JP2016018909A - 変圧器 - Google Patents
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Abstract
Description
油入変圧器タンクは、側壁を形成する放熱フィン702の上端を上部フランジ部材703のフランジ703aに、そして、下端を底板704に、それぞれ溶接により接合している。
フランジ703aは、長辺部801と短辺部802と、これらを接続するコーナー部803とからなる。
図7に示す油入変圧器タンクは、図9に示すように、上部フランジ部材703のフランジ703aとカバー902とを、カバー902、パッキン903、そして、フランジ703aに形成したカバー締付ボルト孔にカバー締付ボルト901を挿通し、カバー締付ナット905により締付固定を行うことで密封構造としている。
また、特開2000−18727号公報(特許文献2)には、フランジ部に続く胴部のコーナー部が円弧状曲面に形成された熱交換器の缶体において、直線状の部材を曲成した補強板を、円弧状のフランジコーナー部に沿わせることで、フランジ部を補強することが記載されている。
また、特許文献2に記載された技術は、熱交換器の缶体に関するもので、別体の補強板を必要とし、この補強板自体は、フランジ部の密封性に何ら関与しない。
そこで本発明では、大容量変圧器向けのタンク等、上部フランジ部材の厚さ・曲げ寸法が大きい場合でも、コーナー部を分離することなく、上部フランジ部材の曲げ加工を容易にするとともに、加工後にフランジの平坦度を維持し、カバーとの密封性を向上することを目的とする。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、上部フランジ部材におけるフランジのコーナー部に、カバー締付部から外側方向に向かい、曲げ加工時に曲げ剛性を低減する拡開部を形成した。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の実施例1における上部フランジ部材101のコーナー部を示しており、上段が曲げ加工前の状態、下段が曲げ加工後の状態である。なお、左側はそれぞれの側面図である。
上部フランジ部材101のフランジ101aには、所定の間隔でカバー締付ボルト孔102が形成されている。特に、コーナー部に相当する範囲には、カバー締付ボルト孔102から、曲げ加工時、タンク外側方向に向けて拡開し、曲げ剛性を低減する切込み103が形成されている。
曲げ加工時に切込み103が拡開することで、上部フランジ部材101のコーナー部を低い曲げ応力で、しかも、フランジの平坦性を維持して精度よく加工することが可能となる。また、コーナー部を長辺部と短辺部と分離することなく、一体的に曲げ加工を行うことが可能となるので、これらの接合面を溶接する必要がなく、溶接時の熱応力に伴う歪みの発生を防止することが可能となる。
なお、図1に示すように、コーナー部に対応する部分では、カバー締付ボルト孔102の間隔を狭め、切込み103を増やすことにより、上部フランジ部材101が肉厚の場合でも、低い曲げ応力で曲げ加工が可能となり、しかも、カバーを短い間隔でカバー締付ボルトでフランジ101aに締付固定することで、密封性をより確実に確保することが可能となる。
図2は、本発明の実施例2における上部フランジ部材201のコーナー部を示しており、そのフランジ201aは、カバー締付ボルト孔202を有し、またコーナー部に相当する箇所では、カバー締付ボルト孔202の間に、カバー締付ボルト締付け位置からタンク外側方向へ向けて、切込み203が形成されている。曲げ加工時に切込み203が拡開することで、上部フランジ部材201を低い曲げ応力で加工することが可能となる。
上部フランジ部材201のフランジ201a上にパッキンを介してカバーを取り付け、カバー締付ボルト孔203を使用してカバー締付ボルトでカバーを締付けることで、変圧器タンクを密封する。切込み203は、カバー締付ボルト周辺のカバー締付部より外側方向に位置し、タンクの気密性に影響を及ぼさない範囲に設定されている。
図3は、本発明の実施例3における上部フランジ部材301のコーナー部を示しており、そのフランジ301aの直線部には、カバー締付ボルト孔302が形成されている。一方、コーナー部に相当する箇所には、カバー締付ボルトを挿入できる、窪み303aを備えた切欠き303が形成されている。切欠き303は曲げ加工時に拡開し、実質的に曲がる鋼材の幅は、切欠き303により直線部に比べ狭くなるため、上部フランジ部材301を低い曲げ応力で、しかも、平坦性を維持しながら曲げ加工することが可能となる。
フランジ301a上にパッキンを介してカバーを取り付け、切欠き303の窪み303aを使用してカバー締付ボルトでカバーを締付けることで変圧器タンクを密封する。切欠き303は、窪み303aを含め、カバー締付ボルト周辺のカバー締付部より外側方向に位置し、タンクの気密性に影響を及ぼさない範囲に設定されている。
図4は、本発明の実施例4における上部フランジ部材401のコーナー部を示しておりそのフランジ401aには、カバー締付ボルト孔402が形成されている。コーナー部に相当する箇所には、カバー締付ボルト孔を長孔405として、この長孔405からタンク外側方向に向けて切込み403を形成している。切込み403は、曲げ加工時に拡開し、上部フランジ401部材を低い曲げ応力で加工することが可能となる。
フランジ401aの上にパッキンを介してカバーを取り付け、カバー締付ボルト用の長孔405を使用してカバー締付ボルトを挿通し、カバー締付ナットを使用してカバーを締付けることで、変圧器タンクを密封する。切込み403はカバー締付ボルト周辺のカバー締付部より外側方向に位置し、タンクの気密性に影響を及ぼさない範囲に設定されている。長孔405を設けることにより、締付ボルト挿通時、カバー側のカバー締付ボルト孔に対する位置調整が容易になり、作業性向上を図ることができる。
図5は、本発明の実施例5における上部フランジ部材501のコーナー部を示しており、そのフランジ501aには、カバー締付ボルト孔502が形成されている。コーナー部に相当する箇所には、カバー締付ボルト孔を兼ねた切欠き503がタンク外方に向けて形成されている。曲げ加工時に切欠き503が拡開することで、上部フランジ部材501を低い曲げ応力で加工することが可能となる。
上部フランジ部材501のフランジ上にパッキンを介してカバーを取り付け、カバー締付ボルト孔を兼ねた切欠き503を使用して、カバー締付ボルトでカバーを締付けることで変圧器タンクを密封する。切欠き503は、カバー締付ボルト周辺のカバー締付部より外側方向に位置し、タンクの気密性に影響を及ぼさない範囲に設定されている。
図6は、本発明の実施例6における上部フランジ部材601のコーナー部を示しており、そのフランジ601aには、カバー締付ボルト孔602が形成されている。コーナー部に相当する箇所には、その中央部に、カバー締付ボルト周辺のカバー締付部よりタンク外側方向に向けて、幅広の切欠き603が形成されている。曲げ加工時に切欠き603が拡開することで、上部フランジ部材601を低い曲げ応力で加工することが可能となる。
フランジ601a上にパッキンを介してカバーを取り付け、カバー締付ボルト孔602を使用してカバー締付ボルトでカバーを締付けることで変圧器タンクを密封する。切欠き603は、カバー締付ボルト周辺のカバー締付部上より外側方向に位置し、タンクの気密性に影響を及ぼさない範囲に設定されている。
102,202,302,402,502,602・・・カバー締付ボルト孔
103,203,403・・・切込み
303,503,603・・・切欠き
901・・・カバー締付ボルト
902・・・カバー
903・・・パッキン
904・・・フランジ
905・・・カバー締付ナット
Claims (7)
- 上部フランジ部材のフランジと、これを覆うカバーとの間にパッキンを介装し、カバー締付部により、前記上部フランジ部材と前記カバーとを密封する油入変圧器において、
前記フランジのコーナー部に、前記カバー締付部から外側方向へ向かい、曲げ加工時に曲げ剛性を低減する拡開部を形成したことを特徴とする油入変圧器。 - 前記コーナー部に開設するカバー締付ボルト孔から外側方向へ向かう切り込みを形成し、前記拡開部としたことを特徴とする請求項1に記載された油入変圧器。
- 前記コーナー部に開設するカバー締付ボルト孔間に、カバー締付部の延長線上から外側方向へ向かう切り込みを形成し、前記拡開部としたことを特徴とする請求項1に記載された油入変圧器。
- 前記コーナー部に、カバー締付ボルト孔として使用する窪みを備えるとともに、前記カバー締付部から外側方向へ向かう切欠きを形成し、前記拡開部としたことを特徴とする請求項1に記載された油入変圧器。
- 前記コーナー部にカバー締付ボルト用の長孔を開設し、該長孔から外側方向に向けて切込みを形成し、前記拡開部としたことを特徴とする請求項1に記載された油入変圧器。
- 前記コーナー部に、カバー締付ボルト孔を兼ね備えた切欠きを複数個形成し、前記拡開部としたことを特徴とする請求項1に記載された油入変圧器。
- 前記コーナー部の中央部に形成したカバー締付ボルト孔間に、前記カバー締付部から外側方向へ向けて幅広の切欠きを形成し、前記拡開部としたことを特徴とする請求項1に記載された油入変圧器。
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