JP2016020934A - 光コンバイナの製造方法、及び、光コンバイナ及びそれを用いたレーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光の損失を抑制することができる光コンバイナを製造し得る光コンバイナの製造方法、光コンバイナ及びそれを用いたレーザ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 光コンバイナ1の製造方法は、断面の形状が多角形のクラッド12が端部において露出する複数の入射用光ファイバ10と、ブリッジファイバ20と、を準備する準備工程P11と、それぞれの入射用光ファイバ10のクラッド12が露出する側の端面16の位置を揃えると共に、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士を互いに接触させて、複数の入射用光ファイバ10を束ねるバンドル工程P12と、束ねられた複数の入射用光ファイバ10のそれぞれの端面16とブリッジファイバ20の端面25とを接続する接続工程P13と、を備える
【選択図】 図1
【解決手段】 光コンバイナ1の製造方法は、断面の形状が多角形のクラッド12が端部において露出する複数の入射用光ファイバ10と、ブリッジファイバ20と、を準備する準備工程P11と、それぞれの入射用光ファイバ10のクラッド12が露出する側の端面16の位置を揃えると共に、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士を互いに接触させて、複数の入射用光ファイバ10を束ねるバンドル工程P12と、束ねられた複数の入射用光ファイバ10のそれぞれの端面16とブリッジファイバ20の端面25とを接続する接続工程P13と、を備える
【選択図】 図1
Description
本発明は、光の損失を抑制することができる光コンバイナを製造し得る光コンバイナの製造方法、及び、光コンバイナ及びそれを用いたレーザ装置に関する。
レーザ装置は、非接触加工が可能であることから、加工分野、医療分野等、様々な分野において用いられており、更なる高出力化が求められている。
このようなレーザ装置の高出力化を実現する方法の一つとして、複数の光ファイバから出力するレーザ光を光コンバイナにより纏めて、1本の光ファイバから出力する方法がある。
下記特許文献1には、このようなレーザ装置に用いることができる光コンバイナが記載されている。この光コンバイナでは、光ファイバがGRINレンズを介してブリッジファイバの大口径側の端面に接続されている。また、下記特許文献2に記載の光コンバイナでは、複数の光ファイバが大口径ファイバの端面に接続されている。
下記特許文献1、2の光コンバイナでは、ブリッジファイバや大口径ファイバに接続されるそれぞれの光ファイバが互いに離間している。そのため、これらの光コンバイナでは、一部の光ファイバの端面が他の光ファイバの端面に対して長手方向に位置ずれを起こす端面ずれが生じたり、光ファイバの接続部付近で一部の光ファイバが他の光ファイバに対して斜めとなる角度折れが生じたりする場合がある。これらの場合、光コンバイナにおいて、光が損失して、光を適切に伝搬することができない傾向がある。そこで、それぞれの光ファイバを束ねた状態でブリッジファイバや大口径ファイバに接続することが考えられる。
しかし、光ファイバを束ねる場合であっても、複数の光ファイバを束ねるときや束ねた後に、上記の端面ずれや角度折れが生じる場合がある。この場合、光が損失する傾向がある。このため、端面ずれや角度折れが抑制され、光の損失が抑制された光コンバイナが求められている。
そこで、本発明は、光の損失を抑制することができる光コンバイナを製造し得る光コンバイナの製造方法、光コンバイナ及びそれを用いたレーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の光コンバイナの製造方法の一側面は、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、大口径ファイバと、を準備する準備工程と、それぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面の位置を揃えると共に、互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士を互いに接触させて、前記複数の光ファイバを束ねるバンドル工程と、束ねられた前記複数の光ファイバのそれぞれの端面と前記大口径ファイバの端面とを接続する接続工程と、を備えることを特徴とするものである。
このような光コンバイナの製造方法によれば、多角形のクラッドの平面同士を接触させて複数の光ファイバを束ねるので、クラッドが円形の場合と比べて、接触する光ファイバ同士の摩擦による抵抗が大きく、光ファイバの位置が互いにずれることを抑制することができる。このため、光ファイバを大口径ファイバの端面に接続する際に、上記の端面ずれや角度折れが生じることを抑制することができる。従って、本発明の本発明の光コンバイナの製造方法によれば、光の損失を抑制することができる光コンバイナを製造することができる。
また、本発明の光コンバイナの製造方法の他の側面は、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、前記クラッドの外周面に対する内接円の直径以下の直径とされる円柱状の複数のガラスロッドと、大口径ファイバと、を準備する準備工程と、それぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面に前記ガラスロッドの一方の端面が接続された状態で、それぞれの前記ガラスロッドの他方の端面の位置を揃えると共に、互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士を互いに接触させて、前記複数の光ファイバを束ねるバンドル工程と、前記複数の光ファイバが束ねられた状態で、前記複数の前記ガラスロッドの他方の端面と前記大口径ファイバの端面とを接続する接続工程と、を備えることを特徴とするものである。
このような光コンバイナの製造方法によっても、互いに接触する光ファイバ同士の位置が互いにずれることを抑制することができる。このため、ガラスロッドを大口径ファイバの端面に接続する際に、上記の端面ずれや角度折れが生じることを抑制することができる。従って、本発明の光コンバイナの製造方法によっても、光の損失を抑制することができる光コンバイナを製造することができる。
また、この場合、当該ガラスロッドに機能を持たせることができる。例えば、前記ガラスロッドは、GRINレンズであり、前記GRINレンズの長さは、前記光ファイバから出射する光に対する0.25ピッチ長の奇数倍とされることが好ましい。
このようにガラスロッドを上記のGRINレンズとすることで、ガラスロッドから大口径ファイバに入射する光をコリメート光に近づけることができる。このため、大口径ファイバに光が発散して入射する場合よりも、光を効率よく伝搬することができる。
また、前記多角形の頂点は面取りされていることが好ましい。頂点が面取りされることで、それぞれの光ファイバにおけるクラッドの寸法誤差を吸収して、光ファイバを束ねることができる。また、3つ以上の光ファイバが束ねられる場合に、クラッドの面取りされた頂点で囲まれる空隙を形成することができる。この場合、束ねられた光ファイバが大口径ファイバに接続される際にガスが発生したとしても、このガスが当該空隙を伝って逃げることができる。つまり、当該空隙は、ガスを逃げやすくするガス抜きとして機能することができる。従って、発生したガスによる不要なボイドが生じることを抑制することができる。ボイド等の発生を抑制することで、光の損失を抑制し適切に光を伝搬することができる。
また、本発明の光コンバイナの一側面は、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、大口径ファイバと、を備え、それぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面は前記大口径ファイバの端面に接続され、互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士は互いに接触することを特徴とするものである。
この光コンバイナによれば、光ファイバの端部において多角形のクラッドの平面同士が接触しており、クラッドが円形の場合と比べて、接触する光ファイバ同士の摩擦による抵抗が大きい。従って、光ファイバの端部に外力が加わる場合であっても、クラッドが円形の光ファイバが用いられる場合と比べて、光ファイバの相対的位置がずれることを抑制することができる。このため、光ファイバから大口径ファイバに入射する光を全体として適切に伝搬することができる。つまり、この光コンバイナによれば、光を適切に伝搬することができる。
また、本発明の光コンバイナの他の側面は、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、前記クラッドの外周面に対する内接円の直径以下の直径とされる円柱状の複数のガラスロッドと、大口径ファイバと、を備え、それぞれの前記ガラスロッドの一方の端面はそれぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面に接続され、それぞれの前記ガラスロッドの他方の端面は前記大口径ファイバの端面に接続され、互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士は互いに接触することを特徴とするものである。
この光コンバイナによれば、光ファイバの端部において多角形のクラッドの平面同士が接触しているので、光ファイバの端部に外力が加わる場合であっても、クラッドが円形の光ファイバが用いられる場合と比べて、光ファイバの相対的位置を適切な位置に保つことができる。このため、光ファイバからガラスロッドを介して大口径ファイバに入射する光を全体として適切に伝搬することができる。つまり、この光コンバイナによれば、光を適切に伝搬することができる。
また、前記ガラスロッドは、GRINレンズであり、前記GRINレンズの長さは、前記光ファイバから出射する光に対する0.25ピッチ長の奇数倍とされることが好ましい。
この場合においても、ガラスロッドを上記のGRINレンズとすることで、ガラスロッドから大口径ファイバに入射する光をコリメート光に近づけることができる。このため、大口径ファイバに光が発散して入射する場合よりも、光を効率よく伝搬することができる。
また、前記多角形の頂点は面取りされていることとしても良い。
また、本発明のレーザ装置は、上記のいずれかの光コンバイナと、それぞれの前記光ファイバのそれぞれにレーザ光を入射する複数のレーザ部と、を備えることを特徴とするものである。
このようなレーザ装置によれば、光コンバイナの光ファイバの端部に外力が加わる場合であっても、クラッドが円形の光ファイバが用いられる光コンバイナを備える場合と比べて、光を全体として適切に伝搬することができる。従って、光のロスを小さくすることができる。
以上のように、本発明によれば、光の損失を抑制することができる光コンバイナを製造し得る光コンバイナの製造方法、光コンバイナ及びそれを用いたレーザ装置が提供される。
以下、本発明に係る光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置の好適な実施形態について、図面を参照しながらそれぞれ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る光コンバイナを示す図である。なお、図1においては、理解の容易のため、光コンバイナを構成するパーツ毎に間隔をあけた図を記載している。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光コンバイナを示す図である。なお、図1においては、理解の容易のため、光コンバイナを構成するパーツ毎に間隔をあけた図を記載している。
図1に示すように、本実施形態の光コンバイナ1は、複数の入射用光ファイバ10と、長手方向の一方側が縮径されているブリッジファイバ20と、を主な構成として備える。
図2は、図1の入射用光ファイバ10を通り長手方向に垂直な断面からブリッジファイバ側を見る断面図である。図1、2に示すように、それぞれの入射用光ファイバ10は、互いに同様の構成とされ、コア11と、コア11を囲むクラッド12とを有し、コア11の屈折率が、クラッド12の屈折率よりも高くされている。コア11は、例えば、屈折率を高くするゲルマニウム(Ge)等のドーパントが添加される石英から成り、クラッド12は、例えば、純粋な石英から成る。また、クラッド12の長手方向に垂直な断面における外形は多角形とされ、図2に示すように、本実施形態では当該外形が六角形とされている。
それぞれの入射用光ファイバ10は、1本の入射用光ファイバ10の周りを6本の入射用光ファイバ10が囲んで配置されている。また、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士は互いに接触している。つまり、それぞれの入射用光ファイバ10は、最密充填状に配置されている。
なお、入射用光ファイバ10は、上記のように端部においてクラッド12が露出しており、上記のように互いに隣り合うクラッド12同士が接触している。しかし、端部から離れた位置ではクラッド12同士が離れており、クラッド12の外周面を被覆する被覆層を有する。ただし、本実施形態の説明では理解の容易のために当該被覆層が省略され、クラッド12同士が離れている様子も省略されている。
ブリッジファイバ20は、コア21とクラッド22とからなり、一方側の外径が縮径されておらず、他方側の外径が縮径されている光ファイバである。具体的には、ブリッジファイバ20は、大きな外径を保つ非縮径部27と、非縮径部27と一体に形成され他方側に向かって外径が徐々に縮径されるテーパ部28とから成る。非縮径部27におけるコア21の直径は入射用光ファイバ10の束よりも大きな径とされる。このようにブリッジファイバ20の一方の端面25は縮径されておらず、他方の端面26は最も縮径されている。ブリッジファイバ20は、このような縮径されない大口径の端面25を有するため、大口径ファイバと考えることができる。なお、ブリッジファイバ20の非縮径部27における直径は、後述のように複数の入射用光ファイバ10と接続できる限りにおいて、特に限定されない。
なお、ブリッジファイバ20のコア21の屈折率は、入射用光ファイバ10のコア11と略同等の屈折率とされることが、後述のように入射用光ファイバ10からブリッジファイバ20に光が入射する際に光の反射を抑制することができるため好ましい。従って、コア21は、上記コア11と同様にして、例えば、屈折率を高くするゲルマニウム(Ge)等のドーパントが添加される石英から成る。クラッド22の屈折率は、コア21の屈折率よりも低くされる。従って、クラッド22は、上記のようにコア21がゲルマニウム(Ge)等のドーパントが添加される石英から成る場合、例えば、何らドーパントが添加されない石英から成る。
ブリッジファイバ20の一方の端面25におおいてコア21とそれぞれの入射用光ファイバ10のそれぞれの端面16とは互いに融着されており、それぞれの入射用光ファイバ10のコア11とブリッジファイバ20のコア21とが光学的に結合している。この融着により、特に図示しないが、入射用光ファイバ10の端面16近傍では、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の平面部12f同士が融着されている。
このような光コンバイナ1においては、それぞれの入射用光ファイバ10のコア11を伝搬してコア11から出射するそれぞれの光は、ブリッジファイバ20の一方の端面25からブリッジファイバ20のコア21に入射して合波される。合波した光は、テーパ部28において、モードフィールド径が縮小されて、他方の端面26から出射する。或いは、他方の端面26からブリッジファイバ20のコア21に入射する光は、テーパ部28において、モードフィールド径が拡大されて、それぞれの入射用光ファイバ10に入射して、それぞれの入射用光ファイバ10を伝搬する。
次に、この光コンバイナ1の製造方法について説明する。
図3は、光コンバイナ1の製造方法を示すフローチャートである。図3に示すように光コンバイナ1の製造方法は、準備工程P11と、バンドル工程P12と、接続工程P13とを備える。
<準備工程P11>
本工程では、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の入射用光ファイバ10と、大口径ファイバであるブリッジファイバ20とを準備する。
本工程では、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の入射用光ファイバ10と、大口径ファイバであるブリッジファイバ20とを準備する。
入射用光ファイバ10は、上記のようにクラッド12の外形が多角形である。このようなクラッド12が多角形の光ファイバを得るには、光ファイバの基となるプリフォームの長手方向に垂直な方向の外形をクラッドと同様の多角形とする。そして、外形が多角形のプリフォームを線引きして光ファイバ素線とする。こうして形成された光ファイバ素線の外形はクラッド12の外形となる。次に、出来あがった光ファイバ素線の外周面に被覆層を設けて、クラッド12の外形が多角形の光ファイバが完成する。
次に完成した光ファイバを必要な長さで必要な本数とする。そして、少なくとも一方の端部の被覆層を必要な長さだけ剥離し、入射用光ファイバ10とする。こうして、複数の入射用光ファイバ10が準備される。
ブリッジファイバ20は、まず、非縮径部27と同じ径を有する光ファイバを作成する。この光ファイバには被覆層は不要である。次に作成した光ファイバを適当な長さに切りだす。そして、切り出した光ファイバの一部を溶融延伸して、テーパ部28を作成し、他方の端面26が形成されるべき適切な位置で切断する。こうして、ブリッジファイバ20が準備される。
<バンドル工程P12>
本工程では、複数の入射用光ファイバ10を束ねる。まず、準備されたそれぞれの入射用光ファイバ10のクラッド12が露出する側の端面16の位置を揃える。つまり、端面16の入射用光ファイバの長手方向に沿った位置を揃える。そして、端面16の位置が揃った状態を出来るだけ維持しながら入射用光ファイバ10を束ねる。このとき、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士を互いに接触させて束ねる。また、必要に応じて、端面16の位置が揃うように当該位置の微調整を行う。本実施形態では、図2に示す入射用光ファイバ10の配列と同様に1本の入射用光ファイバ10の周りを7本の入射用光ファイバ10囲むように最密充填状に配置する。こうして、図4に示すように、端面16の位置を揃えると共に、互いに隣り合うクラッド12の平面部12f同士を互いに接触させて、複数の入射用光ファイバ10が束ねられる。
本工程では、複数の入射用光ファイバ10を束ねる。まず、準備されたそれぞれの入射用光ファイバ10のクラッド12が露出する側の端面16の位置を揃える。つまり、端面16の入射用光ファイバの長手方向に沿った位置を揃える。そして、端面16の位置が揃った状態を出来るだけ維持しながら入射用光ファイバ10を束ねる。このとき、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士を互いに接触させて束ねる。また、必要に応じて、端面16の位置が揃うように当該位置の微調整を行う。本実施形態では、図2に示す入射用光ファイバ10の配列と同様に1本の入射用光ファイバ10の周りを7本の入射用光ファイバ10囲むように最密充填状に配置する。こうして、図4に示すように、端面16の位置を揃えると共に、互いに隣り合うクラッド12の平面部12f同士を互いに接触させて、複数の入射用光ファイバ10が束ねられる。
なお、端面16を揃えることと、互いに隣り合うクラッド12の平面部12f同士を互いに接触させることとを同時に行って、複数の入射用光ファイバ10を束ねても良い。また、このように複数の入射用光ファイバ10を束ねるには、治具を用いることが好ましく、当該治具を用いて複数の入射用光ファイバ10が束ねられた状態を維持することが好ましい。
<接続工程P13>
本工程では、バンドル工程P12において束ねられた複数の入射用光ファイバ10とブリッジファイバ20とを接続する。まず、バンドル工程P12で束ねられた複数の入射用光ファイバ10と、ブリッジファイバ20とを融着用の治具にセットする。このとき、複数の入射用光ファイバ10の端面16とブリッジファイバ20の大口径側の端面25が対向するようにして、端面16と端面25との間に僅かな隙間を空ける。次に入射用光ファイバ10の束の中心が、ブリッジファイバ20のコア21の中心軸上に位置するように調芯を行う。その後、必要に応じて、端面16と端面25とを接触させる。
本工程では、バンドル工程P12において束ねられた複数の入射用光ファイバ10とブリッジファイバ20とを接続する。まず、バンドル工程P12で束ねられた複数の入射用光ファイバ10と、ブリッジファイバ20とを融着用の治具にセットする。このとき、複数の入射用光ファイバ10の端面16とブリッジファイバ20の大口径側の端面25が対向するようにして、端面16と端面25との間に僅かな隙間を空ける。次に入射用光ファイバ10の束の中心が、ブリッジファイバ20のコア21の中心軸上に位置するように調芯を行う。その後、必要に応じて、端面16と端面25とを接触させる。
次に、互いに対向する端面16と端面25とを融着する。融着には放電を用いても良く、酸水素バーナ等を用いても良い。こうして、光コンバイナ1を得る。
以上説明したように、本実施形態の光コンバイナ1の製造方法によれば、多角形のクラッド12の平面部12f同士を接触させて複数の入射用光ファイバ10を束ねるので、クラッドが円形の場合と比べて、接触する入射用光ファイバ10同士の摩擦による抵抗が大きく、入射用光ファイバ10の位置が互いにずれることを抑制することができる。このため、入射用光ファイバ10をブリッジファイバ20の端面25に接続する際に、入射用光ファイバ10の端面ずれや角度折れが生じることを抑制することができる。従って、本実施形態の光コンバイナ1の製造方法によれば、光の損失を抑制し、光を適切に伝搬する光コンバイナ1を製造することができる。
また、本実施形態の光コンバイナ1によれば、図2に示すように、入射用光ファイバ10の端部において多角形のクラッド12の平面部12f同士が接触しており、クラッドが円形の場合と比べて、接触する入射用光ファイバ10同士の摩擦による抵抗が大きい。従って、入射用光ファイバ10の端部に外力が加わる場合であっても、クラッドが円形の入射用光ファイバが用いられる場合と比べて、入射用光ファイバ10の相対的位置がずれることを抑制できる。このため、入射用光ファイバ10からブリッジファイバ20に入射する光を全体として適切に伝搬することができる。つまり、この光コンバイナ1によれば、光を適切に伝搬することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5〜9を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
次に、本発明の第2実施形態について図5〜9を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る光コンバイナを示す図である。図5に示すように、本実施形態の光コンバイナ2は、GRINレンズ30を更に備える点において、第1実施形態の光コンバイナ1と異なる。また、図6は、図5の入射用光ファイバ10を通り長手方向に垂直な断面からブリッジファイバ側を見る断面図である。
GRINレンズ30は、入射用光ファイバ10の数と同数とされ、それぞれのGRINレンズ30は、互いに同様の構成とされている。GRINレンズ30は、一方の端面35と他方の端面36を有する円柱状の形状をしているガラスロッドから成る。GRINレンズ30の直径は、入射用光ファイバ10のコア11の直径よりも大きくされ、さらに、多角形のクラッド12の内接円の直径以下とされる。図5では、GRINレンズ30の直径が入射用光ファイバ10のクラッド12の内接円と同じ大きさの直径とされる例を示している。
GRINレンズ30は、径方向において屈折率分布を有し、長さ方向において一定の屈折率とされる。径方向の屈折率分布は、屈折率が中心軸側から外周面側にかけて屈折率が徐々に低くなる分布とされる。このような屈折率分布とされるため、GRINレンズ30は、例えば、中心軸側ほど屈折率を高くするゲルマニウム(Ge)等のドーパントが高濃度で添加される石英から成る。従って、GRINレンズ30に端面から入力する光は、GRINレンズ30の内部において屈折する。このGRINレンズ30は、入射用光ファイバ10から出射する光に対する0.25ピッチ長の奇数倍の長さとされる。従って、入射用光ファイバ10からGRINレンズ30に入射してGRINレンズ30から出射する光は、略コリメート光とされる。またコリメート光とされない場合であっても、入射用光ファイバ10から出射する光よりも、GRINレンズから出射する光の発散角を小さくすることができる。この場合の発散角とは、出射する光の光軸に対して、この光が広がる方向の角度のことである。
なお、GRINレンズ30は、例えば、中心部分と側面部分との屈折率差が0.25%であり、直径は125μmとされる。ただし、上記のようにGRINレンズの直径はクラッド12の内接円の直径以下の大きさとされる。この場合、入射用光ファイバ10から出射する光の波長が、例えば、1.1μmである場合、GRINレンズ30のこの光に対する0.25ピッチ長は1.4mmとされる。
このような構成のGRINレンズ30は、一方の端面35が入射用光ファイバ10の端面16に接続されており、他方の端面36がブリッジファイバ20の一方の端面25に接続されている。つまり、本実施形態では、それぞれの入射用光ファイバ10がGRINレンズ30を介してブリッジファイバ20に接続されている。本実施形態の光コンバイナ2においても、図6に示すように、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士は互いに接触している。
なお、入射用光ファイバ10のコア11の屈折率、及び、ブリッジファイバ20のコア21の屈折率は、GRINレンズ30の中心軸付近の屈折率と略同等であることが好ましい。この場合、入射用光ファイバ10からGRINレンズ30に光が入射し、GRINレンズ30からブリッジファイバ20に光が入射する場合に、光の反射を抑制することができる。従って、ブリッジファイバ20は、例えば、屈折率を高くするゲルマニウム(Ge)等のドーパントが添加される石英から成る。
このような光コンバイナ2においては、それぞれの入射用光ファイバ10のコア11を伝搬してコア11から出射するそれぞれの光は、GRINレンズ30に入射する。GRINレンズ30では、入射した光がモードフィールド径が拡大しながら伝搬し、略コリメート光とされてGRINレンズ30からブリッジファイバ20のコア21に入射する。ブリッジファイバ20においては、それぞれのGRINレンズ30から入射した光が合波される。合波した光は、テーパ部28において、モードフィールド径が縮小されて、他方の端面26から出射する。或いは、他方の端面26からブリッジファイバ20のコア21に入射する光は、テーパ部28において、モードフィールド径が拡大されて、それぞれのGRINレンズ30に入射する。GRINレンズ30に入射した光は、モードフィールド径が縮小しながら伝搬して、入射用光ファイバ10に入射し、それぞれの入射用光ファイバ10を伝搬する。
次に、この光コンバイナ2の製造方法について説明する。
図7は、光コンバイナ2の製造方法を示すフローチャートである。図7に示すように光コンバイナ2の製造方法は、準備工程P21と、第1接続工程P22と、バンドル工程P23と、接続工程P24とを備える。
<準備工程P21>
本工程では、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の入射用光ファイバ10と、クラッド12の外周面に対する内接円の直径以下の直径とされる複数のGRINレンズ30と、大口径ファイバであるブリッジファイバ20とを準備する。
本工程では、断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の入射用光ファイバ10と、クラッド12の外周面に対する内接円の直径以下の直径とされる複数のGRINレンズ30と、大口径ファイバであるブリッジファイバ20とを準備する。
入射用光ファイバ10の準備及びブリッジファイバ20の準備は、第1実施形態における入射用光ファイバ10の準備及びブリッジファイバ20の準備と同様に準備する。
GRINレンズの準備では、まず、屈折率が中心軸側から外周面側にかけて屈折率が徐々に低くなるように、ドーパントが添加されたプリフォームを作成する。そして、このプリフォームを光ファイバを作成する場合と同様にして線引きする。この線引きの速度を調整することで、GRINレンズ30の直径を調整する。そして、所望の長さ毎に切断することにより、複数のGRINレンズ30を得る。
<第1接続工程P22>
本工程では、それぞれの入射用光ファイバ10の端面16とそれぞれのGRINレンズ30の一方の端面35とを接続する。
本工程では、それぞれの入射用光ファイバ10の端面16とそれぞれのGRINレンズ30の一方の端面35とを接続する。
まず、入射用光ファイバ10の端面16とブリッジファイバ20とを融着用の治具にセットする。このとき、入射用光ファイバ10の端面16とGRINレンズ30の一方の端面35が対向するようにして、端面16と端面35との間に僅かな隙間を空ける。次に入射用光ファイバ10のコア11の中心軸と、GRINレンズ30の中心軸とが、一致するように調芯を行う。その後、必要に応じて、端面16と端面35とを接触させる。
次に、互いに対向する端面16と端面35とを融着する。融着には放電を用いても良く、酸水素バーナ等を用いても良い。こうして、図8に示すように、入射用光ファイバ10とGRINレンズ30とが接続される。この接続を光コンバイナ2に用いるそれぞれの入射用光ファイバ10及びGRINレンズ30に対して行う。
<バンドル工程P23>
本工程では、まず、準備された入射用光ファイバ10に接続されたそれぞれのGRINレンズ30の他方の端面36の位置を揃える。つまり、端面36のGRINレンズ30の長手方向に沿った位置を揃える。そして、端面36の位置が揃った状態を出来るだけ維持しながら入射用光ファイバ10を束ねる。このとき、第1実施形態におけるバンドル工程P12と同様にして、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士を互いに接触させて束ねる。また、必要に応じて、端面16の位置が揃うよう当該位置の微調整を行う。本実施形態においても、図6に示す入射用光ファイバ10の配列と同様に1本の入射用光ファイバ10の周りを7本の入射用光ファイバ10囲むように最密充填状に配置する。こうして、図9に示すように、それぞれの入射用光ファイバ10の端面16にGRINレンズ30の一方の端面35が接続された状態で、それぞれのGRINレンズ30の他方の端面36の位置を揃えると共に、互いに隣り合うクラッド12の平面部12f同士を互いに接触させて、複数の入射用光ファイバ10が束ねられる。
本工程では、まず、準備された入射用光ファイバ10に接続されたそれぞれのGRINレンズ30の他方の端面36の位置を揃える。つまり、端面36のGRINレンズ30の長手方向に沿った位置を揃える。そして、端面36の位置が揃った状態を出来るだけ維持しながら入射用光ファイバ10を束ねる。このとき、第1実施形態におけるバンドル工程P12と同様にして、互いに隣り合う入射用光ファイバ10のクラッド12の外周面における平面部12f同士を互いに接触させて束ねる。また、必要に応じて、端面16の位置が揃うよう当該位置の微調整を行う。本実施形態においても、図6に示す入射用光ファイバ10の配列と同様に1本の入射用光ファイバ10の周りを7本の入射用光ファイバ10囲むように最密充填状に配置する。こうして、図9に示すように、それぞれの入射用光ファイバ10の端面16にGRINレンズ30の一方の端面35が接続された状態で、それぞれのGRINレンズ30の他方の端面36の位置を揃えると共に、互いに隣り合うクラッド12の平面部12f同士を互いに接触させて、複数の入射用光ファイバ10が束ねられる。
なお、本実施形態においても、端面36を揃えることと、互いに隣り合うクラッド12の平面部12f同士を互いに接触させることとを同時に行って、複数の入射用光ファイバ10を束ねても良い。また、このように複数の入射用光ファイバ10を束ねるには、治具を用いることが好ましく、当該治具を用いて複数の入射用光ファイバ10が束ねられた状態を維持することが好ましい。
<第2接続工程P24>
本工程では、バンドル工程P23において束ねられた複数の入射用光ファイバ10に接続されたそれぞれのGRINレンズ30とブリッジファイバ20とを接続する。まず、バンドル工程P23で束ねられた複数の入射用光ファイバ10に接続されたGRINレンズ30の他方の端面36と、ブリッジファイバ20とを融着用の治具にセットする。このとき、複数のGRINレンズ30の端面36とブリッジファイバ20の大口径側の端面25が対向するようにして、端面36と端面25との間に僅かな隙間を空ける。次にGRINレンズ30の束の中心が、ブリッジファイバ20のコア21の中心軸上に位置するように調芯を行う。その後、必要に応じて、端面36と端面25とを接触させる。
本工程では、バンドル工程P23において束ねられた複数の入射用光ファイバ10に接続されたそれぞれのGRINレンズ30とブリッジファイバ20とを接続する。まず、バンドル工程P23で束ねられた複数の入射用光ファイバ10に接続されたGRINレンズ30の他方の端面36と、ブリッジファイバ20とを融着用の治具にセットする。このとき、複数のGRINレンズ30の端面36とブリッジファイバ20の大口径側の端面25が対向するようにして、端面36と端面25との間に僅かな隙間を空ける。次にGRINレンズ30の束の中心が、ブリッジファイバ20のコア21の中心軸上に位置するように調芯を行う。その後、必要に応じて、端面36と端面25とを接触させる。
次に、互いに対向する端面36と端面25とを融着する。融着は第1実施形態の接続工程P13における融着と同様に行う。こうして、光コンバイナ2を得る。
以上説明したように、本実施形態の光コンバイナ2の製造方法によっても、互いに接触する入射用光ファイバ10同士の位置が互いにずれることを抑制することができる。このため、GRINレンズ30をブリッジファイバ20の端面25に接続する際に、GRINレンズ30の端面ずれや角度折れが生じることを抑制することができる。従って、実施形態の光コンバイナの製造方法によっても、光の損失を抑制し、光を適切に伝搬する光コンバイナ2を製造することができる。
また、本実施形態の光コンバイナ2によれば、入射用光ファイバ10の端部において多角形のクラッド12の平面同士が接触しているので、入射用光ファイバ10の端部に外力が加わる場合であっても、クラッドが円形の光ファイバが用いられる場合と比べて、入射用光ファイバ10の相対的位置を適切な位置に保つことができる。このため、入射用光ファイバ10からGRINレンズ30を介してブリッジファイバに入射する光を全体として適切に伝搬することができる。つまり、本実施形態の光コンバイナ2によっても、光を適切に伝搬することができる。
なお、本実施形態では、ガラスロッドとしてGRINレンズ30を例に説明したが、ガラスロッドはGRINレンズ30に限らない。例えば、光ファイバが熱せられることで、コアに含まれる屈折率を上昇させるゲルマニウム等のドーパントが、クラッドに拡散されたTECファイバ(Thermally-diffused Expanded Core Fiber)等を用いても良い。或いは、このガラスロッドとして、屈折率が一様なガラスロッドを用いても良い。
(レーザ装置の説明)
次に、上記光コンバイナを用いたレーザ装置について、図10を用いて説明する。なお、ここでの説明は、第1実施形態の光コンバイナ1を用いて説明するが、光コンバイナ1に代えて、第2実施形態の光コンバイナ2を用いても良い。
次に、上記光コンバイナを用いたレーザ装置について、図10を用いて説明する。なお、ここでの説明は、第1実施形態の光コンバイナ1を用いて説明するが、光コンバイナ1に代えて、第2実施形態の光コンバイナ2を用いても良い。
図10は、本発明のレーザ装置を示す図である。図10に示すように、レーザ装置100は、レーザ光を出射する複数のレーザ部4と、複数のレーザ部4から出射するレーザ光を伝搬する入射用光ファイバ10と、上述の光コンバイナ1と、出射用光ファイバ5と、を主な構成として備える。
それぞれのレーザ部4は、レーザ光を出力する限りにおいて、特に限定されないが、例えば、ファイバレーザ装置や、半導体レーザ装置から成る。これらのレーザ部4の出力部には、入射用光ファイバ10が接続されており、この入射用光ファイバ10の少なくとも一部が、上述の光コンバイナ1の入射用光ファイバ10とされる。また、出射用光ファイバ5は、コアとクラッドとを有する光ファイバである。出射用光ファイバ5のコアの直径は、光コンバイナ1のブリッジファイバ20の他方の端面26におけるコア21の直径と同等とされる。出射用光ファイバ5は、光コンバイナ1のブリッジファイバ20における他方の端面26に接続されている。
このようなレーザ装置100において、それぞれのレーザ部4からレーザ光が出射されると、入射用光ファイバ10を伝搬して、光コンバイナ1に到達する。光コンバイナ1においては、上述のように、入射用光ファイバ10からブリッジファイバ20にレーザ光が入射し、ブリッジファイバ20のテーパ部28にてモードフィールド径が縮小される。そして、レーザ光は、ブリッジファイバ20から出射用光ファイバ5に入射し、出射用光ファイバ5を伝播して、図10において矢印で示すように、出射用光ファイバ5の光コンバイナ1側と反対側から出射する。
このレーザ装置100によれば、光コンバイナ1において、入射用光ファイバ10の端部に外力が加わる場合であっても、クラッドが円形の光ファイバが用いられる光コンバイナを備える場合と比べて、光を全体として適切に伝搬することができる。従って、光のロスを小さくすることができる。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、大口径ファイバとしてブリッジファイバ20を例に説明したが、ブリッジファイバ20のようにテーパ部を有する必要はない。つまり、複数の入射用光ファイバ10や複数のGRINレンズ30を接続できる口径の端面を有する光ファイバであればよい。また、ブリッジファイバ20のクラッド22が無くても良い。
また、上記実施形態では、入射用光ファイバ10のクラッド12の外形が六角形とされたが、多角形であれば六角形以外であっても良い。例えば、それぞれの入射用光ファイバ10のクラッド12の外形が三角形や四角形とされても良い。
また、クラッド12の外形である多角形の頂点が面取りされても良い。図11は、図1に記載の光コンバイナにこのような入射用光ファイバが用いられる例を図2と同じ視点で示す図である。なお、本変形例を説明するに当たり、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図11に示すように、本例の入射用光ファイバ10は、クラッド12の頂点が面取りされて丸みを帯びている点において、第1実施形態の入射用光ファイバ10と異なる。つまり、本例の入射用光ファイバ10におけるクラッド12の外周面は、複数の平面部12fと、面取りされた複数の頂点部12aとからなる。従って、互いに隣り合う3つの入射用光ファイバ10のそれぞれの頂点部12aで囲まれる領域には、空隙18が形成されている。なお、本例では、入射用光ファイバ10の端面16近傍では、入射用光ファイバ10とブリッジファイバ20との融着により空隙18が埋まっている。
このような入射用光ファイバ10を用いる場合、第1実施形態のバンドル工程P12と同様に入射用光ファイバ10を束ねるとき、それぞれの入射用光ファイバ10におけるクラッド12の寸法誤差を吸収して、クラッド12の平面部12f同士を互いに接触させて適切に束ねることができる。また、頂点部12aが面取りされることで、クラッド12の頂点部12aで囲まれる空隙18が形成される。
また、第1実施形態の接続工程P13と同様にして、入射用光ファイバ10の端面16とブリッジファイバ20の端面25とを融着する際、熱によるガスが発生する場合がある。しかし、本変形例では、入射用光ファイバ10が束ねられた状態で、頂点部12aで囲まれる空隙18が形成されている。従って、このようなガスが発生したとしても、このガスが空隙18を伝って逃げることができる。つまり、空隙18は、ガスを逃げ易くするガス抜きとして機能することができる。従って、発生したガスによる不要なボイドが生じることを抑制することができる。
このような頂点部12aが面取りされたクラッド12を有する入射用光ファイバ10を用いることは、第2実施形態の光コンバイナ2においても有用である。この場合においても、第2実施形態と同様に入射用光ファイバ10を束ねると、頂点部12aで囲まれる空隙18が形成される。従って、GRINレンズ30とブリッジファイバ20とを融着中にガスが発生する場合に、当該空隙が形成されていない場合と比べると、本例のように空隙18が形成された方がガスを逃げ易くすることができ、不要なボイドが生じることを抑制することができる。
また、上記実施形態のレーザ装置100では、光コンバイナ1のそれぞれの入射用光ファイバ10が延長され、それぞれのレーザ部4からのレーザ光が直接入射されていたが、それぞれのレーザ部4から、他の光ファイバを介して、入射用光ファイバ10にレーザ光が入射されても良い。
本発明によれば、光の損失を抑制することができる光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置が提供され、加工用レーザ装置や、医療用レーザ装置等に利用することができる。
1,2・・・光コンバイナ
3・・・レーザ部
4・・・出射用光ファイバ
10・・・入射用光ファイバ
20・・・ブリッジファイバ
27・・・非縮径部
28・・・テーパ部
30・・・GRINレンズ(ガラスロッド)
100・・・レーザ装置
3・・・レーザ部
4・・・出射用光ファイバ
10・・・入射用光ファイバ
20・・・ブリッジファイバ
27・・・非縮径部
28・・・テーパ部
30・・・GRINレンズ(ガラスロッド)
100・・・レーザ装置
Claims (9)
- 断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、大口径ファイバと、を準備する準備工程と、
それぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面の位置を揃えると共に、互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士を互いに接触させて、前記複数の光ファイバを束ねるバンドル工程と、
束ねられた前記複数の光ファイバのそれぞれの端面と前記大口径ファイバの端面とを接続する接続工程と、
を備える
ことを特徴とする光コンバイナの製造方法。 - 断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、前記クラッドの外周面に対する内接円の直径以下の直径とされる円柱状の複数のガラスロッドと、大口径ファイバと、を準備する準備工程と、
それぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面に前記ガラスロッドの一方の端面が接続された状態で、それぞれの前記ガラスロッドの他方の端面の位置を揃えると共に、互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士を互いに接触させて、前記複数の光ファイバを束ねるバンドル工程と、
前記複数の光ファイバが束ねられた状態で、前記複数の前記ガラスロッドの他方の端面と前記大口径ファイバの端面とを接続する接続工程と、
を備える
ことを特徴とする光コンバイナの製造方法。 - 前記ガラスロッドは、GRINレンズであり、
前記GRINレンズの長さは、前記光ファイバから出射する光に対する0.25ピッチ長の奇数倍とされる
ことを特徴とする請求項2に記載の光コンバイナの製造方法。 - 前記多角形の頂点は面取りされている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光コンバイナの製造方法。 - 断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、
大口径ファイバと、
を備え、
それぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面は前記大口径ファイバの端面に接続され、
互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士は互いに接触する
ことを特徴とする光コンバイナ。 - 断面の形状が多角形のクラッドが端部において露出する複数の光ファイバと、
前記クラッドの外周面に対する内接円の直径以下の直径とされる円柱状の複数のガラスロッドと、
大口径ファイバと、
を備え、
それぞれの前記ガラスロッドの一方の端面はそれぞれの前記光ファイバの前記クラッドが露出する側の端面に接続され、それぞれの前記ガラスロッドの他方の端面は前記大口径ファイバの端面に接続され、
互いに隣り合う前記光ファイバの前記クラッドの外周面における平面同士は互いに接触する
ことを特徴とする光コンバイナ。 - 前記ガラスロッドは、GRINレンズであり、
前記GRINレンズの長さは、前記光ファイバから出射する光に対する0.25ピッチ長の奇数倍とされる
ことを特徴とする請求項6に記載の光コンバイナ。 - 前記多角形の頂点は面取りされている
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の光コンバイナ。 - 請求項5から8のいずれか1項に記載の光コンバイナと、
それぞれの前記光ファイバのそれぞれにレーザ光を入射する複数のレーザ部と、
を備えることを特徴とするレーザ装置。
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