JP2016018000A - 試作モデルの構造 - Google Patents

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時人 尾崎
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Abstract

【課題】実物大またはこれに準じる大きさの試作モデルを木材や粘土によらず作成可能であり、実物の構造体と同様に各種部品の取り付け、作業内容や手順の確認に使用することができる新たな試作モデルの構造を提供する【解決手段】試作モデル10の構造Spは、ベース部材1上に形成される立面部11,12と立面部の上部13に形成される上面部14とからなり、立面部は、第1材料によって所定の表面形状に成形された表面部材21と、第2材料によって所定の内面形状に成形された内面部材25とを含むとともに、表面部材と内面部材を所定厚み幅形状に保持するために所定形状に加工された間隙部材30とによって一体に固定されており、表面部材と内面部材の少なくともいずれかが剛性を有する面部材20である。【選択図】図1

Description

本発明は、試作モデルの構造に関し、特に原寸大の大きさに仕上げた試作モデルの構造に関する。
製品開発に際し、設計図から試作品を実際に作成して外観、内部構造等を確認し、順次改良を重ねる必要がある。その場合、従来は設計図に従って木製や粘土製(クレイ)の試作モデルを仕上げていた。その後、CAD/CAMの三次元データが利用され、直接原型の作成が可能となった。加えて、樹脂材料、加工装置等の進歩により試作モデルの作成は格段に簡略化、省力化された(特許文献1、2、3、4等参照)。しかしながら、既存の試作モデルは家庭用電化製品、機械部品、機械装置等の大きさに限られていた。これは原型を作成するための造形装置等による制約によるためである。
そのため、例えば、乗用車の車体等の実物大の試作モデルを作成する場合、現状、木材を組み合わせて切削したり、粘土を加工したりしながら形状を整えていた。木材、粘土から作成した試作モデルは、一般にほぼ完成状態の製品の表現に使用され、主に外観の確認に用いられている。
しかし、車体のフレーム、モノコック等は複雑かつ細い部分の多い構造体である。当該構造体の場合、木材のみでは強度維持が難しく、その分肉厚に仕上げる必要があった。それゆえ、木材等から当該構造体の試作モデルを作成したとしても、実際の形状を再現しているとは言い難い。現状、外形を確認するにとどまっていた。従って、実際に部品を取り付けたり、作業内容、手順等を確認したりすることに木製の試作モデルを用いることはできなかった。むろん、粘土から成形した試作モデルも同様である。
このようなことから、車体のフレーム、モノコック等の構造体の試作モデルにおいて、原寸大の大きさを得ることは難しく、縮尺モデルまたは形状を適度に変えたモデルにとどまっていた。しかしながら、製品開発の迅速化への対応から、原寸大の試作モデルを用いて実物の構造体と同様に各種部品の取り付けを行い、作業内容や手順等の確認に使用したいとの要望は極めて高い。
そこで、実物大の正確な試作モデルを比較的簡便に作成して、製品開発の効率化を図るべく、新たな木材や粘土に代わる試作モデルが切望されている。
特許3137262号公報 特開2002−347127号公報 特開2003−136605号広報 特許5290555号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、実物大またはこれに準じる大きさの試作モデルについて、木材や粘土によらず作成可能であり、実物の構造体と同様に各種部品の取り付け、作業内容や手順の確認に使用することができ、製品開発の効率化に貢献する新たな試作モデルの構造を提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、ベース部材上に形成される立面部と前記立面部上部に形成される上面部とからなる試作モデルの構造であって、前記立面部は、第1材料によって所定の表面形状に成形された表面部材と、第2材料によって所定の内面形状に成形された内面部材とを含むとともに、前記表面部材と前記内面部材を所定厚み幅形状に保持するために所定形状に加工された間隙部材とによって一体に固定されていることを特徴とする試作モデルの構造に係る。
請求項2の発明は、前記表面部材と前記内面部材の少なくともいずれかが剛性を有する面部材である請求項1に記載の試作モデルの構造に係る。
請求項3の発明は、前記剛性を有する面部材がFRPよりなる請求項2に記載の試作モデルの構造に係る。
請求項4の発明は、前記表面部材と前記内面部材とが直接または前記間隙部材を介して固定されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の試作モデルの構造に係る。
請求項5の発明は、前記固定が、接着、クリップ止め、ねじ止め、またはボルトナット止めである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の試作モデルの構造に係る。
請求項6の発明は、前記ベース部材と前記立面部の剛性を有する面部材との間に補強部材が取り付けられた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の試作モデルの構造に係る。
請求項7の発明は、前記立面部の剛性を有する面部材に他部材を取り付けるための取付補強部材が備えられた請求項1ないし6のいずれか1項に記載の試作モデルの構造に係る。
請求項8の発明は、前記左右の立面部の上部と前記上面部の剛性を有する面部材に該上面部及び該立面部の変形を防ぐための補強棒状部材が取り付けられた請求項1ないし7のいずれか1項に記載の試作モデルの構造に係る。
請求項1の発明に係る試作モデルの構造によると、ベース部材上に形成される立面部と前記立面部上部に形成される上面部とからなる試作モデルの構造であって、前記立面部は、第1材料によって所定の表面形状に成形された表面部材と、第2材料によって所定の内面形状に成形された内面部材とを含むとともに、前記表面部材と前記内面部材を所定厚み幅形状に保持するために所定形状に加工された間隙部材とによって一体に固定されているため、実物大またはこれに準じる大きさの試作モデルについて、木材や粘土によらず作成可能であり、実物の構造体と同様に各種部品の取り付け、作業内容や手順の確認に使用することができ、製品開発の効率化に貢献することができる。
請求項2の発明に係る試作モデルの構造によると、請求項1の発明において、前記表面部材と前記内面部材の少なくともいずれかが剛性を有する面部材であるため、ステンレス鋼板等の高強度を備えた構造体を模すことができる。
請求項3の発明に係る試作モデルの構造によると、請求項2の発明において、前記剛性を有する面部材がFRPよりなるため、安価かつ試作品形状の作成も容易である。また、軽量でありながら極めて強度が高く、実際の鋼板に近似した感覚を得ることができる。
請求項4の発明に係る試作モデルの構造によると、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記表面部材と前記内面部材とが直接または前記間隙部材を介して固定されているため、試作モデルにおいてより実際の構造を忠実に再現することができる。
請求項5の発明に係る試作モデルの構造によると、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記固定が、接着、クリップ止め、ねじ止め、またはボルトナット止めであるため、表面部材と内面部材との固定に関して多様な固定態様を実現することができ、実際の構造における各種部材の取り付け方、取り付け方法(固定方法)を試作モデルにおいても再現できる。
請求項6の発明に係る試作モデルの構造によると、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記ベース部材と前記立面部の剛性を有する面部材との間に補強部材が取り付けられたため、試作モデルとベース部材との取り付けは容易となる。
請求項7の発明に係る試作モデルの構造によると、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記立面部の剛性を有する面部材に他部材を取り付けるための取付補強部材が備えられたため、面部材の穴を形成した部位の亀裂が回避される。
請求項8の発明に係る試作モデルの構造によると、請求項1ないし7のいずれかの発明において、前記左右の立面部の上部と前記上面部の剛性を有する面部材に該上面部及び該立面部の変形を防ぐための補強棒状部材が取り付けられたため、上面部が自重等により撓んだりして変形する場合に、その変形を適宜調整して、設計図どおりの形状に留めることができる。
本発明の試作モデルの構造の全体斜視図である。 図1のP部分の横断面模式図である。 図1のQ部分の縦断面模式図である。 取付補強部材の全体斜視図及び縦断面図である。 取付補強部材の他の縦断面図である。 固定の例の断面模式図である。 固定の例の他の断面模式図である。 図1のR部分の拡大斜視図である。 図1のR部分の縦断面模式図である。 補強棒状部材の拡大斜視図である。
図1の全体斜視図は試作モデルの構造Spであり、試作モデル10はベース部材1の上に形成されている。図示のベース部材1は鋼材等からなる枠部2,3の組み合わせからなる。試作モデル10はベース部材1の枠部2,3に固定される(後出の図3参照)。ベース部材の材質は鋼材以外にも、樹脂製や木製としてもよく、搬送や運搬用のパレット等も利用される。図示の試作モデル10は、乗用車の実物大の車体フレーム(モノコック)を示した例である。以降、試作モデル10は主に乗用車の車体用のためのモデルとして図示し説明する。
試作モデル10は、請求項1の発明に規定するように、2面以上の立面部と上面部の組み合わせからなる。図示の立面部(サイド面部)は少なくとも右立面部11と左立面部12を備える。そして、右立面部11及び左立面部12の上部13に上面部14(ルーフ面部)が形成される。このように、試作モデル10は各面部同士の接合により外殻状に構成される。立面部及び上面部の数、大きさ、及び形状は、試作モデルの対象となる乗用車の種類、意匠、または部品数等により適宜である。しかしながら、オープンカーを除く車体の試作モデルを構成するに際し、左右の側面部とルーフ面部は不可欠である。そこで、本発明においては立面部と、この立面部の上部に形成される上面部を必須としている。
試作モデル10において、少なくとも立面部を構成する右立面部11及び左立面部12は、表面部材21と内面部材25とを含んで形成される。表面部材21は第1材料によって所定の表面形状に形成される。図示において、車体側面では車体形状の試作モデルの外面側である。具体的には車体を構成する鋼板部分等に相当する。内面部材25は第1材料とは異なる第2材料によって所定の内面形状に形成される。図示では、車体形状の試作モデルの内面側である。具体的には車体内に取り付ける内装材等に相当する。むろん、この例以外の車体部位にも適用される。
そして、請求項2の発明に規定するように、表面部材21と内面部材25のうち、少なくともいずれかは、剛性を有する面部材20である。特に図示においては、車体の試作モデルの外殻となる表面部材21が剛性を有する面部材20である。表面部材21は実際の車体のステンレス鋼板等の高強度を備えた構造体を模している。
このような剛性を有する面部材20は、請求項3の発明に規定するように、FRP(繊維強化プラスチック:Fiber Reinforced Plastics)から形成される(以降、FRPと省略する。)。すなわち、第1材料はFRPである。試作モデル10において、表面部材21の作成はFRP製とすることにより安価となる。同時に所望の試作品形状の作成も容易である。また、軽量でありながら極めて強度が高い。従って、実際の鋼板に近似した感覚を得ることができる。なお、剛性を有する面部材については、FRP製とする以外にも適宜の強度維持が可能な樹脂材料を使用することができる。
内面部材25は、表面部材21と同様にFRP製の剛性を有する面部材とすることもできる。あるいは、異なる材質とすることもできる。図示の実施例の内面部材25は主にポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリプロピレン樹脂等を用いた加工品である。具体的には、内面部材25はポリアミド樹脂の粉末にレーザーを照射しながら立体形状に造形した粉末造形物である。つまり、第2材料はポリアミド樹脂である。内面部材25は極めて複雑な形状であり、また、実際の車体においても内装材は樹脂製品から形成される。そこで、極力実際の内装材の物性、柔軟性等の感触に近似した材質として、ポリアミド樹脂の粉末造形物が選択される。粉末造形は、公知のCAD/CAMのシステムとの連動により簡便に複雑な形状物に仕上げることができ、特に試作品作成に大きく貢献する。むろん、ポリアミド樹脂以外にも、各種の樹脂が第2材料として用いられる。
上面部14については、表面部材21と内面部材25とを含む構造としても、表面部材21のみとしてもよい。試作モデル10(その構造Sp)の形態により、いずれとするかは適宜である。図中、符号15は剛性を有する面部材でありルーフ面部材である。符号80は補強棒状部材であり変形防止目的により上面部14に取り付けられる。
図2はドアピラー付近の横断面模式図(端面)である(図1のP部分参照)。同図を例に表面部材21と内面部材25の接合関係を説明する。表面部材21及び内面部材25は互いに樹脂同士であることから、請求項4の発明に規定するように、表面部材21及び内面部材25の端部同士21e,25eは直接固定される。端部同士は接着部位51を介して相互に接着される。また、表面部材21及び内面部材25の形状から、両部材に囲まれる空間部16(中空部位)が生じる。そこで、間隙部材30が空間部16に備えられ、同じく請求項4の発明に規定するように、表面部材21及び内面部材25は間隙部材30を介して固定される。これらも接着部位51を介して相互に接着される。間隙部材30は表面部材21及び内面部材25を所定の厚み幅形状に保持するための部材である。表面部材21及び内面部材25に対応するため、所定形状に加工されている。
前述のとおり、表面部材21及び内面部材25は剛性を備えているものの樹脂製であり、変形しやすくなる部位がある。そこで、試作モデル10における当該箇所の強度確保や変形防止の観点から、間隙部材30が空間部16に備えられる。間隙部材30は主にケミカルウッド等と称される樹脂材料であり、硬質ウレタン樹脂をはじめとする各種の合成樹脂から形成される。間隙部材は比較的容易に加工することができ、試作品ごとに形状を整えやすい。なお、間隙部材には合成樹脂以外にも木材を用いてもよい。表面部材21、間隙部材30、及び内面部材25の固定は接着であり、接着部位51と同様に公知の接着剤が使用される。
表面部材21と内面部材25との固定により、試作モデルにおいてより実際の車体等の構造を忠実に再現することができる。なお、図2の部位は、車両のドアを取り付ける部位でもあるため、金属プレート100が表面部材21の凹部に収容されている。金属プレート100は他の構造部材を接続するための台座となる。金属プレート100は表面部材21の背後(空間部16側)からボルト101により固定される。
図3は試作モデル10の下部とベース部材1との取り付け部位であり、図1のQ部分の縦断面図模式図(端面)である。請求項6の発明に規定するように、ベース部材1と、試作モデル10の立面部11,12の剛性を有する面部材20、すなわち表面部材21との間に補強部材60が取り付けられる。図示の補強部材60は、側面視L字状の金属部材であり、垂直部61と水平部62からなる。補強部材60の水平部62はベース側ボルト64とベース側ナット65により枠部3に固定される。また、補強部材60の垂直部61と表面部材21は、金属プレート100とともにボルト102により固定される。さらに、補強部材60の水平部62と表面部材21は、低頭ボルト103により接続されて固定される。補強部材60が備えられることにより、試作モデル10とベース部材1との取り付けは容易となる。また、ベース部材1上の補強部材60の位置を適宜変更することにより、多様な車種の形状に対応した試作モデル10の取り付け固定も可能となる。
図3においても、表面部材21と補強部材60(垂直部61)との間、また、表面部材21とベース部材1との間に間隙部材30が装着される。これは表面部材21と補強部材60等との安定性を高めるためである。加えて、ボルトによる締結時の圧力は吸収される。図示の間隙部材30はその内部に各ボルトが挿通されている。間隙部材30の形状加工や大きさは、試作モデル10における表面部材21及び内面部材25の形状を考慮して規定される。図中、符号105はプレート穴部(タップ穴)である。
図4及び図5を用い、取付補強部材70について説明する。取付補強部材70は、請求項7の発明に規定するように、試作モデル10の立面部11,12の剛性を有する面部材20、すなわち図示ではFRPよりなる表面部材21に備えられる部品の一つである。取付補強部材70の材質は適宜であり、金属製としても樹脂製としてもよい。この例では、内面部材25と同じく取付補強部材70はポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)から形成される。この場合、粉末造形による形成としてもよい。
FRP製の表面部材21の剛性は向上するものの、裏打ち用の部材が無くボルト穴等の径の穴が穿設されると、その穿設部位(穴を形成した部位)から周囲に亀裂が生じやすくなる。特に穿設部位を補強する裏打ち用の部材が無い場合には、穿設部位のみで全ての荷重を支えなければならないためである。そのため、表面部材21の亀裂の解消を図り、他の部材の取り付けをより容易にするために取付補強部材70が備えられる。そして、取付補強部材70の材質はFRPよりも軟性に富む材質であるため、亀裂も回避される。
図4(a)の斜視図に示すように、取付補強部材70は円盤状であり、面部材20(表面部材21)と接するフランジ部71と、表面部材21(面部材20)を貫通する筒部72を備える。さらに、図4(b)の断面図からもよくわかるように、主にFRP製の表面部材21(面部材20)には取付補強部材70の筒部72の直径と同径の貫通穴28が形成される。取付補強部材70(フランジ部71及び筒部72)は接着部位51を通じて貫通穴28に接着され固定される。
取付補強部材70の筒部72の内側には内板部73が備えられる。この内板部73の中心に取付穴74が形成される。図示の例では、クリップ52が取付穴74内に挿着されている。クリップ52は内面部材またはその他の部材との固定に使用される。表面部材21(面部材20)をFRPから形成する場合、実際の鋼板と比較すると強度は少なくなる。そこで、便宜上面部材(表面部材)はその肉厚を多くして形成される(厚さt1参照)。それゆえ、既存のクリップをそのまま挿着することができない。これに対して、取付補強部材70の内板部73の厚さは概ね実際の鋼板の厚さに等しく形成されている(厚さt2参照)。そのため、クリップを支障無く使用することができる。また、表面部材21(面部材20)の表面側21fと、取付補強部材70の筒部72及び内板部73との段差はほとんど無く平坦状である。段差を無くすことにより、表面部材21(面部材20)の表面を実際の鋼板と似せた態様としている。従って、試作モデルでありながら、より実際の構造体と同様に取り扱うことができる。符号21bは表面部材21(面部材20)の裏面側である。
図5(a)の断面図は固定手段の他の例示である。表面部材21(面部材20)に備えられた取付補強部材70にボルト54とナット55が締結されている。ナット55は取付補強部材70の筒部72の内側に収容され、ボルト54は表面側21fの内板部73から反対側のボルト55に螺着する。図5(b)の断面図は固定手段のさらに他の例示であり、スタッドボルト56とナット55との締結である。なお、スタッドボルト56は適宜寸法に切断される。そして、ボルト54またはスタッドボルト56に内面部材25またはその他の部材が接続、固定される。図中、符号58はワッシャーである。
図5の例においても、表面部材をFRP製とした場合、取付補強部材を省略してそのままボルトナット止めとすると、ボルト穴の穿設部位から周囲に亀裂が生じやすくなる。特に、ボルトナット止めの固定方法では重量物が取り付けられることが多く、より大きな負荷がボルト穴の穿設部位に加わる。そこで、軟性に富む取付補強部材を介在させることによって周辺部分の亀裂は回避される。
図6及び図7の断面模式図は、請求項5の発明に規定する表面部材21と内面部材25との固定態様の例である。図6(a)では、表面部材21と内面部材25の間に間隙部材30が置かれ、接着部位51を介して相互に接着剤を用いて接着される。そして、内面部材25側から間隙部材30に対してねじ53(ビス)が螺着される。ねじ53のねじ山は内面部材25とともに間隙部材30に食い込むため、ねじ53の固定は容易となる。
図6(b)では、表面部材21に内面部材25が所定量重ねられる。そして、前出の取付補強部材70を備えることなく表面部材21にねじ53が螺着される。特に図示の表面部材21はFRP製である。本来的には、ねじ53の螺着により表面部材21に生じたねじ穴から亀裂が生じるようにも思われる。しかし、表面部材21に密着して重ねられた内面部材25がちょうど表面部材21の裏打ち部材となる。そこでねじ53の螺着による表面部材21と内面部材25の圧着が進み、ねじ53周辺の荷重等は内面部材25側にも分散される。そのため、表面部材上の亀裂のおそれを考慮する必要性は乏しい。
図7(a)では、FRP製の表面部材21に貫通穴23が穿設され、内面部材25にも貫通穴27が穿設され、同時に内面部材25の貫通穴27にナット55も収容される。表面部材21に内面部材25が所定量重ねられ、ボルト54は貫通穴23,27を挿通してナット55と螺合する。図示では前出の取付補強部材70は省略されている。この図示からもわかるように、表面部材21に密着して重ねられた内面部材25は表面部材21の貫通穴23付近の裏打ち部材となる。そこで、ボルト54とナット55の締結時の荷重等は双方の積層部位を通じて分散されることとなり、表面部材上の亀裂のおそれはほぼ解消される。
図7(b)では、FRP製の表面部材21に貫通穴23が穿設される。そして、内面部材25にも貫通穴27が穿設され、同時に内面部材25の貫通穴27内にナット55が埋設される。表面部材21の貫通穴23付近と内面部材25の貫通穴27付近は密着して重ねられる。ボルト54は両貫通穴23,27を挿通して貫通穴27内のナット55と螺合する。図示でも前出の取付補強部材70は省略されている。この図示においても、表面部材21の貫通穴23付近に密着して重ねられた内面部材25は表面部材21の貫通穴23付近の裏打ち部材となる。そこで、ボルト54とナット55の締結時の荷重は双方の積層部位を通じて分散されることとなり、表面部材上の亀裂のおそれはほぼ解消される。
一連の図4ないし図7の説明からよくわかるように、表面部材21と内面部材25との固定に際しては、直接表面部材21と内面部材25とを固定することもでき、または間隙部材30を介して固定することもできる。そして、表面部材21と内面部材25との固定については、接着(接着部位51参照)、クリップ52止め(図4参照)、ねじ53止め(図6参照)、またはボルト54とナット55による締結(図5,7参照)の種々の固定方法を採用することができる。
以上のとおり、表面部材と内面部材との固定に関して多様な固定態様を実現することができる。そのため、例えば実際の車体の構造における各種部材の取り付け方、取り付け方法(固定方法)が、試作モデルにおいても容易に再現できる。このような利点は、木製や粘土製のモデルからは得ることができない。さらに、FRPの利用により試作モデルは軽量化し、かつ剛性も高められる。併せて、FRPに生じやすい亀裂の問題について、取付補強部材を使用することにより、当該使用部位の補強が簡単となる。
図1とともに図8ないし図10を用い補強棒状部材80について説明する。図8は前掲図1のR部分の拡大斜視図である。請求項8の発明に規定するように、補強棒状部材80は、左右の立面部である右立面部11及び左立面部12の上部13と、上面部14の剛性を有する面部材(ルーフ面部材15)に取り付けられる。ルーフ面部材15は、前述の表面部材21と対応し剛性を考慮してFRPより形成される。そのため、試作モデル10におけるルーフ部分の軽量化と強度維持を図ることができる。ただし、実際の鋼板よりは撓んだりして変形しやすい。そのため、上面部14(ルーフ面部材15)と、右立面部11及び左立面部12の変形を防ぐための梁として補強棒状部材80は取り付けられている。
図8において、補強棒状部材80は棒状部81(水平部)と固定部82(垂直部)を有する角形の鋼管である。図示では右立面部11側に台座部90が設けられる。固定部82は台座部90の収容部92内に挿入される。台座部90は前述の内面部材25と同様の樹脂材料から形成される。台座部90の形状再現性が考慮されるためである。そして、台座部90は左右の立面部である右立面部11及び左立面部12の上部13に取り付けられる。符号93は固定ボルトである。
図9は台座部90の縦断面模式図(端面)である。台座部90の収容部92は固定部82と対応した角形のカップ状であり、その内部に固定ナット91が埋設されている。台座部90の外部から固定ボルト93が挿通され固定ナット91と螺合する。固定ボルト93の先端は固定部82と当接する。そこで、固定部82と台座部90(収容部92)は強固に固定される。台座部90には、保持部94,95が形成されている。保持部94にはルーフ面部材15は接続され、保持部95には右立面部11(上部13)が接続される。なお、左立面部12側においても対称形状で同様である(図示省略)。
図10は補強棒状部材80と上面部14(ルーフ面部材15)との関係を示す主要部斜視図である。図10(a)に示すように、ルーフ面部材15の所定位置に固定補助部材35が設けられる。この例の固定補助部材35は前出の間隙部材30と同様の材質からなり、主にケミカルウッド等と称される硬質ウレタン樹脂をはじめとする各種の合成樹脂である。固定補助部材35はルーフ面部材15と接着により固定される。位置調整ボルト85は補強棒状部材80の棒状部81を貫通して固定補助部材35に固定されている。そして、調整ナット86,87は棒状部81を貫通する位置調整ボルト85に対して締結される。位置調整ボルト85と螺合する調整ナット86と87はそれぞれ適量回される。
そこで、右立面部11及び左立面部12の上部13にある上面部14(ルーフ面部材15)が自重等により撓んだりして変形することがある。そのような場合、ルーフ面部材15の湾曲を適宜調整して、設計図どおりの形状に留める必要がある。そこで、位置調整ボルト85と調整ナット86,87が使用され、ルーフ面部材15と棒状部81との距離は広げられたり狭められたりする。このことにより、ルーフ面部材15の形状修正のための微調整が可能となる。
図10(b)では、棒状部81に延長部83がさらに備えられる。そして、位置調整ボルト85は延長部83を貫通しており、ここに調整ナット86,87が螺合される。仕組みは前述と同様である。補強棒状部材80において、棒状部81のみとするか、延長部83を備えるとするのかは、上面部14(ルーフ面部材15)の大きさ、形状、意匠上の問題による。例えば、サンルーフを形成するルーフ面部材の場合、部材内に開口部が形成される。そのため、都合の良い位置に固定補助部材を接続することが難しい。しかし、棒状部に延長部を備えることにより、ルーフ面部材の都合の良い位置に固定補助部材は接続される。このことから、上面部(ルーフ面部材)の形状設計の自由度は制約されることなく、補強棒状部材を備えることにより、変形抑止に効果が発揮される。
図示し詳述した試作モデルの構造は、乗用車の実物大の車体フレーム(モノコック)を示した構造である。むろん、これ以外にも、鉄道、モノレール、ロープウエイ、ケーブルカー等の各種陸上輸送機械、航空機、ヘリコプター、クルーザーや漁船等の小型船舶等の試作モデルに適用可能である。さらには、CTやMRI等の医療機器の試作モデル、加えて、大型遊具の試作モデル等への適用も可能である。
本発明の試作モデルの構造は、実物大またはこれに準じる大きさの試作モデルについて簡便な材料から作成可能であり、実際の構造体とほぼ同様の再現性を備える。従って、当該試作モデルを用いて各種の予行や確認が可能となり、製品開発の効率化に貢献する。
1 ベース部材
2,3 枠部
10 試作モデル
11 右立面部
12 左立面部
13 立面部の上部
14 上面部
15 ルーフ面部
16 空間部
20 面部材
21 表面部材
25 内面部材
30 間隙部材
35 固定補助部材
51 接着部位
52 クリップ
53 ねじ
54 ボルト
55 ナット
60 補強部材
61 垂直部
62 水平部
70 取付補強部材
80 補強棒状部材
81 棒状部
82 固定部
83 延長部
85 位置調整ボルト
86,87 調整ナット
90 台座部
92 収容部
100 金属プレート
Sp 試作モデルの構造

Claims (8)

  1. ベース部材上に形成される立面部と前記立面部上部に形成される上面部とからなる試作モデルの構造であって、
    前記立面部は、
    第1材料によって所定の表面形状に成形された表面部材と、
    第2材料によって所定の内面形状に成形された内面部材とを含むとともに、
    前記表面部材と前記内面部材を所定厚み幅形状に保持するために所定形状に加工された間隙部材とによって一体に固定されている
    ことを特徴とする試作モデルの構造。
  2. 前記表面部材と前記内面部材の少なくともいずれかが剛性を有する面部材である請求項1に記載の試作モデルの構造。
  3. 前記剛性を有する面部材がFRPよりなる請求項2に記載の試作モデルの構造遊技機。
  4. 前記表面部材と前記内面部材とが直接または前記間隙部材を介して固定されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の試作モデルの構造。
  5. 前記固定が、接着、クリップ止め、ねじ止め、またはボルトナット止めである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の試作モデルの構造。
  6. 前記ベース部材と前記立面部の剛性を有する面部材との間に補強部材が取り付けられた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の試作モデルの構造。
  7. 前記立面部の剛性を有する面部材に他部材を取り付けるための取付補強部材が備えられた請求項1ないし6のいずれか1項に記載の試作モデルの構造。
  8. 前記左右の立面部の上部と前記上面部の剛性を有する面部材に該上面部及び該立面部の変形を防ぐための補強棒状部材が取り付けられた請求項1ないし7のいずれか1項に記載の試作モデルの構造。
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