JP2016020944A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
定着装置および画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016020944A JP2016020944A JP2014143866A JP2014143866A JP2016020944A JP 2016020944 A JP2016020944 A JP 2016020944A JP 2014143866 A JP2014143866 A JP 2014143866A JP 2014143866 A JP2014143866 A JP 2014143866A JP 2016020944 A JP2016020944 A JP 2016020944A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- roller
- fixing
- contact
- fixing device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】加圧ローラの温度上昇を抑制し、光沢段差の発生を防ぐ。
【解決手段】ヒータ8により加熱される加熱ローラ1と、芯金の外周に弾性層を有する定着ローラ2と、加熱ローラ1および定着ローラ2に張架される無端状の定着ベルト3と、定着ベルト3の外周側に配設される加圧ローラ4と、を有し、定着ベルト3を介した定着ローラ2と加圧ローラ4との圧接によって形成される定着ニップ部Nに、未定着トナー像を担持した用紙を通紙して加熱定着を行う定着装置20において、加圧ローラ4を、定着ローラ2に対して圧接および離間させる加圧機構12を有し、該加圧機構12による加圧ローラ4の圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を切り替え可能とする。
【選択図】図1
【解決手段】ヒータ8により加熱される加熱ローラ1と、芯金の外周に弾性層を有する定着ローラ2と、加熱ローラ1および定着ローラ2に張架される無端状の定着ベルト3と、定着ベルト3の外周側に配設される加圧ローラ4と、を有し、定着ベルト3を介した定着ローラ2と加圧ローラ4との圧接によって形成される定着ニップ部Nに、未定着トナー像を担持した用紙を通紙して加熱定着を行う定着装置20において、加圧ローラ4を、定着ローラ2に対して圧接および離間させる加圧機構12を有し、該加圧機構12による加圧ローラ4の圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を切り替え可能とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。さらに詳述すると、複写機、ファクシミリ、プリンタ、またはそれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に装着される定着装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ、またはそれらの複合機等の画像形成装置として、電子写真方式を利用した画像形成装置が種々考案されており公知技術となっている。その画像形成プロセスは、像担持体である感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により紙やOHPシート等の記録材(以下、用紙、記録紙、記録媒体ともいう)に転写して画像を担持させ、熱と圧力を用いる定着装置によって記録材上の未定着トナー像を定着する過程により成立している。
定着装置としては、様々な方式のものが提案されており、例えば、加圧ローラに対向配置される定着ローラと、定着ローラと熱源を有する加熱ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトとを備え、加圧ローラと定着ベルトとの圧接によって形成されたニップ部にて、定着ベルトを介して加熱ローラの熱を用紙に与えることで、未定着トナー像を用紙に加圧定着させるベルト定着方式が広く知られている。
ところで、用紙への両面印刷の際には、第一面(表面)へトナー定着後にシート反転機構にて用紙を反転させて再びトナー像転写ユニット前まで戻し、第二面(裏面)にトナー像を転写して定着させる構成が一般的である。
この時、用紙の第一面に定着されているトナーは、第二面の定着に伴い加圧ローラ表面に触れることになる。ここで、加圧ローラは用紙と用紙の紙間部分にて定着ベルトと直接接触し、その部分の表面温度が局所的に上昇するため、周方向で温度ムラが生じることとなる。また、近年の画像形成装置では、高速化要求に答えるべく低融点のトナーを用いる傾向があるため、加圧ローラの温度ムラ範囲とトナーの軟化点範囲が一致してしまい、加圧ローラの温度ムラピッチで光沢に差のあるいわゆる光沢段差と呼ばれる画像不良が発生するおそれがある。
このように、両面印刷時の第二面の印刷時などにおいて、加圧ローラの周方向での温度ムラに起因して、光沢段差が発生するおそれがあった。
これに対し、加圧ローラの温度上昇を適切に抑制することが望まれる。例えば、特許文献1には、加圧ローラを中空パイプ状の形状とするとともに、内部に空気を強制的に送り込んで、加圧ローラを冷却する構成が提案されている。
また、特許文献2には、加圧ローラ周辺に冷却ファンを配置し、加圧ローラを冷却する構成が提案されている。
しかしながら、加圧ローラを内部から冷却する特許文献1の構成では、加圧ローラの表面が冷却されるまで時間が掛かるため応答性が悪く、加圧ローラの表面温度を制御するのは困難であった。
また、加圧ローラを冷却ファンにて冷却する特許文献2の構成では、内部から冷却する構成よりは加圧ローラの表面温度を制御しやすいが、空冷では昨今の高速な画像形成装置に対して十分な冷却性が得られなかった。
このように加圧ローラの温度上昇を適切に抑制し、光沢段差の発生を防ぐことにについて課題が残されていた。
そこで本発明は、加圧ローラの温度上昇を抑制し、光沢段差の発生を防ぐことができる定着装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、熱源により加熱される加熱ローラと、芯金の外周に弾性層を有する定着ローラと、前記加熱ローラおよび前記定着ローラに張架される無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの外周側に配設される加圧ローラと、を有し、前記定着ベルトを介した前記定着ローラと前記加圧ローラとの圧接によって形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した用紙を通紙して加熱定着を行う定着装置において、前記加圧ローラを、前記定着ローラに対して圧接および離間させる加圧機構を有し、該加圧機構による前記加圧ローラの圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を切り替え可能としたものである。
本発明によれば、加圧ローラの温度上昇を抑制し、光沢段差の発生を防ぐことができる。
以下、本発明に係る構成を図1から図9に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
(定着装置の構成)
本実施形態に係る定着装置は、熱源(ヒータ8)により加熱される加熱ローラ(加熱ローラ1)と、芯金の外周に弾性層を有する定着ローラ(定着ローラ2)と、加熱ローラおよび定着ローラに張架される無端状の定着ベルト(定着ベルト3)と、定着ベルトの外周側に配設される加圧ローラ(加圧ローラ4)と、を有し、定着ベルトを介した定着ローラと加圧ローラとの圧接によって形成されるニップ部(定着ニップ部N)に、未定着トナー像を担持した用紙を通紙して加熱定着を行う定着装置(定着装置20)において、加圧ローラを、定着ローラに対して圧接および離間させる加圧機構(加圧機構12)を有し、該加圧機構による加圧ローラの圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を切り替え可能としたものである。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
本実施形態に係る定着装置は、熱源(ヒータ8)により加熱される加熱ローラ(加熱ローラ1)と、芯金の外周に弾性層を有する定着ローラ(定着ローラ2)と、加熱ローラおよび定着ローラに張架される無端状の定着ベルト(定着ベルト3)と、定着ベルトの外周側に配設される加圧ローラ(加圧ローラ4)と、を有し、定着ベルトを介した定着ローラと加圧ローラとの圧接によって形成されるニップ部(定着ニップ部N)に、未定着トナー像を担持した用紙を通紙して加熱定着を行う定着装置(定着装置20)において、加圧ローラを、定着ローラに対して圧接および離間させる加圧機構(加圧機構12)を有し、該加圧機構による加圧ローラの圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を切り替え可能としたものである。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
図1は、本発明に係る定着装置の一実施形態であるベルト定着方式の定着装置の構成を示しており、定着ローラ2の軸方向での概略側面図である。図1は、加圧機構12により加圧ローラ4が定着ローラ2に対し圧接状態に制御され、定着ニップ部Nが形成された通紙状態を示している。
定着装置20は、加熱ローラ1、定着ローラ2、加熱ローラ1および定着ローラ2に張架される定着ベルト3、定着ベルト3を介して定着ローラ2を押圧して定着ローラ2との間に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ4等を備えている。
定着装置20は、定着ローラ2と加圧ローラ4との圧接によって形成される定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した用紙を通紙して加熱定着を行うものである。なお、加熱ローラ1、定着ローラ2及び加圧ローラ4は、定着装置20の不図示の筐体の長手方向に回転可能に軸支され、図示しないローラの駆動手段等は、筐体に固定保持されている。
加熱ローラ1は、例えば、芯金部と、テフロン(登録商標)等の表面離型層と、からなり、芯金部の内部には熱源としてのヒータ8が固設されている。ヒータ8としては、例えば、ハロゲンヒータやカーボンヒータ等を用いることができる。また、ヒータ8の両端部は、定着装置20の筺体に固定されている。また、ヒータ8は、加熱ローラ1を外部から加熱する誘導加熱手段であっても良い。
ヒータ8は、電源部により出力制御され、このヒータ8からの輻射熱によって加熱ローラ1が加熱される。さらに加熱ローラ1によって加熱された定着ベルト3の表面から用紙上の未定着トナー像に熱が加えられる。ヒータ8の出力制御は、定着ベルト3の表面に対向する位置に設けられるサーモパイル等の温度検出手段9による定着ベルト3の表面温度の検知結果に基づいてなされる。
定着ベルト3は、定着ローラ2と加熱ローラ1の周囲に掛けまわされ、加熱ローラ1および定着ローラ2に密着している。このように構成した定着ベルト3に、定着ローラ2に対応する箇所に加圧ローラ4を押し当てることで、定着ニップ部Nが構成される。
定着ベルト3は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂からなる基材上に、シリコーンゴムなどの弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。
定着ベルト3の基材は、例えば、層厚90μmのポリイミドであって、弾性層は、層厚が200μm程度であって、シリコーンゴム、フッ素ゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成される。定着ベルト3の離型層は、層厚が20μm程度であって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等で形成される。定着ベルト3の表層に離型層を設けることにより、トナーに対する離型性(剥離性)が確保されることになる。
定着ローラ2は、熱源を有しておらず、金属(鉄やアルミ)などの剛性の高い芯金を、数十mm厚のシリコーンゴムなど、厚い弾性層で覆ったものである。
加圧ローラ4は、SUS304等の芯金上に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性層が形成され、表面層にPFAチューブを被覆したローラ部材である。
定着ローラ2と加圧ローラ4とは、対向して配置されるゴムローラであり、加圧ローラ4が定着ベルト3を介して定着ローラ2の中心方向に加圧されることにより、加圧ローラ4と定着ベルト3との間で定着ニップ部Nが形成される。
定着ローラ2の弾性層は、加圧ローラ4の弾性層よりも十分に厚く、かつ硬度も柔らかく構成されることが好ましい。加圧ローラ4を定着ローラ2に食い込ませることで用紙を定着ベルト3から剥離し易い構成となっている。
加圧ローラ4は、加圧機構12によって、定着ベルト3を介して定着ローラ2に対し、離間した脱圧状態と、圧接させる圧接状態とが切り替え可能に配置されている。加圧機構12は、加圧ローラ4の芯金に当接する加圧アーム6と、該加圧アーム6に当接する加圧カム7と、を有している。また、モータなどの駆動手段11によって加圧カム7を回転させることで、加圧カム7に当接する加圧アーム6を変位させて、これに伴い加圧ローラ4を変位させることで、加圧ローラ4の脱圧/圧接状態を切り替えることができる。なお、加圧機構12の構成は一例であって、加圧ローラ4が定着ローラ2に対して、脱圧/圧接が可能なものであればよい。
図1に示すように、加圧ローラ4が圧接した状態である場合、加圧ローラ4と定着ローラ2との間には、定着ニップ部Nが形成されている。用紙搬送方向における定着ニップ部Nの上流側には、用紙を定着ニップ部Nへと案内する定着入口ガイド板5が配置されている。転写ユニットから送り出された用紙は、定着装置20外の中継搬送ユニット111によって定着入口ガイド板5に案内され、定着入口ガイド板5の搬送面を沿いながら定着ニップ部Nへ案内される。
また、用紙搬送方向における定着ニップ部Nの下流側の定着ベルト3外周には分離板10が配置されている。定着ニップ部Nを通過した用紙は分離板10により定着ベルト3から剥離され、定着装置20外の排紙装置へと送り出される。
また、図示しない駆動手段は、定着ローラ2を時計回り方向に回転駆動させる。駆動ローラとしての定着ローラ2の回転により、定着ローラ2に圧接する加圧ローラ4および定着ベルト3が同速で連れ回り回転する。なお、駆動ローラは、定着ローラ2に限られるものではない。
また、図2は、図1に示す定着装置20であって、加圧機構12により加圧ローラ4が定着ローラ2から離間した脱圧状態に制御された非通紙状態の定着装置20を示している。例えば、待機時や電源オン後の立ち上げ状態において、通紙を必要としない時に図2に示す状態となる。
以上説明した定着装置20の構成は、一例であって、目的、用途等によって種々の材質等の組み合わせ構成があることは勿論である。
(圧接所要時間の可変制御)
ここで、本願発明者らは、加圧ローラ温度の上昇は、圧接開始から用紙が定着ニップ部Nに進入するまで間において、加圧ローラ4が定着ベルト3に直接触れている時間の寄与が大きいこと、具体的には、加圧ローラ4の圧接開始から用紙が定着ニップ部Nに進入してくるまでの時間が長い場合、定着ベルト3と加圧ローラ4との接触時間が長くなるため加圧ローラ温度が高くなることに着目し、本発明を成すに至った。
ここで、本願発明者らは、加圧ローラ温度の上昇は、圧接開始から用紙が定着ニップ部Nに進入するまで間において、加圧ローラ4が定着ベルト3に直接触れている時間の寄与が大きいこと、具体的には、加圧ローラ4の圧接開始から用紙が定着ニップ部Nに進入してくるまでの時間が長い場合、定着ベルト3と加圧ローラ4との接触時間が長くなるため加圧ローラ温度が高くなることに着目し、本発明を成すに至った。
そこで、本実施形態に係る定着装置20は、加圧機構12の動作により図1に示す圧接状態と図2に示す脱圧状態とを切り替えることが可能となっているとともに、加圧ローラ4の圧接開始から圧接完了までに要する時間(圧接所要時間という)を切り替え可能とすることで、加圧ローラ4の温度上昇を抑制することを可能としたものである。
圧接所要時間の変更の一例について説明する。加圧機構12が加圧アーム6および加圧カム7から構成される場合において、例えば、加圧カム7のリフト量が最大となる位置(回転角度)を圧接位置、加圧カム7のリフト量が最小となる位置(回転角度)を脱圧位置であるとする。
この場合、圧接所要時間を複数の時間とするためには、例えば、駆動手段11に用いるモータの回転速度を可変とすることで、加圧カム7の脱圧位置から圧接位置までの回転速度を可変させて、加圧ローラ4の圧接開始(加圧カム7が脱圧位置)から圧接完了(加圧カム7が圧接位置)までの圧接所要時間を複数の異なる時間から選択可能とすることができる。なお、圧接所要時間は、例えば、0.5秒から4秒の間で任意に選択可能とすることが好ましい。
また、圧接所要時間の変更の他の例について図3と図4を参照して説明する。図3は脱圧状態の定着装置20、図4は圧接状態の定着装置20を示しており、また、加圧カム7の脱圧位置と圧接位置の説明図を併せて示す図である。この例では、加圧カム7の圧接位置は脱圧位置(0°)から時計回り方向に240°回転した位置に配されている。
この場合、圧接所要時間を複数の時間とするために、例えば、通常の圧接時は加圧カム7の回転方向を時計回りで240°回転させて圧接位置とし、必要に応じて同速で圧接時の加圧カム7の回転方向を反時計回りで120°回転させて圧接位置とすることで、通常の圧接時の半分の所要時間にて圧接を完了することができる。このように、脱圧位置から圧接位置に達するまでの回転角度を回転方向によって異なる形状とすることで、駆動手段11が単一の回転速度しか持たない場合においても、回転方向を変えることで、加圧ローラ4の圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を複数の時間とすることができる。
また、駆動手段11の回転速度および回転方向の双方を変化させることや、加圧カム7の形状によって、加圧ローラ4の圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間をさらに多くの時間に切り替えることが可能となる。なお、加圧カム7の圧接位置と脱圧位置の位置関係は目的、用途等によって種々の構成があることは勿論である。
また、加圧ローラ温度は、通紙モード(両面印刷/片面印刷、連続印刷/間欠印刷など)、用紙サイズ、用紙坪量等の各種の条件によって変化し、これらの条件のどれか一つ、又はこれらの条件の組み合わせ方次第で、加圧ローラ温度が高くなり、光沢段差が目立つようになる。そこで、加圧機構12は通紙モードや、通紙する用紙の紙種、紙厚に応じて、圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を切り替えることが好ましい。すなわち、加圧ローラ温度が高くなる場合に、圧接所要時間が短くなるようにするものである。
光沢段差が目立つ条件としては、例えば、以下のようなものがある。例えば、両面印刷時は、表裏の反転時間分、用紙間隔が長くなるため、定着ベルト3と加圧ローラ4の接触時間が長くなり、加圧ローラ温度が高くなる。
また、例えば、用紙の坪量が大きい場合、すなわち、用紙が厚い場合は、用紙が奪う熱量が大きくなるため、加圧ローラ4の用紙接触部と紙間での定着ベルト3との接触部の温度差が大きくなり光沢段差が目立ってしまう。
図5および図6を参照して、薄紙と厚紙の場合の圧接所要時間の切り替えについて説明する。図5および図6は印刷動作中の定着ベルト温度と加圧ローラ温度のプロファイルを示したものであり、図5は薄紙印刷時、図6は厚紙印刷時のプロファイルを示している。
図6に示すように、厚紙印刷時は定着ベルト温度設定値が薄紙印刷時よりも高いため、加圧ローラ4の用紙接触部と紙間の用紙非接触部の温度差が大きく、紙間の用紙非接触部の温度はトナーの軟化温度を超えているため、通常の圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間(図6の圧接所要時間大)とすると、光沢段差が発生するおそれがある。
そこで、厚紙印刷時は、圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を短くする(図6の圧接所要時間小)ことで加圧ローラ温度の上昇を抑制することができる。一方、図5に示すように、薄紙印刷時は、光沢段差は発生しないため、通常の所要時間のままでよい。
なお、圧接までの所要時間を短くするモードは、ギヤのバックラッシによるギヤ同士の衝撃など加圧機構駆動系へ影響を与え、機械寿命が低下するおそれがあるため、必要最小限に抑えることが望ましい。
用紙サイズ、用紙坪量等の用紙に関する用紙情報は、画像形成装置が有するオペレーションパネルなどの用紙情報入力手段114から入力される。図7および図8は、定着装置20が用紙情報入力手段114に接続されている例を示す構成図であって、図7は、定着装置20が圧接状態、図8は定着装置20が脱圧状態である場合を示している。
図7および図8に示す定着装置20は、駆動手段11が該駆動手段11の駆動を制御する駆動制御手段13に接続されているとともに、駆動制御手段13には用紙情報入力手段114において入力された用紙情報が入力される。駆動制御手段13は、用紙情報入力手段114において入力された用紙情報に基づいて最適な圧接所要時間を選択する判断をし、駆動手段11を制御する制御手段として機能する。
また、印刷動作中において、画質調整処理(プロセスコントロール)等の何らかの理由で定着ローラ2と加圧ローラ4が圧接状態のまま用紙が定着ニップ部Nに進入してこない場合がある。この場合も、加圧ローラ4の温度が上がってしまうため、図示しない搬送センサなどにより、用紙の不進入時間をカウントし、不進入時間が所定の閾値を超える場合には、脱圧状態にすることで加圧ローラ温度の上昇を抑えることが好ましい。
また、印刷条件によっては、印刷中でも加圧ローラ温度が上昇してしまう場合があるため、加圧ローラ4の温度を検知し、印刷動作(定着動作)中に加圧ローラ4の温度が所定の温度以上となる時、印刷(定着動作)を一時停止して加圧ローラ4を脱圧状態にすることで、加圧ローラ温度上昇を抑えることも好ましい。
以上説明した本実施形態に係る定着装置によれば、必要に応じて通紙の際に圧接開始から圧接完了までの時間を短くすることで、簡易に、加圧ローラの温度上昇を抑制することができ、これにより、光沢段差の発生を抑制することができる。
例えば、用紙情報に基づいて、圧接所要時間の変更の要否を判断し、圧接所要時間の変更が必要な通紙条件の場合に、通紙の際に圧接所要時間を短くすることで加圧ローラの温度上昇を抑制し、光沢段差の発生を防ぐことができる。一方、光沢段差の発生しにくい条件下では、通常の圧接時間とすることで加圧機構駆動系の影響を必要最小限に抑え、機械寿命を延命することができる。
(画像形成装置)
図9は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるタンデム型中間転写方式のカラー複写機の全体構成を説明する概略構成図である。図9を参照して、この画像形成装置の内部構成の概要及び動作について説明する。
図9は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるタンデム型中間転写方式のカラー複写機の全体構成を説明する概略構成図である。図9を参照して、この画像形成装置の内部構成の概要及び動作について説明する。
図9に示すように、画像形成装置100は、装置本体101と、装置本体101の上部に配置された画像読取装置であるスキャナ102と、該スキャナ102のさらに上部に配置された自動原稿給送装置(ADF)103とを有している。
装置本体101の下部には、複数の給紙カセット104a,104b,104c,104dを備えた給紙部104が配置されている。
装置本体101のほぼ中央部には、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト105が配置されている。中間転写ベルト105は、複数の支持ローラ106,107,108等に掛け渡されて支持されており、図示しない駆動源により図中時計回り方向に回転駆動される。
支持ローラ108の近傍には、2次転写後に中間転写ベルト105上に残留する残留トナー等を除去する中間転写体ベルトクリーニング装置109が設けられている。
支持ローラ106と支持ローラ107との間に張り渡された中間転写ベルト105上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成手段としてのプロセスカートリッジ29Y,29M,29C,29Kがこの順に並設・配置され、タンデム画像形成部30が構成されている。但し、これら4つの色順は一例であり、これに限定されるものではない。
プロセスカートリッジ29Y,29M,29C,29Kには、像担持体としてのドラム状の感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kが配置されている。以下、プロセスカートリッジ29Y,29M,29C,29Kの構成は、露光される画像データ色に対応した現像剤中のトナー色が異なるのみで他の構成は同様のため、色を表す添え字符号を削除した符号で総括的に説明する。
プロセスカートリッジ29における感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム表面に像担持体保護剤を供給する保護層形成装置22、感光体ドラム表面を均一に帯電させる帯電装置23、後述する露光装置としての潜像形成装置28からの露光を受け入れる部位、感光体ドラム表面の潜像形成部分にトナーを供給してトナー可視像化する現像装置25、感光体ドラム表面のトナー画像を中間転写ベルト105に1次転写する転写装置26および転写後の感光体ドラム表面の残留トナー等をクリーニングするクリーニング装置24が配置されている。
タンデム画像形成部30の上方には、露光装置としての潜像形成装置28が配置されている。中間転写ベルト105を挟んで支持ローラ108と反対の側には、転写装置としての2次転写ローラ110が配置されている。該2次転写ローラ110により、中間転写ベルト105上のトナー画像が、給紙部104から給送されるシート状記録媒体の一例としての用紙に転写される。
2次転写ローラ110の左側には、用紙上に転写された転写画像を定着する本実施形態の定着装置20が配置されている。定着装置20は、無端ベルト状の定着ベルト3に加圧部材としての加圧ローラ4を押し当てる構成を備えている。
定着装置20の下方には、上述したタンデム画像形成部30とほぼ平行に、用紙の両面に画像を形成する場合に用紙を反転するシート反転装置112が配置されている。
画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行うが、色を表す符号を省略して簡明に述べる。有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される感光体ドラム21は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電装置23の帯電ローラで均一にマイナスに帯電される。
帯電装置23による感光体ドラム21の帯電が行われる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電装置23に、感光体ドラム21を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された感光体ドラム21は、レーザ光学系等の潜像形成装置28によって照射されるレーザ光で潜像形成が行われる。レーザ光は半導体レーザから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴンミラー)等により感光体ドラム21の表面を、感光体ドラム21の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置25にある現像剤担持体である現像スリーブ(現像ローラ)上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子およびキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、感光体ドラム21の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
各色に対応した感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、図示しない転写装置を構成する転写装置26にて中間転写ベルト105上に転写され、給紙部104から給送され、あるいは手差しトレイ113から給送された紙などの記録材上に、2次転写ローラ110により重ね合わされたトナー像(カラー画像)が一括転写される。その後、中間転写ベルト105は、感光体ドラム21から分離され、転写像が得られる。
感光体ドラム21上に残存するトナー粒子は、クリーニング装置24内のクリーニングブレード等によって回収される。画像転写後の未定着のトナー像を担持した用紙は、中継搬送ユニット111によって定着装置20へと搬送され、定着ローラ2に巻き掛けられた定着ベルト3と加圧ローラ4とのニップ部で熱と圧力を加えられて転写画像を定着される。定着された用紙は、排紙ローラ対115により排紙トレイ116上に排出・スタックされる。
あるいは、図示しない切換爪で搬送路を切り換えられてシート反転装置112に搬送され、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を形成された後に、排紙ローラ対115により排紙トレイ116上に排出・スタックされる。画像転写後の中間転写ベルト105は、中間転写体ベルトクリーニング装置109により残留トナー等を除去され、タンデム画像形成部30による再度の画像形成に備える。
定着装置として本実施形態に係る定着装置20を適用することで、光沢段差の発生を抑制できる画像成形装置とすることができる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1 加熱ローラ
2 定着ローラ
3 定着ベルト
4 加圧ローラ
5 定着入口ガイド板
6 加圧アーム
7 加圧カム
8 ヒータ
9 温度検出手段
10 分離板
11 駆動手段
12 加圧機構
13 駆動制御手段
20 定着装置
21Y,21M,21C,21K 感光体ドラム
22 保護層形成装置
23 帯電装置
24 クリーニング装置
25 現像装置
26Y,26M,26C,26K 転写装置
28 潜像形成装置
29Y,29M,29C,29K プロセスカートリッジ
30 タンデム画像形成部
100 画像形成装置
101 装置本体
102 スキャナ
103 自動原稿給送装置(ADF)
104 給紙部
104a,104b,104c,104d 給紙カセット
105 中間転写ベルト
106,107,108 支持ローラ
109 中間転写体クリーニング装置
110 2次転写ローラ
111 中継搬送ユニット
112 シート反転装置
113 手差しトレイ
114 用紙情報入力手段
115 排紙ローラ対
116 排紙トレイ
N 定着ニップ部
2 定着ローラ
3 定着ベルト
4 加圧ローラ
5 定着入口ガイド板
6 加圧アーム
7 加圧カム
8 ヒータ
9 温度検出手段
10 分離板
11 駆動手段
12 加圧機構
13 駆動制御手段
20 定着装置
21Y,21M,21C,21K 感光体ドラム
22 保護層形成装置
23 帯電装置
24 クリーニング装置
25 現像装置
26Y,26M,26C,26K 転写装置
28 潜像形成装置
29Y,29M,29C,29K プロセスカートリッジ
30 タンデム画像形成部
100 画像形成装置
101 装置本体
102 スキャナ
103 自動原稿給送装置(ADF)
104 給紙部
104a,104b,104c,104d 給紙カセット
105 中間転写ベルト
106,107,108 支持ローラ
109 中間転写体クリーニング装置
110 2次転写ローラ
111 中継搬送ユニット
112 シート反転装置
113 手差しトレイ
114 用紙情報入力手段
115 排紙ローラ対
116 排紙トレイ
N 定着ニップ部
Claims (9)
- 熱源により加熱される加熱ローラと、
芯金の外周に弾性層を有する定着ローラと、
前記加熱ローラおよび前記定着ローラに張架される無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトの外周側に配設される加圧ローラと、を有し、
前記定着ベルトを介した前記定着ローラと前記加圧ローラとの圧接によって形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した用紙を通紙して加熱定着を行う定着装置において、
前記加圧ローラを、前記定着ローラに対して圧接および離間させる加圧機構を有し、
該加圧機構による前記加圧ローラの圧接開始から圧接完了までの圧接所要時間を切り替え可能としたことを特徴とする定着装置。 - 前記加圧機構は、駆動手段に軸支されて回転駆動する加圧カムと、前記加圧ローラに当接するとともに前記加圧カムの回転駆動に伴い変位して、前記加圧ローラを変位させる加圧アームと、を有し、
前記加圧カムの回転速度を変えることで、前記圧接所要時間を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記加圧機構は、駆動手段に軸支されて回転駆動する加圧カムと、前記加圧ローラに当接するとともに前記加圧カムの回転駆動に伴い変位して、前記加圧ローラを変位させる加圧アームと、を有し、
前記加圧カムは、前記加圧ローラを前記定着ローラに対し離間させる位置から圧接させる位置に達するまでの回転角度が回転方向によって異なる形状を有し、該加圧カムの回転方向を変えることで前記圧接所要時間を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。 - 前記加圧機構は、用紙情報入力手段から入力された情報に基づいて前記圧接所要時間を切り替えることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧機構は、設定された通紙モードに応じて前記圧接所要時間を切り替えることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧機構は、通紙する用紙の紙種、紙厚のいずれか、またはこれらの組み合わせに応じて前記圧接所要時間を切り替えることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧機構は、前記加圧ローラが前記定着ローラに対し圧接した状態において、通紙する用紙と用紙の間隔が所定の時間以上となる場合に、離間させることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧機構は、印刷動作中に前記加圧ローラの温度が所定の温度以上となる場合に、印刷を一時停止して、前記加圧ローラを離間させることを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1から8までのいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014143866A JP2016020944A (ja) | 2014-07-14 | 2014-07-14 | 定着装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014143866A JP2016020944A (ja) | 2014-07-14 | 2014-07-14 | 定着装置および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016020944A true JP2016020944A (ja) | 2016-02-04 |
Family
ID=55265814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014143866A Pending JP2016020944A (ja) | 2014-07-14 | 2014-07-14 | 定着装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016020944A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018120070A (ja) * | 2017-01-25 | 2018-08-02 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
-
2014
- 2014-07-14 JP JP2014143866A patent/JP2016020944A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018120070A (ja) * | 2017-01-25 | 2018-08-02 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5636883B2 (ja) | 冷却装置及び画像形成装置 | |
JP6024108B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
US20120099882A1 (en) | Image heating device | |
JP5891764B2 (ja) | 光沢付与装置および画像形成装置 | |
JP6176981B2 (ja) | 画像加熱装置及び画像形成装置 | |
JP2012181337A (ja) | 光沢付与装置及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP2011081339A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2014056146A (ja) | 定着装置と画像形成装置 | |
JP2008216294A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2015028582A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP6464759B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5495112B2 (ja) | 定着装置、及び画像形成装置 | |
JP5278750B2 (ja) | 定着装置、及び、画像形成装置 | |
JP5800290B2 (ja) | 冷却装置及び画像形成装置 | |
JP2016020944A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2013242468A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2008241843A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP6550924B2 (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2014032374A (ja) | 定着装置及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP6455172B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2013044868A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2016212185A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2014026176A (ja) | 定着装置、画像形成装置 | |
JP2012098654A (ja) | 複連式画像形成装置 | |
JP7085131B2 (ja) | 定着装置、及び、画像形成装置 |