JP2016019940A - シリコーンコーティング方法及びシリコーンコーティング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコーン組成物と硬化剤を均質に混ぜ合わせたシリコーン樹脂混合液を用意し、これを水分を含んだ圧縮空気によってスプレーするとともに硬化反応させて、被吐出物表面にシリコーンコーティングする方法、及びシリコーンコーティング装置を提供する。【手段】除湿した混合タンク11中で、シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とし、該シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガン12に供給し、別途水分を含んだ圧縮空気によって、スプレーガンに供給されたシリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させるとともに、吐出されるシリコーン樹脂混合液を圧縮空気中に含まれた水分と反応させることにより、被吐出物の表面に吐出されたシリコーン樹脂混合液を硬化させる。【選択図】図1
Description
本発明は、被吐出物の表面に湿気硬化型シリコーンコーティング方法及びシリコーンコーティング装置に関する。
近年、コーティング材として、耐熱性、耐食性に優れ伸縮性のあるシリコーン樹脂を成分として含有するコーティング材が広く用いられている。
シリコーン樹脂のコーティング材は、外部からの保護作用において半永久的な効果が見込まれるため、屋外、例えば、発電所等の機器や配管の表面に塗布し、表面保護材として活用され始めている。
このようなシリコーン樹脂のコーティング施工は刷毛塗りによる施工方法が一般的であるが、スプレーガンによる施工方法も行われており、スプレーガン内でシリコーンと硬化剤を混ぜ合わせスプレーする方式と、スプレーガンからシリコーンと硬化剤をスプレーし空気中で混合する方式などがある。
例えば、特許文献1には、2液以上の成分を混合することにより反応硬化するシリコーン組成物を、液滴状に射出するガンを用いて霧状にして、ガンの内部ではなく、吐出先で混合して塗布して反応硬化させるシリコーンコート方法が記載されている。
また、特許文献2には、少なくとも2混合成分からなり、脱水素反応を伴って発泡する液状シリコーン組成物を冷却した混合室に導入し、回転子を備えた強制撹拌混合機により撹拌混合した後、スプレー装置から圧搾気体と共に吐出させ発泡硬化させるシリコーンフォームの製造方法が記載されている。
シリコーン樹脂のコーティング材は、外部からの保護作用において半永久的な効果が見込まれるため、屋外、例えば、発電所等の機器や配管の表面に塗布し、表面保護材として活用され始めている。
このようなシリコーン樹脂のコーティング施工は刷毛塗りによる施工方法が一般的であるが、スプレーガンによる施工方法も行われており、スプレーガン内でシリコーンと硬化剤を混ぜ合わせスプレーする方式と、スプレーガンからシリコーンと硬化剤をスプレーし空気中で混合する方式などがある。
例えば、特許文献1には、2液以上の成分を混合することにより反応硬化するシリコーン組成物を、液滴状に射出するガンを用いて霧状にして、ガンの内部ではなく、吐出先で混合して塗布して反応硬化させるシリコーンコート方法が記載されている。
また、特許文献2には、少なくとも2混合成分からなり、脱水素反応を伴って発泡する液状シリコーン組成物を冷却した混合室に導入し、回転子を備えた強制撹拌混合機により撹拌混合した後、スプレー装置から圧搾気体と共に吐出させ発泡硬化させるシリコーンフォームの製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載のシリコーンコート方法は、スプレーガン内で硬化しないのでガンの洗浄が容易であるという利点はあるが、シリコーン組成物と硬化剤とが均質に混ざらず、硬化後のシリコーンコートの品質が一定でないという問題点を有する。
特許文献2に記載のシリコーンフォームの製造方法は、硬化剤との混合による脱水素反応を伴って発泡させた発泡体の製造方法であり、形成されたシリコーンフォームの強度の点で問題がある。
また、湿気硬化型シリコーン組成物の塗装は、一般に厚塗りが困難である。空気中の湿気と反応して表面から硬化するので表面だけが硬化し、全体としての硬化反応が進まないからである。
本発明は、これらの問題点に鑑み、シリコーン組成物と硬化剤を均質に混ぜ合わせたシリコーン樹脂混合液を用意し、これを水分を含んだ圧縮空気によってスプレーするとともに硬化反応させて、被吐出物表面にシリコーンコーティングする方法、及びシリコーンコーティング装置を提供することを目的とする。
特許文献2に記載のシリコーンフォームの製造方法は、硬化剤との混合による脱水素反応を伴って発泡させた発泡体の製造方法であり、形成されたシリコーンフォームの強度の点で問題がある。
また、湿気硬化型シリコーン組成物の塗装は、一般に厚塗りが困難である。空気中の湿気と反応して表面から硬化するので表面だけが硬化し、全体としての硬化反応が進まないからである。
本発明は、これらの問題点に鑑み、シリコーン組成物と硬化剤を均質に混ぜ合わせたシリコーン樹脂混合液を用意し、これを水分を含んだ圧縮空気によってスプレーするとともに硬化反応させて、被吐出物表面にシリコーンコーティングする方法、及びシリコーンコーティング装置を提供することを目的とする。
(a)本発明のシリコーンコーティング方法は、湿気硬化型シリコーン組成物を用いたシリコーンコーティング方法であって、除湿した混合タンク中で、シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とし、該シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガンに供給し、別途水分を含んだ圧縮空気によって、前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させるとともに、前記吐出されるシリコーン樹脂混合液を圧縮空気中に含まれた水分と反応させることにより、被吐出物の表面に吐出されたシリコーン樹脂混合液を硬化させることを特徴とする。
(b)本発明のシリコーンコーティング方法は、前記被吐出物が屋根材用の金属板であることを特徴とする。
(c)本発明のシリコーンコーティング装置は、湿気硬化型シリコーン組成物を吐出してシリコーンをコーティングする装置であって、除湿した雰囲気で、シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とする混合タンクと、該シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガンに供給する搬送手段と、前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させる圧縮空気を生成する圧縮空気生成手段と、前記圧縮空気に水分を供給する水分供給手段と、を備え、
前記混合タンクのシリコーン樹脂混合液を、前記搬送手段によってスプレーガンに供給し、別途、前記圧縮空気生成手段と前記水分供給手段により生成した水分を含んだ圧縮空気によって、前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させるとともに、前記吐出されるシリコーン樹脂混合液を圧縮空気中に含まれた水分と反応させることにより、被吐出物の表面に吐出されたシリコーン樹脂混合液を硬化させることを特徴とする。
(b)本発明のシリコーンコーティング方法は、前記被吐出物が屋根材用の金属板であることを特徴とする。
(c)本発明のシリコーンコーティング装置は、湿気硬化型シリコーン組成物を吐出してシリコーンをコーティングする装置であって、除湿した雰囲気で、シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とする混合タンクと、該シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガンに供給する搬送手段と、前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させる圧縮空気を生成する圧縮空気生成手段と、前記圧縮空気に水分を供給する水分供給手段と、を備え、
前記混合タンクのシリコーン樹脂混合液を、前記搬送手段によってスプレーガンに供給し、別途、前記圧縮空気生成手段と前記水分供給手段により生成した水分を含んだ圧縮空気によって、前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させるとともに、前記吐出されるシリコーン樹脂混合液を圧縮空気中に含まれた水分と反応させることにより、被吐出物の表面に吐出されたシリコーン樹脂混合液を硬化させることを特徴とする。
本発明によれば、シリコーン組成物と硬化剤を均質に混ぜ合わせたシリコーン樹脂混合液を用意するとともに、これを水分を含んだ圧縮空気によってスプレーするとともに硬化反応させて、被吐出物表面に、耐熱性、耐食性に優れ伸縮性のあるシリコーンコーティング層を短時間で形成することができる。したがって、湿気硬化型シリコーンコーティング層をむらがなく厚く形成でき、厚物のシリコーンコーティング層を製造することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態のシリコーンコーティング装置の概略を示す全体図である。図2は、スプレーガンの拡大図である。
図1、図2に示すように、実施形態の湿気硬化型シリコーン組成物を用いるシリコーンコーティング装置は、除湿した雰囲気で、湿気硬化型シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とする混合タンク11と、シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガン12に供給する搬送手段13と、スプレーガン12に供給されたシリコーン樹脂混合液をスプレーガン12から吐出させるための圧縮空気を生成する圧縮空気生成手段15と、圧縮空気に水分を供給する水分供給手段17と、を備えている。
図1は、実施形態のシリコーンコーティング装置の概略を示す全体図である。図2は、スプレーガンの拡大図である。
図1、図2に示すように、実施形態の湿気硬化型シリコーン組成物を用いるシリコーンコーティング装置は、除湿した雰囲気で、湿気硬化型シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とする混合タンク11と、シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガン12に供給する搬送手段13と、スプレーガン12に供給されたシリコーン樹脂混合液をスプレーガン12から吐出させるための圧縮空気を生成する圧縮空気生成手段15と、圧縮空気に水分を供給する水分供給手段17と、を備えている。
そして、圧力媒体が充填された搬送手段13は、混合タンク11中のシリコーン樹脂混合液を、圧力媒体の放出によってスプレーガン12に供給する。
さらに、スプレーガン12に供給されたシリコーン樹脂混合液は、水分供給手段17による水分を含んだ圧縮空気によって、スプレーガン12から吐出させられるとともに、圧縮空気中に含まれた水分と反応させられる。
なお、図1(1)〜(3)に示すように、混合タンク11は、上部蓋にジョイント弁11a、レギュレータ11bが設けられており、(3)に示すガスボンベ(搬送手段)のCからの圧縮ガスは、(2)の除湿器14のCに連結されて除湿されてAから排出され、(1)のジョイント弁11aの上方Aに連結されるようになっている。
このようにして、スプレーガン12から吐出したシリコーン樹脂混合液は、被吐出物の表面において、圧縮空気中の水分との反応により硬化してシリコーンコーティング層となるのである。
シリコーンコーティング層としては、0.1〜50mmの厚みのシリコーン樹脂で形成されたものをいうが、重ね塗りをするようにスプレーすることで、厚いシリコーンコーティング層を形成させることもできる。例えば、1回に形成するシリコーンコーティング層の厚みを0.5mmとし、10回重ね塗りをすることにより、5.0mmの厚みのシリコーンコーティング層を形成させることができる。
さらに、スプレーガン12に供給されたシリコーン樹脂混合液は、水分供給手段17による水分を含んだ圧縮空気によって、スプレーガン12から吐出させられるとともに、圧縮空気中に含まれた水分と反応させられる。
なお、図1(1)〜(3)に示すように、混合タンク11は、上部蓋にジョイント弁11a、レギュレータ11bが設けられており、(3)に示すガスボンベ(搬送手段)のCからの圧縮ガスは、(2)の除湿器14のCに連結されて除湿されてAから排出され、(1)のジョイント弁11aの上方Aに連結されるようになっている。
このようにして、スプレーガン12から吐出したシリコーン樹脂混合液は、被吐出物の表面において、圧縮空気中の水分との反応により硬化してシリコーンコーティング層となるのである。
シリコーンコーティング層としては、0.1〜50mmの厚みのシリコーン樹脂で形成されたものをいうが、重ね塗りをするようにスプレーすることで、厚いシリコーンコーティング層を形成させることもできる。例えば、1回に形成するシリコーンコーティング層の厚みを0.5mmとし、10回重ね塗りをすることにより、5.0mmの厚みのシリコーンコーティング層を形成させることができる。
<湿気硬化型シリコーン組成物>
なお、本発明において用いる湿気硬化型シリコーン組成物は、加水分解性ケイ素基を有するシリコーン樹脂を含有する。加水分解性ケイ素基を有するシリコーン樹脂とは、シロキサン結合を主鎖とし、かつ、加水分解性ケイ素基を有する樹脂を意味する。主鎖がシロキサン結合である加水分解性ケイ素基を有するシリコーン樹脂としては、例えば、信越シリコーンの縮合タイプのKE12、KE17、KE111などが挙げられる。これらの湿気硬化型シリコーン組成物は、室温で空気中の水分(水酸基OH)と化学反応して硬化する性質を有している。
なお、本発明において用いる湿気硬化型シリコーン組成物は、加水分解性ケイ素基を有するシリコーン樹脂を含有する。加水分解性ケイ素基を有するシリコーン樹脂とは、シロキサン結合を主鎖とし、かつ、加水分解性ケイ素基を有する樹脂を意味する。主鎖がシロキサン結合である加水分解性ケイ素基を有するシリコーン樹脂としては、例えば、信越シリコーンの縮合タイプのKE12、KE17、KE111などが挙げられる。これらの湿気硬化型シリコーン組成物は、室温で空気中の水分(水酸基OH)と化学反応して硬化する性質を有している。
<混合タンク>
混合タンク11としては、撹拌作業をすると同時に、加圧作業も伴うので、これらの作業に対応できる気密性を有する密閉式容器を用いる。そして、密閉式の混合タンク11中で、湿気硬化型シリコーン組成物に硬化剤を混ぜて撹拌することにより、水分と反応させて硬化させる前段階のシリコーン樹脂混合液を製造することができる。
なお、上記混合タンク11中での撹拌作業時に、シリコーン組成物に水分が混ざると混合タンク11中でシリコーン樹脂混合液の硬化反応が発現してしまうので、湿気硬化型シリコーン組成物と硬化剤とを混ぜてシリコーン樹脂混合液を撹拌する作業は、密閉式混合タンク中に乾燥した雰囲気において実施する必要がある。
混合タンク11としては、撹拌作業をすると同時に、加圧作業も伴うので、これらの作業に対応できる気密性を有する密閉式容器を用いる。そして、密閉式の混合タンク11中で、湿気硬化型シリコーン組成物に硬化剤を混ぜて撹拌することにより、水分と反応させて硬化させる前段階のシリコーン樹脂混合液を製造することができる。
なお、上記混合タンク11中での撹拌作業時に、シリコーン組成物に水分が混ざると混合タンク11中でシリコーン樹脂混合液の硬化反応が発現してしまうので、湿気硬化型シリコーン組成物と硬化剤とを混ぜてシリコーン樹脂混合液を撹拌する作業は、密閉式混合タンク中に乾燥した雰囲気において実施する必要がある。
<撹拌羽根>
混合タンク11の内部には、周囲にピン状、羽根状、スクリュー状などの突起物を設けてなり上部の撹拌モータ11cによって強制撹拌される撹拌羽根11dと、底部にはシリコーン樹脂混合液を排出する排出口11eが設けられている。
このような混合タンク11において、シリコーン組成物と硬化剤とは、撹拌羽根11dを回転させることにより機械的に混合されて均質なシリコーン樹脂混合液とされ、さらに、このシリコーン樹脂混合液を混合タンク11の底部に設けられている排出口11eからシリコーン搬送ライン12cを介してスプレーガン12に供給される。このときの撹拌羽根11dの回転数としては、50〜1000rpmとすることが望ましい。撹拌初期は速めの800rpmで強く撹拌し、その後100rpm程度で沈殿防止程度の強さで撹拌することが好ましい。
この結果、シリコーン組成物と硬化剤とを均質に混合することができるので、従来の方法では使用が不可能であった高粘度シリコーン組成物にも適用可能である。
混合タンク11の内部には、周囲にピン状、羽根状、スクリュー状などの突起物を設けてなり上部の撹拌モータ11cによって強制撹拌される撹拌羽根11dと、底部にはシリコーン樹脂混合液を排出する排出口11eが設けられている。
このような混合タンク11において、シリコーン組成物と硬化剤とは、撹拌羽根11dを回転させることにより機械的に混合されて均質なシリコーン樹脂混合液とされ、さらに、このシリコーン樹脂混合液を混合タンク11の底部に設けられている排出口11eからシリコーン搬送ライン12cを介してスプレーガン12に供給される。このときの撹拌羽根11dの回転数としては、50〜1000rpmとすることが望ましい。撹拌初期は速めの800rpmで強く撹拌し、その後100rpm程度で沈殿防止程度の強さで撹拌することが好ましい。
この結果、シリコーン組成物と硬化剤とを均質に混合することができるので、従来の方法では使用が不可能であった高粘度シリコーン組成物にも適用可能である。
<シリコーン樹脂混合液>
上記湿気硬化型シリコーン組成物と硬化剤を混ぜた後のシリコーン樹脂混合液は、24℃で、相対湿度50%RHにおける初期粘度として、800mPa・s〜3000mPa・sとすることが好ましい。800mPa・s未満の場合は、例えば垂直塗布時に被吐出物表面の塗料がダレしてしまうおそれがあり、3000mPa・sを超える場合は、スプレーガンからの吐出が困難になるおそれがあり、また、被吐出物の表面に凹凸がある場合にその凹凸になじまなくなるおそれがあるからである。
上記湿気硬化型シリコーン組成物と硬化剤を混ぜた後のシリコーン樹脂混合液は、24℃で、相対湿度50%RHにおける初期粘度として、800mPa・s〜3000mPa・sとすることが好ましい。800mPa・s未満の場合は、例えば垂直塗布時に被吐出物表面の塗料がダレしてしまうおそれがあり、3000mPa・sを超える場合は、スプレーガンからの吐出が困難になるおそれがあり、また、被吐出物の表面に凹凸がある場合にその凹凸になじまなくなるおそれがあるからである。
<スプレーガンにシリコーン樹脂混合液を供給する搬送手段>
混合タンク11において混合作業を終えたシリコーン樹脂混合液は、搬送手段13によって、スプレーガン12に供給される。
搬送手段13としては、シリコーン組成物混合液をスプレーガン12まで圧送できる圧縮ガスなどが挙げられる。
圧縮ガスとしては、圧縮窒素ガスや圧縮酸素ガスなどが挙げられ、湿気硬化型シリコーン組成物の湿気硬化性を考慮して図1(2)に示す除湿器14で除湿することが好ましく、混合タンク11よりシリコーン搬送ライン12cを介してスプレーガン12に搬送する。
混合タンク11において混合作業を終えたシリコーン樹脂混合液は、搬送手段13によって、スプレーガン12に供給される。
搬送手段13としては、シリコーン組成物混合液をスプレーガン12まで圧送できる圧縮ガスなどが挙げられる。
圧縮ガスとしては、圧縮窒素ガスや圧縮酸素ガスなどが挙げられ、湿気硬化型シリコーン組成物の湿気硬化性を考慮して図1(2)に示す除湿器14で除湿することが好ましく、混合タンク11よりシリコーン搬送ライン12cを介してスプレーガン12に搬送する。
<圧縮空気生成手段>
圧縮空気生成手段15は、スプレーガン12に供給されたシリコーン樹脂混合液をスプレーガン12から吐出させるための圧縮空気を生成するコンプレッサーなどの装置である。このコンプレッサーにより、0.7MPa程度の圧縮空気を生成し、連結したレギュレータ16により、0.2MPa程度まで減圧している。
なお、圧縮空気生成手段15としてコンプレッサーを例示するが、圧縮空気を生成できる加圧手段であれば他の装置でもよい。
圧縮空気生成手段15は、スプレーガン12に供給されたシリコーン樹脂混合液をスプレーガン12から吐出させるための圧縮空気を生成するコンプレッサーなどの装置である。このコンプレッサーにより、0.7MPa程度の圧縮空気を生成し、連結したレギュレータ16により、0.2MPa程度まで減圧している。
なお、圧縮空気生成手段15としてコンプレッサーを例示するが、圧縮空気を生成できる加圧手段であれば他の装置でもよい。
<水分供給手段>
水分供給手段17は、圧縮空気に水分を供給する加湿タンクなどである。図1に示す加湿タンクはその下部にヒーター17aを備えており、加熱により水蒸気を生成させるようになっている。供給される水分の粒子の大きさは、特に規定するものではないが、湿気硬化反応に効率よく使用されるためには水蒸気程度の粒径のものがよい。
実施の形態では、水分供給手段17として、加熱により水蒸気を生成させる手段を挙げたが、細かな粒径の水分を発生させる手段であれば上記水蒸気生成装置にこだわるわるものではない(例えば、超音波発生装置などでの水蒸気発生)。
水分供給手段17は、圧縮空気に水分を供給する加湿タンクなどである。図1に示す加湿タンクはその下部にヒーター17aを備えており、加熱により水蒸気を生成させるようになっている。供給される水分の粒子の大きさは、特に規定するものではないが、湿気硬化反応に効率よく使用されるためには水蒸気程度の粒径のものがよい。
実施の形態では、水分供給手段17として、加熱により水蒸気を生成させる手段を挙げたが、細かな粒径の水分を発生させる手段であれば上記水蒸気生成装置にこだわるわるものではない(例えば、超音波発生装置などでの水蒸気発生)。
<混合比調整器>
圧縮空気生成手段15からの圧縮空気は、スプレーガン12の圧力ライン12bに送られる前に、混合比調整器18で、水分供給手段17で生成された水蒸気と混合される。
混合比調整器18としては、圧縮空気に水蒸気を混合する手段のものであればよいが、例えば、図3に示すようなものが考えられる。図3に示す混合比調整器18は、圧縮空気と水蒸気を通す2本のシリコーンホースを外側で固定し、その中間に設けた仕切り板の位置を左右に動かすことで、それぞれの流量を変えることができる。
圧縮空気生成手段15からの圧縮空気は、スプレーガン12の圧力ライン12bに送られる前に、混合比調整器18で、水分供給手段17で生成された水蒸気と混合される。
混合比調整器18としては、圧縮空気に水蒸気を混合する手段のものであればよいが、例えば、図3に示すようなものが考えられる。図3に示す混合比調整器18は、圧縮空気と水蒸気を通す2本のシリコーンホースを外側で固定し、その中間に設けた仕切り板の位置を左右に動かすことで、それぞれの流量を変えることができる。
<スプレーガン>
スプレーガン12は、混合タンク11よりのシリコーン樹脂混合液を搬送するシリコーン搬送ライン12cと、水分を含んだ圧縮空気を送出する圧力ライン12bに連結され、シリコーン樹脂混合液を被吐出物表面にスプレーすることができるものを使用することができる。
また、スプレーガンにはトリガー12aが設けられており、トリガー12aの作動により、搬送手段13から圧縮ガスを放出するとともに、圧縮空気生成手段15から圧縮空気を送出して、シリコーン樹脂混合液をスプレーガン11からスプレーするようになっている。具体的には、スプレーガン12に設けられたトリガー12aを握ると、圧縮ガスによって、シリコーン樹脂混合液が、混合タンク11下部の排出口11eからシリコーン搬送ラインを介してスプレーガン12内に供給されるとともに、水分を含んだ圧縮空気によってスプレーガン12から放出される。
スプレーガン12は、混合タンク11よりのシリコーン樹脂混合液を搬送するシリコーン搬送ライン12cと、水分を含んだ圧縮空気を送出する圧力ライン12bに連結され、シリコーン樹脂混合液を被吐出物表面にスプレーすることができるものを使用することができる。
また、スプレーガンにはトリガー12aが設けられており、トリガー12aの作動により、搬送手段13から圧縮ガスを放出するとともに、圧縮空気生成手段15から圧縮空気を送出して、シリコーン樹脂混合液をスプレーガン11からスプレーするようになっている。具体的には、スプレーガン12に設けられたトリガー12aを握ると、圧縮ガスによって、シリコーン樹脂混合液が、混合タンク11下部の排出口11eからシリコーン搬送ラインを介してスプレーガン12内に供給されるとともに、水分を含んだ圧縮空気によってスプレーガン12から放出される。
<被吐出物>
被吐出物としては、金属やプラスチックスの板や加工品などが挙げられる。金属としては、鉄、ステンレス、銅や、鉄に亜鉛めっきなどを施したものが挙げられる。また、金属板を凹凸加工した加工品の表面へのスプレーも可能である。
吐出されたシリコーン樹脂混合液は被吐出物表面でのダレがなく、被吐出物が垂直状態であっても付着させることができる。
被吐出物としては、金属やプラスチックスの板や加工品などが挙げられる。金属としては、鉄、ステンレス、銅や、鉄に亜鉛めっきなどを施したものが挙げられる。また、金属板を凹凸加工した加工品の表面へのスプレーも可能である。
吐出されたシリコーン樹脂混合液は被吐出物表面でのダレがなく、被吐出物が垂直状態であっても付着させることができる。
<シリコーン搬送容器>
図4は、実施形態のシリコーンコーティング装置に付設して用いるシリコーン搬送容器19である。シリコーン搬送容器19は、混合タンクに投入する前の湿気硬化型シリコーン組成物を搬送、保管するための2〜20L程度の容積の容器であり、取扱中における湿気の進入を防止するため、その上蓋部には接続金具が設けられており、図1(2)の除湿器14のAと接続するとともに、図1(1)の混合タンク11のBと接続して、シリコーン搬送容器19から湿気硬化型シリコーン組成物を混合タンク11に移すようにする。
図4は、実施形態のシリコーンコーティング装置に付設して用いるシリコーン搬送容器19である。シリコーン搬送容器19は、混合タンクに投入する前の湿気硬化型シリコーン組成物を搬送、保管するための2〜20L程度の容積の容器であり、取扱中における湿気の進入を防止するため、その上蓋部には接続金具が設けられており、図1(2)の除湿器14のAと接続するとともに、図1(1)の混合タンク11のBと接続して、シリコーン搬送容器19から湿気硬化型シリコーン組成物を混合タンク11に移すようにする。
以下、実施例によって本発明を更に説明する。
<実施例1>
搬送手段である圧縮窒素ガスによって供給した湿気硬化型シリコーン組成物に硬化剤を加えて(質量比100:1の混合比率)、混合タンク中の撹拌羽根によって20分間混合してシリコーン樹脂混合液を作成した。このときの撹拌羽根の回転数を1000rpmとした。
なお、湿気硬化型シリコーン組成物として信越化学製の信越シリコーンKE12を、
硬化剤として信越化学製のCAT−RM(商品名)を用いた。CAT−RMは、キャタリストRMのことで、錫を原料とする硬化触媒である。
<実施例1>
搬送手段である圧縮窒素ガスによって供給した湿気硬化型シリコーン組成物に硬化剤を加えて(質量比100:1の混合比率)、混合タンク中の撹拌羽根によって20分間混合してシリコーン樹脂混合液を作成した。このときの撹拌羽根の回転数を1000rpmとした。
なお、湿気硬化型シリコーン組成物として信越化学製の信越シリコーンKE12を、
硬化剤として信越化学製のCAT−RM(商品名)を用いた。CAT−RMは、キャタリストRMのことで、錫を原料とする硬化触媒である。
次に、スプレーガンに供給されたシリコーン樹脂混合液を、コンプレッサーで加圧した圧縮空気によって、被吐出物として用意したアルミ製の板(縦500×横1000mm、アルミ板の厚みは0.5mm)の表面に、0.4mmの厚みになるようにスプレーした。アルミ板を垂直に設置した状態でシリコーン樹脂混合液を付着させたがシリコーン樹脂混合液のダレはなかった。
この時にスプレーガンに導入される圧縮空気は、水分供給手段17からの水蒸気を混合比調整器18にて加湿し相対湿度90%RHになるように調整した。
吐出されたシリコーン樹脂混合液の温度は、26.8℃であった。
スプレー後、室温で109分間放置して硬化度100%のシリコーンコーティング層を得た。
この時にスプレーガンに導入される圧縮空気は、水分供給手段17からの水蒸気を混合比調整器18にて加湿し相対湿度90%RHになるように調整した。
吐出されたシリコーン樹脂混合液の温度は、26.8℃であった。
スプレー後、室温で109分間放置して硬化度100%のシリコーンコーティング層を得た。
図5に、実施例のシリコーン樹脂混合液をスプレーした後、相対湿度を変えたときに、シリコーンコーティング層が硬化する時間変化を示すグラフである。
図5のグラフ中、(1)は、混合比調整器18の出口において相対湿度90%RHとした圧縮空気を用いて、スプレーガンからシリコーン樹脂混合液をスプレーした場合であり、(2)は、混合比調整器18の出口において加湿せずにレギュレータ16からの圧縮空気のみを用いて、スプレーガンからシリコーン樹脂混合液をスプレーした場合である。
図5から分かるように、混合比調整器18の出口において加湿せずにレギュレータ16からの圧縮空気のみを用いた(2)の場合は、シリコーンコーティング層の硬化度100%に達する時間が217−47=170分であったのに対し、相対湿度90%RHとした圧縮空気を用いた(1)の場合は、硬化度100%に達する時間が109分であった。
なお、混合比調整器18において加湿せずにレギュレータ16からの圧縮空気のみを用いた(2)の場合の圧縮空気の湿度は、圧縮空気生成手段15で7kgf/cm2程度に圧縮した空気をレギュレータ16で2kgf/cm2(スプレーガンでのスプレー圧になる)まで減圧しているので、空気は膨張して相対湿度は7%RH程度であった。よって、上記(2)の場合は相対湿度7%RHと考えられる。このことから、圧縮空気に水分を混合することにより、シリコーンコーティング層の硬化速度が促進されていることが分かる。
なお、このデータを採取したときの大気の状態は以下のとおりであった。
相対湿度:50%RH、温度:24℃、天候:晴れ
また、スプレーガンの吐出温度は26.8℃であった。
なお、ここでいう硬化度100%とは、指触乾燥時間という目安を用いた。すなわち、硬化が進行して指先で軽く触れても、スプレーしたシリコーン樹脂混合液が指先に付着しなくなるまでに要した時間をいう。
図5のグラフ中、(1)は、混合比調整器18の出口において相対湿度90%RHとした圧縮空気を用いて、スプレーガンからシリコーン樹脂混合液をスプレーした場合であり、(2)は、混合比調整器18の出口において加湿せずにレギュレータ16からの圧縮空気のみを用いて、スプレーガンからシリコーン樹脂混合液をスプレーした場合である。
図5から分かるように、混合比調整器18の出口において加湿せずにレギュレータ16からの圧縮空気のみを用いた(2)の場合は、シリコーンコーティング層の硬化度100%に達する時間が217−47=170分であったのに対し、相対湿度90%RHとした圧縮空気を用いた(1)の場合は、硬化度100%に達する時間が109分であった。
なお、混合比調整器18において加湿せずにレギュレータ16からの圧縮空気のみを用いた(2)の場合の圧縮空気の湿度は、圧縮空気生成手段15で7kgf/cm2程度に圧縮した空気をレギュレータ16で2kgf/cm2(スプレーガンでのスプレー圧になる)まで減圧しているので、空気は膨張して相対湿度は7%RH程度であった。よって、上記(2)の場合は相対湿度7%RHと考えられる。このことから、圧縮空気に水分を混合することにより、シリコーンコーティング層の硬化速度が促進されていることが分かる。
なお、このデータを採取したときの大気の状態は以下のとおりであった。
相対湿度:50%RH、温度:24℃、天候:晴れ
また、スプレーガンの吐出温度は26.8℃であった。
なお、ここでいう硬化度100%とは、指触乾燥時間という目安を用いた。すなわち、硬化が進行して指先で軽く触れても、スプレーしたシリコーン樹脂混合液が指先に付着しなくなるまでに要した時間をいう。
<実施例2>
被吐出物として、瓦状の凹凸を形成した屋根材用の亜鉛めっき鋼板を用い、実施例1と同様にして、屋根材の表面にシリコーン樹脂混合液を0.4mm厚みになるようにスプレーした。その後、室温で110分間放置しての硬化度100%のシリコーンコーティング層を形成した。
屋根材の凹凸面においてシリコーン樹脂混合液のダレはなく、シリコーンコーティング層は屋根材の凹凸面に沿って形成されていた。
なお、特殊な接着性を持つ特性を活かして唯一同じシリコーン同士の接着は、剥離懸念を持つ積層を持たずに同じ分子での強い結合を可能とするために、重ね塗りしたとしてもより耐候性の望める厚い一層性を実現できる。
また、伸縮性の異なる物質に対してシリコーンの持つ伸縮追従特性を発揮させる事が可能であることがわかったため、具体的には、ひび割れる構造体に対しては、高い浸透性に高い密着接着性を発揮して強い結合を期待出来ると共に、異なる物質にたいして伸縮にも柔軟に対応するばかりでなく、シリコーンコーティングを行なうことによって低い劣化性を他の物質にたいしても実現できる。
その一つが住宅の屋根にあたる、屋根は雨水や紫外線などの暴露は勿論の事、振動が多く太陽熱による熱膨張が非常に大きい過酷な状況下にあるが20年30年と耐久性を求められる、そのためにシリコーンの持つ非常に強い接着性と耐候性は有効であることとなった。
さらに、屋根裏などへコーティングすることによって、従来は蒸気を扱う企業や、室内プールなど蒸気が発生して結露しやすい屋根裏での腐食が問題であったが撥水性が向上して腐食を防止することが確認できた(図6参照)。
また、耐熱性を評価するため、約800度の火炎を発泡ポリエチレンへ噴射して変化を観測した。その結果、発泡ポリエチレンだけの場合は1秒で熔けたが、シリコーン塗布した屋根材は、5秒で表面がうっすらとコゲたが、シリコーンをめくって確認した結果、下地の発泡ポリエチレンは何も変化がなかった(図7参照)。
被吐出物として、瓦状の凹凸を形成した屋根材用の亜鉛めっき鋼板を用い、実施例1と同様にして、屋根材の表面にシリコーン樹脂混合液を0.4mm厚みになるようにスプレーした。その後、室温で110分間放置しての硬化度100%のシリコーンコーティング層を形成した。
屋根材の凹凸面においてシリコーン樹脂混合液のダレはなく、シリコーンコーティング層は屋根材の凹凸面に沿って形成されていた。
なお、特殊な接着性を持つ特性を活かして唯一同じシリコーン同士の接着は、剥離懸念を持つ積層を持たずに同じ分子での強い結合を可能とするために、重ね塗りしたとしてもより耐候性の望める厚い一層性を実現できる。
また、伸縮性の異なる物質に対してシリコーンの持つ伸縮追従特性を発揮させる事が可能であることがわかったため、具体的には、ひび割れる構造体に対しては、高い浸透性に高い密着接着性を発揮して強い結合を期待出来ると共に、異なる物質にたいして伸縮にも柔軟に対応するばかりでなく、シリコーンコーティングを行なうことによって低い劣化性を他の物質にたいしても実現できる。
その一つが住宅の屋根にあたる、屋根は雨水や紫外線などの暴露は勿論の事、振動が多く太陽熱による熱膨張が非常に大きい過酷な状況下にあるが20年30年と耐久性を求められる、そのためにシリコーンの持つ非常に強い接着性と耐候性は有効であることとなった。
さらに、屋根裏などへコーティングすることによって、従来は蒸気を扱う企業や、室内プールなど蒸気が発生して結露しやすい屋根裏での腐食が問題であったが撥水性が向上して腐食を防止することが確認できた(図6参照)。
また、耐熱性を評価するため、約800度の火炎を発泡ポリエチレンへ噴射して変化を観測した。その結果、発泡ポリエチレンだけの場合は1秒で熔けたが、シリコーン塗布した屋根材は、5秒で表面がうっすらとコゲたが、シリコーンをめくって確認した結果、下地の発泡ポリエチレンは何も変化がなかった(図7参照)。
<実施例3>
被吐出物として鉄容器を用い、実施例1と同様にして、鉄容器の表面にシリコーン樹脂混合液を0.4mm厚みになるようにスプレーした。その後、室温で110分間放置しての硬化度100%のシリコーンコーティング層を形成した。
鉄容器の凹凸面においてシリコーン樹脂混合液のダレはなく、シリコーンコーティング層は鉄容器の凹凸面に沿って形成されていた。そして、このシリコーンコーティング層を形成した鉄容器についての防錆性を評価するため、水中試験を実施した。
その結果、水中テストをするも水分が通じる事なく、サビることはなかった(図8参照)。
また、こちらはコーティングの有無で錆の発生状況を確認できた(図9参照)。
さらに、シリコーンコーティング層を形成した鉄容器の中に圧縮空気を入れ、故意に形成したピンホールからの圧縮空気の漏れをシリコーンコーティング層のふくれによって検出できることが分かった。この試験ではシリコーンコーティング層が破れることは無かった(図10参照)。
被吐出物として鉄容器を用い、実施例1と同様にして、鉄容器の表面にシリコーン樹脂混合液を0.4mm厚みになるようにスプレーした。その後、室温で110分間放置しての硬化度100%のシリコーンコーティング層を形成した。
鉄容器の凹凸面においてシリコーン樹脂混合液のダレはなく、シリコーンコーティング層は鉄容器の凹凸面に沿って形成されていた。そして、このシリコーンコーティング層を形成した鉄容器についての防錆性を評価するため、水中試験を実施した。
その結果、水中テストをするも水分が通じる事なく、サビることはなかった(図8参照)。
また、こちらはコーティングの有無で錆の発生状況を確認できた(図9参照)。
さらに、シリコーンコーティング層を形成した鉄容器の中に圧縮空気を入れ、故意に形成したピンホールからの圧縮空気の漏れをシリコーンコーティング層のふくれによって検出できることが分かった。この試験ではシリコーンコーティング層が破れることは無かった(図10参照)。
<実施例4>
被吐出物として土壌を用い、実施例1と同様にして、土壌の表面にシリコーン樹脂混合液を0.4mm厚みになるようにスプレーした。その後、室温で110分間放置しての硬化度100%のシリコーンコーティング層を形成した。
その結果、脆く崩れやすい土壌であっても、土壌中に浸透することなくシリコーンコーティング層を形成できた(図11参照)。
被吐出物として土壌を用い、実施例1と同様にして、土壌の表面にシリコーン樹脂混合液を0.4mm厚みになるようにスプレーした。その後、室温で110分間放置しての硬化度100%のシリコーンコーティング層を形成した。
その結果、脆く崩れやすい土壌であっても、土壌中に浸透することなくシリコーンコーティング層を形成できた(図11参照)。
本発明は、シリコーン組成物と硬化剤を均質に混ぜ合わせたシリコーン樹脂混合液を用意するとともに、これを水分を含んだ圧縮空気によってスプレーするとともに硬化反応させて、被吐出物表面にシリコーンコーティング層を短時間で形成することができ、湿気硬化型シリコーンのコーティング層を厚く形成でき、厚物のシリコーンコーティング層を製造することができ、屋外における広面積の屋根材などにも適用できる。
また、例えば、発電所等の機器や配管の表面に塗布し、表面保護材などとしても適用できる。
さらに、パイプや機器などの表面に形成することにより、パイプや機器などに穴やひびが発生して、内部から高温高圧の水や蒸気が漏れた場合には、表面に形成したシリコーンコーティング層が風船のように膨らみ、パイプや機器などの損傷が一目瞭然となり、設備保守作業が効率化するなど、産業上の利用可能性が高い。
また、例えば、発電所等の機器や配管の表面に塗布し、表面保護材などとしても適用できる。
さらに、パイプや機器などの表面に形成することにより、パイプや機器などに穴やひびが発生して、内部から高温高圧の水や蒸気が漏れた場合には、表面に形成したシリコーンコーティング層が風船のように膨らみ、パイプや機器などの損傷が一目瞭然となり、設備保守作業が効率化するなど、産業上の利用可能性が高い。
11:混合タンク、
11a:ジョイント弁、
11b:レギュレータ、
11c:撹拌モータ、
11d:撹拌羽根、
11e:排出口、
12:スプレーガン、
12a:トリガー、
12b:圧力ライン、
12c:シリコーン搬送ライン、
13:搬送手段、
14:除湿器、
15:圧縮空気生成手段、
16:レギュレータ、
17:水分供給手段、
17a:ヒーター、
18:混合比調整器、
19:シリコーン搬送容器、
11a:ジョイント弁、
11b:レギュレータ、
11c:撹拌モータ、
11d:撹拌羽根、
11e:排出口、
12:スプレーガン、
12a:トリガー、
12b:圧力ライン、
12c:シリコーン搬送ライン、
13:搬送手段、
14:除湿器、
15:圧縮空気生成手段、
16:レギュレータ、
17:水分供給手段、
17a:ヒーター、
18:混合比調整器、
19:シリコーン搬送容器、
Claims (3)
- 湿気硬化型シリコーン組成物を用いたシリコーンコーティング方法であって、
除湿した混合タンク中で、シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とし、
該シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガンに供給し、
別途水分を含んだ圧縮空気によって、
前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させるとともに、
前記吐出されるシリコーン樹脂混合液を圧縮空気中に含まれた水分と反応させることにより、
被吐出物の表面に吐出されたシリコーン樹脂混合液を硬化させることを特徴とするシリコーンコーティング方法。 - 前記被吐出物が屋根材用の金属板であることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンコーティング方法。
- 湿気硬化型シリコーン組成物を吐出してシリコーンコーティング層を形成する装置であって、
除湿した雰囲気で、シリコーン組成物と硬化剤とを撹拌してシリコーン樹脂混合液とする混合タンクと、
該シリコーン樹脂混合液を圧力媒体によってスプレーガンに供給する搬送手段と、
前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させる圧縮空気を生成する圧縮空気生成手段と、
前記圧縮空気に水分を供給する水分供給手段と、を備え、
前記混合タンクのシリコーン樹脂混合液を、
前記搬送手段によってスプレーガンに供給し、
別途、前記圧縮空気生成手段と前記水分供給手段により生成した水分を含んだ圧縮空気によって、
前記スプレーガンに供給された前記シリコーン樹脂混合液をスプレーガンから吐出させるとともに、
前記吐出されるシリコーン樹脂混合液を圧縮空気中に含まれた水分と反応させることにより、
被吐出物の表面に吐出されたシリコーン樹脂混合液を硬化させてシリコーンコーティング層を形成することを特徴とするシリコーンコーティング装置。
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2014
- 2014-07-14 JP JP2014144099A patent/JP5897657B2/ja active Active
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