JP2005349322A - 吐出装置及び吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吐出された湿気硬化性樹脂材の全体的な硬化速度を向上させることができるようにすること。
【解決手段】 湿気硬化性樹脂材からなるシール材Sをビード状に吐出する第1のノズル13と、この第1のノズル13に組み合わされ、水分供給液Mを吐出する第2のノズル14とを備えて吐出装置10が構成されている。第2のノズル14の吐出口14A側は、第1のノズル13内部に位置するとともに、シール材Sの吐出方向に延びるように設けられ、第1のノズル13から吐出されるシール材Sに水分供給液Mが内包されるようになっている。
【選択図】 図2
【解決手段】 湿気硬化性樹脂材からなるシール材Sをビード状に吐出する第1のノズル13と、この第1のノズル13に組み合わされ、水分供給液Mを吐出する第2のノズル14とを備えて吐出装置10が構成されている。第2のノズル14の吐出口14A側は、第1のノズル13内部に位置するとともに、シール材Sの吐出方向に延びるように設けられ、第1のノズル13から吐出されるシール材Sに水分供給液Mが内包されるようになっている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、湿気硬化性樹脂材の吐出装置及び吐出方法に係り、更に詳しくは、湿気硬化性樹脂材の硬化速度を速めることができる吐出装置及び吐出方法に関する。
従来より、自動車のオイルパン等において、接合面となるフランジにシリコーン樹脂をビード状に塗布し、フランジにおけるシール性を確保する形態が採用されている。このように用いられるシリコーン樹脂としては、加熱硬化性或いは二液混合硬化性のものが利用されている。
ところが、加熱硬化性のシリコーン樹脂を塗布する形態にあっては、樹脂材を硬化するために加熱を行うことが要求され、そのためのエネルギー消費を伴う他、ヒーター等の設備も必要となり経済的な負担が大きくなる。
一方、二液混合硬化性のシリコーン樹脂にあっては、ビニル基と水素基との付加反応によるいわゆる付加型シリコーンが一般的に用いられているが、当該付加型シリコーンは接着性に乏しいため、オイルパンのように現場において塗布する場合には不向きとなる。
また、本出願人は、特許文献1に開示されるように、二液混合硬化性のシリコーン樹脂を提案しているが、当該シリコーン樹脂は、ダイナミックミキサーやスタティックミキサー等の混合塗布機が必要となる。当該混合塗布機を使用した場合、その混合室で樹脂の硬化反応が開始されるので、使用を中断する度に混合室内を清掃する等のメンテナンスが煩雑になる。しかも、スタティックミキサーは使い捨てとなるためコストの高騰化も招来する。
ここで、塗布機のメンテナンスを簡便にするため、例えば、特許文献2,3に開示されるように、二液の樹脂をいわゆる衝突混合させることも考えられるが、この場合、塗布される樹脂の粘度が比較的低いものでなければ混合できなくなる。これに対し、オイルパン等の自動車部品をシールする場合には、初期シール性を発揮させるために樹脂の粘度を高く設定する必要があるため、前記衝突混合では十分に対応することができない。
ところで、オイルパン等において、湿気硬化性のシリコーン樹脂をビード状に塗布する形態も知られている。この湿気硬化性のシリコーン樹脂は、塗布後に、ヒーター等の加熱に依存することなく、空気中の微量な水分や湿気に反応して硬化するようになっている。
また、本出願人は、特許文献1に開示されるように、二液混合硬化性のシリコーン樹脂を提案しているが、当該シリコーン樹脂は、ダイナミックミキサーやスタティックミキサー等の混合塗布機が必要となる。当該混合塗布機を使用した場合、その混合室で樹脂の硬化反応が開始されるので、使用を中断する度に混合室内を清掃する等のメンテナンスが煩雑になる。しかも、スタティックミキサーは使い捨てとなるためコストの高騰化も招来する。
ここで、塗布機のメンテナンスを簡便にするため、例えば、特許文献2,3に開示されるように、二液の樹脂をいわゆる衝突混合させることも考えられるが、この場合、塗布される樹脂の粘度が比較的低いものでなければ混合できなくなる。これに対し、オイルパン等の自動車部品をシールする場合には、初期シール性を発揮させるために樹脂の粘度を高く設定する必要があるため、前記衝突混合では十分に対応することができない。
ところで、オイルパン等において、湿気硬化性のシリコーン樹脂をビード状に塗布する形態も知られている。この湿気硬化性のシリコーン樹脂は、塗布後に、ヒーター等の加熱に依存することなく、空気中の微量な水分や湿気に反応して硬化するようになっている。
しかしながら、前記湿気硬化性のシリコーン樹脂にあっては、空気に触れる表面の硬化速度は速いものの、空気中の水分が樹脂の内部まで浸透し難くなる。このため、表面より内部における硬化速度に時間を要することとなり、樹脂全体としての硬化が不十分な状態になり易いという不都合がある。しかも、湿度に依存して硬化速度が定まるようになり、冬場等の湿度の低い季節には硬化し難くなる等、硬化速度が不安定になるという不都合も招来する。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、吐出される湿気硬化性樹脂材の内部を含む全体的な硬化速度を向上させることができる吐出装置及び吐出方法を提供することにある。
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、吐出される湿気硬化性樹脂材の内部を含む全体的な硬化速度を向上させることができる吐出装置及び吐出方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、湿気硬化性樹脂材をビード状に吐出する第1のノズルと、水分供給液を吐出する第2のノズルとを備えた吐出装置であって、
前記第1及び第2のノズルは、湿気硬化性樹脂材に水分供給液を内包させるように組み合わされる、という構成を採っている。
前記第1及び第2のノズルは、湿気硬化性樹脂材に水分供給液を内包させるように組み合わされる、という構成を採っている。
本発明において、第2のノズルは、湿気硬化性樹脂材の内側に位置して当該樹脂材の吐出方向に延びる、という構成が好ましくは採用される。
また、前記第1及び第2のノズルは、第1のノズル内部の湿気硬化性樹脂材と水分供給液との非接触状態を保つように相対配置される、という構成も採ることができる。
ここで、前記第2のノズルの吐出口は、第1のノズルの吐出口と略同一面上若しくは外側に若干突出する位置に設けるとよい。
ここで、前記第2のノズルの吐出口は、第1のノズルの吐出口と略同一面上若しくは外側に若干突出する位置に設けるとよい。
更に、前記第1及び第2のノズルにおける各吐出口側の中心軸線は、略一致するように設定される、という構成を採ることが好ましい。
また、前記第2のノズルは、第1のノズルに対して複数設けられる、という構成も採用することができる。
更に、前記第1のノズルの吐出口の開口面積は調整可能に設けられる、という構成を採ってもよい。
また、本発明の吐出方法は、ビード状に吐出される湿気硬化性樹脂材に水分供給液を内包させる、という方法を採っている。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「ビード状」とは、連続した線状に吐出されることを意味する。
本発明によれば、水分供給液により、吐出された湿気硬化性樹脂材の内部からも水分を浸透させることが可能となる。これにより、空気中の湿気によって湿気硬化性樹脂材の表面を硬化させると同時に、湿気硬化性樹脂材の内部の硬化も促進され、吐出された湿気硬化性樹脂材全体としての硬化速度を向上させることができる。しかも、湿気硬化性樹脂材の硬化後に水分供給液は略なくなるので取扱性を良好に保つことができる他、水分供給液を用いたので、湿度の影響を少なくして硬化速度を安定させることが可能となる。更に、吐出前の準備段階において、従来の二液混合硬化性のもののように、湿気硬化性樹脂材と水分供給液とを混合させる必要性をなくし、設備の簡略化、製造コストの低廉化を図ることも可能となる。
また、第2のノズルが湿気硬化性樹脂材の内側に位置するので、第1のノズルから吐出される湿気硬化性樹脂材を略管状に形成しつつ、当該管の内部に水分供給液を簡単に位置させることができる。従って、湿気硬化性樹脂材を高粘度に設定しても、当該樹脂材に水分供給液を内包させた状態で難なく吐出させることが可能となる。これにより、湿気硬化性樹脂材をシール材として自動車部品等に吐出でき、当該吐出後におけるシール性を迅速に確保することが可能となる。
更に、第1のノズル内において、湿気硬化性樹脂材と水分供給液とが非接触状態に保たれるので、これらが各ノズルの内側で接触して湿気硬化性樹脂材が硬化することを防止することができる。これにより、樹脂材の吐出を中断した場合、吐出再開時にノズル内の硬化した樹脂材を除去する等の清掃作業を省略でき、メンテナンスの容易化を図ることが可能となる。ここで、第1及び第2のノズルの各吐出口を前述した相対位置とすることにより、簡単な構成により、前記非接触状態を維持することができる。
また、各ノズルの吐出口側の中心軸線が略一致するように設定されているので、吐出方向に直交する方向に湿気硬化性樹脂材を断面視したときに、当該湿気硬化性樹脂材の略中心位置に水分供給液が位置するようになり、水分供給液が内包された状態を安定して維持することが可能となる。
更に、第1のノズルに対して複数の第2のノズルを設けたから、断面積が比較的大きくなった場合でも、湿気硬化性樹脂材の複数箇所に水分供給液を内包して樹脂材内部の硬化促進を図ることができる。
また、第1及び第2のノズルの開口面積を調整可能としたから、湿気硬化性樹脂材と水分供給液との吐出量の比を調整でき、より良い状態で吐出及び硬化を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、「上」及び「下」は、図1を基準として用いられる。
図1には、実施形態に係る吐出装置の一部断面正面図が示されている。この図において、吐出装置10は、図示しないホルダーを介して支持され、当該ホルダーを手に持ったり、所定のロボットに連結することにより移動可能に設けられている。この吐出装置10は、図1中左側に位置するとともに、内部にシール材Sが充填された第1のカートリッジ11と、同図中右側に位置するとともに、内部に水分供給液Mが充填された第2のカートリッジ12と、第1のカートリッジ11の先端側すなわち下端側に設けられた第1のノズル13と、第2のカートリッジ12に接続されるとともに、第1のノズル13の内側に位置する領域を有するように組み合わされた第2のノズル14とを備えて構成されている。
前記第1のカートリッジ11に充填されたシール材Sは、一液常温湿気硬化性樹脂材とされる。当該湿気硬化性樹脂材としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シアノアクリレート等が例示できるが、シール材Sとして用いるにはシリコーン樹脂が好ましく、当該シリコーン樹脂にはシロキサン主鎖のシリコーン以外に変性シリコーンも含まれる。シリコーン樹脂には、少なくとも以下の(a)〜(d)からなる組成物が通常用いられる。
(a)分子末端が水酸基で閉鎖されたオルガノポリシロキサン、分子末端が水酸基で閉鎖されたポリオキシアルキレン、又は、分子末端が水酸基で閉鎖されたポリイソブチレン
(b)アルコキシ基、アセトキシ基、ケトオキシム基などの加水分解性基を有するシラン
(c)スズ、チタンなどの有機金属触媒
(d)無機充填材
また、シール材Sの粘度は、SOD粘度にて約50〜350Pa・s(測定温度:25℃、測定機:メイホー社製、TYPE 25Z6C−2D)に設定されている。
(a)分子末端が水酸基で閉鎖されたオルガノポリシロキサン、分子末端が水酸基で閉鎖されたポリオキシアルキレン、又は、分子末端が水酸基で閉鎖されたポリイソブチレン
(b)アルコキシ基、アセトキシ基、ケトオキシム基などの加水分解性基を有するシラン
(c)スズ、チタンなどの有機金属触媒
(d)無機充填材
また、シール材Sの粘度は、SOD粘度にて約50〜350Pa・s(測定温度:25℃、測定機:メイホー社製、TYPE 25Z6C−2D)に設定されている。
前記第2のカートリッジ12に充填された水分供給液Mは、後述するようにシール材Sに内包された状態を維持できる限りにおいて、特に添加剤等が含まれない水や水道水としてもよいが、好ましくは、回転粘度で約500〜20000mPa・s(測定温度:25℃、BH型回転粘度計 No5ローター使用 20rpm)の粘性を付与したものが用いられる。具体的には、水分供給液Mに前記粘性を持たせる場合、アルギン酸ナトリウム、ヒュームドシリカ、アルギン酸塩、ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体、キサンタンガム等が水に添加される。
前記第1のカートリッジ11の内部には、皿状のプランジャ16が移動可能に配設されている。第1のカートリッジ11の下端側には、内側に通路17Aを有する雄ねじ部17が設けられている。また、第1のカートリッジ11の上端側には、カートリッジキャップ18を介してエアシリンダ19が取り付けられている。
前記エアシリンダ19は、圧搾空気で駆動され、その上部には、エアを供給するエア供給口19Aが設けられている。エアシリンダ19には、エア供給手段21からエア供給口19Aを介して高圧エアが供給される。また、エアシリンダ19の下端にはエアシリンダ19内に供給された高圧エアによって伸長可能なピストンロッド22が設けられており、このピストンロッド22の下端に、前記プランジャ16と嵌合するピストン23が固定されている。
前記第2のカートリッジ12は、第1のカートリッジ11とサイズが異なる以外は、略同様の構造が採用されており、その上端側には、前記エアシリンダ19と略同様の構造をなすエアシリンダが取り付けられている。従って、第2のカートリッジ12の各構成及びこれに取り付けられたエアシリンダについては、同一符号を用いて説明を省略する。なお、エア供給手段21は、相互に独立して各エアシリンダ19,19に高圧ガスをそれぞれ供給可能とされ、当該高圧ガスの圧力及び供給タイミングを図示しない制御部を介して調整できるようになっている。
前記第1のノズル13は、図2に示されるように、中空形状をなし、第1のカートリッジ11の通路17Aを通過したシール材Sを下方向に向かって吐出可能に設けられている。第1のノズル13は、前記雄ねじ部17に螺合する第1の雌ねじ部25と、この第1の雌ねじ部25の下側に段部26を介して連設されるとともに、略反転円錐台状の外観形状を呈するノズル本体27と、このノズル本体27の先端側(下端側)に連設されて下方に向けられた第2の雌ねじ部29と、この第2の雌ねじ部29に螺合する雄ねじ部30Aを備えたアダプタ30と、ノズル本体27の下部領域に連設され、当該ノズル本体27の径方向(同図中右方向)に沿って突出する第3の雌ねじ部31とを備えている。アダプタ30の下端からシール材Sが吐出され、当該下端が第1のノズル13の吐出口13Aとされる。また、第3の雌ねじ部31は、管用テーパねじ構造が採用され、その内径がノズル本体27側に向かって次第に縮径するようになっている。
前記第2のノズル14は、正面視略横向きL字状をなす管状に形成され、第2のカートリッジ12内の水分供給液Mを下方向に沿って吐出可能に設けられている。具体的には、第2のノズル14は、アダプタ30及びノズル本体27内に挿入されるとともに、シール材Sの吐出方向すなわち上下方向に延びる鉛直部33と、この鉛直部33の上端側に連なって前記第3の雌ねじ部31側に向けられた湾曲部34と、この湾曲部34に連なって第3の雌ねじ部31内に延びる段付き円筒状の横行部35とを備えている。鉛直部33の下端から水分供給液Mが吐出され、当該下端が第2のノズル14の吐出口14Aとされる。
ここで、第1及び第2のノズル13,14において、「吐出口側」とは、それらの吐出口13A,14Aから吐出方向と反対方向に向かって略直線状に延びる一定領域を意味するものであり、本実施形態では、図2中符号Zで示される領域を各ノズル13,14の吐出口側とする。
図3に示されるように、第2のノズル14の吐出口14A側の中心軸線C2は、第1のノズル13の吐出口13A側の中心軸線C1と略一致するように設定され、これにより、第1のノズル13内のシール材Sの内側に第2のノズルの鉛直部33が埋め込まれるように配置される。第2のノズル14の吐出口14Aの位置は、第1のノズル13の吐出口13Aと略同一面上若しくは外側(下側)に若干突出する位置に設定するとよく、本実施形態では、第1のノズル13の吐出口13Aからの突出量Pが約0.5mmに設定されている。
前記横行部35は、前記第3の雌ねじ部31に螺合する連結用雄ねじ部材37の内側に挿入されて支持され、当該連結用雄ねじ部材37は、第3の雌ねじ部31との密閉性を保ちつつ第2のノズル14の位置決めを行うようになっている。また、横行部35の図1中右側領域は、第2のカートリッジ12の雄ねじ部17に螺合するL字状管38に挿入されるとともに、L字状管38の左端側に設けられたねじ部材39を介して支持されている。なお、L字状管38とねじ部材39とのねじ構造は、前記第3の雌ねじ部31と連結用雄ねじ部材37とのねじ構造と略同一構造が採用される。
ここで、特に限定されるものでないが、本実施形態では、図4(A)に示されるように、第1のノズル13の吐出口13Aの径寸法D1が約5mm、第2のノズル14の吐出口14Aの径寸法D2が約1mm、鉛直部33の外径寸法D3が約1.3mmに設定されている。なお、第1のノズル13のアダプタ30は、第2の雌ねじ部29に対し、ねじ構造を介して着脱自在とされ、第2のノズル14も、第1のノズル13に対し、連結用雄ねじ部材37を介して着脱自在とされるので、前記径寸法D1が異なる複数のアダプタ30や前記径寸法D2,D3が異なる複数の第2のノズル14を準備することで、前記各径寸法D1〜D3及び吐出口13A,14Aの開口面積を調整することができる。例えば、前記径寸法D1が約3.0mm〜5.0mm、前記径寸法D2が約0.5mm〜2.0mm、前記径寸法D3が約0.8mm〜2.5mmの範囲に設定することが好ましい。
次に、前記シール材Sによるシール工程について説明する。
ここでは、図5に示されるようなワークとしてのオイルパンWのフランジ面(接合面)W1をシールする一方、各ノズル13,14の先端(下端)までシール材S及び水分供給液Mが充填されているものとする。この状態において、先ず、各ノズル13,14がフランジ面W1の上方に位置するように図示しないロボット等を介して吐出装置10を移動する。その後、各カートリッジ11,12に接続されたエアシリンダ19,19(図1参照)に、エア供給手段21より高圧エアを略同時に供給し、各カートリッジ11,12内のプランジャ16をピストン23により押し下げる。これにより、シール材S及び水分供給液Mに吐出圧が付与され、第1のノズル13からシール材Sがビード状に吐出されるとともに、第2のノズル14から水分供給液Mが吐出される。この際、第1のノズル13内に第2のノズル14の先端側が位置するように組み合わされているので、図4(B)に示されるように、シール材Sを吐出方向に略直交する方向に断面視したときに、シール材Sが略管状に形成され、その内部空間に水分供給液Mが位置することとなる。換言すれば、前記断面視した状態で、シール材Sの略中心に水分供給液Mが内包された状態となり、この状態のままフランジ面W1に吐出されることとなる(図6(A)参照)。また、図3に示されるように、第2のノズル14の吐出口14Aが第1のノズル13の吐出口13Aより若干突出しているので、第1のノズル13の内部において、シール材Sと水分供給液Mとが非接触となる状態に保たれ、シール材Sが吐出口13Aから吐出された後で水分供給液Mを内包する。
このように吐出を行いながら、フランジ面W1の平面形状に沿って吐出装置10を移動し、図5に示されるように、エア供給手段21を所定制御してシール材Sの始端側と終端側とを相互に重なるように吐出を停止する。これにより、シール材Sが平面視閉ループ状に形成され、且つ、管状をなすシール材Sの始端側及び終端側の開口部分が相互に塞ぎ合うようになる。
次いで、図6(B)に示されるように、前記フランジ面W1をエンジン等の接合面Fに接近させ、シール材Sを押し潰して略膜状に形成する。このとき、水分供給液Mは、膜状をなすシール材Sの厚み方向中間部に、当該厚みに対して細かい粒状若しくは薄い膜状となって散在し、シール材Sに馴染むように浸透することとなる。そして、この状態で、所定時間放置することにより、シール材Sは、その表面側では空気中の水分と反応し、且つ、内部では水分供給液Mと反応してシール材Sが全体的に硬化し、フランジ面W1及び接合面Fに接着しつつ、これらの間をシールすることとなる。
ここで、シール材S及び水分供給液Mを吐出するにあたって、それらの単位時間当たりの吐出重量比は、エア供給手段21を介して調整可能とされる。具体的には、前記吐出重量比はシール材S:水分供給液M=10:1〜30:1に設定される。この範囲に吐出重量比を設定しないと、前述のようにシール材Sを押し潰したときに、水分供給液Mがシール材Sの外部に溢れたり、シール材Sの内部に水分供給液Mが大きな粒状若しくは膜状に残存し、硬化反応終了後に水分供給液Mが位置した部分が中空状となり易くなる。
なお、前記シール工程において、前記吐出重量比を15:1とし、シール材Sとしてスリーボンド1217H(SOD粘度300Pa・s、株式会社スリーボンド製)、水分供給液Mとしてアルギン酸ナトリウムで増粘した水(回転粘度1000mPa・s)を用いたところ、前述のようにシール材Sに水分供給液Mが内包された状態で吐出を行うことができ、フランジ面W1及び接合面Fの間でシール材Sを略膜状として全体的に硬化を行うことができた。
従って、このような実施形態によれば、略管状に吐出されるシール材Sの内部に水分供給液Mが吐出されるので、シール材Sの吐出後に、空気中の水分が浸透し難いシール材Sの内部で硬化反応を促進させることができる。これにより、前記フランジ面W1及び接合面Fを接近させた後、シール材Sの硬化が完了する迄の放置時間を短縮させることができ、ひいては、シール工程時間全体の短縮化を図ることが可能となる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、湿気硬化性樹脂材をシール材Sとたが、これに限られず、例えば、接着材等の他の用途にも利用できる。
また、前記第2のノズル14の設置数は変更することができ、例えば、一つの第1のノズル13に対し、当該第1のノズル13の周方向及び又は径方向に沿って複数の第2のノズル14を設ける構成としてもよい。これによれば、シール材Sを断面視したときに、その内部に水分供給液Mを複数箇所に配置でき、シール材Sの硬化をより良好に促進させることが可能となる。
更に、前記第1のノズル13の形状及び構造は、種々の設計変更が可能であり、例えば、ノズル本体27を略円筒状に形成したり、アダプタ30をノズル本体27と一体に形成し、所定の絞り構造等により吐出口13Aの開口面積を調整可能としてもよい。
また、前記各ノズル13,14において、雄ねじ部及び雌ねじ部により異なる二つの部材を着脱可能に連結したが、これに代えて、凸部及びこれを受容する凹部等からなる嵌合構造により連結する等、前記実施形態と同様の機能及び作用を奏する限りにおいて設計変更してもよい。
更に、前記実施形態では、平面視で閉ループ状にシール材Sを吐出したが、シール材Sの始端側及び終端側が重ならないように、略湾曲線若しくは略直線方向に沿ってシール材Sを吐出してもよい。この場合、管状をなすシール材Sの始端側及び終端側から水分供給液Mが流出しないようにするため、水分供給液Mの回転粘度を前述した範囲内で高めに設定したり、シール材Sの始端側及び終端側で各ノズル13,14の吐出口13A,14Aをフランジ面W1に接近させて管状のシール材Sを押し潰すようにしたり、シール材Sの吐出開始後、若干のタイムラグを経た後で水分供給液Mを吐出してシール材Sの始端側を閉塞するようにすることが考えられる。
また、第2のノズル14から水分供給液Mを間欠的に吐出させ、シール材Sの延出方向に対して水分供給液Mが断続的に位置するように吐出を行ってもよい。
本発明は、主として、自動車部品等の組み立てラインにおいて利用される。
10 吐出装置
13 第1のノズル
14 第2のノズル
S シール材(湿気硬化性樹脂材)
M 水分供給液
13 第1のノズル
14 第2のノズル
S シール材(湿気硬化性樹脂材)
M 水分供給液
Claims (8)
- 湿気硬化性樹脂材をビード状に吐出する第1のノズルと、水分供給液を吐出する第2のノズルとを備えた吐出装置であって、
前記第1及び第2のノズルは、湿気硬化性樹脂材に水分供給液を内包させるように組み合わされていることを特徴とする吐出装置。 - 前記第2のノズルは、湿気硬化性樹脂材の内側に位置して当該樹脂材の吐出方向に延びることを特徴とする請求項1記載の吐出装置。
- 前記第1及び第2のノズルは、第1のノズル内部の湿気硬化性樹脂材と水分供給液との非接触状態を保つように相対配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の吐出装置。
- 前記第2のノズルの吐出口は、第1のノズルの吐出口と略同一面上若しくは外側に若干突出する位置に設けられていることを特徴とする請求項3記載の吐出装置。
- 前記第1及び第2のノズルにおける各吐出口側の中心軸線は、略一致するように設定されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の吐出装置。
- 前記第2のノズルは、第1のノズルに対して複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の吐出装置。
- 前記第1及び第2のノズルの吐出口の開口面積は調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の吐出装置。
- ビード状に吐出される湿気硬化性樹脂材に水分供給液を内包させることを特徴とする吐出方法。
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JP2004173652A JP2005349322A (ja) | 2004-06-11 | 2004-06-11 | 吐出装置及び吐出方法 |
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JP2016019940A (ja) * | 2014-07-14 | 2016-02-04 | 丸大鐵工株式会社 | シリコーンコーティング方法及びシリコーンコーティング装置 |
JP2020011237A (ja) * | 2013-08-12 | 2020-01-23 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | 高粘度シール材料塗布システム |
JP2020019202A (ja) * | 2018-07-31 | 2020-02-06 | 株式会社リコー | 液体を吐出する装置及び2次元又は3次元の像形成方法 |
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2004
- 2004-06-11 JP JP2004173652A patent/JP2005349322A/ja not_active Withdrawn
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