、第3のオプションOP3に対応づけたラジオボタンを選択する
ことで、ヘッドノード102に対して描画処理順序のオプションを指示する。
第1、第2実施形態では、RIPノードを単位として、RIP処理と電源制御を行う場合について説明したが、CPU、CPUコア単位で、RIP処理と電源制御を行う構成についても本発明を適用可能である。以下、その実施形態について説明する。
図13は、本第3の実施形態を示す印刷システムのRIPノードの構成を示すブロック図である。
図13において、RIPノード1301は、CPU1302とCPU1303の2つのCPUを有し、CPU1302とCPU1303は、それぞれCPUコア1304〜1307、CPUコア1308〜1311を有する。RIPノード1301は、電源制御ユニット(PCU)1312、1313を介して、CPUコア単位で電源のON/OFFを制御する機能を持つ。これにより、ヘッドノード102からの指示に従い、PCU)1312、1313が複数のCPUコアのうち、割り当てた各ページの描画処理に供するCPUコアと、各ページの描画処理に供しないCPUコアとの電力供給状態を動的に切り替えるための指示を対応するCPUコアに行う制御が可能となる。
RIPノード1301内のCPU毎に、別のページを並列RIP処理することによって、稼働させるRIPノード数を減らして省電する。本実施形態における、図3に示したS306のRIPノード数の算出式を以下に示す。
RIPノード数=ceil(ページの処理時間の和÷印刷速度÷ノード中のCPU数)、ここで、ceil(x)はx以上の最小の整数(ceil( )は天井関数を示す)
また、本実施形態において、RIPノードは、1CPUの複数のCPUコアを使って、各ページのRIP処理を行う。
図14は、本実施形態を示す印刷システムの構成を説明する図である。
図14において、コア数とRIP処理効率の対応表1515に基づき、各ページのRIP処理時間が、上限値(ページ当たりの印刷時間×RIPノード数×CPU数)未満となるように、ヘッドノード1502が使用するCPUコア数を決定する。これをCPUコア数を決定するデフォルトのアルゴリズムとする。
例えばページ当たりの印刷時間が30msで、使用するRIPノード数とCPU数が共に2の場合、RIP処理時間の上限値は120msである。RIP処理の対象ページのRIP処理予測時間が180msの場合、対応表1515から、2コアを用いて該ページをRIP処理すれば、約95msでRIP処理することが出来る。
図15は、本実施形態を示す印刷システムにおける各RIPノードの電源状態を示す図である。本例は、複数の描画処理部を、マルチコアを備えるプロセッサシステムで構成した例である。
図15において、網掛け部、縦線の部分は、使用しないRIPノードをそれぞれ電源OFF、スリープ状態にする。図中の斜線部では、使用しないCPUコアの電源をOFFにする。
スプーラ1507は、スプールされたデータの容量と流量をモニタする、スプーラ監視機構を備えている。印刷処理は、図4に示すS413〜S416の繰り返し処理の中で、スプールされたデータの容量を、該スプーラ監視機構から定期的に取得し、データの容量が減少している場合は、各RIPノードにアラートを出す。
RIPノードは、基本的にはデフォルトのアルゴリズムに基づいて、RIP処理に使用するCPUコア数を決定するが、アラートを受け取った場合には、各ページのRIP処理に使用するCPUコアの数を増やす。
なお、スプーラ監視機構がモニタする、スプールされたデータの容量の例を、図16に示す。
図16において、時刻t1において、印刷処理はスプール済みのページ数が閾値pよりも小さくなったことを検知し、RIPノードにアラートを出す。アラートを受け取ったRIPノードは、CPU内の全てのCPUコアを用いてRIP処理を行う。時刻t2において、印刷処理はスプール済みのページ数が閾値pよりも大きくなったことを検知し、RIPノードにデフォルトのアルゴリズムでの動作を指示する。指示を受け取ったRIPノードは、再びデフォルトのアルゴリズムに基づいて、RIP処理に使用するCPUコアの数を決定する。なお印刷処理がアラートを出す条件として、データの容量ではなく、データの流量に基づく条件を用いても良い。
本第4の実施形態では、プレスキャン処理で算出したRIPノード数から、RIP処理に用いるCPUを決定する際に、割当をローテーションすることによって、各CPUを使用する機会を均等化する。
図17は、本実施形態を示す印刷システムのジョブ割当ローテーションを説明する図である。本例は、印刷ロット毎に、使用するCPUの割当をローテーションする例である。
図17において、印刷ロット1では、RIPノード1のCPU0から順に、優先的にRIP処理を割り当てるのに対して、印刷ロット2では、RIPノード1のCPU1から順に、RIP処理を割当てる。
このように順次、RIP処理に割り当てるハードウエアをローテーションすることで、特定のハードウエアの消耗度が突出するのを防ぐ。
本実施形態に示す印刷システムは、図18に示すリソース割当テーブルをストレージ101上に持ち、印刷ロット単位でリソース割当を記録する。
なお、ローテーションは、複数の印刷ロット毎、あるいは一定の稼働時間毎に行っても良い。またローテーションの単位を、CPUではなく、ノードやCPUコアにしても良い。また各CPUを使用する機会の指標として、RIP処理の実行時間あるいは実行回数、電源ONあるいはスリープあるいはOFFへの遷移回数を用いても良い。
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
101 ストレージ
105 ヘッドノード
104 RIPノード

Claims (10)

  1. 描画処理が必要な印刷ジョブを複数同時に受け付ける情報処理装置と、前記情報処理装置からの指示に従い省電力モードを切り替え可能な複数の描画処理装置と、いずれかの描画処理装置で描画された画像情報を印刷する印刷装置とを含む印刷システムであって、
    前記情報処理装置は、
    受け付けた複数の印刷ジョブに対する一連の印刷処理を開始した後、受け付けた各印刷ジョブで必要なページ単位の描画処理を前記複数の描画処理装置のいずれかに割り当てる割り当て手段と、
    複数の描画処理装置のうち、前記割り当て手段が割り当てた各ページの描画処理に供する描画処理装置と、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を動的に切り替えるための指示を対応する描画処理装置に行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする印刷システム。
  2. 前記情報処理装置は、
    さらに、受け付けた印刷ジョブの各ページの描画処理時間を予測する予測手段を備え、
    前記割り当て手段は、前記予測手段が予測した各ページの描画処理時間に従い各ページを描画すべき描画処理装置を前記複数の描画処理装置の中から割り当てることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
  3. 前記制御手段は、受け付けた複数の印刷ジョブに対する一連の印刷処理を開始する前に、全ての描画処理装置の電源供給をオフ状態からオン状態に遷移させる指示を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
  4. 前記制御手段は、各ページの描画処理に供しない描画処理装置の電力供給状態を電源オン状態からスリープ状態、または電力供給状態を電源オン状態から電源オフ状態のいずれかの状態へ動的に切り替える指示を対応する描画処理装置に行うことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
  5. 割り当てられた描画処理装置で特定される単位時間当たりの消費電力情報から各ジョブの描画処理に伴う消費電力量を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した各ジョブの描画処理に伴う消費電力量の変化状態と描画処理経過時間とを対応づけて表示する表示手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
  6. 受け付けた各印刷ジョブに対する描画処理順序を変更するオプションを受け付けるオプション受付手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
  7. 前記オプション受付手段は、省電力効果のレベルに対応づけた第1のオプションと、印刷ジョブを受け付けた順序に対応づけた第2のオプションと、ユーザが設定する描画処理順序に対応づけた第3のオプションのいずれかを受け付けるためのオプション受付画面を表示することを特徴とする請求項6記載の印刷システム。
  8. 前記複数の描画処理装置を、マルチコアを備えるプロセッサシステムで構成したことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
  9. 描画処理が必要な印刷ジョブを複数同時に受け付ける情報処理装置と、前記情報処理装置からの指示に従い省電力モードを切り替え可能な複数の描画処理装置と、いずれかの描画処理装置で描画された画像情報を印刷する印刷装置とを含む印刷システムにおける電力制御方法であって、
    前記情報処理装置において、
    受け付けた複数の印刷ジョブに対する一連の印刷処理を開始した後、受け付けた各印刷ジョブで必要なページ単位の描画処理を前記複数の描画処理装置のいずれかに割り当てることと、
    複数の描画処理装置のうち、前記割り当てた各ページの描画処理に供する描画処理装置と、各ページの描画処理に供しない描画処理装置との電力供給状態を動的に切り替えるための指示を対応する描画処理装置に行うように制御することを特徴とする電力制御方法。
  10. 請求項9項に記載の電力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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