JP2016018167A - 電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一な画像濃度が得られる電子写真装置を提供する。【解決手段】円筒状の感光体と、感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電により発生する放電生成物を排気する排気手段と、感光体の表面に露光光を照射して感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、感光体を加熱する加熱手段と、感光体の両端の端面に接触するように装着され、感光体を回転させる駆動力を伝達するフランジと、を有する電子写真装置である。感光体の、一方の端面の算術平均粗さがRa1[μm]であり、他方の端面の算術平均粗さがRa2[μm](ただし、Ra1>Ra2)であり、排気手段によって発生するエアフローの風量が多くなる側に、感光体の算術平均粗さがRa1[μm]である端面が配置される。【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真装置に関する。
電子写真装置は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターとして広く利用されている。また、電子写真装置に使用される感光体として、アモルファスシリコンで形成された光導電層(感光層)を有する感光体(アモルファスシリコン感光体)がよく知られている。
電子写真装置では、帯電器によって感光体を一様に帯電させるために、帯電方式としてコロナ放電を利用する場合が多い。しかし、このコロナ放電によって放電生成物、例えば、酸素イオン、オゾン、窒素酸化物や各種ラジカルが生成される。そして、これらの放電生成物は、高濃度で電子写真装置内に滞留すると、感光体の表面を変質させてしまい、画像形成に悪影響をおよぼしてしまう場合がある。
特許文献1には、排気ファンなどの吸引手段を用いて電子写真装置内にエアフローを発生させ、感光体の表面の放電生成物を除去する方法が開示されている。
また、アモルファスシリコン感光体を用いた電子写真装置において、感光体の表面温度ムラに起因する感光体の表面電位ムラの影響で、画像濃度ムラが発生してしまう場合がある。
特許文献2には、感光体の内部に複数の加熱手段を軸線方向に分配配置し、さらに感光体の表面に複数の温度検知手段を軸線方向に分配配置し、温度検知手段からの信号により、夫々の加熱手段を個別に制御し、感光体の表面温度を均一にする方法が開示されている。
特開平11−161120号公報 特公平4−55311号公報
昨今のカラー用電子写真装置では、文字原稿のみならず、写真、絵、デザイン画のコピーも頻繁に成される。そのため、形成画像の濃度ムラは視覚的に判別しやすくなり、従来以上の均一性が求められる。
特許文献1によれば、画像形成時における感光体の表面の放電生成物を除去し、良好な画像形成を行うことが可能となったが、カラー用電子写真装置においては、いままでの白黒画像では問題とならなかった僅かな画像濃度ムラの改善が必要となってきている。
特許文献2によれば、感光体の表面温度ムラを抑制することで、ある程度の画像濃度ムラの改善が可能となったが、加熱手段や温度検知手段が複数となることで、それらに係るコストが高くなってしまう問題も生じてしまう。
そこで本発明は、画像濃度ムラを抑制し、より一層の均一性が得られた画像形成が可能な電子写真装置を安価に提供することを目的とする。
本発明によれば、
円筒状の感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電により発生する放電生成物を排気する排気手段と、
前記感光体の表面に露光光を照射して前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
前記感光体を加熱する加熱手段と、
前記感光体の両端の端面に接触するように装着され、前記感光体を回転させる駆動力を伝達するフランジと、
を有する電子写真装置であって、
前記感光体の、一方の端面の算術平均粗さがRa1[μm]であり、他方の端面の算術平均粗さがRa2[μm](ただし、Ra1>Ra2)であり、
前記排気手段によって発生するエアフローの風量が多くなる側に、前記感光体の算術平均粗さがRa1[μm]である端面が配置されることを特徴とする電子写真装置が提供される。
なお、本発明でいう算術平均粗さは、JIS B0601で示される算術平均粗さ(Ra)とする。
本発明によれば、電子写真装置内にエアフローを発生させる構成の電子写真装置において、感光体の表面温度の変化を抑制し、より均一な画像濃度が得られる電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明の電子写真装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る感光体の作製時に用いられる基体ホルダの一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る感光体の作製時に用いられるプラズマCVDによる堆積膜形成装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る感光体の層構成の断面図である。
本発明の電子写真装置は、上述したように、静電潜像を形成する際に発生するオゾン生成物を除去するために、電子写真装置内にエアフローを発生させる電子写真装置である。
そして、本発明の電子写真装置に用いられる感光体(以下「本発明に係る感光体」ともいう。)は、一方の端面の算術平均粗さがRa1[μm]であり、他方の端面の算術平均粗さがRa2[μm](ただし、Ra1>Ra2)であり、感光体の両端には、感光体のフランジが感光体の端面に接触するように装着され、かつ、
電子写真装置内のエアフローの風量が多くなる側に、感光体の算術平均粗さがRa1[μm]である端面が配置されることを特徴としている。
上記構成によって画像濃度ムラを抑制することができる理由について、本発明者らは以下のように考えている。
画像濃度ムラが発生する原因の1つに、画像形成(画像出力)時における感光体の表面電位ムラが挙げられる。
上記の従来技術の電子写真装置は、帯電による放電で発生した放電生成物を排気ファンなどによって電子写真装置内から排気するため、電子写真装置内には排気ファンに向かいエアフローが発生する。このエアフローの影響により、感光体の表面は熱を奪われてしまう。このため、排気ファンと感光体との位置関係により、感光体の表面温度にムラが生じてしまう場合があった。エアフローの風量は、排気ファンの近傍で最も大きくなるため、排気ファン近傍の感光体の表面はより多くの熱量を奪われることとなる。そのため、感光体の表面温度は、ヒーターによって表面温度を制御している場合においても、僅かな温度分布が生じてしまうことが分かった。
感光体の表面に温度分布が生じると、画像形成領域において電子写真特性の均一性が損なわれてしまう場合がある。
これは、アモルファスシリコン感光体の表面温度を変化させた際の表面電位の変化率[V/℃]で表される温度特性に起因するものである。
本発明者らは、画像濃度ムラの原因として、電子写真装置の排気ファンによる装置内のエアフローの影響で、画像形成時に感光体の表面の電位ムラが生じることが要因の1つであることを見出した。
そこで、本発明者らは、一方の端面と他方の端面とで、表面粗さが異なる感光体を用い、表面粗さが大きい方の端面を排気ファン近傍に設置した。この構成により、排気ファンに近接する側の感光体の表面の熱の逃げを減少させ、排気ファンの影響による感光体の表面の温度分布を抑制することが可能であることを見出し、本発明に至った。
<本発明の電子写真装置>
図1は、本発明の電子写真装置の一例を示した模式図である。
一次帯電器102は感光体101に静電潜像を形成する前に帯電を行う。現像器103は静電潜像の形成された感光体101に現像材であるトナー104を供給する。転写帯電器105は感光体の表面のトナー104を転写材106に移行させる。分離帯電器107は、転写材106の静電吸着力を低下させ,転写材106を感光体から分離する。
クリーニング装置108は感光体の表面のクリーニングを行う。本例では感光体の表面の均一な清浄化を有効に行うため、マグネットローラー109とクリーニングブレード110を用いて感光体の表面のクリーニングを行っているが、いずれか一方のみでも差しつかえない。
除電ランプ111は、次回の複写動作にそなえて感光体の表面の除電を行う。送りローラー112は紙などの転写材106を送り、搬送ローラー113は画像形成終了後の転写材106を搬送する。感光体101の表面に照射される露光光114としては、ハロゲン光源又は単一波長を主とする光源からの光が使用される。
加熱手段(ヒーター)115は、感光体を加熱し、感光体の温度を一定に保持する。
排気ファン116は一次帯電により発生した放電生成物(たとえばオゾン)を電子写真装置の外へ排気する。
図2は、図1に示した電子写真装置の軸方向の断面の模式図である。
一次帯電器202の帯電により発生した放電生成物は、排気ファン216の作動で発生するエアフロー(図中の矢印で示す)により電子写真装置の外に排気される。エアフローの風量は、排気ファン216の近傍ほど大きくなるため、感光体201の表面から奪われる熱の量は排気ファン216に近いほど大きくなる。
感光体201の両端は、フランジ206、207で固定されている。フランジ206、207は、感光体201を回転させる駆動力を伝達する機能を有しており、フランジ206、207の両方又は一方は回転を伝えるギア形状になっている。
フランジ206、207は、感光体201の端面に接触するように固定されている。加熱手段205により加熱された感光体201から、フランジ206、207を介して、熱の逃げが発生する。
本発明に係る感光体201は、図2の拡大図に示すように、排気ファン216近傍の端面(図中の丸囲みB内の端面)の算術平均粗さRa1[μm]が他方の端面(図中の丸囲みA内の端面)の算術平均粗さRa2[μm]より大きい。すなわち、感光体201の端面とフランジ206との接触面積は、感光体201の端面とフランジ207との接触面積よりも小さくなる。そのため、感光体201からフランジ206への熱の逃げ量は、感光体201からフランジ207への熱の逃げ量よりも少なくなる。
したがって、排気ファンによるエアフローの影響で発生する熱の逃げ量と、フランジからの熱の逃げ量とを相殺し、感光体の軸方向の熱の逃げ量の差を減少させることができる。
このため、画像形成のプロセス中においては、感光体の表面の温度ムラが小さくなり、より均一な画像形成が可能になる。
フランジ206、207の材質としては、アルミ、鉄などの金属系の合金、樹脂材料、その他の材料を適宜選択することができる。樹脂材料としては、ポリアセタール(polyacetal)樹脂、ポリカーボネイト(polycarbonate)樹脂、ポリアミド(polyamide)樹脂、および、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)樹脂などを適宜選択することができる。特に、熱伝導性の観点から、アルミ、鉄などの金属系の合金の場合、本発明の効果は大きくなる。
<本発明の感光体>
次に、本発明で用いる感光体について説明する。
<端面の粗さ>
本発明における感光体の端面は、一方の端面(エアフローの風量が多くなる側)の算術平均粗さがRa1[μm]であり、他方の端面の算術平均粗さがRa2[μm](ただし、Ra1>Ra2)である。
さらには、Ra1≧1.0でかつ、Ra2≦0.5であることが好ましい。
この条件を満たすことで、加熱手段で加熱された感光体がフランジから奪われる熱の量と、エアフローによる熱の逃げ量のバランスが取れ、感光体の軸方向での温度差をより小さくすることができる。
算術平均粗さRa1が1.0μm以上でかつ算術平均粗さRa2が0.5μm以下であれば、本発明の効果が得られる。さらに、算術平均粗さRa1を3.0μm以下、算術平均粗さRa2を0.1μm以上とすることで、加工に要する手間と時間を削減でき、加工に掛かるコストを抑えることができる。
そのため、3.0≧Ra1≧1.0でかつ、0.1≦Ra2≦0.5であることが好ましい。
なお、本発明における感光体の端面の粗さとは、前述の電子写真装置における図2のフランジ206および207が装着された状態での粗さである。
<端面の粗さ加工方法>
端面の加工方法としては、加工条件の変更で、任意の表面粗さに仕上げることが可能ならばいずれの方法でも良く、たとえば切削加工、研磨加工、圧縮加工などが挙げられる。
端面の加工は、感光体の形成後に行ってもよく、また、上述の堆積膜形成前の円筒状基体の状態で加工をおこなってもよい。
切削加工の場合、切削バイトの種類、送り速度などにより、任意の表面粗さに加工することができる。研磨加工の場合、研磨部材(たとえば、サンドペーパー、研磨シート、研磨スポンジなど)の番手、研磨材料の種類や粒系により任意の表面粗さに加工することができる。圧縮加工の場合、端面に圧力をかけて表面を平滑に加工することもできる。
このような、金属の圧縮による表面性の変化を利用した加工方法は、次に示す円筒状基体の保持部材を用いても可能である。その具体例を次に示す。
図3は、堆積膜形成前の円筒状基体の保持部を示している。図3に示す基体ホルダは、補助ホルダ(キャップ)313A,ホルダ本体313Bで構成されている。ホルダ本体313Bは、補助ホルダ313Aが挿入される軸位置で外径が細くなっている。補助ホルダ313Aの内面にはネジ334を受けるネジ受け部335が設けられている。ネジ受け部335には、ネジ334のネジ部が貫通する穴が形成され、ホルダ本体313Bには、ネジ334が入るネジ穴が加工されている。
まず、ホルダ本体313Bに円筒状基体301と補助ホルダ313Aを順に挿入する。この時、円筒状基体301の一方の端部をホルダ本体313Bが受け、他方を補助ホルダ313Aで受けている状態となる。次いで、ネジ334をホルダ本体313に締め付けることで、ホルダ本体313Bと補助ホルダ313Aとが円筒状基体301を長手方向に挟み込んで加圧することとなる。
このとき、円筒状基体の端面と補助ホルダ313Bとの受け部の間に緩衝部材(たとえばテフロン(登録商標))312を挟んだ状態で加圧することで、補助ホルダ(キャップ)313Aで受けられている円筒状基体301の端面は初期状態よりも平滑な粗さが得られる。緩衝部材312を挟んだ側の円筒状基体301の端面は、初期状態のままの粗さを保つこととなる。
また、この基体ホルダにセットした状態で、堆積膜の形成を行い、感光体を形成すれば、端面の表面粗さが異なる感光体が作製可能となり、感光体端面の加工に係るコストの削減が可能となる。
<感光体の構成>
本発明で用いる感光体は、たとえば、アルミなどの円筒状基体の表面にアモルファスの機能性堆積膜を積層したアモルファスシリコン感光体を用いる。
図5は、アモルファスシリコン感光体500の断面を模式的に示した層構成を示した図であり、円筒状基体501、電荷注入阻止層502、光導電層503および表面層504で構成されている。
<円筒状基体>
円筒状基体の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金を用いることができる。中でも、加工性や製造コストを考慮すると、アルミニウムが優れている。この場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金のいずれかを用いることが好ましい。基体は、基体洗浄装置で処理される前に、例えば表面を鏡面切削加工することがある。
<電荷注入阻止層>
本発明に用いられる感光体において円筒状基体と光導電層との間に円筒状基体側からの電荷の注入を阻止する働きを有する電荷注入阻止層を設けることが電気特性の点から効果的である。電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べて比較的多く含有させる。
伝導性を制御するために電荷注入阻止層に含有させる原子としては、帯電極性に応じて周期律表第13族に属する原子(第13族原子)または周期律表第15族に属する原子(第15族原子)を用いることができる。
さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子を含有させることにより、電荷注入阻止層と円筒状基体との間の密着性の向上を図ることが可能となる。
電荷注入阻止層の層厚は、所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から、好ましくは0.1〜10.0μm、より好ましくは0.3〜5.0μm、さらに好ましくは0.5〜3.0μmとされる。膜厚を0.1μm以上とすることにより、シリンダーからの電荷の注入阻止能を十分に有することができ、好ましい帯電能を得ることができる。一方、5.0μm以下とすることにより、作製時間の延長による製造コストの増加を防ぐことができる。
<光導電層>
本発明に用いられる感光体おいて、光導電層はa−Siからなり、適宜伝導性をコントロールするための不純物原子として第13族原子、第15族原子を添加しても良い。また、抵抗値などの特性を調整するために、酸素、炭素、窒素などの原子を適宜添加しても良い。層中の未結合手(ダングリングボンド)を補償するために、適宜水素原子を含有させることができる。
水素原子(H)の含有量の合計は、シリコン原子と水素原子の和に対して10原子%以上、特に15原子%以上であることが好ましく、また、30原子%以下、特に25原子%以下であることが好ましい。また、水素原子と同様の効果を得る目的で、フッ素などのハロゲン原子を水素原子とともに含有させてもよい。
光導電層の層厚は、通常、所望の電子写真特性が得られること、経済的効果の点から適宜所望にしたがって決定される。上限としては60μm以下とすることが好ましい。
<表面層>
本発明に用いられる感光体おいて、表面層の材質は、シリコン原子と炭素原子を母体する非単結晶材料からなる。また、水素原子および/またはハロゲン原子を層中に適宜含んでいることが好ましい。
このとき、表面層に含まれる炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対する炭素原子の数として50原子%から80原子%の範囲が好ましい。
また、表面層中に水素原子が含有されることが好ましいが、水素原子はシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させる。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合、膜中の平均値として5〜70原子%が好ましく、8〜60原子%がより好ましく、10〜50原子%がさらに好ましい。
また、適宜窒素原子、酸素原子を含んでもよく、a−SiCON系の材料としても構わない。
表面層の層厚としては、0.01〜3μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましく、0.1〜1.5μmがさらに好ましい。層厚が0.01μmよりも厚いと光受容部材を使用中に磨耗により表面層が失われることはなく、3μmを越えないと残留電位の増加などの電子写真特性の低下が発生することはなくなる。
次に、堆積膜形成の流れについて、プラズマCVD法を例にとって説明する。
<堆積膜形成装置>
図4は、本発明に用いられる感光体の製造に使用できる、高周波電源を用いたRFプラズマCVD法により堆積膜を形成する装置の一例の模式図である。
この装置は主として、反応容器4110を有する堆積膜形成装置4100、原料ガス供給装置4200、および、反応容器4110の中を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
反応容器4110の中にはアースに接続された円筒状基体4112、円筒状基体加熱用ヒーター4113および原料ガス導入管4114が設置されている。さらにカソード電極4111には高周波マッチングボックス4115を介して高周波電源4120が接続されている。
原料ガス供給装置4200は、原料ガスボンベ4221〜4225であるSiH4,H2,CH4,NO,B26,CF4などのボンベを具備する。また、ガス量調整のバルブとしてバルブ4231〜4235、流入バルブ4241〜4245、流出バルブ4251〜4255を具備する。そして、圧力調整器4261〜4265およびマスフローコントローラ4211〜4215を具備する。
次にこの装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、円筒状基体4112を反応容器4110に受け台4123を介して設置する。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器4110の中を排気する。真空計4119の表示を見ながら、反応容器4110の中の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、円筒状基体加熱用ヒーター4113に電力を供給し、円筒状基体4112を例えば100℃から350℃の所望の温度に加熱する。このとき、原料ガス供給装置4200より、Ar、Heなどの不活性ガスを反応容器4110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
感光体を構成する各層、例えば電荷注入阻止層、光導電層、表面層、に応じて原料ガス供給装置4200より各堆積膜の形成に用いるガスを反応容器4110に供給する。すなわち、必要に応じバルブ4231〜4235、流入バルブ4241〜4245、流出バルブ4251〜4255を開き、マスフローコントローラ4211〜4215で流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計4119の表示を見ながらメインバルブ4118を操作し、反応容器4110の中の圧力が所望の圧力になるように調整する。所望の圧力が得られたところで高周波電源4120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス4115を操作し、反応容器4110の中にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。
多層膜を形成する場合には、各層の堆積膜が所望の層厚になった時点で高周波電力の印加を停止し、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すれば良い。また、連続的に高周波電力、原料ガスの種類、流量設定、円筒状基体加熱用ヒーター4113の電力、反応容器4110の中の圧力を再設定して堆積膜を形成してもよい。例えば、原料ガス流量や、圧力などを次に形成する層の条件に一定の時間で変化させて、中間層の形成を行うこともできる。
以上のようにして、所定の層の堆積膜形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止する。そして、バルブ4231〜4235、流入バルブ4241〜4245、流出バルブ4251〜4255、および補助バルブ4260を閉じる。そして、原料ガスの供給を終えると同時に、メインバルブ4118を開き、反応容器4110の中を1Pa以下の圧力まで排気する。
このようにして、すべての堆積膜形成が終わった後は、メインバルブ4118を閉じ、反応容器4110の中に不活性ガスを導入し大気圧に戻した後、円筒状基体4112を取り出す。
以上が、RFプラズマCVD法による堆積膜形成を用いた感光体の製造方法である。
また、プラズマを発生させるエネルギーは、DC、RF、低周波、マイクロ波あるいはVHF帯域の電磁波のいずれでよく、それらは、所望の堆積膜特性に合わせて感光体の製造方法に使用できる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(実施例1−1〜1−5)
(評価1)感光体の表面温度ムラの評価
画像形成プロセス中に感光体の表面温度を測定できるように改造したキヤノン(株)製の電子写真方式の複写機(商品名:iR5075)に、感光体の端面に接触するようにフランジを装着した状態で設置し、感光体の表面温度を測定した。
感光体の端面は、各種研磨部材で研磨加工し、表2に示す値となるものを用いた。感光体の設置方向は、端面Ra1側を排気ファンに近い側にセットした。
なお、Ra1およびRa2の値は、実験終了後、感光体からフランジを外して測定した値である。
このときの感光体の表面の温度を測定し、表面温度ムラの評価を行った。
感光体は、図4に示した高周波電源を用いたプラズマ処理装置で、周波数はRF帯を用いて、円筒状基体(直径80mm、長さ358mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム製の導電性基体)上に堆積膜を形成し、表1に示す条件にて作製した。
作製した感光体の端面は、サンドペーパー(三共理化学(株)製:商品名:DCCS)を用い、研磨加工を行った。加工の手順としては、まず感光体を旋盤などの回転駆動機にセットし、回転速度200〜1000rpmで回転させた。次に、サンドペーパーを感光体の端面に押し当て、所望の粗さに加工した。なお、サンドペーパーは、粒度500〜2000の範囲で粗さに応じて使用した。
Figure 2016018167
(感光体の表面温度ムラの測定方法および評価方法)
排気ファンを作動させた状態で感光体のドラムヒーターの温度を47℃に制御した。なお、ヒーター制御用の温度センサーは感光体内面の軸方向の中心位置にくるようにセットした。この状態で、感光体の円筒軸方向の中心位置の表面温度が一定になった時点で、印字率5%のA4テストパターンを用いて連続画像出力を行い、表面温度を測定した。測定位置は、感光体の表面の円筒軸方向の中心位置を0mmとし、両端部に向けて30mm刻みに全11点とした。
なお、感光体の表面温度の測定には、非接触温度計((株)キーエンス製、商品名:赤外線放射温度計IT2-50)を用いた。
(比較例1−1〜1−3)
実施例と同様に作製した感光体を用い、実施例と同様に端面加工を行った。本比較例では、両端面の表面粗さが本発明外の表2に示すような値となるようにし、実施例同様に電子写真装置に感光体を設置し感光体の表面温度測定を実施した。
11点の測定点の最大値と最小値との差をΔTs(℃)を求め、感光体の表面温度ムラの指標とした。よって値が小さいほど感光体の表面温度ムラが小さい。
各感光体において、比較例1-1にて用いた感光体の感光体の表面温度ムラの値を基準として、以下のランクに区分した。結果を表2に示す。
A:基準に対して50%未満。
B:基準に対して50%以上95%未満。
C:基準に対して95%以上105%未満で同レベル。
D:基準に対して105%以上。
実施例および比較例の結果を合わせて表2に示す。
表2に示すように、電子写真装置の排気ファン近傍に表面粗さが大きい側の端面を設置した本実施例では、比較例に比べて感光体の表面温度ムラが小さいことがわかる。
また、端面の粗さが、Ra1≧1.0かつRa2≦0.5となる実施例1−1、1−2、1−3の感光体を用いた場合、感光体の表面の温度ムラはさらに小さくなった。
実施例1−4は、Ra1の値が0.9μmであるため(つまり、Ra1≧1.0を満たさないため)、Ra1側の端部の温度がやや低めになり、Ra1≧1.0を満たす実施例1−1〜1−3に比べるとやや劣る結果となった。
実施例1−5は、Ra2の値が0.6μmであるため(つまり、Ra2≦0.5を満たさないため)、Ra2側の端部の温度がやや高めになり、Ra2≦0.5を満たす実施例1−1〜1−3に比べるとやや劣る結果となった。
Figure 2016018167
(評価2)画像濃度ムラの評価
キヤノン(株)製の電子写真方式の複写機(商品名:iR5075)に、感光体の端面に接触するようにフランジを装着した本発明の感光体を設置し、画像濃度ムラの評価を行った。
感光体は、実施例1-1〜1-5および比較例1−1〜1−3にて作製した感光体(端面の加工も含む)を用い、端面Ra1側を排気ファンに近い側にセットした。
画像濃度ムラの評価方法は、以下とする。
(画像濃度ムラの評価方法)
画素密度が37.5%となるハーフトーン画像を連続で100枚出力した。
複写機は、画像出力を行う前に、排気ファンを作動させた状態で感光体のドラムヒーターの温度を47℃に制御する。なお、温度センサーは感光体内面の軸方向の中心位置にある。画像出力中も、排気ファンの作動とドラムヒーターの温度制御はおこなっている。
得られた画像において、感光体1周分の領域を72等分(円筒軸方向9等分×周方向8等分)し、72個所の画像濃度を、反射濃度計(分光濃度計)(X−Rite社製、商品名:504分光濃度計)を用いて測定した。
得られた画像の72個所の濃度の最大値(Max)および最小値(Min)からMax−Minを求め、画像濃度ムラの指標とした。よって値が小さいほど画像濃度ムラが小さい。なお、測定は、得られた画像の1枚目と100枚目の画像を用いて行った。
各感光体において、比較例2-1にて用いた感光体の100枚目の出力画像を基準として、以下のランクに区分した。結果を表3に示す。
A:基準に対して40%未満。
B:基準に対して40%以上95%未満。
C:基準に対して95%以上105%未満で同レベル。
D:基準に対して105%以上。
Figure 2016018167
実施例および比較例の結果を合わせて表3に示す。
表3に示すように、電子写真装置の排気ファン近傍に表面粗さが大きい側の端面を設置した本実施例では、比較例に比べて画像濃度ムラが小さいことがわかる。
また、端面の粗さが、Ra1≧1.0かつRa2≦0.5となる感光体を用いた場合、画像濃度ムラはさらに小さくなり、本発明の効果がより顕著になる。
(実施例2)
本実施例では、図3に示す構成の基体ホルダを用い、図4にて示した堆積膜形成装置にて表1に示す条件にて感光体の形成を行った。
円筒状基体の端面は両端ともに表面粗さRa=1.2μmのものを使用し、図3に示す緩衝部材312として厚さ2mmのテフロン(登録商標)シートを用いた。補助ホルダ(キャップ)313AはSUS製で、円筒状基体の端面との受け面をRa=0.4μmとした。この状態で円筒状基体をセットし、ネジ334を締め付け、円筒状基体の端面に300〜400kgf/cmの圧力がかかるようにした。
作製した感光体の端面の表面粗さは、緩衝部材側(Ra1)がRa=1.2μm、補助ホルダ側(Ra2)がRa=0.4μmであった。
こうして作製した感光体を、前述の実施例同様に、端面Ra1側を排気ファンに近い側にセットし、画像濃度ムラの評価を行った。評価方法は前述の実施例と同様とする。
本実施例においても、電子写真装置の排気ファン近傍に表面粗さが大きい側の端面を設置することで、良好な画像濃度ムラの評価結果が得られた。
また、本実施例においては、感光体の形成後に端面の加工を行う必要がなく、堆積膜形成と同時に端面の加工がなされるため、端面加工に係るコストが削減できる効果が得られる。
なお、実験終了後、感光体からフランジを外し、端面の表面粗さを測定したが、表面粗さはRa1=1.2μm、Ra2=0.4μmで、表面粗さの変化は無かった。
201 感光体
202 一次帯電器
205 加熱手段
206、207 フランジ
216 排気ファン

Claims (2)

  1. 円筒状の感光体と、
    前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電により発生する放電生成物を排気する排気手段と、
    前記感光体の表面に露光光を照射して前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
    前記感光体を加熱する加熱手段と、
    前記感光体の両端の端面に接触するように装着され、前記感光体を回転させる駆動力を伝達するフランジと、
    を有する電子写真装置であって、
    前記感光体の、一方の端面の算術平均粗さがRa1[μm]であり、他方の端面の算術平均粗さがRa2[μm](ただし、Ra1>Ra2)であり、
    前記排気手段によって発生するエアフローの風量が多くなる側に、前記感光体の算術平均粗さがRa1[μm]である端面が配置されることを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記Ra1およびRa2が下記式(1)および(2)を満たす請求項1に記載の電子写真装置。
    Ra1≧1.0 ・・・(1)
    Ra2≦0.5 ・・・(2)
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